• HOME
  • トピックス
  • 閃輝暗点が脳梗塞の前兆になる確率は?症状や治療を解説
  • 脳梗塞
  • 脳卒中
  • 頭部

閃輝暗点が脳梗塞の前兆になる確率は?症状や治療を解説

閃輝暗点が脳梗塞の前兆になる確率は?症状や治療を解説
公開日: 2025.01.24 更新日: 2025.01.29

閃輝暗点から脳梗塞になる確率が知りたい。
閃輝暗点が出たらどうしたら良いのだろう?

この記事を読んでいるあなたは、「閃輝暗点」と脳梗塞の関係について、不安に思っているのではないでしょうか。

「受診の目安や受診先を知りたい」と思っているかもしれません。

結論、閃輝暗点が脳梗塞の前兆となる可能性はあります。過度に恐れる必要はありませんが、脳梗塞だった際のリスクを考えて受診をおすすめします。

本記事では、閃輝暗点が脳梗塞の前兆である確率や、脳梗塞だった場合の症状や治療法などを詳しく説明します。記事を最後まで読めば閃輝暗点と脳梗塞の関係がわかり、適切な対処ができるでしょう。

\クリック\タップで電話できます/

電話をかける

閃輝暗点が脳梗塞の前兆である確率は低い

調査自体が少なく、公的な統計は取られていませんが、閃輝暗点が脳梗塞の前兆である確率は低いでしょう。

しかし、今までの研究から脳梗塞の前兆として閃輝暗点があった人がいたのも事実です。脳梗塞は早めに受診すれば、悪化を防げるケースもあります。不安がある場合は、脳神経外科へ受診しましょう。

脳梗塞の前兆については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

【症状例】閃輝暗点から脳梗塞を発症した2つのケース

閃輝暗点から脳梗塞になる際は、片頭痛発作の後になるパターンと頭痛なしで脳梗塞になるパターンが考えられます。

閃輝暗点が脳梗塞の前兆だったケースは以下2つのケースです。

  • 閃輝暗点から片頭痛になり脳梗塞を発症する
  • 頭痛のない閃輝暗点から脳梗塞を発症する

本章を参考に、自分の症状と照らし合わせてみましょう。

ケース1. 閃輝暗点から片頭痛になり脳梗塞を発症する

閃輝暗点とは、片頭痛の前兆の1つです。ギザギザ・ジグザグ状の光が視界にあらわれて見えにくくなり、数十分でおさまるケースが多く見られます。文献1

前兆のある片頭痛は、以下のように脳梗塞のリスクを増加させる可能性があるといわれています。(文献2

  • 45歳未満の前兆のある片頭痛患者(女性)は、脳梗塞の発症リスクが2倍
  • 50歳未満の前兆のある片頭痛患者(女性)は、年12回より多い片頭痛発作があると脳梗塞の発症リスクが2~10倍

また、喫煙する人や経口避妊薬を服用している人は、脳梗塞の発症リスクが7〜9倍になるともいわれています。

もともと、若い人が脳梗塞になる確率は非常に低いのですが、閃輝暗点(前兆)のある片頭痛を持つ人はリスクが2倍以上になるのです。

閃輝暗点が出た後の片頭痛発作の様子や、全体的な体調がいつもと違う場合は、すみやかに受診しましょう。

当院「リペアセルクリニック」では、片頭痛後に起きた脳梗塞について再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。

ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けています。どうぞ気軽にお問い合わせください。

\クリックで電話できます/

電話をかける

 

また、片頭痛を含む頭痛の危険性については、以下の記事も参考にしてください。

ケース2. 頭痛のない閃輝暗点から脳梗塞を発症する

閃輝暗点の原因は、「脳の血流減少が関与する」という説が現在有力とされています。(文献3

そのため、脳の「後頭葉」で脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA:24時間以内に症状はなくなるが、その後脳梗塞になる可能性が高い病気)が起きると、脳の血流が悪くなり閃輝暗点が出る可能性があります。(文献4

脳の部位「後頭葉」は、目からの情報を処理する部位です。そのため、異常が起こると、「視野が欠ける」「見え方がおかしくなる」などの視覚異常が起こります。(文献5

頭痛のない閃輝暗点が起きた場合、問題ない症状なのか脳梗塞なのかを自分で判断するのは困難です。脳梗塞であった際のリスクを考え、受診して脳の状態を確かめることをおすすめします。

