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【タイプ別】慢性腰痛に適したストレッチを現役医師が紹介
「慢性的な腰痛が続いていて辛い」
「腰痛にはストレッチが良いと聞いたのだが、どのようなものがあるのだろうか?」
このようにお考えの方も多いことでしょう。
ストレッチは慢性腰痛に効果的ですが、方法を間違えてしまうと逆に腰痛が悪化する場合もあります。
ストレッチの際は注意事項を守り、正しい方法で行うことが必要です。
本記事では、腰痛のタイプ別ストレッチに加えて、各タイプに共通して実践可能なストレッチなどを紹介します。ストレッチ以外の生活習慣も解説しますので、慢性腰痛にお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
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目次
慢性腰痛にストレッチが良い理由と実施時の注意点
慢性腰痛とは、発症後3カ月以上続く腰痛のことです。脊椎およびその周辺運動器や神経に由来するもの、内臓が原因のもの、心因性のものなど原因はさまざまです。(文献1)
ストレッチは運動療法の一環であり、慢性腰痛に対して強く推奨されています。(文献1)
ストレッチの効果としては、筋肉の柔軟性を保つ効果や疲労回復、リラクゼーションなどがあります。ストレッチ実施時の主な注意点を、以下に示しました。(文献2)
- 息を止めずにゆっくりと体を動かす
- 体を動かすときは反動やはずみをつけない
- ストレッチで伸ばしている筋肉に意識を向ける
- 20秒から30秒程度伸ばす
- 腰痛が強いときは行わない
慢性腰痛については下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
慢性腰痛向けのストレッチ
慢性腰痛向けのストレッチは、主に以下の5タイプです。
- 長時間同じ姿勢タイプ
- 重労働タイプ
- 反り腰タイプ
- 猫背タイプ
- 心因性タイプ
全タイプに共通して実践可能なストレッチもありますので、あわせて紹介します。
下記の記事では、坐骨神経痛のストレッチについて詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
長時間同じ姿勢タイプ
文字どおり、デスクワークや立ち仕事などで長時間同じ姿勢を続けている方に多いタイプです。同じ姿勢をとり続けることで筋肉が凝り固まり、血流が悪くなるために腰痛が引き起こされます。
長時間同じ姿勢タイプの方に適したストレッチは、太もも裏やお尻を伸ばすものです。
- 椅子に浅く座り、片脚を前に伸ばしてかかとを床につけてから、背筋を伸ばして前屈する
- 椅子に座り、片足を反対側の足の上に載せてから背筋を伸ばし、ゆっくりと体を前に倒す
ストレッチの際は、太もも裏やお尻の伸びを意識してみましょう。
重労働タイプ
介護や看護、運送など、人の体を抱えたり重い荷物を持ったりする職業の方に多いタイプです。
中腰や急に体をひねる動作などが多く、常に腰に負担がかかりやすい状況です。腰への負担が筋繊維の損傷につながり、腰痛が慢性化していきます。
重労働タイプの方向けのストレッチは、太ももやふくらはぎ、上半身などを伸ばすものです。
- 片方の足をお尻につけて太ももの前側を伸ばす
- 上半身をゆっくりと90度まで曲げる
- 片方ずつふくらはぎを伸ばす
いずれのストレッチも、椅子や手すりにつかまりながら行いましょう。
反り腰タイプ
立った姿勢で腰を反らせる傾向がある方や、ヒールの高い靴を頻繁に履く方に多いタイプです。
骨盤が前に傾き、腰椎が反りすぎてしまうため、腰の筋肉が常に緊張しています。背筋や太もも前の筋肉である大腿四頭筋が硬く、腹筋も弱くなっているのが特徴です。
反り腰タイプの方向けのストレッチは、前ももや背中の柔軟性を改善するものです。
- 両膝を立てた仰向けの姿勢で、ゆっくりとお尻を上げながら背骨を動かしていく
- 四つん這いになり、深呼吸しながらゆっくりと、背中を丸める動作と反らす動作を繰り返す
猫背タイプ
間違った姿勢(座り方や歩き方)で過ごしている方や、運動不足により姿勢を保つ筋力が低下している方に多いタイプです。
猫背の方は骨盤が後ろに傾いている状況も多くみられます。腰痛以外に、肩こりや首こり、呼吸の浅さを感じる方も少なくありません。
猫背の方向けのストレッチは、胸を開くタイプのものです。
- 両手を背中の後ろで組み、肩甲骨を寄せて胸を開く
- 両手を肩に載せて、肘で大きく円を描くように前から後ろへ回す
心因性タイプ
仕事や家庭でのストレスや緊張が強い方、睡眠不足の方に多いタイプです。精神的な緊張は交感神経を優位にし、筋肉のこわばりや血流低下を生じさせます。
ストレスから筋肉が緊張し、痛みが慢性化している状況です。
