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更年期に指が痛いのはなぜ?原因から関連する病気、対処法までを解説

指が痛い 更年期
公開日: 2025.07.31 更新日: 2026.06.27

「更年期に入ってから手指の調子が悪い」
「朝起きると指が動かしづらい」
「ビンのふたを開けたり物を持ったりすると指が痛い」

このような症状は、女性ホルモン(エストロゲン)の低下が原因の可能性があります。エストロゲンが低下し始めると、関節を保護する働きが弱まり、痛みや腫れが現れることがあります。

また、更年期はエストロゲンの低下に伴い、へバーデン結節ドケルバン病などの手指の病気のリスクが高まるため注意が必要です。本記事では、更年期に指が痛い原因や起きやすい手指の病気、指の痛みに対する治療方法、自分でできる対処法を解説します。中年以降の女性は参考にしてください。

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更年期に指が痛い原因

更年期に指が痛くなる原因として、エストロゲンの低下や自律神経の乱れが挙げられます。

40歳代後半以降は卵巣の働きが低下し始め、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が減ります。(文献1)また、このホルモンバランスの変化により、自律神経も乱れやすくなるのです。

ホルモンの変化や自律神経の乱れが原因による更年期の女性の手の不調を「メノポハンド」と呼び、以下のような症状が現れます。

  • 早朝に手指がこわばる
  • 手指に痛みやしびれがある

ここからは、それぞれの原因がどのように指の痛みにつながるかを解説します。

なお、指の痛みに対する具体的な治療方法を先に知りたい方は、のちほど紹介する治療方法の項目を確認してみてください。

>>治療法はこちら<<

女性ホルモンの減少

指の痛みの大きな原因の一つが、女性ホルモンであるエストロゲンの低下です。エストロゲンには骨や軟骨、関節を保護する働きがあり、関節周囲の組織のうるおいを保つ役割を担っています。

更年期になると、卵巣の機能が低下して、このエストロゲンの分泌量が減ってしまい、関節を守る力が弱まります。その結果、手指だけでなく膝や腰など、さまざまな関節に痛みやこわばりが出やすくなるのです。

自律神経の乱れ

指の痛みやこわばりは、自律神経の乱れが関係している場合もあります。自律神経とは、血の巡りや体温調整など、体のさまざまな働きを意識せずに自動でコントロールしている神経のことです。

更年期には、ホルモンバランスが変化するため自律神経が不安定になりやすいです。自律神経が乱れると、手足に痛みやしびれといった症状が現れることがあります。

加えて、更年期以降は筋力も低下しやすくなり、関節にかかる負担が増えることも指の痛みが発生する要因となり得ます。

手指の痛みに関連する更年期に起きやすい病気

エストロゲンの低下は、痛みだけでなく以下のような特定の病気の発症リスクを高めることがあります。

それぞれについて詳しく解説します。

母指CM関節症

母指CM関節症とは、親指の付け根にある関節(CM関節)が傷んでしまう病気です。ビンのふたを開けたり、物をつまんだりするときに、親指の付け根あたりに痛みを感じるのが特徴です。進行すると痛みだけでなく腫れや変形が起きることもあります。

CM関節は、親指を他の指と向き合わせてつまむ動作ができるように、もともと大きく動く構造になっています。その分、使い過ぎや加齢によって関節の軟骨がすり減りやすく、年齢を重ねるほど発症しやすい病気です。さらにエストロゲンが低下すると関節への負担が増し、発症リスクが高まる可能性があります。

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ヘバーデン結節

ヘバーデン結節は、指先から数えて1番目の関節(第1関節)が変形してしまう病気です。関節の背側に小さなこぶのようなふくらみが2つできるのが特徴です。

人差し指から小指にかけて起こりやすく、関節が赤く腫れたり曲がったりして、痛みを伴うこともあります。進行すると、関節の近くに水ぶくれのような透明なふくらみ(ミューカスシスト)ができる場合もあります。

はっきりした原因はわかっていませんが、40歳代以降の女性に多く、手をよく使う人ほどなりやすい傾向です。エストロゲンが低下すると、関節が腫れたり、軟骨が摩耗しやすくなったりするため更年期に起きやすいと考えられます。

ブシャール結節

ブシャール結節は、ヘバーデン結節と同じ仕組みで起こる病気で、痛みが出る場所が異なります。ヘバーデン結節が指先側の第1関節に起こるのに対し、ブシャール結節は手のひらに近い第2関節に症状が現れます。

更年期の女性に多く見られる点もヘバーデン結節と同様です。発症の仕組みも共通しており、エストロゲンが低下すると関節が腫れたり、軟骨が摩耗しやすくなったりするため発症すると考えられています。

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手根管症候群

手根管症候群は、手首にある「手根管」というトンネルの中で神経が圧迫されて起こる病気です。初期には人差し指や中指にしびれや痛みが現れ、進行すると親指から薬指の親指側まで広い範囲がしびれるようになります。

とくに明け方に症状が強く出やすく、目が覚めたときに手のしびれや痛みで気づくことも多いのが特徴です。はっきりした原因は不明で、妊娠・出産期や更年期の女性に多く見られる病気です。