【脳梗塞?】閃輝暗点が起こったらどうする?受診の目安とその後の流れ

閃輝暗点が起こっても、自分の状態を確認して適切に受診すれば、脳梗塞の重症化をはじめとする健康上のリスクを下げられます。

本章の内容をもとに、閃輝暗点が起きた場合の受診の目安や受診先を理解しておきましょう。

受診の目安は「麻痺や痺れがあるか」

片頭痛の前兆としていつもあらわれる症状と今回の閃輝暗点が同じなら、手持ちの片頭痛治療薬で対応しましょう。

しかし、以下の場合は脳梗塞の可能性があるため、受診をおすすめします。

  • 閃輝暗点がはじめて出た
  • 閃輝暗点の頻度が増えている
  • 閃輝暗点に加えて麻痺や痺れがある
  • 閃輝暗点に加えて目や顔面の痛みがある

症状が急激に悪化したり強く出たりする場合は、脳梗塞がすでに起きている可能性も考えられます。救急車での受診も検討してください。

受診先は眼科ではなく「脳神経外科」

閃輝暗点は、「目」ではなく「脳」が原因で起こる症状です。

そのため閃輝暗点の受診先は、眼科ではなく脳神経外科となります。片頭痛で定期的に通院しているならかかりつけの医療機関、かかっている医療機関がない場合は最寄りの脳神経外科を受診しましょう。

ただし、はじめて閃輝暗点が出た場合は「視野が狭くなった」「目がチカチカする」などと感じて眼科を受診する人もいます。

その場合、眼科では網膜に異常がないかを確かめ、必要に応じて脳神経外科に紹介するケースが一般的です。

CTやMRIで脳梗塞かを判定する

脳神経外科では、閃輝暗点が脳梗塞の前兆なのかを確かめるために、以下のような検査をおこないます。

  • 問診/診察:症状の経過を聞き取り、麻痺やしびれ、しゃべりにくさなどがあるかを確認する
  • 頭部CT:X線を使用した脳の輪切り画像を撮影し、脳内に出血があるかを確認する
  • 頭部MRI:磁力を使って脳の輪切り画像を撮影し、急性期の脳梗塞があるかを詳しく確認する

頭痛やしびれ、麻痺などのない閃輝暗点のみなら、実際は何の問題もないケースが多くを占めます。

しかし、脳梗塞を見逃すと悪化して後遺症につながるケースもあるため、慎重な検査がおこなわれます。

MRI検査の所要時間や検査を受ける際の注意点は、以下の記事で解説しているのでチェックしてみてください

脳梗塞であった場合は「血栓を取り除く治療」をおこなう

検査で脳梗塞が見つかった場合は、すみやかな治療をおこないます。

代表的な脳梗塞の治療法は、以下のとおりです。

  • 血栓溶解療法(t-PA治療)
  • 血管内治療(血栓回収療法)
  • 抗血栓療法(内服治療)

とくに血栓溶解療法は、発症後4.5時間以内と早い時期に治療を始める必要があります。

治療が遅れると、脳の血流が長い時間滞り、失われる脳組織も増加します。そのため、早い治療開始が非常に重要です。

脳梗塞の治療については、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧いただければ幸いです。

後遺症の治療には「機能回復のリハビリ」が必要

治療をおこなっても後遺症が出た場合、機能が低下した部位のリハビリをおこないます。

時期の目安とよく行われるリハビリ内容は、以下のとおりです。

時期 時期の目安 よくおこなわれるリハビリ内容
急性期 脳梗塞発症~入院中
  • バランス保持
  • 歩行訓練
  • 飲み込み訓練
回復期 発症後3~6カ月
  • 生活動作の訓練
  • 運動機能の回復訓練
維持期 退院後
  • 生活動作の訓練
  • 運動機能の回復訓練

脳梗塞で失われた機能の程度により、必要なリハビリは異なります。

脳梗塞後のリハビリについては、以下の記事もぜひ参考にしてください。

脳梗塞を予防する2つの対策

普段からできる脳梗塞の予防策としては、以下2つがあげられます。

  • 高血圧を防ぐ
  • 片頭痛をコントロールする

脳梗塞になると、脳の機能低下による麻痺やしびれなどが残りがちです。本章の内容をもとに脳梗塞のリスクを軽減させましょう。

高血圧を防ぐ

脳梗塞の原因疾患でもっとも多いのは、「高血圧」といわれています。

そのため、脳梗塞のリスクを下げるには、適切な血圧の維持が大切です。

高血圧の予防には、以下を心がけると良いでしょう。

  • 塩分を控える
  • 禁煙する
  • ストレスを溜めない
  • 運動して肥満を防ぐ
  • 規則正しい食生活を送る
  • 腹八分目にとどめ、食べすぎによる肥満を防ぐ

