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アキレス腱断裂の全治期間!スポーツ、仕事への復帰と歩けるまで アキレス腱断裂は、足首を伸ばす力の伝達を担うアキレス腱が完全に切れてしまう怪我で、手術をしない保存療法とアキレス腱を縫合する手術療法の選択肢があります。 それぞれの治療では歩けるまで、もしくはスポーツ復帰までにはどのくらいかかるのでしょうか。治療方針を選ぶためには、治療の具体的な内容について知っておく必要があります。 この記事では保存療法と手術療法における歩行や仕事復帰までの経過、全治期間などについて詳しく解説していきます。 保存療法と手術療法の比較 どちらの治療を選んでも長期的には良好な経過が得られることが多いのですが、手術の方が歩行やスポーツの復帰までの期間が短く、再断裂の可能性も低いことがわかっています。 しかし、手術は傷の痛みや感染症、神経損傷のリスクもあるので、保存療法で治したい方も多いと思います。そこで以下に具体的な期間を詳しく解説していきます。 ギプス固定期間 アキレス腱断裂では足関節を反らすと断裂した腱同士が離れてしまい、くっつかないため足関節を伸ばした状態でギプス固定を行います。 手術では腱同士を縫合しているのでギプス固定は腱に負担がかからないようにすることが目的で期間は1〜2週間程度です。保存療法ではそれより長く2〜4週間程度ギプス固定されることが一般的です。 ギプス固定期間 ・手術療法:1〜2週間程度 ・保存療法:2〜4週間程度 松葉杖の期間 足首を伸ばした状態でギプス固定を行うので、ギプス固定のうちは上手く歩くことが難しく、松葉杖を使用することが必要です。 そのため、どちらの治療でもギプス固定の期間は松葉杖を使用することになります。 装具の期間 ギプスを除去してからはアキレス腱断裂用の装具(アキレスブーツ)を使用します。 ギプスでは足関節を動かすことや、角度の調整が不可能で歩行することができませんが、装具を使用することにより、踵を付けて歩行することが可能になります。 装具の特徴としては、踵の高さが調節できることで、初期は踵が高い状態で腱への負担を減らしますが、徐々に踵の高さを低くして通常の歩行ができるように調整していきます。 装具を使用する機関医ついて手術療法では1〜2週間後から開始して、6〜8週間程度で装具の装着を終了します。保存療法になると2〜4週目から装具の使用を開始することになり、その後約1ヶ月程度使用することになります。 装具の期間 ・手術療法:1〜2週間後から装具を使用し、6〜8週間程度 ・保存療法:2〜4週目から装具の使用し、約1ヶ月程度 歩行までの期間 一般的にギプスを外して装具を着用できた段階で歩行することが可能になります。ただし、装具を着用してすぐの段階では、踵が高く歩行が不安定なので松葉杖の併用をおすすめします。 車の運転について アキレス腱が断裂している際の車の運転については明確な取り決めはありません。しかし、一般的にギプス固定や装具を着用している状態では運転することはおすすめできません。 もし交通事故を起こしてしまった場合には怪我による過失を指摘される可能性もあるので、ギプスや装具を終了して日常生活について問題なく過ごすことができるようになってから運転を開始することがよいでしょう。 最終的には自己責任になってしまうので、運転時期については医師とも十分相談するようにしましょう。 スポーツ復帰までの期間 スポーツ復帰については、手術を受けた場合は3ヶ月、保存療法を受けた場合は6ヶ月以上の期間を要するとされています。そのため最短でスポーツ復帰をしたい方は手術療法がお勧めされます。 また早く確実に治すためには、どちらの治療法でも医師や理学療法士の指導を守り、徐々に負荷を増やしていくトレーニングを行い、無理をしないように注意することが大切です。 スポーツ復帰までの期間 ・手術療法:3ヶ月程度 ・保存療法:6ヶ月以上 仕事復帰までの期間 仕事復帰までの期間は業務内容によって異なります。 事務作業であれば座った状態で行えるので松葉杖、装具で歩行できている段階で可能ですが、走ったり、重いものを運んだりする重労働では、スポーツ復帰できるまで筋力が回復した時期からの復帰をお勧めします。 アキレス腱断裂についてよくあるQ&A アキレス腱断裂について良くご質問頂く内容を以下に記載しました。 Q, 痛み、腫れはいつまで続きますか? A, 術後の痛みや腫れが完全になくなるまでは個人差があります。 手術を受けてから抜糸をするまでは1〜2週間程度ですが、その後も傷、腱を治す過程で炎症が起こっているので1ヶ月から2ヶ月程度かかることもあります。 Q, 装具の歩き方、調整方法について A, アキレス腱断裂用装具は踵に着脱できるヒールが付いており、段階を追って徐々にアキレス腱を伸ばすことができるようになっています。 治療開始直後はアキレス腱への負担を減らすために踵が高い状態で歩く必要があるので、つま先立ちの形で歩行することとなります。この状態で上手に歩けない方は松葉杖を使用するとよいでしょう。 治療が進むと徐々にアキレス腱に負担をかけてもよくなるため、踵を少しずつ低くしていき、最終的に装具を終了します。装具の調整は医師と相談しながら行うようにし、ご自分で調整しないようにすることが必要です。 Q, お酒の解禁はいつからですか? A, アルコールを摂取すると血流が増加するので、出血や腫れが悪化してしまう要因となります。そのため怪我をしてから腫れが落ち着くまでの数週間、手術を受けた方では抜糸をして傷がしっかり治るまでは摂取しないようにしましょう。 まとめ・アキレス腱断裂の全治期間とは?仕事復帰や歩けるまでどのくらい? アキレス腱断裂の治療には、保存療法と手術療法があります。それぞれの方法によって歩行やスポーツへ、復帰までの期間が異なります。またギプス固定の期間も異なるため、歩行や仕事への早期復帰を考えると手術療法にメリットがあります。 保存療法ではギプス固定や、装具の使用が必要であり、手術療法では手術後のリハビリが重要です。スポーツ復帰までの期間は手術療法が早く、保存療法よりも短いものの、症状によっては医師の指示に従い、無理をせず徐々に回復を目指しましょう。 また、仕事復帰までの期間も業務内容によって異なるため、医師との相談が必要です。治療期間的には手術療法が勝りますがリスクもあるので、ご自身の目的をしっかり考えて治療を選ぶようにしましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼以下もご覧いただけます アキレス腱断裂の手術の流れと注意点|入院期間と費用について
2023.05.18 -
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アキレス腱断裂の治療、手術と保存療法どちらがよい?失敗しない選択肢! アキレス腱は、腓腹筋とひらめ筋という、ふくらはぎの筋肉から踵の骨につながる強力な腱で人体で最も太い腱です。中高年者に多く、激しい運動やスポーツ中の突然の動作、あるいは転倒などが原因で発生することがほとんどです。 アキレス腱は足首の動作に関与するので、断裂してしまった場合には歩行が困難になり、生活に支障をきたしてしまうことがあります。 アキレス腱断裂の治療には、手術と保存療法があり、どちらの治療を選んでも適切に行うことで完治することができます。 しかし、手術と保存療法のどちらを選択するかには保存療法で失敗するリスクや歩けるまでの期間の比較、手術の合併症などの正確な情報を知っておく必要があります。 この記事では、アキレス腱断裂の治療方法について、それぞれのメリットとデメリットを詳しく説明し、失敗しない選択肢について解説します。 アキレス腱断裂の診断方法 アキレス腱が断裂した時には、「ふくらはぎをバットで叩かれた感じ」や、「ボールが当たった感じ」などの衝撃を感じることが多く、「破裂したような音がした」など断裂時の音が自覚できている場合もあります。 断裂した部分は凹みができ、レントゲン写真は明らかな異常がないことがほとんどです。問診と診察で診断は可能ですが、診断が難しい場合や、治療中の腱の治癒過程を観察するためにエコーやMRIが用いられることもあります。 アキレス腱断裂の治療方法について 保存療法と手術療法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらの治療でも成績は良好で1年後の状態はほとんど同じなのですが、患者さん毎に状況は異なるので、治療の特徴を理解して主治医とよく相談することが必要です。 保存療法のメリット、デメリット 保存療法では、まずギプス固定を行ってから、アキレス腱断裂専用のヒールの調節が可能な踵を高くした装具を着用して歩行練習を開始します。 保存療法のメリットとして、入院や手術が不要なので費用が安い点と、手術による合併症のリスクがなく安全であるという点があります。 デメリットとして、ギプスの固定期間が長く、ギプスを終了してから歩行を開始するので歩行の開始時期が遅くなること、再断裂率が手術と比較して高いことが挙げられます。 メリット ・入院や手術が不要なので費用が安い ・手術による合併症のリスクがなく安全 デメリット ・ギプスの固定期間が長く、ギプス終了後の歩行の開始時期が遅くなる ・再断裂率が手術と比較して高い ギプスの固定期間は医療機関によって幅がありますが、4週間〜6週間程度のことが多く、装具を終了してスポーツを開始できるまでに4〜6ヶ月程度かかります。 手術治療のメリット、デメリット 手術治療では断裂したアキレス腱を縫合しますが、大きく直視化縫合術と経皮的縫合術という傷が小さい手術の2つに分けられます。行っている手術は病院ごとに異なるので、詳しい内容は病院に問い合わせるようにしましょう。 手術治療のメリットは再断裂率が低く、ギプス固定の期間が短く、スポーツ復帰までの期間が早いことです。デメリットとして手術の合併症である傷の感染症、神経損傷などのリスクがあることと、手術代+入院費用がかかることが挙げられます。 スポーツ復帰までの期間は手術内容によりますが、3〜5ヶ月程度です。 メリット ・再断裂率が低い ・ギプス固定の期間が短く、スポーツ復帰までの期間が早い デメリット ・手術の合併症である傷の感染症、神経損傷などのリスクがある ・手術代、入院費用がかかる アキレス腱断裂についてよくあるQ&A アキレス腱断裂でよく頂く質問を以下に記載しました。 Q.アキレス腱断裂の保存治療と手術治療の復帰までの期間の違いはどのくらい? A.ギプス固定の期間は医師により異なりますが、通常の保存治療では4〜6週間程度ギプス固定を行います。その後装具をつけて歩行練習、足関節の可動域訓練を行います。 装具の踵の高さを少しずつ調節していき、足関節を十分に反らすことができるようになったころに装具を終了します。装具を終了できるまでは約4〜5ヶ月でスポーツ復帰までは6ヶ月程度です。 手術治療では術後1〜2週間程度ギプス固定を行い、その後装具を使用して歩行練習を開始します。装具を終了できるまでは6〜8週程度で、スポーツ復帰は3〜5ヶ月程度です。 ただし、治療の詳細は患者さんの状態、病院ごとに異なるので医師に確認するようにしましょう。 Q. アキレス腱断裂は保存療法と手術治療のどちらがおすすめですか。 A.患者さんの目的と、医師の考えによるため完全な正解はありません。目安として、競技レベルのスポーツをしており、早期の復帰を希望する方や再断裂を起こしたくない方は手術治療のよい適応です。 一方で、日常的にスポーツをしていない方や手術の合併症が気になる方は保存治療を選択してもよいと考えられます。 Q.アキレス腱が再断裂する可能性はそれぞれの治療でどの程度ですか。 A.様々な研究のデータを集めて解析した質の高い論文では再断裂率は手術で3.6%、保存療法で8.8%と保存療法の再断裂率が高い結果でした。 日本整形外科学会のガイドライン2019年版でも再断裂率は保存療法で高いと記載されており、再断裂のリスクを下げたい方は手術治療が適していると言えます。 まとめ・アキレス腱断裂の治療、手術と保存療法!失敗しない選択肢! アキレス腱断裂の治療方法として、手術と保存療法があります。どちらを選択するかは患者の状況や希望によって異なりますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。 保存療法は手術や入院が不要で費用が安く、手術による合併症のリスクもないという利点がありますが、ギプス固定の期間が長く、再断裂率が高いというデメリットがあります。 一方、手術治療では再断裂率が低く、スポーツ復帰までの期間が早いという利点がありますが、手術に伴う合併症や費用がかかるというデメリットがあります。 治療方法の選択に際しては、患者自身の状況や希望を考慮し、主治医とよく相談することが重要です。 一方で手術に伴う合併症の可能性もあるので、ご自身の予定や治療の目的などをはっきりとさせて治療に臨むことが必要です。この記事を参考にしてご自身の治療に役立ててください。 ▼以下も参考されませんか アキレス腱断裂でも手術しない再生医療!最新治療と効果について
