-
- 足部、その他疾患
- 足部
アキレス腱炎になってしまっても、痛みを我慢しながら走り続けることが可能なランナーがいます。 この場合、走りながら(長期の休息をしなくても)治すことができるのではないか、と考える方がいるようですが、非常に難しいと言えます。 アキレス腱炎を発症中の過度な運動や負荷は、症状を悪化させる可能性が高いです。 アキレス腱炎を発症した際は、避けるべき行動や注意点を把握し、治療に専念するのが大切です。 この記事では、アキレス腱炎発症中にやってはいけないことや予防のポイントなどを詳しく解説します。 アキレス腱炎を走りながら治すのが困難な理由 アキレス腱炎を発症したまま走ると、患部に負担がかかります。 負担がかかると、患部周辺に傷が入り、完治が遅れます。 「走りながら治せる」と主張する専門家もいるようですが、患部に負担をかけないように走行するのは困難であり、現実的ではありません。 また、患部をかばうために不自然な姿勢で走ることで、正しいフォームが崩れたり、転倒などのリスクも増えます。 以上の理由から、アキレス腱炎を走りながら治すのは困難かつ、危険といえます。 アキレス腱炎における2つの注意点 アキレス腱炎を避けるため、または症状の悪化を防ぐために以下の行動や注意点を確認しましょう。 無理な運動を避ける 自己治療はせずに病院を受診する それぞれ詳しく解説します。 無理な運動を避ける まず、無理な運動は避けましょう。 例えば以下の運動はアキレス腱に負担がかかるため、避ける必要があります。 激しい運動 同じ動作を繰り返す運動 とくに、同じ動作の繰り返しは、軽い運動でも長時間持続すると大きな負荷が生じます。 アキレス腱炎を発症した場合、たいてい2〜6週間の安静が求められます。 この期間に無理な運動をすると、完治が遅れたり、別の障害が起こったりします。 アキレス腱炎発症時は、無理な運動を避け、医師の指示どおり安静にしましょう。 自己治療はせずに病院を受診する アキレス腱部の痛みがあるときには、安易に自己治療を行わず、まずは病院を受診して診断を受けましょう。 また、アキレス腱炎は再発しやすい疾患。理学療法士や医師の指導を受け、適切なリハビリやトレーニングを行うことが大切です。 どのような病気でも言える事ですが、自己治療は、間違った治療により症状が悪化する可能性もあり、おすすめできません。 アキレス腱炎におけるセルフケア アキレス腱炎は、適切なセルフケアによって回復を早め、痛みを和らげられます。 ストレッチのひとつとして、下腿三頭筋を伸ばして挙上させる「つま先立ち体操」をご紹介します。 アキレス腱炎を改善する「つま先立ち体操」 1. 階段や台の縁に立ち、踵を段の端から出した状態で位置をとります 2. ゆっくりとかかとを上下させます(急な動作は避ける) 3. 膝を伸ばした状態での上下(腓腹筋の強化) 4. 膝を軽く曲げた状態での上下(ヒラメ筋の強化) ストレッチを行う際は、以下の点に注意してください。 実施時の注意点 発症直後は避ける 激しい痛みがある場合は中止する 両手で手すりや壁をつかみ、安全に行う 動作はゆっくり行い、反動をつけない 最初は痛みのない範囲で少なめの回数から始める 10回1セットを1日2回、3カ月ほど継続しましょう。 また、アキレス腱炎周囲の筋肉を鍛えて、患部への負担を減らすのも有効です。 例えば、カーフレイズでふくらはぎの筋肉を鍛えれば、アキレス腱にかかる負担を軽減できます。 ストレッチやトレーニングは必ず医師に相談してから開始し、痛みが出たら中止して医師に相談してください。 アキレス腱炎の発症を予防する方法 アキレス腱炎の予防には、以下の取り組みが有効です。 運動強度は少しずつ上げる 適切な靴を選ぶ 日常生活でアキレス腱に負担がかからないようにする テーピングやサポーターで負担を軽減する アキレス腱炎を発症した場合、2〜6週間の安静が必要です。 しばらく、ランニングなど負荷の高い運動はおこなえず、また、日常生活にも不便が生じます。 アキレス腱炎の発症による運動や生活の不便を避けるため、普段からの予防を心がけましょう。 運動強度は少しずつ上げる アキレス腱炎を防ぐには、運動強度を少しずつ上げるのが重要です。 いきなり強度の高い運動に取り組むと、アキレス腱に大きな負荷が生じます。 ウォーミングアップをおこない、筋肉や関節を刺激し、突如大きな負担がかからないようにしましょう。 ウォーミングアップの一例 5〜10分の歩行・ジョギング ラジオ体操 ふくらはぎ周辺を中心としたストレッチ 適切な靴を選ぶ アキレス腱炎の発症を予防するには、適切な靴を選ぶのも重要です。 サイズがちょうど、もしくはやや余裕がある 足の形にフィットする かかとが高すぎず、安定している クッション性がある 足にフィットする靴を選べば、フォームが安定し、アキレス腱炎に余計な負担がかかりません。 また、クッション性があれば、アキレス腱炎含む下半身全体の負荷を落とせます。 一方で、足の形や大きさに合わない靴は、故障を招きます。 アキレス腱炎を防ぐため、靴は慎重に選びましょう。 また、インソールを挟むのも効果的です。最近は、足の形に合わせたオーダーメイドのインソールも発売されています。 日常生活でアキレス腱に負担がかからないようにする アキレス腱は、日常生活でも負荷がかかることがあります。 例えば、長時間の立ち仕事や、ハイヒールの着用は、アキレス腱に負担をかけることがあります。 そのため、できるだけ座ったり、ヒールが低い靴を選んだりすることが予防につながります。 また、アキレス腱の柔軟性の低下が発症につながるので、起床時や入浴後など十分にアキレス腱をストレッチするようにしましょう。 テーピングやサポーターで負担を軽減する テーピングやサポーターの使用も効果的です。 足首の周りの動きが安定し、アキレス腱にかかる負担を軽減できます。 また、足首の可動域が狭まるため、アキレス腱が必要以上に伸縮するのを防ぐことができます。 ただし、テーピングにはある程度の技術や、専門家の指導が必要で、普段から実施するのは困難です。 テーピングが難しい場合は容易に装着できるサポーターを使いましょう。 アキレス腱炎は早期発見・早期治療が重要 アキレス腱炎は初期段階で適切な治療を受ければ、多くの場合、保存治療(手術をしない治療)で改善が見込めます。 しかし、以下のような場合は症状が重症化し、回復までに長期間を要したり、手術が必要になる可能性があります。 痛みを我慢して運動を続ける 自己判断で不適切なストレッチや運動を行う 治療開始が遅れる そのため、アキレス腱周辺の腫れや歩行時の痛みがある場合は、すぐに運動を中止し、整形外科を受診しましょう。 アキレス腱炎についてよくあるQ&A 以下に、アキレス腱炎の治療でよく質問を受ける内容をまとめました。 Q. アキレス腱炎の治療にはどのようなものがありますか。 A. 安静や運動療法のほかに、局所注射療法、PRP(自己多血小板血漿)注入療法、手術治療などの方法があります。 PRP(自己多血小板血漿)注入療法は新しい治療法ですが、保険の適応が十分でないことや実施している施設も限られています。 しかしながら最近ではアスリートが実施するなど、注目を浴びています。 治療を受けるかどうかは、担当の医師と十分に相談してから治療を選択するようにしましょう。 Q. アキレス腱炎に対する注射はどのような方法ですか。 A. 炎症を抑える目的で腱内部や周囲に注射する方法があります。 注射する薬剤は局所麻酔薬、ヒアルロン酸、生理食塩水、ステロイド剤など様々です。 ステロイドは炎症を抑える効果が強いのですが、腱の脆弱化や断裂を起こす可能性があるので、何度も注射することは勧められません。 Q. アキレス腱炎に対する手術はどのようなものがありますか。 A. 保存治療を少なくとも4ヶ月以上行っても効果がない方では、手術治療が行われる場合があります。 痛みが長引く方では、手術を実施している施設かどうか受診の前に事前に確認しておくと以降の治療がスムーズとなります。 まとめ:アキレス腱炎は走りながら治すより安静にするのが重要 アキレス腱炎になってしまった場合、無理な運動は症状が悪化してしまう可能性があり、走りながら治すのは困難です。 症状の悪化を防ぐためにも、急激な運動の開始や同じ動作の繰り返しは避け、適度な運動と十分なストレッチを行うことが大切です。 また、アキレス腱炎の予防のためには、適切な靴選びや足の負担を減らすサポーターの使用、日常生活で足に負担をかけない配慮も必要です。 アキレス腱炎は早期発見と早期治療が肝心です。 痛みが出た場合には運動を控え、自己判断で治療せず医療機関を受診してください。 適切な対処を行うことで、アキレス腱炎の症状を軽減し、早期回復を目指しましょう。 当院「リペアセルクリニック」ではスポーツ外傷に対する治療として再生医療を行っています。 手術を必要としない治療法で早期復帰を目指したい方は、ぜひ一度ご相談ください。
2023.04.26 -
- 足部、その他疾患
- 足部
この記事を読んでいるあなたは「アキレス腱炎かどうかセルフチェックしたい」と考えているのではないでしょうか。 病院に行くほどの痛みではなくても、放置していても問題ないか不安になるかもしれません。 結論、アキレス腱炎は「踵(かかと)を上げ下げする」、または「痛みや腫れがないか直接触る」ことでセルフチェックできます。 もしセルフチェックで痛みや違和感がある場合は、早めに整形外科に相談しましょう。 本記事ではアキレス腱炎をセルフチェックする方法や、病院で行う治療法を解説します。 記事を最後まで読めば、アキレス腱炎の疑いがあるかを適切な方法でチェックし、病院に行くべきか正しく判断できるでしょう。 アキレス腱炎をセルフチェックする方法 「なんとなくアキレス腱のあたりが痛むけど、まだ病院に行くほどではないかもしれない」と悩んだ場合は、以下2つの方法でセルフチェックをしてみましょう。 <セルフチェック(1)> 1. 立ち姿勢を取る 2. かかとを浮かせる動作を繰り返す 痛みがある場合は、アキレス腱に軽度の炎症がある可能性があるため、スポーツの中止や運動強度の調整を考えましょう。 <セルフチェック(2)> 1. 両手でアキレス腱を触り、痛みや腫れを確認する 2. 左右で比べてみる 腫れや熱感がある場合は炎症を起こしている可能性があるため、この場合もスポーツの中止や運動強度の調整を考えましょう。 「アキレス腱炎かなと思って放置していたら、アキレス腱断裂や踵骨骨折だった」といった場合もあります。これらのセルフチェックで当てはまる項目がある方は、まず整形外科の診察を受けて、正しく診断してもらうことが大切です。 アキレス腱炎は、運動を始めた際には痛みが強くありますが、我慢して運動を続けていると軽減する特徴があります。アキレス腱炎を我慢したまま運動を続けると、難治性になったり、アキレス腱の断裂につながったりするので、無理して続けないことが重要です。 アキレス腱炎とは「過度な負担によりアキレス腱に炎症が起こっている状態」 アキレス腱炎は、過剰な負荷によりアキレス腱に炎症が起こっている状態です。 アキレス腱炎になると、アキレス腱の痛みやふくらはぎのこわばりが生じ、起床後の最初の数歩が痛むのが特徴的です。また、炎症が進行するとアキレス腱の周囲が腫れたり、赤くなったりします。 アキレス腱炎の主な原因は運動や立ち仕事 アキレス腱炎の多くは、運動や立ち仕事が原因で起こります。とくにジャンプを繰り返すスポーツや陸上、剣道などを行う選手での発症が多いです。 ふくらはぎの筋肉下腿三頭筋はつま先立ちや、地面を蹴って歩くなど、足関節の底屈運動と呼ばれる動きに関与します。地面を蹴る動きが多いこれらのスポーツでは、この動きが多くアキレス腱に負荷がかかり続けます。 また、スポーツをしていない場合でも、加齢によるアキレス腱の変性や靴の不適合、偏平足、肥満などが原因で、アキレス腱炎になる方もいます。 急激な運動量の増加や、過度な負担が症状を悪化させることがあるため、痛みを感じたら安静にすることが大切です。 放っておくと日常動作に影響が出ることもある アキレス腱炎を放置すると、痛みが長引き、再発を繰り返す可能性があります。 足首の可動域が狭まり、立ち座りや歩行などの日常生活に支障をきたすことがあるため、違和感を覚えたら早めに医療機関を受診しましょう。 また、アキレス腱炎と思っていたら、アキレス腱断裂や踵骨骨折であったケースも考えられます。アキレス腱の痛みを放置するとどうなるのか、詳細は以下の記事でまとめていますのでぜひご覧ください。 アキレス腱炎の治療法 アキレス腱炎の治療法には、以下のような選択肢があります。 安静・アイシング・テーピング 薬物療法 手術療法・血管内療法 自分に合った治療を受けるためにも、整形外科の受診がおすすめです。 整形外科では、痛みの場所や性質、腫れなどを確認します。また、他の疾患と鑑別するために、エコー検査やMRI検査で、腱の状態や変性の程度などを確認するケースもあります。 アキレス腱炎の痛みに悩んでいる方は、医療機関で専門医に相談の上、適切な治療を受けましょう。 安静・アイシング・テーピング 治療の基本は安静です。運動や散歩などアキレス腱に負担がかかる動きは中止し、必要に応じてアイシング・テーピングが行われます。 テーピングを施すことでアキレス腱への負担が減り、足を動かした際の痛みをカバーできる可能性があります。 また、アイシングを行うことで一時的に腫れや痛みが和らぐ場合もあるため、炎症が強いと感じる場合は氷のうや保冷剤などを使ってアキレス腱炎を冷やしてみても良いでしょう。 薬物療法 薬物療法では、消炎鎮痛剤やステロイド注射を用いることもあります。 