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【場所別】背中の痛みの原因一覧|考えられる病気や受診目安を現役医師が解説

背中の痛み 場所別
公開日: 2026.01.31

「最近背中が痛い」

「背中の右側が痛む」

「じっとしていても背中の痛みが続く」

このように、背中の痛みに関する悩みを抱えている方も多いことでしょう。

背中の痛みでは、「どの部分が痛むか」によって原因が異なる場合があります。多くの場合、筋肉の緊張や神経痛などが原因ですが、内臓疾患が原因であるケースも少なくありません。

本記事では、背中の痛みを右側・左側・中央に分けて、原因や医療機関受診の目安などを紹介します。症状別に「受診すべき診療科」も紹介しますので、背中の痛みに悩まれている方はぜひ最後までご覧ください。

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背中の右側が痛いときに考えられる原因

この章では、背中の右側が痛いときに考えられる原因を、以下の3つに分類して解説します。

  • 右上(肩甲骨内側〜背中上部)の痛み
  • 右中央(肩甲骨〜胸の高さ)の痛み
  • 右下部(腰の上〜肋骨の下)の痛み

右上(肩甲骨内側〜背中上部)の痛み

背中の右上が痛むときの主な原因は、主に以下のとおりです。

  • 筋膜性疼痛症候群
  • 肩甲骨周囲筋の過緊張
  • 頸椎ヘルニアや頚椎症など頸椎由来の疾患

筋膜性疼痛症候群とは、「筋肉のこり」が原因でさまざまな症状を引き起こす疾患です。筋肉内に硬いしこりのようなものが存在し、触れると痛みが生じます。いわゆる「トリガーポイント」と呼ばれるものです。筋膜性疼痛症候群は、比較的多くの人が経験する筋肉痛でもあります。(文献1)

肩甲骨周囲筋としてあげられるものは、僧帽筋(そうぼうきん)や菱形筋(りょうけいきん)、肩甲挙筋(けんこうきょきん)などです。これらの筋肉が過度に緊張しているときにも、右背部痛が発生します。

頸椎ヘルニアや頚椎症など、頚椎(首の骨)由来疾患による右背部痛は、首の動きによって痛みの状況が変わる点が特徴です。

内科疾患により右背部痛が生じる場合もあります。例としてあげられるのは、主に以下のとおりです。

  • 胆石発作や胆嚢炎など(発熱を伴う場合もある)
  • 肺炎や胸膜炎など(咳や発熱を伴う、呼吸により痛みが悪化する)
  • 帯状疱疹(発疹を伴いピリピリ痛む)

右上背部痛の原因を見分けるポイントを以下に示しました。

  • 首・肩を動きにより痛みが増減する(筋骨格系の可能性)
  • 深呼吸や咳で悪化する(肺や胸膜、肋間神経の可能性)
  • 食後の悪化や吐き気・発熱がある(胆道系の可能性)

食後に痛みが悪化する、吐き気や発熱などがある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

右中央(肩甲骨〜胸の高さ)の痛み

右中央の背部痛の原因は、主に以下のとおりです。

  • 肋間神経痛
  • 胸椎椎間板ヘルニア、変形性胸椎症など胸椎由来の疾患
  • 姿勢不良(猫背や巻き肩)による筋緊張

肋間神経痛の症状やセルフケアに関する詳細と、再生医療による胸椎椎間板ヘルニア治療事例を以下の記事で紹介しております。あわせてご覧ください。

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内科疾患により中央背部痛が生じる場合もあります。例としてあげられるのは、主に以下のとおりです。

  • 胸膜炎や肺炎(呼吸困難や咳、発熱など)
  • 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患(胸痛や息切れ、冷汗など)

中央背部痛の原因を見分けるポイントを以下に示しました。

  • チクチクする痛みや電気が走るような痛みがある(神経痛の可能性)
  • 深呼吸や咳、くしゃみで悪化(肋間神経痛や肺炎、胸膜炎などの可能性)
  • 胸痛や息切れ、動悸、冷汗(虚血性心疾患の可能性)

胸痛や息苦しさなどがある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

右下部(腰の上〜肋骨の下)の痛み

右下背部痛の主な原因は、以下に示したような筋肉の負荷であるとされています。

  • 腰方形筋(ようほうけいきん)や脊柱起立筋などの緊張
  • 腰や背中の筋膜性疼痛
  • 中腰や片側の体重をかけた姿勢

内科疾患により中央背部痛が生じる場合もあります。主なものとしてあげられるのが、腎盂腎炎や尿路結石です。発熱や悪寒、倦怠感、血尿、排尿時痛を伴います。

右下背部痛の原因を見分けるポイントを以下に示しました。

  • 動作や姿勢による増減、圧痛がある(筋骨格系の可能性)
  • 発熱や悪寒、強い倦怠感がある(腎盂腎炎の可能性)
  • 排尿時の違和感や血尿、頻尿がある(尿路結石の可能性)

