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側湾症とは、背骨が左右にねじれてしまう病気です。背骨の曲がり角度が50度以上で重度の側弯症である場合、手術をするケースがあります。 側湾症の手術後すぐは、身体を動かしたり、スポーツを再開したりできません。痛みと傷口の回復を待ち、少しずつリハビリを進める必要があります。 本記事では、側湾症の手術後にできないことを詳しく解説します。後遺症のリスクや回復期においてやってはいけないことも紹介しているので、術後の過ごし方のイメージを掴みたい方は参考にしてみてください。 側弯症の手術後にできないこと3選 さっそく、側湾症の手術後にできないことを3つ解説します。 手術後すぐの退院 手術後すぐの日常生活 退院後すぐのスポーツ 手術後の過ごし方をイメージする参考に役立ててみてください。 手術後すぐの退院 側湾症の手術は、身体を切開した傷ができるため、手術後すぐに退院はできません。手術直後は痛みがあり体も十分に動かせないため、数日はベッド上で過ごすことになります。 胸や背中を大きく切開した場合、術後の痛みで呼吸がしにくくなります。その際は、呼吸を改善するリハビリが必要です。また、痛みで起きられない場合は、体の機能がどんどん低下する「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」を引き起こすリスクがあります。そのため、ベッドの上でできる運動やストレッチをして、廃用症候群を予防することが重要です。 ここで脊髄損傷に対する有効な治療法の「再生医療」をご紹介させてください。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。具体的な治療方法が気になる方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。 手術後すぐの日常生活 くりかえしですが、側湾症の手術は切開した傷ができるので、4〜5日は痛みで思うように身体を動かせません。そのため、日常生活は制限されます。 全身の状態が安定していれば、痛みの範囲で起きたり、立ち上がったりして、ベッドから離れる時間を増やします。 可能であれば 1 週間以内で病院内での歩行を始めて、以降は痛みの強まらない範囲で、階段や屋外といった応用的な歩行練習をします。 痛みも和らぎ、合併症もないようなら退院できます。退院できるのは術後10日ほどです。自宅に戻り、無理に体をひねったり、前にかがんだりしなければ、普通の生活が可能です。 退院後すぐのスポーツ 運動は自宅に帰った直後は制限されています。ランニングなどの軽い運動ができるのは術後 3 カ月程度からです。スポーツや体育が可能になるのは術後 6 カ月程度です。さらに、器械体操など激しいスポーツは術後 1 年間程度控える必要があります。 退院後は徐々に活動量を増やしていき、体力を戻していくのが優先です。また、手術後の背骨を安定させて腰痛などを予防するために、体幹の筋肉を鍛える必要があります。 たとえば、四つ這いで手足を対角に上げる運動や、仰向けで両足を上げる運動は、体幹だけでなく股関節などの筋力も同時に鍛えられるためおすすめです。 四つ這いトレーニング 両足上げトレーニング 以下の記事では、背骨が曲がるのを治すストレッチやエクササイズを紹介しています。自宅でセルフケアを進めるときの参考にしてみてください。 側弯症の手術による後遺症でできないことが増える可能性がある 体の損傷が大きい側弯症の手術では、以下のような後遺症のリスクがあります。 ・神経損傷による運動機能・感覚の麻痺 ・肺炎や無気肺などの合併症 ・術後感染 手術では背骨の周辺に傷をつけるため、背骨を通る脊髄や脊髄から枝分かれする神経を損傷させる危険性があります。 その場合、足に力が入りにくくなったり、感覚が麻痺したりといった後遺症が残ります。また、肺を損傷すると肺炎や無気肺といった肺の病気を引き起こす危険があります。 大きな傷をつけるため感染のリスクも高いです。 また、骨のくっつきが不十分なままになってしまったり(偽関節:ぎかんせつ)、固定した関節以外の部位が不安定になったりすることで腰痛が発生する場合もあります。 以下の記事では、側湾症の手術後に感じる後悔について解説しています。手術をおこなうメリットやリスクも紹介しているので、詳細が気になる方はあわせてご覧ください。 脊髄損傷の後遺症における有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。 近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されています。具体的な治療方法が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。 側弯症の手術後にやってはいけないこと 側弯症の手術後にやってはいけないこととして、体をひねる動作や前にかがむ動作があります。回復中の背骨に負荷がかかり、傷口の治癒や骨の癒合を遅らせる可能性があるためです。 手術後3〜6カ月までは、背骨への負担を軽減するためにコルセットを着用するケースが多くなります。コルセット着用期間はとくに安静が求められるので、担当医の指示に従いながら、無理のない範囲で生活をしましょう。 また、ほかの人との接触が起きないように注意する意識も必要です。激しい衝撃や突発的な衝撃を受けると、傷口が開いたり、骨がずれたりするリスクがあるためです。 以下の記事では、側湾症の方がやってはいけない日常動作やスポーツについて解説しています。術後の過ごし方の参考にもなるので、ぜひあわせてご覧ください。 まとめ|側弯症の手術後にできないことを知り焦らずリハビリを進めよう 側湾症の手術後は、痛みや傷口の回復のため、すぐに歩いたり、日常生活を再開したりすることはできません。無理に体を動かすと症状が悪化する可能性があるので、焦らず回復を待って、ゆっくりリハビリを進めていきましょう。 脊髄損傷の治療には「再生医療」が効果的です。近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されています。 「再生医療で脊髄損傷をどうやって治療するの?」と気になる方は、再生医療を専門とする『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。
公開日:2024.11.06 -
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脊柱管狭窄症を自力で治す!ストレッチと筋トレの方法を紹介 「脊柱管狭窄症の痺れや痛み、自力で和らげる方法を知りたい」 「脊柱管狭窄症に効果的な運動療法は、どのようなものがあるの?」 このような疑問がある方はいませんか? この記事では、脊柱管狭窄症とはどのようなものかを理解して、自分で治すためにできる、ストレッチや筋トレについて知ることができます。 運動をしたくても、正しい方法がわからない方はぜひ参考にしましょう。 脊柱管狭窄症とは?原因や症状を紹介 背骨は脊椎(せきつい)とも呼ばれ、椎骨(ついこつ)という骨がつながってできています。椎骨の後ろ部分には穴が空いており脊柱管と呼ばれます。 脊柱管には脳から続く神経である脊髄(せきずい)が通り、脊髄から全身につながる神経が枝分かれします。 脊柱管狭窄症は脊椎の変形などにより脊柱管が狭くなり、神経を圧迫してさまざまな症状を呈する病気です。 脊柱管狭窄症の原因 脊柱管狭窄症の原因で最も多いのは、加齢による脊椎の変形です。骨の一部が飛び出たり、骨がずれたりして神経を圧迫します。 また、事故や生まれつきの変形、手術による脊椎の固定なども原因になります。 脊柱管狭窄症の症状 脊柱管狭窄症の症状はお尻から足にかけての痺れや痛みです。筋肉を動かす神経が圧迫されると力が入りにくくなります。 また、しばらく歩くと痛みや痺れが強まり歩けなくなるものの、数分間休んだり、前屈みの姿勢をとったりすると症状が和らいで歩けるようになる神経性間欠跛行(しんけいせいかんけつはこう)の症状が特徴的です。 重症な場合は排泄や排便が障害されます。 脊柱管狭窄症におすすめのストレッチ 脊柱管狭窄症のストレッチの重要な目的は、次の 2 点です。 ・狭くなっている神経の通り道を広げて、神経の圧迫を取り除く ・腰や足の付け根の、関節の動きを妨げる筋肉の凝りをほぐす これらを踏まえた具体的なストレッチの方法を 、ポイントを交えながら3 つ紹介します。 1 ,膝かかえストレッチ 初めに紹介するのは、神経の通り道を広げたり、背中の筋肉をほぐしたりするストレッチです。 ・仰向けになり両膝をかかえます ・太ももをお腹に近づけるようにします ・ 15 秒キープします ・ 5 回ほど繰り返します POINT: 太ももを近づけるタイミングで息をフーッと吐き出しましょう。 2 ,正座ストレッチ 次も、膝かかえストレッチと同じ効果が期待できるストレッチです。 少し難易度が高くなります。 ・四つ這いの状態で背中を丸めます ・手の位置は変えずに徐々に膝を曲げていきます ・背中を丸めるように意識して、正座のような姿勢になります ・また四つ這いの姿勢にゆっくり戻ります ・ 5 回ほど繰り返します POINT: 先ほどのストレッチと同じように、正座をするときは息を止めないようにして、リラックスをしましょう。 3 ,片膝立ちストレッチ 最後は太ももの前の筋肉である腸腰筋(ちょうようきん)のストレッチです。 腸腰筋が硬くなると腰が反る姿勢になりやすいため、柔軟性を保つことが大切です。 ・壁などを支えにして片膝立ちになります ・膝をつけている方の足を後ろに少し引きます ・前方の足の膝を曲げて、膝をついている方の太ももの前をストレッチします POINT: 腰を反ったり、上半身が前かがみにならないように注意しながら行いましょう。 脊柱管狭窄症におすすめの筋トレ 脊柱管狭窄症の筋トレのポイントは、脊椎にかかる負担を減らすために、腹筋や背筋といった体幹(インナーマッスル)の筋肉を鍛えることが大切です。 ここでは、 2 つの方法をポイントとともに紹介します。 1 ,ドローイング 椎骨を支える筋肉として、コルセットのような役割をする「腹横筋(ふくおうきん)」という筋肉があります。 お腹が割れたように見える筋肉は腹直筋(ふくちょくきん)ですが、脊柱管狭窄症の場合は腹筋の中でも「腹横筋」を鍛え、椎骨にかかる負荷をサポートしましょう。 ・仰向けになり両膝を立てます ・腹式呼吸の要領で、息を大きく吸ったり吐いたりします ・息を吐くときに合わせて、お腹を限界までへこませます ・これを 10 回程度繰り返します POINT: 息を吐くときは口をすぼめるようにして、ゆっくり長く吐くようにしましょう。 2 ,ダイアゴナル 腹筋と背筋の中でも、「インナーマッスル」という姿勢を保つ筋肉を鍛える運動です。 ・四つ這いの姿勢で、背中が曲がったり反ったりしないようにします ・右手と左足をまっすぐ上げて 15 秒キープします ・次に左手と右足をまっすぐ上げて 15 秒キープします ・ 10 回程度繰り返します POINT: 手足を上げたときに、体が傾かないように意識しましょう。また、お腹をへこませるように力を入れると効率よく筋肉を刺激でき、反り腰の防止にもなります。 ストレッチや筋トレをする上での注意点 3 つ ストレッチや筋トレなどの運動療法は、正しい方法で行う必要があります。 そこで 、3 つの意識したいことと注意点を紹介します。 1 ,痛みがあるときは無理をしない 「痛みを我慢した方がよく効く気がする」と思われる方がいるかもしれません。しかし、痛みがあるのに無理して運動療法をすると、脊柱管狭窄症の症状を悪化したり、別の部位を怪我したりする危険性があります。 筋肉がつっぱる程度のストレッチに止め、痛みや痺れが出るまで無理をしないようにしましょう。 2 ,崩れた姿勢で行わない 運動療法は正しい姿勢で行わないと、怪我の原因となったり、狙った効果がえられなかったります。 脊柱管狭窄症のストレッチでは、「腰を反らない」という点が大切になります。お腹に力を入れることを意識すれば腰が反りにくいです。 3 ,継続して取り組む ストレッチや運動を実施して症状が和らいでも、脊柱管狭窄症の原因となっている脊椎の状態や姿勢は、すぐには元に戻りません。 そのため、症状が楽になる運動は、特に継続して取り組むのが大切です。 特に筋トレは継続しなければ筋肉がつきません。最低 1 ヵ月は継続しましょう。 まとめ・脊柱管狭窄症に合わせた正しいストレッチや筋トレで症状を和らげよう 脊柱管狭窄症の症状を和らげるためには、原因を理解して、状態に合わせたストレッチや筋トレをするのが大切です。 今回の運動療法は家でもできる簡単な方法ですので、症状が和らぐのを確認しながら、継続するようにしましょう。 また、脊柱管狭窄症は運動療法の他にも、薬物療法や生活の工夫などを組み合わせて治療をするのが基本です。 そのため、症状が気になる場合は整形外科を受診して、医師や理学療法士などの専門家による助言を受けながら実施するようにしましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。