消炎鎮痛剤は、プロスタグランジンと呼ばれる痛みを増強させる物質を作らせないことで、痛みや炎症を鎮める薬です。 飲み薬を処方しても改善が見られない場合は、ステロイド注射も検討します。ただしステロイド注射は、アキレス腱を痛めて断裂しやすくするリスクがあるため、安易に使用するべきではありません。 消炎鎮痛剤も副作用があるため、医師の判断に従って適切に服用する必要があります。 手術療法・血管内療法 症状の改善がみられない場合は、手術やカテーテルを使った血管内療法を実施する場合もあります。 手術ではアキレス腱が変性した部分や滑液包(かつえきほう)、骨棘(こつきょく)の切除などが一般的です。 滑液包は、関節の周辺にある液体で満たされた袋で、筋肉や靭帯、腱などが骨とぶつかる衝撃を軽減する役割があります。アキレス腱とかかとの間にあり、過度な負荷がかかることで炎症を起こし腫れることがあるため、切除することがあります。 また、骨が変性してできたとげである「骨棘」がアキレス腱まで突き出ていると痛みにつながるため、切除されることが多いです。 さらに、アキレス腱炎は血管や神経の増加が痛みにつながるため、カテーテルを使って薬剤を注入し、炎症で増えた血管を減らす「血管内療法」を実施することもあります。 アキレス腱炎の予防法 アキレス腱炎を予防する方法として、以下3つが挙げられます。 アキレス腱を使い過ぎない アキレス腱への負担が少ない靴を選ぶ 普段からストレッチなどのセルフケアを行う アキレス腱炎は、治療だけでなく再発予防を考えることも非常に重要です。 単なるオーバーユースだけでなく、練習環境やシューズ、体幹筋力の低下による姿勢不良なども影響してくるため、足りない部分を補う筋力トレーニングやストレッチ、練習環境の見直しも必要です。 本章の内容を日常生活でも意識し、アキレス腱炎の再発を予防しましょう。 アキレス腱を使い過ぎない 運動や立ち仕事などで、アキレス腱に負荷をかけすぎる動作に注意しましょう。 負荷をかけすぎたと感じた場合は、練習量や質を下げたり十分な休憩を挟んだりして調整してください。 運動開始の際に痛みがあっても、続けているうちに痛みが軽減するため、追い込みすぎないように注意が必要です。 アキレス腱への負担が少ない靴を選ぶ 日常生活でアキレス腱炎を予防するなら、アキレス腱への負担を緩和できる靴を選びましょう。 踵(かかと)に厚みがある靴や、アキレス腱への負荷を緩和できる中敷きを入れた靴を選べば、かかとや足の裏にかかる力が分散されやすくなります。 アキレス腱の痛みが気になる場合は、運動靴や仕事靴の見直しから始めてみてください。 普段からストレッチなどのセルフケアを行う アキレス腱を伸ばすストレッチやマッサージを習慣にすれば、アキレス腱炎の予防につながります。 アキレス腱は血行が悪い部位で、年齢を重ねると血流が減少します。また、運動不足や加齢による組織の変性で柔軟性が低下しやすい部位です。 アキレス腱の柔軟性が低下した状態で急に動かすと、アキレス腱炎や怪我を起こすリスクが高くなります。 普段からストレッチやマッサージなどセルフケアを行えば、アキレス腱周辺の柔軟性が良くなり、痛みや炎症の予防になるでしょう。 アキレス腱炎のセルフケアやマッサージの方法は、以下の記事も参考にしてください。 まとめ|アキレス腱炎のセルフチェックをして医療機関の受診を検討しよう アキレス腱炎をセルフチェックするには、立ち姿勢でかかとを上げ下げしたり、両手でアキレス腱を触って痛みや腫れを確認したりする方法があります。 もしセルフチェックで痛みや炎症を感じた場合は、決して無理に運動を続けず、整形外科で診察を受けることも視野に入れましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」ではアキレス腱炎の治療法の1つとして、幹細胞治療やPRP療法といった「再生医療」を行っています。 アキレス腱炎を繰り返している方や、手術以外の療法を探している方は、ぜひ一度当院へのメール相談もしくはオンラインカウンセリングをご検討いただければ幸いです。 この記事を読んだあなたが、アキレス腱炎のセルフチェックをし、病院に行くべきか正しく判断できたのなら嬉しく思います。 アキレス腱炎についてよくある質問 アキレス腱炎のような症状です。整形外科を受診する前に自分でできる応急処置はありますか? アキレス腱の痛みなどの症状が出た場合は、まず運動を中止し、安静にしてください。 また、氷嚢などを使用し、アキレス腱部を冷やすことも有効です。 包帯がある場合は、アキレス腱をふくめて足首を固定すると、痛みを軽減できる可能性があります。 アキレス腱炎で市販薬を使用しても良いですか? 市販の薬にも、鎮痛・抗炎症効果がある湿布や飲み薬があります。薬局で市販薬を購入する場合は、薬剤師に相談するのも良いでしょう。 ただし、薬の使用は症状の一時的な緩和ですので、薬を使用して痛みが引いたからといって、すぐに運動を再開するのは避けてください。 また、病院を受診している場合は、適切な処方のために市販薬を使用していることを医師に伝えてください。 再発予防のためのストレッチはどのようなものがありますか? ふくらはぎをのばすストレッチが良いといわれています。 階段や段差などに片足のつま先だけかけて、ゆっくりと踵を下ろしながらアキレス腱を伸ばします。最初は無理のない範囲で行いましょう。 座った状態で、つま先にタオルをかけて引っ張るようにしながら、伸ばしていく方法も効果的です。 運動前や運動後にこれらのストレッチを行うことで、ふくらはぎの筋肉の柔軟性が高まり、アキレス腱の緊張が軽減されます。
2023.04.24 -
- 足部、その他疾患
- 足部
アキレス腱はふくらはぎの筋肉からかかとの骨につながる腱であり、歩行やランニングにおいて重要な役割を果たしています。 アキレス腱周囲の痛みを起こす病気として、アキレス腱自体に痛みの原因がある「アキレス腱炎」と、腱がかかとの骨に付着する部分に痛みの原因がある「アキレス腱付着部症」があります。どちらも慢性的な負荷や急激な運動量の増加によって引き起こされることが多く、ランニングやジャンプ競技を行うスポーツ愛好家に多く見られますが、どこにどんな痛みがでるのでしょうか。 この記事では、アキレス腱炎の原因や症状や治療方法と対策について詳しく解説していきますので参考にしてみてください。 アキレス腱炎の症状【押すと痛い】 アキレス腱炎の主な症状は、腱部を押すことで生じる痛みです。安静時の痛みはないことが多く、運動時の痛みや、腫れがみられる疾患です。 痛みの部位はアキレス腱がかかと踵の骨に付着している部分から頭側2~6cmがほとんどで、足関節を反らした際に腱が伸びることで痛みが増幅します。 アキレス腱炎の原因 アキレス腱炎の主な原因はスポーツに関連したものが多いです。例えば、自転車などでのオーバーユース(使いすぎ)や、不適切なランニングフォームで行ったランニングなどがあります。誤ったトレーニングによる負担の増加が主な原因です。 また、肉体労働による繰り返し作業で発症する可能性もあります。 上記に当てはまらず原因に心当たりがない場合は、別の病気あるいは合併症の可能性も考えられるため早めの受診が大切です。 アキレス腱炎の診断方法 アキレス腱炎を疑う場合は整形外科を受診しましょう。痛みの部位や症状、発症原因からある程度の診断は可能ですが、補助的に画像検査を行うことがあります。 レントゲン・エコー・MRIによる診断 レントゲン写真ではアキレス腱の内部に石灰化を認めることがあり、エコーではアキレス腱の肥厚と腱周囲の血流の増加を確認できる場合があります。 またMRIが診断に有用であり、アキレス腱の肥厚や、腱の炎症を反映して腱の内部や周囲の異常信号をしめす場合があります。 アキレス腱炎の治療と期間について 初期の治療は基本的に保存治療が行われ、症状が改善しない場合には手術を行うケースもあります。 この項目では、保存療法及び手術療法の内容・期間について詳細に解説します。 保存療法の場合 軽症の場合は全治3ヶ月程度かかります。 治療は整形外科で行うことが多く、以下の療法を用います。 局所安静 アイシング 鎮痛薬の服用や局所への注射 理学療法士によるリハビリ ストレッチングの指導・マッサージなど 局所の安静についてですが、痛みが強い場合には炎症度が高いため、松葉杖を使用するなどして痛い方の足を無理に使わない行動をします。 局所への注射は、アキレス腱と周囲の組織の癒着を剥離する筋膜リリースや炎症を抑えるステロイドの投与などが行われます。 また整骨院の通院についてもおこなっていただいて構いません。整骨院では電気治療や超音波治療・低周波治療器での治療・温める温熱療法などを行う場合があり、医師の指導のもと治療を受けるようにしてください。 手術療法の場合 保存治療をおこなっても6ヶ月以上痛みが続いて効果が実感できない場合など、保存療法での完治が難しい場合には手術治療の方法もあります。 手術では皮膚を切開して、炎症を起こしている腱の周囲の組織を部分的に切除します。さらに腱自体に異常がある場合には腱の部分切除を行い、腱の切除部分が多くなった場合には他の部位から腱を移植します。 病気の重症度によって治療内容が異なるため、治療費もさまざまです。詳しい治療費の見込みについては担当医師に確認してください。 押すと痛いアキレス腱炎の緩和方法 安静 痛み発症後2〜6週間程度の安静処置 ストレッチ 足関節を反らしてアキレス腱を伸ばす 運動療法 かかとを上げる動作によって筋力を強くする サポーター・インソールの使用 足関節が反りすぎないように制限・アキレス腱への負担を減らす お薬の使用 安静処置と並行して行い痛みを緩和させる 整体・整骨院などでの治療 マッサージやツボを刺激して痛みを軽減させる 押すと痛いアキレス腱炎の主な緩和方法は上記のとおりです。 具体的な内容は以下の関連記事で紹介しているので確認いただき、現在の症状状況にあわせて実施してみましょう。 アキレス腱炎についてよくある質問 この項目では、アキレス腱炎に関するよくある質問を紹介します。 アキレス腱炎で痛くなる場所はどこ? アキレス腱がかかとの骨に付着している部分から中枢側で腱自体に痛みがある病気を「アキレス腱炎(別名:アキレス腱周囲炎)」と言います。 アキレス腱とかかとの骨の境界部分の痛みは「アキレス腱付着部症」といい、治療方法が多少変わってきます。 アキレス腱炎に対する注射は効果がある? 炎症を抑える目的で腱内部や周囲にステロイドを注射する方法があります。しかし、腱の脆弱化や断裂を起こす可能性があるので複数回の注射は勧められません。 また、腱の周囲を剥離する目的でヒアルロン酸や生理食塩水などの注射を行う場合もあります。 しかし、病気の状態によってはご本人に適していないケースや、そもそも注射処置を行なっていない施設もあるので事前の確認が望ましいです。 アキレス腱炎に効果的なストレッチはなに? 下腿三頭筋や太ももの裏にあるハムストリングのストレッチは、治療・再発の予防に効果的です。 下腿三頭筋のストレッチは階段や足台などの段差があるところに痛い方の足の先をかけ、かかとをゆっくりと降ろしていきます。我慢できる程度の痛みの範囲で10〜15秒ほど伸ばすのを3回行い、これを朝・夕の1日2回実施してみてください。 夜にストレッチを実施する場合は、入浴後のなど身体が温まっている状態で行うのが効果的です。 まとめ|アキレス腱を押すと痛くなる前に適切なケアを心がけよう アキレス腱部の痛みはアキレス腱炎のほかに、アキレス腱付着部症と呼ばれるいう病気があります。どちらもオーバーユースや急な運動によって起こります。 また、アキレス腱炎を防ぐためにも適切な靴の選択・正しいフォームの維持・無理のない運動計画・そして運動前後のストレッチが重要です。痛みや異常を感じた場合は、早期に整形外科を受診し、専門的な診断と治療を受けましょう。
2023.04.21 -
- 足部、その他疾患
- 足部
