LINEポップアップ
  • HOME
  • トピックス
  • 更年期と閃輝暗点の関係性|原因・症状・予防法を解説
  • 内科疾患、その他
  • 内科疾患

更年期と閃輝暗点の関係性|原因・症状・予防法を解説

閃輝暗点更年期
公開日: 2025.07.31

更年期に入ると、突然視界にチカチカとした光が現れたり、ギザギザした模様が見えたりする「閃輝暗点(せんきあんてん)」に不安を感じる方が少なくありません。

一時的な視覚異常であるケースが多いものの、女性ホルモンの急激な変化や脳・眼の病気が隠れている場合もあります。

とくに、40代〜60代の女性はホルモンバランスの乱れが血管や神経に影響を与えやすく、閃輝暗点を引き起こすリスクが高まるため注意が必要です。

本記事では、更年期における閃輝暗点の原因・症状・治療法・予防法に加え、誤認しやすい他の疾患や注意点について詳しく解説します。

閃輝暗点と更年期の関係性

突然視界にギザギザした光が現れる「閃輝暗点(せんきあんてん)」と更年期の関係において、現在のところ明確な医学的根拠は確認されていません。

しかしながら、更年期に入っている50代女性に閃輝暗点の発症が見られる傾向がある、という報告もあります。(文献1)

ホルモンバランスの変化や血管の収縮・拡張が影響している可能性があり、体調の変化として注意が必要です。

症状が続く場合は、医師に相談することを推奨します。

更年期の方が閃輝暗点を発症する原因

更年期に入ると体の変化によってさまざまな症状が起こり、閃輝暗点による視覚異常を経験する人も少なくありません。

更年期と閃輝暗点に医学的な因果関係は示されていませんが、更年期の女性に多く見られる傾向があることから、いくつかの要因が影響していると考えられています。

ここでは、脳の血管の収縮・拡張、ストレス、食生活の観点から閃輝暗点の原因を解説します。

脳の血管の収縮・拡張

閃輝暗点は、視覚をつかさどる脳の後頭葉で一時的に血流が乱れることによって生じると考えられています。

この血流の乱れの背景には、脳の血管が急激に収縮したあと、反動的に拡張するという変化があります。

こうした血管の変動が、視覚情報を処理する神経細胞に一時的な興奮を引き起こし、視界にチカチカとした光やギザギザ模様が現れるのです。

とくに更年期の女性においては、エストロゲンの分泌が急激に低下することによって血管の柔軟性が失われやすくなり、自律神経による血流調整も不安定になりがちです。

そのため、血管の収縮や拡張が起こりやすくなり、結果として閃輝暗点が発生しやすい状態になると考えられています。

このように、ホルモン変動や自律神経の乱れといった体の変化が血管の不安定さを招き、閃輝暗点の原因となる可能性があります。

ストレス

更年期はホルモンバランスの変化だけでなく、仕事や家庭の環境の変化とも重なるケースが多く、精神的なストレスが蓄積しやすい時期でもあります。

ストレスが自律神経を介して血管の収縮や拡張を促進し、結果的に閃輝暗点の原因となる可能性があるため注意しなければなりません。

また、慢性的なストレスは脳内の神経伝達物質の働きにも影響を与え、閃輝暗点を繰り返し発症するリスクを高めると考えられています。

更年期に入ってから視覚に異常を感じるようになった場合、日常生活において精神的な負荷がかかっていないか振り返る習慣も大切です。

食生活

日々の食生活も閃輝暗点の発症と深く関係しているとされています。

たとえば、チーズや赤ワイン、チョコレートなどに含まれるチラミンやフェニルエチルアミンなどの物質は血管を刺激する作用があり、発作の引き金となる可能性があるとされているのです。

また、更年期の女性はカルシウムやマグネシウムが不足する傾向があり、神経伝達や筋肉の収縮に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

さらに、基礎代謝の低下によって血糖値の変動も不安定になりがちです。

とくに、高血糖になると脳の血管にダメージを与えやすく、閃輝暗点のリスクが高まります。

バランスの取れた食事を心がけ、急激な血糖値の変化を避ける意識を心がけましょう。

閃輝暗点の症状

閃輝暗点は、突然視界にギザギザとした光や模様が現れる視覚異常です。

視野の中心や端にチカチカとした光が現れ、暗点や視界の欠けが生じる場合があります。

多くは20~30分で自然に消失しますが、人によっては日常生活に支障をきたすケースもあるため注意が必要です。

片頭痛との関連性

閃輝暗点は、片頭痛と深い関わりがあることが知られています。

「前兆のある片頭痛(片頭痛の前に視覚異常が起きるタイプ)」では、閃輝暗点が典型的な前兆症状として出現します。

閃輝暗点の後に、脈に合わせてズキンズキンと激しい頭痛が続くのが特徴です。

ただし、すべての閃輝暗点が片頭痛を伴うわけではありません。

視覚症状だけが単独で現れるケースもあり、とくに更年期以降の女性に多く見られます。

また、月経周期との関連も報告されており、女性ホルモンの変動が神経系に影響を与えている可能性もあるため、発症したら早期に診断を受けましょう。(文献2)