公開日:2024.10.07 -
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側弯症の人がやってはいけないことはある? 側弯症を悪化させないために心がけるべきことは? 側弯症と診断されたけれど、筋トレやスポーツはやっていいの? この記事を読んでいるあなたは、側弯症の人がやってはいけない動作や運動があるか気になっているのではないでしょうか。 「無意識に側弯症が悪化する動作をやっているのではないか?」と不安になることもあるかもしれません。 結論からいえば、側弯症の人がやってはいけない動作や運動は、明確になっていないのが現状です。ただし、長時間の崩れた姿勢や過度な運動は歪み・痛みの原因になるため、普段から正しい姿勢を保つよう心がけましょう。 本記事では側弯症の人がやってはいけない・注意すべき動作や運動について解説します。 記事を最後まで読めば、側弯症を悪化させないために普段から意識すべきことがわかるでしょう。 側弯症の人がやってはいけない・注意すべきことは? 結論からいうと、側弯症の人がやってはいけない動作は、科学的に証明されていません。ただし、通常よりも背骨の歪みや痛みが出やすいため、日常から正しい姿勢を保ち、無理な運動は避ける必要があります。 まずは側弯症がやってはいけない・注意すべきことを、以下のポイントごとに解説します。 日常動作 筋トレ・ストレッチ スポーツ 本章を参考にして、側弯症の人が避けるべき動作や運動をひと通り理解しておきましょう。また、側弯症の症状については以下の記事も参考にしていただければ幸いです。 側弯症の人がやってはいけない・注意すべき日常動作 多くの日常生活習慣・動作は、側弯症と直接的な関係がないという研究があります(文献)。そのため、側弯症の人がやってはいけないことは明確にわかっていないのが事実です。 ただ、側弯症の人は姿勢が傾きやすく、腰痛や姿勢の歪みが生じやすい傾向があります。見た目上の歪みや腰痛予防のためにも、長時間崩れた姿勢を取らないようにしましょう。 また、腰痛があるときは重いものを持ったり、無理に運動することを控えてください。 側弯症の人がやってはいけない筋トレ・ストレッチ 側弯症の人が姿勢矯正のために筋トレをおこなう場合は、湾曲している凸側を鍛えましょう。誤って凹側の筋力を強化してしまうと、かえって背骨のゆがみを強めてしまいます。 また、ストレッチをする場合は、痛みが出るまで伸ばしたり、反動や勢いをつけたりしないよう注意が必要です。無理なストレッチは、変形した背骨に負荷をかける原因になります。 筋トレやストレッチは、側弯の状態に合わせて適切な方法でおこないましょう。整形外科などで姿勢を評価してもらい、専門家の助言を受けることをおすすめします。 側弯症の人におすすめのエクササイズ・ストレッチは以下の記事でご紹介していますので興味がある方はぜひご覧ください。 側弯症の人がやってはいけない・注意すべきスポーツ 現時点で特定のスポーツが原因で側弯症の発症が増える可能性について、科学的な根拠は明らかになっていません。 よって側弯症でも特定のスポーツを避ける必要はないでしょう。 ある研究では、クラシックバレエの経験がある女子に側弯が発生しやすいといわれています(文献)。しかしバレエが側弯に影響しているのか、側弯になりやすい体型の子がバレエをやっていることが多いのかはわかっていないのが現状です。 よって、側弯症の悪化や予防といった観点でいえば、特定のスポーツを制限する必要はありません。 ただし、腰痛などの症状が出ている場合は、腰に大きな負担がかかるような種目や動きは控えましょう。 側弯症における3つの治療法 側弯症と診断された場合、主に以下3つの治療を行います。 経過観察 装具による矯正 手術 側弯症と診断され、治療を検討している方の参考になれば嬉しく思います。 経過観察 側弯症が軽度(背骨の曲がり角度が30度未満)の場合は、経過観察として定期的に整形外科での診察・レントゲン検査を受けるのが一般的です。 とくに子どもの側弯症の場合、成長期が終わるとともに側弯の進行も止まるケースも多くあります。経過観察で悪化が見られなければ、矯正など特段の治療を行わないこともあるでしょう。 装具による矯正 背骨の曲がり角度が30度以上50度未満の場合は、中等度の側弯症と診断されます。 中等度の側弯症の場合は、症状の進行を抑えるため「アンダーアーム装具」と呼ばれる装具を使って矯正を行います。 装具による矯正治療は、側弯症を根本的に改善する効果はなく、あくまでも進行を止める手段として行われます。 手術 背骨の曲がり角度が50度以上と重度の側弯症である場合、外科手術を検討するケースもあります。 側弯症の手術は、以下2つの方法が一般的です。 後方矯正固定術 前方矯正固定術 「後方矯正固定術」は背中側から皮膚を切開し、脊椎にロッド等を取り付けて固定するものです。一方「前方矯正固定術」では、身体の側面から皮膚を切開して胸椎や腰椎を固定します。 入院期間の目安は約2週間~3週間で、その後リハビリ期間を経て退院する流れが一般的です。 側弯症の外科手術については以下の記事もご覧ください。 まとめ|日常から正しい姿勢・適度な運動を継続して側弯症とうまく付き合おう 本記事では、側弯症の人がやってはいけない、あるいは注意すべき動作や運動について解説しました。 日常生活や運動において、側弯症の人がやってはいけないことは明確ではありません。しかし、無理な姿勢や運動は症状を悪化させる可能性があるため、整形外科など医療機関に相談し、専門家の助言を受けましょう。 この記事を読んだあなたが、側弯症の人が注意すべき姿勢や運動を理解し、普段から意識して生活できるようになれば嬉しく思います。 側弯症でやってはいけないことについてよくある質問 側弯症に良い運動はありますか? 姿勢改善の効果があるヨガやストレッチがおすすめです。スポーツなら姿勢や体重が偏りにくい水泳、ウォーキングなどが良いでしょう。 ただし、いずれも無理のない範囲で行い、痛みがあるときは安静にする必要があります。 側弯症は年をとるとどうなりますか? 側弯症が悪化するタイミングは思春期に多く、成長してから悪化するケースは比較的少ない傾向があります。 しかし、中高年になってから進行する場合もゼロではないため、定期的に整形外科での受診、レントゲン検査を受けましょう。 中高年で側弯症が悪化した場合、脊柱管狭窄症や腰部椎間板ヘルニアなどの合併症リスクもあります。早期発見・早期治療のためにも、経過観察を続ける必要があります。 参考文献 Kota Watanabe,Takehiro Michikawa,et al. Physical activities and lifestyle factors related to adolescent idiopathic scoliosis.2017;99:284-294.
公開日:2024.10.07 -
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- 腰部脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症とは?その症状と治療!ヘルニアとの違いとセルフチェックの方法 脊柱管狭窄症は、腰椎ヘルニアと並び、最も代表的な腰部の疾患の一つです。 神経への影響という部分では、ヘルニアと似ているところもありますが、原因や症状、治療法などが微妙に違ってきます。 今回は、脊柱管狭窄症の病態や自分でできるチェック方法、治療について解説します。 脊柱管狭窄症とは? 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)とは、脊柱(背骨)で構成される脊柱管というトンネルが狭くなる疾患です。 脊柱管が狭くなる原因は、椎間板の突出と黄色靱帯の肥厚が面の原因となって、脊髄神経の前側と後ろ側を圧迫するのです。 その脊柱管の中には、脳と全身の器官を繋ぐ脊髄神経が通り、感覚や運動の指令を伝達するとても重要な役割を果たしています。 脊柱管狭窄症では、脊髄神経が通るトンネルが狭くなるため、脊髄神経は圧迫されてしまい、痛みやしびれ、力の入りづらさなど様々な症状で大きく悩まされる疾患です。 脊柱管狭窄症は部位によって分類される 脊柱は、7 個の頸椎と 12 個の胸椎、5 個の腰椎が連なって構成されます。 そのため、脊柱のどの部分で狭窄が起きているかで、呼び名が変わるのです。 ・頸椎で狭窄‥頸部脊柱管狭窄症 ・胸椎で狭窄‥胸部脊柱管狭窄症 ・腰椎で狭窄‥腰部脊柱管狭窄症 割合としては、腰部脊柱管狭窄症が 1 番多くみられるため、本記事でも腰部脊柱管狭窄症について述べていきます。 脊柱管狭窄症の症状 脊柱管狭窄症は、圧迫される場所によりタイプ分けされており、それぞれ症状が違います。 タイプは以下の2つに分けられます。 ①馬尾型 ②神経根型 また、この 2 つが組み合わさった混合型というのもあります。 ①馬尾型の症状 脊柱管狭窄症の 1 割程度でみられ、脊柱管の中心部に近いところで圧迫が起きます。 馬尾型では、両下肢のしびれやだるさ、膀胱直腸障害(排尿・排便障害)などがあり、症状が出現した場合は、すみやかに整形外科を受診するようにしましょう。 ②神経根型の症状 脊柱管狭窄症の 7 割が、神経根型といわれています。 多くは、片方の臀部や脚にかけてのしびれやピリピリする痛みがあります。 症状がなかなか落ち着かない場合は、整形外科に受診し、圧迫の程度や身体機能のチェックをおすすめします。 長時間(一定時間)の歩行で症状が増強する間欠性跛行 馬尾型、神経根型のいずれにおいても、長時間の歩行で痛みやしびれの増強がみられます。これが間欠性跛行です。 これは脊柱管狭窄症と診断された患者さんの大部分が訴える症状です。 いつもなら何事もなく歩ける距離が、急に辛くなった、休まないといけなくなった、などの症状が出たら、脊柱管狭窄症を疑いましょう。 この間欠性破行は前かがみ、つまり前屈によって症状は軽快します。自転車を乗ると全然痺れが出ないなどもこの背中の前屈によるものとされます。 もちろん、下肢の循環障害などでも同様の症状が出てくる可能性もあるので、専門機関でしっかり診断してもらうことが大切です。 出典「日本整形外科学会」https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spondiyolysis.html 脊柱管狭窄症の原因 脊柱管狭窄症は、脊髄神経が通る脊柱管が狭くなることで引き起こされる疾患です。 では、どうして狭くなってしまうのでしょうか? 脊柱管が狭窄を起こしてしまう原因は、以下の 3 つが考えられます。 ①加齢による骨や周囲の軟部組織の変化 人の体は20歳をピークに徐々に衰え始め、中高年の時期に急激に変化していきます。 脊柱でも同様のことが起こり、脊柱管狭窄につながる変化としては以下のものが挙げられます。 ・椎骨の変形(骨の形態が変わること) ・椎間板の変性・膨隆(椎間板の性質が変わること・椎間板が後方の脊柱管内に膨らむこと) ・脊柱周囲の靭帯の肥厚(主に黄色靭帯が厚くなること) 椎骨は脊柱の骨組みになるものであり、椎間板は背骨と背骨の間に入り込みクッションのような役割を果たし、靭帯は背骨を安定させるために働いてくれます。 これらの機能が落ちてくると、上記の 3 つのような変化が現れ、脊柱管を狭くし脊髄神経を圧迫、そしてしびれや痛み、脚の脱力感などの症状が出てしまうのです。 ②姿勢や動作習慣など日常的な体の使い方によるもの 加齢による背骨やその周りの組織の変化が起こると同時に、問題になるのが姿勢や動作習慣です。 