脳梗塞の発症予防については、以下の記事も参考にしてください。

片頭痛をコントロールする

閃輝暗点をはじめとする「前兆のある片頭痛発作」がある女性は、脳梗塞のリスクが高いことがわかっています。(文献2

そのため、発作予防薬が処方されている人は正しく服用し、発作を起こさない生活を送るように気をつけましょう。

また、以下のものは片頭痛に関連する可能性があるとされています。(文献6

  • 空腹
  • 運動
  • 月経周期
  • 天候の変化
  • 光・におい・音・温度差
  • 睡眠の乱れ(寝不足・寝すぎ)
  • 食べ物(チョコレート・ナッツ・ワインなど)
  • ストレス(ストレスを感じる・ストレスから解放される)

個人差がありますが、複数の要因が発作に関わるケースが多く見られます。

閃輝暗点の後に片頭痛発作が出る人は、正しい頭痛コントロールが生活の質の向上につながるでしょう。

まとめ|閃輝暗点から脳梗塞になる確率は低いが念のため受診しよう

閃輝暗点から脳梗塞になる確率は低いのですが、問題ない症状なのかを自分で判断することは困難です。

脳梗塞だった場合、治療が遅れると症状の悪化リスクが高まるため、不安な閃輝暗点があらわれた際は早めに脳神経外科を受診しましょう。

当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞後の治療として再生医療(幹細胞)をおこなっています。再生医療は、脳梗塞によってダメージを受けた脳細胞の修復や麻痺の改善、リハビリ効果の向上などに効果が期待できます。

再生医療へのご質問・ご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けております。気になる点がありましたら、どうぞ気軽にご相談ください。

\クリックで電話できます/

電話をかける

閃輝暗点と脳梗塞の確率についてよくあるQ&A

閃輝暗点から脳梗塞になる原因はスマホですか?

閃輝暗点は脳の血流低下が原因で起こるため、スマホが直接的に閃輝暗点や脳梗塞を起こす可能性は低いと考えられます。

しかし、以下のようなパターンでは、スマホの使用が閃輝暗点や脳梗塞へ間接的に影響する可能性はあるかもしれません。(文献6

  • スマホの光から片頭痛発作が起こり、脳梗塞になる
  • 疲れているときにスマホを操作し、片頭痛発作から脳梗塞になる
  • 悪い姿勢でのスマホ操作が続き、脳を含めた全身の血流が低下する

操作姿勢やタイミング、使用時間などを見直し、適切なスマホ使用を心がけましょう。

閃輝暗点を放置するとどうなりますか?

閃輝暗点が片頭痛の前兆だった場合、その後頭痛発作が起きると考えられます。

また、閃輝暗点が脳梗塞の前兆だった場合は、痺れ、言葉が出なくなるなどの症状が出る可能性もあるでしょう。

閃輝暗点が脳梗塞に移行するかどうかを自分で判断するのは困難です。不安を感じる場合は、受診すると良いでしょう。

頭痛がない閃輝暗点は危険ですか?

頭痛がない閃輝暗点が出た場合、危険な状態になりかかっている可能性があります。

頭痛がない閃輝暗点とは、「片頭痛以外の問題が脳内で起きている」という状態のためです。

実際は問題のないケースが多いのですが、閃輝暗点が脳梗塞の前兆である可能性は否定できません。

脳梗塞は早めの処置ができるかにより、予後が大きく変わります。頭痛がない閃輝暗点が出た場合は、脳梗塞の前兆ではないかを確かめるために受診するのが良いでしょう。

参照文献

文献1
片頭痛/片頭痛の治療|日本頭痛学会

献2
脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023|日本脳卒中学会

文献3
廣瀬真由,大沼学,佐藤恵美,斎藤渉,河西雅之,薄井紀夫,内海通,片頭痛発症中に動的量的視野検査を成功し、一過性暗点を記録できた一例,日本視能訓練士教会誌,第46巻,2017

文献4
Wijman CA, Wolf PA, Kase CS, Kelly-Hayes M, Beiser AS. Migrainous visual accompaniments are not rare in late life: the Framingham Study. Stroke. 1998 Aug;29(8):1539-43. doi: 10.1161/01.str.29.8.1539. PMID: 9707189.

文献5
脳について学ぼう2|環境省国立水俣病総合研究センター

文献6
頭痛の診療ガイドライン2021|日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会

イメージ画像トップ