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関節リウマチの原因とは?ストレス・飲酒・性格との関係性
関節リウマチの発症には、さまざまな原因が関係していると考えられています。
現時点で原因は完全には解明されていませんが、発症の仕組みやリスクを理解することは、予防や悪化防止の観点からも重要です。
本記事では、免疫・遺伝・生活環境といった基本的な要因に加え、ストレス・喫煙・飲酒・歯周病・性格傾向といった身近な要素との関連性についても解説します。
当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、関節リウマチなどの治療にも用いられている「再生医療」に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状があれば、ぜひご活用ください。
目次
関節リウマチの原因
ここでは、関節リウマチの発症に関係する免疫・遺伝・環境の3つの要因を中心に、原因をわかりやすく解説します。
免疫システム
関節リウマチは、免疫の働きに異常が生じる「自己免疫疾患」の一種です。
本来は細菌やウイルスなどを攻撃する免疫システムが、自分の体の一部である関節の内側にある「滑膜(かつまく)」という組織を誤って攻撃し、炎症を引き起こします。
炎症の原因となるのが、「サイトカイン」と呼ばれるたんぱく質です。
サイトカインは免疫細胞から分泌され、なかでも「IL-6(インターロイキン6)」や「TNF-α(腫瘍壊死因子アルファ)」は、炎症を強く進める働きを持っています。
サイトカインが過剰に分泌されることで、炎症が悪化していくのです。
環境要因
関節リウマチの発症には、もともとの体質に加えて生活環境も関わってきます。
免疫の働きに異常が起こると、関節の滑膜や骨などを自分で攻撃してしまい、そこに環境要因が重なることで発症しやすくなるのです。
代表的な環境要因には、以下のようなものがあります。
- 喫煙
- ウイルスや細菌の感染
- 歯周病
- 腸内細菌叢の変化
家族に関節リウマチの人がいる場合は、上記のような環境要因をできるだけ避けると発症リスクを減らすことにつながります。
遺伝的要因
関節リウマチの発症には、遺伝的な要因も深く関わっていることがわかっています。
なかでも、代表的なのが「HLA(ヒト白血球型抗原)」という遺伝子です。
HLAは免疫の働きを調整する重要な役割を持っており、特定のタイプをもつ人は関節リウマチを発症しやすいとされています。
また、家族の中に関節リウマチの患者がいる場合、発症リスクが高まることも知られていますが、親や祖父母が患者であっても、必ず子や孫に遺伝するわけではありません。
発症しやすい体質が受け継がれる可能性があるだけで、直接的な遺伝性疾患とは異なります。
関節リウマチの遺伝は、発症に関与する複数の遺伝子が複雑に関係しており、特定の遺伝子を持っているだけで必ずしも関節リウマチを発症するわけではないのです。
関節リウマチと遺伝の関係は下記の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
発症の原因?関節リウマチと各要因の関係性
ここでは、関節リウマチと関係があると考えられている具体的な要因について、詳しく解説します。
関節リウマチとストレスの関係性
現時点では、ストレスが関節リウマチの直接的な原因であるという明確な根拠は見つかっていません。
しかし、ストレスによって免疫の働きが弱まることがあるため、発症に間接的な影響を与える可能性はあると考えられています。
そのため、日頃から規則正しい生活を意識し、しっかりと休養をとることが大切です。
体に負担をかけすぎないよう、身体的なストレスを減らす工夫も心がけましょう。
趣味に没頭する時間をつくったり、信頼できる友人と話したりすることでも、精神的なストレスを軽減できます。
関節リウマチと喫煙の関連性
関節リウマチは、喫煙によって発症リスクが高まることがわかっています。(文献1)
喫煙は心臓や肺などの臓器に悪影響を及ぼすだけでなく、関節の炎症を悪化させたり、治療薬の効果を弱めたりする可能性があるため、関節リウマチの管理においても大きなリスク要因です。
もし自力での禁煙が難しい場合は、禁煙外来でサポートを受ける方法もあります。
また、間質性肺疾患などの合併症を防ぐためにも、禁煙は重要な生活改善のひとつです。
関節リウマチと歯周病の関連性