足首を捻挫してしまうと歩くのも困難で、日常生活に支障をきたすこともあるため「早く治したい」と考える方も多いでしょう。 本記事では、捻挫を早く治す方法や自宅でできるセルフケアについて解説します。 捻挫による痛みは自宅でできる対処法やセルフケアもありますが、あくまで適切な治療を受けるまで応急処置なので、早めに医療機関を受診しましょう。 「捻挫の痛みを早く治したい」という方は、ぜひ自分にあった治療法を選択するための参考にしてください。 \捻挫を1日でも早く治すなら再生医療/ 捻挫を早く治す治療法として、先端医療である再生医療が注目されています。 再生医療とは、人間の持つ再生力を活用し、損傷した部位の再生・修復を促進する医療技術のことです。 患者さまの細胞や血液のみを使用し、拒絶反応やアレルギーのリスクが少ないため、幅広い方が治療をお受けいただけます。 当院リペアセルクリニックでは、捻挫を1日でも早く治したい方のために先端医療である再生医療による治療をご提供しています。 つらい捻挫の痛みを早く治したい方は、ぜひお気軽にご相談・お問い合わせください。 \無料相談・お問い合わせはこちらから/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) 捻挫を1日でも早く治す対処法 結論からいえば、捻挫をしたときにはPOLICEの概念での応急処置が有効です。 捻挫とは軟骨や関節包(かんせつほう)・靭帯が損傷している状態で、骨折や脱臼以外の関節のケガを指します。 この捻挫に対して有効と考えられている応急処置がPOLICEです。POLICEは6つの処置の頭文字を取った造語であり、スポーツ現場などで積極的におこなわれています。これからこのPOLICEについて詳しく解説しますので、ぜひチェックしてください。 なお、捻挫と靭帯損傷に関しては以下の記事でも詳しく対処方法をご紹介しています。気になる人はぜひこちらも合わせてご覧ください。 【関連記事】 足首を捻挫して歩けるけど痛い!すぐできる正しい対処法【腫れてる人要確認】 【医師監修】靭帯損傷とは|症状・原因・全治までの期間を現役医師が解説 RICE処置を行う 捻挫を早く治すための応急処置では、RICE処置が一般的な方法です。 Rest(安静) Ice(冷却) Compression(圧迫) Elevation(挙上) 受傷直後は、痛む場所を動かさないように安静に過ごすのが優先されます。 また、炎症を抑えるための冷却や患部の圧迫も重要です。 RICE処置の具体的な方法は、以下のとおりです。 Rest(安静) 痛みや腫れが悪化しないように、患部を動かさないように安静にする Ice(冷却) 受傷直後の炎症を抑えるために、氷嚢や氷を入れた袋などで患部を冷やす Compression(圧迫) 患部の腫れや内出血の増悪を予防するために、テーピングや包帯などで圧迫する Elevation(挙上) 腫れを軽減したり、出血を防ぐためためにも心臓よりも高い位置に挙げる 痛みや腫れなど症状に合わせた応急処置を行うことで、捻挫の悪化を防ぐことにつながり症状改善も早まることが期待できます。 RICE処置は、あくまで適切な治療を受けるまでの応急処置のため、医療機関で適切な治療を受けることが重要です。 「病院に行った方が良い症状なのかわからない」という方は、ぜひお電話で症状について教えてください。 ▼無料の電話相談はこちら >>今すぐ電話してみる 足首をストレッチする 肩幅に足を開いて立つ 右足にゆっくりと体重を乗せていく 胸の中心が右足の上まできたら、左足に体重を乗せていく 左右の足へ体重を繰り返し10往復ほど乗せていく ポイントは両肩を水平に保ったまま体重移動をしていくことです。 水平に保ったままの体重移動であれば足に過剰な負担がかかりにくくなります。 また、もし痛みがあるようであれば座った状態で足に体重を乗せる方法でもかまいません。足に体重を乗せられるようになれば捻挫も早く治りやすいので、ぜひためしてみてください。 1セット10往復、1日3セット程度を目安に実施すると良いですが、痛みが出るようであれば無理しないようにしましょう。 足の指をストレッチする タオルを用意して、タオルの上に足を乗せる 指でタオルを握り、タオルを手繰り寄せる 手繰り寄せたら元に戻し、10回繰り返す ポイントは足の指を大きく動かすことです。 また、手繰り寄せるときにつま先が浮いてしまう人が多いため、足の裏全体がタオルから離れないように注意してください。 1セット10回を1日3〜5セットを目安の実施がおすすめです。 足首のセルフケアを行う 足裏全体が床につくように椅子に座る 足首を反らし、つま先を床から浮かす ポイントは指を反らすのでなく、足首全体を動かすことです。 足首の力が弱い人は指の力に頼ってしまうので、指を動かしすぎないように注意してください。 また、足首がまっすぐでなく横にねじれながら動く人もいます。まっすぐ反らすことを意識して動かすと、捻挫に対してより効果的です。 1セット10回、1日3〜5回程度を目安の実施がおすすめです。 捻挫を早く治すための注意点 捻挫を早く治すためには、完治するまで飲酒と入浴は避けた方が良いです。 痛みが強い時や受傷直後は炎症が起きているため、血流を良くしてしまうと患部の状態が悪化する可能性があります。 損傷の程度にもよりますが、最低でも3日(72時間)は空けましょう。 また、捻挫の応急処置が完了したらすぐに医療機関を受診することが推奨されます。 病院であれば捻挫の重症度からアイシングをするべきかどうかや、適切な負荷量のアドバイスがもらえるなど適切な処置が可能です。 以下の記事で病院にいくべき基準を紹介しているため、ぜひ目を通してください。 捻挫を早く治す対処法に関してよくある質問 捻挫を早く治す対処法に関してよくある質問について紹介します。 捻挫とはどのような状態ですか? 関節に外力が加わって生じた怪我のうち、骨折と脱臼以外のものを指します。 X線で骨折、脱臼がないことを確認し、必要があればMRIを撮像します。 どうやって怪我をしたかも診断には重要です。 捻挫を早く治すには? まずは適切な診断が必要です。応急処置としてはRICE処置が推奨されます。 炎症が起きている間は消炎鎮痛薬なども併用し、過度な負担がかからないように注意してください。 受診するなら整形外科?整骨院? 正しく診断をつけるという意味でもX線やMRIでの検査を行える整形外科をおすすめします。 近くに整形外科がない、診察時間外の場合には整骨院でも良いでしょう。 自分で判断して自己流で治療をするのはよくありません。 捻挫を早く治すためには適切な対処法を実践することが重要 捻挫を早く治すためには適切な応急処置が大切です。応急処置にはRICE処置の考え方を中心に、捻挫した足首に負担がかからないように注意してください。 また、負担を避けるだけでなく適切な負荷をかけていくことも大切です。もし動かせるようであれば、本記事でご紹介したトレーニングを中心にゆっくりと動かしてみましょう。 とはいえどの程度動かして良いかわからない人も多いですよね。 そんなときには無理をせず、早めに整形外科を受診してください。病院を受診すればどの程度動かして良いか、適切なアドバイスをもらえるでしょう。 ちなみに当院リペアセルクリニックは、捻挫に対しても再生医療をおこなっています。 手術をすることなく治りにくい人体の修復が可能で、身体への負担も少ないおすすめの治療方法です。少しでも気になるという人は、メールでの相談もしくはオンラインカウンセリングが可能でお気軽にご相談ください。 この記事が捻挫でお困りの人に、少しでもお役に立てれば光栄です。
2023.04.14 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- 足部
- スポーツ外傷
「足首をひねって痛みが続く場合は病院に行ったほうが良い?」 「病院に行くべきか判断する目安はある?」 基本的に捻挫は軽い痛みであっても放置すべきではありません。適切な治療を行わないと、捻挫がクセになったり、後遺症を起こしたりするおそれがあるためです。 本記事では、捻挫の重症度をチェックする方法の他に以下について解説します。 3つのグレード分類 捻挫を放置するリスク 捻挫と間違えやすい3つの病気と見分け方 「捻挫だと思ったら骨折だった」ということもあります。足首を骨折しているかどうかを判断する方法も解説しているため、ぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。捻挫について気になることがある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 捻挫の重症度をチェック!3つのグレード分類 捻挫の重症度は3つのグレードによって分類されています。 例えば、足首の場合は以下のように分類されます。 分類 詳細 グレード1 ・靭帯が伸びきった状態 ・軽度の痛みと腫れがある ・関節は問題なく動かすことができぐらつきもない状態 グレード2 ・靭帯の一部が断裂している状態 ・やや強い痛みと腫れがあり圧迫すると痛みを伴う グレード3 ・靭帯が完全に断裂している状態 ・激しい痛みと腫れがある ・関節にぐらつきがあり歩くことは難しい 軽度の捻挫は「靭帯損傷」のことで、重症の捻挫は「靭帯断裂」を指します。捻挫がクセになっている方は、靭帯断裂が起きているおそれがあります。 なお、靭帯損傷の原因や治療法については、以下の記事が参考になります。 足首や手首の捻挫の重症度のチェック方法と病院に行く目安 捻挫の重症度をチェックする際のポイントは以下の通りです。 捻挫の種類 チェックすべきポイント 足首の捻挫 圧痛(圧迫した際に痛みを感じること)の有無などを確認する 手首の捻挫 動作時の痛みや違和感、腫れなどを確認する 指の捻挫(突き指) 曲げ伸ばし時の痛みや腫れなどを確認する 以下では、重症度のチェック方法と病院に行くべき目安を詳しく解説します。 足首の捻挫|圧痛の有無などを確認する 足首の捻挫をした際は、以下の項目を参考にして重症度をチェックします。 分類 詳細 軽度 ・軽い痛みと腫れがあるが足首は問題なく動かせる ・圧痛はない 中等度 ・やや強い痛みと腫れがあり、足首は動かしにくく不安定である ・圧痛がある 重度 ・激しい痛みと腫れがあり歩くことは難しい ・圧痛がある 圧痛がある場合は、中等度以上の捻挫であると覚えておきましょう。軽い痛みである場合は2〜3日様子を見ても良いですが、捻挫の経験や足首に違和感がある方、または高齢の方は医療機関への受診を推奨します。(文献1) 手首の捻挫|動作時の痛みや違和感、腫れなどを確認する 手首の捻挫は、動作時の痛みや違和感、腫れなどで重症度をチェックします。 以下の表を参考にして重症度をチェックしてください。 重症度 チェック項目 軽度 曲げ伸ばし、ひねるなどの動作をすると痛みや違和感がある 中等度 負傷した部分が腫れており、少しでも動かすと痛みや違和感がある 重症 負傷した部分を動かさなくても痛みがある、または熱を持っている 手首の捻挫は骨折と見分けることが難しいです。激しい痛みや明らかな腫れ、熱っぽさがある場合は骨折を疑ってください。軽い痛みであっても長期間痛みが引かない場合は医療機関を受診しましょう。 指の捻挫(突き指)|曲げ伸ばし時の痛みや腫れなどを確認する 指の捻挫は、曲げ伸ばし時の痛みや腫れなどで重症度をチェックします。 以下の表を参考にして重症度をチェックしてください。 重症度 チェック項目 軽度 ・痛みや腫れ、違和感がある ・曲げ伸ばしはできる 中等度から重度 ・明らかな痛みや腫れが一週間以上続き、曲げ伸ばしも困難である ・指が変形しているように見える 中等度から重度の症状が現れている場合は、指の腱の損傷または骨折の疑いがあります。放置しないで速やかに医療機関を受診してください。 足首や手首の捻挫を放置するリスク 足首や手首の捻挫を治療しないで放置すると、以下のようなリスクが高まります。 捻挫を繰り返しやすくなる 後遺症が発生する 痛みが長引く とくに捻挫を繰り返しやすくなることはさまざまなリスクを高めます。例えば、足関節の捻挫を繰り返すと、姿勢を保つ能力や足関節の周囲の筋力低下などをまねき、関節のぐらつきが残ってしまいます。また、捻挫を繰り返すということは、その数だけ後遺症を発生させるリスクも高まるということです。 足関節の捻挫の後遺症には、関節のぐらつきだけでなく、痛みや筋力低下、腫れ、関節の可動域が狭くなるなどが挙げられます。これらのリスクや後遺症を避けるためにも、捻挫は放置しないで適切に治療しなければなりません。 足首や手首の捻挫と間違えやすい3つのケガ|見分け方を解説 足首や手首の捻挫と間違えやすい3つのケガは以下の通りです。 骨折 脱臼 関節軟骨損傷 以下では、捻挫と見分けるために症状を中心に詳しく解説します。 1.骨折 骨折とは「骨が折れている」または「ヒビが入っている」状態のことです。骨折は重度の捻挫の症状と似ているため、捻挫と間違えやすい傾向です。 骨折すると多くの場合には、患部(ケガをした部位)に痛みや腫れ、熱っぽさ、圧痛が現れます。神経が傷ついている場合は、しびれが現れることもあります。 足首を骨折しているか判断する方法として役立つのが、以下のオタワアンクルルールです。 オタワアンクルルールの5項目 外くるぶしより6cmまでの中心線に圧痛がある 内くるぶしより6cmまでの中心線に圧痛がある 小指側の中心付近にある骨の出っ張り辺りに圧痛がある 足の甲の中心辺りに圧痛がある ケガをした側で4歩以上歩けないまたは体重をかけられない 骨折している足首や手首を動かしてしまうと、悪化するおそれがあります。疑われる症状が現れている場合は、速やかに医療機関を受診してください。 2.脱臼 脱臼とは骨が本来ある場所からずれてしまうことです。足首や手首を強くひねったり、大きな力がかかったりすると起きることがあります。 例えば、足首や手首を脱臼していると以下のような症状が現れます。 脱臼の症状 足首 ・外くるぶしに痛みや腫れが現れる ・歩行が難しくなる 手首 ・手首と手に痛みや腫れが現れる ・手首付近にゆがみが生じる ・骨が手の神経や血管を圧迫すると痺れやチクチクした痛みが現れる 脱臼は適切に治療しないと、再脱臼しやすくなったり、関節の炎症などの合併症を起こしたりします。自力で骨を戻そうとはせず、医療機関を受診して適切な治療を受けてください。 3.関節軟骨損傷 関節軟骨損傷とは、外傷などにより捻挫や脱臼、骨折などをした際に生じる場合があります。症状は損傷した部位や程度によって異なります。 一般的な症状は以下の通りです。 患部の痛み 関節の曲げ伸ばしができない 関節に水が溜まる 小さな損傷の場合は安静時に痛みは現れず、動作時に軽い痛みや違和感が現れます。しばらくすると症状は消えるため、放置してしまうリスクがあります。 関節軟骨は一度損傷すると自然に再生することは困難です。損傷が広がると変形性関節症(関節が変形する病気)を引き起こすリスクがあるため、痛みは放置せずに適切な治療を受けましょう。 まとめ|捻挫の重症度をチェックして病院に行くべきか正しく判断しよう 足首や手首を捻挫した場合、軽い痛みであっても数日続く場合は、医療機関の受診を推奨します。