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ひどい肩こりはなぜ起こる?受診すべき症状とセルフケア方法を医師が解説

ひどい肩こり
公開日: 2025.02.09 更新日: 2026.06.30

「ひどい肩こりで仕事に集中できない」

「湿布やマッサージを試しても、すぐに痛みがぶり返す」

ひどい肩こりを感じる方のなかには、上記のように悩む方もいるでしょう。

肩こりは、長時間のデスクワークや運動不足などが原因で起こることが多い一方で、疾患が隠れているケースも少なくありません。

本記事では、ひどい肩こりが起こる原因について解説します。受診すべき症状や自宅で実践できるセルフケアについても紹介するので、参考にしてください。

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ひどい肩こりが起こる原因

ひどい肩こりは、単に肩の使いすぎだけが原因ではありません。慢性的に続くひどい肩こりは、日々の生活習慣や環境が複雑に絡み合って発生します。

また、症状が長期間続く場合や、しびれ・頭痛などを伴う場合は疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。(文献1)

原因を正しく把握すれば、自分に合った対処法を選びやすくなり、症状の改善につながります。まずは肩こりを引き起こす代表的な原因について理解しておきましょう。

長時間のデスクワークやスマートフォンの使用

パソコンやスマートフォンを長時間見続ける習慣のうち、ひどい肩こりの原因となるのは、以下のとおりです。

原因となる習慣

肩こりが起こる理由

長時間のパソコン作業

首や肩の筋肉が緊張し続ける

スマートフォンの見過ぎ

前かがみ姿勢になり負担が増える

同じ姿勢の継続

血流が悪化し疲労物質が蓄積する

デスク環境が合っていない

首や肩へ余計な負荷がかかる

パソコン作業などによる前かがみの姿勢や「ストレートネック(首のカーブが失われた状態)」では、頭を支える首や肩への負担が増え、筋肉が疲労しやすくなります。

さらに、同じ姿勢を続けることで血流が低下し、疲労物質が蓄積すると痛みや重だるさが強まる場合があります。仕事や家事で長時間座る機会が多い方は、1時間に1回程度立ち上がって体を動かすように意識するのが大切です。

また、画面の高さや椅子の位置を見直し、正しい姿勢を意識するのも肩こりの予防につながります。

運動不足や筋力の低下

運動不足が続くと筋肉を動かす機会が減り、血液の循環が悪くなるため肩こりが起こりやすくなります。主な原因を以下にまとめました。

原因

肩こりが起こる理由

運動不足

血流が悪くなり筋肉が硬くなる

筋力の低下

首や肩への負担が大きくなる

加齢

筋肉量が減少し疲れやすくなる

肩甲骨の動きが少ない

周囲の筋肉が緊張しやすい

運動不足は全身の血行不良を引き起こすため、筋肉に溜まった疲労物質が排出されません。

また、日頃から身体を動かす機会が少ないと、首や肩を支える筋力が次第に衰えていきます。筋力が落ちた状態でデスクワークを続けると、少ない筋肉だけで作業する状態になるため、疲労が早く溜まります。

ウォーキングや軽いストレッチなど、日常的な体を動かす習慣が、肩こり予防に効果的です。

ストレスや疲労の蓄積

精神的なストレスや慢性的な疲労も、ひどい肩こりを引き起こす原因となります。代表的な原因は以下のとおりです。

原因

肩こりが起こる理由

精神的ストレス

自律神経が乱れ筋肉が緊張する

無意識の緊張

常に肩に力が入った状態になり、筋肉が休まらない

睡眠不足

筋肉の回復が不十分になる

慢性的な疲労

疲労が蓄積し筋肉が硬くなる

ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、筋肉が無意識に緊張しやすくなります。また、人間は緊張すると無意識に肩へ力が入り、首や肩の筋肉が硬くなります。

ストレスや緊張している状態に十分な睡眠や休息がとれない環境が重なると、筋肉の緊張は夜間も解けず、翌朝の激しい痛みにつながるため注意が必要です。

十分な睡眠を確保し、適度な運動や趣味などで気分転換を図ることは、肩こりの改善だけでなく心身の健康維持にも役立ちます。

病気が原因となっている場合

マッサージや湿布で症状が改善しないひどい肩こりは、背景になんらかの疾患が隠れているケースもあります。代表的な疾患は、以下のとおりです。

疾患名

特徴

頚椎椎間板ヘルニア

(けいついついかんばん)

腕のしびれや痛みを伴うことがある

頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)

(文献2)

肩から腕にかけての痛みやしびれを伴う

四十肩・五十肩

(肩関節周囲炎)

腕が上がらなくなる場合もある

狭心症・心筋梗塞

胸の痛みや息苦しさを伴う場合がある

脳卒中

激しい頭痛や手足のしびれなどを伴う場合がある

病気が原因の場合、セルフケアや対症療法だけでは十分な改善が難しいケースもあるため、医療機関を受診し、精密な検査を受けるのが大切です。

なお、当院「リペアセルクリニック」では、手術をしない選択肢として「再生医療」を提供しています。再生医療とは、患者様ご自身の細胞が持つ「組織を修復する働き」を利用した治療法です。