脊柱管狭窄症の人は反り腰となっていることが多く、その原因は猫背姿勢や運動不足による体幹筋力の低下、股関節や上半身を上手に使えない誤った動作習慣が挙げられます。 腰を反らした姿勢では、脊柱管はより狭くなってしまい、症状が強く現れます。 反対に、腰を少し前かがみにすれば、脊柱管が広がり、痛みやしびれが軽くなります。 脊柱管狭窄症の人が、痛みがある時に腰を一時的に曲げる動作をとるのは、このような理由があるからです。 ③先天的な疾患によるもの 割合としては非常に少ないですが、先天的な骨の形態異常により脊柱管が狭くなってしまい発症する脊柱管狭窄症もあります。 脊柱管狭窄症は、中高年の年齢から発症することが圧倒的に多いですが、この先天的なものが原因となる脊柱管狭窄症では、発育途上の若い年代で起こることが多いです。 側弯症もその一つで、脊柱管が曲がって狭くなることで神経症状が出ることがあります。 脊柱管狭窄症とヘルニアの違い 脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアは、腰部の疾患に挙げられる代表的なものですが、その違いは以下です。 腰椎椎間板ヘルニア 腰椎椎間板ヘルニアは、脊椎と脊椎の間にあるクッションの役割をする椎間板が後方へ飛び出てしまい、神経を圧迫して症状が出ます。 よく発症する年齢は、50 歳代ですが、10 〜 20 歳代の若い男性に多くみられることがあります。 腰椎椎間板ヘルニアの場合、脊柱管狭窄症と違って、間欠性跛行の症状はありません。 脊柱管狭窄症 脊柱管狭窄症は、脊柱管が狭くなり、そこを通る神経が圧迫され発症します。 主に椎間板と黄色靭帯による前後からの圧迫によって生じることが多く見られます。黄色靭帯の肥厚は若い人にはほとんどみられることはありません。 脊柱管狭窄症は、ヘルニアを伴うこともあり、完全に違う病気であるとは言い切れない部分もあるため、鑑別が難しいです。 好発年齢は 60 〜 70 歳代以降の人に多く、背骨の変形や姿勢の変化を伴うことが多いです。 脊柱管狭窄症のセルフチェック 脊柱管狭窄症は、特徴的な症状がいくつかあるため、セルフチェックができます。 下記の項目にチェックを付けて下さい 脊柱管狭窄症のチェックリスト ▢一定時間歩いていると脚に痛みやしびれが出てくる ▢立ったままの状態を長時間続けられない ▢足首や足の指を動かしづらい ▢陰部やお尻周りがしびれる ▢腰を反らすと痛い ▢腰を前に曲げると楽になる ▢尿漏れがある ▢身長が縮んだ ▢壁に踵・お尻・頭をつけた状態で立った時、腰と壁の間のスペースが大きい ▢下にある物を持ち上げる時、股関節や膝を曲げずに腰だけ曲げて持ち上げる いかがでしたか? ひとつでも当てはまるものがある方は、注意が必要です。 脊柱管狭窄症になっている可能性がある人や、今後脊柱管狭窄症になりやすい人は複数の項目でチェックが入るかもしれません。 特に下半身のしびれや長時間の歩行での痛み、尿漏れなどの症状が出ている人は、放置せずにできるだけ早めに専門の医療機関に相談しましょう。 https://www.youtube.com/watch?v=3yN5q8_ATpc 脊柱管狭窄症の治療 脊柱管狭窄症の治療法は様々あります。 【脊柱管狭窄症の治療方法】 ・神経からくる痛みに対しての内服 ・コルセットなどで腹圧を高めるためのサポートを行う ・体幹や肩周り、股関節周りの柔軟性を高めるストレッチ ・体幹や下半身の筋力トレーニング ・立っている時、座っている時の姿勢の改善 ・歩き方、動き方の改善 ・重症度の高い脊柱管狭窄症への手術療法 重度の脊柱管狭窄症の場合は、早急に神経の圧迫を取り除く必要があるため、手術療法が用いられます。 また、体にメスを入れない保存療法では、リハビリテーション、薬物療法、装具療法があります。 保存療法では、神経的な痛みに対する薬を処方し、まずは症状を抑えることが多いです。そして、症状の原因となる姿勢の改善や、誤った動作習慣を改善する目的でリハビリテーションを行います。 高齢になると、どうしても活動量が落ちてしまい、同一姿勢をとる時間が長くなります。そうすると、脊柱の柔軟性や体幹を保とうとする筋力が低下し、脊柱にかかる負荷が増えてしまうのです。 そんな悪循環を断ち切るために、気になる症状が出てきた時は、専門の整形外科へ相談しあなたにあった治療方法を探してみましょう。 まとめ・脊柱管狭窄症とは?その症状と治療!ヘルニアとの違いについて 今回は、脊柱管狭窄症の病態や、他の腰部疾患であるヘルニアとの違い、セルフチェック、治療方法について紹介しました。 中高齢の方に多い疾患ですが、その多くがそれ以前の姿勢や動作習慣が原因となって起こります。 今、症状が出ている人は、できるだけ早めに医療機関へ相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。 まだ症状が出ていない方、そして年齢的にもまだまだ若い方は、脊柱への過剰な負荷がかからないように、今のうちから姿勢や体の使い方を見直し、予防に努めましょう。 ▼脊柱管狭窄症でのお悩みは、再生医療という治療方法があります。手術や入院を避けることができる最新療法です。当院までお問い合わせ下さい。
公開日:2024.10.07 -
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- 脊柱管狭窄症
- 腰部脊柱管狭窄症
「腰部脊柱管狭窄症の手術費用はいくらかかる?」 「腰部脊柱管狭窄症の入院期間はどのくらい?」 腰部脊柱管狭窄症は、足の痺れや痛みで歩けなくなる病気で、症状が悪化すると手術による治療が必要になります。 どのような手術やリハビリをするのかはもちろんですが、手術費用や入院期間がどのくらいかかるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。 これから手術を検討されている方に向けて、腰部脊柱管狭窄症の手術費用や入院期間、手術からリハビリまでの流れを詳しく解説します。 最後まで読んでいただければ、腰部脊柱管狭窄症の保険適用や高額療養費制度の内容を含め、手術や治療に関わる全体の内容を理解できるはずです。 腰部脊柱管狭窄症の原因と症状 腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)はさまざまな原因で、背中にある神経の通り道が狭くなり、神経を圧迫するときに症状が出ます。 まずは腰部脊柱管狭窄症の理解を深めるためにも、原因や症状を紹介します。 ・腰部脊柱管狭窄症の原因 ・腰部脊柱管狭窄症の症状 腰部脊柱管狭窄症の原因 腰部脊柱管狭窄症は多くの場合、加齢によって脊柱が変形して、神経を圧迫するのが原因で起こるものです。 脊柱は小さな積み木のような骨が積み重なってできており、後方の脊柱管と呼ばれる空間に脳から伸びた神経(脊髄:せきずい)が通っています。 また、脊髄から枝わかれした神経は脊柱の左右の隙間を通って、手足につながり感覚や運動を司っています。 脊柱の変形のため、これらの通り道が狭くなってしまうと、神経にダメージを与えてしまい、腰部脊柱管狭窄症の症状につながるのです。 加齢による変形の他には、骨の代謝障害や生まれつきの変形によるものなどがあります。 腰部脊柱管狭窄症の症状 腰部脊柱管狭窄症は、お尻から脚全体にかけての痺れや痛み、脱力といった神経の症状が特徴です。 また、ある程度の距離を歩くと、痛みや痺れなどが悪化して歩けなくなります。 しかし、数分間休憩して前屈みの姿勢を取ると、再び歩けるようになる間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状がみられます。 症状が悪化すると、排泄の障害や性機能が不全になるなどの膀胱直腸障害(ぼうこうちょくちょうしょうがい)が出る場合もあるでしょう。 上記の症状に思い当たる節があるときは、早めに医療機関で相談するのをおすすめいたします。 当院「リペアセルクリニック」では、メール相談を始め、電話相談でオンラインカウンセリングを行っております。気になる症状がある方は、お気軽にお問い合わせください。 腰部脊柱管狭窄症の手術費用・入院期間 腰部脊柱管狭窄症は、状態に合わせて手術の方法が異なるため、手術費用や入院期間は手術内容に応じて変わります。 以下では、手術ごとの費用や入院期間の目安を紹介します。 ・手術費用の目安 ・入院期間の目安 手術費用の目安【除圧術で25〜40万円ほど】 費用は除圧術の場合、25〜40万円程度かかります。 一方、除圧固定術は、60〜85万円程度で、除圧術に比べて費用がかかる傾向にあります。 術式や入院期間、リハビリの量などによって費用に差が出ますので、手術を検討する病院でしっかり確認しましょう。 入院期間の目安【平均1〜2週間ほど】 内視鏡を使用した手術の場合、入院期間は1〜2週間程度です。 病院や状態によっては、1週間以内で退院が可能な場合もあります。 入院期間は除圧術のほうが固定術に比べて短くなります。また、手術カ所が多いほど入院期間が長くなる場合が多いです。 また、腰部脊柱管狭窄症にヘルニアなどが合併している場合も、入院期間が長くなります。 腰部脊柱管狭窄症の治療方法 腰部脊柱管狭窄症の治療方法は、まずは手術をしない保存療法を行うのが一般的です。 以下で、保存療法と手術療法の詳細を見ていきましょう。 ・腰部脊柱管狭窄症の保存療法 ・腰部脊柱管狭窄症の手術療法 腰部脊柱管狭窄症の保存療法 腰部脊柱管狭窄症の保存療法は、次のようなものがあります。 ・薬物療法 ・神経ブロック注射 ・運動療法 ・生活指導 薬物療法では、痛み止めや神経の働きを改善する薬を服用します。 神経ブロック注射は、傷害された神経に麻酔薬を注射して、一時的に神経の働きを麻痺させる形で、痛みの軽減や神経症状の改善を図るのが目的です。 また、腰部の負担を軽くするために、運動や生活を工夫しながら、症状の改善や悪化の予防を図ります。 上記を試しても回復しなかったり、症状が悪化したりする場合は手術の適応となります。 腰部脊柱管狭窄症の手術療法 腰部脊柱管狭窄症の手術は大きく分けて「除圧術」と「除圧固定術」の2種類があります。 除圧術 神経を圧迫している背骨の一部を取り除いて、圧迫されている部分の除圧をする手術 除圧固定術 除圧術をしたあとに、その部分を別のカ所の骨を移植して固定する手術 背骨の狭窄だけでなく、ずれがあったり変形が強かったりする場合は、除圧術をすると背骨の関節が不安定になります。 そのため、除圧に加えて固定する必要があり、除圧固定術が適応されるのです。 最近では小型のカメラを使用して、わずかな傷で手術を行う内視鏡での手術が多くなっています。 手術は全身麻酔で行われ、手術カ所や状態によりますが、1〜3時間以内で終了する場合が多いです。 傷口が小さくて回復も早いため、従来の切開して行う手術に比べて入院期間が短くなっています。 腰部脊柱管狭窄症の手術からリハビリまでの流れ 腰部脊柱管狭窄症で内視鏡手術をした場合、早期からベッドを離れて体を動かせます。 以下では、手術からリハビリまでの流れを解説します。 手術の翌日からリハビリ開始 手術当日は安静にしますが、翌日からリハビリが始まります。 ベッドから起きたり、座ったりといった動きを確認したあと、経過が良好であれば、コルセットを装着して歩くのも可能です。 コルセットは術後の背骨が安定するまで約3カ月間装着する必要があり、手術の翌日から正しい装着方法を習得するのが重要です。 2日目以降は状態に応じて積極的なリハビリを実施 2日目以降は歩行練習を含めて、活動的な生活を送るためのリハビリがしっかり行われます。 歩行が安定してくると、階段の昇降や屋外での歩行も開始して、退院が可能な状態まで回復を目指します。 ただ、中腰の作業や重い荷物を持つなどの動作は、腰に負担がかかるため、しばらく行ってはいけません。 退院までに、日常生活における注意点もしっかりと理解を深めておくのが重要です。 退院後も必要に応じて外来でのリハビリを受ける場合があります。 まとめ|腰部脊柱管狭窄症の手術費用を把握して手術とリハビリに備えよう 腰部脊柱管狭窄症は症状が悪化して、手術を勧められても、手術の費用や入院期間、リハビリまでの流れを知らないと不安になるのも仕方ありません。 本記事で紹介した内容を参考に、少しでも不安を減らしていただけると幸いです。 腰部脊柱管狭窄症により神経症状が悪化すると、日常生活を送るのに支障をきたします。手術が必要になる前に、早めに整形外科を受診して症状の悪化を防ぎましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では、幹細胞を使った再生医療による治療を行っています。 術後の後遺症でお困りでしたら、ぜひ以下の問い合わせ先からご相談ください。 【リペアセルクリニックへのご相談方法】 ・メール相談 ・来院予約 ・電話相談:0120-706-313(オンラインカウンセリングの予約) 腰部脊柱管狭窄症の再生医療における事例は、以下の動画もご参考になれば幸いです。 https://www.youtube.com/watch?v=3yN5q8_ATpc&t=2s 腰部脊柱管狭窄症の手術費用に関わるQ&A 腰部脊柱管狭窄症の手術費用について、よくある質問と答えをまとめています。 Q.腰部脊柱管狭窄症の手術費用は保険適用になりますか? A.はい、基本的には保険適用になります。 ただし、手術方法によっては保険適用外の場合もあるので注意が必要です。 事前に医療機関で、手術費用が保険適用なのか詳細を確認しておきましょう。 Q.腰部脊柱管狭窄症の手術費用は高額療養費制度の対象ですか? A.はい、基本的には高額療養費制度の対象です。 高額療養費制度では、医療機関などを利用した際に、1カ月の合計支払い金額において、上限を超えた部分のお金が戻ってきます。 上限金額は、年収や所得に応じて変わるのが特徴です。 ただし、治療方法によっては、高額療養費制度の対象外になる場合もあります。 腰部脊柱管狭窄症の手術をする前に、医療機関で高額療養費制度が使えるのかを必ずご確認ください。
