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甲状腺を半分摘出手術の予定があり「手術したら後遺症は出るのだろうか」と不安に感じている人もいるかもしれません。 実際、甲状腺を半分摘出する手術のあと、声かれやホルモンバランスの乱れ、体調不良といった症状が現れるケースがあります。 この記事では、甲状腺半分摘出で起こりうる後遺症や合併症、具体的な対処法をわかりやすく解説していきます。 本記事で適切な知識と対処法を知ることで、甲状腺の手術の不安が少しでも和らげられれば幸いです。 甲状腺手術後の後遺症に対し、お悩みの方は再生医療というもご検討ください。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 手術後の「声がれ」がなかなか元に戻らない ホルモンバランスの乱れや、原因のわからない体調不良が続いている 薬物療法やリハビリ以外の治療法を探している 「この不調と、いつまで付き合えばいいのか」 「後遺症が残ったらどうしよう」と悩まれる前に、ご自身の細胞を使った根本的な治療の選択肢として、まずは当院(リペアセルクリニック)の無料電話相談にて、お気軽にご相談ください。 甲状腺の半分摘出したときに現れる主な後遺症 甲状腺を半分摘出する手術を受けた後、声や体調に変化を感じる方がいます。 これは手術が声帯やホルモン分泌、カルシウム吸収に影響を与えるためです。 術後の起こりうる主な後遺症は以下のとおりです。 声がかすれるなどの声帯への影響 ホルモンバランスの乱れ カルシウム不足が引き起こす体調不良 手術による傷跡の痛みや違和感 ここでは、手術後に起こりやすい後遺症について、わかりやすく説明します。 声がかすれるなどの声帯への影響 甲状腺の近くには、声帯を動かすための神経(反回神経)が通っています。 手術でこの神経が傷つくと、声がかすれたり、出にくくなったりする場合があります。 これは「反回神経麻痺」と呼ばれる後遺症です。(文献1) 程度には個人差があり、一時的なものから長引くものまでさまざまです。 また、声が低くなる、話し続けると疲れるなどの症状も後遺症として挙げられます。 ホルモンバランスの乱れ 甲状腺は、体の代謝を調整するホルモンを分泌する臓器です。 半分摘出すると、ホルモンの分泌量が減少しホルモンバランスが乱れるケースがあります。 女性の場合は、月経不順や更年期障害のような症状が現れることもあるでしょう。 また、甲状腺ホルモンが不足すると、全身の倦怠感やむくみ、体重増加などが起こる可能性もあります。 カルシウム不足が引き起こす体調不良 甲状腺の裏側には、カルシウムのバランスを調整する副甲状腺があります。 手術で副甲状腺が傷つくと、カルシウム不足に陥り、手足のしびれや筋肉のけいれんが起こる場合があります。 また、長期的には骨がもろくなるなどのリスクも考えられますので、日常的にカルシウムを含む食品を意識して摂取するのも大切です。 手術による傷跡の痛みや違和感 甲状腺の手術では、首元に切開を行うため傷跡が残ります。 傷跡は時間の経過とともに薄くなっていきますが、体質によっては、赤く盛り上がったり、痛みやかゆみを感じたりするケースもあるでしょう。 また、傷跡が気になって首元を隠す服装ばかりになってしまうなど、精神的なストレスを感じる可能性もあります。 甲状腺摘出で起こりやすい合併症・後遺症 甲状腺の摘出手術は、以下のような術後に特有の合併症や後遺症が発生する可能性があります。 反回神経麻痺 甲状腺機能低下症 副甲状腺機能低下症 乳糜漏(にゅうびろう) ここでは、4つの合併症や後遺症について、手術後に起こりやすい主な症状と特徴を詳しく説明します。 反回神経麻痺 反回神経は甲状腺の裏側を通り、声帯を動かす筋肉を支配する重要な神経です。 左右に1本ずつ存在し、片側が損傷すると声帯が動きにくくなり、声がかすれる反回神経麻痺が生じます。 手術中のわずかな刺激でも麻痺を引き起こす可能性があり、多くは半年以内に改善しますが、まれに永続的に残る場合もあります。 また、左右両方の反回神経が損傷した場合、声を出せないだけでなく呼吸困難に陥り、命に関わる危険性があるため、迅速な対応が必要です。 反回神経麻痺の治療法 反回神経麻痺によるかすれ声が改善しない場合は、声帯に対する手術で症状を和らげる方法があります。 