肩こりが長期間改善しない方や、上記のような疾患と診断された方は、再生医療も選択肢の1つとして検討してみてください。

また、以下の記事では「頚椎椎間板ヘルニア」の症例を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

ひどい肩こりの重症度チェック

肩こりは多くの方が経験する身近な症状ですが、痛みの程度や伴う症状によっては医療機関の受診が必要になる場合があります。以下の表で、ご自身の症状の重症度を確認してみましょう。

重症度

主な症状

該当する症状例

推奨される対処法

軽度

・肩の張り

・軽い疲労感

・デスクワーク後に肩が重い

・もみほぐすと楽になる

・セルフケア(ストレッチ・マッサージ)

中等度

・持続的なこり

・動かしにくさ

・朝起きても肩が重い

・首を回すと痛みがある

・頭痛を伴う

・セルフケアと生活習慣の改善

・改善しなければ医療機関受診

重度

・強い痛み

・日常生活への支障

・痛みで眠れない

・腕にしびれがある

・吐き気を伴う

・医療機関への受診

軽度であればセルフケアでの改善が期待できますが、中等度以上の症状が続く場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

ひどい肩こりで病院を受診すべき症状

肩こりの多くは筋肉の疲労や血流の低下が原因ですが、なかには重大な疾患のサインが隠れているケースもあります。

「いつもの肩こり」と自己判断して放置すると、疾患の発見が遅れる可能性もあるため、注意が必要です。受診が必要な症状について解説するので、参考にしてください。

手や腕のしびれ・力が入りにくい

肩こりとともに手や腕のしびれ、力の入りにくさを感じる場合は、首の神経に異常が起きている可能性があります。代表的な疾患は、以下のとおりです。

  • 頚椎椎間板ヘルニア
  • 頚椎症性神経根症

頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症は、変形した骨や突き出た軟骨が神経の通り道を圧迫して引き起こされる病気です。

神経への圧迫が続くと、しびれが悪化したり細かな作業がしづらくなったりするケースも少なくありません。また、物を落としやすくなる、ボタンを留めにくいなどの症状が現れる場合もあります。

放置すると回復が難しくなるため、早めに医療機関を受診しましょう。

関連記事:首ヘルニア(頚椎椎間板ヘルニア)の原因とは?初期症状から予防策まで医師が徹底解説!

関連記事:頚椎症性神経根症はどれくらいで治る?原因・治療・回復期間を解説

激しい頭痛やめまいを伴う

肩こりに加えて激しい頭痛やめまい・吐き気などを伴う場合は、脳卒中(脳梗塞・脳出血など)が原因となっている可能性があります。

とくに、以下の症状が伴う場合は、注意が必要です。

  • これまで経験したことがないほど強い頭痛を感じる
  • ろれつが回らない
  • 手足が動かしにくい
  • 意識がぼんやりする
  • 物が二重に見える

上記の症状が現れたときは様子を見ず、速やかに医療機関を受診しましょう。突然症状が現れた場合は、救急車の利用も検討してください。

胸の痛みや息苦しさがある

肩こりと同時に胸の痛みや圧迫感、息苦しさを感じる場合は、狭心症や心筋梗塞など心臓の疾患が隠れている場合があります。心臓からの痛みは肩や首、腕へ広がる「放散痛」として現れるケースがあり、肩こりと勘違いされるケースも少なくありません。

他にも、以下の症状が伴う場合があります。

  • 安静にしていても胸の痛みが続く
  • 冷や汗が出る
  • 吐き気を伴う

心筋梗塞の場合、左肩に痛みが現れる場合があります。四十肩・五十肩や肩こりと誤認されることもあるため、普段と違う症状を感じたら、放置せず早めに受診しましょう。

ひどい肩こりを和らげるセルフケア

軽度から中等度の肩こりであれば、セルフケアによって症状の緩和が期待できます。マッサージやストレッチなどに加え、姿勢や生活習慣の見直しも重要です。

ただし、セルフケアを続けても症状が改善しない場合や、しびれや激しい痛みなどを伴う場合は、疾患が隠れている可能性も考えられます。無理にセルフケアを続けず、早めに医療機関を受診しましょう。

ここでは、自宅で実践できる4つのセルフケア方法を紹介します。それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

マッサージ療法

マッサージは、肩や首周辺の筋肉の緊張をほぐし、血流を促進することで肩こりの緩和が期待できる方法です。とくに、長時間のデスクワークで硬くなった筋肉には効果が期待できます。

肩こりに効果的なセルフマッサージ方法は、以下のとおりです。

  1. 右手で左肩の筋肉(僧帽筋)を軽くつかむ
  2. 痛気持ち良い程度の力で、ゆっくりともみほぐす
  3. 首の付け根から肩先に向かって、少しずつ位置をずらしながら行う
  4. 30秒〜1分ほど続けたら、反対側も同様に行う