公開日:2024.11.06 -
- 脊椎
- 脊椎、その他疾患
側湾症の手術は、神経が通る脊髄の近くを手術操作するため、運動・感覚麻痺の後遺症を引き起こすリスクがあります。また、術後に合併症や感染症などを引き起こす可能性もゼロではありません。 側湾症の手術をするなら、これらの懸念点をしっかり理解しましょう。覚悟を決めて臨めば、後悔は少なくなるかもしれません。 本記事では、側湾症の手術後に起こりうる後悔を解説します。側湾症の手術におけるリスクを正しく理解しておきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。 側湾症の手術後に起こりうる3つの後悔 さっそく、側湾症の手術後に起こりうる後悔について解説します。 後遺症が出る可能性がある 合併症や感染症を引き起こすリスクがある すぐには元の生活に戻れない 順番に見ていきましょう。 後遺症が出る可能性がある 脊椎という背骨の中には、脳と身体をつなぎ運動や感覚を伝える脊髄という神経の束が通っています。万が一、手術中に脊髄を損傷してしまうと、運動麻痺や知覚麻痺といった後遺症が出るリスクがあります。 手術前に動かせていた体の一部が動かせなくなったり、感覚が鈍くなったりすれば、手術したことを後悔する可能性があるでしょう。 脊髄損傷の後遺症における有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。 近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されています。具体的な治療方法が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。 合併症や感染症を引き起こすリスクがある 背骨の周囲には、さまざまな臓器が隣接しています。そのため、呼吸器や循環器、泌尿器などの合併症を引き起こす可能性もあるのです。 また、手術後の創部管理が行き届いていないと、免疫が低下して感染症を起こすことも考えられます。 合併症や感染症は、発熱や痛みが伴うケースが多くなります。そんな身体的な苦しさや不安から、手術したことを後悔する場合もあるでしょう。 すぐには元の生活に戻れない 手術後にもっとも重要な課題は、処置した箇所の骨癒合(骨がくっつくこと)を待つことです。骨癒合のために安静にすることが第一優先となり、すぐに元の生活には戻れません。 たとえば、背骨を過度に反らしたり、ねじったりする動作は制限されます。負荷がかかり、治癒を遅らせるリスクがあるためです。また、無理に身体を動かすと、脊椎を固定している金属挿入部が緩んでしまうことがあります。症状によっては、再手術が必要となる場合もあります。 このように、完治までは日常の動作や運動も思うようにはできません。不自由さを感じて、後悔する可能性もあるでしょう。 以下の記事では、手術後すぐにできないことを解説しています。手術後の過ごし方のイメージを深めたい方は、参考にしてみてください。 側湾症の手術を受けて良かったと感じる瞬間 側弯症の手術を受けると側弯の度合いが軽減され、さまざまな改善効果が感じられるようになります。以下は、側湾症の手術を受けて良かったと感じる瞬間の例です。 ・背骨の歪みが矯正され、身体が動かしやすくなる ・見た目が変わり心理的ストレスが減る ・自信を持ってスポーツや習い事に挑戦できる ・姿勢が改善され疲れにくくなる これらの効果は、生活の質を大きく向上させるでしょう。 以下の記事では、側湾症の方におすすめのストレッチを紹介しています。術後のセルフケアをする際の参考にしてみてください。 側湾症の手術後に後悔しないために理解を深めることが大切 側湾症の手術で後悔しないためには、病気と治療への理解を深めることも大切なポイントです。ここでは、以下3つのトピックスで側湾症について詳しく解説していきます。 側湾症とは 側弯症の種類 側弯症の治療方法 疑問を取り除いて、安心につなげていきましょう。 側弯症とは 側弯症とは、背骨(脊柱)が曲がっている(捻れている)状態のことを言います。 側弯症の説明で必ずと言っていいほど出てくる指標がコブ角です。これは、背骨の横方向への曲がり方を表す角度になります。 角度を測る際に用いられるのが、レントゲン画像です。背骨(椎体)の上下で最も曲がりの強い椎体から線を引き、その2つの線が重なってできた角度がコブ角になります。 出典:脊椎手術.com (https://www.sekitsui.com/specialist/sp014-html/) コブ角が大きければ大きいほど側弯が強い、という判断になります。コブ角の程度により治療方法の選択が変わりますので頭に入れておきましょう。治療方法についてはこのあと詳しく解説するので、このまま読み進めてみてください。 以下の記事では、側湾症の人がやってはいけない動作や行動を解説しています。詳細が気になる方は、ぜひあわせてご覧ください。 側弯症の種類 側弯症には、原因や症状が異なる複数の種類があります。ここでは代表的な3つの種類について解説します。 機能性側弯症 特発性側弯症 原因疾患がある側弯症 順番に見ていきましょう。 機能性側弯症 機能性側弯症とは、日常の姿勢や、仕事動作の反復、腰痛を含む逃避的な姿勢など、左右非対称に偏った姿勢を高頻度にとる人に多くみられる側弯症です。 機能性側弯症の場合、コブ角も小さいことが多く、根本となる姿勢の問題を改善することで解消できます。 特発性側弯症 特発性側弯症は原因不明の側弯症です。発症する時期により、以下のように分類されます。 ・乳児期側弯症・・・3歳以下で発症(男児に多い) ・学童期側弯症・・・4〜9歳で発症 ・思春期側弯症・・・10歳以上で発症(女性に多い) 日本では思春期側弯症が多く、学校検診で発見されるケースも珍しくありません。コブ角が少ない初期の段階では見逃されやすいのですが、背骨に左右差が確認された場合は専門の整形外科への受診をすすめられるケースもあります。 進行のスピードには個人差があるため、1回のみでなく、定期的な受診により変形の程度を確認しましょう。治療の内容については後で述べますが、早ければ早いほど治療効果も高まります。 原因疾患がある側弯症 もともと原因となる疾患が引き金となって側弯症が発症するケースもあります。原因疾患の例は、以下のとおりです。 ・先天性側弯症・・・背骨の一部である椎骨の先天的な変形によって起こる側弯症 ・症候性側弯症・・・筋ジストロフィーや脳性麻痺、レックリングハウゼン病、マルファン症候群、やけど、脊椎の腫瘍などに続発して起こる側弯症 しかし、原因疾患が必ずしも側弯症につながるわけではありません。側弯の程度も個人差があるため、専門の医療機関でしっかりみてもらうことが必須となります。 側弯症の治療方法 側湾症の治療法は主に2つあります。 装具療法 手術療法 以下のようにコブ角により推奨される治療方法が変わってきます。 コブ角 推奨される治療方法 〜25° 見た目にもわかりにくい状態。多くは経過観察 25°〜40° 見た目にも変形がわかるようになる。進行の防止および変形の矯正のために装具療法が用いられるケースが多い。 40°〜 高度の側弯が見られる状態。場合によっては神経症状や呼吸機能の低下がみられる。手術療法により側弯を矯正する方法が推奨される。 装具療法と手術療法の内容を詳しく見ていきましょう。 装具療法 アンダーアーム装具(出典:日本側弯症学会) 装具療法では、進行しやすい成長期の段階で装着するケースが多いです。 側弯が進行しないようにするのが一番の目的であり、装具をしたからといって側弯した背骨が戻るわけではありません。骨の成長が終了するまで装具を装着し、できるだけ側弯の進行を抑える目的で処方されます。 基本的には装着時間が長ければ長いほど効果が高いと言われており、“お風呂以外の時間は装着”や、“家にいる時間は装着”、“24時間できるだけ装着”などと医療機関により多少ばらつきがあります。 海外の権威ある研究においても「装具の装着時間が長くなるにつれて、高リスク湾曲の進行が大幅に減少する効果が増大した」とという報告もあがっているので、装着時間を守っていくのがおすすめです。(文献1) 手術療法 高度の側弯症に対しての唯一有効な治療法が手術療法です。 コブ角が50°を超えてしまうと、骨が成熟した後でも変形が進行する可能性があります。変形が進行すれば、合併症の危険性が高まるため、変形を矯正するための手術を前向きに検討する必要があります。 現在は、手術技術や機器の向上により治療成績が格段に上がっているため、手術を推奨するケースが多いです。以下は、手術前と手術後のレントゲン写真です。 側弯症の術前(左)と術後(右)(出典:日本側弯症学会) 上の写真を見れば、手術前と後での違いが一目瞭然ですよね。 脊髄損傷に対する有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。具体的な治療方法が気になる方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。 まとめ|側湾症の手術後に起こりうる後悔を知った上で手術の決断をしよう 側湾症の手術後は後遺症や合併症などを引き起こすリスクがあります。事前に起こりうるリスクを知っておけば覚悟を決めやすいので、後悔も少なくなるかもしれません。 手術後は傷口の回復と、骨の癒合が優先となるため、すぐには元の生活に戻るのは難しい傾向にあります。手術後の生活への見通しをもって準備するためにも、担当医に手術後のスケジュールを確認しておくと良いでしょう。 脊髄損傷の後遺症における有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。 近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されています。具体的な治療方法が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。 参考文献 文献1:出典: 国立医学図書館 Weinstein SL, Dolan LA, Wright JG, Dobbs MB. Effects of bracing in adolescents with idiopathic scoliosis. N Engl J Med. 2013 Oct 17;369(16):1512-21. doi: 10.1056/NEJMoa1307337. Epub 2013 Sep 19. PMID: 24047455; PMCID: PMC3913566. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24047455/
公開日:2024.11.06 -
- ひざ関節