捻挫は適切に治療をしないと、関節のぐらつきや痛み、腫れ、可動域が狭くなるなどの後遺症を起こすおそれがあります。 とくに、捻挫経験はあるが治療を受けていない方や高齢の方は、後遺症のリスクが高まるため放置してはいけません。激しい痛みや腫れ、違和感、患部を動かせないなどの症状がある場合は、靭帯断裂や骨折の疑いがあります。RICEの処置後に速やかに医療機関を受診してください。 捻挫の治療には再生医療の選択肢もあります。当院の公式LINEでは、再生医療の情報提供や症例紹介、簡易オンライン診断を実施しております。捻挫について気になる症状がある方は、ぜひチェックしてみてください。 捻挫の重症度チェックについてよくある質問 捻挫をしたあとはどのように対応すれば良い? 捻挫直後は、以下のRICEの処置を行います。 RICE 目的・手順 Rest(安静) 患部の腫れや血管・神経の損傷を防ぐことが目的。固定具やテーピングで患部を固定する。 Ice(冷却) 患部の腫れや細胞の損傷を抑制するのが目的。アイスバックや氷のうで患部を15〜20分冷やし、感覚がなくなったら外す。痛みがあれば繰り返す。 Compression(圧迫) 患部の内出血や腫れを防ぐのが目的。テーピングパッドやスポンジを腫れの予想がされる部位に当て、テーピングなどで軽く圧迫して固定する。 Elevation(挙上) 腫れの抑制および軽減が目的。台などを用いて患部を心臓よりも上に挙上する。 RICEの処置を実施すると二次的な損傷や内出血、腫れを抑えることができます。また、この段階では、保温やマッサージをしないでください。RICEの処置後は、医療機関を受診して適切な治療を受けてください。 捻挫の痛みが長期間続く場合は問題ない? 捻挫後痛みが続く場合は、靭帯断裂や骨折、軟骨損傷などが起きているおそれがあります。放置すると、治療期間が長引いたり、後遺症が発生するリスクが高まります。医療機関を受診して適切な治療を受けてください。 足首の捻挫時に音が鳴ったけど放置しても良い? 受傷時に「ブチッ」「ボキッ」と音が鳴った場合は、靭帯断裂や骨折が起きているおそれがあります。受傷後に「ゴリゴリ」と音がする場合は、骨折した骨同士がぶつかっている場合があります。速やかに医療機関を受診して治療を受けてください。 参考文献 (文献1) すぐに役立つくらしの健康情報|メディカルライフ教育出版
2023.04.03 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- 足部
- スポーツ外傷
「足をひねっちゃったけど、なんとか歩ける…」 「病院に行くべき?それとも様子見でいいの?」 足をひねった・捻挫したにもかかわらず、痛みを我慢して歩ける程度だから病院に行くかどうか迷っていませんか。 本記事では、歩けるけど痛い程度の捻挫に対する正しい対処法について詳しく解説します。 結論、歩けるからといって放置したり無理に動かしたりすれば、痛みの悪化や再発を招く可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。 さらに、「捻挫を早く治したい」「再発を防ぎたい」という方は、近年注目されている「再生医療」という選択肢も検討してみてください。 \捻挫の早期改善に期待される「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 捻挫の痛みを早く治したい 「再発しやすくなる」などの後遺症を残したくない 症状が悪化して日常生活に影響が出ないか不安 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、捻挫(靭帯損傷)に対する再生医療について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは捻挫治療について無料相談! 捻挫で歩けるけど痛いときの対処法【現役医師が解説】 捻挫で歩ける場合でも、何もせずに放置すると痛みや腫れの症状が悪化したり、捻挫の再発につながったりします。 怪我をしてすぐの対処法として「RICE処置」をしましょう。RICE処置により、捻挫の直後に生じる炎症を抑えて、痛みや腫れ、出血を軽減できます。 具体的な手順は、以下のとおりです。 足首に体重がかからないように座ったり、横になったりして安静にする アイスパックなどで冷やして、包帯やテーピングで圧迫する 台などで心臓より足を高くあげるようにして、出血で足首にたまった血液を心臓に戻す RICE処置は、捻挫後に適切な治療を受けるまでの応急処置として有効ですが、捻挫を根本的に治すものではありません。 痛くても歩けるからといって放置せずに、医療機関を受診しましょう。 また、捻挫の早期改善を目指すなら、自己細胞を用いて炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す「再生医療」をご検討ください。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 捻挫の痛みを早く治したい 「再発しやすくなる」などの後遺症を残したくない 症状が悪化して日常生活に影響が出ないか不安 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、捻挫(靭帯損傷)に対する再生医療について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは捻挫治療について無料相談! ▼捻挫を早く治したい人は下記の記事もご覧ください。 捻挫を治療する2つの保存療法 捻挫の治療には、手術と手術をしない保存療法があります。手術をするのは重症の場合や、スポーツ選手で活動性の高い場合です。 痛みがあるものの歩ける捻挫の場合は、以下2つの保存療法で治療を進めます。 損傷の重症度や経過に応じて固定 再発を防止する運動療法 具体的な治療方法を知り、積極的に取り組みましょう。 損傷の重症度や経過に応じて固定 RICE処置などの初期治療後には、重症度に応じて固定を行い、靱帯の修復を図るのが大切です。 固定には次のような方法があります。 【初期治療】 損傷が軽度の場合:装具やテーピングによる固定 損傷が重度または複数の靱帯が損傷している場合:ギプスによる固定 軽度の場合は、1週間程度ギプスや装具による固定をしたあと、3週間程度テーピングで固定します。 重症の場合は、3〜6週間のギプス固定が必要です。 再発を防止する運動療法 足首の捻挫は、ほとんどの場合で内側に向かってひねることで起こる内反捻挫です。 内反捻挫の場合、再発を予防するために、足首を外にひねる作用のある腓骨筋(ひこつきん)という筋肉を鍛えるのが効果的です。 チューブを使った以下のようなトレーニングを実施しましょう。 【再発防止トレーニング】 両足をくっつけてチューブで縛る かかとを離さず、小指側をあげるような意識で、つま先を外に開く また、タオルを足のつま先に引っ掛けた状態で、タオルの両端を両手にもって引っ張るように伸ばす、足首の柔軟性を高めるストレッチも有効です。 トレーニングやストレッチを行い、内側に足首をひねらないようにするための筋力や柔軟性を保つようにしましょう。 また、捻挫の治療や再発予防には運動療法以外にも、早期改善を目指せる「再生医療」が注目されています。 \捻挫の早期改善に期待される「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 捻挫の痛みを早く治したい 「再発しやすくなる」などの後遺症を残したくない 症状が悪化して日常生活に影響が出ないか不安 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、捻挫(靭帯損傷)に対する再生医療について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは捻挫治療について無料相談! 捻挫とは?足首をひねって靭帯などが損傷する怪我【症状も解説】 捻挫とは、関節が無理な範囲に強制的に動いてしまうことで、靱帯(じんたい)や関節包(かんせつほう:関節を包む膜)が損傷してしまう怪我です。 足首の捻挫は、足を内側に無理にひねって外側の靭帯を損傷することが多いです。 足首の外側には以下の3つの靱帯があります。 【足首の靭帯】 前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい) 後距腓靱帯(こうきょひじんたい) 踵腓靭帯(しょうひじんたい) この中で、最も多く損傷するのが前距腓靱帯で、後距腓靱帯の損傷はまれです。1つではなく、複数の靱帯が同時に損傷する場合もあります。 捻挫の程度は、靱帯の損傷具合によって次の3つに分けられます。 【捻挫の程度】 1度捻挫:靱帯の損傷がなく、無理に伸ばされた状態 2度捻挫:靱帯が部分的に切れている状態 3度捻挫:靱帯が完全に切れた状態 靱帯の損傷がひどい場合は、靱帯による関節の固定力が弱まり、関節が不安定になってしまいます。その結果、捻挫を再発しやすくなるため注意が必要です。 症状は、捻挫の程度によって異なります。 主な症状は、損傷した部分の腫れや痛みです。痛みは損傷部位を指で押さえたときにみられる圧痛(あっつう)があります。 怪我したときと同じように、内側に足首をひねった動きを再現すると痛みがあります。損傷による内出血が生じていたり、熱をもっていたりするのも症状の1つです。 なお、靭帯損傷の原因や治療法については、以下の記事が参考になります。 捻挫の重症度をセルフチェックする方法 歩ける程度の痛みでもすぐに医療機関を受診すべきかどうか、捻挫の重症度をセルフチェックできます。 判断がむずかしい場合や、当てはまる項目がなくても心配な場合は専門医に相談するのが望ましいです。 また、捻挫が疑われる方で早期改善を目指したい方は、先端医療である「再生医療」をご検討ください。 当院リペアセルクリニックでは、捻挫(靭帯損傷)に対する再生医療について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する ▼捻挫で病院に行くべき目安を詳しく知りたい人は下記の記事もご覧ください。 まとめ|捻挫したときは正しい対処法を行い早めに受診しよう 捻挫して歩ける場合でも痛みがあるときは、テーピングやサポーターで足首を固定し、損傷した靭帯に負担をかけないことが大切です。 適切に対応することで捻挫の悪化を防ぎ、再発予防にもつながります。 歩けるからといって捻挫を軽視せず、医療機関を受診して適切な対処や治療を受けることが重要です。 また「捻挫を少しでも早く治したい」「再発を防ぎたい」という方に「再生医療」という選択肢が注目されています。 \捻挫の早期改善に期待される「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 捻挫の痛みを早く治したい 「再発しやすくなる」などの後遺症を残したくない 症状が悪化して日常生活に影響が出ないか不安 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、捻挫(靭帯損傷)に対する再生医療について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは捻挫治療について無料相談! 捻挫して歩けるけど痛いときによくある質問 最後に、捻挫して歩けるけど痛いときによくある質問に回答していきます。 Q.足首や足の甲が腫れていて歩けるけど痛いと感じる場合は捻挫ですか? Q.腫れていないけど痛いときは捻挫ですか? Q.捻挫はおよそ何日で治りますか? Q.膝をひねったのですが、これは捻挫ですか? 以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。 Q.足首や足の甲が腫れていて歩けるけど痛いと感じる場合は捻挫ですか? A.捻挫の可能性があります。 捻挫の場合、足首の外側の腫れが最も一般的です。 軽度の場合は歩けることもありますので、心配な場合は整形外科を受診しましょう。 Q.腫れていないけど痛いときは捻挫ですか? A.捻挫の可能性があります。 捻挫で腫れるのは、傷ついた関節部分に内出血や炎症が起きるためです。 特に軽い捻挫の場合は血管や組織の損傷が少なく、腫れないケースがあります。 Q.捻挫はおよそ何日で治りますか? A.重症度によって異なりますが、軽度の捻挫であれば1週間~10日ほどで治ります。 中等度なら2週間、重度なら治るのに3週間ほどかかります。 歩けるけど痛い場合は軽度~中等度と考えられますが、いずれも適切に処置し、3週間程度は捻挫部位を固定することが大切です。 捻挫を少しでも早く治したい方は、早期改善を目指せる「再生医療」をご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促し、捻挫の早期改善が期待できる治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、捻挫(靭帯損傷)に対する再生医療について無料カウンセリングを実施しております。お気軽にご相談ください。 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する Q.膝をひねったのですが、これは捻挫ですか? A.膝をひねった場合も捻挫です。 捻挫は、関節のある場所なら起こります。膝はもちろん、突き指も捻挫の一種です。 ▼膝を捻挫したときの症状を詳しく知りたい人は下記の記事もご覧ください。