閃輝暗点を放置するとどうなるのか

閃輝暗点そのものは一時的な症状であり、重篤な疾患ではないと考えられがちです。

ただし、繰り返し発症する、頻度が増すといった場合には、脳の血流異常や神経系の障害が進行している可能性も否定できません。

また、一過性脳虚血発作などの視覚異常を起こす他の疾患との鑑別も重要になります。(文献3)

とくに高血圧や動脈硬化などの既往がある場合は、脳血管障害の前兆の可能性もあるため注意が必要です。

症状が繰り返される、あるいはこれまでにない状態で出現した場合には、放置せず専門医を受診しましょう。

閃輝暗点の治療法

閃輝暗点の症状は一時的で自然に消失するケースが多いため、ほとんどの場合で特別な治療を必要としません。

しかし、症状が繰り返し現れる、あるいは日常生活に支障をきたす場合には、適切な診断と対処が必要です。

閃輝暗点が片頭痛と関連しているなら、医師の診察のもとで鎮痛剤や制吐剤などを処方される場合があります。(文献4)

また、睡眠の質やストレス管理、バランスの取れた食事といった生活習慣の見直しも、発作のリスクを減らせる可能性があります。

はじめて閃輝暗点を経験したり、これまでと異なる症状が出現したりした場合は自己判断で済ませず、「脳神経内科」または「脳神経外科」を受診しましょう。

MRIやCTなどの画像診断で脳の異常を確認できれば、重篤な疾患の早期発見にもつながります。

閃輝暗点の予防法

閃輝暗点の予防には、生活習慣の見直しが必要です。

とくに、更年期の女性はホルモンバランスの変化によって発症しやすいため、徹底した体調管理が求められます。

たとえば、以下のような生活習慣を取り入れてみましょう。

  • 規則正しい睡眠と十分な休養を確保する
  • リラックスできる環境を整える
  • バランスの良い食生活を心がける
  • 長時間のパソコン作業や強い光の刺激を避ける
  • 適度に運動する

まず、規則正しい生活を送ることが基本です。

睡眠不足や過度な疲労、急な気温変化などが発症の引き金となるため、十分な休息と体調管理が欠かせません。

また、ストレスも大きな要因の一つであり、過度の緊張や精神的負荷は自律神経のバランスを崩し、発作を誘発しやすくします。

適度な運動や趣味の時間を持つなど、ストレスを溜め込まないように工夫をこらしましょう。

さらに、食事の内容にも注意が必要です。

たとえば、チョコレートやアルコール、コーヒーのカフェインなどは血管を刺激する物質を含むため、摂取を控えたほうが良いとされています。(文献5)

更年期の方が閃輝暗点と誤解しやすい目の病気

更年期の女性は、ホルモンバランスの変化によって身体や精神面にさまざまな症状が現れやすくなります。

突然視界に光が見えたり、欠けて見えたりといった目に関する現象は閃輝暗点として認識される場合が多いですが、実際には他の病気が原因であるケースも少なくありません。

見た目の症状が似ているからと自己判断で済ませてしまうと、重大な疾患を見逃す可能性があるため注意しましょう。

ここでは、閃輝暗点と誤認されやすい代表的な疾患について、それぞれの特徴を解説します。

網膜剥離

網膜剥離は、眼球内の網膜がはがれることで視野に異常が現れる病気です。

放置すれば失明に至る危険もある緊急性の高い疾患であり、視界に突然光が走るほかに、黒い影が出現する「光視症」や「飛蚊症」が前兆として現れる場合があります。(文献6)

