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【医師監修】上体起こしの効果とは|鍛えられる筋肉・正しいやり方・腰痛への影響を解説

上体起こし 効果
公開日: 2026.04.30

「上体起こしをしているけど、本当に腹筋に効いているかわからない」

「やるたびに腰が痛くなってきた気がする」

このような悩みをお持ちの方は少なくありません。時間をつくって取り組んでいるのに変化が見えなかったり、腰に違和感が出てきたりすると、モチベーションが下がってしまいます。

上体起こしは、正しく行えば腹筋を中心に体幹を鍛えられる効果的な運動です。ただし、フォームを誤ると腰に負担がかかる可能性もあります。

本記事では、現役医師が上体起こしの効果や正しいやり方を詳しく解説します。腰痛との関係や注意点、よくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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上体起こしとは

上体起こし(シットアップ)とは、仰向けに寝た状態から上半身を起こす腹筋運動の総称です。学校の体力測定でもお馴染みの動きで、特別な器具がなくても気軽に取り組めます。

ただし、フォームが崩れると腹筋への効果が薄れ、腰への負担も増しやすくなるため、正しい動作を理解しておくことが大切です。

上体起こしとよく混同されるのが「クランチ」で、両者の主な違いは起き上がる角度です。

種目 起き上がる角度 主に使われる筋肉 腰への負担
上体起こし(シットアップ) 45~90度 腹直筋・腸腰筋 やや高い
クランチ 30~45度程度 腹直筋中心 比較的低い

上体起こしで鍛えられる筋肉

「上体起こしは腹筋に効く運動」というイメージが一般的ですが、腸腰筋など腹筋以外の筋肉も関与しています。どの部位がどのように使われるかを理解することで、より効果的なトレーニングにつながります。

腹直筋

腹部の正面を縦に走る筋肉で、上体起こしで最もダイレクトに鍛えられる部位です。上半身を起こす動作(屈曲)の主動筋として機能し、骨盤の安定にも寄与します。

腹直筋が発達すると、筋肉の溝がいわゆる「シックスパック」として浮き出てくることがあります。弱くなると腰が反りやすくなるため、腰痛予防の観点からも鍛えておきたい筋肉です。

腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)

わき腹部分に位置する筋肉群で、外腹斜筋と内腹斜筋の2層から構成されています。体をひねる・横に曲げる動作で主に働き、上体起こしで体を真っすぐ起こす際には腹直筋を補助する形で機能します。

腹斜筋が弱まると姿勢が崩れやすく、腰や股関節への負担が増す点に注意が必要です。ツイストを加えた斜め上体起こしでは、腹斜筋への刺激が特に高まるため、バリエーションとして取り入れましょう。

腸腰筋

腸骨筋と大腰筋を合わせた筋群で、上体起こしで体を起こす際に補助的に働きます。腸腰筋は太ももの付け根(股関節)と脊椎をつなぐ深部の筋肉で、姿勢保持や歩行動作にも深く関わる部位です。

足を固定した状態で体を起こすときは、腸腰筋への負荷が特に高まります。腰への負担を増やさないためにも、正しいフォームの習得が欠かせません。

上体起こしの主な効果

上体起こしを継続することで期待できる効果は、腹筋の強化だけにとどまりません。姿勢改善や体幹強化など、複数の観点からその効果を紹介します。

姿勢改善への効果

腹筋群が強化されることで骨盤が安定し、猫背や反り腰の改善が期待できます。逆に腹筋が弱いと骨盤が前傾しやすく、腰椎への負担も増しやすくなるため、注意が必要です。

上体起こしで腹直筋・腹斜筋が鍛えられると、体幹筋群の一部として姿勢維持に関与します。ただし、上体起こしだけでは不十分で、背筋や腸腰筋とのバランスを整えることも重要です。

基礎代謝アップ・ダイエットへの効果

腹筋を含む筋力トレーニングは筋肉量の維持・向上に寄与しますが、腹筋単体で基礎代謝を大きく高める効果は限定的です。

全身の筋肉量が増えることで、安静時に消費するエネルギー量も高まりやすくなるため、他の部位のトレーニングとの組み合わせが一層の効果を発揮します。

また、腹筋運動だけで脂肪が局所的に燃えるわけではありません。体脂肪の減少には、有酸素運動や食事管理との組み合わせが重要です。

体幹強化への効果

腹筋運動は主に腹直筋などの表層筋を中心に働きます。腹横筋などのインナーマッスルも鍛えたい場合は、ドローインなどの専用トレーニングを取り入れることをおすすめします。

