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坐骨神経痛だと思ったら癌だったケースはある?見分け方・危険なサイン・受診すべき科を医師が解説

「坐骨神経痛だと思っていたけれど、もしかしてがんなのでは……」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。お尻から足にかけての痛みやしびれの多くは腰の神経の問題によるものですが、ごくまれに、その裏に悪性腫瘍(がん)が隠れているケースがあります。
本記事では、現役医師が坐骨神経痛の原因ががんである可能性や、見逃してはいけない「危険なサイン(レッドフラグ)」、そして何科を受診し、どのような検査を受ければ良いかを、医療的な根拠にもとづいて詳しく解説します。
この記事を読めば、ご自身の痛みが一般的な坐骨神経痛によるものなのか、それとも専門的な検査が必要な状態なのかを見分けるポイントがわかり、落ち着いて次の行動を判断できるようになりますので、ぜひ最後までご一読ください。
慢性的でつらい坐骨神経痛に対しては、再生医療という治療の選択肢もあります。
再生医療とは、患者さまご自身の血液や細胞が持つ自然治癒力を活用し、損傷した神経や周囲組織の修復を促す治療法です。
【こんな方は再生医療をご検討ください】
- 手足のしびれや痛みが長期間続いている
- 保存療法(薬・注射・リハビリ)では改善がみられない
- 手術はできるだけ避けたいと考えている
- 手術を受けたが、痛みが残っている、あるいは再発してしまった
目次
坐骨神経痛の原因ががん(悪性腫瘍)である可能性について
まず知っておいていただきたいのは、坐骨神経痛の原因の大部分は、がんではないということです。坐骨神経痛は独立した病名ではなく、腰からお尻・太もも・ふくらはぎ・足先へと伸びる坐骨神経が刺激されて生じる、痛みやしびれの総称を指します。(文献1)
その原因の多くは、若い世代では腰椎椎間板ヘルニア、高齢の方では腰部脊柱管狭窄症といった整形外科的な疾患です。つまり、坐骨神経痛の症状があるからといって、過度にがんを心配する必要はありません。
一方で、ごくまれではあるものの、がん(悪性腫瘍)が坐骨神経のどこかを圧迫したり浸潤したりすることで、坐骨神経痛とよく似た症状が現れる場合があります。(文献2)
具体的には、背骨(脊椎)へのがんの転移、脊髄や神経の通り道にできる腫瘍、骨盤内の臓器にできた腫瘍などが挙げられます。
大切なのは、「がんの可能性は低い」という前提を持ちながらも、後述する危険なサインに当てはまる場合には、早めに専門的な検査を受けることが重要です。
以下の記事では、坐骨神経痛で起こりうるしびれの症状について詳しく解説しています。
坐骨神経痛を引き起こす代表的ながん・腫瘍の種類と仕組み
坐骨神経痛に似た症状を引き起こしうる腫瘍には、いくつかのタイプがあります。それぞれ発生する場所や仕組みが異なります。
転移性脊椎腫瘍(骨転移)
体の別の臓器にできたがん(原発巣)の細胞が、血液の流れなどに乗って背骨に移動し、そこで増殖したものを転移性脊椎腫瘍と呼びます。
がん細胞が背骨の骨を溶かすと骨がもろくなって背部痛や腰痛が生じ、脊髄が圧迫されるとしびれや麻痺が起こることがあります。(文献2)
がんが骨に転移すると強い痛みを生じることがあり、痛みは進行とともに強くなるのが特徴です。(文献4)
骨に転移しやすい代表的ながんには、肺がん・乳がん・前立腺がん・胃がん・腎臓がんなどがあります。とくに前立腺がんは骨に転移しやすいことが知られています。過去にこれらのがんの治療を受けたことがある方に、新たな腰痛や坐骨神経痛が出た場合は注意が必要です。
脊髄腫瘍・馬尾腫瘍(神経の通り道にできる腫瘍)
背骨の中には、脊髄や、その下方で馬の尾のように広がる「馬尾(ばび)神経」という神経の束が通っています。この神経の通り道である脊柱管の中に発生する腫瘍を、脊髄腫瘍・馬尾腫瘍と呼びます。(文献3)
脊髄腫瘍は、脊髄の外側にできる髄外腫瘍と、脊髄の内部にできる髄内腫瘍に分けられ、髄外腫瘍の多くは良性です。(文献3)
これらの腫瘍が大きくなって神経を圧迫すると、しびれ・感覚障害・筋力低下などが、数か月から数年かけてゆっくり進行することがあります。(文献3)
骨盤内腫瘍・後腹膜腫瘍(直腸・子宮がんなど)
お尻や太ももに向かう坐骨神経は、骨盤の中を通っています。そのため、骨盤内の臓器(直腸・S状結腸・膀胱・子宮・卵巣など)にできた腫瘍が大きくなり、坐骨神経を外側から圧迫することで、坐骨神経痛に似た症状が現れることがあります。とくに直腸がんや大腸がんでは、お尻から太ももにかけて深く持続する痛みが生じる場合があります。
多発性骨髄腫(血液のがん)
多発性骨髄腫は、骨髄の中の細胞が異常に増える血液のがんの一種です。全身の骨がもろくなり、背骨の圧迫骨折や神経の圧迫を起こして、強い腰背部痛や下肢の痛みを生じさせることがあります。高齢の方に多く、貧血や腎機能の低下を伴うこともあります。
