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くも膜下出血の予後、気になる生存率 について

くも膜下出血の予後、気になる生存率 について

くも膜下出血 は、脳の周囲の空間への出血によって引き起こされる生命を脅かす病気です。

そこで、今回はくも膜下出血の予後や生存率について詳しく解説していきます。

くも膜下出血は予後の悪い病気?症状について

くも膜下出血は、破裂した動脈瘤、AVM(脳動静脈奇形)、または頭部外傷によって引き起こされる怖い病気です。

ここ数十年間にわたって、くも膜下出血の予後は改善傾向にありますが、依然として高い死亡率のある病気とされています。

くも膜下出血、ご相談

くも膜下出血の原因や症状は?

くも膜下腔は、脳と頭蓋骨の間の領域であり、脳脊髄液で満たされ、脳を保護する浮遊クッションとして機能しています。

脳動脈瘤の破裂などにより、動脈壁が破裂し、脳のくも膜下腔に血液が放出されると、脳の内層を刺激し、脳への圧力を高め、脳細胞を損傷させてしまいます。

  • ・激しい頭痛の突然の発症
  • ・吐き気と嘔吐
  • ・斜頸
  • ・光に対する過敏症(羞明)
  • ・かすみ目または複視
  • ・意識の喪失
  • ・発作

交通事故などによって、脳が頭蓋骨内で前後に衝突し、血管が引き裂かれることでも、くも膜下出血は起こります。

くも膜下出血の生存率や平均余命について

くも膜下出血の生存率や平均余命

くも膜下出血の5年生存率は55%前後とされており、生存率は年々改善しています。

くも膜下出血発症後の生存率は、その重症度と診断および治療の速さによって異なります。

一般に、未治療のくも膜下出血の 1 年死亡率は最大 65%もあり、これは、治療を受けていない くも膜下出血患者の最大 65%が発症から 1 年以内に死亡したことを意味します。

ただし、適切な診断と治療を受ければ、1 年死亡率は約 18%まで下がります。

くも膜下出血の予後や見通しについて

くも膜下出血の予後や見通しについて

くも膜下出血の予後は非常に変わりやすく、初期のくも膜下出血の症状の重症度やおよびその他の合併症や損傷の有無に大きく依存します。

具体的な予後に関してですが、病院にたどり着いた人の中で以下のようなデータもあります。

  • ・3の1は病院で死亡する
  • ・3 分の1は障害を待って生活する
  • ・3 分の1が通常の機能に戻る

このように、元の日常生活に戻るのはわずか30%程度となっています。

くも膜下出血の予後を左右する要因はある?

くも膜下出血の予後は、次のようなさまざまな要因に左右されます。

  • ・年齢
  • ・出血の場所と量
  • ・発症から治療までの時間
  • ・合併症

高齢で症状が重くなると、予後が悪化する可能性があります。

また、くも膜下出血が起こった部位や障害の程度によって、ある程度予後に影響を受けると考えられています。重度の外傷性くも膜下出血の人は、2倍の死亡リスクがあります。

くも膜下出血の予後を左右する可能性のある合併症は以下のとおりです。

  • ・発作
  • ・血管痙攣(脳の血管が狭くなり、血流が遮断される場合)
  • ・最初の治療後に再び出血する
  • ・水頭症(脳内の液体の蓄積)
  • ・頭蓋内圧の上昇
  • ・脳ヘルニア
  • ・脳梗塞(虚血性脳梗塞)

引き起こされる合併症により、予後を左右することもあります。

くも膜下出血の予後を改善するには?

患者が退院した後、重度のくも膜下出血発症後の個別化されたリハビリテーション療法を提供する施設で治療が継続される場合があります。

リハビリテーションを専門とする医師が、理学療法、作業療法、言語療法を含むリハビリ計画を立てます。

くも膜下出血後の患者が直面する一般的な問題には、身体的制限、思考や記憶の困難などがあります。

これは治療により時間の経過とともに消える可能性があり、 回復プロセスは長く、障害のレベルを理解し患者が機能を回復するには、数週間~数か月、または数年かかる場合があります。

くも膜下出血の再出血を予防する方法はある?

くも膜下出血の大部分は、頭部外傷、または破裂した脳動脈瘤によるものです。

したがって、くも膜下出血の発生や再発を予防する最善の方法は、これら 2 つの状況のリスク要因を管理することです。

まず、頭部外傷を防ぐために、自転車やバイクに乗るとき、またはリスクの高いスポーツをするときは、常に安全を心がけてください。

転倒しやすい場合は、理学療法士または作業療法士と協力して、転倒を防ぐために自宅環境も整えましょう。

また、脳動脈瘤を発症するリスクを下げたり、既存の動脈瘤が破裂するのを防いだりするために、以下のような予防策があります。

  • ・高血圧を管理する
  • ・喫煙をやめる
  • ・過度に重いものを持ち上げない(激しい運動やいきみは、動脈瘤の破裂を引き起こす可能性があります。)
  • ・定期的に適度に運動する
  • ・バランスの取れた食事を食べる

日頃から脳動脈瘤の発症リスクを下げたり予防をするなどして、リスク要因を管理することがとても大切です。

まとめ・くも膜下出血の予後、気になる生存率 について

いかがでしたでしょうか?

くも膜下出血は、依然として予後の悪い病気であり、早期の診断と治療次第では、重度の後遺症を残してしまいます。

早期の適切な治療を受けて、リハビリを行えば予後を改善できることがわかっているため、今回の記事を参考にして、改めて予後や改善策に関して学んでおきましょう。ご参考になれば幸いです。

 

No.S096

監修:医師 加藤 秀一

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