-
- 股関節
- 変形性股関節症
高齢者の股関節疾患に対する人工股関節置換術では、手術後のリハビリが回復を左右します。入院中に行うストレッチや筋力トレーニングを退院後も継続して、歩行能力や日常生活動作の回復を促しましょう。 本記事では、人工股関節における手術後のリハビリ内容や注意すべきポイントを解説します。 また、股関節の痛みを手術せずに治療する方法を紹介しているので、手術以外の選択肢も検討したい方は、ぜひ参考にしてください。 \手術せずに治療する再生医療とは/ 再生医療とは、機能障害や機能不全になった股関節に対して、体が持つ再生能力を利用して損傷した組織にアプローチする治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 股関節の痛みを手術せずに治したい 痛みは治したいけど、手術のリスクが不安 人工関節はどうしても避けたい 股関節の痛みを早く治したいけど、後遺症リスクや長期間のリハビリが必要なことから「できるだけ手術をしたくない」という方も少なくありません。 再生医療は、患者様の細胞のみを使って治療を行うことで、アレルギー反応や拒絶反応などのリスクが少ない治療法として注目されています 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の詳しい治療法を配信しているため、手術を受ける前にぜひご覧ください。 【高齢者向け】人工股関節における手術後のリハビリ内容 人工股関節置換術とは、変形性股関節症などで傷んだ股関節を人工の関節に置き換える手術です。手術後は、新しい関節に慣れて日常生活を安全に送るためのリハビリが欠かせません。 手術後のリハビリは主に以下の期間に分けられます。 手術直後のリハビリ 退院までのリハビリ 退院後のリハビリ それぞれの段階で必要な運動やポイントをみていきましょう。 手術直後のリハビリ 人工股関節置換術を受けたあとは、できるだけ早くリハビリを開始することが重要です。早期のリハビリは、歩行機能の改善や血栓症の予防に効果があります。 術後3日目から体重をかけた歩行訓練を行った研究では、1週間以内に股関節を動かせる範囲や歩行能力が改善したと報告されています。(文献1) また、人工股関節置換術後は、脚のむくみや痛みを引き起こす血栓症のおそれがあります。手術当日から足に負荷をかける運動や関節の動かし方の訓練を始めると、血栓症の予防にも効果があります。(文献2) 人工股関節の置換術直後における具体的なリハビリの例は、以下のとおりです。 ベッド上での足首や足指の運動をする 車椅子に乗る練習をする 平行棒を用いて立ち上がりや歩行の練習をする 血栓防止のため、ふくらはぎを圧迫して血流を促進する器具を装着する 手術後早期にリハビリを開始して、痛みや腫れの抑制や回復の促進につなげましょう。 退院までのリハビリ 退院までの期間は、一人で歩けるようになるまでの2〜4週間程度が目安です。 リハビリの具体例は、以下のとおりです。 足に体重をかけた筋力トレーニング 杖を用いた歩行練習 階段の上り下りの練習 屋外の歩行練習 エアロバイクによる持久力の向上 自宅で短期間の試験的な外泊 退院までに日常生活に必要な歩行能力や筋力を安定させ、自宅で過ごせる状態を目指します。 退院後のリハビリ 退院後は、必要に応じて週1〜2回程度の外来通院リハビリを行うケースがあります。近年は入院期間が短縮されて治療の時間が限られる傾向にあるため、退院後も筋力トレーニングやストレッチを継続しましょう。 退院後のリハビリでは、以下の点を理学療法士と確認しながら進める場合があります。(文献3) 歩行能力に併せて杖の種類を選ぶ 杖なしで自力で歩くタイミングを判断する 歩行時の身体の傾きや骨盤の動きを観察し、正しい股関節の使い方ができているか確認する 簡単で継続しやすいトレーニングを選び、自宅でも継続する 退院後も、外来リハビリや自宅での運動で筋力や関節の動きのさらなる改善が可能です。入院中だけでは得られない安定した歩行や日常生活動作の習得のため、計画的にリハビリを続けましょう。 人工股関節の手術後に日常生活を送れるようになるまでの期間目安 人工股関節置換術後に日常生活を安全にこなせるようになるまでの期間には個人差があります。 一般的には、術後2〜3週間で杖を使って歩行できるようになり、多くの場合が約3カ月程度で日常生活に支障がなくなるとされます。 ただし、元の状態に戻るまでの期間ではなく、生活動作を行えるようになるまでの目安です。高齢で術前の筋力低下や股関節可動域制限がある場合、回復にはより時間がかかる可能性があります。 そのため、具体的な期間やリハビリの進め方は担当医に相談してください。 人工股関節のリハビリで注意すべきポイント 人工股関節のリハビリで注意すべきポイントは、以下のとおりです。 痛みや疲労感がある場合は運動を中止する 入院中に教わったストレッチや筋力トレーニングは退院後も継続する 息を止めずにゆっくり行う 股関節を深く曲げる運動は避ける リハビリ中は掴まれる場所を確保し、滑りにくい環境で行う トレーニングは関節の安定性を保ち、日常生活への復帰をサポートします。 通院のリハビリだけでなく、自宅でもトレーニングを続けましょう。また、正座・あぐら・しゃがむ・足を組む動作が含まれる運動は、関節に負担がかかりやすいため控えましょう。 無理せず正しい動作でリハビリに取り組めば、日常生活への復帰につながります。 人工股関節手術後の生活における注意点は、以下の記事で解説しているので、併せて参考にしてください。 自宅でもできる人工股関節のリハビリ 自宅でもできる人工股関節のリハビリを紹介します。 股関節の可動域を広げるストレッチ ふくらはぎのトレーニング お尻まわりの筋肉を鍛える運動 リハビリは股関節に無理のない範囲で行い、必要に応じて医師や理学療法士に相談してください。 股関節の可動域を広げるストレッチ 日常動作で靴や靴下を履く際にかがみにくい、股関節が硬く感じるという方には、可動域を広げるストレッチが役立ちます。 股関節のストレッチの手順は、以下のとおりです。 仰向けに横になり、膝を立てる 両膝を床に近づけるように横に開く 30秒を2回、朝・昼・夕に行う 腰が反らないように注意し、反動をつけずにゆっくりと開きましょう。 ふくらはぎのトレーニング ふくらはぎの筋力を鍛え、歩行の安定や血行の促進を目指しましょう。 トレーニングの手順は、以下のとおりです。 脚と腕をまっすぐ伸ばして仰向けに横になる おなかの筋肉に力を入れ、爪先を体の方向に曲げ、かかとを床に押し付ける 5秒程度力を入れたら、ゆっくり力を抜く 無理に力を入れすぎず、ゆっくりと動かしましょう。 お尻まわりの筋肉を鍛える運動 お尻の筋肉を鍛えて、スムーズかつ安定した歩行につなげましょう。 トレーニングの手順は、以下のとおりです。 仰向けになり、膝を立てて脚を腰幅に開く 腕は軽く開き、手のひらは上に向ける お尻の筋肉を意識しながら、腰を床からゆっくり持ち上げる 膝から肩までが一直線になったら、ゆっくり元の位置に戻す 15回を目安に行う 腰を反らないように意識し、お尻に力を入れながら行うことがポイントです。 