2023.05.15 -
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「アキレス腱が切れたときは、放置して治るの?」 「アキレス腱が切れたときの応急処置と治療法は?」 アキレス腱の断裂(だんれつ)は、スポーツ中などに起こりやすい怪我です。 ただ、主に40代以上の方はスポーツをしていなくても、年齢などによる影響から日常生活で断裂する場合もあります。 「いずれ治るだろう」と放置すると、歩行困難や慢性的な痛みなど、後遺症が出る可能性もあるので、早急に医療機関を受診しましょう。 今回はアキレス腱が切れたときの音や応急処置、検査方法や治療法などを詳しく解説します。 読み進めていただければ、アキレス腱が切れたときの対応を理解できます。ただ、自己判断せずに必ず医療機関で医師に相談してみてください。 アキレス腱が切れるときは「ブチッ」「パン」などの音がする アキレス腱は、体の中でもとても太い腱で、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と、かかとの骨をつないでいます。 アキレス腱が切れてしまうと、人によって程度は変わりますが、かかと周辺に強い痛みが生じます。 実際に怪我をされた方から話をお聞きすると、以下のような経験をしている場合が多いようです。 「後ろから誰かにかかとを蹴られたような強い衝撃と痛みがあった」 「ブチッといった断裂音が聞こえた」 アキレス腱が切れた直後は、歩行困難になる場合も多く、少しずつ腫れや内出血があらわれます。 何かしらの症状が出ていない場合でも、放置せず早急に医療機関を受診するのが大切です。 アキレス腱が切れた直後の応急処置 「アキレス腱が切れたかも」と思ったら、運動中のときはすぐに中断し、できる限り歩行を避けましょう。 固定できるもの(新聞紙・段ボールなどで代用可)があるときは、足首が動かないように固定できると良いです。 周りの人が応急処置を手伝ってくれるときは、うつ伏せの姿勢になりながら、固定用具を足元の下に敷いて、固定用具ごと包帯などで巻いてもらいます。 また、腫れや痛みを防ぐために足を心臓より高くして、足首を氷などで冷やす方法をお試しください。 アキレス腱が切れたまま放置すると後遺症が出る場合もある アキレス腱が切れたまま放置すると、歩行困難になる場合があります。 アキレス腱が切れると、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋がうまく機能しません。以下のように、足首を動かす動作に影響が出る可能性もあります。 ・つま先立ちが難しくなる ・立ち上がり、階段の昇り降りが難しくなる また、時間が経過すると、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋が少しずつ痩せて、筋肉が萎縮します。 ほかにも、断裂した部位を治療せずに放置すると、慢性的な痛みが残る可能性もあるでしょう。 アキレス腱が切れたときは後遺症を出さないためにも、適切な治療を受けるのが重要です。なるべく早急に整形外科を受診しましょう。 アキレス腱が切れたかを判断する検査方法 アキレス腱が切れたかどうかは、視診や触診だけでも、ある程度判断できます。 アキレス腱が断裂した部位には、delle(デレ)と呼ばれる凹みがあり、皮膚表面からでも触れると確認できるからです。 また、アキレス腱が切れた可能性がある方には、うつ伏せの姿勢になってもらい、ふくらはぎを圧迫して、足首が動くかどうかを確認するトンプソンテストを行います。 アキレス腱がつながっていれば、ふくらはぎを圧迫すると自然に足首が動きます。しかし、アキレス腱が切れている場合、ふくらはぎを圧迫しても足首は動きません。 ほかには、超音波でもアキレス腱の断裂を確認できます。別の部分に骨折がないかレントゲンで撮影したり、触診でわかりづらいときはMRI検査をしたりする場合もあります。 アキレス腱が切れたときの治療方法は2つ アキレス腱が切れたときの治療方法は、手術を行わずにギプスや装具を使って治療する「保存療法」と、断裂したアキレス腱を直接糸で縫合する「手術療法」に分けられます。 どちらが良いのかは、個人の状況によっても異なるので、十分に担当医と相談しながら決めてみてください。 ・保存療法 ・手術療法 保存療法【手術を避けたい場合】 保存療法では、断裂したアキレス腱が離れないように、足首を底屈(つま先立ちする際の方向)にした状態でギプスによる固定を行います。 その後、専用の装具を使って、少しずつ歩行練習などを行う流れです。 手術療法【スポーツで復帰したい場合】 スポーツ選手や若い世代など、体を使う機会が多い方は、手術をする場合が多いです。 ただし、手術をしたとしても、すぐにスポーツができるわけではなく、保存療法と同じく専用の装具を使った治療期間が必要になります。 再断裂するリスクは手術療法のほうがやや低いですが、どちらも再断裂の危険性はあります。また、手術をすると細菌感染などのリスクも生じるでしょう。 ただ、スポーツの復帰を目指したい方が、必ず手術療法を選ばないといけないわけではありません。担当医と話し合って納得した上で治療法を選ぶのが大切です。 保存療法と手術療法のメリットとデメリットについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。 まとめ|アキレス腱が切れたら放置せず治療を始めよう アキレス腱の断裂は、スポーツをしている方だけでなく、誰にでも起こりうる怪我です。ただ、放置すると歩行困難や慢性的な痛みなど、後遺症が出る可能性もあります。 「アキレス腱が切れたかも」と感じたときは、運動している場合は中止し、足の固定と冷やす応急処置が大切になります。 保存療法と手術療法など、放置せずに適切な治療を行うと、後遺症を防ぎながら、日常生活やスポーツへの復帰が可能となります。 アキレス腱の断裂を疑う症状がある場合は、速やかに整形外科を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、自身の幹細胞を培養して投与する「再生医療」を含めて、アキレス腱断裂などの治療を行っています。 スポーツ外傷は⼿術をしなくても治療できる時代です。痛みや症状に合わせた治療を行いますので、まずはお悩みや症状をご相談ください。 この記事がアキレス腱が切れた際の応急処置、治療方法を知る上でのご参考になれば幸いです。 アキレス腱が切れたときによくあるQ&A アキレス腱が切れたときに、よくお聞きする質問をまとめました。 Q.いつからスポーツの復帰ができますか? A.スポーツに復帰できる時期は個人差がありますが、一般的には保存療法の場合は6カ月程度、手術療法でも4カ月程度の治療期間が必要になることが多いです。 復帰してからも、少しずつ運動強度を上げていく必要があり、再断裂を防ぐための筋力トレーニングなどのリハビリは必須です。 アキレス腱の断裂における全治期間を知りたい方は、以下の記事で詳細を解説しています。仕事への復帰期間とあわせて確認してみてください。 Q.手術はどのような方法で行いますか? A.基本的に手術は、ふくがい(うつぶせの姿勢)で行うのが一般的です。 アキレス腱を断裂している部分に近い皮膚を切開し、直接アキレス腱に糸をかけて縫い合わせます。 縫い方にはいくつかの方法があり、どのような方法を選択するかは医師の判断によりますが、いずれの方法でもしっかりと縫合できます。 また、手術は全身麻酔や腰椎麻酔(下半身麻酔)で行う場合が多いでしょう。ただ、局所麻酔のみの日帰りで行っている病院もあるので、各担当医に詳細をご確認ください。 Q.アキレス腱が切れるのを予防するには? A.アキレス腱の断裂を予防するには、ふくらはぎの筋肉における柔軟性を保つために、下腿三頭筋などのストレッチやトレーニングをするのがおすすめです。 また、運動するときはいきなり激しく足を動かさず、事前に軽く体のストレッチなどを実施します。 アキレス腱の断裂を予防するストレッチやトレーニングの詳細が知りたい方は、以下の記事で解説しています。再発予防にも期待できるので、ぜひ参考にしてみてください。
2023.05.12 -
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アキレス腱炎の予防! 正しい靴の選び方と履き方の注意 「アキレス腱炎はどうしたら治るの?」「アキレス腱炎を予防するには?」こんな疑問のある方はいませんか。アキレス腱炎の原因は、靴にあるかも知れません。 アキレス腱炎はランニングやバスケなどでジャンプを繰り返すことで起こります。それらの動作を合わない靴で行うことは、怪我の発生を招きます。そのため、正しい靴選びをすることが怪我の予防には大切です。 今回はアキレス腱炎を予防する対処法として、靴選びのポイントやインソール(中敷き)の活用方法を解説します。 アキレス腱炎を予防する!靴選びのポイント4つ アキレス腱炎の原因はアキレス腱に繰り返しかかるストレスです。 ランニングやジャンプでかかるストレスを軽減する靴を選ぶためには、以下の4つポイントを押さえましょう。 足にストレスを与えない靴選び!4つのポイント 1. 靴底、ソールの厚み、踵(カカト)に厚み(薄すぎない)があること 2. 靴底の素材に注目、クッション性が高いこと 3. ヒールのカウンターがしっかりしていること 4. サイズの合ったものを選ぶこと それぞれポイントとなる理由を詳しく解説します。 1.靴底、ソールの厚み、踵(カカト)に厚み(薄すぎない) アキレス腱はふくらはぎの筋肉が踵につく部分です。そのため、ふくらはぎの筋肉が働くと、つま先立ちになるような力が働きます。つまり、アキレス腱をゆるめて負担を減らす場合は、靴底のソール部分の厚みに注意!中でも「踵の部分が厚い靴」を履く方が良いです。 ただし、踵が高すぎると不安定になりやすいので専門ショップで目的(日常、スポーツ)を伝えてアドバイスを受けて選べば大丈夫です。尚、スポーツで使用する場合は、踵への負担が大きいため、適度に厚みがある靴を選びましょう。 逆に靴底がすり減った靴は、アキレス腱の負担を強めます。また、踵部分が薄すぎる靴は、アキレス腱を常に緊張させてしまう恐れがあるので避けたいものです。 靴底の良い基準 ・アキレス腱の負担を減らすため、靴底の踵部分が厚い靴を選ぶ ・踵が高すぎると不安定、目的に合わせた適度な厚みが理想 靴底の悪い基準 ・靴底がすり減った靴はアキレス腱の負担を強める ・踵が薄すぎる靴はアキレス腱を常に緊張させる 2. 靴底の素材も注目、クッション性が高い アキレス腱にかかる衝撃を和らげるために、靴底のクッションが良いものを選びましょう。 靴底のソール部分、踵の薄さについて前述しましたが、靴底全体を見ても、ある程度厚みのあるもので、クッションの性能が良いものを選ぶのが大切です。 足に負担のかからない靴を選ぶ際には、ソールの素材が重要です。以下にいくつかの素材とその特性をご紹介します。 ラバーソール:(天然ゴム、合成ゴム): ・クッション性は、ほどほど ・メリット: 耐摩耗性が高く、雨の日でも滑りにくい。 ・デメリット: 通気性がなく、硬さがある場合もある EVAソール(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂): ・クッション性は、高い ・メリット: 軽量で柔らかく、疲れにくい。 ・デメリット: 耐摩耗性が低く、劣化しやすい ウレタンソール(ポリウレタン樹脂): ・クッション性は、高い ・メリット:軽量ながら耐久性が高く、長持ちする ・デメリット:通気性がない。湿気に弱い 3.ヒールのカウンターがしっかりしている ヒールカウンターとは、靴の踵(かかと)部分に挿入されている半円形の芯のことで、月型芯とも呼ばれています。靴のかかとを包み込むように硬く形成されており、踵(かかと)を支えて、内外側への傾きを防ぐ機能を持っています。 このヒールカウンターがあることで踵が安定し、歩行やスポーツでのパフォーマンス(動き)を安定させることが可能です。 アキレス腱炎の原因の1つが、回内(かいない)と言って、足の裏を外に向けるような動きが過剰に生じることです。