発熱や排尿に関する症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

背中の左側が痛いときに考えられる原因

この章では、背中の左側が痛いときに考えられる原因を、以下の3つに分類して解説します。

  • 左上部(肩甲骨の内側〜背中上部)の痛み
  • 左中央部(肩甲骨〜胸の高さ)の痛み
  • 左下部(腰の上〜肋骨の下)の痛み

左上部(肩甲骨の内側〜背中上部)の痛み

背中の左上が痛む場合の主な原因は、以下に示した筋骨格系や頚椎の不調などです。

  • 肩甲骨周囲筋の緊張
  • 筋膜性疼痛症候群
  • 頸椎由来の痛み

内科疾患により右背部痛が生じる場合もあります。例としてあげられるのは、主に以下のとおりです。

  • 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患(胸痛や息切れ、冷汗など)
  • 大動脈解離(突然の激痛)
  • 肺や胸膜の炎症(呼吸困難や咳、発熱など)

左上背部痛の原因を見分けるポイントを以下に示しました。

  • 圧痛あり、姿勢により痛みの度合いが変わる(筋骨格の可能性)
  • 冷汗や息切れ、吐き気、胸部症状などがある(循環器疾患の可能性)

胸痛や息切れ、吐き気、冷汗がある場合は、迷わずに医療機関を受診しましょう。

左中央部(肩甲骨〜胸の高さ)の痛み

左中央の背部痛の原因は、主に以下のとおりです。

  • 肋間神経痛
  • 胸椎椎間板ヘルニア
  • 姿勢不良による筋緊張

また、循環器疾患や呼吸器疾患、帯状疱疹などが原因の可能性もあります。

左中央背部痛の原因を見分けるポイントを以下に示しました。

  • 呼吸や咳で悪化する(肋間神経痛や胸椎由来の可能性)
  • 皮膚のピリピリした感じや発疹などを伴う(帯状疱疹の可能性)
  • 胸痛や息切れ、動悸、冷汗などがある(循環器や呼吸器疾患の可能性)

胸痛や息切れ、動悸、冷汗がある場合は、迷わずに医療機関を受診しましょう。

左下部(腰の上〜肋骨の下)の痛み

左下背部痛の主な原因は、以下に示したような筋骨格系の不調です。

  • 腰背部の筋肉に強い負担がかかっている
  • 体幹に偏りがある
  • 日常生活動作のクセが影響している

また、腎泌尿器系疾患や、膵炎、胃・十二指腸潰瘍といった消化器系疾患が原因の可能性もあります。

左下背部痛の原因を見分けるポイントを以下に示しました。

  • 食後や空腹時などに悪化する(消化器系疾患の可能性)
  • 吐き気や嘔吐がある(消化器系疾患の可能性)
  • 排尿時の違和感および血尿を伴う(腎泌尿器系疾患の可能性)

強い吐き気や発熱がある場合、食事との関連が明確である場合は早めに医療機関を受診しましょう。

肝臓に水ぶくれが生じた状態(肝嚢胞)でも、背中に痛みが生じる場合があります。以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

背中の中央部が痛いときに考えられる原因

この章では、背中の中央部が痛いときに考えられる原因を、以下の3つに分類して解説します。

  • 背中の中央部(上部)の痛み
  • 背中の中央部(胸の高さ)の痛み
  • 背中の中央部(下部〜腰の少し上)の痛み

背中の中央部(上部)の痛み

背中の中央上部が痛む原因は、主に以下のようなものです。

  • 姿勢不良による筋緊張が続いている
  • 胸椎上部の可動域が低下している

また、圧迫骨折や進行がんが原因の可能性もあります。圧迫骨折は高齢者に多く、転倒や外傷後に痛むケースが多いとされます。

背中の中央上部が痛む原因を見分ける主なポイントは、以下の2つです。

  • 転倒や外傷後に痛むが出ている(圧迫骨折の可能性)
  • 体重減少や咳、食欲不振などを伴う(進行がんの可能性)

転倒や外傷の既往、体重減少などの症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。

背中の中央部(胸の高さ)の痛み

胸の高さでの背部痛は肋間神経痛や胸椎由来の痛みなどが主な原因です。しかし、胸部症状を伴う場合や食事との関連がある場合は、内科疾患を考慮する必要があります。

胸の高さでの背部痛の原因を見分ける主なポイントは、以下の2つです。

  • 胸痛や息切れ、冷汗などを伴う(循環器及び呼吸器疾患の可能性)
  • 食事により悪化や改善が見られる(消化器疾患の可能性)

胸痛や呼吸困難などの症状がある場合は、迷わずに医療機関を受診しましょう。

背中の中央部(下部〜腰の少し上)の痛み

背中の中央下部が痛む場合、多くは腰背部筋への負担や良くない姿勢が原因とされます。しかし、痛みが長引いたり全身症状があったりする場合は別の原因も考慮する必要があります。

背中の中央下部が痛む原因を見分ける主なポイントは、以下の2つです。

  • 排尿時の違和感および血尿を伴う(腎泌尿器系疾患の可能性)
  • 体重減少や咳、食欲不振などを伴う(進行がんの可能性)