エストロゲンが低下すると腱・腱鞘(筋肉をつなぐ組織とその通り道)が腫れやすくなり、その腫れにより神経が圧迫されて起こると考えられています。使い過ぎや怪我による腫れも発症の原因の可能性があります。

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ばね指

ばね指は、指を曲げる腱とそれを包む組織(腱鞘)に炎症が起こり、指の動きに引っかかりが出る病気です。指の付け根の腱鞘に炎症が起こることで「腱鞘炎」が起きて、腱の動きがスムーズでなくなり、痛みや腫れ、熱っぽさを感じるようになります。

進行すると、指を曲げ伸ばしする際に引っかかるばね現象が起こり「ばね指」となり、さらに悪化すると指が動かせなくなることもあります。親指や中指に多く発症する傾向です。

朝方に症状が強く出やすく、日中は指を使っているうちに楽になることもあります。更年期の女性や妊娠・出産期の女性に多く見られるほか、手をよく使う仕事やスポーツをする人、糖尿病やリウマチのある人にも起こりやすいとされています。

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ドケルバン病

ドケルバン病は、手首の親指側を通る2本の腱とその通り道(腱鞘)に炎症が起こる病気です。親指を広げたり動かしたりするときに、手首の親指側へ強い痛みが走るのが特徴です。

妊娠・出産期や更年期の女性に多く発生します。手をよく使う仕事やスポーツをしている人も注意が必要です。

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更年期による指の痛みに対する治療方法

更年期による指の痛みは、背景に手指に関連する病気が隠れていなければ、女性ホルモン補充療法やセルフケアで改善できる可能性があります。

しかし、手指に関連する病気を発症している場合は、以下のように病状別に治療が必要です。

病名 装具療法 薬物療法 手術療法
母指CM関節症 軟性装具や包帯で固定 消炎鎮痛剤、関節内注射 関節固定術、切除関節形成術
ヘバーデン結節 テーピング 消炎鎮痛剤、関節内注射 関節固定術、骨棘切除術
ブシャール結節 テーピング 消炎鎮痛剤、関節内注射 関節固定術、骨棘切除術
手根管症候群 シーネ固定 消炎鎮痛剤、腱鞘内注射、ビタミンB12製剤 手根管開放術
ばね指 シーネ固定 消炎鎮痛剤、腱鞘内注射 腱鞘切開術
ドケルバン病 シーネ固定 消炎鎮痛剤、腱鞘内注射 腱鞘切開術

それぞれの治療方法を解説します。

ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法とは、減少したエストロゲンを薬で補う治療方法です。すべての関節痛がエストロゲンと関係しているわけではありませんが、人によっては手の痛みやこわばりなどが改善することもあります。

その他に、更年期障害による骨粗鬆症や気分の落ち込み、のぼせ、ほてりなどさまざまな症状の改善が期待できます。ただし、がん既往や肥満、血栓リスクなどがある方は投与できない、または慎重に投与を検討しなければなりません。

エストロゲンの低下による更年期障害があり、その症状によって生活に支障がある場合は保険適用となります。ホルモン補充療法は、現在の健康状態や病歴、その人の体質や希望に合わせて投与方法を検討します。

不正出血や吐き気、おりものなどの副作用が起きることもあるため、医師と相談しながら検討しましょう。

装具療法

装具療法とは、痛みのある関節を固定して動きを制限し、負担を軽くする治療方法です。例えば、母指CM関節症では、CM関節を保護する軟性装具を着けたり、固めの包帯を親指から手首にかけて8の字に巻いて動きを制限します。

ヘバーデン結節や手根管症候群、ばね指などにおいても、関節の安静を保つためにテーピングやシーネ固定を行います。

薬物療法

薬物療法は、関節の痛みや炎症を抑えるための治療です。病状に応じて飲み薬や湿布、塗り薬の消炎鎮痛剤が処方され、症状が強い場合は注射を行うこともあります。

装具療法と安静によって症状が治まらない場合は、薬物療法も検討されます。手根管症候群では、神経の修復のためにビタミンB12が処方されます。

手術療法

装具療法や薬物療法で症状が改善しない場合、または高度に変形が進んでしまった場合には手術が検討されます。

行われる手術の一例は以下のとおりです。

手術の種類 詳細
関節固定術 関節を削りスクリューやプレートで固定する
切除関節形成術 関節を削り人工の靱帯で固定する
骨棘切除術 コブを切除する
手根管開放術 手根管を解放して圧迫を解除する
腱鞘切開術 腱鞘を切って広げる

再生医療

母指CM関節症やヘバーデン結節などの指の痛みに関する治療には、再生医療という選択肢もあります。

再生医療とは、患者様自身の細胞を患部に投与し、人間の身体が本来持っている自然治癒力を引き出す治療方法です。

再生医療の種類 詳細
幹細胞治療
(かんさいぼうちりょう)
組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療方法
PRP療法 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療方法