高齢者が股関節の手術をする前に知っておきたいリスク 高齢者が人工股関節置換術をする際、リスクを把握せずに行ってしまうと、日常生活に支障をきたす可能性があります。 手術後に発生する可能性のあるリスクは、主に以下のとおりです。 術後に起こりうる合併症のリスク 年齢によるリスク リスクが発生する原因や具体的なリスク内容を順番に解説していきます。 術後に起こりうる合併症のリスク 高齢者が股関節の手術をする際は、術後に起こりうる合併症に注意しましょう。 多くの合併症は年齢を重ねるごとに発症のリスクが高まります。高齢者はとくに基礎疾患を有しているケースもあるため注意が必要です。 糖尿病や関節リウマチなどの病歴がある人は、手術前に発症する可能性のある合併症について理解し医師と十分に相談しましょう。 合併症の種類 詳細 感染 手術中の細菌侵入が主な原因 人工関節に関わらず多くの手術で発症する合併症 発症率は0.5〜2.3%(文献4)と比較的低いが、再手術につながるおそれがある 男性の方、喫煙者、肥満の方、糖尿病や関節リウマチの治療をしている人、ステロイド治療を受けている人は感染リスクと関連している(文献5) 血栓症・肺塞栓症 脚のむくみや痛みを引き起こす 血栓が肺に移動すると肺塞栓症になり突然死のリスクが発生 発症率は約1.1%(文献6) 薬剤や早期のリハビリでリスクは低減できるがゼロではない 脱臼・骨折 人工股関節置換術の術後、転倒や無理な姿勢で発生 骨折は術後の転倒で発生 高齢者、骨粗しょう症の女性はリスクが高い 人工関節のゆるみ 骨と人工関節の接着面にゆるみが生じて痛みや歩行障害になる 過度な体重増加、重たい荷物を持つ、激しいスポーツなどが主な原因 高齢者に限らず発症する人工股関節置換術のリスクについては、以下の記事もあわせてご覧ください。 年齢によるリスク 人工股関節置換術を含めた手術は、高齢になるほどリスクが大きくなります。 リハビリにかかる時間が長くなる 寝たきりになる可能性がある 手術中の全身麻酔による体や心肺機能への負担 高齢の方は筋力や体力の回復に時間がかかるため、若い方に比べてリハビリ期間が長くなる傾向があります。適切な時期にリハビリを行わないと、筋力が低下して寝たきりにつながるおそれもあります。 医師や理学療法士の指導のもとで、早めに体を動かすのが重要です。 また、人工股関節置換術が必要になる変形性股関節症では、全身麻酔で手術をするケースが大半です。心肺機能の低下に伴って手術を受けられない場合もあるため、事前に担当医と相談して治療法を決める必要があります。 手術の年代別リスクについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 高齢者が股関節の治療をする際の手術以外の選択肢 手術に頼らず股関節の症状を改善するための選択肢は、以下のとおりです。 保存療法 再生医療 これらの治療法は、症状や患者様の状態に応じて選ばれます。それぞれ詳しく解説します。 保存療法 高齢者が股関節の治療において「手術はしたくない」と考える場合、まず保存療法が選択肢として挙げられます。保存療法は、股関節の痛みや機能障害を軽減させる手術以外の治療法です。 保存療法には主に、以下の種類があります。 保存療法の種類 治療の目的 詳細 薬物療法 痛みの緩和 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤を使用 理学療法 筋力維持と柔軟性向上 理学療法士による運動プログラムで関節の可動域を広げ、筋肉を強化 上記の治療法が保存療法ですが、あくまで症状の進行を遅らせるのが主な目的です。 再生医療 人工股関節手術を検討する段階では、手術を伴わない治療法として、再生医療が挙げられます。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様自身の脂肪由来幹細胞を用いた治療を実施しています。骨や軟骨などのさまざまな組織に変化できる「分化能」という能力を持つ幹細胞の働きを活かした治療法です。 入院や手術は不要で、日帰りで施術が可能です。人工股関節手術を受けることに不安がある方は、再生医療も治療法の一つとしてご検討ください。 人工関節を避けて当院で再生医療を受けた方の症例も紹介していますので、治療のイメージを確認したい方はこちらをご覧ください。 人工股関節後の生活復帰を支える高齢者向けリハビリ 高齢者の人工股関節手術後は、日常生活に戻るために段階的なリハビリが欠かせません。人工股関節手術後のリハビリや自宅での運動は、無理なく正しい動作で継続することで、日常生活への復帰を支えます。 股関節の痛みや歩行に不安がある方は、医師や理学療法士に相談しながらリハビリ計画を立てましょう。 また、人工股関節手術を検討している高齢者の方は、手術以外の治療法も選択肢として知っておきましょう。保存療法に加え、手術前であれば自分の脂肪由来幹細胞を使った再生医療も可能です。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の情報を配信しているため、手術を受ける前にぜひご覧ください。 高齢者が股関節の手術をする上でよくある質問 手術後は何に注意すれば良いの? 人工股関節の手術後は、以下の点に注意しましょう。 無理な動作や過度な負荷を避け、少しずつ日常生活に戻す 階段の昇降や長時間の立ち仕事は控える 家の中の環境を整え、転倒リスクを減らす(障害物を取り除く、手すりを活用する) 傷口の管理や衛生状態を保ち、感染を防ぐ 体調や傷の異常を感じた場合は、速やかに医療機関に相談する 手術後の注意点は、回復をスムーズに進めるために安静を意識するのが重要です。 以下の記事では、人工股関節手術後の生活について注意すべきポイントをまとめているので、参考にしてください。 治療の期間はどれくらい? 人工股関節置換術の治療期間は、患者様の健康状態によって異なりますが、術後6〜12カ月程度です。 治療をスムーズに済ませるためにも、まずは入院前の準備として禁煙や体重管理などの徹底が必要です。手術をする前には、人工股関節置換術を受ける医療機関ごとに設けられた検査項目に基づき、検査入院の有無を決めていきます。 手術を含めた入院期間中は多くの場合で、理学療法(リハビリ)も実施するので、リハビリ内容を聞いておくのも良いでしょう。 杖を使った歩行訓練や階段の上り下りなど、日常生活をイメージした訓練をおこない、2〜3週間程度で退院になります。退院後は定期的な医師の診察も必要で、術後1カ月・3カ月・半年・1年といったタイミングでのフォローアップが推奨されています。 回復には個人差が大きいため、医師と相談しながら無理のないペースで治療を進めるのが重要です。 高齢者が人工股関節で歩けるようになるまでにどれくらいかかる? 人工股関節の手術後、平均して約11日で杖を使って歩行できるというデータがあります。(文献7)ただし、高齢者や合併症のある方、術前に活動制限があった方では、この期間が長くなる可能性があります。 回復の速度には個人差があり、体力や健康状態、術後ケアの質によって変わるため、焦らずリハビリを継続するのが重要です。 参考文献 (文献1) 人工股関節全置換術後1週間以内の筋力トレーニングとモビライゼーショントレーニング|PubMed (文献2) 人工股関節置換術と術後リハビリテーション|JSTAGE (文献3) 人工股関節置換術に対する最近の後療法||JSTAGE (文献4) 人工関節周囲感染症: 関節形成術の成功を損なう多面的な負担|PubMed (文献5) 人工関節全置換術後の人工関節周囲感染症の患者関連危険因子:系統的レビューとメタ分析|PubMed (文献6) 香港における機械的予防を伴う一次人工股関節全置換術後の静脈血栓塞栓症の発生率|PubMed (文献7) 人工股関節置換術後の杖歩行自立までの期間に関わる因子の検討|CiNii
