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【医師監修】閃輝暗点の見え方について解説|片目だけ・初めての症状は危険?

閃輝暗点 見え方
公開日: 2025.08.31

「視界にギザギザやチカチカしたものが見える」

「網膜や脳の疾患ではないかと心配」

視界に異常が現れる閃輝暗点は、片頭痛の前兆として生じることが多い一方で、眼科的疾患や脳の疾患に伴って現れる場合もあります。放置すると重大な疾患の発見が遅れ、深刻な症状を招く恐れがあるため、速やかな受診が必要です。

本記事では、閃輝暗点の見え方や片目だけに現れる症状について現役医師が詳しく解説します。

閃輝暗点の原因が脳疾患で、その症状によっては、再生医療も治療の選択肢のひとつです。

閃輝暗点の症状に関するお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。

閃輝暗点の見え方

見え方 詳細
ギザギザ・光の波動(点やジグザグ模様) 稲妻状やジグザグ模様がキラキラ輝きながら広がる視覚変化
モヤ・暗点(スコトーマ) 視野の一部がかすみ、文字や物の一部が欠けて見える状態
動き・揺れ・揺らぎ 光や模様が波打つように動き、視界全体に広がる現象
形やサイズの異常(歪み) 物の輪郭や文字が波打ち形や大きさが不自然に変わる視界異常

閃輝暗点では、視界にギザギザや光の波動、モヤや暗点、像の揺れ、形の歪みなどが現れることがあります。これらは片頭痛の前兆としてよくみられますが、眼や脳の疾患に伴う場合もあります。

症状は数分から30分程度で自然に消えることが多いものの、繰り返す場合や初めて起こった場合は、早めに眼科や神経内科を受診することが大切です。

ギザギザ・光の波動(点やジグザグ模様)

閃輝暗点でよくみられる典型的な症状は、視界の片隅に現れるギザギザした光の線や、チカチカと輝くジグザグ模様です。

白や銀色、虹色に見えることもあり、万華鏡のような複雑な模様を描きながら数分かけてゆっくりと広がり、やがて自然に消失します。脳の視覚野の神経細胞が一時的に過剰興奮することが原因と考えられています。

モヤ・暗点(スコトーマ)

モヤ・暗点(スコトーマ)は、脳の視覚中枢である後頭葉(視覚野)の一部に一時的な血流低下が起こり、その領域の神経活動が低下することで生じます。これにより視野の一部がぼやける、または暗く欠けて見える状態になります。

原因は眼の異常ではなく脳の血流変化です。多くは数分かけて光の模様から暗点へ移行し、その後自然に回復します。ただし、症状が1時間以上続く場合、片目のみに生じる場合、強い頭痛、手足のしびれ、言語の障害、意識の低下を伴う場合は、脳梗塞や一過性脳虚血発作、網膜疾患などの可能性があり、速やかな受診が必要です。

動き・揺れ・揺らぎ

閃輝暗点でみられる動き・揺れ・揺らぎは、脳の後頭葉(視覚野)における神経活動が、血流の変動に伴って波のように広がる皮質拡散抑制により生じます。神経の興奮と抑制がゆっくりと伝わることで、視界の光や模様が揺れたり、動いたりして見えます。

血管の収縮と拡張により視覚情報が乱れ、波打つ感覚が生じます。初発時は軽症であっても、脳や眼科的疾患を除外するための受診が必要です。発症時の時間、片目のみか両目か、頭痛やしびれの有無などを記録しておくと診断に役立ちます。

形やサイズの異常(歪み)

閃輝暗点による形やサイズの異常(歪み)は、後頭葉の視覚野での一時的な血流低下が形や大きさの認識を乱すことで生じます。まっすぐな線が波打って見える、人の顔が変形して見えるといった現象も報告されています。

多くは10〜30分で自然に回復しますが、初発や強い症状、長引く場合、頭痛や手足のしびれを伴う場合は眼科または神経内科を受診し、他の脳や眼疾患の可能性にも注意が必要です。

片目だけに現れる閃輝暗点は危険?