2023.03.13 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- 足部
- スポーツ外傷
「ジョーンズ骨折」と呼ばれる怪我に聞き馴染みがない方も多いのではないでしょうか。しかし、ジョーンズ骨折は意外にもアスリートがよく発症するケガです。 とくに高い負荷がかかる競技において、ジョーンズ骨折は珍しいものではありません。サッカーやバスケットボール、ラグビーなど、急な方向転換や激しい接触を伴うスポーツをしている場合は注意が必要です。 本記事では、ジョーンズ骨折の原因と治療法から、予防法やテーピングのやり方まで詳しく解説します。アスリートだけではなく、日常的に運動をする方や足に負担をかける仕事をしている方は、ぜひご参考にしてください。 ジョーンズ骨折とは ジョーンズ(Jones)骨折とは、第5中足骨の踵寄り(第5中足骨基部)に起こる骨折のことで、骨癒合しにくく、治るのに時間がかかる骨折の一つです。第5中足骨基部に起こる骨折は、以下の3つがあります。 基部裂離骨折 ジョーンズ骨折 骨幹部疲労骨折 いずれも見分けるのが難しいため、まとめてジョーンズ骨折と呼ぶこともあります。 原因|主にスポーツ外傷による骨折 ジョーンズ骨折は、特定のスポーツ動作で頻発する骨折です。 その動作とは、ストップやターンなどの速い動作の切り返しです。ストップやターン(切り返し)によって、急激に第5中足骨に負荷がかかると骨折してしまいます。 しかし、これらの動作だけが骨折の原因ではありません。ほかにも以下のようなあらゆる要素が重なって引き起こされると考えられます。 トレーニング過多による第5中足骨への疲労の蓄積 硬い地面による問題(人工芝、アスファルトなど) 下肢のアライメント異常(足の外側に体重が乗りやすいなど) スパイクのポイントの位置 第5中足骨基部への血流不足 第5中足骨基部への靭帯や腱の付着 つまり、ストップやターンは、最後の引き金に過ぎません。 症状|歩行や運動時の痛み ジョーンズ骨折の症状は骨折の程度によって大きく変わります。発症初期の不全骨折(ヒビ)であれば、運動中に少し痛みを感じる程度で、骨折部分を強く押すとズキっと痛む場合があります。 しかし、そのまま運動を継続すると、徐々に痛みが増していき、歩くのもままならない状態になりかねません。この場合、骨折部の状態は悪化していることが多く、完全骨折となっている可能性も考えられます。 また、捻ったり、ストップやターンの切り返しによって完全骨折となるケースも少なくありません。 ▼ ジョーンズ骨折の症状やついて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 診断|レントゲンやエコー検査 ジョーンズ骨折は、レントゲン画像による診断が可能です。レントゲン撮影は、一方向だけではなく、角度を変えて複数方向からの撮影が有効となります。 しかし、初期の不全骨折の場合はレントゲン画像での判断が難しい場合があるため、必要に応じてMRIや超音波検査も実施します。 ジョーンズ骨折に有効な治療方法 ジョーンズ骨折は、ほかの骨折に比べて骨癒合が得にくい(遷延治癒:せんえんちゆ、偽関節など)とされているケガです。また、骨癒合が得られたとしても再骨折のリスクが高い骨折だといわれています。 そのため、一人ひとりの状況を考慮し、慎重に治療方法を選択する必要があります。 手術療法 激しいスポーツ動作を繰り返すアスリートには、手術療法がおすすめです。早期復帰や再骨折のリスクを減らす効果が期待できるためです。 手術方法は比較的シンプルで、一般的には第5中足骨に対しスクリューを埋め込む「髄内固定術」で行われます。 手術療法は、治療成績も良好で保存療法に比べて再発のリスクが低いことが特徴です。しかし、スクリューの位置を誤ったり、復帰が早過ぎたりした場合には、癒合不良や偽関節を引き起こす可能性もゼロではありません。 手術費用や復帰までの期間などの目安は以下の通りです。 手術費用・入院費用:10〜15万円 入院期間:3日〜2週間 スポーツ復帰目安:2〜3カ月 ※手術・入院費用、入院期間はあくまで目安です。医療機関ごとに違いがあります。 手術後は、医師や看護師、リハビリスタッフの指導に従って過ごすことが大切です。 保存療法 手術療法に抵抗がある方や、なんらかの理由で手術療法が難しい方は保存療法を選択します。 保存療法の場合は、骨が癒合していない状態で無理をしないことが重要です。とくに初期の段階では、骨癒合を第一に考え、骨折部分に体重をかけないようにします。その間に、骨癒合を促進させるような超音波治療器を用いる場合もあります。 骨癒合にかかる期間は個人差がありますが、少なくとも3〜4週間はかかるでしょう。レントゲン画像にて骨癒合が認められたら、少しずつ体重をかけていくことがポイントです。 なお、歩くときに行う踏み返し動作は骨折部に負荷がかかりやすいため注意が必要です。歩行を慎重に進めていき問題なくできるようになったら、少しずつ強度を上げてスポーツの動きを取り入れていきます。 ジョーンズ骨折にテーピングは有効?巻き方のポイント ジョーンズ骨折がまだ完全に治っていない状態でのテーピングは、あまり効果を期待できません。しかし、骨折がしっかり治り、スポーツに復帰する段階でのテーピングは、一定の効果を発揮します。 ジョーンズ骨折のテーピングの巻き方のコツは、足のアーチをサポートすることと、足の外側の補強をすることです。 足首の捻挫のテーピングと似ているところもありますが、そこにプラスして足底部にアーチをサポートするテーピングを巻くとより効果的です。 ジョーンズ骨折のテーピングは、その人の足の使い方によって巻き方が変わります。まずは、専門家に足の使い方をみてもらい、自分に合った巻き方を教えてもらうようにしましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。テーピングを始めるタイミングや巻き方についてお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 ジョーンズ骨折後にスポーツ復帰する流れ ジョーンズ骨折は再発しやすいため、状態を見極めて段階的にスポーツ復帰する必要があります。 骨癒合まで運動を我慢していたのに、復帰を焦ってしまって再骨折してしまう例も少なくありません。際骨折を防ぐためにも、スポーツの復帰には万全を期す必要があります。ジョーンズ骨折後にスポーツ復帰する流れの例は、下記の通りです。 1.その場でできるスクワットやカーフレイズ(爪先立ち)の運動 2.ランジや片脚スクワット、片脚カーフレイズで片側に体重をかけて行う運動 3.軽いジョギング 4.徐々にスピードを上げたランニングやダッシュ 5.ストップやターン動作の練習 6.ジャンプ動作の練習 7.各スポーツの練習を徐々に復帰 8.競技に完全復帰 上記のような流れを参考に、痛みや違和感が出たら前のメニューに戻るようにしながら、スポーツ復帰を目指します。 ジョーンズ骨折の予防にはサポーターの使用がおすすめ ジョーンズ骨折の再発予防には、足首の捻りを防止するサポーターやアーチを形成するためのインソールなどの使用が十分な効果を発揮します。 とくに、インソールは骨折部の負担を減らす効果が期待できるため、よりおすすめの予防方法です。 再発予防のためのサポーター選び ジョーンズ骨折に有効なのが、左右方向に強いサポーターです。足の力が横の動きに弱いと骨にかかる負担が増えてしまうため、横のぐらつきを押さえるようなサポーターが推奨されます。 注意点として、第5中足骨基部のあたりが厚くなっているサポーターの場合は、体重をかけた際に圧迫し過ぎて痛みを誘発する可能性があります。そのため、装着したときの圧迫具合や患部への当たりを確認した上で、適切なサポーターを選ぶ必要があります。 再発予防のためのインソール選び インソールの調整は、ジョーンズ骨折の再発防止のために非常に有効で、必須ともいえる手段です。 足の内側と外側にある縦アーチと横アーチをサポートしてくれるようなインソールを入れることで、足の機能が上がり負担がかかりにくくなります。 インソールは市販のものもありますが、専門の義肢装具士が作成しているオーダーメイドのインソールの使用がおすすめです。自分の足の型に合わせてインソールを作成するため、より高い効果が期待できます。 ▼ ジョーンズ骨折の予防法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 まとめ・ジョーンズ骨折の回復期には適切にテーピングしよう ジョーンズ骨折は再発しやすく、初期の対応や治療開始から復帰までのプランニングが非常に難しいケガです。そのため、焦らず骨の癒合状態を確認しながら、段階的に治療に取り組むことが重要です。 また、回復期には適切なテーピングが重要な役割を果たします。テーピングを用いることで、再発のリスクを減らし、足の安定性を高められます。ただし、間違った方法でテーピングを施すと逆効果になる場合もあるため注意が必要です。 ジョーンズ骨折をしてしまった際は、専門の医師やリハビリスタッフのアドバイスを聞きながら、安全に復帰までの道のりを歩んでいきましょう。 ジョーンズ骨折の治療に関するよくある質問 ここでは、ジョーンズ骨折の治療に関するよくある質問をまとめました。 ジョーンズ骨折は自然に治りますか? ジョーンズ骨折は、自然に治ることもありますが、癒合不全や変形癒合などの合併症につながる危険性があります。そのため、自己判断はおすすめできません。また、再骨折を防ぐためにも、痛みの程度だけではなく、骨が問題なく癒合しているか確認してから運動を再開する必要があります。 ジョーンズ骨折が疑われる場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、医師の指示に従って経過を見守りましょう。 テーピングはどのようなものを使用すると良い? ジョーンズ骨折の再発を予防するためには、伸縮性のあるテーピングの使用が効果的です。伸縮性が高いスポーツ用のテーピングは、骨折しやすい部位を保護しつつ、足の柔軟性を保つために適しています。 また、はがれにくくするため、テーピングの角を丸く切って使用するのもポイントです。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。テーピングの選び方や使用方法で迷うことがあれば、ぜひ気軽にご相談ください。
2023.03.06 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- 足部
- スポーツ外傷
「歩くと足の側面・外側が痛いのはなぜ?」 「なんらかの怪我や病気?」 歩くと足の側面・外側が痛い場合、なんらかの怪我や病気が起きているおそれがあります。怪我や病気の場合は、適切な治療をしないと回復の遅れや合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。 本記事では、歩くと足の側面・外側が痛い原因をはじめとして、以下を解説します。 痛みを放置するリスク 痛みの治し方 痛みを起こす怪我の予防法 放置した場合の合併症の一例も解説しています。原因となる怪我や病気の理解を深めるために役立ててください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 長引く足の外側の痛みなどでお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 歩くと足の側面・外側が痛い原因 歩くと足の側面・外側が痛い原因として考えられるのは、以下のような外傷や病気です。 ジョーンズ骨折 中足骨基底部骨折(ちゅうそくこつきていぶこっせつ) 腓骨筋腱炎(ひこつきんけんえん) 腓骨筋腱脱臼(ひこつきんけんだっきゅう) 足関節外側靭帯損傷(そくかんせつがいそくじんたいそんしょう) それぞれについて詳しく解説します。 ジョーンズ骨折 ジョーンズ骨折とは、足の小指側にある細長い骨の付け根のすぐ先、骨が細くなり始める部分の骨折のことです。ジョーンズ骨折は、素早い動作を繰り返すことが多い、サッカーやバスケットボール、ラクビーなどのスポーツで発生しやすいです。 ジョーンズ骨折を発症すると、足の外側に痛みが現れることがあります。完全に骨折していない場合は、プレーができないほどの痛みではありません。しかし、完全に骨折すると、痛みが強くなり歩けなくなることもあります。 保存療法では再発のリスクが残るため、早期のスポーツ復帰を望む場合は、手術が推奨されることがあります。 中足骨基底部骨折(下駄骨折) 中足骨基底部骨折とは、足の小指側にある細長い骨の付け根の骨折のことです。下駄骨折とも呼ばれています。強く捻挫をした際などに発症する場合があります。 主な症状は足の外側に現れる痛みです。足をついて歩けないほどの痛みや腫れ、内出血が現れます。 発症初期であれば、スポーツなどの運動を制限すれば治癒が見込まれます。放置すると悪化して回復が遅れるリスクがあるため、早期受診による治療が重要です。 腓骨筋腱炎 腓骨筋腱炎とは、主に外くるぶしの付近にある腱に炎症が起きる病気です。スポーツによる負荷が発症の原因と考えられており、とくにランニングやジャンプを伴うスポーツで発症しやすいです。 発症すると、外くるぶし付近に強い痛みが現れます。安静時は痛みが現れにくいため、放置されることが多いです。 また、赤みや熱感などの炎症症状は現れにくい一方で、冷えの症状が現れることがあります。