体幹の安定により、走る・投げる・蹴るといったスポーツパフォーマンスの向上も期待できます。

また、日常生活でも、重いものを持つ・長時間座る・立ち仕事をする際の体の安定感が高まります。体幹強化は腰椎への負担軽減にもつながり、腰痛対策のひとつとしても有効です。

内臓を正しい位置に保つ効果

腹筋群は内臓を支えるコルセットのような役割を果たしており、腹腔内圧の維持に関わるとされています。ただし、内臓の位置は筋力だけで大きく変化するものではなく、効果には個人差があります。特に腹横筋は腹腔内圧の維持に関与する筋肉です。

腹筋運動によって消化機能が直接改善される明確な医学的根拠は限定的であり、生活習慣全体の影響が大きいとされています。

効果を最大化する上体起こしの正しいやり方

正しいフォームで行うことが上体起こしの効果を最大化し、腰への負担を最小限に抑えることにつながります。上体起こしを行う際には、ここで紹介するポイントを確認してから始めましょう。

基本のフォームと手順

下表の手順を参考に、ゆっくり丁寧に動作することを意識しましょう。

手順 ポイント
①仰向けに寝て、膝を90度に曲げる 足はこぶし一つ分開く
②両手を胸の前で組む、または頭の後ろに軽く添える 首を引っ張らないよう注意する
③息を吐きながら、ゆっくりと肩甲骨が床から離れるくらいまで起こす 腹筋の収縮を意識する
④腹筋の収縮を感じながら、一瞬止める 力が抜けないようにする
⑤息を吸いながら、ゆっくりと元の位置に戻す 一気に倒れない

起き上がる角度は45〜90度を目安にします。腰が床から完全に離れるまで上げることよりも、腹筋の収縮を意識することが重要です。速くやるより「ゆっくり丁寧に」動作することで、筋肉への刺激が高まります。

正しい呼吸法

上体を起こすときに息を吐き、戻るときに息を吸う「呼気で収縮」が、上体起こしにおける基本の呼吸法です。この流れを意識することで、腹筋に力が入りやすくなります。

息を止めて行うと腹腔内圧が高まりすぎて、血圧が上昇したり腰に負担がかかりやすくなったりします。慣れないうちは「ふーっ」と声を出しながら起き上がる練習をすると、感覚をつかみやすいです。

回数・頻度の目安(毎日やっていい?)

レベル 頻度 回数・セット数
初心者 週3~4回 1セット10~15回を2~3セット
中級者 週4~5回 1セット20~30回を3セット

筋肉の回復には一般的に24〜72時間程度が目安とされますが、部位や負荷、個人差によって異なります。毎日追い込むと回復が追いつかず、効果が出にくくなる点には注意が必要です。ただし、強度を低くしたりクランチなど別の運動と組み合わせたりすれば、毎日取り組めるケースもあります。

やりがちなNGフォーム

以下のNGフォームは効果を下げるだけでなく、体への負担にもなることがあります。

NGフォーム なぜNGなのか
首の後ろで手を組み、首を引っ張るように起き上がる 頸椎への負担が大きく、首痛・頭痛の原因になることがある
反動をつけて、バウンドするように動く 腹筋が収縮する時間が短くなることで効果が薄れる上に、関節への衝撃も大きい
息を止めたまま、一気に起き上がる 血圧の急激な上昇や腰椎への負担増加につながることがある
背中が丸まり、腰が浮いた状態で起き上がる 腹筋ではなく腸腰筋と腰で起き上がる動作になりやすく、腰への負担が大きくなる

【逆効果】腰痛持ちの上体起こしについて

腰痛を抱えている方が上体起こしを行う際には注意が必要です。腰痛の種類や状態によっては、症状を悪化させる可能性があります。

腰痛を悪化させる可能性があるケース

疾患・状態 注意点
椎間板ヘルニア 上体を起こす動作は椎間板への圧力を高めるため、痛みが増悪する可能性がある
脊柱管狭窄症 腰椎への負担や症状により実施可否が異なるため、医師の指示のもとで判断する必要がある
急性期のぎっくり腰 炎症が強い段階での腹筋運動は悪化要因になることがある
骨粗鬆症 圧迫骨折のリスクがあるため、医師の判断を仰ぐことが必要