閃輝暗点の視覚の異常が突然はじまる症状に類似していますが、網膜剥離は時間とともに悪化する傾向があり、視野の欠損が拡大するため注意が必要です。

視野に異常が続く場合はすぐに眼科を受診しましょう。

頭蓋内疾患

更年期以降は、脳の病気との鑑別も重要です。

脳腫瘍や脳動脈瘤、一過性脳虚血発作などの頭蓋内疾患(ずがいないしっかん)を発症すると、視覚異常が現れる場合があります。

とくに、片側だけの視野障害や持続的な頭痛を伴う場合は頭蓋内疾患の可能性があり、見逃せません。

発症年齢や既往歴からもリスクが高いと判断される場合には、脳神経内科や脳神経外科を早急に受診してください。

飛蚊症

飛蚊症(ひぶんしょう)は視界に浮遊物が見える症状で、閃輝暗点のような光の刺激は少なく、黒い影や点が動いて見えるのが特徴です。

多くは加齢に伴う生理的変化によるものですが、病気が原因のケースもあります。

突然症状が現れたり、数が急増したりする場合は、網膜裂孔や網膜剥離の前兆の恐れもあるため要注意です。

光視症

光視症(こうししょう)は、視界に閃光や稲妻のような光が見える症状です。

閃輝暗点と同じく光が見える症状では似ていますが、光視症は数秒から数分と比較的短時間で消える傾向があります。

ただし、網膜裂孔や網膜剥離の前兆のケースもあるため、決して軽視できません。(文献3)

片眼だけに生じる場合が多く、症状が繰り返されるなら精密検査を受けましょう。

まとめ|更年期の閃輝暗点を放置しないように注意

更年期は心身にさまざまな変化が生じやすく、閃輝暗点のような視覚異常が現れるケースも少なくありません。

一見すると軽い症状に見えても、脳や目の病気が隠れている可能性があるため、安易に自己判断せず適切な医療機関で診断を受けましょう。

症状を繰り返す、長引く、不安を感じるといった場合は、脳神経内科や眼科での受診を検討してください。

なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。

再生医療についての疑問や気になる症状があれば、ぜひ一度ご利用ください。

\無料オンライン診断実施中!/

無料の再生医療ガイドブックはこちらから!>>

更年期の方の閃輝暗点に関するよくある質問

閃輝暗点は女性ホルモンと関係ありますか?

閃輝暗点は、女性ホルモンやエストロゲンの変動と関係があるとされ、月経や更年期などホルモンバランスが大きく変化する時期に発症しやすい傾向があります。

ホルモンの乱れによって脳内の血流や神経伝達に影響が及ぶと、閃輝暗点が現れるきっかけとなる可能性があるのです。

40代・50代・60代で閃輝暗点を発症し、頭痛なしのケースはありますか?

閃輝暗点は、必ずしも頭痛を伴うわけではありません。

40代以降の女性の場合、視覚異常のみが現れて頭痛を伴わないケースがあります。(文献7)

ただし、閃輝暗点は加齢や更年期による神経・血管の変化が影響しているため、頭痛がないからといって安心せず、症状が繰り返される場合は医師の診察が必要です。

閃輝暗点を発症した人の脳梗塞になる確率は?

閃輝暗点自体が、脳梗塞を直接引き起こす原因になるとの医学的根拠は現在のところありません。

ただし、閃輝暗点を持つ人に脳梗塞が見つかった症例もわずかながら報告されています。(文献8)

とくに、高血圧や糖尿病などのリスク因子がある方は注意が必要です。

また、閃輝暗点が脳梗塞の前兆の可能性もあるため、繰り返す場合は早めに受診してください。

閃輝暗点の発症に、即効性のある治し方はありますか?

閃輝暗点に即効性のある治し方はなく、症状自体に直接作用する特効薬もありません。

発症した際には、以下のような対処法が症状の軽減につながる可能性があるので、試してみましょう。

  • 目を閉じて安静にする
  • 暗い場所で休む
  • 水分を摂る
  • 強い光やストレス、疲労を避ける

なお、片頭痛を伴う閃輝暗点の場合は、症状を緩和させる薬物を処方されるケースがあります。

閃輝暗点と肩こり・首こりは関係ありますか?

肩こりや首こりによる血流障害や筋肉の緊張が、脳への血流を不安定にして閃輝暗点の引き金になる場合があります。

とくに、長時間のデスクワークや下を向く姿勢でスマートフォンを使用し続けると、症状が悪化する恐れがあるため気を付けましょう。

正しい姿勢を保つように意識するほか、適度なストレッチで首や肩の緊張をほぐすと予防につながるので試してください。

参考文献

(文献1)
閃輝暗点と更年期障害の関連性|横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

(文献2)
急に視界の一部が見えない:閃輝暗点の原因・症状・対処法|溜池山王 伊藤眼科

(文献3)
閃輝暗点|医療法人脳神経外科たかせクリニック

(文献4)
閃輝暗点(せんきあんてん)とは?概要・原因・治療法・予防方法を紹介|わかさ生活

(文献5)
目がチカチカする!?閃輝暗点の原因って?放置するとよくない?症状や予防も解説|医療法人社団慶月会 経堂こうづき眼科

(文献6)
網膜剥離|公益財団法人日本眼科学会

(文献7)
「特集」閃輝暗点の原因について|土屋薬品MEDIOUSS

(文献8)
閃輝暗点が脳梗塞である確率|横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

イメージ画像トップ