この状態を「過回内(かかいない)」や「オーバープロネーション」と呼びます。過回内が起こると、アキレス腱をひねるようなストレスがかかり、ジャンプやランニングの着地でアキレス腱の負担が強まります。そのため、アキレス腱炎の要因として挙げられます。 靴の後ろ側の部分で踵を左右で挟み込む部分をカウンターや月型(つきがた)と呼びます。カウンターがしっかりしていると、足首の安定性を高めて、過回内を防ぎます。結果として、アキレス腱炎も予防につながるのです。 4 .サイズが合ったものを選ぶ 当たり前ですが、アキレス腱炎の予防に関わらず、正しいサイズの靴を選ぶことは何よりも重要です。 人に譲ってもらったり、なんとなくサイズが同じくらいだから、と履き続けていませんか?靴は履いているうちにそれぞれの足の形に変形するため、お下がりの靴では自分の足が馴染まないことも多いものです。 サイズの小さすぎる靴を選べば、アキレス腱をしめつけすぎてしまい、アキレス腱に直接負担がかかります。大きすぎる靴では、靴の中で足動いたり、本来のポジションからずれてしまい、靴の機能が生かせず、足への負担も強まってしまい、怪我の危険性を高めます。 また、インソールやサポーターを使用する場合は、靴の大きさを大きめにした方が良い場合もあるため、注意しましょう。 アキレス腱炎の予防にはインソールも効果的 アキレス腱炎の予防には正しい靴の着用とともに、靴の中敷きとしてインソールを活用するのも効果的です。インソールには、前述のアキレス腱炎を予防する靴選びのポイントと同じ機能が備わったものがあります。 例えば、ヒールカップと呼ばれる、踵を左右で覆うような構造をしたインソールでは、靴のカウンターと同じように、踵が過回内にならないように安定させる機能があります。 また、過回内の要因である扁平足(へんぺいそく)に対して、土踏まずを支えるようなアーチサポートと呼ばれる機能のついたインソールが活用できます。アーチサポートをすることで、過回内を防ぎ、アキレス腱にかかる負担を減らすのも良いでしょう。 このように、アキレス腱炎の予防のために、インソールをうまく活用してみましょう 靴の履き方にも気をつけよう アキレス腱炎を予防するためには、靴の履き方にも気をつける必要があります。靴を不適切に履いてしまうと、せっかく良い靴を選んでも、靴の機能を十分活かせません。 靴の履き方のポイントは以下の2点です。 履き方のポイント 1. 靴紐を調整する 2. 踵(かかと)をしっかり合わせて履く それぞれ詳しく解説します。また、最後に靴を履く手順を紹介します。 1.靴紐を調整する 靴紐のあるスニーカーやシューズを履くときには必ず靴紐を調整しましょう。 履くときは靴紐を一度ゆるめて、履いた後はしっかりと靴紐を締めて結ぶのが大切です。 もし、靴紐をほどかずにきついままの状態で履いてしまった場合、靴の上部であるアッパー部分が伸びたり、踵部分を引っ張って履こうとするためカウンターが崩れたりするなど、靴の機能低下を招きます。 また、履きにくいからといって紐がゆるんだ状態で靴を履くと、靴の固定性が弱まり、足が靴の中で滑って、踵をうまく支えられなくなってしまいます。 上記のような状態は、靴のカウンター機能の働きを低下させるため、アキレス腱炎のリスクを高める要因になるので注意しましょう。 2.踵(かかと)をしっかり合わせて履く アキレス腱を保護するとともに、足首が回内しすぎないようにするためには、靴のヒール部分、カウンターでしっかり踵(かかと)を支えてもらう必要があります。 そこで、靴を履くときに大切なのが、踵をしっかり合わせて履くことです。踵がしっかりはまっていないと、靴のカウンター機能が充分働きません。足を靴の中に入れるときは、踵から合わせることを覚えておきましょう。 靴を履く手順 上記を踏まえた上で、靴の履き方の手順を紹介します。普段何気なく行っている靴を履く動作も怪我の予防には大切です。 ついつい面倒になってしまい忘れがちですが、アキレス腱炎の予防のために意識して、習慣化しましょう。 靴を履く手順 1. 靴紐をゆるめる 2. 足を靴に入れて、つま先をあげながら踵を地面に押しつける 3. 足に合うように靴紐のきつさを調整して結ぶ 4. 履いた後、ゆるさやきつさを感じないか、アーチサポートやカウンターがしっかり合っているかを確認する まとめ・アキレス腱炎の予防! 正しい靴の選び方と履き方の注意 アキレス腱炎を予防するためにはもちろん、日常生活での靴選びは大切です。 特にスポーツの場合は、ジャンプやランニングなどアキレス腱にかかる衝撃も多いため、踵をしっかり守ってくれる靴を選んで足の傷害を予防しましょう。 アキレス腱炎を予防するためには、適切な靴選びと正しい履き方が重要です。靴選びでは、本稿に記載した「4つのポイント」に注意しましょう。 靴底の厚みや踵の厚さはアキレス腱への負担を軽減するために大切です。特に踵部分が厚い靴は、アキレス腱の緊張を和らげる効果があります。次に、靴底の素材にも注目しましょう。クッション性が高いEVAソールやウレタンソールは、アキレス腱にかかる衝撃を和らげてくれます。 また、ヒールカウンターがしっかりしている靴を選ぶことも重要となります。これにより踵の安定性が向上し、足の過回内を防ぎ、アキレス腱への過剰な負担を避けることができるからです。さらに、靴のサイズは足にしっかりと合ったものを選ぶよう注意してください。サイズが合わない靴は、アキレス腱に直接負担をかける原因となるからです。 インソールの活用もアキレス腱炎の予防に効果的です。ヒールカップやアーチサポート付きのインソールを使用することで、踵を安定させ、アキレス腱への負担を減らすことができます。 それから正しい靴の履き方を忘れてはいけません。靴紐をしっかり調整し、踵をしっかり合わせて履くことで、靴の機能を最大限に活かせます。靴紐を緩めてから履き、履いた後に再度締めることで、足が靴の中で滑るのを防ぎます。 以上のポイントを押さえて、適切な靴選びと履き方を実践することで、アキレス腱炎の予防、スポーツでの傷害を減らすことにつながります。 日常生活やスポーツシーンでのアキレス腱への負担を減らし、健康な足を保つために、ぜひ参考にしてみてください。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼アキレス腱炎、以下も参考にされませんか アキレス腱炎を効果的に予防・軽減するテーピングの方法とその効果
2023.05.10 -
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アキレス腱炎を効果的に予防・軽減するテーピングの方法とその効果 アキレス腱炎で以下ののような疑問のある方は、テーピングの活用を検討しましょう。アキレス腱炎は、ランニングやジャンプを繰り返すことで、アキレス腱にストレスがかかり、生じる怪我です。 「ランニングするとアキレス腱が痛む」 「アキレス腱の痛みを和らげる方法が知りたい」 今回はアキレス腱炎への対処法の1つである、テーピングの効果や実践方法について解説します。 アキレス腱炎に対するテーピングの効果 アキレス腱炎は、バスケットボールや、陸上、バレー、マラソン、バレエなどランニングやジャンプを繰り返すスポーツで起こりやすい怪我です。これらの動作により、アキレス腱に繰り返しストレスがかかり、アキレス腱に炎症が発生してしまう疾患です。 症状としては以下にまとめましたが、足首を動かしたり、主に歩いたりするときに生じるアキレス腱周辺の痛みや、腫れ、動作障害などがあります。 これらの症状が見られる場合は、早めに医師の診断を受けることが重要です。適切な治療とケアを行うことで、症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。 アキレス腱炎の症状 1. 痛み ・初期には運動後に感じることが多い ・進行すると安静時や日常生活でも痛みを感じる ・ 痛みは踵(かかと)からふくらはぎにかけてのアキレス腱沿いに生じる 2. 腫れ ・アキレス腱の周囲が腫れることがある ・ 腫れた場合、患部に熱を持つことがある 3. 硬さやこわばり ・朝起きたときに感じることがある ・動かすと改善することがあるが、安静にすると硬さが戻る 4.動作時の痛み ・ 階段を上る、ランニングをする、ジャンプなど、アキレス腱に負荷がかかると痛みが増す ・ 走るときや、つま先立ちで痛みを感じることが多い 5. 発赤 ・重度の場合、アキレス腱の周囲が赤くなることがある そこで、本記事では、これらの症状に対するテーピングの効果を紹介します。 テーピングの効果、痛みを軽減する テーピングによりアキレス腱にかかる負担を軽くして、痛みを軽減できます。 アキレス腱はふくらはぎの筋肉である腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋が合流して、踵にくっつく部分の腱(けん)です。そのため、ふくらはぎの筋肉が働くとアキレス腱に負担がかかります。具体的には、つま先立ちや足首を下に向けるように動かしたときです。 ランニングやジャンプでは、ふくらはぎの筋肉の働きにより、しっかり地面を蹴り出すため、アキレス腱に大きな負担がかかります。 テーピングにより、ふくらはぎの筋肉の働きをサポートしたり、足首の動きを制限したりすることでアキレス腱の負担を軽減でき、痛みを軽くする効果が期待できます。 テーピングの効果、動きをサポートする アキレス腱炎のために、立ったり、歩いたりしにくい場合でも、テーピングで痛みを軽減させたり、筋肉の働きを補助することで、動きをサポートできます。 前述のようにアキレス腱炎の原因は、アキレス腱に繰り返しかかるストレスです。スポーツやランニングなどは一時的に休止できますが、立つ、歩くといった動作は日常生活には不可欠で、アキレス腱に負担がかかるからといって行わないわけにはいきません。そのため、テーピングで少しでも動きやすくなるようにサポートすることが大切です。 テーピングの効果、アキレス腱炎の発生・再発の予防も可能 テーピングにより、アキレス腱炎にかかる負担を減らしたり、動きをサポートしたりすることで、アキレス腱炎の再発を予防が期待できます。 アキレス腱炎の発生する要因として、もともと足首の関節の動きが不安定だったり、足の筋肉の機能が不十分だったりする点が挙げられます。そのため、テーピングにより足首の動きを固定したり、ふくらはぎの筋肉をサポートしたりすることで、発生・再発を予防することができるのです。 また、アキレス腱炎後にスポーツを再開する場合にもテーピングは有効です。炎症により固くなったふくらはぎの筋肉やアキレス腱などの組織に急に負担をかけると、再発のリスクが高まります。そこで、テーピングによりサポートをしながら、運動を再開することで、アキレス腱に急な負担をかけないことが可能です。 アキレス腱炎に対してはテーピング以外の治療も必要 テーピング自体でアキレス腱の炎症が治るわけではありません。そのため、根本的な治療のためには、整形外科を受診して、適切な治療を受けましょう。 アキレス腱炎に対しては以下のような治療があります。 また、再発予防には、アキレス腱の柔軟性低下や筋力低下、ランニングフォームの改善、練習量や練習環境の調整など、発生のリスクを評価して対策をします。医師や理学療法士などの専門家による指導を受けながらの実施が必要です。 アキレス腱炎の治療は、下記のような手術をしない保存療法が治療の中心になります。 アキレス腱炎の治療 ・安静 ・外用薬の塗布 ・踵(かかと)を高くする装具 ・物理療法(超音波など) アキレス腱炎に対するテーピングの方法 アキレス腱炎に対するテーピングの巻き方を具体的に紹介します。 以下の方法でテープの伸縮性を利用してアキレス腱を支えながら、その働きをサポートできます。また、アキレス腱に直接テープを貼ることで、保護するという意味もあります。 【用意するテープ】 ・伸びるタイプのテープ4本 ・踵から膝下までの長さを3本、足首に巻ける長さを1本 【テープの巻き方】 1. 踵から膝下までふくらはぎの中央を通るようにテープを貼る 2. 踵の外側から始めて、踵の内側を覆ったあと、アキレス腱の上を通って、ふくらはぎの外側までテープを貼る 3. 踵の内側から始めて、踵の外側を覆ったあと、アキレス腱の上を通って、ふくらはぎの内側までテープを貼る 4. 3本のテープを固定するため、テープが交差したところを覆うように、足首に1周テープを巻きつける 【注意点】 ・貼り始めは引っ張りながら貼り、最後2cm程度はそのまま貼る まとめ・アキレス腱炎を効果的に予防・軽減するテーピングの方法とその効果 アキレス腱炎は、ランニングやジャンプなどの動作によりアキレス腱への過度のストレスや、使い過ぎたことで発生する怪我です。 