ただし、強く押しすぎると筋肉を傷める可能性があるため、「痛気持ち良い程度」の力加減を意識しましょう。

また、マッサージはあくまで一時的な対処です。根本的な改善を目指したい方は、姿勢の見直しや運動習慣の改善を心がけましょう。

運動療法(ストレッチ)

運動療法(ストレッチ)は肩や首の筋肉を無理なく動かし、柔軟性を高めて肩こりの改善を目指す方法です。

具体的な肩甲骨まわりのストレッチ方法は、以下のとおりです。

  • 両肩を前後に大きく回す
  • 両手を肩に当てて、円を描くように動かす
  • 肩をすくめた後、ストンと落とす

勢いをつけて反動を利用すると筋肉を傷める場合があるため、呼吸を止めずゆっくり動かしてください。ただし、痛みが強い場合は無理をせず、症状が落ち着いてから行いましょう。

デスクワークの合間に数分ほど行うだけでも、上半身全体の緊張がリセットされて身体が軽くなります。肩こりは身体を動かさないまま放置するとさらに悪化するため、日々の継続が重要です。

 

 

温熱療法

肩こりが筋肉の緊張や血流の低下によって起きている場合は、温熱療法が有効です。温熱療法は体を温めることで血行が促進され、筋肉へ酸素や栄養が届きやすくなるため、痛みやこわばりの軽減が期待できます。

温熱療法の具体例は、以下のとおりです。

方法

やり方

ポイント

入浴

38〜40℃程度のお湯に15〜20分つかる

肩までしっかり浸かる

蒸しタオル

濡らしたタオルを電子レンジで1分ほど温め、肩に当てる

やけどに注意し、心地良い温かさで使用

温熱シート

市販の温熱シートを肩に貼る

長時間の使用は低温やけどに注意

ただし、肩に熱感や腫れがある場合は炎症が起きている可能性があり、温めることで症状が悪化するケースも少なくありません。その場合は温めずに冷やし、医療機関を受診してください。

生活習慣の改善

肩こりの根本的な改善には、一時的なセルフケアだけでなく日常生活の見直しが欠かせません。以下の表を参考に、改善策を試してみてください。

改善項目

具体的な対策

姿勢

・デスクワーク時はモニターの高さを目線に合わせる

・椅子に深く座る

作業環境

1時間に1回は席を立ち、軽いストレッチを行う

睡眠

7〜8時間の睡眠を確保し、自分に合った高さの枕を使用する

運動

ウォーキングや軽い体操など、日常的に体を動かす習慣をつける

なお、セルフケアを続けても改善しない場合は、別の原因が隠れている可能性があります。2週間以上症状が続く場合は、医療機関への受診を検討しましょう。

ひどい肩こりが改善しない場合は早めに受診しよう

ひどい肩こりは、長時間のデスクワークや運動不足、ストレスだけでなく、重大な疾患が原因となる場合もあります。

慢性的な肩こりによる痛みであれば、ストレッチや温熱療法といった適切なセルフケアと生活習慣の改善で緩和が期待できます。

ただし、手足のしびれや激しい頭痛、胸の痛みなどの危険なサインがある場合は、我慢をせず早めに整形外科などの医療機関を受診しましょう。

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ひどい肩こりに関するよくある質問

ひどい肩こりはマッサージで治りますか?

マッサージは筋肉の緊張をほぐし、血流を改善することで肩こりの症状を和らげる効果が期待できます。ただし、マッサージだけでは、根本的な改善につながらないケースも珍しくありません。

マッサージはあくまで対症療法の1つです。根本的な改善には姿勢の見直しや運動習慣の改善、場合によっては医療機関での治療が必要になるケースもあります。

なかなか治らない肩こりにお悩みの方は、医療機関への受診を検討してみてください。

ひどい肩こりは何科を受診すればいいですか?

ひどい肩こりを感じたら、まずは「整形外科」を受診してください。整形外科ではレントゲンやMRIの検査を用いて、骨の変形や神経の圧迫がないかを正確に診断できます。

ただし、疾患が原因である場合、早期発見が回復への鍵となります。肩こりだけでなく、他にも気になる症状がある方は、以下の表を参考に受診してください。

症状

受診すべき診療科

肩や首のこり・痛み

整形外科

強い痛みやしびれ・麻痺

整形外科・神経内科

頭痛・めまい

脳神経外科・神経内科

ストレスや不眠が原因と思われる

心療内科

判断に迷う場合は、まず内科を受診し、症状に応じた診療科を紹介してもらう方法もおすすめです。

参考文献

(文献1)
わかりやすい病気のはなしシリーズ「肩こり」|一般社団法人「日本臨床内科医会」

(文献2)

「頚椎症性神経根症」|公益社団法人 日本整形外科学会