ただの坐骨神経痛ではないかも?見逃してはいけない「危険信号(レッドフラグ)」
腰痛や坐骨神経痛を診るとき、医師は命に関わる重篤な病気を見逃さないために、日本整形外科学会などの診療ガイドラインで「危険信号(レッドフラグ)」と定められた項目を確認します。(文献7)
MSDマニュアルでも、がんの既往・夜間のひどい痛み・体重減少・発熱・排尿排便のトラブルなどが「警戒すべき徴候」として挙げられています。(文献6)
以下のサインに当てはまる場合は、自己判断をせず、早めに医療機関を受診しましょう。
慢性的でつらい坐骨神経痛に対しては、再生医療という治療の選択肢もあります。
再生医療とは、患者さまご自身の血液や細胞が持つ自然治癒力を活用し、損傷した神経や周囲組織の修復を促す治療法です。
再生医療についてご興味がある方は「LINE」や「メール」「オンラインカウンセリング」でご相談を受け付けております。お気軽に当院へお問い合わせください。
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安静にしても引かない「安静時痛」・「夜間痛」
一般的な椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症による痛みは、立つ・歩く・前かがみになるといった動作で強まり、横になって腰の負担を減らすと和らぐ傾向があります。(文献6)
これに対し、悪性腫瘍による痛みは体の動きや姿勢に関係なく続き、じっとしていても痛む「安静時痛」や、夜間に強くなって目が覚める「夜間痛」が特徴とされています。(文献6)
原因不明の急激な体重減少・持続する発熱
特別なダイエットをしていないのに数カ月で急に体重が減っている場合や、37〜38度前後の発熱が続く場合、全身の強いだるさを伴う場合は、体の中で悪性腫瘍や感染症が進んでいる可能性を示すサインとされています。
進行する足の筋力低下(下肢麻痺)
足に力が入らずつま先が上がらない、つまずきや転倒を繰り返すといった症状が短期間で進む場合は、神経が強く障害されている可能性があります。麻痺が急速に進むときは、緊急の対応が必要になることがあります。(文献2)
尿・便が出にくい/漏れる「膀胱直腸障害(馬尾症候群)」
おしりの周りや股の間の感覚が鈍くなる、尿や便が出しにくい・漏れてしまうといった症状は、馬尾神経が広い範囲で強く圧迫されている「馬尾症候群」のサインです。(文献5)
馬尾症候群は、放置すると排尿・排便の機能に後遺症を残すおそれがあるため、早急な画像検査と治療が必要とされる状態です。(文献5)
以下の記事では、坐骨神経痛と排尿障害の関係について詳しく解説しています。
がんの既往歴・55歳以上での新規発症
過去に乳がん・肺がん・前立腺がん・大腸がんなどの治療を受けたことがある方に、新たな腰痛・坐骨神経痛が出た場合は、骨転移の可能性を念頭に置く必要があります。(文献2)
診療ガイドラインでも、20歳未満での発症や、55歳以上ではじめて腰痛・坐骨神経痛が現れた場合は、危険信号のひとつとして念のため検査を受けることがすすめられています。(文献7)
次の表で、一般的な坐骨神経痛と、悪性腫瘍を疑うべき坐骨神経痛の見分け方を整理していますので、ぜひ参考にしてみてください。
| 項目 | 一般的な坐骨神経痛(腰の神経が原因) | がんなど悪性腫瘍を疑う坐骨神経痛 |
|---|---|---|
| 痛みが出るきっかけ | 立つ・歩く・前かがみなど動作で悪化 | 動作や姿勢に関係なく持続する |
| 安静・夜間の痛み | 横になると和らぐことが多い | 安静時痛・夜間痛が特徴 |
| 体重の変化 | 通常なし | 原因不明の急激な体重減少を伴うことがある |
| 発熱 | 通常なし | 原因不明の発熱が続くことがある |
| 症状の進み方 | 増悪と軽快を繰り返すことが多い | 進行性に悪化することがある |
| 主な随伴症状 | 腰痛・足のしびれ | 筋力低下・膀胱直腸障害・全身のだるさなど |
これらのサインは、必ずしもがんを意味するものではありません。あくまで「念のため専門的な検査を受けたほうが良い目安」として捉えてください。
坐骨神経痛が心配なときは何科?検査と診断の流れ
ここまで解説してきた危険なサインに心当たりがある場合や、痛みがなかなか改善しない場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関で検査を受けることが大切です。
ここでは、坐骨神経痛が心配なときにまず受診すべき診療科と、病院で実際に行われる検査・診断の流れを解説します。
以下の記事では、神経痛の症状別に適切な診療科を詳しく紹介しています。
まずは「整形外科」を受診すべき理由
お尻から足にかけての痛みやしびれで受診先に迷ったときは、まず「整形外科」を受診するのが基本です。整形外科は骨・関節・神経を含む運動器全般の専門で、問診・身体所見・画像検査(X線・MRI)を通じて、痛みの原因が一般的な腰の疾患なのか、腫瘍などの重い病気なのかを見分けることができます。
