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腱鞘炎に効くツボを部位別に紹介!予防法や再生医療についても解説

東洋医学に基づくツボ押しは、特定の部位に適度な圧力をかけることで体の不調を和らげるとされる手技療法です。
腱鞘炎の症状に対しても、日常生活の中で手軽に実践できるセルフケアの一つとして取り入れることができます。
本記事では、部位別の腱鞘炎に効果のあるツボを、腱鞘炎の予防法などとともに解説します。
ツボ押しの他に、腱鞘炎に対する治療法として、再生医療も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
腱鞘炎のツボの押し方【基礎知識】
腱鞘炎のツボ押しをする前に先に押し方を理解しておくと、より効果的にツボを刺激できます。
腱鞘炎のツボを押す際には、まずリラックスした状態で、押したいツボにゆっくりと指圧を加えることがコツです。
ツボを押す際は力を入れ過ぎずに、心地よさ(痛気持ちよさ)を感じられる程度がちょうどよいとされています。同時に指圧を加えたら、5秒程度キープするのもポイントです。
もし、「刺激が足りない」と感じるときには、指圧を加えた状態で円を描いてください。
なお、ツボ押しは、毎日継続的に行うことで、腱鞘炎の症状を和らげる効果が期待できます。
ただし、治療法ではないため、痛みが強かったり症状が落ち着かなかったりするときは、医療機関を受診しましょう。
手にある腱鞘炎のツボ
腱鞘炎の症状を和らげる効果が期待できるツボは、上半身のさまざまな場所にあります。
まずは、手にある腱鞘炎のツボから紹介します。
陽谿(ようけい)
「陽谿(ようけい)」は、親指の付け根部分、手首に近いところにあるツボです。親指の付け根と手首の境目にある穴のような部分です。
ここを刺激することで、手指や手首を使いすぎたときに生じる痛みを和らげる効果があるとされます。
ツボを押す際は、手首の力を抜いてリラックスした状態で、反対の手で手首をつかみながら親指で5秒程度軽く押します。
合谷(ごうこく)
「合谷(ごうこく)」は、親指と人差し指の付け根の間にあるツボです。親指と人差し指の骨が合わさる部分の、少し指先側のくぼみに当たります。
腱鞘炎による痛みを和らげたり、炎症を鎮めたりする効果が期待できるツボです。
加えて、肩こりや目の疲れにも効果があるとされるため、長時間のスマホ操作やデスクワークに休みを入れて刺激することもおすすめできます。ただし、妊娠中の方の場合、東洋医学では合谷への刺激が子宮の収縮を促すとされているため、避ける必要があります。
合谷を押す際には、反対の手の親指で押しながら、優しくじっくりと円を描くように刺激を与えるのがポイントです。
労宮(ろうきゅう)
「労宮(ろうきゅう)」は、ちょうど手のひらの真ん中にあるツボです。具体的には、中指と薬指を掌側に握るように曲げて先端が当たったとき、両方の指の間に位置するツボを指します。
労宮は腱鞘炎の緩和のほか、手や指の疲労を和らげるうえで効果があるとされるツボです。
とくに腱鞘炎でも、指の付け根の痛みや炎症が特徴的な「ばね指」の症状を改善するとされています。
労宮を刺激する際には、反対の手の親指をやや強めに押すのがポイントです。親指を5秒程度押した後に離す動作を、数回繰り返します。
手首にある腱鞘炎のツボ
腱鞘炎の症状改善が期待できるツボは、手首にも複数あります。
手首にある腱鞘炎の主なツボは、次の2ヵ所です。
大陵(だいりょう)
「大陵(だいりょう)」は、手首を内側に折ったときにしわができる部分の真ん中にあります。大陵を刺激すると、手の痛みやしびれを和らげる効果が期待できます。
加えて、大陵は手根管のすぐ上に位置しているため、手根管症候群の症状改善の効果があるとされるツボとしても有名です。
大陵のツボ押しでは、呼吸しながら反対側の手の親指を使って、数回軽く押す状態で刺激します。
陽池(ようち)
「陽池(ようち)」は、大陵と異なり手首でも甲側にあるツボです。手の外側(小指側)の、手の甲と手首を繋ぐ部分にある関節のくぼみに位置しています。
陽池を刺激すると、手首や腕の痛みやしびれを落ち着かせる効果が期待できます。
また、ストレスの緩和効果もあるとされるため、デスクワーク中の休憩時間など、ちょっとした時間があれば試してみてください。
陽池を刺激する際には、反対側の手の親指を使って、1,2分程度サークルを描くように指圧を加えます。
腕・肘にある腱鞘炎のツボ
腕や肘にある腱鞘炎のツボは、手三里・曲池・外関の3つです。
手三里(てさんり)
「手三里(てさんり)」は、肘を直角に曲げたときに内側にできるしわのうち、最も外側にあるものから手首のほうへ指3本分のところにあります。
腕の疲労を回復させたり、首や肩のコリをほぐしたりするうえで効果があるとされるツボです。加えて、手首や指についてもスムーズに動けるようにする効果も期待できます。