また、両側の反回神経麻痺で呼吸が困難な場合には、喉仏の下に空気の通り道を作る気管切開が必要になる場合もあります。 甲状腺機能低下症 甲状腺がんの手術では、甲状腺を摘出する必要があります。 とくに半分以上を摘出すると、甲状腺ホルモンの分泌が低下する可能性があります。 また、ホルモンが不足すると代謝バランスが乱れ、体調を崩しやすくなるのが特徴です。 この状態を甲状腺機能低下症と呼びます。 甲状腺機能低下症の治療法 治療には甲状腺ホルモン剤の内服が必要です。 この薬で不足したホルモンを補充しますが、基本的に生涯にわたって服用を続ける必要があります。 副甲状腺機能低下症 副甲状腺は甲状腺の裏にくっついており、左右2個ずつ存在する臓器です。 非常に小さな臓器ですが、副甲状腺ホルモンという物質を分泌して血液中のカルシウムやリン濃度を調節する働きがあります。 甲状腺がんの手術で甲状腺を摘出する際に副甲状腺も一緒に摘出されたり、副甲状腺を栄養する血流の低下などにより、術後に副甲状腺機能低下症を起こす可能性があります。 副甲状腺機能低下によって副甲状腺ホルモンが不足すると、血液中のカルシウム濃度が低下し、手や口のしびれやけいれんを引き起こすテタニーと呼ばれる症状が生じる可能性があります。 副甲状腺機能低下症の治療法 治療には、カルシウム製剤の内服と、カルシウム吸収を助けるビタミンDの補充が行われます。 副甲状腺をすべて摘出した場合は、生涯にわたり服用が必要です。 一方、副甲状腺が一部でも残されている場合、機能が回復し補充が不要になるケースも少なくありません。 乳糜漏(にゅうびろう) 乳糜漏(にゅうびろう)は、リンパ液が漏れ出す稀な合併症です。 手術後に首元の腫れや液体が滲み出るような症状が見られる場合に疑われます。 発症すると治療が必要となるため、早期の診断が重要です。 乳糜漏の治療法 多くの場合は安静や圧迫によりリンパ液の漏出を止められますが、まれに再手術が必要となり、漏れている箇所を閉じる処置を行うケースもあります。 甲状腺半分摘出後の後遺症を和らげるには? 甲状腺の半分を摘出した後、後遺症の発生や生活の変化に不安を感じる方は少なくありません。 しかし、適切なケアを行えば症状を和らげ、生活の質を保つことができます。 本章では、後遺症を軽減するための具体的な方法を4つ紹介します。 医師の指示に従い薬物療法やリハビリを行う 規則正しい生活を送りバランスの取れた食事を心がける ストレスを溜めないように適度な運動や休息を取る 術後後遺症に対する再生医療を検討 術後の不安解消のためにも、チェックしておきましょう。 医師の指示に従い薬物療法やリハビリを行う 手術後、甲状腺ホルモンの不足や声の変化が現れる場合があります。 これらの症状に対処するためには、医師が処方する薬を服用したり、音声リハビリなどが効果的です。 とくにホルモン補充療法は、甲状腺ホルモンのバランスを維持するために重要です。 医師の指導に従い治療を継続していけば症状が改善する可能性が高まります。 規則正しい生活を送りバランスの取れた食事を心がける ホルモンバランスを整えるためには、生活習慣の見直しが必要です。 栄養バランスの良い食事を意識し、カルシウムやビタミンDを多く含む食品を取り入れるのがおすすめです。 また、十分な睡眠を確保し、生活リズムを整えると体調の安定が期待できます。 健康的な生活習慣が後遺症の軽減に役立つでしょう。 ストレスを溜めないように適度な運動や休息を取る 術後のストレスは体調を悪化させる要因となるため、適度な運動やリラクゼーションが重要です。 たとえば、軽いウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で体を動かしていると、ストレスの軽減が期待できます。 さらに、心の健康を保つためには、休息やリフレッシュの時間を積極的に取り入れていくのも効果的です。 術後後遺症に対する再生医療を検討 近年、術後の後遺症治療の選択肢として注目されているのが「再生医療」です。 たとえば、損傷した声帯や甲状腺組織の再生を促す治療法が研究されています。 再生医療はまだ一般的ではありませんが、興味のある方は医療機関や専門医に相談して治療法を検討してみるのも良いでしょう。 まとめ|甲状腺摘出後の後遺症と対策は理解しておこう! 