治療方法としては、安静の保持が基本です。 腓骨筋腱脱臼 腓骨筋腱脱臼とは、足首の後ろを通っている腓骨筋腱という腱が、外くるぶしの骨の上に乗り上げる外傷です。 スポーツ中に急激な方向転換をした際に発症する場合が多いです。発症した際は「コリッ」と何かが抜けた感触が現れます。 主な症状は以下の通りです。 外くるぶしの痛みや腫れ 足の不安定感や脱力感 初回の脱臼の場合は、ギプス固定による治療を行います。 足関節外側靭帯損傷 足関節外側靭帯損傷とは、足首を内側にひねった際に外側の靱帯が伸びたり切れたりする外傷です。スポーツにより発症する場合が多いです。 「ただの捻挫」として放置されることがありますが、適切な治療を受けないと回復の遅れや後遺症が発生するリスクがあるため注意してください。 発症直後はRICE処置による応急対応が重要です。痛みの具合を考慮しながら徐々に運動を再開していきます。 RICE処置の手順について詳しくは、以下の記事をご覧ください。 歩くと現れる足の側面・外側の痛みを放置するリスク 歩くと現れる足の側面・外側の痛みを放置すると、以下のように外傷や病気に応じた合併症や後遺症が発生するおそれがあります。 病名 起こりうる合併症 ジョーンズ骨折 ・偽関節(ぎかんせつ:正常に骨がくっついていない状態) ・変形癒合(へんけいゆごう:骨がずれてくっついた状態) 中足骨基底部骨折 腓骨筋腱脱臼 ・反復性脱臼(腱の脱臼がクセになる) ・痛みの長期化 足関節外側靭帯損傷 ・足関節の不安定感 ・痛みの長期化 足の側面・外側の痛みが長引くまたは悪化している方は、速やかに医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。 歩くと現れる足の側面・外側の痛みの治し方 歩くと現れる足の側面・外側の痛みを治すには、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。 原因別の主な治療方針は、以下の通りです。 病名 治療方針 ジョーンズ骨折 ・保存療法が原則であるが再発のリスクがある ・スポーツ復帰を望むアスリートには手術療法が推奨される 中足骨基底部骨折 ・ギプスによる固定で治癒できることが多い ・骨のズレが大きい場合はワイヤー等で固定する手術を行う 腓骨筋腱炎 ・痛みを軽減する湿布や塗り薬を活用した安静が基本となる ・鍼灸施術により痛みや冷えが改善したとの報告もある(文献1) 腓骨筋腱脱臼 ・初回の脱臼の場合は、4〜6週間のギプス固定による治療を行う(文献2) ・脱臼が癖になっている場合は手術を検討する 足関節外側靭帯損傷 ・専用の固定具(シーネ)と松葉杖による保存療法を行う ・運動機能を改善するために早期にリハビリテーションを始める 後遺症に対する再生医療 スポーツ外傷の治療には再生医療という選択肢があります。再生医療とは、自己の細胞を損傷している部位に注入して、身体が本来持つ自然治癒力を活かす治療方法です。 具体的な治療方法は以下の通りです。 再生医療の種類 詳細 幹細胞治療 (かんさいぼうちりょう) 組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療方法 PRP療法 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療方法 再生医療には手術や入院の必要がないメリットもあります。スポーツ外傷に対する再生医療について詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。 歩くと痛む足の側面・外側のケガの予防法 足の側面・外側のケガを予防するには、以下のような方法があります。 運動や練習の質と量を調整する 下肢の筋力と柔軟性を保つ 足に合ったシューズやインソールを活用する それぞれの予防法について詳しく解説します。 運動や練習の質と量を調整する 足の怪我の予防において運動や練習の質と量の改善は重要です。 例えば、ジョーンズ骨折においては以下のことに注意します。 足の外側への過度な負担を軽減するためにフォームや体の使い方を見直す 硬いグラウンドでは練習をしすぎない 練習前に下肢のストレッチを行う スポーツにおいては、チーム全体におけるストレッチやトレーニングの管理が重要です。 下肢の筋力と柔軟性を保つ 下肢の怪我予防においては、練習前のストレッチだけでなく、練習後のストレッチや日々の筋力トレーニングも重要です。 下肢の怪我予防に効果的なストレッチと筋力トレーニングの一例は以下の通りです。 足底ストレッチ 1.ゴルフボールなどを用意する 2.足底でボールを転がして足の筋肉をほぐす タオルギャザー 1.立位になり足の下にフェイスタオルを敷く 2.足の指の力だけを使ってタオルを手前に引き寄せる タオルギャザーのポイントは、かかとを固定したまま指でできるだけ大きく動かすことです。 足に合ったシューズやインソールを活用する 足の怪我を予防するには、自分の足に合ったシューズやインソールを活用するのが重要です。 シューズの選び方のポイントは以下の通りです。 足にフィットしている 衝撃の吸収性が良い かかと部分が硬く安定性が良い スパイクシューズにおいては、食い込みが良すぎると怪我が多いという考えがあります。とくにジョーンズ骨折の既往歴がある方は、先の丸いスパイクシューズが推奨されています。 インソールにおいては、シューズの中で足が滑らないように一体感を上げるための活用が重要です。 まとめ|足の側面・外側の痛みが長引く場合は医療機関を受診しよう 歩くと現れる足の側面・外側の痛みは、ジョーンズ骨折や下駄骨折などのおそれがあります。放置すると回復の遅れや後遺症が発生するリスクがあるため注意が必要です。 治療方針は原因によって異なりますが、場合によっては手術が推奨されることもあるため、適切な診断を受けなければなりません。予防するには、練習の質と量の調整、下肢の筋力と柔軟性の維持・向上が必要です。 自分の足にフィットしたシューズやインソールの選択も重要です。足の側面・外側の痛みが長引くまたは悪化している場合は、医療機関の受診を検討してください。 歩くと現れる足の側面・外側の痛みに関するよくある質問 足の外側が急に痛い原因は? 足の外側に急に痛みが現れた場合は、骨折や靱帯損傷などが起きてしまっているおそれがあります。速やかに医療機関を受診して適切な治療を受けてください。 足の側面ではなく内側に現れる痛みの原因は? 足の内側に痛みが現れる原因として、有痛性外脛骨障害(ゆうつうせいがいけいこつしょうがい)などがあります。繰り返す運動や外傷が原因で、内くるぶしの前方足底側に硬い隆起物が触れるようになります。 自然治癒する場合もありますが、再発するおそれもあるため医療機関で適切な治療を受けてください。 足の小指の外側が痛い原因は? 足の小指付近が痛い場合は、ジョーンズ骨折や下駄骨折などのおそれがあります。放置すると回復が遅れるリスクがあるため、速やかに医療機関を受診して適切な治療を受けてください。 参考文献 (文献1) 腓骨腱障害に属する腓骨筋腱炎を疑った患者に対する鍼灸施術の有効性|明治国際医療大学誌 (文献2) 腓骨筋腱脱臼|日本足の外科学会
2023.02.03 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- 足部
- スポーツ外傷
「サッカーをすると足の外側が痛くなるけどなぜ?」 「バスケットでつま先の外側が痛むけど放置して大丈夫?」 上記のような症状がある場合、ジョーンズ骨折の可能性があります。 今回はスポーツ選手に多いジョーンズ骨折について、特徴や骨折のなりかけで見られる症状を解説します。 チェックリストも紹介するので、早めに整形外科で受診できるよう、ぜひ参考にしてください。 ジョーンズ骨折とは ジョーンズ骨折は小指の骨である第5中足骨の疲労骨折です。 ジョーンズ骨折はサッカーやバスケット、ランニングなどのスポーツで足の外側に繰り返しストレスがかかって生じる疲労骨折です。 第5中足骨は血液の供給が乏しく、骨折する部分の近くは複数の筋肉が付着していて常に牽引力が働くため、一度骨折するとくっつきにくくなります。 骨が離れたままになってしまう偽関節(ぎかんせつ)になりやすいのも特徴です。 ジョーンズ骨折は中足骨の中でもより足首側の端から 1.5〜2cmの部分に骨折が起こります。 主に10代の方がスポーツで発症するケースが大半ですが、運動量によっては成人でも発症するので注意しましょう。 ジョーンズ骨折が発症する原因 ジョーンズ骨折が発症する原因は、スポーツ動作で足の外側に繰り返しかかるストレスです。 人の足裏は体重をうまく分散させるために、たいらではなくアーチ状の形をしています。 第5中足骨はまっすぐな骨ではなく、丸くアーチ状になっており、体重を分散させるためにストレスを受けやすいのです。 とくにサッカーやバスケットボールなど、横への動きが多いスポーツで反復したストレスがかかりやすく、疲労骨折の原因になります。 また、次のような環境や個人の要因も原因としてあげられます。 急な激しい練習 固すぎるグランド(人工芝)でのスポーツ 足の負担が強い不適切なシューズ 不良な姿勢(がに股) 上記のような環境や姿勢でストップやサイドステップなどを繰り返すとストレスがかかりやすくなってしまうのです。 立ち仕事による慢性的な疲労や、しゃがみ込み動作の繰り返しによる疲労骨折など、スポーツをしていない方で発症する場合もあるので注意してください。 ジョーンズ骨折の症状 ジョーンズ骨折は、骨折のなりかけの状態と、完全に骨折した状態で症状が違います。 それぞれの症状について解説します。 ジョーンズ骨折のなりかけの症状の場合 ジョーンズ骨折のなりかけの症状は、痛みや腫れなど一般の骨折に見られるような自覚症状が出にくいのが特徴です。 骨折のなりかけでは、一般的な骨折のように骨が分離するのではなく、ストレスの蓄積により徐々に骨が脆くなっている状態です。この状態では日常生活だけでなくスポーツ中も痛みを感じない場合があります。 また、痛くてもそれほど強くはないため、そのまま競技を続けてしまう場合も少なくありません。その結果、プレー中やプレー後に痛みが増える症状が繰り返します。 なお、歩くと痛いと感じている方は、以下の記事を参考に「ジョーンズ骨折かどうか」、1つの判断基準にしてください。 進行後どこが痛むのか ジョーンズ骨折の痛みは進行後、足の外側が痛みはじめます。 ジョーンズ骨折になりかけの症状では、足の外側に感じる痛みは軽いケースが大半なため、スポーツ復帰する方もいるでしょう。 ジョーンズ骨折は主に、ストレスの蓄積から発症する骨折なので、放置すると完全に骨折する症状へと発展するのです。 完全に骨折してしまうと、強い痛みだけでなく歩行困難へとつながる可能性があります。 足の外側に痛みを感じたら、たとえ軽度であってもすぐに受診するのをおすすめします。 ジョーンズ骨折の診断方法 ジョーンズ骨折か確かめるには、身体所見をした後、CT検査やMRI検査で確定させます。 レントゲン撮影による検査もありますが、早期発見を目的にするならMRI検査がおすすめです。 MRI検査では、レントゲン撮影では判断できない時期でも有用で、筋肉や結合組織の損傷も確認できます。 なお、CT検査では手術が必要な症状で用いられるため、症状に応じた診断方法を選択しましょう。 当院ではメール相談だけでなく、オンラインカウンセリングも実施しています。 来院前に軽く相談しておきたい方は、ぜひ気軽にご利用ください。 ジョーンズ骨折になりやすい環境かチェックリストで確認 ジョーンズ骨折になりやすい環境かどうかを、チェックするポイントを紹介します。 以下チェックリストで、該当する環境がある方は注意しましょう。 競技しているスポーツが足の外側にストレスのかかるものか 練習場が床・芝・土・人工芝など固い環境か 練習量が多すぎではないか シューズが環境に適しているか キックの利き足か ジャンプの踏切は適切か シューズの底のすり減り方が異常ではないか 足の外側が痛むか 上記のようなチェックをして、足の外側にストレスがかかりやすいかどうかをチェックします。 練習場所が人工芝のように固いグランドである、練習量が多すぎる、足に合わないシューズを使用しているなどは注意が必要です。 また、シューズの底を見たときに、外側ばかりすり減っている場合は、足の外側にストレスがかかりやすい動きをしている結果なので、チェックしてみましょう。 もし、すでに痛みが外側にあり継続する場合は、ジョーンズ骨折の可能性があります。 骨折のなりかけの場合は、痛みが自覚しにくかったり、競技中のときだけだったりするため、放置せず早めに整形外科へ受診をしましょう。 ジョーンズ骨折に悩むアスリートの方は、有効な治療法や予防法などを解説している以下の記事もぜひ参考にしてください。 まとめ・その症状ジョーンズ骨折かも?と思ったら専門機関で適切な診断を! ジョーンズ骨折はストレスが蓄積して徐々に進行する疲労骨折です。 完全に骨折するまでは痛みがない場合もあり、痛みがあってもつい競技を続けてしまう方もいるでしょう。 しかし、放置して競技を続けると、症状が悪化したり、完全に骨折してしまったりするリスクがあります。 なりかけの症状でも放置せず、少しでも気になる症状があれば早めの受診や予防をするのが重要です。 本記事を参考にしてジョーンズ骨折の早期発見、予防をして、好きなスポーツを楽しみましょう。
2023.01.27 -
- 足底腱膜炎