状況 詳細
片目だけに症状が出る場合 網膜剥離、眼底出血、硝子体剥離、眼圧異常など眼科疾患の可能性
放置した場合のリスク 視力低下や失明に至る危険
通常の閃輝暗点の作用部位 脳の視覚野の血流変動による両目同時の視覚異常
受診の目安 片目だけの症状は速やかな眼科受診
神経症状を伴う場合 脳梗塞や一過性脳虚血発作など脳血管障害の可能性
緊急時対応 直ちに救急車を要請し、救急医療機関を受診

閃輝暗点は通常、脳の視覚野の血流変動により両目に同じ像が見えますが、片目だけの場合は網膜剥離や眼底出血などの眼科疾患が疑われます。

放置すると視力低下や失明の危険があるため、速やかな眼科受診が必要です。視力低下や視野欠損、激しい頭痛、しびれ、言語障害を伴う場合は脳血管障害の可能性があり、直ちに救急要請が必要です。

閃輝暗点が現れる原因

原因 詳細
血管変動・圧の刺激(脳・眼) 脳や眼の血管の一時的な収縮・拡張による血流の変化
神経伝達物質・自律系の反応 セロトニンなど神経伝達物質の急激な増減と自律神経の影響
生活習慣・嗜好品の影響 ストレス、睡眠不足、カフェインやアルコールの摂取、喫煙などの誘因
脳の構造異常・基礎疾患 脳腫瘍、脳梗塞、一過性脳虚血発作などの重大な脳疾患の可能性

閃輝暗点は片頭痛の前兆として知られていますが、原因は複数あります。代表的なのは、脳や眼の血管が一時的に収縮・拡張して血流が変化し、視覚情報を処理する神経の働きに影響を及ぼす場合です。

セロトニンなどの神経伝達物質の急激な増減や自律神経の反応も関与します。さらに、ストレス、睡眠不足、カフェインやアルコールの摂取、喫煙などの生活習慣や嗜好品が誘因となることもあります。まれに脳腫瘍や脳梗塞など重大な疾患が原因となる場合もあり、注意が必要です。

以下の記事では、閃輝暗点の原因を詳しく解説しています。

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血管変動・圧の刺激(脳・眼)

閃輝暗点は、脳の血管が一時的に収縮と拡張を繰り返し、その結果、血流が変化することで起こると考えられています。

とくに視覚情報を処理する後頭葉の血管が影響を受けやすく、収縮により血流が減少すると神経細胞の働きが低下し、続く拡張で血流が急増すると過剰な興奮が生じます。この神経活動の変化が視覚異常として現れます。気圧の変化や疲労、ストレスなどが発症の引き金になる場合もあります。

以下の記事では、閃輝暗点と関係する脳梗塞について詳しく解説しています。

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神経伝達物質・自律系の反応

原因 詳細
神経伝達物質の変動 セロトニンの急激な増減による脳血管の収縮・拡張
自律神経のバランス乱れ ストレスや疲労、睡眠不足が引き起こす自律神経の機能不全と血管反応の過敏化
脳視覚野への影響 血流変化と神経活動変動による視界のキラキラ・揺らぎ、閃輝暗点の出現
生活習慣の影響 体調管理不良が神経伝達物質や自律神経の乱れを悪化させる要因
注意点 健康な人にも起こる生理的反応であり、症状の強さや片目だけの場合に注意が必要

閃輝暗点は、脳内の神経伝達物質の変動が原因のひとつです。とくにセロトニンが急激に増減すると脳血管が一時的に収縮・拡張し、血流変化が視覚野の神経活動に影響して光や模様が見えます。

自律神経もストレスや疲労、睡眠不足でバランスを崩すと血管反応が過敏になり、症状を悪化させます。健康な人にも起こりますが、初発時や片目だけの症状、強い症状時は受診が必要です。また、生活習慣の改善が再発予防に有効とされています。