痛みや腫れ、動作障害などの症状が見られ、特に運動時や、朝起きたときにこわばりを感じることもあります。これらの症状に対する有効な対処法の一つがテーピングです。 テーピングは、アキレス腱への負担を軽減し、痛みを和らげる効果があります。ふくらはぎの筋肉をサポートし、足首の動きを制限することで、アキレス腱を支え、そのストレスを緩和します。 結果として炎症の進行を防ぐことが可能になります。 また、テーピングは、日常生活における動作のサポートにも役立ちます。テーピングを適切に行うことで、立つ、歩くといった基本的な動作が容易になり、アキレス腱炎の症状緩和に寄与するからです。。 さらに、テーピングはアキレス腱炎の再発予防にも効果がああります。足首の関節の動きを安定させ、ふくらはぎの筋肉を補助することで、アキレス腱にかかる負担を減らすことが出来るからです。スポーツ復帰時にも、テーピングを利用することで急激な負荷を避けて安全に再開することが可能になります。 しかし、注意したいのはテーピングだけではアキレス腱の炎症を根本的に治すことはできないことです。 根本的に治すには、医師の診断を受け、適切な治療を行うことが必要です。治療方法には安静、外用薬、物理療法などがあり、これらを併用することで効果的に症状を改善できます。再発予防のためには、アキレス腱の柔軟性や筋力を高め、適切なランニングフォームを身につけることも大切です。専門家の指導のもと、適切な指導を受けましょう。 日常生活やスポーツ活動を安心して楽しむためにも、正しいケアと予防策をしっかりと取り入れていくことが大切です。 テーピングは自分でも可能ですが、もし不安な場合はお近くの整形外科などを受診して、直接指導を受けましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼以下のアキレス腱炎の注意も参考にされませんか アキレス腱炎|やってはいけないこと
2023.05.08 -
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ふくらはぎ下部やかかとに痛みがともなう場合、アキレス腱炎の可能性があります。アキレス腱炎は、激しいスポーツや運動不足・加齢による足の筋力低下が原因で、アキレス腱に過度な負荷がかかり炎症を起こしている状態です。 アキレス腱炎を放置すると、症状の悪化や アキレス腱断裂 のリスクが高まります。重症化を避けるためにも、痛みが出たときの対処法を覚えておきましょう。 本記事では、アキレス腱炎で痛みが出たときの対処法を詳しく解説します。自宅でできるセルフケアも紹介しているので参考にしてみてください。 現在、スポーツ外傷によるアキレス腱炎や 靭帯損傷 の治療方法として「再生医療」が注目されています。再生医療とは人間の自然治癒力を活かした最先端の医療技術です。弱ったり、傷ついたりする細胞を修復する幹細胞の力を利用して、細胞の組織を元の状態に戻します。 本来なら手術をしなければならない状態でも、再生医療で治療できる可能性があります。手術の傷跡や術後の後遺症の心配がないので、本格的にスポーツしている方は早期復帰が期待できます。 弊社『リペアセルクリニック 』は、再生医療専門のクリニックです。国内での症例数は8,000例以上に及び、多くの患者さんの治療に携わってきました。 アキレス腱炎は再生医療の治療対象です。弊社では無料相談を受け付けていますので、詳しい治療法や効果を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。 アキレス腱炎の痛みが出たときの5つの対処法!【セルフケアの方法も伝授】 アキレス腱炎の痛みが出たときの対処法は、下記のとおりです。 安静にしてストレッチをする 軽めの運動でアキレス腱周りの筋肉を強化する テーピングでアキレス腱の動きをサポートする ロキソニン(消炎鎮痛薬)や湿布を使用する 整体や整骨院に通い施術する 注意点として、症状に合わない対処法を続けると逆効果になる可能性があります。病院で診断を受け、専門家の指導のもとで治療を進めましょう。 安静にしてストレッチをする 痛みが生じてすぐの場合、強い炎症が起こっています。そのため、原則としてまずは運動を中止して、安静にするようにしましょう。 一般的には2〜6週間程度の安静、スポーツ活動の休止が必要です。 2週間程度安静にしてから再度医師の診察を受けて、スポーツの再開時期について指導を受けるようにしましょう。 ストレッチに関しては、足関節を反らして、アキレス腱を伸ばすように行います。 1. 階段などの段差につま先をかけて、踵をゆっくり下ろします 2. アキレス腱が伸びてきたら、我慢できる程度の痛みまで踵を下ろしてアキレス腱を伸ばしていきます 3. この状態を15秒ほどキープします 15秒ほどキープするのを1回とし、3 回 1セットとして1日2セットを目標に行うようにしましょう。 軽めの運動でアキレス腱周りの筋肉を強化する ストレッチに加えて、 ふくらはぎの筋力訓練が効果的 です。 「カーフレイズ」や「つま先立ち体操」という方法であり、ストレッチと動作が似ていますが、踵を上げる動作によって筋力を強くすることができます。 1. 階段や台の縁に立ち、踵を段の端から出します 2. その状態で、踵をゆっくりと上げ下げさせます 3. この上下運動を10回ほど行います 10回1セットを1日2セットとして、少なくとも3ヶ月程度継続するようにしてください。この運動は痛みが無理なく耐えられる範囲であれば継続を推奨していますが、我慢できないほどの痛みの場合には中止するようにしてください。 テーピングでアキレス腱の動きをサポートする アキレス腱炎の痛みを緩和させるには、テーピングの活用が効果的です。なぜなら、身体の動きを制限させるテーピングの効果によって、アキレス腱にかかる負担を軽減できるためです。 アキレス腱炎に効果的なテーピングの巻き方は、下記の記事にまとめています。テーピングを利用する場合は、記事を参考にしながら巻きましょう。 また、靴にインソールを敷く方法も効果的です。インソールで踵部分を底上げすると、アキレス腱への負担が軽減するため痛みが和らぎます。 ロキソニン(消炎鎮痛薬)や湿布を使用する 病院では、ロキソニン(消炎鎮痛薬)や湿布などが処方されます。いずれも用法用量を守る必要があります。 特に湿布は貼りっぱなしにしていると湿疹を起こしてしまうこともあるので、効き目が少なくなってきたら一度剥がして、次に貼るまでに時間を空けることが必要です。 整体や整骨院に通い施術する 安静、運動療法、お薬といった対処法をしっかり行っていただいた上であれば、整体、整骨院、鍼灸院などでのマッサージ、ツボを刺激して痛みを軽減させる電気鍼療法、お灸などは必要に応じて受けていただいて大丈夫です。 病院ではマッサージなどは提供していないため、ご自身でケアが難しい場合には、ご利用いただくことも考えてよいかもしれません。 「紹介されている対処法を試してみたけど、なかなか痛みがひかない…」という方は、再生医療を専門的におこなう『リペアセルクリニック 』にご相談ください。 再生医療は、弱ったり、傷ついたりする細胞を修復する力のある幹細胞の働きを利用して、自然治癒力で治療する医療技術です。 本来なら手術をしなければいけない状態でも、再生医療で治療できる可能性があります。手術による傷跡や後遺症の心配もないので、安心して治療を受けられます。 \クリックで電話できます/ メール相談 オンラインカウンセリング アキレス腱炎の3つの原因 ここでは、アキレス腱炎になる主な原因を3つ解説します。 激しい運動 アキレス腱の柔軟性の低下 フィットしない靴の着用 順番に見ていきましょう。 激しい運動 ダッシュやジャンプといった激しい運動は、アキレス腱に過度な負荷がかかるため、アキレス腱炎を引き起こす原因です。 足を酷使するような運動をした後は、炎症を抑える効果があるアイシングをしましょう。 筋肉 の柔軟性の低下 運動不足や加齢により筋肉 の柔軟性が低下いると、 アキレス腱炎になる傾向があります。 その理由は、筋肉が硬いままだとアキレス腱に負担がかかるためです。 とくに、柔軟性が低下している状態で急な運動をおこなうと、アキレス腱が炎症を起こすリスクを高めます。 唐突に運動を始める際は、ストレッチやウォーミングアップで筋肉をほぐしてから活動しましょう。 足に フィットしない靴の着用 足にフィットしない靴を 履くと、アキレス腱に負担がかかりアキレス腱炎の発症リスクを高めます。 靴の種類やブランドによってサイズ感が異なるので、購入前は必ず試し履きしてフィット感を確かめましょう。 靴専門店で、自分の靴のサイズを改めて測定してもらうのも良いでしょう。 ただし、靴専門店は病状について詳しい訳ではないため、医療専門店で診断を受けたほうが確実です。 下記の記事では、アキレス腱炎の予防につながる正しい靴の選び方と履き方を解説しています。靴選びの正しい知識を身につけたい方は、合わせてご覧ください。 アキレス腱の痛みへの対処に関するよくあるQ&A 1.アキレス腱炎のときにはどのようなサポーターを使えばいいですか? 回答:サポーターには様々な種類がありますが、アキレス腱専用のサポーターの使用がおすすめです。アキレス腱や踵を安定させることで、アキレス腱への負担の軽減や、足首の動きを制限することにより、痛みを抑える効果が期待できます。 2.マッサージはどのように行えばいいですか? 回答:アキレス腱炎に対しては、まずアキレス腱を十分に伸ばすストレッチを行いましょう。 痛みによって体重をかけてストレッチをすることができない時には、座った状態で痛い方の足を持って、ゆっくりと足関節を曲げたり反らしたりすることでアキレス腱をマッサージすることができます。 3.セルフケアや病院での治療をしてもなかなかよくなりません 回答:アキレス腱炎は大部分の方が数ヶ月で自然に改善しますが、中には痛みが続く場合もあります。適切な治療を4ヶ月以上行っても効果がない方では、手術治療が行われる場合があります。よくならない場合には注射や手術などの他の治療について病院に問い合わせるようにしましょう。 手術の方法はアキレス腱内部の変性した組織の除去や、腱周囲の癒着剥離、足底筋腱の切離など様々な方法があります。どのような治療を行っているか、事前に病院に確認しておくことがお勧めです。 「手術の傷跡が残るのが嫌だな…」「手術の後遺症のことを考えると不安…」という方には再生医療がおすすめです。人間の自然治癒力を活かした治療法なので、身体への負担が少ないです。 「具体的な治療内容や効果が知りたい!」という方は、再生医療を専門とする 『 リペアセルクリニック 』にご相談ください。症状を詳しく診断し、個々に合った再生医療の進め方をご提案いたします。 アキレス腱炎の痛みを感じたらまずはセルフケアで対処しよう! アキレス腱炎が悪化すると、痛みの増加やアキレス腱断裂など、症状が深刻になるケースがあります。重症化する前に、アキレス腱に痛みや違和感を感じた時点で、病院での受診をおすすめします。 アキレス腱炎の痛みがある場合は、病院での治療以外にも自宅でおこなう日々のケアも大切です。本記事で紹介した対処法を参考に、アキレス腱の痛み軽減を目指してみてください。 スポーツ外傷は⼿術しなくても治療できる時代です。
2023.05.04 -