甲状腺の半分を摘出すると、声の変化や体調の変化といった後遺症が起こる可能性があります。 ただし、適切な治療や生活習慣の見直しによって症状を和らげられます。 本記事で紹介した対策を活用し、不安を減らしながら術後の生活を前向きに過ごしていきましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では術後の後遺症に対して再生医療を行っております。 新しい治療法に興味がある方は、無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。 甲状腺を半分摘出した際の後遺症に関する質問 甲状腺摘出後に疲れやすいのはなぜですか? 甲状腺摘出後に疲れやすくなる理由は、甲状腺ホルモンの不足が関係しています。 分泌量が減るとエネルギーの生産が低下し、倦怠感や疲労感を感じやすくなるのです。 しかし、適切なホルモン補充療法を行えば、これらの症状を改善できる可能性がありますので、気になる方は早めに医師に相談してみましょう。 甲状腺手術のデメリットはありますか? 甲状腺手術には、後遺症や合併症が発生するリスクがあります。 具体的には、声がかすれる反回神経麻痺や、ホルモンバランスの乱れ、副甲状腺の機能低下などが挙げられます。 ただし、事前にリスクを把握し、術後のケアをしっかり行えば多くの症状を予防・軽減することが可能です。 また、当院「リペアセルクリニック」では術後の後遺症が気になる方へ、手術や入院の必要がない「再生医療」を提供しています。 まずはお気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 参考文献 (文献1) 小川真.甲状腺術後嗄声の頻度およびリスク因子と音声改善手術の問題点.日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌2016(33,4) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaesjsts/33/4/33_224/_html/-char/ja
2024.09.03 -
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「乳がんの手術後の痛みはいつまで続くの?」 「受診すべき痛みやその他の注意すべき症状はある?」 手術の傷の痛みに関しては、数日から数週間で落ち着きます。しかし、手術により静脈や神経を損傷していた場合は、数カ月以上にわたり痛みが長引くこともあります。傷の周囲の赤黒い変化と熱を伴う痛みや、手術側だけの腫れを伴う痛みは、感染症やリンパ浮腫のおそれがあるため注意が必要です。 本記事で、乳がんの手術後の痛みをはじめとして、以下を解説します。 放射線治療による痛み 受診すべき痛み 痛みを引き起こす合併症 痛みを軽減する方法 再発・転移が疑われる症状に関しても解説しています。乳がんの手術後の痛みに関して詳しく知りたい方は参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気の治療に応用されている再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 がんの再発予防に関する再生医療について知りたい方は、ぜひ一度公式LINEをご利用ください。 乳がんの手術後の痛み【経過別】 乳がんの手術後の痛みは、以下のような経過をたどります。 経過 痛みの主な原因 手術直後から3日 切開による痛み 手術後3〜20日 感覚の回復による痛み それぞれについて詳しく解説します。 手術直後から3日|切開による痛み 手術直後は、手術時に切開した傷の痛みが目立ちます。傷の痛みのピークは3日程度です。(文献1)感覚が鈍くなっていることもあり、3日を過ぎると少し治まります。痛みの他にも赤みや腫れ、熱感などの症状が現れます。 手術後3〜20日|感覚の回復による痛み 手術後3〜20日は、傷の修復が進み突っ張り感が現れます。2〜3週間経過すると、感覚が戻ってくるため痛みも少し現れてきます。(文献1) この時期に、摩擦や伸展による刺激、テープを剥がすときの刺激などを傷に与えてしまうと、傷がきれいに治らないおそれがあるため注意が必要です。また、紫外線は避けてください。 