- 脊柱管狭窄症
- 膝部、その他疾患
なんの前触れもなく膝から下が痛くなり、以下のような症状に不安を感じていませんか。 「何もしていないのに足が痛い」 「膝から下が重い・だるい」 「ふくらはぎがジンジン・ズキズキする」 これまで感じたことのないような痛みや違和感だと重い症状ではないかと心配にもなりますよね。膝の痛みから考えられる疾患や原因はさまざまあり、症状が続くと日常生活に影響してしまうものです。 そこで本記事では「膝から下が痛い・重い・だるい」ときに考えられる4つの疾患と原因を医師が解説します。多くの症例実績がある「リペアセルクリニック」だからこそお伝えできる、膝から下が痛いときに取るべき行動もお伝えします。 最後まで読めば、今抱えている不安が少しは軽くなり、どこに相談すべきか迷わずに正しく判断できます。 膝から下が痛いときに考えられる4つの疾患と原因 膝から下が痛いときに考えられる疾患と原因は、以下の4つが挙げられます。 閉塞性動脈硬化症 深部静脈血栓症 脊柱管狭窄症 下肢静脈瘤 普段聞きなれない言葉が並んでおり、不安になる方もいるかもしれません。これらの各疾患について、症状や原因を記しながら、できるだけ簡単に説明してまいります。 なお、膝の内側・外側のように痛む場所から考えられる疾患もあるので、ある程度「痛みの場所が特定」できている方は、以下の記事もご覧ください。 ①閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう) 閉塞性動脈硬化症とは、以下のように足の血管の動脈硬化が進んでしまい、血液が流れづらくなったり、つまったりする病気です。 足の血流が悪くなるので、歩くときに足の痛みや痺れ、冷たさを感じることがあります。進行すると、安静にしていても同様の症状が出てきますので、注意が必要です。 「動脈硬化」は全身に起こりやすいものなので、足だけでなく手にも同様の症状が出てくる可能性もあります。安静時の足の痛みや足の潰瘍、壊死はだいぶ進行している状態です。下表に閉塞性動脈硬化症の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 閉塞性動脈硬化症の症状 ・足の痺れや冷感(しびれ・冷える) ・歩行の時の足の痛み ・間欠性跛行(しばらく歩行していると、足の痛みが強くなり歩行困難となる症状) ・安静時の足の痛み ・足の潰瘍・壊死 閉塞性動脈硬化症の原因 ・肥満 ・高血圧 ・喫煙 ・糖尿病 このように、動脈硬化の主な原因として生活習慣の乱れによるものが大きいことがわかります。 治療には早めの対処が必要となりますので「足の痺れ」「痛み」「冷たい感覚」などの症状を感じたら医療機関を受診し、早めにご相談されることをお勧めします。 ②深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう) 深部静脈血栓症とは、以下のように足の奥深くに通る静脈血管のなかに、血の塊(血栓)ができてしまう病気です。 この血栓が心臓や肺に流され詰まってしまうと、心筋梗塞や肺塞栓症などの命に関わる重大な疾患を引き起こす危険性があります。 特に足の整形外科の手術後や長時間のフライトなどで多くみられ、別名「エコノミークラス症候群」と呼ばれることもあります。下表に深部静脈血栓症の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 深部静脈血栓症の症状 ・片足が大きく腫れ上がる ・赤黒く変色する ・ジンジンとした痛みが伴う ・肺塞栓症へ移行した場合、呼吸が荒くなり、胸が痛くなる 深部静脈血栓症の原因 ・手術や怪我による静脈血管の損傷 ・長期の臥床(寝たきり)など、足を動かしていない期間が長い ・喫煙 ・脱水 ・その他血流の低下が起こりうる場合 手術やケガによって「血液が固まりやすい・静脈内血液の流れが悪い・静脈が傷ついている」という3つの状態が満たされる場合に深部静脈血栓症が起こりやすくなります。 このように、不動に伴う血液循環が滞りやすい期間が長くなってしまった場合によく起こります。 放置しておくと、重篤な肺塞栓症へと進行してしまう可能性もあるため、おかしいと思ったらただちに専門の医療機関へ行きましょう。 ③脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう) 脊柱管狭窄症とは、脊髄や抹消神経が通るトンネル(脊柱管)が何らかの影響を受けて狭くなってしまい、発症する疾患です。 中高年で腰痛を伴う代表的なもので、長時間歩くことができなくなる間欠性跛行(かんけつせいはこう)がみられます。 脊柱管狭窄症で悩む中高年の患者さんは数多くいます。それゆえ、見過ごされやすいのも事実です。脊柱管狭窄症を見過ごさないためにも、下表を参考に当てはまる症状がないかチェックしてみてください。 脊柱管狭窄症の症状 ・お尻から足にかけて痛みや痺れがある ・長く歩いたり、立ったままになるのが辛い ・足に力が入りにくい ・体を反らす動きがしづらい ・体を前屈みにすることで症状が楽になる ・尿漏れなどの排尿・排便障害がある 脊柱管狭窄症の原因 ・加齢による背骨の変形や、ヘルニア ・先天的なもの ・猫背などの偏った姿勢 ・反り腰 ・仕事などで腰に負担のかかる動作の繰り返し ひどいものでは「足に力が入らない」「オムツが必要となる排尿障害」が起こるなど、日常生活に大きく影響してくる場合もあります。 気になる症状が出たら、できるだけ早く専門医に受診しましょう。 ④下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう) 下肢静脈瘤とは、足の血管(静脈)に異常が起こる病気です。血管がコブ(瘤)のように膨れ上がり、以下のように体表からはボコボコしたように見えます。 静脈の中には、血液の逆流を防ぐための弁がついており、ふくらはぎの筋肉などの力で下から上に血液を戻してくれます。 しかし、その弁が壊れて正常に働かない場合は、血液が滞ってしまい、下の方に溜まってしまうのです。その血液が溜まった状態を下肢静脈瘤と言います。 下肢静脈瘤の症状や原因は、さまざまあります。見た目的にも分かりやすいため、自分で気づきやすい病気です。下表に下肢静脈瘤の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 下肢静脈瘤の症状 ・ふくらはぎのだるさ、重さ ・湿疹や皮膚の変症、皮膚炎 ・足がむくむ ・足がつる(こむら返り) ・血管が目立つ(ボコボコなる) 下肢静脈瘤の原因 ・加齢による筋肉や血管機能の低下 ・立ち仕事 ・妊娠や出産 ・遺伝的な要素 ・激しいスポーツ このように下肢静脈瘤は加齢による血管のしなやかさがなくなったり、立ちっぱなしの仕事を続けたりなど、誰にでも起こりうる病気です。上記の症状に当てはまる場合は、医療機関に相談しましょう。 膝から下が痛いときは何科を受診すべきか【疾患別に解説】 「膝から下が痛い」と感じた時に、考えうる疾患について4例説明しました。一見、全く違う病気のようにみえますが、似ている症状も数多くあります。そのため、疾患の見分け方は専門医でなければ難しいことが多々あります。 そこで、以下に疾患ごとのおすすめ受診科目を挙げています。早めの対処が必要な疾患もありますので、気になる症状がみられましたら、下記を参考に専門医へご相談ください。 症状 受診科目 下肢静脈瘤 ・血管外科※ ・心臓血管外科 ・皮膚科 ・形成外科 ・循環器内科 閉塞性動脈硬化症 ・血管外科※ ・循環器内科 深部静脈血栓症 ・血管外科※ ・循環器内科 ・整形外科 脊柱管狭窄症 ・整形外科 ※血管外科は、日本にあまり多くないのが実情です。 お近くに「血管外科」が無い場合は、「循環器内科」や「皮膚科」、「整形外科」などの他の診療科も視野に入れて、早めにご相談されることをおすすめします。 まとめ|膝から下が痛いと重大な疾患も考えられるので早めに受診を! 今回は、膝の病気で「膝から下が痛い・重い・だるい」という症状で、考えられる疾患についてお話しました。 本記事で挙げた疾患の中には命に関わる重大な疾患も含まれている為、気になる症状がありましたらできるだけ早めに専門医へ相談してください。 難しい言葉が並び、読むのも嫌になるかもしれませんが、これらの疾患は誰にでも起こりうるものです。例えば「深部静脈血栓症」から「肺塞栓症」へ移行してしまうと、一刻も争う状態になります。 「あの時、もっと早く相談しておけば良かった……」そんな声が1人でも少なくなるよう、本記事を読んでいただけると幸いです。 当院「リペアセルクリニック」では、膝の痛みなどに関する再生医療や幹細胞治療をおこなっています。万が一、重い症状だとしても再生医療を実施すれば、身体に負担のかかる手術をしなくてもよくなる可能性があります。 膝の痛みで少しでも気になる症状がありましたら、当院へご相談ください。 膝から下が痛いのよくある質問 Q.膝がズキズキ痛む原因はなんですか? A.膝がズキズキ痛む原因として、以下が挙げられます。 靭帯損傷 変形性膝関節症 半月板損傷 鵞足炎 膝の使いすぎ(オーバーユース) このほかにも膝がズキズキ痛む原因は考えられます。「膝が痛むときは何科を受診すべきか」でもお伝えした通り、膝の痛み一つとっても似ている症状は数多くあるため、適切な診断をするためにも専門医に相談しましょう。 膝の痛みに関するお悩みがあれば、放置せず当院にお気軽にご相談ください。 Q.膝が痛くて夜寝れない原因と対処法はありますか? A.膝が痛くて寝れない場合の原因は様々ありますが、「変形性膝関節症」の可能性が考えられます。主な原因としては、加齢や膝への負担により軟骨が摩耗するためです。 進行すると痛みで膝を伸ばせず寝ていても痛みを感じるケースも珍しくありません。少しでも痛みを軽減する対処法としては、以下が挙げられます。 腓腹筋のストレッチ ハムストリングのストレッチ 寝るときの姿勢は仰向け これらの具体的な方法については、以下の記事をご覧ください。 なお、膝が痛くて夜に寝れない場合、他の疾患の可能性も考えられるので、早めに医療機関に相談しましょう。
公開日:2024.10.23 -
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- 脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症と注意すべきポイントについて解説します あなたは脊柱管狭窄症が『薬で治る』と思っていませんか? 多くの日本人を悩ます、腰痛。腰痛の原因は様々ありますが、よく耳にする病名の一つに「脊柱管狭窄症」というのがあります。 本記事では、聞いたことあるけどイマイチよく分からない脊柱管狭窄症の原因や症状、治療法、そして脊柱管狭窄症との向き合い方を分かりやすく説明します。 脊柱管狭窄症とは? 脊柱管狭窄症とは、その名の通り脊柱管がなんらかの原因により狭くなってしまい、脊柱管を通る神経や血管を圧迫している状態を指します。 脊柱管狭窄症は、50代以降の中高年に多く発症する腰部の疾患です。 脊柱とは24個の背骨(椎骨)で構成されており、それらが連なることで縦に長いトンネルができます。そのトンネルが脊柱管と呼ばれ、脳から伸びる脊髄神経が通る場所になります。 なお脊髄神経は、脳からの指令を手脚に伝えたり、手で触れたものなどの情報を脳に伝える役割をしており、その脊髄神経を保護する役割を担うのが脊柱管です。 出典「日本整形外科学会」https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spondiyolysis.html 脊柱管狭窄症の症状・原因 脊柱管狭窄症の症状は多岐にわたります。症状の中で当てはまるものがないかチェックしましょう。 脊柱管狭窄症の症状 脊柱管狭窄症の症状で特徴的なものに間欠性跛行があります。しばらく歩いていると下肢の痛みや痺れがひどくなり、歩くのが困難になります。 しかし、しばらく座ったり前屈みになったりして休んでおくと症状が落ち着き歩けるようになるのです。間欠性跛行以外にもさまざまな症状がありますので下記をご参照ください。 