関節リウマチは、歯周病との関係にも注意が必要です。
歯ぐきの炎症によって起こる歯周病は、単なる口のトラブルにとどまらず、関節リウマチの発症や症状の悪化に関与する可能性があります。
メカニズムは完全に解明されていませんが、歯周病によって口腔内の細菌バランスが乱れると、免疫の異常を引き起こしやすくなるのです。(文献2)
具体的には、次のような対策を行いましょう。
- 毎日丁寧に歯磨きする
- 歯科医院で定期的に歯石除去やクリーニングをする
- 歯科医院で正しい歯の磨き方や、自分に合った歯ブラシの選び方を指導してもらう
また、歯の健康状態が悪いと、骨粗鬆症など他の治療にも悪影響を及ぼす可能性があります。
口腔ケアを積極的に行い、全身の健康を守ることにつなげていきましょう。
関節リウマチと飲酒の関係性
現時点では、飲酒が関節リウマチの発症を直接引き起こすという明確な証拠はありません。
一方、アメリカの大規模研究では、純アルコール量に換算して1日5〜10g程度の適度な飲酒をしていた女性は、全く飲まない女性と比べて関節リウマチの発症リスクが低かったと報告されています。(文献3)
アルコール10g未満とは、おおよそ以下の量に相当します。
- ワイングラス1杯(約120ml)
- 日本酒0.5合(約90ml)
ただし、この研究は女性を対象としたものであり、飲酒を推奨するものではありません。
飲酒において注意したいのが、関節リウマチの治療でよく使われる「メトトレキサート」という薬です。
肝機能に負担をかける副作用があるため、服用する日には禁酒が望ましいとされています。
メトトレキサートは通常、週に1〜2回の服用となるため、主治医の指示に従って飲酒のタイミングを調整しましょう。
関節リウマチと性格の関係性
関節リウマチの原因に、性格そのものが直接関係するという医学的な根拠はありません。
しかし、性格の傾向によってストレスの感じやすさや病気との向き合い方が変わるため、間接的に影響を与える可能性はあります。
たとえば、ストレスに弱いタイプの方は、日常のちょっとした出来事でも精神的な負担を感じやすく、免疫機能が低下しやすい傾向があります。
また、ネガティブな感情に振り回されやすい性格の方は、関節の痛みや腫れが気になると何度も触ってしまい、かえって症状を悪化させてしまうケースも少なくありません。
一方で、我慢強い性格の方は症状があっても医療機関を受診せず、「まだ大丈夫」と無理をして、関節リウマチの重症化リスクを高めてしまう場合もあるでしょう。
このように、性格そのものが発症の直接的な原因ではないものの、ストレスや治療行動に影響がないとは言い切れないのです。
関節リウマチの治療方法
ここでは、関節リウマチに対して行われる代表的な治療法について見ていきましょう。
薬物療法
関節リウマチの治療では、免疫の異常に働きかけて病気の進行を抑える薬と、痛みや炎症を和らげる薬が使われます。
中心となる治療薬は「抗リウマチ薬(DMARDs)」と呼ばれるもので、なかでも代表的なのが「メトトレキサート」です。
メトトレキサートを最大量まで使用しても効果が不十分な場合は、「生物学的製剤」と呼ばれる注射薬を使用することがあります。(文献4)
また、炎症を引き起こすシグナル伝達を抑える「JAK阻害薬」という飲み薬を使うケースもあります。
さらに、炎症を抑えるために少量のステロイドを併用することもあり、痛みや腫れのコントロールが可能です。
関節リウマチの薬についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
手術療法
関節リウマチによる変形や可動域の制限が著しくなった場合には、手術が検討されることがあります。
手術の目的は、関節の痛みや機能障害の改善と日常生活の質(QOL)向上です。
関節リウマチに対して行われる主な手術には、以下のような方法があります。
- 人工関節置換術
- 頚椎や腰椎に対する手術
- 手指の腱断裂に対する再建手術
- 外反母趾の矯正手術
- 足関節の固定術
人工関節置換術が最も一般的で、膝・股関節・足・肘・指など、関節の状態に応じてさまざまな部位に適用されます。
リハビリ
関節リウマチのリハビリは、薬による治療と並行して行われます。
関節の痛みや炎症を和らげること、関節の変形や機能低下を防ぐことが主な目的です。
リハビリには、大きく分けて「理学療法」と「作業療法」があります。