刺激を与え続けてしまうと、傷跡の組織が過剰に増殖して、外に盛り上がってしまうケロイドと呼ばれる状態になるおそれがあります。ケロイドになってしまうと痛みやかゆみが増強します。ケロイドを予防するためにも、傷のケアは医師や看護師の指示に従って丁寧に行ってください。 乳がんの手術後の放射線治療による痛み 乳がんの手術後は、残っている可能性のある微細ながん細胞を消滅させるために放射線治療を行います。通常、照射中に痛みは現れません。 首の付け根辺りに照射する場合は、食道の一部に放射線が当たるため、飲み込む際に一時的な痛みが現れることがあります。乳房温存手術後の照射は、乳房の痛みや軽度の腫れなどの副作用が現れることがあります。 乳がんの手術後の受診すべき痛み|感染症や再発・転移 乳がんの手術後に注意すべきは、感染症やリンパ浮腫、再発・転移です。傷の周囲の赤黒い変化と熱を伴う痛みがある場合は感染症を疑ってください。 手術側だけ腫れて痛みが伴う場合は、リンパ浮腫のおそれがあります。再発・転移が疑われる痛みは、腰痛や関節痛、骨の痛みなどです。 再発・転移は、痛みだけで判断するのは難しいため、以下のような項目を確認してください。 乳房の一部に盛り上がりがないか 乳房に赤みや腫れ、へこみ、ひきつれはないか 乳頭に陥没やただれはないか 乳頭から透明、茶色、赤色の分泌物は出ていないか 疑われる症状が現れている場合は、速やかに医療機関を受診してください。 【関連記事】 乳がんかもしれない12の症状を医師が解説|早期発見のポイントもあわせて紹介 【医師監修】乳がんセルフチェックのやり方を解説|やりすぎNGな理由や受診の目安も紹介 再発予防のための再生医療 がんの再発予防の治療方法の一つとして再生医療があります。再生医療とは、自己の細胞を特定の部位に投与して、体が持つ自然治癒力を引き出す治療方法です。 がん予防または再発予防を目的とした高活性NK細胞免疫療法という治療方法があります。NK細胞(ナチュラルキラー)とは、体内に潜む細菌やウイルス、がん細胞を発見して攻撃する白血球の一種です。 高活性NK細胞免疫療法では、培養をして数を増やしたNK細胞を投与することで、免疫力を高めることができます。 がん予防に関する再生医療について詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。 乳がんの手術後の痛みを引き起こす合併症 乳がんの手術後の痛みを引き起こす合併症として、以下が挙げられます。 乳房切除後疼痛症候群 Mondor病(モンドール) リンパ浮腫 それぞれの合併症について詳しく解説します。 乳房切除後疼痛症候群 乳房切除後疼痛症候群とは、手術による神経損傷が原因で長期間痛みが続く合併症です。乳房や脇、上腕の内側にピリピリチクチクとした痛みやしびれが、数カ月から数年にわたり続く場合があります。 乳房切除後疼痛症候群は以下の割合で出現しており、まれな合併症ではありません。 国内報告:術後2年以内で30% 海外報告:術後6カ月で52%、術後9年でも48%(文献2) なお、上記の出現割合は、脇の下にあるリンパ節とその周囲の脂肪組織を切除する腋窩郭清(えきかかくせい)を実施した場合です。日常生活を妨げるほどの痛みが現れる場合は、痛み止めの薬で対応するのが一般的です。 Mondor病 Mondor病とは、静脈に炎症と閉塞が起きる合併症です。乳がんの手術が原因で発生することがあります。主な症状は、脇の下から上腕の内側にかけて現れる、線状のつっぱり感や痛みです。通常は1〜3カ月ほどで改善する良性の合併症です。 術後1年ほど続くこともありますが、乳がんの再発とは関係ありません。Mondor病が現れている時期の上肢のリハビリは、医師と相談しながら無理のない程度に続けてください。 リンパ浮腫 リンパ浮腫とは、リンパ液が過剰に溜まった状態のことです。乳がんの手術で、リンパ節を切除したことにより起きる場合があります。脇の下に放射線治療を行うと、リンパの流れが悪くなってリンパ浮腫が起きることもあります。 リンパ浮腫の主な特徴は以下のとおりです。 手術側の腕や脇の下がむくむ 炎症が起きやすい 痛みが現れないことが多い 皮膚の変色はない 悪化すると治りにくい特徴があります。「上腕に左右差がある」「腕がだるい、重たい、腫れている」などの症状が現れている場合は、速やかに医療機関を受診してください。 