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・「最近、なんだかアキレス腱が痛い」 ・「アキレス腱の痛みがなかなか治らない」 このように、アキレス腱周囲に痛みを感じ、それを不安に思う方はいるのではないでしょうか。その痛みは、もしかしたらアキレス腱炎かもしれません。 アキレス腱に炎症が起こることをアキレス腱炎といい、その多くは自然に軽快します。しかし痛みをほっとくと、場合によっては日常生活に大きな支障をきたす事態になりかねません。 この記事では、アキレス腱の周囲の痛みについての疑問にお答えします。アキレス腱炎の対処法を知ることで、適切な行動をとれるようになるでしょう。 アキレス腱炎をほっとくとどうなる? アキレス腱炎の適切な対応をせずに、そのまま放置すると、症状が長引いて回復が遅れる恐れがあります。それだけでなく、一時的に症状が改善しても再発して、痛みがズルズルと続く可能性もあるのです。 炎症が持続すると瘢痕化(結合組織の増殖)が起こり、足首の動かしにくさや力の入りにくさなどが現れます。 アキレス腱は、多くの動作で重要な役割をしています。そのため、結果的に立ち座りや歩行などのさまざまな動作に悪影響をおよぼすでしょう。 症状が長引いたり悪化したりすると、保存的な改善が望めず、場合によっては手術を受ける必要があります。 悪化する前に知っておきたい対処法 アキレス腱炎と思ったら、またはアキレス腱炎と診断されたら、まずは過度な負荷を避けて安静を優先しましょう。これを知っておくだけでも、アキレス腱炎の治り方に違いが出る可能性があります。 「足をくじいてしまった」「運動をした日から足が痛い」と思うことがあれば、無理に動かすことは避けましょう。 アキレス腱炎を発症した場合にやってはいけないことについては、以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方はぜひこちらの記事もご覧ください。 アキレス腱炎かなと思ったら病院に行くべき アキレス腱炎の多くは、保存的な治療によって軽快が期待できる疾患です。たまに痛い気がする、くらいであれば問題なく改善するケースが多いといえます。 しかし運動時に強い痛みがある場合は注意が必要です。 痛みに対する対応に迷った場合は、医療機関の受診をおすすめします。整骨院や接骨院よりも、まずは整形外科を選びましょう。 整形外科であればX線で骨折の程度、MRIやエコー検査で炎症・断裂などの有無を評価できます。痛みに応じて、鎮痛剤の処方や松葉杖の貸し出しもしてくれるでしょう。 そもそもアキレス腱炎とはどのような病気か アキレス腱炎への不安を解消するためには、まずはどのような疾患なのかを知ることが重要です。 筋肉は、腱という硬い組織をまたいで骨にくっついています。筋肉が働くことで骨が動き、関節運動が行えるのです。 アキレス腱は人体のなかでもっとも大きい腱の1つで、「下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)」には足首を下に向ける(底屈)働きがある筋肉がついています。下腿三頭筋は、以下のような動作で重要な役割を担っている筋肉です。 ・歩行 ・ダッシュ ・ジャンプ など アキレス腱炎とは名前のとおり、アキレス腱に炎症が起こることで発症する疾患です。また、アキレス腱の周囲に炎症がおよんでいる状態をアキレス腱周囲炎といい、それぞれ痛みの部位が異なります。 ただし、診断は区別されていても治療法はほとんど同じといえます。 アキレス腱炎の原因 アキレス腱炎の原因は、運動やスポーツなどによってアキレス腱に繰り返し負荷がかかることです。明らかな外傷で起こるわけではなく、長期間の微小なダメージが積み重なり、少しずつ症状が悪化します。 以下のようなケースの方は、アキレス腱炎になりやすいといわれています。 ・運動習慣のない人が急に強い運動を行った ・アキレス腱に強い負荷を繰り返しかけた ・強い扁平足(足裏が平らな状態)がある ・適切でない靴を履いている(サイズがあわない、靴底がすり減っているなど) アキレス腱炎の症状 アキレス腱炎のおもな症状は、ふくらはぎから踵にかけての運動時の痛みです。 とくにアキレス腱を圧迫すると痛みが増加し、腫れがみられることもあります。アキレス腱炎が重症になると、歩けないほど痛みが強くなることもあります。 アキレス腱炎の診断 アキレス腱の診断として重要なのが、筋肉の圧痛の有無です。そして超音波(エコー)検査やMRIで腱に損傷や炎症があるかを確認した上で、診断が確定されます。 ちなみに、どの検査も痛みや侵襲を伴うものではありません。 アキレス腱炎の治療 アキレス腱炎の発症時は、基本的に保存療法で経過をみます。保存療法とは、手術(小さなものも含む)を伴わない治療法で、以下のような内容があげられます。 ・安静 ・過度な負荷を避ける動作の学習消炎鎮痛剤の外用や内服 アキレス腱炎の多くは保存療法で改善できますが、症状が強い場合は手術が行われることも少なくありません。 明らかな受傷のタイミングがあるケースでは、アキレス腱以外の部位も損傷している可能性があるので注意が必要です。受傷直後の応急処置としては、POLICE処置を行うのが良いでしょう。 POLICE処置とは、以下の単語の頭文字を取ったものです。 アキレス腱炎の治療や原因については、以下の記事でも解説しています。さらに詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。 まとめ|アキレス腱炎をほっとくのはNG!長引く痛みは早めの受診を! この記事では、アキレス腱炎について解説しました。アキレス腱炎は適切な対応をすれば、多くは自然に軽快する疾患です。 しかし、何もせずに放置すると痛みが長引いたり、ふくらはぎに力が入りにくくなったりする恐れがあります。 少しの痛みであれば問題ないケースが多いですが、ひどい場合は日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。アキレス腱やふくらはぎの痛みが長引くのであれば、迷わず整形外科を受診してください。 「アキレス腱炎をほっとくこと」についてよくある質問 ここでは、アキレス腱炎に関する質問について、お答えします。アキレス腱炎の疑問を解消したい方は、ぜひ参考にしてみてください。 アキレス腱炎のセルフチェック方法はありますか? アキレス腱の部分に痛みを感じる場合は、アキレス腱炎の可能性があります。 ただし、別の疾患を発症している可能性もあるため、正確な診断をするには医師または専門医の診察が必要です。 アキレス腱炎の症状やセルフチェックの方法を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。 アキレス腱炎は完全に治るのでしょうか? アキレス腱炎の大半は、治癒が期待できます。しかし、適切な治療を受けていない場合や重症化している場合は、痛みが長引いて慢性化する恐れがあります。 アキレス腱炎を治したい場合は、早期からの治療が重要です。 アキレス腱炎による痛みが出ている場合の対処法を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。 アキレス腱炎の湿布の貼り方はどうすれば良いですか? アキレス腱周囲の痛みや腫れがみられている場所を目安に、湿布を貼りましょう。アキレス腱の部分は動きやすいので、はがれにくいテープ型の湿布がおすすめです。 湿布を貼りっぱなしにすると湿疹やかぶれを引き起こすこともあるので、効き目が弱くなったらはがしてください。再度湿布を貼る際は、時間を空けてからにすると良いでしょう。
2023.05.02 -
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アキレス腱炎やってはいけないこと、予防についてご説明 アキレス腱炎になってしまった場合、過度な運動や無理な負荷をかけることは、症状を悪化させてしまう可能性があります。そのため、アキレス腱炎になった際には、避けるべき行動や注意点を把握し、適切な治療法を行うことが大切です。 この記事では、アキレス腱炎になった際にやってはいけないこと、予防のために重要なことについて詳しく解説します。 アキレス腱炎とは アキレス腱炎とは、ふくらはぎの筋肉と踵の骨を繋ぐ腱であるアキレス腱が炎症を起こし、痛みをだす病気です。 慢性的な負荷や急激な運動量の増加によって引き起こされることが多く、ランニングやジャンプ競技のアスリートに多い病気です。 アキレス腱炎で避けるべき行動や注意点 アキレス腱炎を避けるため、または症状の悪化を防ぐために以下の行動や注意点に気をつけましょう。 1.過度な運動を避ける 治療の原則として、まずは運動を中止して適切な期間の安静が必要です。 運動で避けて欲しいこと ・突然の激しい運動を避ける: 急に激しい運動を始めるとアキレス腱に過剰な負担がかかります。運動の強度は徐々に上げるようにする。 ・同じ動作の繰り返しを避ける: ランニングやジャンプなど、アキレス腱に負担がかかる動作は、長時間続けないようにする。 一般的にアキレス腱炎になってしまった場合には2〜6週間の安静、スポーツ活動の休止が指示されます。その間の運動療法として「つま先立ち体操」という、下腿三頭筋の筋力訓練が改善に有効です。 このトレーニングでは痛みがあっても継続し、無痛となるまで実施することが推奨されています。ただし、動作に影響がでるほどの痛みの場合には中止するようにしましょう。その上で、運動の再開時期については症状に応じて決定されます。 アキレス腱炎を改善する【つま先立ち体操】 ・階段や台の縁に立ち踵を段の端から出した状態でゆっくりと上下させます。 ・膝を伸ばして行うのと、曲げて行う場合とで、使う筋肉が異なるので両方を試してみましょう。 ・10回1セットを1日2回で、少なくとも3ヶ月継続します。 2.不適切な靴の選択を避ける アキレス腱炎を引き起こす原因となったり、症状を悪化させてしまう可能性があるため、靴選びはとても重要です。 不適切な靴の使用を避ける: クッション性が不足している靴や、踵(かかと)が薄すぎる靴は避ける。運動に適した靴を選び、定期的に交換することが重要 サイズが合わない靴を避ける: サイズが合わない靴は、足全体に負担が掛かります。適切なサイズの靴を選ぶこと こんな靴、履いていませんか?下記のような靴は、足への負担が大きいので控えるようにしましょう。 不適切な靴選び ・足に合わない靴 ・つま先が細い靴 ・ヒールの高い靴 ・靴底がすり減った古い靴 3.無理な自己治療を避ける アキレス腱部の痛みがあるときには、安易に自己治療を行わず、まずは病院を受診して診断を受けるようにしましょう。どのような病気でも言える事ですが、自己治療は、間違った治療により症状が悪化する可能性もありお勧めできません。 自己判断での治療を避ける: 痛みが続く場合は、自己判断せず、早めに医師の診断を受けることが大切。適切な治療を受ければ早期回復が可能 専門家の指導を受けない: アキレス腱炎は再発しやすい疾患。理学療法士や医師の指導を受け、適切なリハビリやトレーニングを行う 病気は放置することで、痛みが長引く可能性もあるので、早めに病院で治療を開始することをお勧めします。 4.無理な運動を避ける 痛みが続いている状態でスポーツを継続すると、改善しないだけではなく、アキレス腱の痛みをかばうことによって別の部位の障害を発症してしまう可能性もあります。 痛みを感じたら運動を避ける: 痛みを感じたらすぐに運動を中止し、適切な休息を取ることが重要。無理をすれば症状が悪化する 休息を取る: 十分な休息を取らないと、アキレス腱の回復が遅れ、症状が悪化しかねない。適度な休息が重要 アキレス腱炎の治療は、安静と、適切な運動療法を取り入れることが重要です。 アキレス腱炎の予防について 1.適度な運動の種類・方法 前述したような下腿三頭筋をストレッチしながら挙上させる【つま先立ち体操】は、アキレス腱炎の治療に有効です。 予防のためにも、運動前にはアキレス腱を十分にストレッチさせてからスポーツを行うようにし、つま先立ち体操で下腿三頭筋の筋力強化も行うようにしましょう。 2.予防のための靴選びについて 運動する際には、靴の選び方も重要です。 靴は、足にフィットし、クッション性があり、アキレス腱に負荷がかからないものを選ぶことが望ましいです。また、運動用の靴は、使用期間を守り、新しい靴に買い替えることが大切です。 また、アキレス腱への負担を減らすための予防に、インソールの着用も効果的です。最近では、足の形に合わせたオーダーメイドのインソールも出ているのでおすすめです。 靴選びで予防する ・足にフィットするかどうか ⇨サイズ・幅・高さ ・クッション性があるかどうか ⇨足への衝撃を吸収してくれるもの ・アキレス腱に負荷がかからないか ⇨かかとが高すぎないか、安定しているか ・インソールの着用 3.日常生活での注意点とは アキレス腱は、日常生活でも負荷がかかることがあります。 たとえば、長時間の立ち仕事や、ハイヒールの着用は、アキレス腱に負担をかけることがあります。そのため、できるだけ座ったり、ヒールが低い靴を選んだりすることが予防につながります。 またアキレス腱の柔軟性の低下が発症につながるので、起床時や入浴後など十分にアキレス腱をストレッチするようにしましょう。 4.アキレス腱炎になった際にするべきこと まずは適切な診断をつけることが必要です。症状がでて改善しない時や、日常生活、スポーツをすることが困難なときには無理をせずに早めに病院を受診して、診断と今後の治療についてアドバイスを受けるようにしてください。 5.アキレス腱炎は早期発見・早期治療が重要 アキレス腱炎は大部分が保存治療で良くなりますが、痛みが長引き手術を受ける方もいらっしゃいます。 また、悪化を防ぐためにも、痛みが出た場合には、運動を控えることが必要です。