足底筋膜炎は適切なケアをすれば改善が見込めますが、一方で良かれと思ってやったことが症状を長引かせたり、悪化させたりすることもあります。 特に以下のようなことは足底筋膜炎を悪化させるため絶対にやってはいけません。 無理な運動 市販薬の常服 自己判断による冷却または温熱 サイズが合わない靴の着用 この記事では、回復を妨げかねない注意すべき4つの行動をピックアップし、その理由を分かりやすく解説します。 ご自身のケア方法を見直し、より効果的な回復を目指すために、ぜひ参考にしてください。 足底筋膜炎の発症後にやってはいけないこと4選 足底筋膜炎の発症でやってはいけないことを4つ紹介します。 無理な運動 市販薬の常服 自己判断による冷却または温熱 サイズが合わない靴の着用 順番に解説します。 無理な運動 安静が必要な間、ジャンプ、ダンス、長距離走など、過度かつ反復的なかかとへの衝撃は極力避けるようにしましょう。 しかし、完全に運動しないことは、関節が硬くなったり、痛みが再発したりする可能性があるため、適度な運動は必要と考えられています。 簡単なウオーキングなどでも様子を見ながらおこなうべきでしょう。 市販薬の常服 薬剤による治療を行う場合には、潜在的なリスクと利点を比較検討することが重要です。 他の病気を持っていたり、すでに他の薬を飲んでいたりする場合などは、自己判断してはいけません。 可能な限り専門診療科に相談するようにしましょう。 自己判断による冷却または温熱 足底筋膜炎はかかと周囲の炎症ですので、症状のある部位に氷嚢を当てるなどして冷やすことで、痛みを和らげることができます。 しかし、症状が強くない場合などは温めたほうが症状の改善が得られるという専門家もおり、一定の見解は得られていません。 症状がひどい場合は、自己判断せずに医療機関等にて相談されることをおすすめします。 サイズが合わない靴の着用 サイズが合わない靴の着用は、足底筋膜に負荷をかけます。靴のつま先部分に数センチ程度の余裕があったり、反対に少し窮屈さを感じたりする場合は、サイズの見直しをおこないましょう。 また、ビーチサンダルやハイヒールなどの不安定な履き物は、足裏をしっかり支えられません。足底筋膜炎を発症している間は、足裏に負担がかからない靴を選ぶようにしてください。 現在、足底筋膜炎の治療法として「PRP療法(再生医療)」が注目されています。人間の自然治癒力を活用した治療なので、身体への負担を最小限にできます。詳しい治療方法や効果が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 足底筋膜炎の原因 足底筋膜炎を発症する主な原因は下記5つです。 足裏に負担のかかる運動や仕事をしている 足裏のアーチが低いまたは高い サイズに合わない靴をはいている 加齢により足裏のクッション性が低下している 肥満体型で足裏への負荷が大きい 順番に見ていきましょう。 足裏に負担のかかる運動や仕事をしている 足裏に負担がかかる運動や仕事をしていると、足底筋膜炎になる可能性が高まります。 足裏に負担のかかる運動 マラソン ジャンプ ハイキング 足裏に負担のかかる仕事 重量物の運搬 長時間の立ち作業 不安定な場所での作業 足裏に疲労を感じたら、マッサージやストレッチをしてこまめにケアしましょう。 とはいえ、足底腱膜炎はスポーツをするしないに関わらず発症するといわれています。詳細を詳しく知りたい方は、下記の記事をあわせてご覧ください。 足裏のアーチが低いまたは高い 足裏のアーチが低すぎる人または、高すぎる人は足裏に負担がかかり、足底筋膜炎を引き起こしやすくなります。 アーチのバランスが崩れる原因は下記のとおりです。 先天的なもの 扁平足の発症 足裏の筋肉増加 タコやウオノメの形成 足裏の負担を減らすには、アーチの高低バランスを整える必要があります。 サイズに合わない靴をはいている サイズに合わない靴の着用も、足裏に負担がかかるため足底筋膜炎になる要因です。 小さい靴は、足を圧迫して、本来の正しい姿勢で歩行できなくなります。バランスが崩れるため、足裏には大きな負担がかかります。 大きすぎる靴だと、靴の中で足が滑り不安定な状態になります。安定を保とうとして余計な力が加わるため、足裏に負担がかかるでしょう。 加齢により足裏のクッション性が低下している 加齢により足裏のクッション性が低下すると、足底筋膜炎を発症するリスクが高まります。地面からの衝撃を直接受けやすくなり、足裏に負担がかかるためです。 靴の中にクッション性のあるインソールを入れると、衝撃を和らげ、足裏への負担を軽減できます。 肥満体型で足裏への負荷が大きい 肥満体型の方は、足底筋膜炎になりやすい傾向にあります。その理由は、歩いたり、立ったりするたびに体重分の圧力がかかり、足裏に負担がかかるためです。 体重が増えると足のアーチもつぶれてしまいます。アーチが崩れると足裏の衝撃をうまく吸収できず疲労がたまるため、足底筋膜炎を発症するリスクを高めます。 足底筋膜炎の診断 足底筋膜炎の診断は、症状が出現するに至った経緯や症状の発生部位などから下されることが多く、足底筋膜炎を診断するためのレントゲンなどの画像検査や血液検査などは必要でないことが一般的です。 しかし、症状が典型的でない場合やほかの疾患が疑われる際に、その症状が他の原因によって引き起こされていないかどうかを確認する目的でレントゲンなどの画像検査や血液検査などを行うことがあります。 足底筋膜炎の治療方法 足底筋膜炎の代表的な治療方法を3つ紹介します。 薬物療法 リハビリテーション 再生医療 治療の特徴をそれぞれ見ていきましょう。 薬物療法 消炎鎮痛剤を内服したり、外用の湿布を貼付したりします。市販の消炎鎮痛剤を使用する場合は、常用するのを避けましょう。 長期使用すると胃や腎臓に負担がかかるほか、依存症のリスクもあります。根本的な治療にもならないため、消炎鎮痛剤だけに頼ると、症状が長引く可能性があります。 薬物療法を進める際は必ず、医師の指導のもとでおこないましょう。 リハビリテーション 理学療法士の指導のもと、足裏の筋肉トレーニングやストレッチなどをおこないます。歩く姿勢が悪く足裏に負担がかかっている場合は、歩行訓練も効果的です。 症状に応じて、超音波治療・電気療法などの物理療法も組み合わせて実施します。 PRP療法(再生医療) 「PRP療法(再生医療)」とは、患者さまの血液に含まれる血小板の治癒力を利用して、傷ついた組織を修復する医療技術です。身体への負担が少ない治療法として今注目されています。 注射を打つだけなので、日常生活や仕事への影響はありません。普段どおりの生活を送りながら、早期回復を期待できます。 「PRP療法(再生医療)で足底筋膜炎はどうやって治療するの?」と気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。実際の治療例をお見せしながら、再生医療の仕組みをわかりやすくお伝えいたします。 足底筋膜炎に関するよくある質問 最後に足底筋膜炎に関するよくある質問と回答をまとめます。 足底腱膜炎と足底筋膜炎の違いはなんですか? 一般的に「足底腱膜炎」と「足底筋膜炎」は同じ疾患として扱われます。具体的には「足底腱膜炎」は、かかとから足の指先までつながっている足底の腱膜が炎症を起こしている状態です。「足底筋膜炎」は、足裏の筋肉の膜が炎症を起こしている状態を指します。 同じ部位で炎症が起きているため、同義語として使用されています。 詳しくは以下の記事を参考にしてください。 太りすぎて足底腱膜炎になった場合、痩せたら治りますか? 痩せただけでは治る保証はありません。足底腱膜炎になったのは、足裏の筋力低下や疲労などの原因も含まれている可能性があるためです。 ただし、体重を落とせば足裏への負担が減り、症状が緩和する場合もあります。医師の指導のもとで、適切な体重管理を進めていきましょう。 足底筋膜炎はどのくらいで治りますか? 足裏に負担がかかるスポーツや活動を控えれば、ほとんどの場合、数ヶ月ほどで治ります。 ただし、症状の程度によって、治る期間は異なります。自分の状態に合わせて、適切な治療とケアをおこなっていきましょう。 足底筋膜炎をケアする湿布の貼り方を教えてください 足裏は湿布が剥がれやすい部位です。 湿布に数箇所切り込みを入れると、足の形にフィットしやすくなります。 まとめ|足底筋膜炎でやってはいけないことを覚えて回復を早めよう 足底筋膜炎は多くの場合、特別な治療をせずとも安静に過ごしていれば症状の改善が得られます。回復を早めるためにも本記事で紹介した「足底筋膜炎でやってはいけないこと」を守り、適切なケアを続けましょう。 「やってはいけないことを守っているのに、なかなか痛みがひかない…」という方は、「PRP療法(再生医療)」による治療を検討してみてください。 PRP療法(再生医療)は、血液に含まれる血小板の力を利用して傷ついた組織を修復する医療技術です。身体に負担の少ない治療法として、今注目されています。 弊社『リペアセルクリニック』は、再生医療専門のクリニックです。国内での症例数は8,000例以上に及び、多くの患者さんの治療に携わってきました。 足底筋膜炎はPRP療法(再生医療)の治療対象です。弊社では無料相談を受け付けていますので、詳しい治療法や効果を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
2022.08.16 -
- 脊椎
- ひざ関節
- 股関節
- 肩関節
- 肘関節
- 手部
- 足部
関節リウマチとは、関節に炎症が起きて痛み、腫れを引き起こす病気です。進行してしまうと関節の変形、機能障害へと悪化してしまうこともあります。 関節リウマチの発症には遺伝要因、環境要因など複数の要因が絡んでいるとされています。 その中でも、喫煙は環境要因として関節リウマチに大きな影響を与えていることが研究の結果明らかになりました。 そこで今回の記事では、関節リウマチと電子タバコ、喫煙の関係について解説します。 関節リウマチに電子タバコは悪影響を及ぼす可能性がある 関節リウマチへ電子タバコが与える影響については、まだ研究成果が多くないため具体的な影響についてはわかっていません。 しかし、アメリカの研究によると、電子タバコの使用は青少年の間で急増しており、呼吸器系に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。 とくに喘息との関連性が確認され、従来の可燃性製品を使用したことがない若者においても、電子タバコ使用と喘息診断の間に有意な関連が見られました。(文献1) また、電子たばこの煙霧中に発がん性物質が含まれる可能性が指摘されています。(文献2) 現時点では科学的証拠は不十分とされていますが、今後の研究によっては関節リウマチの発症や悪化との関連性が明らかになる可能性もあるため、注意が必要です。 喫煙が関節リウマチに良くないとされている理由 喫煙は肺がんや肺疾患、動脈硬化や脳血管障害など多くの健康問題を引き起こすことは広く知られています。 ここではとくに、関節リウマチの方にとって喫煙が与える具体的な悪影響についてご紹介します。 死亡リスクの増加 関節リウマチと診断されている方が喫煙を続けていると、非喫煙者に比べて死亡率が増加することが研究により示されています。 フィンランド社会保険研究所の大規模研究によると、男性の関節リウマチ患者では過去の喫煙によって死亡リスクが2.6倍、現在の喫煙によって3.8倍に上昇することが報告されています。(文献3) また、米国ハーバード医科大学による37万人以上の女性を対象とした追跡調査では、1日25本以上の喫煙をしている女性は、非喫煙者と比較して関節リウマチの発症リスクが1.39倍高くなることが明らかになりました。(文献3) さらに、米国リウマチ学会の発表によると、禁煙した関節リウマチ患者は喫煙を継続した患者と比較して病気の活動性が有意に低下し、寛解率も高くなることが示されています。 このことから、関節リウマチと診断された後の禁煙が病状の改善に有効であると考えられます。 手術の合併症の増加 喫煙は関節リウマチ患者の手術による合併症リスクを高めます。 喫煙者と非喫煙者における膝関節置換術の経過を比較した研究があります。 8,776人の人工膝関節置換術を受けた方を対象とした研究では、そのうち11.6%が現在も喫煙者でした。この研究によると、喫煙者は非喫煙者と比較して、創傷合併症、肺炎、および再手術の発生率が明らかに高いことが示されています。(文献4) このような合併症が起こる理由として、タバコに含まれる一酸化炭素が関係しています。喫煙すると一酸化炭素が赤血球内に取り込まれ、全身の組織に運ばれる酸素が減少します。手術部位の適切な治癒には酸素を十分に含んだ血液が必要であるため、喫煙者では治癒プロセスが滞り、回復に時間がかかるようになると考えられています。 病状の悪化 喫煙は関節リウマチの症状を悪化させることが研究で示されています。 159人の変形性膝関節症の男性を最長30ヶ月間追跡調査した研究では、喫煙者は非喫煙者に比べて膝の痛みが強く、軟骨が著しく失われる可能性が2倍以上高いことが明らかになりました。(文献5) また、311人の初期リウマチ性関節炎の患者を対象とした追跡調査では、1年後のX線写真を調べたところ、喫煙者は非喫煙者よりも関節の状態が明らかに悪化していました。(文献6) つまり、喫煙は他の要因とは関係なく、単独でリウマチの進行を早める原因になっていることがわかりました。 関節リウマチの改善を目指すなら禁煙からはじめよう 関節リウマチの症状改善に向けた第一歩として、禁煙が挙げられます。 