生活習慣・嗜好品の影響

原因 詳細
睡眠不足・不規則な生活 自律神経の乱れによる脳血管の過剰な収縮・拡張
過度なストレス・疲労 神経や血管反応の不安定化
嗜好品(カフェイン・アルコール) 血管刺激による収縮・拡張の誘発
食品成分(チラミン) 脳血管収縮を促すアミノ酸由来成分の作用
過度なデジタル機器使用 眼精疲労と自律神経負荷による血流変化
予防のための生活習慣 規則正しい生活、十分な睡眠、バランスの取れた食事、水分摂取

閃輝暗点は、睡眠不足や生活リズムの乱れ、ストレスや疲労により自律神経が乱れ、脳や眼の血管反応と視覚野の血流が不安定になることで生じます。

チョコレートやチーズ、赤ワイン、コーヒーなどの成分や長時間のデジタル機器使用は血管や自律神経に影響し、発症を促す可能性があります。そのため、規則正しい生活習慣の維持が重要です。

以下の記事では、閃輝暗点とカフェインの関係性について詳しく解説しています。

脳の構造異常・基礎疾患

原因・疾患名 詳細
脳腫瘍(例:星細胞腫) 後頭葉への腫瘍による神経圧迫や刺激による視覚前兆の発生
脳血管奇形(例:AVM) 異常血管構造による血流異常と神経刺激による繰り返す視覚前兆やけいれん
脳梗塞・一過性脳虚血発作 脳血管の閉塞や血流障害による視覚野の虚血状態と神経機能障害
視覚野の血流障害(圧迫・浮腫) 腫瘍や血管異常による血流障害(虚血)による視覚情報の伝達異常
てんかん発作 後頭部の神経異常興奮による視覚発作と閃輝暗点類似の症状

閃輝暗点は多くの場合、片頭痛の前兆として一時的な血流変化で起こりますが、脳の構造異常や基礎疾患が原因となることもあります。後頭葉の腫瘍は異常な血流により、視覚前兆やけいれんを引き起こします。

腫瘍による圧迫や浮腫は一時的な虚血状態を引き起こし、後頭部のてんかん発作も類似の視覚症状を示します。これらは重大な脳疾患の兆候であり、症状が持続・悪化する場合や頭痛・麻痺を伴う場合は、早急な検査が必要です。

以下の記事では、脳疾患のひとつである側頭葉てんかんについて詳しく解説しています。

閃輝暗点の症状が初めて現れた際の対処法

対処法 詳細
静かな暗所で安静にする 明かりや音を避け、刺激の少ない場所で横になる状態
症状の持続時間と変化を観察する 発症時刻、症状の変化、関連する随伴症状の記録
重症兆候があればすぐに医療機関へ 視力低下、視野欠損、強い頭痛、めまいなどの出現
運動・言語障害が出たら緊急対応 手足のしびれや麻痺、言葉が出にくい、ろれつの回らない状態

閃輝暗点が初めて現れた場合、その多くは片頭痛の前兆として一過性に生じますが、まれに脳や眼の重大な疾患が原因となることがあります。そのため、症状が出た際には落ち着いて行動することが重要です。

まずは静かな暗所で安静にし、光や音などの刺激を避けます。同時に、発症時刻や症状の変化、頭痛やしびれなどの随伴症状を記録しておくことが、診断の大きな手がかりになります。

視力低下や強い頭痛、視野欠損、めまいがあれば速やかに受診し、手足の麻痺や言語障害を伴う場合は脳血管障害の可能性があるため、直ちに救急要請が必要です。

以下の記事では、閃輝暗点の内容について詳しく解説しています。

静かな暗所で安静にする

閃輝暗点は脳の視覚野や眼の血流変化で起こり、発症直後は暗く静かな場所で安静にすることが有効です。刺激を避けて休むことで症状が落ち着きやすく、この方法は初期対応として推奨されています。