| 理学療法 | ・関節を動かせる範囲を保つための訓練 ・筋力を維持・強化するトレーニング ・温めて血流を促す温熱療法 |
|---|---|
| 作業療法 | ・食事や着替えなどの日常生活の動作を無理なく続けられるように練習 ・関節に負担をかけない動作の指導 ・サポーターや専用道具の使い方の指導 |
ただし、痛みや腫れが強い急性期には無理に動かさず、安静にすることも大切です。
再生医療
関節リウマチの治療には、再生医療も選択肢のひとつになっています。
再生医療とは、手術を避けたい方や日常生活への影響をできるだけ抑えたい方に適した治療法です。
代表的な方法としては、「幹細胞治療」と「PRP療法」があります。
- 幹細胞治療:患者様の細胞から幹細胞を採取・培養して患部へ投与する治療法
- PRP療法:患者様の血液を採取し、血小板を濃縮した液体を作製し注射で投与する治療法
いずれも注射や点滴による治療のため、入院や手術を必要とせず日帰りで受けられます。
以下の記事は、当院「リペアセルクリニック」で行った関節リウマチに対する再生医療の症例です。再生医療についてもっと知りたい方は参考にしてみてください。
関節リウマチの悪化を防ぐ4つの生活習慣
関節リウマチの悪化を防ぐには、治療だけでなく生活習慣を整えることも重要です。
ここでは、関節リウマチの悪化を防ぐ、4つの生活習慣について解説します。
適度に運動する
関節リウマチの治療では薬だけでなく、体を適度に動かして関節や筋肉の機能を保つことも大切です。
長く安静にしすぎると、筋力の低下や関節のこわばりが進み、日常生活の動きがさらに難しくなる可能性があります。
ただし、痛みや腫れが強い時期の無理は禁物です。症状が落ち着いてきたら、ウォーキングなど関節に負担の少ない運動から始めてみましょう。
また、自宅でできるスクワットや簡単な体操、エアロバイクなども筋力アップに有効です。
バランスの良い食事を摂る
関節リウマチの方にとって、栄養バランスの整った食生活も大切です。
食事の量が減って栄養不足になると、体力が落ちるだけでなく、筋肉量の低下や骨粗鬆症のリスクも高まります。
魚や乳製品、大豆製品などから良質なたんぱく質を摂取し、カルシウムやビタミンDを含む食品も意識的に取り入れましょう。
一方で、白米やパン、菓子類、脂っこい料理などを食べすぎて体重が増えると、膝などの関節に余計な負担がかかるため注意が必要です。
しっかり休息・睡眠時間を確保する
関節リウマチの治療では、十分な睡眠と休養も重要です。
身体的・精神的な疲れがたまると、痛みや炎症が悪化しやすくなり、日常生活への負担も大きくなってしまいます。
毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい生活リズムに整え、疲労回復やストレス軽減につなげていきましょう。
また、肉体労働や夜勤など、体への負担が大きい仕事をしている場合は、主治医と相談しながら勤務時間や業務内容の調整も検討してください。
関節に負担をかけない生活を心がける
関節リウマチでは、関節に負担をかけにくい生活を心がけ、症状の悪化を防ぐことが大切です。
たとえば、和式トイレや正座の姿勢は、膝や股関節に大きな負担がかかります。洋式トイレや椅子、ベッドを中心とした生活に切り替えると、立ち座りの動作が楽になるでしょう。
また、浴室にシャワーチェアを置いたり、玄関に手すりやスロープを設置したりすると、移動や出入りの際の転倒リスクを減らせます。
身の回りの道具や住環境を自分の状態に合わせて見直し、無理なく安心して暮らせる環境に整えましょう。
まとめ|関節リウマチの原因を理解して悪化を防ごう
関節リウマチの発症には、免疫異常や遺伝的要因、環境要因が複雑に関係しています。
関節リウマチと診断された場合は、薬物療法を続けつつ、生活習慣の見直しで悪化を防ぐことも大切です。
とくに、30代から50代の女性で、関節の腫れや痛み、原因不明の微熱や倦怠感などがある方は、早めに医療機関を受診しましょう。
外科的な治療に抵抗がある方には、手術不要で身体への負担が少ない「再生医療」も選択肢のひとつです。
当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施していますので、ぜひお気軽にご利用ください。
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関節リウマチの原因に関するよくある質問
関節リウマチの原因になるかもしれない食べ物は?