手術以外の治療を希望される方にとって、再生医療は選択肢の一つです。当院「リペアセルクリニック」の母指CM関節症の症例については、以下を参考にしてください。

【症例紹介】
看護師の仕事を続けながら両手の痛み改善! 両母指CM関節症 70代女性
“リペア幹細胞” 右手の痛み10が1に!料理も家事も不自由なく!両変形性膝関節症・CM関節症 60代 女性

更年期の指の痛みに対する対処法

更年期の指の痛みに対する対処法としては、以下が挙げられます。

それぞれについて詳しく解説します。

医療機関に相談する

指の痛みが続く場合は、医療機関に相談することをおすすめします。母指CM関節症やヘバーデン結節などの病気を発症している場合は、セルフケアだけでは対処しきれないことがあるためです。

例えば、以下のような症状には注意が必要です。

  • 手首と母指の付け根あたりに痛みがある
  • 手指の第1関節または第2関節に痛みや腫れがある
  • 人差し指や中指に痛みやしびれがある
  • 指の付け根に痛みや腫れと曲げ伸ばしに引っかかり感がある
  • 親指を広げると付け根あたりに強い痛みが走る

これらの症状が現れている場合は、なんらかの手指の病気が隠れている可能性があります。気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

手指に負担をかけない

指の痛みを悪化させないためには、手指への負担をできるだけ減らすことが大切です。とはいえ、日常生活や仕事において、特定の動作を完全に制限するのは難しいです。

以下のように、手指にできるだけ負担を与えないように意識しましょう。

  • 重い物を持つときは両手を使う
  • 指先ではなく手のひら全体で物をもつようにする
  • 手作業をする場合はこまめに休憩をする
  • フタを開けるときは道具を使う

テーピングなどにより手指を保護することも有効です。テーピングの巻き方などがわからない場合は、医療機関に相談しましょう。

温めるまたは冷やす

一般的に関節に痛みがあっても、熱や腫れなど炎症の徴候が見られない場合は、入浴やホットパックで温めて血流を良くするのが有効と考えられています。一方、熱や腫れがあり炎症の徴候が見られる場合は、保冷剤などで冷やすことが有効です。

日常の対応方法としてヘバーデン結節を例にすると、症状が安定しているときは「入浴で手指を温める」「冬場はカイロや手袋を活用する」などで手指を温めます。手先を使うスポーツをした直後や重い荷物を運んだ直後は、手指を冷やすようにします。

ただし、温めるべきか冷やすべきかは病状により異なります。判断できない場合は医療機関に相談しましょう。

更年期の指の痛みは病状に応じて適切な治療と対処をしよう

更年期に指が痛くなる原因には、エストロゲンの低下や自律神経の乱れなどがあります。ヘバーデン結節や母指CM関節症など、手指に関連する病気を発症している可能性もあるため注意が必要です。

手指に関連する病気を発症していなければ、女性ホルモン補充療法やセルフケアなどで改善できる可能性があります。しかし、手指に関連する病気が発症している場合は、装具療法や薬物療法などの適切な治療が必要です。

指の痛みが悪化または長期間におよび、腫れや熱っぽさなどの症状が現れている場合は医療機関の受診を検討しましょう。

なお、当院「リペアセルクリニック」では、母指CM関節症などに対する再生医療のご相談を受け付けております。詳しくは以下の公式LINEをご覧ください。

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更年期における指の痛みに関するよくある質問

指の関節痛とリウマチの違いはなんですか?

関節リウマチは、免疫の異常により関節に炎症が起きる病気です。

更年期の指の痛みは、エストロゲンの低下によって関節を保護する働きが低下して起きます。詳しくは以下を参考にしてください。

更年期における指の痛みはいつ治るのですか?

更年期における指の痛みの強度や経過は個人差があります。なんらかの手指の病気を発症している場合は、セルフケアだけでは対処しきれないことがあります。

痛みが長引くまたは悪化する場合は医療機関を受診しましょう。

更年期における指の痛みに効くサプリメントはありますか?

更年期の不調の改善に役立つとされているのが、エクオールを含むサプリメントです。

エストロゲンに似た構造を持ち、更年期の不調を和らげる効果が期待されています。ただし、体内でエクオールを産生できるかどうかには個人差があるため、サプリメントの効果も人によって異なります。

手のこわばりや指の痛みに漢方薬は効きますか?

一部の漢方は指の痛みの改善効果が期待できます。

実際に明確な診断がつかない指の痛みがある中高年女性に、加味逍遙散(かみしょうようさん)や桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)を服用してもらったところ、1週間後に改善したと報告があります。文献2

更年期の男性も指が痛くなりますか?

男性にも更年期障害はあり、原因のはっきりしない関節の痛みや筋肉の痛みなどの症状が現れることがあります。

男性更年期障害について詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。

更年期で指が痛い場合は何科を受診すべきですか?

関節の痛みやこわばりがある場合は、整形外科や内科に受診しましょう。

だるさや怒りっぽさ、不眠、憂うつな気分などの症状がある場合は婦人科を受診してください。

参考文献

(文献1)
更年期世代の女性の健康支援に関する学習資材|厚生労働省

(文献2)
中年女性を中心とした明確な診断がつかない 手指痛の東洋医学的特徴と漢方治療|東洋医学雑誌