自己判断や自己治療を行わず、早めに医師の診断を受け、適切な治療を行うようにしましょう アキレス腱炎についてよくあるQ&A 以下に、アキレス腱炎の治療でよく質問を受ける内容をまとめました。 Q. アキレス腱炎の治療にはどのようなものがありますか。 A. 安静や運動療法のほかに、局所注射療法、PRP(自己多血小板血漿)注入療法、手術治療などの方法があります。 PRP(自己多血小板血漿)注入療法は新しい治療法ですが、保険の適応が十分でないことや実施している施設も限られています。しかしながら最近ではアスリートが実施するなど、注目を浴びています。 治療を受けるかどうかは、担当の医師と十分に相談してから治療を選択するようにしましょう。 Q. アキレス腱炎に対する注射はどのような方法ですか。 A. 炎症を抑える目的で腱内部や周囲注射する方法があります。 注射する薬剤は局所麻酔薬、ヒアルロン酸、生理食塩水、ステロイド剤など様々です。ステロイドは炎症を抑える効果が強いのですが、腱の脆弱化や断裂を起こす可能性があるので、何度も注射することは勧められません。 Q. アキレス腱炎に対する手術はどのようなものがありますか。 A. 保存治療を少なくとも4ヶ月以上行っても効果がない方では、手術治療が行われる場合があります。 痛みが長引く方では、手術を実施している施設かどうか受診の前に事前に確認しておくと以降の治療がスムーズとなります。 まとめ・アキレス腱炎|やってはいけないこと、予防について アキレス腱炎になってしまった場合、無理な運動は症状が悪化してしまう可能性があります。そこで、この記事では、アキレス腱炎を防ぎ、症状の悪化を避けるための重要なポイントを解説しました。 まず、急激な運動の開始や同じ動作の繰り返しは避け、適度な運動と十分なストレッチを行うことが大切であること、適切な靴選びも重要であり、クッション性のある靴を選び、定期的に交換することをお勧めしました。 アキレス腱炎の症状が出た場合にやってはいけないこと!といて、無理な運動を避け、痛みを感じたらすぐに休息を取ること。痛みが続く場合は自己判断せず、早めに医師の診断を受け、専門家の指導の下で適切なリハビリやトレーニングを行いましょう。また、運動を再開する際は、アキレス腱に過度な負担がかからないよう慎重に行い、インソールやサポーターの使用を検討することも効果的です。 さらに、アキレス腱炎の予防には、日常生活での注意も欠かせないものです。長時間の立ち仕事やハイヒールの着用は避け、アキレス腱に負担をかけない生活を心がけましょう。起床時や入浴後には十分なストレッチを行い、柔軟性を保つことが予防に繋がります。 アキレス腱炎は早期発見と早期治療が肝心です。痛みが出た場合には、運動を控え、自己判断で治療せず、専門家の指導を仰ぐことが重要です。 適切な対処を行うことで、アキレス腱炎の症状を軽減し、早期回復を目指しましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼アキレス腱炎について以下も参考にしていただけます アキレス腱炎の症状とは?セルフチェックの方法を解説!
2023.04.26 -
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この記事を読んでいるあなたは「アキレス腱炎かどうかセルフチェックしたい」と考えているのではないでしょうか。 病院に行くほどの痛みではなくても、放置していても問題ないか不安になるかもしれません。 結論、アキレス腱炎は「踵(かかと)を上げ下げする」、または「痛みや腫れがないか直接触る」ことでセルフチェックできます。 もしセルフチェックで痛みや違和感がある場合は、早めに整形外科に相談しましょう。 本記事ではアキレス腱炎をセルフチェックする方法や、病院で行う治療法を解説します。 記事を最後まで読めば、アキレス腱炎の疑いがあるかを適切な方法でチェックし、病院に行くべきか正しく判断できるでしょう。 アキレス腱炎をセルフチェックする方法 「なんとなくアキレス腱のあたりが痛むけど、まだ病院に行くほどではないかもしれない」と悩んだ場合は、以下2つの方法でセルフチェックをしてみましょう。 <セルフチェック(1)> 1. 立ち姿勢を取る 2. かかとを浮かせる動作を繰り返す 痛みがある場合は、アキレス腱に軽度の炎症がある可能性があるため、スポーツの中止や運動強度の調整を考えましょう。 <セルフチェック(2)> 1. 両手でアキレス腱を触り、痛みや腫れを確認する 2. 左右で比べてみる 腫れや熱感がある場合は炎症を起こしている可能性があるため、この場合もスポーツの中止や運動強度の調整を考えましょう。 「アキレス腱炎かなと思って放置していたら、アキレス腱断裂や踵骨骨折だった」といった場合もあります。これらのセルフチェックで当てはまる項目がある方は、まず整形外科の診察を受けて、正しく診断してもらうことが大切です。 アキレス腱炎は、運動を始めた際には痛みが強くありますが、我慢して運動を続けていると軽減する特徴があります。アキレス腱炎を我慢したまま運動を続けると、難治性になったり、アキレス腱の断裂につながったりするので、無理して続けないことが重要です。 アキレス腱炎とは「過度な負担によりアキレス腱に炎症が起こっている状態」 アキレス腱炎は、過剰な負荷によりアキレス腱に炎症が起こっている状態です。 アキレス腱炎になると、アキレス腱の痛みやふくらはぎのこわばりが生じ、起床後の最初の数歩が痛むのが特徴的です。また、炎症が進行するとアキレス腱の周囲が腫れたり、赤くなったりします。 アキレス腱炎の主な原因は運動や立ち仕事 アキレス腱炎の多くは、運動や立ち仕事が原因で起こります。とくにジャンプを繰り返すスポーツや陸上、剣道などを行う選手での発症が多いです。 ふくらはぎの筋肉下腿三頭筋はつま先立ちや、地面を蹴って歩くなど、足関節の底屈運動と呼ばれる動きに関与します。地面を蹴る動きが多いこれらのスポーツでは、この動きが多くアキレス腱に負荷がかかり続けます。 また、スポーツをしていない場合でも、加齢によるアキレス腱の変性や靴の不適合、偏平足、肥満などが原因で、アキレス腱炎になる方もいます。 急激な運動量の増加や、過度な負担が症状を悪化させることがあるため、痛みを感じたら安静にすることが大切です。 放っておくと日常動作に影響が出ることもある アキレス腱炎を放置すると、痛みが長引き、再発を繰り返す可能性があります。 足首の可動域が狭まり、立ち座りや歩行などの日常生活に支障をきたすことがあるため、違和感を覚えたら早めに医療機関を受診しましょう。 また、アキレス腱炎と思っていたら、アキレス腱断裂や踵骨骨折であったケースも考えられます。アキレス腱の痛みを放置するとどうなるのか、詳細は以下の記事でまとめていますのでぜひご覧ください。 アキレス腱炎の治療法 アキレス腱炎の治療法には、以下のような選択肢があります。 安静・アイシング・テーピング 薬物療法 手術療法・血管内療法 自分に合った治療を受けるためにも、整形外科の受診がおすすめです。 整形外科では、痛みの場所や性質、腫れなどを確認します。また、他の疾患と鑑別するために、エコー検査やMRI検査で、腱の状態や変性の程度などを確認するケースもあります。 アキレス腱炎の痛みに悩んでいる方は、医療機関で専門医に相談の上、適切な治療を受けましょう。 安静・アイシング・テーピング 治療の基本は安静です。運動や散歩などアキレス腱に負担がかかる動きは中止し、必要に応じてアイシング・テーピングが行われます。 テーピングを施すことでアキレス腱への負担が減り、足を動かした際の痛みをカバーできる可能性があります。 また、アイシングを行うことで一時的に腫れや痛みが和らぐ場合もあるため、炎症が強いと感じる場合は氷のうや保冷剤などを使ってアキレス腱炎を冷やしてみても良いでしょう。 薬物療法 薬物療法では、消炎鎮痛剤やステロイド注射を用いることもあります。 消炎鎮痛剤は、プロスタグランジンと呼ばれる痛みを増強させる物質を作らせないことで、痛みや炎症を鎮める薬です。 飲み薬を処方しても改善が見られない場合は、ステロイド注射も検討します。ただしステロイド注射は、アキレス腱を痛めて断裂しやすくするリスクがあるため、安易に使用するべきではありません。 消炎鎮痛剤も副作用があるため、医師の判断に従って適切に服用する必要があります。 手術療法・血管内療法 症状の改善がみられない場合は、手術やカテーテルを使った血管内療法を実施する場合もあります。 手術ではアキレス腱が変性した部分や滑液包(かつえきほう)、骨棘(こつきょく)の切除などが一般的です。 滑液包は、関節の周辺にある液体で満たされた袋で、筋肉や靭帯、腱などが骨とぶつかる衝撃を軽減する役割があります。アキレス腱とかかとの間にあり、過度な負荷がかかることで炎症を起こし腫れることがあるため、切除することがあります。 また、骨が変性してできたとげである「骨棘」がアキレス腱まで突き出ていると痛みにつながるため、切除されることが多いです。 さらに、アキレス腱炎は血管や神経の増加が痛みにつながるため、カテーテルを使って薬剤を注入し、炎症で増えた血管を減らす「血管内療法」を実施することもあります。 アキレス腱炎の予防法 アキレス腱炎を予防する方法として、以下3つが挙げられます。 アキレス腱を使い過ぎない アキレス腱への負担が少ない靴を選ぶ 普段からストレッチなどのセルフケアを行う アキレス腱炎は、治療だけでなく再発予防を考えることも非常に重要です。 単なるオーバーユースだけでなく、練習環境やシューズ、体幹筋力の低下による姿勢不良なども影響してくるため、足りない部分を補う筋力トレーニングやストレッチ、練習環境の見直しも必要です。 本章の内容を日常生活でも意識し、アキレス腱炎の再発を予防しましょう。 アキレス腱を使い過ぎない 運動や立ち仕事などで、アキレス腱に負荷をかけすぎる動作に注意しましょう。 負荷をかけすぎたと感じた場合は、練習量や質を下げたり十分な休憩を挟んだりして調整してください。 運動開始の際に痛みがあっても、続けているうちに痛みが軽減するため、追い込みすぎないように注意が必要です。 アキレス腱への負担が少ない靴を選ぶ 日常生活でアキレス腱炎を予防するなら、アキレス腱への負担を緩和できる靴を選びましょう。 踵(かかと)に厚みがある靴や、アキレス腱への負荷を緩和できる中敷きを入れた靴を選べば、かかとや足の裏にかかる力が分散されやすくなります。 アキレス腱の痛みが気になる場合は、運動靴や仕事靴の見直しから始めてみてください。 普段からストレッチなどのセルフケアを行う アキレス腱を伸ばすストレッチやマッサージを習慣にすれば、アキレス腱炎の予防につながります。 アキレス腱は血行が悪いカ所で、年齢を重ねると血流が減少します。また、運動不足や加齢による組織の変性で柔軟性が低下しやすい部位です。 アキレス腱の柔軟性が低下した状態で急に動かすと、アキレス腱炎や怪我を起こすリスクが高くなります。 普段からストレッチやマッサージなどセルフケアを行えば、アキレス腱周辺の柔軟性が良くなり、痛みや炎症の予防になるでしょう。 アキレス腱炎のセルフケアやマッサージの方法は、以下の記事も参考にしてください。 まとめ|アキレス腱炎のセルフチェックをして医療機関の受診を検討しよう アキレス腱炎をセルフチェックするには、立ち姿勢でかかとを上げ下げしたり、両手でアキレス腱を触って痛みや腫れを確認したりする方法があります。 もしセルフチェックで痛みや炎症を感じた場合は、決して無理に運動を続けず、整形外科で診察を受けることも視野に入れましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」ではアキレス腱炎の治療法の1つとして、幹細胞治療やPRP療法といった「再生医療」を行っています。 アキレス腱炎を繰り返している方や、手術以外の療法を探している方は、ぜひ一度当院へのメール相談もしくはオンラインカウンセリングをご検討いただければ幸いです。 この記事を読んだあなたが、アキレス腱炎のセルフチェックをし、病院に行くべきか正しく判断できたのなら嬉しく思います。 アキレス腱炎についてよくある質問 アキレス腱炎のような症状です。整形外科を受診する前に自分でできる応急処置はありますか? アキレス腱の痛みなどの症状が出た場合は、まず運動を中止し、安静にしてください。 また、氷嚢などを使用し、アキレス腱部を冷やすことも有効です。 包帯がある場合は、アキレス腱をふくめて足首を固定すると、痛みを軽減できる可能性があります。 アキレス腱炎で市販薬を使用しても良いですか? 市販の薬にも、鎮痛・抗炎症効果がある湿布や飲み薬があります。薬局で市販薬を購入する場合は、薬剤師に相談するのも良いでしょう。 ただし、薬の使用は症状の一時的な緩和ですので、薬を使用して痛みが引いたからといって、すぐに運動を再開するのは避けてください。 また、病院を受診している場合は、適切な処方のために市販薬を使用していることを医師に伝えてください。 再発予防のためのストレッチはどのようなものがありますか? ふくらはぎをのばすストレッチが良いといわれています。 階段や段差などに片足のつま先だけかけて、ゆっくりと踵を下ろしながらアキレス腱を伸ばします。最初は無理のない範囲で行いましょう。 座った状態で、つま先にタオルをかけて引っ張るようにしながら、伸ばしていく方法も効果的です。 運動前や運動後にこれらのストレッチを行うことで、ふくらはぎの筋肉の柔軟性が高まり、アキレス腱の緊張が軽減されます。 No.127 監修:医師 坂本貞範