2021.01.13 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症の治療法として人工関節置換術は広く行われていますが、手術には入院期間や費用、手術後の生活制限などのデメリットがあります。 人工関節には寿命があり、将来的に再手術が必要になる可能性も否定できません。 手術を受けたあとに後悔しないためには、メリットだけでなくリスクを正しく理解して治療法を検討することが重要です。 この記事では、変形性股関節症の手術のデメリットや手術の流れから、人工関節を入れずに症状改善を目指す方法についても解説します。 なお、当院「リペアセルクリニック」では変形性股関節症に対して手術を必要としない再生医療を提供しております。 手術に対する不安がある方は、当院の公式LINEで再生医療の情報確認や簡易オンライン診断をお試しください。 変形性股関節症で手術を受ける主なデメリットとリスク 変形性股関節症の手術には、症状改善のメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意すべきリスクも存在します。以下では押さえておきたい主なポイントを解説します。 費用・入院期間・仕事復帰への影響 人工関節の寿命と再手術のリスク 年齢・活動性による留意点(若年者/高齢者) 日常生活の制限(スポーツ・屈曲動作など) 医学的リスク(合併症) 変形性股関節症や人工関節について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 【関連記事】 変形性股関節症とは?原因・症状・治療法をわかりやすく解説 【医師監修】人工関節とは|メリット・デメリットや置換術について詳しく解説 費用・入院期間・仕事復帰への影響 人工股関節置換術は、費用と時間の両面で大きな負担が生じます。 手術費用は公的医療保険を利用しても自己負担額が数十万円になるケースが多いため、高額療養費制度の併用が一般的です。 さらに、入院期間は通常2〜3週間ほど必要となり、退院後もリハビリを続けながら社会復帰を目指すため、仕事復帰までに数カ月かかる場合があります。 医療費だけでなく、長期の休職による収入減少も重なるため、経済的な負担が非常に大きい点がデメリットです。 人工関節の寿命と再手術のリスク 人工関節は耐用年数があり、一定期間で再手術が必要になる可能性がある点もデメリットです。 耐用年数は平均15〜20年程度といわれており、摩耗や骨との固定がゆるむことで再置換手術を検討するケースが出てきます。 とくに若年層では生涯を通じて2回以上の再手術に至ることもあり、そのたびに身体への負担や医療費の増加が懸念されます。 さらに年齢を重ねると骨質が低下し、手術そのもののリスクも上昇するため、長期的な負担を踏まえた検討が大切です。 年齢・活動性による留意点(若年者/高齢者) 人工関節手術は、若年者と高齢者で異なるリスクがあります。 若年者はスポーツや日常生活で股関節を頻繁に使用するため、人工関節が摩耗しやすく、15〜20年以内に再置換が必要になる場合があります。複数回の再手術が想定される点が大きな負担です。 一方、高齢者は骨の脆弱性や免疫力の低下により感染症や合併症が発生しやすく、回復が遅れることがあります。 そのため手術を検討する際は、現在の年齢や体力だけでなく、手術後の生活設計を含めた慎重な判断が必要です。 日常生活の制限(スポーツ・屈曲動作など) 手術後は、スポーツや日常動作に一定の制限が生じることが大きなデメリットです。 とくにジャンプやランニングなど衝撃が大きい運動は、人工関節の耐久性を損なう恐れがあるため禁止されます。また、和式トイレや正座、しゃがむ動作は股関節が深く曲がるため、脱臼のリスクが高く注意が必要です。 そのため生活習慣を見直し、椅子やベッド中心の洋式生活に切り替えることが求められます。 手術後も安全に生活を送るためには、日常生活での制限を理解し、家族と協力して環境を整える必要があります。 医学的リスク(合併症) 人工関節手術には、さまざまな医学的リスクが伴う点もデメリットです。 代表的な合併症として、手術部位や体内で細菌が増殖する人工関節感染症が挙げられます。(文献1)感染が血流を介して広がる「遠隔部位感染」の場合は、人工関節を除去する大がかりな手術が必要になることもあります。 また、長時間の手術により足の静脈に血の塊ができる深部静脈血栓症(DVT)や、血の塊が肺に詰まる肺塞栓症(PE)を発症すると、命に関わる可能性も否定できません。(文献2) さらに、人工関節のゆるみや摩耗、坐骨神経痛などの神経障害、周囲の骨がもろくなることで起こる人工関節周辺骨折といった合併症の危険もあります。 変形性股関節症で手術を受けたら後悔する?後遺症の可能性も紹介 後遺症により変形性股関節症での手術を後悔するケースも少なくありません。痛みは軽減しても可動域が完全には回復せず、日常生活の動作が思うように改善しないことが理由です。 手術後は長期間のリハビリが欠かせず、仕事や家事への復帰が想定以上に遅れる場合もあります。そのため、「思ったほど動きが改善しなかった」「リハビリが想像以上に大変だった」と後悔する方もいます。 また、稀に関節が硬くなる後遺症や、人工関節の異物感が残ることもあります。 変形性股関節症の手術を任せる医療機関の失敗しない選び方 変形性股関節症の手術を成功させるには医療機関選びが重要です。医療機関の選び方のポイントは以下です。 症例数や実績が豊富な医師がいること 設備や安全管理が整っていること 相談しやすい環境があること これらの条件を押さえることで、安心して手術を任せられる医療機関を選べます。インターネットや口コミを活用し、複数の医療機関で情報を比較しましょう。 また、人工関節の手術に不安がある場合は、リペアセルクリニックの再生医療もご検討ください。 再生医療は、他の細胞に変化する能力を持つ幹細胞を股関節に注射する治療法で、手術・入院を必要としません。また、自身の細胞を使用するため、拒絶反応やアレルギーなどの副作用が少なく、身体への負担が抑えられるのも特徴です。 