アメリカのリウマチ学会の研究では、禁煙に成功したリウマチ患者さんは、喫煙を続けている患者さんと比較して、病気の活動性が明らかに低下することが確認されています。 また、喫煙は歯周病のリスクも高めることが知られており、歯周病は関節リウマチを重症化させる原因の一つとされています。口腔環境の健康を保ち、リウマチの症状を改善するためにも、禁煙に取り組むことはとても重要です。 まとめ|喫煙・電子タバコは関節リウマチの悪化要因となるので禁煙を推奨 関節リウマチと喫煙・電子タバコの関係について解説してきました。様々な研究から、喫煙は関節リウマチの発症リスクを高め、症状を悪化させることが明らかになっています。 電子タバコについてはまだ研究が進行中ですが、アメリカの調査では電子タバコ使用者に関節リウマチのリスク増加が見られています。 喫煙は死亡リスクの上昇、手術後の合併症増加など、リウマチ患者さんの健康に多くの悪影響をもたらします。 関節リウマチの治療効果を高め、合併症を減らすためにも、電子タバコを含むすべての喫煙製品の使用をやめることをおすすめします。 参考文献 (文献1) Roh T, et al. (2023). Association between e-cigarette use and asthma among US adolescents: Youth Risk Behavior Surveillance System 2015–2019. Preventive Medicine, 175, 107695. https://doi.org/10.1016/j.ypmed.2023.107695 (最終アクセス:2024年3月30日) (文献2) 厚生労働省「喫煙と健康」2016年 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000172687.pdf (最終アクセス:2025年3月30日) (文献3) 浜松医科大学「リウマチ・膠原病について」浜松医科大学ホームページ https://www.hama-med.ac.jp/docs/rheumatism/info/index.php (最終アクセス:2025年3月30日) (文献4) Bedard NA, et al. (2018). What Is the Impact of Smoking on Revision Total Knee Arthroplasty? J Arthroplasty, 33(7S), S172-S176. https://doi.org/10.1016/j.arth.2018.03.024 (最終アクセス:2024年3月30日) (文献5) Amin S, et al. (2007). Cigarette smoking and the risk for cartilage loss and knee pain in men with knee osteoarthritis. Ann Rheum Dis, 66(1), 18–22. https://doi.org/10.1136/ard.2006.056697 (最終アクセス:2024年3月30日) (文献6) Saevarsdottir S, et al. (2014). Current smoking status is a strong predictor of radiographic progression in early rheumatoid arthritis: results from the SWEFOT trial. Ann Rheum Dis, 74(8), 1509–1514. https://doi.org/10.1136/annrheumdis-2013-204601 (最終アクセス:2024年3月30日)
2022.08.09 -
- ひざ関節
- 脊椎
- 股関節
- 肩関節
- 肘関節
- 手部
- 足部
「MRI検査って結果が出るまでの時間はどのくらいなのか」 「時間がかかるなら予定を組みたいから事前に知っておきたい」 人間ドックでも使用する機会が増えてきたMRI検査ですが、人によっては所要時間以前に検査を受けることが難しい場合があります。 本記事ではMRI検査でできる内容や、注意点について解説します。MRIを用いた検査を予定している人で、本記事で記したMRI検査の注意事項に当てはまる人は、検査の前に担当の医師に申告するための準備ができるので、ぜひ参考にしてください。 MRI検査とは MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断)検査とは、強力な磁場を発生させるトンネルのような装置の中で、身体の内部の断面をさまざまな方向から撮影する検査です。 MRI検査は、ベッドに横たわり検査が始まるとベッドが自動で動いてトンネルのような装置の中に入っていきます。磁場が発生するときは工事現場のような大きな音がするため、ヘッドホンや耳栓をして検査を行う場合もあります。 工事現場の音 80〜85デジベル MRI検査の音 120デシベル程度 MRI検査でわかること MRI検査は、全身の疾患について調べられますが、以下の部位における高い検査能力が特徴的です。 四肢(両手、両足) 関節軟部組織 脊椎 脳 膝 肩 子宮 卵巣 血管 など 骨や、その周辺にある軟骨の状況も精査できるほか、脳を含む頭部や骨盤内の臓器などを検査する際に使われます。 MRI検査とCT検査との違い MRI検査と同じように身体の内部を撮影する検査として「CT検査」があります。MRI検査と同様にトンネルに入って行うもので装置の見た目も似通っているのですが、大きな違いがあります。 それは「CT検査は放射線を使った検査」「MRI検査は磁場と電波を使った検査」の違いです。放射線を使わないMRI検査の方が身体への負担が少ないと考えられます。検査の原理や得意な部位の違いは以下の表でまとめました。 検査原理 得意な部位 MRI検査 磁場と電波 整形外科の主な症状 腱板損傷、腱板断裂、関節損傷、靭帯損傷、半月板損傷、頸椎症、胸椎・腰椎ヘルニア、頸椎ヘルニア、脊髄腫瘍、骨軟部腫瘍、その他 脊髄、関節、脳、骨盤腔内臓器 ※関節軟部組織の描出が得意 CT検査 放射線 骨、脳、肺、腹部 MRI検査の結果が出るまでの所要時間 MRI検査の所要時間は20~45分です。似ている検査方法のCT検査は10~15分なので、比較すると少し長い時間がかかります。身体を動かすと画質が落ちてしまうため、検査中はなるべく身体を動かさないことが重要です。 また、MRI検査の結果が出るまでの期間は、検査当日すぐに出る場合もあれば、7~10日間ほどかかる場合もあります。医療機関によって変わるため事前にご確認ください。 MRI検査当日の所要時間:20〜45分 MRI検査の結果が出るまでの期間:当日または7〜10日 MRI検査の全体的な流れ MRI検査の当日は以下の流れで検査が行われています。 受付しつつ注意事項の確認 問診完了後、検査着にお着替え 検査室に移動しMRI検査の実施 MRI検査終了後、来院時の服にお着替え お会計 MRI検査の結果は郵送でお知らせするケースが大半ですが、必ず担当医に「どのような方法で検査方法が知らされるのか」を確認しておきましょう。 MRI検査の注意点 MRI検査は、強力な磁石と電磁波を使用するので、MRIの検査室内には金属類の持ち込みを一切禁止しています。たとえば金属類が該当し、ファスナーやチャック、金属製のボタンなどが付いた服装では検査できません。 また、女性の方はホック付きのブラジャーも着用できない可能性があるため注意が必要です。その他、バッグはもちろん、携帯電話や腕時計、財布などの貴重品、身に付けているアクセサリーを含めた金属類はすべて取り外してもらうのが必須です。ヘアピンなども忘れがちですので注意してください。 医療機関では、MRI検査で検査着に着替える場合が多いため、なるべく金属が付いておらず着替えやすい服装で来院するとスムーズに検査を受けられます。 金属が付いていなくても発熱系素材の下着なども注意が必要です。 インプラントも素材によっては難しい場合があるので、入れ歯も外してもらう必要があります。 身につけてはいけないものや注意が必要なもの一覧 MRI検査当日は、以下の服装やアクセサリー類などを身につけて来院される場合は注意が必要です。 MRI検査時に注意が必要なもの一覧 身に着けてはいけないもの、注意が必要なもの ファスナー、金属ボタンのついた衣類 メイク、マニキュア(アイシャドウ、マスカラ、ネイルアートに注意) 入れ歯、(インプラントは事前相談が必要です) 腕時計、メガネ、へアピンなどのアクセサリー類 コンタクトレンズ(事前相談が必要です) コルセット系の下着、ホックが付いた下着・衣類 金属のついている服や下着 発熱保温機能付の衣料(ヒートテック等) など 体内にペースメーカーなどを埋め込んでいる人 MRI検査は、強力な磁石や電波を使うため、火傷などの事故が起こらないよう十分に気を付けなければなりません。人によっては、身体の状態や状況によってMRI検査を受けるのが難しいと判断されるケースがあります。 以下の事項に当てはまる人は、MRI検査を受けられない場合があるため注意が必要です。 体内に金属(インプラント、ペースメーカーなど)を埋め込んでいる人 手術などで体内に金属、プレートやボルトを埋め込んでいる人は、MRI検査で使用する磁石と金属が反応して検査画像の乱れや火傷の原因となる可能性があります。 金属を体内に埋め込んだ症歴がある場合は、検査を受ける前に必ず申告し「MRI検査が可能であるか」を確認しておきましょう。治療を受けた病院で、金属の種類を事前に確認を求められるケースもあります。 体内に金属類を埋め込んでいる人で注意が必要なケース一覧 心臓ペースメーカー 骨折で体内に金属が入っている 脳動脈クリップ 血管ステント挿入 人工内耳、人工中耳 脳深部刺激装置 入れ墨、アートメイク リフトアップを金糸で行った場合・ 妊娠中、または妊娠の可能性 金属片が飛び散る職場での勤務 閉所恐怖症 ※上記でもチタンを用いたら、検査を受けられる場合もあります 刺青やアートメイクをしている人 刺青やタトゥーで検査ができないケースについて不思議に思う人も少なくないでしょう。実は刺青やタトゥーの色素に鉄などの金属が含まれている場合があり、MRI検査の強力な磁石と反応すると火傷を引き起こす可能性があるからです。 アートメイクの場合も、使用される金属の量はわずかですが、ごくまれに刺青と同様に検査画像が乱れてしまいます。火傷を引き起こす可能性もあるため、同じく注意が必要となります。たとえばマグネットネイルやミラーネイルなども変色の恐れがあるので注意しましょう。 刺青やアートメイクをしている人は、MRI検査を受ける前に必ず担当医師へ申告しましょう。 閉所恐怖症/狭いところが苦手な人 MRI検査は、狭いトンネルのような空間で行われるため、狭いところが苦手な人や閉所恐怖症の人は事前に申し出るのをおすすめします。MRI検査の検査時間は、長いと40分ほど必要になるため、閉所恐怖症の人は注意が必要です。 狭いところが苦手なのを事前に伝えておけば、医療機関によってはMRI機器の明るさを調整したりできる場合があります。検査機関によっては、オープン型のMRIを使用できるので事前に確認しておきましょう。 また、我慢できない場合は検査員に知らせるためのスイッチがあるので、気持ちを楽にしてお受けください。MRI検査について不安な点があれば、たとえ些細なことであっても検査を行う前に医療機関へ相談しましょう。 メイクやコンタクトレンズを着用をしている人 MRI検査を受ける際は、通常のメイクであっても注意が必要です。メイクをしたままMRI検査を受けるのは大きなリスクが伴います。 アイシャドーやマスカラ、アイラインなどの化粧品は、種類によって金属が含まれている場合があるため、検査画像の乱れや火傷を引き起こす恐れがあります。 正しく検査を終えられるように、MRI検査が始まる前までにメイクを落としておきましょう。 コンタクトレンズ(とくにカラーコンタクトレンズ)も注意が必要です。コンタクトレンズには鉄成分が含まれている場合があるため、コンタクトレンズをつけたままMRI検査を受けると検査画像への影響や火傷の危険があります。 コンタクトレンズを使用している人はMRI検査の前に外しておくか、検査の日は眼鏡をかけて来院し、検査中は眼鏡を外すような対応を行うのが無難です。 その他食事などにおける注意事項 MRI検査で腹部や骨盤の検査をする人は「食事の制限はしておくべきか」気になる人も多いでしょう。腹部や骨盤のMRI検査では、約6時間前までに食事を済ませてもらうよう案内しています。 水の摂取に関しては、MRI検査の直前までは問題ありません。とくに骨盤のMRI検査を受ける人は、来院の1時間前までに排尿を済ませておいてもらう必要があります。仮に来院1時間を過ぎたタイミングで排尿された場合は、300ml程度の水を摂取してから検査を受けましょう。 まとめ・MRI検査と検査を受ける際の注意点を把握しておこう MRI検査の造影剤は、被ばくの危険性がないため、CT検査よりも身体に負担の少ない検査であると言われています。しかし、体内に金属を埋め込んでいる人や刺青をしている人は危険が伴うため検査が受けられない場合があることを把握しておきましょう。 メイクをしたままやコンタクトレンズを付けたままの状態でMRI検査を受けるのも大きなリスクが伴います。必ずMRI検査を受ける前に注意事項を確認しておきましょう。
2022.04.18