2023.04.24 -
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アキレス腱はふくらはぎの筋肉からかかとの骨につながる腱であり、歩行やランニングにおいて重要な役割を果たしています。 アキレス腱周囲の痛みを起こす病気として、アキレス腱自体に痛みの原因がある「アキレス腱炎」と、腱がかかとの骨に付着する部分に痛みの原因がある「アキレス腱付着部症」があります。どちらも慢性的な負荷や急激な運動量の増加によって引き起こされることが多く、ランニングやジャンプ競技を行うスポーツ愛好家に多く見られますが、どこにどんな痛みがでるのでしょうか。 この記事では、アキレス腱炎の原因や症状や治療方法と対策について詳しく解説していきますので参考にしてみてください。 アキレス腱炎の症状【押すと痛い】 アキレス腱炎の主な症状は、腱部を押すことで生じる痛みです。安静時の痛みはないことが多く、運動時の痛みや、腫れがみられる疾患です。 痛みの部位はアキレス腱がかかと踵の骨に付着している部分から頭側2~6cmがほとんどで、足関節を反らした際に腱が伸びることで痛みが増幅します。 アキレス腱炎の原因 アキレス腱炎の主な原因はスポーツに関連したものが多いです。例えば、自転車などでのオーバーユース(使いすぎ)や、不適切なランニングフォームで行ったランニングなどがあります。誤ったトレーニングによる負担の増加が主な原因です。 また、肉体労働による繰り返し作業で発症する可能性もあります。 上記に当てはまらず原因に心当たりがない場合は、別の病気あるいは合併症の可能性も考えられるため早めの受診が大切です。 アキレス腱炎の診断方法 アキレス腱炎を疑う場合は整形外科を受診しましょう。痛みの部位や症状、発症原因からある程度の診断は可能ですが、補助的に画像検査を行うことがあります。 レントゲン・エコー・MRIによる診断 レントゲン写真ではアキレス腱の内部に石灰化を認めることがあり、エコーではアキレス腱の肥厚と腱周囲の血流の増加を確認できる場合があります。 またMRIが診断に有用であり、アキレス腱の肥厚や、腱の炎症を反映して腱の内部や周囲の異常信号をしめす場合があります。 アキレス腱炎の治療と期間について 初期の治療は基本的に保存治療が行われ、症状が改善しない場合には手術を行うケースもあります。 この項目では、保存療法及び手術療法の内容・期間について詳細に解説します。 保存療法の場合 軽症の場合は全治3ヶ月程度かかります。 治療は整形外科で行うことが多く、以下の療法を用います。 ・局所安静 ・アイシング ・鎮痛薬の服用や局所への注射 ・理学療法士によるリハビリ ・ストレッチングの指導・マッサージなど 局所の安静についてですが、痛みが強い場合には炎症度が高いため、松葉杖を使用するなどして痛い方の足を無理に使わない行動をします。 局所への注射は、アキレス腱と周囲の組織の癒着を剥離する筋膜リリースや炎症を抑えるステロイドの投与などが行われます。 また整骨院の通院についてもおこなっていただいて構いません。整骨院では電気治療や超音波治療・低周波治療器での治療・温める温熱療法などを行う場合があり、医師の指導のもと治療を受けるようにしてください。 手術療法の場合 保存治療をおこなっても6ヶ月以上痛みが続いて効果が実感できない場合など、保存療法での完治が難しい場合には手術治療の方法もあります。 手術では皮膚を切開して、炎症を起こしている腱の周囲の組織を部分的に切除します。さらに腱自体に異常がある場合には腱の部分切除を行い、腱の切除部分が多くなった場合には他の部位から腱を移植します。 病気の重症度によって治療内容が異なるため、治療費もさまざまです。詳しい治療費の見込みについては担当医師に確認してください。 押すと痛いアキレス腱炎の緩和方法 安静 痛み発症後2〜6週間程度の安静処置 ストレッチ 足関節を反らしてアキレス腱を伸ばす 運動療法 かかとを上げる動作によって筋力を強くする サポーター・インソールの使用 足関節が反りすぎないように制限・アキレス腱への負担を減らす お薬の使用 安静処置と並行して行い痛みを緩和させる 整体・整骨院などでの治療 マッサージやツボを刺激して痛みを軽減させる 押すと痛いアキレス腱炎の主な緩和方法は上記のとおりです。 具体的な内容は以下の関連記事で紹介しているので確認いただき、現在の症状状況にあわせて実施してみましょう。 アキレス腱炎についてよくある質問 この項目では、アキレス腱炎に関するよくある質問を紹介します。 アキレス腱炎で痛くなる場所はどこ? アキレス腱がかかとの骨に付着している部分から中枢側で腱自体に痛みがある病気を「アキレス腱炎(別名:アキレス腱周囲炎)」と言います。 アキレス腱とかかとの骨の境界部分の痛みは「アキレス腱付着部症」といい、治療方法が多少変わってきます。 アキレス腱炎に対する注射は効果がある? 炎症を抑える目的で腱内部や周囲にステロイドを注射する方法があります。しかし、腱の脆弱化や断裂を起こす可能性があるので複数回の注射は勧められません。 また、腱の周囲を剥離する目的でヒアルロン酸や生理食塩水などの注射を行う場合もあります。 しかし、病気の状態によってはご本人に適していないケースや、そもそも注射処置を行なっていない施設もあるので事前の確認が望ましいです。 アキレス腱炎に効果的なストレッチはなに? 下腿三頭筋や太ももの裏にあるハムストリングのストレッチは、治療・再発の予防に効果的です。 下腿三頭筋のストレッチは階段や足台などの段差があるところに痛い方の足の先をかけ、かかとをゆっくりと降ろしていきます。我慢できる程度の痛みの範囲で10〜15秒ほど伸ばすのを3回行い、これを朝・夕の1日2回実施してみてください。 夜にストレッチを実施する場合は、入浴後のなど身体が温まっている状態で行うのが効果的です。 まとめ|アキレス腱を押すと痛くなる前に適切なケアを心がけよう アキレス腱部の痛みはアキレス腱炎のほかに、アキレス腱付着部症と呼ばれるいう病気があります。どちらもオーバーユースや急な運動によって起こります。 また、アキレス腱炎を防ぐためにも適切な靴の選択・正しいフォームの維持・無理のない運動計画・そして運動前後のストレッチが重要です。痛みや異常を感じた場合は、早期に整形外科を受診し、専門的な診断と治療を受けましょう。 ▼以下、セルフケアについて記しています。 アキレス腱炎のつらい痛みの治し方!自宅でできるセルフケアのポイントとは?
2023.04.21 -
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捻挫を早く治すための正しい応急処置方法をご紹介します 捻挫はスポーツや日常生活の中でよく生じる外傷の一つです。しかし、捻挫がどのようなものか、さらに応急処置の方法についてご存じでしょうか。 この記事では、捻挫を早く治すためと、その応急処置方法を詳しくご紹介します。さらに、捻挫についてのよくある質問にもお答えしています。ぜひご参考にしてください。 捻挫とは? 関節は、骨と骨の間に構成されるものです。基本的な構造には、関節軟骨(クッションの働き)、関節包(関節の周りを包み込む外側の膜)、靱帯(関節の安定性を補強する役割で、関節内のものも、関節外のものもある。)などがあります。 捻挫とは関節に何らかの外力がかかって起こる、骨折や脱臼以外の怪我のことを指します。つまり、軟骨や靱帯、腱(筋肉と骨をつなぐもの)の怪我です。 骨折や脱臼はX線写真で判断ができますが、捻挫はX線では判断出来ません。どのような衝撃が加わって怪我をしたのか、今の関節の状態はどうなのかが重要であり、必要があればMRIを利用しながら診断を行います 捻挫の中でも靱帯の重症度は、靱帯の損傷の程度によって決められます。 捻挫の重症度 ・1度:靱帯が伸びてはいるが切れてはない状態 ・2度:靱帯の一部が切れている状態 ・3度:靱帯が完全に切れている状態 捻挫の応急処置 捻挫を早く治すには、まずは応急処置と適切な診断が必要です。捻挫だと思っていたのに実は骨折だった、大したことないと思っていたら全然症状がよくならない・・・などがないように受診をしましょう。 捻挫が起きた際には「POLICE処置」がよいとされています。 「POLICE処置」とは ・Protection(保護) ・Optimal Loading(適切な負荷) ・Ice(冷却) ・Compression(圧迫) ・Elevation(挙上) 以前は「RICE(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)処置」が進められていましたが、近年ではPOLICE処置に置き換わりつつあります。 POLICE処置の具体的な方法 それぞれの項目は以下の通りです。 Protection(保護) ・装具やシーネ、三角巾、サポーターなどで受傷部位を保護します ・更なる外力で損傷を悪化させるのを防ぐ目的です Optimal Loading(適切な負荷) ・以前は受傷部位の安静(Rest)がよいとされていましたが ・最近では適切な負荷が組織の修復によいのではと言われています ・適切な負荷については、医師などの専門家による指示を聞くのが良いでしょう Ice(冷却) ・氷嚢や氷を入れた袋などで冷やします ・感覚がない中、無理してまで行う必要はありません ・風邪の際に用いるような冷却シートは、表面をひんやりと冷やす程度で関節の内部まで冷やす効果はありません。 ・用いるのなら消炎鎮痛剤の入った湿布を用いましょう ・最近、神戸大学より、重症の筋挫傷に対するアイシングは筋の修復を遅らせるということが報告されました。 ・軽度の筋挫傷についてはまだ効果がわかっていないため、今は迷ったらアイシングをする方がよいでしょう Compression(圧迫) ・受傷部位の腫れや内出血の増悪を予防するために、テーピングや包帯などで圧迫をします Elevation(挙上) ・腫れを防ぐ、軽減するために、心臓よりも上に受傷部位を置きましょう ・足を怪我した際は、仰向けになって足を椅子などに置くとよいでしょう ・あくまでも応急処置としてなので、移動の必要などやむを得ない場合は足を下ろしても構いません 応急処置の後は、適切に受診を行いましょう。軽度であれば保存的に加療が行われ、関節の不安定性が高い重度の場合は手術療法も検討されます。サポーターなどを使い関節に過度な負荷がかからない程度の運動から始めましょう。 捻挫に関してよくある質問 Q:捻挫とはどのような状態ですか? A:関節に外力が加わって生じた怪我のうち、骨折と脱臼以外のものを指します。X線で骨折、脱臼がないことを確認し、必要があればMRIを撮像します。どうやって怪我をしたかも診断には重要です。 Q:捻挫を早く治すには? A:まずは適切な診断が必要です。応急処置としてはPOLICE処置がよいでしょう。炎症が起きている間は消炎鎮痛薬なども併用し、過度な負担がかからないように注意しましょう。 Q:受診するなら整形外科?整骨院? A:正しく診断をつけるという意味でも、X線やMRIでの検査を行える整形外科をおすすめします。近くに整形外科がない、診察時間外の場合には整骨院でも良いでしょう。自分で判断して自己流で治療をするのはよくありません。 まとめ・捻挫を早く治すためには正しい応急処置と整形外科の受診を! この記事では捻挫について解説しました。 スポーツだけでなく日常生活でも怪我をする可能性はあるので、もし捻挫による怪我をしてしまった際は、「POLICE」による応急処置と適切な受診を忘れないようにしましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼以下もご参考にしていただけます 捻挫かもしれない…歩けるけど痛いとき、対処法はどうする?