人工関節の手術を避けられる再生医療について、興味をお持ちの方は当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 変形性股関節症で手術を受ける場合の流れを紹介 変形性股関節症の手術は一般的に全身麻酔を行うため、まず術前検査で血液検査や心電図、画像診断などを通じて身体の状態を確認します。 その後、手術計画を医師と共有し、生活習慣やリハビリ方針について相談します。手術当日は麻酔後、約2時間かけて人工関節を設置する流れです。 手術後は段階的にリハビリを進め、関節の可動域や歩行機能の回復を目指します。入院期間は通常2〜3週間程度で、退院後も定期的に通院して経過を確認しながらリハビリを継続します。 変形性股関節症の手術後にやってはいけないこと 変形性股関節症の手術後は、関節の脱臼や負担を避けるため、手術後3カ月程度は深い屈曲や股関節を内側にひねる動作、あぐらの姿勢を控えることが重要です。 日常生活では着替えの際は椅子に座って行う、就寝時は足を組まずに横向きで寝る、車の乗降はゆっくり行うなど、無理のない動作を心がけましょう。 また、椅子やトイレの高さを調整したり、手すりを設置したりすることで、関節への負担を減らし再発リスクを抑えられます。 加えて、疑問点や不安があれば医師やリハビリスタッフに事前に確認し、やってはいけない動作を理解した上で日常生活を送ることが、手術後の安全な回復につながります。 変形性股関節症の手術後の予後と生活上の注意 変形性股関節症の手術後は、以下の回復過程や見通しを理解した上で日常生活を送ることが重要です。 リハビリの段階的な進め方 合併症の早期サインと受診の目安 定期検診と長期的なフォロー リハビリの段階的な進め方 手術後は段階的にリハビリを進めることが大切です。手術翌日からの初期段階では、ベッド上でできる簡単な運動からスタートします。筋肉を柔軟に保ちつつ、関節の可動域を維持していくことが重要です。 手術後1~2週間は座位や立位、歩行練習など、より積極的なリハビリに進み、関節の安定性を高めます。 手術後2~4週間には歩行器や杖を使った歩行訓練に加え、階段昇降やトイレへの移動、着替えなど日常生活動作の練習も行い、筋力やバランスを段階的に回復させます。 リハビリの進め方は、年齢や手術後の回復状況、筋力の状態などによって異なるため、必ず医師や理学療法士の指導を受けながら、自分のペースで行いましょう。 合併症の早期サインと受診の目安 人工関節手術後は、合併症の兆候を見逃さないことが大切です。発熱や関節の腫れ、痛みの増加、傷口の赤みや浸出液などは早期受診のサインです。 とくに、動かすと痛みが強まったり、歩行に支障が出たりする場合は注意が必要です。異常を感じた際は決して自己判断せず、迅速に医師へ相談することで重篤化を防げます。 定期検診と長期的なフォロー 人工関節手術後は、定期的な検診を欠かさず受けることが回復維持には不可欠です。 X線や血液検査で状態を確認し、早期に問題を見つけることで大きな合併症を未然に防げます。また、生活習慣や運動の管理も医師と連携して行うことで、関節の負担を軽減できます。 変形性股関節症の手術後は、快適な日常生活を維持するために長期的なフォローの継続が欠かせません。 手術しないで治せる?変形性股関節症における人工関節以外の治療の選択肢 手術以外にも、症状の進行を抑えたり痛みを軽減したりできる治療法があります。ここでは、人工関節以外の選択肢を紹介します。 保存療法(リハビリ・服薬・装具など) 再生医療(PRP療法・幹細胞治療など) 保存療法(リハビリ・服薬・装具など) 保存療法は症状を緩和し、関節機能を維持するためにまず選ばれる治療法です。具体的には以下の4つの保存療法が挙げられます。 運動療法・リハビリ療法:筋力強化や可動域維持で関節の安定性を高める 薬物療法:痛みや炎症を抑え、日常生活での負担を軽減する 生活指導:負担の少ない動作や生活習慣を取り入れ、関節への負荷を減らす 物理療法:温熱や装具を利用し血流改善や筋肉の柔軟性の向上を図る ただし、保存療法だけでは症状が十分に改善しない場合もあります。痛みが強く日常生活に支障が出る場合は手術も選択肢に入れる必要があります。 再生医療(PRP療法・幹細胞治療など) 再生医療は、人工関節手術を回避したい方にとって選択肢となり得る治療法です。 PRP療法や幹細胞治療は、自身の血液や脂肪から採取した細胞を活用するため、拒絶反応やアレルギーといった副作用が少ないのが特徴です。また、人工関節手術のような大がかりな手術と比べ、感染症のリスクを抑えられる利点もあります。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様の症状を診察し、一人ひとりに合わせた再生医療を提案しております。 変形性股関節症に対する再生医療について、詳しくは症例を紹介している以下の記事をご覧ください。 まとめ|変形性股関節症の手術のデメリットを理解して適した治療法を選びましょう 変形性股関節症の人工関節手術は、痛みの改善や生活の質の向上が期待できる一方で、手術費用や合併症、日常生活での制限などのデメリットも存在します。 手術を検討する際は、こうしたデメリットやリスクを理解した上で、自分に合った治療法を選ぶことが重要です。 保存療法やリハビリで改善が見込める場合もありますが、痛みや可動域の制限が続く場合は選択肢として再生医療も検討してみましょう。 再生医療専門クリニックであるリペアセルクリニックでは、PRP療法や幹細胞治療を通じて、手術リスクを避けつつ症状の改善をサポートしています。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 変形性股関節症について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEへご登録ください。 変形性股関節症の手術に関してよくある質問 人工関節の手術費用には公的保険を適用できる? 人工関節の手術費用は健康保険が適用されます。 また、高額療養費制度を活用すれば、自己負担が一定額を超えた分は払い戻され、手術費用の負担を軽減できます。事前に制度の条件を確認しておくことが重要です。 手術後に飛行機・温泉・歯科治療など日常生活を送る上での注意点は? 手術後の飛行機や長時間の移動では、血流が滞りやすく血栓ができるリスクがあるため、軽い運動を取り入れて血行を促すことが重要です。また、温泉や入浴は創部が完全に治癒するまで控えましょう。 歯科治療は感染リスクがあるため、治療前に人工関節の手術履歴を医師に伝えることが推奨されます。 参考文献 (文献1) 人工関節の感染性関節炎|MSDマニュアル (文献2) 人工膝関節全置換術後の深部静脈血栓症に対する早期理学療法介入の有用性|昭和学士会雑誌