手三里を刺激する場合、反対側の手の親指で痛気持ちよく感じる程度にマッサージするのがポイントです。
曲池(きょくち)
「曲池(きょくち)」は、肘の外側にあります。肘を曲げた際にできるしわの、最も外側の端にあるツボです。首から腕に至る血流の改善効果が期待できるため、手に溜まった疲労を軽減や手首の痛み、肩こりを和らげます。
加えて、便秘や下痢にも効果があるとされるので、お通じの悩みがある方にもおすすめです。曲池のツボ押しは、親指で軽く押した状態で、円を描くようにもみほぐします。
外関(がいかん)
「外関(がいかん)」は、腕の外側でも比較的手首に近い部分にあるツボです。手と手首の境目から、指3本分ほど腕の根元側に行ったところに位置しています。手首の神経や肩の痛みを和らげるほか、ストレスが要因の体調不良や自律神経の乱れにも効果的です。
なお、ツボを押すときは、反対側の手の指を使ってゆっくりと押します。その際に息を吐くのもポイントです。
腱鞘炎を予防する方法
腱鞘炎は普段の過ごし方に気を付けるだけでも予防できます。
とくに予防で心掛けたい方法が、以下の2つです。
スマホの片手持ちなどの習慣の改善
腱鞘炎を予防する際は、まずスマホを片手で持つ習慣を改善する必要があります。
スマホを片手で持って同じ手で操作するのは、親指や手首に大きな負担をかけるためおすすめできません。
日々長時間にわたってスマホを操作した場合、指や手首を動かす腱や、腱を覆っている腱鞘に負担がかかって腱鞘炎を発症します。
このため、片手ではなく両手でスマホを持つのがおすすめです。両手でスマホを持つことで、手にかかる負担を分散できます。
加えてスマホを操作する際には、30分から1時間に1度などこまめに休憩を入れることも大切です。意識的にスマホから離れる時間を持つことで、指や手首にかかる負担を軽減できます。
スマホの片手持ち以外にも、スポーツの練習や競技での無理な姿勢を避けることもポイントです。とくに野球やテニスのように手をよく使うスポーツでは、ボールやバットを無茶な握り方で持つと、指や手首に大きな負担がかかります。
正しいフォームを身につけるとともに、練習前後のウォーミングアップやクールダウンを欠かさずに行うことが重要です。
ストレッチなどで柔軟性を高める
腱鞘炎の予防には、ストレッチなどで指や手首の柔軟性を高めるのも効果的です。習慣的にストレッチをおこなうと、筋肉の緊張がほぐれて血流が促進され、腱への負担も軽減されます。すでに腱鞘炎の症状がある方も、ストレッチを取り入れることで症状が軽くなる効果も期待できます。
指や手首のストレッチの方法は、次のとおりです。
- 指のストレッチ:それぞれの指を1本ずつ手の甲側に反らす動きを、何セットか繰り返す
- 指のグーパー運動:手を大きく広げた状態からゆっくり握りこぶしを作り、再度広げる動きの繰り返し
- 手首の前後ストレッチ:片方の手の指を反対側の手で掴んだ状態で、手首をゆったり前後に動かす
- 手首のストレッチ:机の上に手を置き、反対側の手で指を1本ずつつまみながら反らせてキープする
ストレッチを行う際は、痛みを感じない範囲でゆっくりと行うことがポイントです。
腱鞘炎の治療選択肢のひとつ「再生医療」について
腱鞘炎の治療には、「再生医療」の選択肢もあります。
腱鞘炎に対する再生医療では、患者様から採取した幹細胞を使用する幹細胞治療と、血液に含まれる血小板を濃縮した液体を患部に注射するPRP療法が用いられます。
どちらも大きな手術は必要とせず、とくにPRP療法は所要時間が最短30分程度で済むのが特徴です。
腱鞘炎の治療に再生医療をご検討の方は、当院へお気軽にご相談ください。
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まとめ|腱鞘炎のツボ押しで手軽にセルフケアを始めよう
指や手首の使い過ぎで発症する腱鞘炎は、東洋医学に基づくツボ押しで軽減できます。
腱鞘炎の症状緩和が期待できるツボを押すことで、日々の慢性的な痛みが落ち着くことも多いです。
ツボ押しは日常生活でも気軽にできる方法であるため、腱鞘炎の痛みに悩まされるときはセルフケアの一環としてお試しください。
ただし、ツボ押しでも効果が見られないときは、無理せずに医療機関を受診してください。
\無料相談受付中/
腱鞘炎のツボでよくある質問
腱鞘炎のツボはドケルバン病にも効果はある?
腱鞘炎のツボのなかには、手首の腱鞘炎であるドケルバン病に効果が期待できるものもあります。陽谿や外関のような、手首付近にあるツボがおすすめです。
手首マッサージでの腱鞘炎の治し方は?
手首マッサージで腱鞘炎を治す際には、痛みのある手首を反らします。この際に指の部分を反対側の手で握りながら、手首を反らすのがポイントです。
ただし、手首マッサージは正式な治療法ではないため、症状がひどいときは医療機関の受診をおすすめします。