初めての発症や片目のみ、視野欠損やしびれを伴う場合は速やかに受診し、改善後も眼科または神経内科で原因の確認が必要です。

症状の持続時間と変化を観察する

閃輝暗点は通常、数分で自然に消失します。持続時間や症状の変化を観察することは診断に重要です。症状が長引く場合や暗点が明瞭で、かつ視野欠損が強い場合は、脳梗塞など重大な疾患の可能性があるため速やかに受診します。

発症頻度の増加や症状の性質の変化も精密検査の対象となります。持続時間や変化を正確に記録し医師に伝えることで、原因特定と適切な治療につながります。

重症兆候があればすぐに医療機関へ

内容 詳細
視界異常が長時間続く 視野欠損や暗点が1時間以上持続する状態
片目だけに症状が出る場合 網膜剥離・眼底出血など眼科疾患の可能性
神経症状の出現 手足のしびれや麻痺、言語障害、意識低下
激しい頭痛や吐き気を伴う 脳出血・脳梗塞・くも膜下出血の可能性
初めての強い症状 既往のない重度発作や症状の急激な進行

閃輝暗点は多くは片頭痛の前兆として一過性に現れますが、脳梗塞、脳腫瘍、一過性脳虚血発作(TIA)、網膜剥離など命に関わる疾患の前触れとなることもあります。

視野欠損が続く場合や片目だけの症状、激しい頭痛や吐き気、麻痺、言語・意識障害を伴う場合は危険性が高く、速やかな受診が必要です。

運動・言語障害が出たら緊急対応

閃輝暗点は多くの場合、片頭痛の前兆として現れる視覚症状ですが、同時に手足のしびれや麻痺などの運動障害や、ろれつの回らない、言葉が出にくいといった言語障害を伴う場合は、脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)などの命に関わる疾患が疑われます。

これらは脳の血流が著しく低下しているサインであり、一刻を争う事態です。放置すると脳の損傷が進行し、後遺症が出る危険が高まります。症状が出た際は自己判断せず、直ちに救急車を呼び医療機関を受診する必要があります。

閃輝暗点の見え方が現れた場合はただちに医療機関を受診しよう

閃輝暗点が初めて現れた場合や片目のみ、通常と異なる症状を伴う場合は重大な病気の可能性があり、自己判断せず直ちに受診してください。早期診断により原因を特定し、必要に応じて適切な治療を開始できます。

閃輝暗点の見え方についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、閃輝暗点の原因となる脳疾患の症状によっては、手術や薬物療法より低リスクな再生医療を提案できる場合があります。

ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

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閃輝暗点の見え方に関するよくある質問

閃輝暗点が現れたものの頭痛がないのですが大丈夫?

頭痛を伴わない閃輝暗点は、必ずしも片頭痛の前兆とは限らず、まれに脳梗塞、脳腫瘍、一過性脳虚血発作など他の脳疾患が原因となることがあります。

頭痛がない場合でも、脳の異常サインの疑いがあります。そのため、早期の受診が重要です。

閃輝暗点に効く即効薬はありますか?

閃輝暗点に即効で効果を示す薬剤は現時点ではありません。多くの場合、症状は数分程度で自然に消失するため、特別な薬剤で速やかに治すことはできません。

片頭痛を伴う場合には、頭痛発作に対してトリプタンなどの治療薬が使用されることがありますが、閃輝暗点そのものを即座に消失させる薬剤はありません。

閃輝暗点は何科を受診すれば良いですか?

閃輝暗点が初めて出た場合は、脳の血流変化による視覚症状の可能性が高いため、脳神経外科または脳神経内科の受診が適切です。これらの診療科では脳の状態を詳しく評価できます。

視覚異常が片目のみに出る場合は眼科的疾患の可能性があるため眼科の受診も検討します。両目に同時に症状が出る場合は脳の異常が疑われるため、脳神経外科や脳神経内科を受診することが推奨されます。