なお、整体院や整骨院ではX線やMRIなどの画像診断はできないため、腫瘍を含めた原因を確定することはできません。
危険なサインがある場合や痛みが長引く場合は、まず医療機関(整形外科)を受診してください。強い麻痺がある場合は脳神経外科、内科的な原因が疑われる場合は神経内科など、必要に応じて連携が行われます。
病院で行われる精密検査のステップ
| 検査 | 主にわかること | 留意点 |
|---|---|---|
| 神経学的検査(SLRテスト等) | 障害されている神経のおおよその部位 | 原因が腫瘍かどうかの確定はできない |
| X線(レントゲン) | 骨の並び・変形・骨折の有無 | 初期の腫瘍・軟部組織・脊髄内部は写らない |
| MRI(磁気共鳴画像) | 椎間板・脊髄・馬尾神経の圧迫、初期の骨転移・脊髄腫瘍 | 心臓ペースメーカー等で受けられない場合がある |
| CT | 骨の壊れ方の詳しい立体構造 | 放射線被ばくを伴う |
| 骨シンチ/PET-CT | 全身の骨への転移やがんの集積 | 専門的な医療機関での実施が必要となる |
まず問診・身体診察・神経学的検査で、症状の始まった時期、痛みの性質(安静時に痛むかどうか)、既往歴、体重の変化などを詳しく確認します。下肢伸展挙上テスト(SLRテスト)や腱反射、筋力・感覚の検査を行い、障害されている神経のレベルを推定します。
次にX線(レントゲン)検査で、背骨の並びや変形、骨の状態を確認します。ただし、初期の腫瘍や軟部組織、脊髄の内部の変化はX線には写らないため、「異常なし」と判定されても安心はできません。
その上で、坐骨神経痛の鑑別診断で最も重要になるのがMRI(磁気共鳴画像)検査です。X線では写らない椎間板・脊髄・馬尾神経・神経根の圧迫の様子や、初期の骨転移・脊髄腫瘍まで鮮明に確認することが可能です。
さらに必要に応じて、骨の壊れ方を詳しく調べるCT検査や、全身の骨への転移を一度に調べる骨シンチグラフィ・PET-CT検査が行われ、最終的には組織の一部を採取する検査(生検)で腫瘍のタイプや性質を確定します。
近年はMRIやPET-CTなどの画像診断の精度が向上し、初期の骨転移や脊髄腫瘍も早期に見つけやすくなっています。
慢性的でつらい坐骨神経痛に対しては、再生医療という治療の選択肢もあります。
再生医療とは、患者さまご自身の血液や細胞が持つ自然治癒力を活用し、損傷した神経や周囲組織の修復を促す治療法です。
【こんな方は再生医療をご検討ください】
- 手足のしびれや痛みが長期間続いている
- 保存療法(薬・注射・リハビリ)では改善がみられない
- 手術はできるだけ避けたいと考えている
- 手術を受けたが、痛みが残っている、あるいは再発してしまった
坐骨神経痛が癌だった可能性を考慮し早めに医療機関を受診しよう
坐骨神経痛の原因の多くは腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などであり、がんが原因となることはまれです。過度に不安になる必要はありません。
ただし、「安静時痛・夜間痛」「原因不明の体重減少・発熱」「進行する足の筋力低下」「尿・便のトラブル(馬尾症候群)」「がんの既往歴」といった危険なサインに当てはまる場合や、保存療法(薬・注射・リハビリ)を続けても改善しない場合は、放置せず整形外科でMRI検査などを受けることが大切です。早期に原因を確認することが、その後の適切な対応につながります。
坐骨神経痛そのものについては、腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違いを解説|疼痛期間や治し方を紹介もあわせてご覧ください。
坐骨神経痛に対する再生医療を用いた治療についてのご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。
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坐骨神経痛と癌に関するよくある質問
坐骨神経痛がなかなか治らない場合はがんの可能性はありますか?
坐骨神経痛が長引く原因の多くは、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの整形外科的な疾患です。
がんが原因であることはまれですが、安静時痛・夜間痛や体重減少などの危険なサインを伴う場合や、保存療法で改善しない場合は、念のため整形外科でMRI検査を受けることをおすすめします。
以下の記事では、改善しない坐骨神経痛について詳しく解説しています。
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X線(レントゲン)は主に骨の状態を確認する検査で、初期の腫瘍や椎間板・神経の状態、脊髄の内部の病変は写りません。
症状が続く場合や危険なサインがある場合は、MRI検査を受けることで、より詳しく原因を確認できます。
参考文献


