2021.01.06 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節への負荷が蓄積することで軟骨がすり減り、骨が変形していく疾患です。これ以上悪化させないために何ができるか、進行を遅らせる方法を知りたいと考える方も多いでしょう。 普段から股関節への負荷をできるだけ避け、股関節の可動域・筋力向上に効果的な運動を継続すれば、痛みの軽減が期待できます。 本記事では、現役医師が変形性股関節症でやってはいけないことについてわかりやすく解説します。記事の後半にはよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 改善しない変形性股関節症の症状についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、症状や状態によっては、再生医療を用いた治療を提案しています。 変形性股関節症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 変形性股関節症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 変形性股関節症でやってはいけないこと やってはいけないこと 詳細 股関節へ過度な負担をかける行動 長時間荷重や重量物運搬。深い屈曲・反復ひねり 違和感がある時の無理な活動 症状が出ている状態での活動継続。高負荷動作の強行 自己判断による対処 評価を伴わない自己流の対応。根拠不十分情報への依存 受診・治療の先送り 症状の放置。介入遅延、関節変性・機能制限進行の要因 変形性股関節症では、日常の行動選択が症状の経過に大きく影響します。長時間の立ち仕事や重い物の運搬、深い屈曲や繰り返しのひねり動作は、股関節への負荷を増大させる要因です。 違和感を感じる場面での無理な活動継続や、高負荷な動作を強行することは炎症を悪化させる恐れがあります。また、医師による評価を受けずに自己流の対応や、根拠が不十分な情報に頼ることは症状の悪化を見逃す原因となります。 股関節へ過度な負担をかける行動 変形性股関節症は、股関節の軟骨や関節構造が長期間にわたる力学的負荷の影響を受け、徐々に変性していく疾患です。股関節は体重支持と運動機能を担う重要な関節であり、骨端を覆う軟骨が衝撃吸収と円滑な動作に寄与します。 変形性股関節症は軟骨が薄くなることで関節面に加わる力の分布が変化し、負荷に対する耐性が低下します。長時間の立位、重量物運搬、深い屈曲動作などは関節負荷を増大させ、症状進行に影響を及ぼす要因です。 違和感がある時の無理な活動 変形性股関節症は、軟骨の変性によって関節の安定性が低下し、負荷の影響を受けやすい状態です。 股関節は日常のあらゆる動作で体重がかかり続ける部位であり、違和感がある状態で無理な活動を続けると、関節面や周囲の組織へのストレスが増大し、症状の悪化や機能低下につながる可能性があります。 激しい動作や持続的に強い負荷がかかる運動は避け、股関節への負担が少ない低負荷の活動を行うことが大切です。 自己判断による対処 変形性股関節症の管理には、関節の状態や進行度、筋力、生活環境に応じた個別対応が欠かせません。自己判断で運動量の調整や対処法を実施すると、関節に適さない負荷がかかり、症状を悪化させる可能性があります。 また、違和感や身体機能の変化を自己判断で放置すると、理学療法や生活指導、薬物療法など必要な治療介入が遅れるリスクがあります。 一般的なオンライン情報に依拠した対処は不適切な選択を招き得ることから、病態評価および負荷管理のためには医師による診断と指導が不可欠です。 受診・治療の先送り 変形性股関節症は進行性の経過をたどる可能性があるため、受診や治療の先送りは望ましくありません。 違和感や軽度の症状の段階で医師の評価を受けることで、関節の変形の程度や進行状況を把握できます。 反対に、症状を我慢して放置した場合、関節変形や機能低下が進行し、治療の幅や効果が限定されることがあります。自覚症状のみで関節内部の状態を正確に判断することは困難であり、画像検査や医学的評価が不可欠です。 変形性股関節症の禁忌動作を続けるリスク 禁忌動作を続けるリスク 詳細 疼痛が増強する 関節内炎症の助長。軟骨・滑膜への機械的刺激増大 歩行そのものが困難になる 関節可動域制限進行。支持性・安定性低下 人工関節を入れる手術が必要になる 関節変形進行。保存療法反応性低下 変形性股関節症において関節に負担のかかる動作を繰り返すと、力学的なストレスが蓄積し、症状や身体機能に悪影響を及ぼす可能性があります。 関節内の炎症や機械的な刺激が増大すると痛みや不快感が強くなり、可動域の制限や関節の支持力低下は歩行能力の低下に直結します。 さらに関節の変形が進行すると、運動療法や生活指導といった保存的な対応だけでは管理が困難です。病態の進行状況に応じて、人工関節置換術を含む外科的治療の適応が検討されます。 疼痛が増強する 変形性股関節症の方がしゃがむ、股関節を内側にねじるなどの動作を日常的に繰り返すと、大腿骨と骨盤の間にある軟骨がすり減り、痛みが強くなることがあります。 ここでいう痛みとは、皮膚や骨膜、筋、腱などに分布する自由神経終末が刺激されて生じるものです。灼熱感や強いしびれとして感じる方もおり、痛みの種類や程度には個人差があります。 股関節に負担がかかる動作や姿勢を繰り返すと、変形性股関節症の症状の進行が加速し、痛みがさらに強くなる可能性があります。 歩行そのものが困難になる 変形性股関節症は、運動療法による筋力強化をはじめとしたリハビリテーションが症状改善に有効です。一方、股関節に負担がかかる姿勢や動作を繰り返すと症状が悪化し、歩行が困難になる可能性があります。 痛みや可動域制限によって、外出や家事、入浴といった日常生活にも支障をきたし、生活の質(QOL)の低下に繋がります。 また、日常生活の維持に介助が必要となるケースもあります。 こうした状況を防ぐためにも、日常的に股関節への負担を意識的に軽減する生活を心がけることが大切です。 人工関節を入れる手術が必要になる 変形性股関節症の症状が進行すると、人工関節置換術が必要になります。すり減った軟骨や変形した骨は自然治癒しないため、痛みを根本的に改善するには外科的治療が選択される場合があります。 人工関節置換術を行えば、痛みが大幅に緩和される可能性は高い一方、皮膚や筋肉を切開する侵襲的な手術であるため、術後は段階的なリハビリテーションが必要です。 また、脱臼や再手術のリスクを避けるためには、手術前以上に日常生活での動作や姿勢に注意を払い、股関節への負担を管理し続けることが求められます。 変形性股関節症の悪化を防ぐための対処法 対処法 詳細 体重管理と股関節への負担の軽減を意識する 体重増加による関節圧縮力増大の抑制。長時間荷重や不良姿勢の回避 杖・補助具を活用する 歩行時荷重分散。関節安定性補助 身近な人の理解を得る 日常動作への配慮の共有。過負荷行動の予防。生活環境調整の円滑 無理のない範囲で股関節を動かし鍛える 関節可動性維持。周囲筋機能維持 負荷の少ないストレッチで股関節周りの柔軟性を保つ 筋緊張緩和。