心因性タイプの方向けのストレッチは、リラックスできるタイプのものです。
- 仰向けの姿勢で、両膝を胸に抱えて20秒キープする
- そのまま膝を左右にゆっくり倒し、体幹をねじりながらゆっくり深呼吸する
全タイプに共通して実践可能なストレッチ
全タイプに共通して実践可能なストレッチとしてあげられるのが、「これだけ体操®」です。(文献3)
「これだけ体操®」は、東京大学医学部附属病院の特任教授であり、医学博士の松平浩氏により考案されました。いずれもシンプルな動きのストレッチです。
2つの体操を表に示しました。
| 体操の種類 | 身体の動かし方 |
|---|---|
| 腰を反らす |
・足を肩幅より開いて立ち、両手をお尻に当てる ・指は下向きにそろえる ・息を吐きながら上体をゆっくり反らして約3秒間キープ ・その後、元の姿勢に戻す |
| 腰をかがめる |
・足を肩幅より広げて、椅子に浅く腰かける ・膝に手を当てて深呼吸する ・腕を足もとに垂らして、フーッと息を吐きながらゆっくり背中を丸める ・3秒間この姿勢をキープして元の姿勢に戻す |
慢性腰痛を防ぐストレッチ以外の習慣
慢性腰痛を予防するストレッチ以外の習慣において大事なポイントは、長時間同じ姿勢をとらないことです。とくに、長時間座りっぱなしの状態は、腰に強い圧力がかかり、腰回りの筋肉が常に緊張してしまいます。ときどき椅子から立ち上がり、本記事で紹介したストレッチを実践しましょう。
ストレッチと並行して、適度な運動も慢性腰痛に効果的です。ウォーキングや体幹トレーニングなどで筋力を維持し、正しい姿勢を保てるようにしましょう。
睡眠も重要なポイントです。睡眠不足は体の痛みを回復するプロセスを阻害します。また体にとってもストレスであり、わずかな痛みでも強く感じる原因になります。可能な限り、6時間以上の睡眠を心がけましょう。
慢性腰痛と生活習慣の関係については、下記の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
ストレッチで改善しない慢性腰痛は医療機関を受診しよう
ストレッチは、筋肉の柔軟性回復やリラクゼーションなど慢性腰痛に対して、さまざまな効果を発揮するものです。慢性腰痛にはそれぞれタイプがあるため、自分のタイプに合ったストレッチにより、慢性腰痛の回復が期待できます。
しかし、ストレッチで治らない、もしくはストレッチにより痛みが強くなるときは、無理に続けると悪化する可能性があります。この場合はストレッチを中止した上で医療機関を受診し、慢性腰痛の原因を明らかにして適切な治療を受けましょう。
慢性腰痛の治療法としては、ストレッチを含めた運動療法や薬物療法、心理療法、手術療法、再生医療などがあります。
リペアセルクリニックでは、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどによる慢性腰痛に対して再生医療を実施しております。
メール相談やオンラインカウンセリングにも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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慢性腰痛とストレッチに関するよくある質問
即効性のある慢性腰痛向けストレッチはありますか?
比較的即効性のあるストレッチとして、ここでは2種類紹介します。
1つ目は椅子に座ってのストレッチです。椅子に浅く腰かけて、背中を丸める動作と胸を反らす動作を繰り返しましょう。ストレッチの際は息を止めず、ゆっくりと深呼吸してください。
もう1つは立った姿勢でのストレッチです。立ったまま両足を肩幅に開き、両手を腰に当てます。骨盤を中心にして、大きく円を描くように腰を回しましょう。目安としては、左右ともに10回ずつです。
絶対にやってはいけない腰痛ストレッチとは何ですか?
強い痛みを我慢したり、反動をつけたりするストレッチは行わないでください。筋肉や靱帯を損傷する可能性があるほか、腰椎に強い負担をかけてしまうためです。
前屈すると痛い方の場合は前屈のストレッチが禁忌であり、反らすと痛い方の場合は反らす姿勢のストレッチが禁忌です。
腰やおしり、太ももにしびれがある方は、ストレッチで過度に伸ばさないようにしましょう。過度に伸ばすと神経に負担がかかり、しびれを増強させるためです。
腰痛のストレッチで寝ながらできるものはありますか?
寝ながらできる腰痛のストレッチは、主に以下の3つです。
- 膝を抱えながらゆっくりと深呼吸するストレッチ
- 片膝を曲げ、反対側に曲げるストレッチ
- 両膝を立て、片足にタオルをかけた状態で頭の方へ伸ばすストレッチ
ストレッチの際は、呼吸を止めない、痛みやしびれが出たときはすぐに中止するなどを念頭に置いておきましょう。
参考文献