【脊柱管狭窄症の症状の例】 ・おしりから脚にかけての痛みや痺れがある ・脚に力が入らない ・長く歩いたり、立ったままになるのが辛い ・歩いているときに症状が出ても、少し休憩すれば症状が和らぐ ・体を反らす動きがしづらい ・体を前屈させると症状が楽になる ・尿漏れなどの排尿・排便障害がある 出典「日本整形外科学会」https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spondiyolysis.html 脊柱管狭窄症になる原因 脊柱管狭窄症がどのように生じるのか簡単に説明しました。ではなぜ狭窄が起こってしまうのでしょうか? 原因はさまざまありますが、ここでは3つ紹介します。 ①加齢により、骨や軟部組織の変性が起こる 人間の体は20歳代半ばをピークに成長し、30歳を超えたあたりから機能が落ちてくると言われています。特に中高年では、加齢に伴う体の変化が顕著です。 そのため、背骨を構成する椎骨の変形や、椎間板の変性、靭帯の肥厚などが生じ、脊柱管が狭くなると言われています。 脊柱管が狭くなる原因 ・椎骨の変形 ・椎間板の変性 ・靭帯の肥厚 ②先天的な疾患によるもの 稀にですが、先天的に生じる脊柱管狭窄症があります。発育段階で脊柱管が狭くなっているせいで、比較的若い年代で症状が発症します。 割合としてはかなり少ないですが、比較的若い年代で上記の症状を有している人がいましたら詳しい検査を受けましょう。 ③普段の姿勢や体の使い方によるもの 加齢による骨や靭帯組織の変性と合わせて主な原因となるのが日々の姿勢や動作習慣です。特に反り腰の人に多くみられます。 背骨は首から骨盤まで繋がっているため、反り腰の原因は腰だけではありません。胸椎や骨盤、股関節の可動性の低下が影響します。 猫背や偏った姿勢をとることが多い人は特に注意が必要でしょう。 脊柱管狭窄症の診断 脊柱管狭窄症の診断には主にレントゲンやMRIなどの画像診断が用いられます。特に分かりやすいのがMRIで、骨以外の靭帯や椎間板の変性も確認しやすく、診断の手助けとなる検査法の一つです。 また、神経圧迫の程度や他の腰部疾患との鑑別のために、腱反射や感覚検査、筋力測定も行います。 脊柱管狭窄症の治療 脊柱管狭窄症の治療法は様々あります。大まかにいうと、内服やリハビリ、装具などを用いた保存療法と、外科的な処置を行う手術療法に分けられます。 保存療法 保存療法の例は以下です。 薬物療法 神経障害性疼痛という神経由来の痛みに効果的なお薬が処方されることがあります。また、局所の炎症を抑え、血液循環を良くする目的に神経ブロック注射を行うこともあります。 いずれも痛みの悪循環を断つ目的で行う治療法です。 装具療法 腰椎の不安定性がある状態や、圧迫により症状が緩和する場合はコルセットを処方されることがあります。コルセットは、腹圧を高めるサポートをし、背骨を安定させ、余分な筋肉の緊張を緩和する効果があります。 ただし、長期間装着することで腹筋の筋力が低下する可能性もあるため注意が必要です。 リハビリテーション リハビリテーションは、疼痛の緩和を目的とした物理療法と、関節の動きの改善、筋力の向上、体の使い方を改善させる運動療法からなります。物理療法の中には、電気刺激を与えて痛みを緩和させる電気刺激療法、温めることで痛みを緩和させる温熱療法を用いることがあります。 いずれも運動療法と併用して行うことでより効果が得られます。 運動療法は、理学療法士が中心となって、関節の動きや筋力の改善をサポートします。脊柱管狭窄症では、腰だけでなく、上部体幹(首や胸椎、胸郭など)や骨盤、下肢関節の動きも悪くなっていることが多々あります。 ストレッチや筋力トレーニング、姿勢の指導などその人に合わせたリハビリテーションを提供するのが特徴です。 手術療法 保存療法で症状の改善が見込めない場合や、神経の高度の圧迫により症状が強く出ている場合などには、手術療法を選択することがあります。 手術療法の一つに、狭くなった脊柱管を広げる方法があります。それは、椎弓と呼ばれる脊椎の一部と、肥厚した靭帯を部分的に切除する方法です。この手術により狭窄が解消でき、症状の改善につながります。 また、別の手術療法に、固定術というのがあります。腰椎分離症やすべり症といった背骨の不安定性を伴う脊柱管狭窄症の場合、神経を圧迫している場所の上下の背骨を固定する方法です。 いずれも重度な脊柱管狭窄症に用いられる手術療法ですが、その後のリハビリや生活習慣の見直しが重要となります。 脊柱管狭窄症で気をつけたいポイント 脊柱管狭窄症の治療は簡単なものではありません。脊柱管狭窄症は、薬で完全に治る病気でもなく、手術したからといって完全に元のように痛みがとれるわけではないからです。 老化や長年の姿勢、負担のかかる動作の繰り返しなどがいくつも重なって生じるものなので、症状の改善も一筋縄ではいきません。 では、どういうところに気をつけて過ごしていくべきなのでしょうか。 歩き過ぎは禁物 リハビリに来られる患者さんの中には、 「歩くのが大事なんでしょ?」 と言って、痛いのを我慢してより長い距離を歩こうとする方も多くいらっしゃいます。 しかし、前述したように脊柱管狭窄症は間欠性跛行が特徴としてみられ、それだけ負担がかかっている状態なのでかえって痛みが増強することがあります。その結果、さらに悪い姿勢をとってしまう危険性もあるのです。 姿勢や動作の改善が大事 無理な歩き過ぎはかえってよくないとお話しましたが、ではどのように対処していけばいいのでしょうか。 対処法の一つに、ストレッチや筋力トレーニングがあります。それらを駆使して偏った体の状態を戻すことが重要です。 背骨は、首から腰までつながっており、S字にカーブしています。そのカーブによって背骨にかかる負担が分散され、安全に効率よく体を動かすことができます。しかし、脊柱管狭窄症の患者さんはよく反り腰になっているのです。 反り腰になることで、背骨の一つ一つがずれてしまい、その結果、脊柱管が狭くなってしまいます。反り腰は腰だけが悪いのではなく、首や胸椎など腰以外に原因があることが多いのです。 例えば、背中が丸まってしまうと、バランスをとろうとして自然と腰が反ってしまいます。スマホ首や、肩こりが多い人も要注意です。 そんな人は、首から肩周りにかけてストレッチをすることをオススメします。特に胸を張る動作がしづらくなっている方も多いので、胸を開くようなストレッチを頑張っていきましょう。 まとめ・脊柱管狭窄症と注意すべきポイントについて 本記事では中高齢者が悩む「脊柱管狭窄症の注意すべきポイント」について紹介しました。 脊柱管狭窄症は、特に中高年に多く見られる腰部の疾患で、腰痛や下肢の痛み、痺れなどが特徴です。脊柱管が狭くなることで神経や血管が圧迫され、さまざまな症状を引き起こします。 この病気の原因は主に加齢による骨や軟部組織の変性、先天的な要因、そして日々の姿勢や体の使い方に起因するものです。 治療方法は大きく分けて保存療法と手術療法があります。 保存療法には、薬物療法やリハビリテーション、装具療法などがあり、症状を緩和し、生活の質を向上させることを目指します。一方、重度の場合や保存療法で改善が見られない場合には、手術療法の可能性もあります。 手術では狭くなった脊柱管を広げることや、不安定な背骨を固定することが行われます。 脊柱管狭窄症の治療において重要なのは、痛みの軽減だけでなく、姿勢や動作の改善です。無理に歩き過ぎることはかえって症状を悪化させる恐れがあるため、適度な運動やリハビリテーションを通じて体のバランスを整えることが大切です。 また、日常生活における姿勢の見直しやストレッチ、筋力トレーニングも効果的です。 脊柱管狭窄症は一朝一夕で完治する病気ではありません。 脊柱管狭窄症は完治が難しく、内服や注射、手術にリハビリと多くの治療法が用いられています。症状を緩和することは大事なことですが、普段の姿勢の改善や無理な動作をしないなど、体を根本から変えることも必要です。 腰の痛みや痺れ、歩きづらさで悩んでいる方は、医療機関でしっかりみてもらうと同時に、普段の生活の中で負担になっている動きがないか、偏った姿勢をとっていないか見直してみましょう。
公開日:2024.10.07 -
- 脊椎
- 腰椎分離すべり症
腰椎分離症とは?成長期のスポーツ選手に多くその症状と原因、治療法を分かりやすく解説! 腰椎分離症をご存じですか? 今回は、成長期の疾患で意外と見落とされがちな腰椎分離症についてご紹介します。分離症はどのようになってしまうのか、なってしまった後の治療法や予防法などを分かりやすく解説します。 腰椎分離症はどういうもの? 腰椎分離症とは、10代前半から中盤(小学生高学年、中学生、高校生)の成長期のスポーツ選手に多い腰のケガです。 背骨を構成する腰椎の「椎弓(ついきゅう)」と呼ばれる部分に疲労骨折が起こり、その名の通り腰椎が2つに分離してしまう状態のことを言います。 引用;「日本整形外科学会」 発症は成長期ですが、腰椎分離症に気づかず、大人になってから指摘されるケースも珍しくありません。場合によっては、疲労骨折した部分がより離れてずれてしまう「腰椎すべり症」へと進行することもありますので、早期の発見・治療が必要です。 腰椎分離症の原因 腰椎分離症の原因は大きく2つあります。 まず一つめは、未熟な骨の脆弱性です。10代の子どもたちの骨はまだ未熟で、軟骨部分も多いため強いストレスが繰り返し加わると悲鳴をあげてしまいます。 二つめに、激しいスポーツ動作により繰り返される腰椎へのストレスが挙げられます。 以下に発症しやすい動作を伴うスポーツとその動作を挙げていますのでご参照ください。 [スポーツの種類の例] ・サッカー ・ラグビー ・バスケットボール ・バレーボール ・野球 [スポーツ動作の例] ・ダッシュ ・ストップ ・ジャンプ ・体の反り ・強く捻りを伴う動作 このような「反らす」「捻る」動作が特に負担がかかりやすく、繰り返し加わることで疲労骨折が生じます。さらに、カラダの柔軟性が低下していたり、下半身や体幹の力が弱くなっていたり、不良な動作を身につけてしまうことで、腰椎分離症を発症しやすくなるのです。 腰椎分離症の症状と診断 症状 例えば、こんな症状はありませんか? ・体を反らす、捻る動きによる腰の痛み ・スポーツ中やスポーツ後の痛み ・下半身のしびれ(神経症状) ・骨折した部分の圧痛(指で押した時の痛み) もしかすると、腰椎分離症の症状かも知れません。医療機関では以下のようにして診断が行われることがあります。 診断 痛みやしびれの程度は個人差がありますので、年齢やスポーツ歴、痛みの問診、理学所見、レントゲンやCT、MRIなどの画像検査で総合的に判断します。 ①問診 これまでの研究では、スポーツ選手の約3割程度が腰椎分離症を持っていると言われています。 スポーツ歴やどの動作で痛みやしびれが出るのか、これらを聴取することが重要な判断材料となります。 ②理学所見 理学所見は、身体の診察のことで視診、触診を中心に行います。 痛みの場所を触診したり、痛みが出る動きを再現させて原因を特定したりします。 ③画像診断 レントゲン レントゲンで分離部(骨折部)がハッキリ写る(※1スコッチテリアの首輪)と進行期や終末期である可能性が高く、骨の癒合が極めて困難である場合が多い ※1スコッチテリアの首‥‥分離部が犬の首輪のように見えるためこのように表現されている。 CT 骨癒合の状態をみることができるため、分離部の進行状況や固定期間の予測に有用。 MRI 完全に分離していない初期段階の疲労骨折の発見に有用。ヘルニアの有無など他の腰部疾患との鑑別にも有用。 腰痛やしびれを症状とする腰部疾患は多く存在するので、腰椎ヘルニアや筋膜性腰痛などの他の疾患との見極めが必要です。 ▼腰椎分離症について、こちらの動画でも詳しく解説しています。 https://www.youtube.com/watch?v=hF14XAyVS0Y 腰椎分離症の治療法3つのポイント では実際に腰椎分離症になってしまったらどのような治療をしていくのでしょうか。治療を進めていく中で重要なことは、「早期発見、早期治療」です。 他のどの病気にも言えることですが、放っておくと、高校生になった時や大人になった時に痛みが再発し、思うように動けなくなってしまうことも多々あります。そのような状況を未然に防ぐことが重要です。 ポイント①疲労骨折部の安静 腰椎分離症の治療は「患部の癒合」が一番に優先されます。そのため、初期の段階であれば、患者のカラダに合わせた硬いコルセットを用い、患部に負担がかからないように固定し安静を保ちます。 コルセットを装着することにより、脊柱の捻るストレスを軽減することができるため、骨折部の癒合を促せるのです。骨が未熟な小・中学生では癒合の可能性も高いため、スポーツを一定期間中止し、癒合に専念することをオススメします。 