可動域維持。関節運動補助 変形性股関節症の進行予防では、関節への力学的負担を抑えつつ機能維持を図る視点が大切です。 体重管理や姿勢・動作の見直しは関節圧縮力の軽減につながります。杖や補助具は荷重分散と安定性補助に有効です。 さらに、周囲の理解を得て生活環境を調整し、無理のない範囲での運動や低負荷ストレッチを継続することが、可動域と筋機能の維持に寄与します。 体重管理と股関節への負担の軽減を意識する 体重管理は、変形性股関節症における基本的かつ重要な対策のひとつです。体重が増加すると股関節にかかる力学的な負担が増大し、関節軟骨や周囲の組織へのストレスが高まります。 わずかな体重減少であっても、歩行や立ち上がりといった日常動作における関節への負荷軽減が期待できます。 また、体重過多は変形性股関節症の発症や進行に関わる要因とされており、適正体重を維持することは症状の進行を抑える観点からも大切です。さらに、適切な運動療法と組み合わせることで股関節周囲の筋力が強化され、関節の安定性や日常動作の効率改善につながる可能性があります。 杖・補助具を活用する 変形性股関節症では、歩行や立ち上がりなどの日常動作で股関節に繰り返し負荷がかかるため、関節への負担軽減が重要です。 杖や歩行補助具は有効な手段であり、適切に使用することで歩行時の股関節荷重や内転モーメント(股関節の内側に集中しやすい力の軽減)の低減が期待できます。 対側上肢での杖使用は、歩行時に股関節へかかる圧縮力の低減に寄与し、姿勢安定性および動作補助効果を通じて関節負荷の分散をもたらします。 以下の記事では、変形性股関節症に適した杖の選び方について詳しく解説しています。 身近な人の理解を得る 変形性股関節症は、日常生活における関節への負担を軽減する上で、家族や職場など身近な人の理解と協力が重要です。 周囲のサポートが得られることで「重い物の代わりに運搬してもらう」「生活環境を椅子やテーブル中心に整える」「入浴を補助する用具を導入する」といった具体的な対策が実行しやすくなります。 こうした支援体制は心理的な安心感にもつながり、治療やリハビリテーションの継続を後押しする要素となります。 無理のない範囲で股関節を動かし鍛える 変形性股関節症では、股関節周囲の筋力が低下すると関節にかかる負担が大きくなるため、無理のない範囲で股関節を動かし、筋力を維持・強化することが重要です。 筋力が不足すると関節を支える役割が骨・関節構造に集中し、軟骨の摩耗や骨の変形を促進する可能性があります。無理のない範囲で運動を実施し、関節への負荷を抑えながら継続できる運動を取り入れることが大切です。 仰向けでの脚上げ運動や、プールでの水泳・水中歩行は、浮力や重力の影響を利用して股関節への負荷を軽減しながら、周囲の筋力強化を図れる運動です。 負荷の少ないストレッチで股関節周りの柔軟性を保つ 筋力維持と並んで、負荷の少ないストレッチも変形性股関節症の管理において重要な要素です。股関節周囲の柔軟性が保たれることで関節運動が円滑になり、特定部位へ負荷が集中しやすい力学的な偏りを抑える効果が期待されます。 可動域が制限された関節では衝撃や負荷が一部に集中しやすくなる一方、可動域が維持されていれば関節全体へ分散されやすくなり、関節構造への持続的なストレス軽減につながります。 ストレッチは無理のない範囲で行い、違和感が強い場合は中止または強度の調整が必要です。 変形性股関節症の治療法 治療法 詳細 保存療法 運動療法・生活指導・薬物療法による関節負担軽減と機能維持。初期〜中期の基本的治療選択 手術療法 人工関節置換術などによる関節機能改善と支持性回復。保存療法で管理困難な場合の治療選択 再生医療 細胞や血液成分の活用による組織修復・機能改善を目的とした治療選択肢。適応評価が重要 変形性股関節症の治療は、関節の状態や日常生活への影響を踏まえながら段階的に検討します。治療の中でも基本となるのは保存療法です。 保存療法での管理が難しい場合や症状が進行した場合には、人工関節置換術などの手術療法が選択肢となります。 また、組織の修復や機能改善を目的とした再生医療についても、適応を慎重に評価した上で検討される場合があります。再生医療には実施施設や適応に制限があり、病態によって適用可否が異なるため、医師の診察および適応評価が不可欠です。 以下の記事では、変形性股関節症の治し方を詳しく解説しています。 保存療法 保存療法は、手術を行わずに股関節への負担軽減、症状の緩和、進行抑制を目的とする治療法です。軽度から中等度の変形性股関節症ではまず保存療法が検討され、生活習慣の見直しが基本となります。 なかでも体重管理は関節負担の軽減に直結する重要な取り組みのひとつです。あわせて股関節周囲の筋力強化や可動域維持を目的とした運動療法を実施します。また、炎症や症状が強い場合には、消炎鎮痛薬の内服・外用療法が併用されることがあります。 以下の記事では、変形性股関節症における保存療法について詳しく解説しています。 【関連記事】 変形性股関節症の保存療法|手術を避けて症状改善を目指す治療法 変形性股関節症のリハビリプログラム4選|自宅でできるストレッチや筋トレについても解説 手術療法 手術名 概要 人工股関節置換術 損傷した関節表面を除去し、金属などの人工関節へ置換する手術 骨切り術 骨盤や大腿骨の形状・向きを調整し、負担のかかる部位を変える手術 保存療法で十分な改善が得られない場合や、関節変形が進行して日常生活に支障をきたす場合には、手術療法が検討されます。代表的な術式として、損傷した関節を人工関節に置き換える人工股関節置換術と、骨の形状や配列を調整して荷重部位を変える骨切り術が挙げられます。 いずれも主に進行期から末期の変形性股関節症が適応となります。術式の選択は年齢・活動性・関節の状態を総合的に評価した上で決定されます。 以下の記事では、変形性股関節症における人工関節手術のデメリットやリスクについて詳しく解説しています。 再生医療 再生医療は、身体が本来持つ修復機構に着目した治療の選択肢のひとつです。変形性股関節症に対しても検討される場合があり、脂肪由来の幹細胞を用いる方法では、幹細胞が持つ分化能や環境調整作用が注目されています。 当院では、関節内への局所投与や静脈点滴投与など、病態や目的に応じた手法を採用しています。自己脂肪由来幹細胞治療では、脂肪採取後に細胞培養を行い、後日投与を実施します。 いずれも入院を必要としない日帰り施術です。なお、人工関節置換術後は適応外となりますので、ご注意ください。 リペアセルクリニックは、再生医療を用いた変形性股関節症の治療に対応している再生医療専門のクリニックです。手術・入院を必要としない新たな治療法である【再生医療】を提供しております。 詳しくは、以下の変形性股関節症における再生医療の症例をご覧ください。 変形性股関節症でやってはいけないことを理解し適切な治療を講じよう 変形性股関節症は、股関節への力学的負荷の蓄積により軟骨の変性や骨の変形が進行する疾患です。