長引く痛みや全身症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

背中の痛みが長引く・広がる場合の受診目安

背中の痛みには、場所がはっきりしないものや広範囲に渡るものがあります。具体例を以下に示しました。

  • 背中全体に重さやだるさ、鈍痛がある
  • 日によって、もしくは時間帯によって、痛む場所が変わる
  • 姿勢や日常生活動作などの影響を受けやすい
  • 検査を受けても、明確な異常が見つからない

このような場合、「どこが痛いか」だけで原因を判断するのが難しいことが多いとされます。そのため、「どれくらいの期間、痛みが続いているか」の視点も大切です。

急性の筋肉痛は1〜2週間で軽快する場合が多いため、2週間以上続く、もしくは当初より悪化している場合は医療機関受診を検討しましょう。

発熱やしびれ、胸部症状などがある場合は、自己判断で様子を見ないで早めに受診しましょう。

背中の痛みがある場合に受診すべき診療科

背中が痛む原因は多岐にわたります。受診先に迷った場合は、まず整形外科やかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらう方法が一般的です。

背部痛が強い場合や全身症状がある場合は、早めに受診しましょう。

整形外科

背部痛の主な原因は筋肉や関節・背骨などの筋骨格系であるため、整形外科が最初の相談先となることが多い状況です。

整形外科受診の目安となる症状を以下に示しました。

  • 動作や姿勢で痛みが変化する
  • 押すと痛み(圧痛)が生じる
  • 重さやだるさ、張りを伴う

内科

背中の痛みに加えて、発熱や全身のだるさ、体調不良などを伴う場合は、内科での相談が適しています。

内科受診の目安となる症状を以下に示しました。

  • 発熱や倦怠感が続いている
  • 食欲不振や体調の変化を伴う
  • 痛みの原因がはっきりしない

循環器内科・消化器内科・泌尿器科などの専門科

背中の痛みに加えて、胸の痛みや息苦しさ、動悸、吐き気などの症状を伴う場合は、循環器内科や消化器内科などの専門科受診が必要です。排尿時の異常や血尿がある場合は、泌尿器科が受診先となります。

これらの症状がある場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関を受診しましょう。

救急外来

以下のような症状がみられる場合は、迷わずに救急外来を受診してください。

  • 強い背部痛や胸痛がある
  • 息苦しさや意識障害を伴う
  • 急激な痛みの悪化や強い体調不良がある

背中の痛みに対するセルフケアと予防のポイント

早急な医療機関受診のサインがなく、痛みが軽い場合に限り、セルフケアで様子を見る選択肢があります。

セルフケアのポイントは、主に以下のとおりです。

  • 痛みが強くならない範囲で、軽い運動を心がける
  • 長時間同じ姿勢を続けず、定期的に姿勢を変える
  • 急な動作や過度な負荷を避ける

日常生活において、背部痛を予防する工夫もあります。

デスクワークのときやスマートフォンを操作するときは、姿勢が崩れないように意識しましょう。十分な休息を取り、疲労を溜め込まないことも大切です。

セルフケアや予防行動を続けても痛みが改善しない場合、もしくは痛みが長引く場合は、一度医療機関を受診しましょう。

背中の痛む場所や随伴症状に応じて適切に対処しよう

背中の痛みは、痛む場所によって考えられる原因や注意するポイントが異なります。

多くの場合、筋肉や関節、姿勢など筋骨格系が関与しており、動作や姿勢の改善で痛みが軽減するケースも少なくありません。

その一方で、発熱や強い倦怠感、胸痛、呼吸困難などを伴い、早めの受診が必要となるケースもあります。

そのため、痛みの部位に加えて、症状の経過や随伴症状の確認も必要です。

軽度な痛みであれば、日常生活での姿勢の見直しや無理のないセルフケアによって改善が期待できる可能性もあります。

ただし、痛みが2週間以上続く、一度は治まったが再発した、痛みが悪化しているといった場合は、医療機関受診が必要です。

背中の痛みは原因や状態によって適切な受診先が異なります。まずはかかりつけ医や整形外科を受診してみましょう。胸の痛みや息苦しさ、意識障害などを伴う場合は、迷わずに救急外来を受診してください。

リペアセルクリニックでは、公式LINEメール相談オンラインカウンセリングを実施しております。背中の痛みで不安を感じている方は、お気軽にお問い合わせください。

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場所別の背中の痛みに関するよくある質問

背中の痛みが内臓由来かどうかの見分け方はありますか?

以下のような状況では、内臓由来の可能性があります。

  • 体勢を変えたり安静にしたりしても痛みが続く
  • 吐き気や食欲不振、発熱、呼吸困難、胸痛などの症状を伴う

このような場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

背中の痛みで急死することもありますか?

急性大動脈解離が原因で背中が痛む場合、突然死(急死)の可能性があります。大動脈解離が起こると、血液の循環が破綻してしまい、脳梗塞や心筋梗塞などのきわめて危険な状態を引き起こすためです。

激しい背中の痛みが起きた場合は早急な治療が必要であるため、迷わずに救急外来を受診してください。

参考文献

(文献1)

筋・筋膜性疼痛症候群|一般社団法人日本ペインクリニック学会