2023.04.14 -
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捻挫の重症度をチェックする方法を知りたい。 捻挫の痛みがなかなか治らないけれど、病院に行くべきかわからない。 この記事を読んでいるあなたは、捻挫の重症度をセルフチェックできる方法を知りたいのではないでしょうか。 「軽い捻挫だろう」と思っていても、なかなか痛みが引かないと、病院に行くべきか悩んでしまうかもしれません。 結論、捻挫の重症度をチェックする方法は、部位によって異なります。 自己判断が難しいケースも多いため、痛みや違和感などの症状がある場合や、動かせないほど炎症が起こっている場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 本記事では捻挫の重症度をセルフチェックする方法を、身体の部位別に解説します。 記事を最後まで読めば、自分のけがを正しく観察し、病院に行くべきか判断できるでしょう。 【部位別】捻挫の重症度をチェックする方法 捻挫とは、転倒時や段差を踏み外したときなどに、関節に負荷がかかって起こるけがのことです。関節まわりの靱帯や腱、軟骨などを損傷している状態を指します。 軽度の場合はギプスやサポーターで損傷した部位を固定することで治療できますが、重症の場合は手術が必要になるケースもあります。そのため、捻挫をした初期段階で重症度を正しく診断し、早期に適切な治療をおこなうことが大切です。 本章では、捻挫の重症度を以下3つの部位別に解説します。 足首の捻挫の場合 手首の捻挫の場合 指の捻挫(突き指)の場合 自分の捻挫をセルフチェックする際の参考になれば幸いです。また、捻挫を早く治す方法について調べている方は、以下の記事もご覧ください。 足首の捻挫の場合 足首を捻挫した場合は、「Ottawa Ankle Rule(以下、オタワ アンクル ルール)」をもとにセルフチェックをおこないましょう。 オタワ アンクル ルールは5つの項目で構成されており、該当する項目が1つでもあれば骨折の可能性があると判断します。 オタワ アンクル ルールの5項目 腓骨遠位端(外くるぶし)より6cmまでの中心線に圧痛(※)がある 脛骨遠位端(内くるぶし)より6cmまでの中心線に圧痛がある 第5中足骨基部(かかとの小指側の骨の出っ張り付近)の痛み(圧痛) 舟状骨(足背から内側にかけての部分)の痛み(圧痛) 怪我をした側で 4歩以上その足に体重をかけられない/歩けない ※圧痛:皮膚に圧力(押すなど)を与えた際に痛みを感じること もし該当する項目がある場合、早めに整形外科を受診し、レントゲンなど詳しい検査を受けることをおすすめします。 該当項目がない場合でも、違和感や痛み、腫れが続く場合は、早めに受診しましょう。 手首の捻挫の場合 手首の捻挫では、動かしたときの違和感や痛み、熱の有無などによって重症度をチェックできます。 以下の表はあくまでセルフチェックとして利用し、症状が続く場合は整形外科を受診しましょう。 チェック項目 手首の捻挫の重症度 曲げ伸ばし、ひねるなどの動作をすると痛み・違和感がある 軽度 負傷したカ所が腫れており、少しでも動かすと痛み・違和感がある 中度 負傷したカ所を動かさなくても痛みがある。あるいは熱を持っている 重度(骨折の疑いあり) 手首の捻挫は、骨折と見分けるのが難しいケースも多くあります。 1週間以上痛みが引かない場合は整形外科を受診し、レントゲンなどの検査を受けることをおすすめします。 指の捻挫(突き指)の場合 指の捻挫(突き指)をした場合、以下の表をもとに重症度をセルフチェックしてみましょう。 チェック項目 指の捻挫の重症度 ・痛み、違和感がある ・腫れている ・曲げ伸ばしは可能 軽度 ・炎症(痛みや腫れ)が一週間以上続く ・曲げ伸ばしが困難 ・指が変形しているように見える 中度から重度 (腱の損傷や骨折、靱帯損傷の疑いあり) 指の捻挫は、軽度であれば1週間程度で炎症がおさまることが多いですが、症状がある場合は念のため病院に行くことをおすすめします。 整形外科を受診し、レントゲンなどの詳しい検査を受けましょう。 突き指と指の骨折、靱帯損傷について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしていただけると幸いです。 捻挫を放置するリスク 捻挫を治療せず放置した場合、以下のリスクが考えられます。 捻挫を繰り返しやすくなる 痛みが長引く 機能障害が残る(例:関節の可動域が狭くなる) など たとえ軽い捻挫であっても、保存療法など適切な治療をしなかった場合、靱帯が伸びた状態で固定されてしまいます。靱帯が伸び、関節が緩んでいる状態で負荷をかけると、同じ部位の捻挫を繰り返したり、痛みが長引いたりするリスクが高まるでしょう。 また、捻挫した部分が不安定になり、歩行や運動時のパフォーマンスへの影響も考えられます。骨折や変形につながる可能性もあるため、捻挫をした場合は早い段階で保存療法をはじめとする治療をおこないましょう。 捻挫と見分けにくい3つのけが 捻挫と見分けることが難しいけがは、以下の3つが挙げられます。 脱臼 骨折 関節軟骨損傷 捻挫の痛みが続く場合は、本章で紹介した外傷の可能性を考慮し、病院での受診を検討しましょう。 脱臼 脱臼とは、靱帯などの組織が損傷し、関節が外れてしまっている状態を指します。一方、捻挫は靱帯が傷ついてるものの、関節部分は外れておらず、安定性を保っている状態です。 脱臼の治療では「整復」もしくは「固定」を実施します。それぞれの治療法の詳細は以下のとおりです。 治療法 内容 整復 皮膚の上から、もしくは手術により、ずれた骨を元の位置に戻す 固定 ギプス等の器具を装着して脱臼した部位を正しい位置で固定する 部位や重症度によって差はありますが、脱臼の治療期間は、一般的には1カ月前後です。 骨折 捻挫した部位の変形や内出血、強い腫れがみられる場合、骨折をしている可能性があります。骨折の場合は、脱臼と同様「整復」もしくは「固定」をおこないます。 体重をかけることで悪化するリスクもあるため、捻挫か骨折か判断できないときは早めに整形外科を受診しましょう。 関節軟骨損傷 捻挫の痛みや違和感が長期的に継続する場合、関節軟骨損傷が疑われます。 関節軟骨損傷とは、関節の骨端表面にある組織が損傷している状態です。放置すると変形性関節症を引き起こすリスクもあるため、早めに適切な治療をおこなう必要があります。 関節軟骨損傷の場合、ギプスでの固定で治療するのが一般的です。ただし慢性化した場合は手術が必要になるケースもあります。 捻挫の痛みが続く場合は「軽度だから大丈夫」と放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。 まとめ|捻挫の重症度をチェックして病院に行くべきか正しく判断しよう 捻挫の重症度をチェックする方法は、捻挫の部位によって異なります。捻挫だと思っていたけがを放置すると、変形性関節症などの病気につながる可能性が高くなります。 痛み・違和感が長期間続く場合や、部位を動かせないほどの炎症が起こっている場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、捻挫などの外傷に対する再生医療や幹細胞治療をおこなっています。 一般的に捻挫の治療では、3〜4週間の固定後、2〜3カ月間のリハビリをおこないます。しかし固定治療によって関節が固まると、リハビリがそれ以上長期化するケースも少なくありません。 再生医療を実施すれば、固定期間・リハビリ期間を短縮し、より早期に社会復帰できる可能性が高まります。捻挫の治療法やリハビリの長期化を懸念している方は、ぜひ一度「リペアセルクリニック」へご相談いただければ幸いです。 当院ではメール相談やオンラインカウンセリングも実施していますので、ご活用ください。 この記事を読んだあなたが、捻挫で病院に行くべきか正しく判断し、早期に適切な治療を受けられれば嬉しく思います。 捻挫の重症度チェックについてよくある質問 捻挫をした場合、どうしたら良いですか? まずは痛みの部位を確認して、体重をかけられるか確認しましょう。 痛みの部位は上記のチェックリストを参考にして、「くるぶしの内側」「くるぶしの外側」「かかとの外側」「足背から内側」にかけて押して確認します。押して痛みがある場合や、体重をかけられない場合には、病院受診をお勧めします。 また、捻挫の初期対応として知っておきたいのが、受傷の初期、急性期と言われる時点での対応をまとめた「POLICE」です。 POLICE Protection(保護) Optimal Loading(最適な負荷) Ice(冷却) Compression(圧迫) Elevation(挙上) ※拳上とは 捻挫した患部を心臓より高い位置に保つことで内出血による腫れを防ぐためです。 急性期の傷害対処法は、一般的に受傷後48~72時間以内にPOLICEによる処置を行うことが基本となります。 しかし、急性期を過ぎても患部が腫れている、触ると熱を持っているなどの場合は、引き続き「POLICE」処置を継続し、病院を受診することをおすすめします。 急性期には負荷をかけられないので、怪我をした直後は包帯で圧迫してアイシングを行い、足を挙上しておくようにしましょう。冷感湿布による冷却も、炎症の鎮静に効果的です。 捻挫は、どの程度の期間で治りますか? 軽度の靭帯損傷で、手術が必要ない場合には足関節をシーネやギプスで最低3週間の固定が推奨されており、長い場合には6週間程度固定を行うこともあります。また、スポーツの復帰時期については症状経過によります。 一般的には痛みがなくなった後からサポーターをして、ウォーキング、ジョギングなどの軽いスポーツから復帰し、徐々に元の競技へ復帰とします。 その間にチューブやタオルを使って足関節周囲筋を鍛えておき、必要であれば予防のためのリハビリも行う場合があります。 病院でのアドバイスに従いましょう。 捻挫後、時間が経過したが、痛みが残っている場合はどうしたら良いですか? 捻挫による靭帯損傷は重症度により3段階に分類されます。 このうち最も重症な「靭帯の完全断裂」では手術も検討されますし、治療が適切に行われなかった場合には足関節の不安定性を生じてしまいます。 また、捻挫と思っていても、距骨という骨の軟骨が損傷してしまっていることもあります。 このように、痛みが残っている場合には、足関節の不安定性や軟骨損傷の有無など、原因を詳しく調べる必要があるため早めの病院受診が大切です。 病院を受診する場合は何科を受診すれば良いですか? 捻挫した場合は、整形外科を受診しましょう。 No.121 監修:医師 坂本貞範
2023.04.03