症状の進行を抑えるためには、負荷の大きい動作や不良姿勢を見直し、日常生活における関節への負担を軽減することが基本となります。 あわせて、家族や周囲の理解と協力を得ることで、生活環境の調整や負担管理がより実践しやすくなります。無理のない範囲での運動やストレッチを継続することも、関節機能の維持・改善に欠かせません。 自己判断に頼らず、医療専門家の指導のもとで適切な対応を続けることが、長期的な関節機能の維持につながります。 改善しない変形性股関節症の症状についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、症状や状態によっては、再生医療を用いた治療を提案しています。 変形性股関節症に対する治療の選択肢として、再生医療が検討される場合があります。損傷した組織の修復過程への関与が期待される治療法ですが、適応や治療経過には個人差があるため、医師による医学的評価が不可欠です。 再生医療の導入にあたっては、生活習慣の見直しや運動療法と組み合わせながら、関節への負担を継続的に軽減していく視点が大切です。 ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 変形性股関節症でやってはいけないことについてよくある質問 変形性股関節症に良い運動は? 変形性股関節症では、股関節への負荷が少ない運動を選ぶことが重要です。 具体的には仰向けでの下肢伸展挙上運動や臀部挙上運動、浮力によって体重負荷を軽減できる水中歩行や水泳が挙げられます。また、平坦な地面での軽いウォーキングや、股関節周囲の柔軟性維持を目的としたストレッチも有効です。 ランニングや縄跳びなど股関節に繰り返し衝撃が加わる運動や、深い屈曲・ねじりを伴う高負荷な動作は避けることが望まれます。 変形性股関節症は歩かない方が良いですか? 変形性股関節症では、過度な安静は筋力低下や可動性低下につながるため推奨されません。 状態に応じた適度な歩行は有益ですが、症状が強い場面では負荷調整が重要です。歩行条件への配慮や補助具の活用も有効です。 変形性股関節症は手術しないで治すことはできますか? 変形性股関節症は、関節を完全に元の状態へ戻すことは難しい疾患ですが、手術を行わずに症状や日常生活における機能低下を管理できる場合があります。 進行度や身体状況に応じて、運動療法や生活指導などの保存療法が有効に機能することも少なくありません。 一方、関節変形が進行し日常生活への影響が大きい場合には、人工股関節置換術などの手術療法が検討されます。治療方針は個々の状態によって異なるため、自己判断に頼らず、医療機関で専門的な評価を受けることが重要です。 変形性股関節症になると筋力は落ちますか? 変形性股関節症では、股関節周囲の筋力が低下しやすいことが知られています。主な要因として、違和感や症状を避けようとすることによる活動量の低下が挙げられ、筋肉への刺激が不足することで筋力の低下につながります。 また、関節機能の変化により大殿筋・中殿筋などの支持筋群に萎縮や筋収縮抑制(疼痛抑制性筋抑制)が生じる場合があり、歩行安定性や関節支持性へ影響を及ぼすため、状態に応じた運動管理が重要です。
2020.12.24 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症の症状改善には、ウォーキングや筋トレといった運動療法を中心としたリハビリが効果的です。 主に以下のようなリハビリプログラムを実施しましょう。 運動療法には、股関節の柔軟性を高めたり、股関節を守るための筋力を向上させたりする目的があります。 ただし、股関節に負担がかかりすぎるリハビリは、症状を悪化させるリスクがあるため注意が必要です。 運動療法を始める際には、運動量や実践時間における注意点を把握した上で開始しましょう。 人工関節を回避したい方へ \再生医療という新たな選択肢/ しかし、往来の治療で改善が難しい場合には、再生医療も選択肢の一つとなります。 再生医療は、患者さまご自身の脂肪から採取した幹細胞を股関節内へ投与し、損傷した軟骨や炎症部位の修復環境を整えることで、痛みの軽減や関節機能の改善を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 股関節の痛みをできるだけ早く改善したい 将来的な人工股関節手術はできるだけ避けたい リハビリや痛み止めで十分な効果を感じられない 痛みの再発を繰り返している >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 実際の治療法については、以下の動画もご覧ください。 https://youtu.be/isSkwxfHrbI 「まだ歩けるうちに何とかしたい」「人工関節はできれば避けたい」「今のリハビリだけで本当に大丈夫か不安」このような方は、一度当院(リペアセルクリニック)ご相談ください。 変形性股関節症のリハビリテーションの目的 変形性股関節症のリハビリテーションには、股関節の柔軟性を高めて可動域を広げ、股関節の負担や痛みを軽減させる目的があります。 また、筋力強化を図って、股関節を衝撃から守る効果も期待できます。 なお、変形性股関節症の治療には「再生医療」が有効です。 再生医療は、ご自身の幹細胞を用いて傷ついた関節組織の修復を促し、股関節の機能改善を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 股関節の痛みをできるだけ早く改善したい 将来的な人工股関節手術はできるだけ避けたい リハビリや痛み止めで十分な効果を感じられない 痛みの再発を繰り返している >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 期待できる治療効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にご相談ください。 変形性股関節症のリハビリ(運動療法)プログラム【4選】 変形性股関節症に効果のある運動療法のリハビリを4つ紹介します。 水中ウォーキング ウォーキング 股関節周辺のストレッチ 下半身の筋力トレーニング 順番に見ていきましょう。 水中ウォーキング プールでの水中ウォーキングは、変形性股関節症のリハビリとして有効です。 水中では浮力が働くため、陸上でウォーキングするよりも股関節への負担が軽減されます。 また、水中ウォーキングは、水の抵抗により少しの動きでも全身の筋肉を使います。 そのため、股関節を守るための筋力をバランス良く強化できるのです。 ウォーキング 水中ウォーキングが難しい場合は、通常のウォーキングでも股関節の柔軟性を向上させ、可動域を広げる効果が期待できます。 リハビリを目的としたウォーキングでは、ゆっくりとしたペースでの歩行を心がけるのがポイントです。 歩く速度が早すぎると股関節に過度な負担がかかり、症状を悪化させる恐れがあるためです。 リハビリ開始時は15分程度から始め、体調や症状に応じて徐々に時間を延ばしていくのが理想的です。 