ポイント②患部以外の柔軟性、筋力の強化 原因のところでも述べましたが、腰椎に負担がかかる要因は以下のことが挙げられます。 ・下肢(特に股関節など)や上半身(胸椎など)のかたさ ・下肢、体幹の筋力および筋持久力の低下 ・不良なスポーツ動作 これらの改善には、ストレッチや筋力トレーニングといったカラダのコンディショニングが重要となります。患部に負担のかからないところから徐々にストレッチや筋力強化をし、身体機能を上げていきましょう。 ポイント③腰椎へ過度なストレスにならない動作の獲得 柔軟性や筋力不足だけでなく、カラダの使い方も大きな原因となります。 例えば「カラダを反らせてください」と指示した時に、本来なら弓なりに背骨全体で反らせてほしいところ、胸が張れずに腰のところだけで反らせている人を多くみかけます。この動きだと腰だけに負担がかかりやすく、腰椎分離症を発症するリスクが高くなるのです。 また、カラダを捻る動きになると、頑張って背骨を捻ろうとしてしまいます。背骨の動きはそんなに大きな動きはできません。 カラダを捻る時に大事な役割をしてくれるのが、骨盤や股関節です。骨盤、股関節の動きが不十分だと背骨にかかる負担も増えてくるので、スポーツ復帰する前に改善しておきましょう。 予防の観点からもストレッチや筋力トレーニング、動作訓練は大切 前述した治療方法は、そのまま予防にもつながります。腰が痛くない人でも、普段から運動前後のストレッチやウォーミングアップ、クールダウンを徹底して行うとケガのリスクを下げることができます。 動作においても、日頃から自分の動きをチェックしておきましょう。無理な使い方をしていないか、指導者や保護者の方と一緒に確認することでケガの予防だけでなくパフォーマンスの向上にもつながります。基本的な動作の反復練習は、地味ですが大きな意味を持ちます。 腰椎分離症のQ&A 腰椎分離症になったらどうしたらいいの?腰椎分離症について、Q&Aでお答えしていきます。 Q.固定期間や安静期間はどれくらい必要? A.初期の腰椎分離症では、癒合の目安がおよそ2〜3ヶ月、進行期になると3〜6ヶ月と言われています。ただ、骨癒合には安静度や年齢、栄養状態などさまざまな要素が絡んでくるので一概には言えません。 定期的なCT画像検査により、癒合状況を確認することをオススメします。 Q.コルセットはずっとつけておかないといけないのか? A.医療機関にもよりますが、基本的にはお風呂以外の時間はつけておきましょう。 Q.安静にしておけば必ず骨癒合するのか? A.腰椎分離症にも初期から終末期があり、なりたての初期段階であればかなりの確率で癒合できます。しかし、終末期になると癒合は難しいので、体幹の強化や動作の改善の訓練を行い、患部に負担をかけない工夫が必要になります。 Q.固定以外にも治療方法はあるのか? A.終末期で症状がとれない、分離部がぐらぐらする、などといった症状が残っており、今後のスポーツ活動に支障を及ぼす可能性が高い場合に、手術療法を行うこともあります。 まとめ・腰椎分離症とは?成長期のスポーツ選手に多くその症状と原因、治療法を分かりやすく解説! 本記事では、腰椎分離症について原因や症状、治療法について紹介しました。 腰椎分離症は、早期に発見し、適切な治療を行えば後遺症も残さず治る傷害です。ただし、骨癒合まではある程度の期間、固定と安静が必要となります。 スポーツを休まなければいけないのは根気と我慢が必要となりますが、無理して治療を先延ばしにしておくと、痛みが長引くだけでなく、後になってより強い腰痛を引き起こす原因となることもあります。成長期の年代で腰痛に悩んでいる方は、ぜひ一度整形外科に相談してみましょう。 ▼ 脊髄損傷の再生医療|最新の幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脊髄損傷の新たな治療法として注目を浴びています
公開日:2024.10.07 -
- 脊椎
- 胸椎椎間板ヘルニア
胸椎椎間板ヘルニアとはどのような病気なのか、どのような対応が必要なのか知りたい方はいませんか。 この病気は、背骨の椎間板と呼ばれる組織が外に飛び出ている状態のことで、痛みやしびれなどの症状が現れるのが特徴です。 このヘルニアを放置すると症状が悪化し、日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。 この記事では、胸椎椎間板ヘルニアの原因や症状についてご紹介します。ヘルニアの危険性を知ることで、発症した際にすぐ対処するきっかけとなるでしょう。 胸椎椎間板ヘルニアとは? 胸椎椎間板ヘルニアとは、胸の背骨の間にある「椎間板」が外へ飛び出てしまうことです。ヘルニアには、「飛び出る」という意味があります。 椎間板とは、背骨の間にあるクッションのような組織です。人の背骨は全部で24個あります。これらのうち首(頸椎)の部分が7個、胸(胸椎)が12個、腰(腰椎)が5個あり、それぞれに椎間板があります。 椎間板がつぶれたり変形したりすると、その負担に耐えられなくなり、外へ飛び出してしまうのです。 ここでは、胸椎椎間板ヘルニアの原因や症状について解説します。 胸椎椎間板ヘルニアの特徴 胸椎のヘルニアは珍しい疾患で、頸椎や腰椎よりも起こりにくいとされています。これは、胸椎は肋骨とつながって安定しているからです。胸椎は首や腰に比べて椎間板にかかるストレスが少ないため、ヘルニアが起こりにくいのです。 背骨は前後に曲がってバネのような形状になっており、胸椎の下はちょうどストレスがかかりやすい位置にあります。そのため、胸椎椎間板ヘルニアは胸椎の下側に発症しやすいといわれています。 胸椎椎間板ヘルニアの特徴について、以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方はぜひこちらもご覧ください。 胸椎椎間板ヘルニアの原因 胸椎椎間板ヘルニアの原因は、おもに以下があげられます。 ・加齢による老化 ・過度なスポーツ ・車の長時間の運転 ・肉体労働 これらは背骨にかかる負担を高める要因となり、胸椎椎間板ヘルニアの発症につながります。 また高齢者だけでなく、働き盛りの20〜40代の方も発症する可能性がある点に注意しましょう。 胸椎椎間板ヘルニアを予防するには、背骨に負担を長時間かけないような工夫が重要です。 胸椎椎間板ヘルニアの症状 胸椎椎間板ヘルニアの症状は、おもに脚に現れます。具体的な症状としては、以下のとおりです。 ・太ももやふくらはぎのしびれ ・太ももやふくらはぎの痛み ・脚の脱力感 ・歩きにくさ 症状が進行すると、最悪の場合歩けなくなることもあるので注意が必要です。脚だけでなく、背中に痛みを感じることもあります。 さらに、脇に放散する痛みが出ることもあり、これを肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)と呼びます。中には背中や肋間神経痛が現れず、脚の症状だけが出現する人もいるでしょう。 胸椎椎間板ヘルニアと似た症状の肋間神経痛とは 胸椎の椎間板には脇から肋骨に沿って神経が出ており、これを肋間神経と呼びます。この肋間神経が圧迫されると、肋骨に沿ったしびれや痛みが現れます。 胸椎椎間板ヘルニアによって肋間神経が圧迫されると、神経に沿ってしびれや痛みを伴うことも少なくありません。脇の下がしびれることが多くなったら、胸椎椎間板ヘルニアを疑いましょう。 胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。 胸椎椎間板ヘルニアを放置する危険性 胸椎椎間板ヘルニアを放置すると、以下のような危険が伴うことがあります。 ・足が急に動かなくなる ・尿や便が出なくなる ここでは、それぞれの症状について詳しく解説します。 急に足が動かなくなる可能性がある 胸椎椎間板ヘルニアを放っておくと、急に脚が動かなくなる可能性があります。 胸椎椎間板の後ろには、脊髄があります。脊髄とは身体を動かす神経の大もとで、これが椎間板によって圧迫されると、急に脚が動かなくなることがあるのです。 胸椎はもともと神経の通り道がせまいため、軽い椎間板ヘルニアでも症状が出やすいといわれています。 急に尿や便が出なくなる可能性もある 胸椎椎間板ヘルニアになると、尿や便が出なくなる恐れもあります。これは胸椎の後ろを通る脊髄に、尿や便をコントロールする神経があるからです。 その神経が椎間板ヘルニアによって圧迫されると、排尿・排便障害が現れる可能性があります。 胸椎椎間板ヘルニアの診断方法 適切な治療を受けるためには、診断が必要です。胸椎椎間板ヘルニアは診断が難しく、見逃されてしまうケースも多い病気です。 診断を受けるためには、症状に気付いたら早めに整形外科を受診しましょう。 胸椎椎間板ヘルニアの診断で行われるのが、レントゲン撮影やMRI画像検査です。とくにMRIは椎間板がはっきりと確認できるので、確定診断につながります。 胸椎椎間板ヘルニアの入院期間や費用については、以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方は、ぜひこちらもご覧ください。 まとめ|胸椎椎間板ヘルニアは専門的な医療機関と相談しながら治療をしよう 胸椎椎間板ヘルニアは、背骨の胸の部分にある椎間板が飛び出すことで引き起こされ、脚や背中、脇のしびれ・痛みなどの症状が現れます。胸椎椎間板ヘルニアは椎間板の加齢による老化や、過度なスポーツが原因で発症します。 胸椎は肋骨で固定されているため、首や腰に比べてヘルニアが起こりにくいですが、一度発症すると身体に深刻な影響を及ぼしかねません。 症状が進行すると脚に力が入りにくくなったり、尿や便が出にくくなったりして、日常生活に大きな支障をきたす恐れもあります。足や背中に違和感を覚えたら、胸椎椎間板ヘルニアを疑ってみましょう。 軽い椎間板ヘルニアであっても、症状が出た場合は早期の診断(検査)と治療が重要です。気になる方は医療機関を受診し、専門的な診断と治療を受けましょう。 胸椎椎間板ヘルニアのよくある質問 ここでは、胸椎椎間板ヘルニアに関するよくある質問に対して、当クリニックの観点からお答えいたします。胸椎椎間板ヘルニアに関して疑問を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。 胸椎椎間板ヘルニアは予防できる?薬で治るの? 残念ながら、胸椎椎間板ヘルニアに対して有効とされる予防方法はありません。ヘルニアを治す薬もないのが現状です。 また、症状が悪化している場合は手術となるケースが多く、脚の運動障害は薬や運動、鍼灸などでは改善が期待できません。 そのため、胸椎椎間板ヘルニアの疑いがある場合は、早めに病院へ受診しましょう。 胸椎ヘルニアでやってはいけないことはありますか? 胸椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことは、以下のとおりです。 ・中腰の姿勢を続ける ・重い荷物を持つ ・長時間のデスクワークをする ・スマホを長時間操作する このような動作は、姿勢が丸まって椎間板への負担を高める原因となります。 とくにデスクワークやスマホの長時間の操作は、猫背につながり、肩こりや腰痛などの身体の不調につながる恐れもあります。姿勢が崩れやすい動作はなるべく避けて、椎間板の負担を減らしましょう。 胸椎椎間板ヘルニアの保存療法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。 胸椎ヘルニアで入院すると期間はどれくらい? 胸椎椎間板ヘルニアで入院した際の期間は状態によって異なり、2週間〜2カ月ほどです。症状が強く、手術の必要性がある場合に入院が検討されます。 おもな手術としては、以下のとおりです。 ・LOVE法:背骨の一部を削って椎間板を切除する方法 ・椎弓切除術:背骨の椎弓と呼ばれる骨を切り取って神経の圧迫を防ぐ方法 ・脊椎固定術:背骨を削った後にプレートで固定する方法 LOVE法と椎弓切除術では2〜3週間ほどの入院期間で済みますが、脊椎固定術では2カ月かかることもあります。 胸椎椎間板ヘルニアの入院期間や費用についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
公開日:2024.11.06 -
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- 腰椎分離すべり症