関節リウマチにおいて、特定の食べ物が発症の直接的な原因になると明確に示されたものはありません。
ただし、ステロイド薬を服用している方は、体重の増加や糖尿病、コレステロールの上昇などが起こりやすくなる傾向があります。
過食を控え、脂っこい料理を減らすなど、できるだけバランスの取れた食生活を心がけると良いでしょう。
肥満は関節リウマチを悪化させる原因になる?
肥満は、関節リウマチの症状を悪化させる要因となる可能性があるため、日常的な体重管理が重要です。
体重が増えると、膝や股関節などの大きな関節にかかる負担が増え、痛みや腫れが強くなるリスクが高まります。
症状を安定させるためには、バランスの良い食事と無理のない運動を継続し、適正な体重を保つことが大切です。
関節リウマチの方がやってはいけない仕事はある?
関節リウマチがあるからといって、すべての仕事が制限されるわけではなく、「絶対にしてはいけない職業」というものはありません。
ただし、仕事内容によっては関節に強い負担がかかり、症状を悪化させる恐れがあります。
たとえば、長時間の立ち仕事や歩行、重い荷物の運搬、寒い環境での作業などは注意が必要です。
無理を続けることで関節の炎症が悪化し、仕事の継続が難しくなるケースもあります。
主治医と相談しながら、業務内容や勤務時間を調整することも有効です。
関節リウマチは治る病気?
関節リウマチは、現時点の医学では完全に治すことが難しい病気とされています。
しかし、適切な薬物療法の継続によって症状をしっかり抑えれば、普段どおりの生活を送れる状態に保つことは可能です。
とくに、発症の早い段階から治療を始めると、関節の破壊を防ぎ、病気の進行をゆるやかにする効果が期待できます。
関節リウマチの治療の目標は「完治」ではなく、症状がほとんど現れず、病気の活動性が十分に抑えられた状態「寛解(かんかい)」です。
無理をしない地道なケアの積み重ねが、将来の生活の質を大きく左右します。
関節リウマチは男性でも発症する?
国内の関節リウマチ患者全体を見ると、男女比はおよそ1:3.2で女性に多くみられますが、男性でも発症する可能性があります。(文献5)
高齢になってから発症するケースでは、男女比が1:2〜3程度と小さくなり、男性の発症リスクが高まるため注意が必要です。
気になる症状があれば、性別に関係なく早めに医療機関を受診しましょう。
関節リウマチの初期症状は?
関節リウマチの初期には、関節の症状だけでなく、全身の不調を伴うケースが多いのが特徴です。
たとえば、体がだるい・重い感じがする、食欲が落ちる、体重が減る、微熱が続くといった症状が現れることがあります。
この段階では、関節の痛みや腫れはまだ軽度であり、見過ごされがちです。
病気が進行すると、手指や手首、肩、膝、足首、足の指などの関節に腫れや痛みが生じ、朝起きたときのこわばりが目立つようになります。
倦怠感が続く、関節がはれて痛むといった症状が見られる場合は、早めに整形外科やリウマチ専門の医師に相談しましょう。
早期の診断と治療開始が、関節リウマチの進行を防ぐ上で非常に重要です。
参考文献
(文献1)
関節リウマチ|慶應義塾大学病院(COMPAS)
(文献2)
歯周病と関節リウマチの新たな関連メカニズムの可能性|J-STAGE(日本歯周病学会会誌)
(文献3)
Alcohol consumption and risk of incident rheumatoid arthritis in women: a prospective study|PubMed Central