リハビリは継続が大切なので、無理のない範囲で続けるようにしてみてください。 股関節周辺のストレッチ 股関節付近のストレッチをおこなうと、柔軟性が高まり股関節の可動域の拡大にもつながります。 変形性股関節症には、股関節の前側を伸ばすストレッチや股関節周りのお尻・太ももに効くストレッチが効果的です。 たとえば、股関節の前側を伸ばすストレッチでは、片足の膝を床につけて立ち膝の姿勢をとり、骨盤を前方に動かして、股関節の前側を伸ばします。 ももの内側を伸ばしたいときは、開脚のストレッチがおすすめです。 ストレッチは痛みのない範囲でおこないましょう。負担をかけすぎず、徐々に強度を上げていくのが理想です。 下半身の筋力トレーニング 適切な筋力トレーニングも変形性股関節症のリハビリに有効です。 筋力強化には、衝撃から関節を守ったり、股関節の動きを安定させたりする働きがあるためです。 変形性股関節症における筋力トレーニングでは、股関節周りを中心に足全体の筋力を高めていくのが効果的です。 たとえば、ふくらはぎの筋肉を鍛えるには、テーブルにつかまりかかとを上げ下げする運動がおすすめです。お尻の筋肉を鍛えるには、仰向けに寝て、両足を立てた状態でお尻を上に引き上げる運動が効果があります。 ストレッチ同様に過度な負担をかけるのは逆効果となります。痛みのない範囲で無理なく続けていきましょう。 変形性股関節症の根本的治療には「再生医療」を推奨します。再生医療は、人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、すり減った膝軟骨の再生を図ります。 「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 変形性股関節症の方が自宅でもできる筋トレやストレッチ 変形性股関節症の方が自宅でもできるストレッチや筋トレを紹介します。 股関節周辺を鍛える筋トレ 股関節周辺の柔軟性向上させるストレッチ 変形性股関節症を悪化させないためにも、股関節周辺の柔軟性や筋力の維持は必要不可欠です。 自宅で行う場合は、無理のない範囲で少しづつ継続しましょう。 以下では、それぞれの具体的な方法について詳しく解説していきます。 股関節周辺を鍛える筋トレ 股関節周辺を鍛えるには、仰向けで手軽に実施できる「ヒップリフト」が有効です。 以下の手順で行いましょう。 ヒップリフトでは、お尻を浮かせるときに肩から膝までが一直線になっていることを意識するのがポイントです。 最初は1セット10回程度から始めて、徐々に回数やセット数を増やしていきましょう。 股関節周辺の柔軟性向上させるストレッチ 股関節周辺の柔軟性を向上させるために、以下のストレッチが有効です。 上記のストレッチでは、股関節の前面だけでなく後面や腰回りの筋肉も伸ばすことができます。 両膝を抱え込む際にお尻が床から離れないように意識するのがポイントです。 変形性股関節症のリハビリでやってはいけないこと 変形性股関節症でリハビリを実施する際は、以下3つの注意点があります。 股関節に負担が大きい運動は避ける 痛みがあるときは無理をしない 体重管理にも気を配る これらの注意点を守らないままリハビリを続けると、症状が悪化するリスクがあります。ポイントをおさえて効果的なリハビリを実施していきましょう。 股関節に負担が大きい運動は避ける 変形性股関節症の運動療法で激しい運動を長時間おこなうことは避けてください。 股関節への負担がかかりすぎて、軟骨のすり減りが進行してしまうためです。 以下は、股関節に大きな負担がかかりやすい運動例です。 ハードな筋力トレーニング サッカー ランニング マラソン テニス 変形性股関節症のリハビリにおける運動療法プログラム4選で紹介したリハビリは、股関節の負担が少ない運動療法です。 参考にしながら、自身に合った運動療法を見つけてみてください。 変形性股関節症でやってはいけない動作や運動についての解説はこちら 注意すべき動作の1つである立ち上がりについての解説はこちら 痛みがあるときは無理をしない 股関節に痛みを感じるときは、股関節を休ませてあげましょう。 痛みを我慢してまで運動やトレーニングをおこなうと、症状が悪化するリスクがあるからです。また、無意識に痛む部分をかばってしまい、ほかの関節にも負担をかけてしまう可能性もあります。 痛みを感じたら一度運動を中止し、安静に過ごすことを第一優先にするようにしてください。 急激な体重増加 リハビリで運動をおこなうためには「体重の管理」にも気を使ってください。体重が増えてしまうとせっかく運動療法をおこなっても関節への負担が増えて悪影響になりかねません。 とくに、疾患を患っている最中は、運動量が落ちるとどうしても体重が増えがちになります。 「増えたな」と思ったら、食べる量や間食を減らすなどして適正体重を保つよう心がけましょう。 変形性股関節症の発症後に気をつけることについての解説はこちら 変形性股関節症を根本的に治療したい方は再生医療も選択肢の一つ https://www.youtube.com/watch?v=PVZORiK2WsU&t=1s 変形性股関節症による股関節の痛みにお困りの方は、根本的な改善を目指せる再生医療による治療を検討しましょう。 再生医療とは人間の持つ再生力を活用し、すり減った股関節の組織を再生・修復させる医療技術です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 股関節の痛みをできるだけ早く改善したい 将来的な人工股関節手術はできるだけ避けたい リハビリや痛み止めで十分な効果を感じられない 痛みの再発を繰り返している >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する リハビリや痛み止めなどの薬物療法によって痛みの緩和はできても、原因となっている変形性股関節症の改善にはつながりません。 しかし、人工関節や手術は避けたいという方も多いです。 再生医療は、手術や入院不要で治療できるため「手術せずに治療したい」「人工関節は避けたい」という方に多くご利用いただいています。 股関節の痛みにお悩みの方は、ぜひ当院リペアセルクリニックへご相談ください。 【まとめ】変形性股関節症に効果的なリハビリを知って症状悪化を防ごう 変形性股関節症の進行を遅らせたい方や症状改善を目指す方は、本記事で紹介した運動療法のリハビリを試してみてください。 リハビリは、焦って負荷をかけすぎたり、長時間続けたりすると症状が悪化するリスクがあります。確実な改善を目指すためにも、無理せず地道でも継続的に取り組みましょう。 変形性股関節症では運動療法も有効ですが、根本的な治療を希望されたい方や、すでに手術を勧められて迷っておられるなら、切らずに改善できる「股関節の再生医療」という手段もあります。 「手術せずに治療したい」「人工関節は避けたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックへご相談ください。
2020.12.21