腰椎分離症でやってはいけないこと3つ!正しい治療で悪化を防ぐ スポーツ活動をしている成長期の子どもによく見られる腰椎分離症。 選手として取り残される不安から、早く競技復帰したい気持ちになるかもしれません。しかし、正しい治療を守らなければ症状が悪化する恐れがあります。 今回は腰椎分離症でやってはいけないことを、治療の流れを確認しながら紹介したいと思います。 腰椎分離症とは 腰椎分離症は疲労骨折により背骨の骨が分離してしまった状態です。 背骨は椎骨(ついこつ)というブロックのような骨が積み重なってできています。 椎骨の背中側には椎弓(ついきゅう)と呼ばれる出っ張りがありますが、この椎弓が分離してしまうことで、腰から殿部、太ももにかけての痛みがみられます。また、骨折でずれた骨が神経を圧迫するとしびれが見られる場合もあります。 椎弓が分離する主な原因は成長期の過剰なスポーツ活動による疲労骨折で、成長期のスポーツ選手による腰痛の30〜40%を占めるとされています。 一度の衝撃で起こる骨折ではなく、骨が発達しきっていない時期に、腰を繰り返し捻ったり、ジャンプを繰り返したりして、椎弓部分にかかる負担が蓄積して起こります。骨折は発生の初期であるほど癒合(※)しやすく、完全に分離してしまったら骨が癒合することはありません。 (※癒合(ゆごう)・・・傷が治り、離れていた皮膚や筋肉、骨がくっつくこと) 腰椎分離症でやってはいけないこと3つ 腰椎分離症は骨折の早期であるほど骨が癒合しやすい為、正しい時期に無理をしないことが重要です。 そこで、腰椎分離症になった場合に、やってはいけないことを3つ紹介します。 ①無理な運動やスポーツをする 安静が必要な期間に無理な運動をすると、骨折している部分に負担がかかり、分離が悪化したり、骨が治癒するのを妨いだりしてしまいます。 特にスポーツ活動をしている場合、競技に早く復帰したい焦りから、少しでも体を動かしたい気持ちになるかもしれません。しかし、骨折部に負担がかからないように固定している期間は、腰を無理に曲げ伸ばししたり、捻ったりする動作は禁物です。 そのため、医師に指示されている間は、運動やスポーツは中止しましょう。 ②コルセットの装着を守らない 腰椎分離症の最初の治療として、疲労骨折により分離した部分を守るため、硬いコルセットの装着をして動きを制限します。腰痛があるうちはコルセットの装着を守るものの、痛みが軽くなればコルセットが動きを妨げるため、邪魔な感じがするかもしれません。 しかし、腰椎分離症は骨がしっかり癒合するより先に腰痛がなくなるため、痛みがなくなったからといって治ったわけではありません。そのため、痛みの程度により自己判断でコルセットを外さないようにすることが大切です。 ③痛い部分にマッサージやストレッチをする 腰痛があるからといって、痛い部分を圧迫するようなマッサージや腰をひねるようなストレッチをすると骨折を悪化させる恐れがあります。そのため、自己判断で痛い部分のマッサージやストレッチをしないようにしましょう。 ただし、腰椎分離症が起こりやすい発育期は、筋肉の柔軟性が低下して、腰椎分離症を含め、さまざまな成長期特有の怪我の要因となります。そのため、適切な指導のもとで行う脚のストレッチなど、骨折部分以外のストレッチを行うことは重要です。 腰椎分離症の治療の流れ 腰椎分離症ではやってはいけないことに関して理解を深めるために、治療の流れを知っておきましょう。 骨折の初期〜進行期(急性期) 疲労骨折が起こり、進行するまでの間を急性期(きゅうせいき)と呼びます。 急性期に治療を開始すれば、骨の結合する可能性が高いため、正しい治療を継続する必要があります。治療は硬いコルセットや体専用のギプスを着用して、腰の動きを制限するとともに、スポーツなどの運動を中止します。 あくまでも骨を癒合させるための治療ですので、痛みがなくなったからといって勝手に治療を中止しないことが大切です。しっかりと骨が癒合するのを待ち、医師の指示が出たら運動やスポーツを再開します。 骨折の終末期 骨の分離が進んでしまった時期を終末期(しゅうまつき)または慢性期(まんせいき)と呼びます。 慢性期で完全に骨が分離しまうと、再び癒合することは期待できません。そのため、骨を癒合させる目的での安静は行わずに、痛みをコントロールしながら運動やスポーツを再開していきます。 痛みのコントロールは、柔らかいコルセットを着用したり、痛み止めを服用したりします。分離したからといって強い痛みがなく、日常生活で支障が出ない場合も多く、腹筋や背筋などを鍛えていくことで腰痛の予防につながります。 成人に見られる腰椎分離症も骨が癒合することはないので、痛みが軽い場合は必ずしも仕事や運動を中止する必要はありません。 まとめ/腰椎分離症でやってはいけないことを守り悪化を防ごう 腰椎分離症は骨折部に負担をかけないようにして、骨が癒合するのを待つことが重要です。そのため、腰椎分離症でやってはいけないことをしっかり守る必要があります。 早期での治療が行われれば高い確率で骨が癒合する骨折ですので、腰痛が見られた場合は無理をせず早めに整形外科への受診をして、正しい治療を行いましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。
公開日:2024.10.07 -
- 脊椎
- 腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症の治療後に後遺症が現れて、悩んでいる方はいませんか。この疾患は対症療法を含めた保存的加療を中心に行い、症状を根本的に改善するには手術が有効とされています。 一方で、手術を行っても場合によっては症状の再発や後遺症が出現する可能性もあることを知っておきましょう。 この記事では、腰部脊柱管狭窄症の症状や手術後の後遺症が残った場合に対する「再生医療」の可能性について解説します。 腰部脊柱管狭窄症の情報や治療法を知ることで、後遺症を改善するためのきっかけとなるでしょう。 腰部脊柱管狭窄症とは? 腰部脊柱管狭窄症とは、背中にある脊柱管という神経の束(脊髄)の通り道が狭くなった状態のことです。 発症原因としては、腰椎(腰の骨)の変形、椎間板や黄色靭帯の異常による圧迫などがあげられます。脊柱管が狭くなることで神経を物理的に圧迫するため、足のしびれや腰痛などが現れます。 加齢にともなって腰部脊柱管狭窄症の発症率は高まり、高齢化社会の日本では増加の一途をたどっているのが現状です。とくに60〜70歳前後の高齢者に多くみられるとされています。 腰部脊柱管狭窄症の症状 脊柱管が狭くなると、神経が圧迫され、下肢全体のしびれや痛みなどの症状が現れます。そのような症状以外にも、「膀胱障害」が現れることもあるでしょう。 この病気で感じる痛みは、腰椎椎間板ヘルニアほど強くはありません。しかし、それとは別に下肢痛やしびれを代表とする感覚異常に苦しめられる可能性があります。 安静時はそれほどではないものの、動くとふくらはぎの筋肉が痛み、歩行が困難となることもあります。これを「間欠性破行(かんけつせいはこう)」といい、前屈すると症状が軽くなるのが特徴です。しばらく休憩すると落ち着きますが、歩きはじめると再び痛み出すのが厄介な点です。 日本では、約500万人以上の脊柱管狭窄症患者が存在しているとされています。 今後、高齢化が進行するにつれて、さらに本疾患の発症者が増加することが予想されます。 腰部脊柱管狭窄症の治療 腰部脊柱管狭窄症における一般的な治療として、まず薬物療法やブロック注射などの保存療法が行われます。 しかし数カ月以上服薬しても症状の改善がみられない、または逆に悪化している場合は、手術による根治を検討します。 手術による治療成績は、おおむね良好です。術式としては、脊柱管のスペースを拡大させて神経そのものへの物理的な圧迫を除去する方法があります。 腰部脊柱管狭窄症の手術後の後遺症 腰部脊柱管狭窄症の手術後に現れる後遺症の程度は、状態によって異なります。手術前に長期間にわたって神経症状を自覚している場合、圧迫された神経が完全に改善できない可能性があります。 たとえ手術が成功しても、しびれや痛みなどの症状が残るケースもあるでしょう。その理由として、長期間圧迫を受けた神経は一部の組織が死んでしまい、治療をしても回復が見込めないからです。 年数が経つにつれて組織へのダメージが広がり、後遺症が強く残っている場合は、保存的治療や痛み止めのブロック注射などをするしかなく、辛い症状が続くことになります。 腰部脊柱管狭窄症の手術後の後遺症は再生医療で改善 腰部脊柱管狭窄症の手術後の後遺症を改善する方法の1つに、再生医療があげられます。 再生医療とは、自身の細胞や組織を活用して、損傷した部位の治療を図る方法です。再生医療にはさまざまな種類があり、実際に手術後の後遺症が改善した事例もあります。 ここでは、再生医療について詳しく解説します。 再生医療の可能性 再生医療とは、ご自身の再生能力が備わっている幹細胞や組織を培養し、患部に投与して改善を図る治療法です。再生医療のメリットは、手術後の下肢のしびれや筋力低下などの後遺症の改善だけではありません。 腰部脊柱管狭窄症の術前で、症状に悩まされている人にも推奨できる治療法でもあります。 再生医療を行うには厚生労働省への届出が必要なため、専門のクリニックでしか治療を受けられません。さらに当院の特徴として、国内ではほとんど行われていない「脊髄内へのダイレクト注射」という治療があります。 当院は、多くの症例実績を有する再生医療の専門クリニックです。術後の後遺症(痛み、しびれ)についてお悩みの方がいましたら、再生医療についてご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。 治療 ・保存療法(薬物療法、ブロック注射など) ・手術療法(保存療法で効果が見込めない場合) 手術 ・術前の症状が長期にわたっていた場合、術後にもしびれ、痛みが残る可能性 再生医療 ・切らない治療法。ご自身の幹細胞を培養後、注射で投与し、後遺症の改善を目指せる画期的な方法 脊髄内ダイレクト注射療法 脊髄内ダイレクト注射療法とは、損傷している脊髄に幹細胞を直接投与する、当院独自の治療法です。 脊髄に対する再生医療は、一般的に点滴によって幹細胞を血管内から投与する方法があげられます。しかし、この方法では脊髄に幹細胞が届きにくく、思うような効果が得られないケースがあります。 脊髄内ダイレクト注射療法によって脊髄に幹細胞を直接投与すれば、より高い治療効果が期待できるのです。 再生医療で手術後の後遺症が改善した事例 実際に、当院で実施した再生医療にて、腰部脊柱管狭窄症の後遺症が改善した事例についてご紹介します。 年齢・性別 50代・男性 既往歴 腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症 主訴 腰部脊柱管狭窄症と腰椎すべり症の手術部位にできた血腫が神経を圧迫し、膀胱直腸障害や下肢の筋力低下・しびれなどの後遺症が現れていて悩んでいる。 経過 幹細胞の脊髄内投与と点滴を実施した2週間後、下肢の筋力や歩行速度の改善がみられ、夜間でのトイレは1回で済むようになった。 経過は良好であり、さらなる症状改善のために、再度幹細胞投与を予定している。 より詳しい症例情報を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 自分の症状と重なる、または再生医療に関して気になっている方は、お気軽に電話やメールでご相談ください。 まとめ|腰部脊柱管狭窄症の手術後の後遺症には再生医療という選択を! 腰部脊柱管狭窄症は、椎間板ヘルニア・変性すべり症の合併、または椎体の変形や靭帯が厚くなって脊柱管が狭くなることで発症します。 脊柱管内の神経が圧迫されると腰痛や下肢痛だけでなく、足全体のしびれが現れることもあります。脊柱管狭窄症は年齢を重ねると発症しやすく、とくに高齢者に起こりやすい病気です。 保存療法では消炎鎮痛剤や血管拡張剤などの内服薬を使用し、症状によってはブロック注射を併用します。数週間から数カ月程度の保存的治療を行っても良い効果を示さない場合や、症状が悪化している場合は手術を検討する必要があります。 また新しい治療として、再生医療を行うのも選択肢の1つです。ぜひ今回の記事を参考にして、自分の状態にあった治療を受けて脊柱管狭窄症の後遺症の改善を目指しましょう。
公開日:2024.11.06