文献1

これらの症状がある方は自己判断せず、まずは医療機関での診察を受けることをおすすめします。

急性期のぎっくり腰や椎間板ヘルニアについては、以下の記事でそれぞれ詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

【関連記事】

【医師監修】ぎっくり腰とは?原因から治療・予防法まで紹介

【医師監修】椎間板ヘルニアの初期症状とは|頸椎・腰椎・胸椎別で解説

腰への負担を減らすフォームの工夫

腰への負担を軽減しながら腹筋を鍛える工夫を紹介します。

工夫 効果・理由
クランチ(浅めに起き上がる)への切り替え 45度程度の浅い角度にとどめることで、腰椎への圧力を大幅に減らせる
腰の下にタオルを置く 腰のアーチを自然に保つことで、腰椎への負担が軽減される
足を床につけず膝を90度に保つ 腸腰筋の関与を抑え、腹筋主導の動作にしやすくなる
ドローインを意識する(お腹を薄くする) 腹横筋を使うことで、腰椎の安定に関与する

痛みが出たらすぐに中止し、専門家に相談することが大切です。

腰痛時のストレッチや自宅でできるセルフケアについては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

上体起こしの効果を得るために正しいやり方でトレーニングを行おう

上体起こしは正しいフォームと適切な頻度で続けることで、腹筋を中心に体幹を鍛えられる効果的な運動です。しかし、運動を続けても腰の痛みが改善しない場合、腰椎や周囲組織に別の原因が潜んでいることもあります。

上体起こしに関する症状や腰の不調についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、再生医療を用いた治療を実施しています。

治療の選択肢として、患者様自身の脂肪由来の幹細胞を活用する幹細胞治療が挙げられます。幹細胞には、他の細胞に変化する分化能という能力があります。また、血液中の血小板を濃縮したPRPを患部に投与して炎症を抑えることを目的とする「PRP療法」も治療法のひとつです。

現在の治療にお悩みの方や再生医療について興味のある方は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」でご相談を受け付けております。お気軽に当院へお問い合わせください。

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上体起こしの効果に関するよくある質問

上体起こしは毎日やっても効果がありますか?

強度や体調によっては毎日行える場合もありますが、筋肉の回復(超回復)には時間が必要です。週3〜4回のほうが、効率よく筋力アップできるケースが多いとされています。

毎日行う場合は強度を落とすか、クランチなど負荷の低いバリエーションとの組み合わせが理想です。

上体起こしをしても効果が出ないのはなぜですか?

主な原因として、以下が考えられます。

原因 改善のヒント
フォームが崩れており、腸腰筋や首で動作している 腹筋の収縮を感じながらゆっくり動作する
回数や速さにこだわりすぎて、刺激が不十分 1回1回の質(腹筋の収縮感)を意識する
食事管理ができておらず、体脂肪が減らない 有酸素運動・食事管理との組み合わせを検討する
頻度が多すぎて、筋肉の回復が追いつかない 週3~4回に頻度を見直す

うつ伏せの上体起こしはどんな効果がありますか?

うつ伏せの状態から上体を起こす動作は「バックエクステンション」とも呼ばれます。通常の上体起こしとは異なり、主に背筋(脊柱起立筋・多裂筋)を鍛える運動です。

背中の筋肉群への刺激が主体となるため、腰椎のサポート筋の強化に役立つとされています。ただし、すべての方に適しているわけではないため、事前に医師へ確認した上で取り組むことをおすすめします。

腰痛持ちでも上体起こしはできますか?

腰痛の種類や状態によって、判断が異なります。慢性的な軽度の腰痛で医師に運動を許可されている場合は、クランチなど負荷の低いバリエーションから始めましょう。

ヘルニアや脊柱管狭窄症などの診断を受けている場合は、自己判断せず医師に確認してください。急性期(発症直後)の腰痛では安静を優先し、痛みが落ち着いてから再開を検討しましょう。少しでも不安がある場合は、専門家への相談をおすすめします。

参考文献

(文献1)

第2章腰痛対策|厚生労働省