乳がんの手術後の痛みを軽減する方法 乳がんの手術後の痛みを軽減する主な方法は以下のとおりです。 痛み止めを服用する 圧迫しない衣類を選ぶ それぞれについて詳しく解説します。 痛み止めを服用する 乳がんの手術後の痛みをできるだけ和らげることは重要です。最初に痛みを我慢すると、後々まで痛みが残ってしまうことがあるためです。 手術後に使用する痛み止めには、以下のような種類があります。 痛み止めの種類 特徴 非ステロイド性抗炎症薬 体内の炎症や痛みに関わる物質の合成を阻害して痛みを鎮める アセトアミノフェン製剤 脳の中枢神経に作用して痛みを鎮める 副作用の観点から痛み止めの服用に抵抗がある方もいます。しかし、術後の痛み止めの服用は一時的なものです。短期間の痛み止めの服用で副作用が現れることは少ないです。 圧迫しない衣類を選ぶ 乳がんの手術後に締め付けの強い衣類を着ると、痛みやむくみの原因になります。 とくに下着は以下を参考にして選択してください。 圧迫されないゆったりサイズ 肌にやさしく伸縮性のある素材 ワイヤーの入っていないタイプ 着脱や留め外しがしやすいもの 肩ひもが食い込みにくい幅広いもの パッドの取り外しが可能なもの 乳がん用の補整下着も販売されています。ワイヤー入りの下着の着用は、医師に確認してからにしましょう。 まとめ|乳がんの手術後の痛みが急激に悪化した場合は医療機関に受診しよう 乳がんの手術直後の痛みは、通常は数週間で落ち着きます。慢性の痛みは、乳房切除後疼痛症候群やMondor病などにより起きることがありますが、出現の有無や痛みの持続期間には個人差があります。 注意すべき症状は「傷の周囲の赤黒い変化と熱を伴う痛み」「手術側だけの腫れを伴う痛み」「急激な痛みの悪化」などです。これらは、感染症やリンパ浮腫などなんらかの合併症が起きている疑いがあります。 腰痛や関節痛、骨の痛みなどに加えて、乳房にへこみやひきつれなどが現れている場合に関しては、再発・転移のおそれがあります。気になる症状が現れている場合は、速やかに医療機関を受診してください。 当院「リペアセルクリニック」では、がん予防を目的とした免疫細胞療法を行っております。詳しくは以下をご覧ください。 乳がんの手術後の痛みに関するよくある質問 一般的にいつまで痛みは続く? 手術後の急性期の痛みは数週間で改善します。一方、慢性の痛みについては、出現の有無や痛みの持続期間に個人差があります。 術後1〜2年続く痛みの原因は? 神経損傷による乳房切除後疼痛症候群の可能性があります。まずは痛みの原因を調べるために医療機関を受診してください。 チクチクする痛みは問題ない? チクチクする痛みは、神経の損傷が原因で起こる乳房切除後疼痛症候群の可能性があります。再発に関連のない痛みですが、適切な対応をするために医療機関を受診しましょう。 参考文献 (文献1) 乳癌手術後の傷のケアについて|総合南東北病院 (文献2) ペインクリニックにおける加療により乳房切除後疼痛症候群の症状が改善した2症例|日本ペインクリニック学会誌
2024.08.28 -
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胃がんは、日本で罹患数が多いがんのひとつです。 手術によって治療を行うケースも多いですが、術後はダンピング症候群や下痢、栄養障害、胆石症、骨粗鬆症などさまざまな後遺症が起こる可能性があります。 症状に応じて食事療法や栄養補助食品の使用、手術などが行われます。 また、近年では長く続く痛みや長期的ながん予防には再生医療といった新しい選択肢もあります。 この記事では、胃がんの症状や原因、診断や治療法の他、術後の後遺症の種類や後遺症に対する対処法、また、再生医療の可能性について詳しく解説していきます。 胃がんの手術をこれから受ける予定で術後について不安がある方、また術後後遺症でお悩みの方はぜひ参考にしてください。 胃がん手術後の後遺症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 胃がん手術後の後遺症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 胃がん手術後の後遺症と対処法 胃がんの手術後には「胃切除後症候群」と呼ばれるさまざまな後遺症があらわれることがあります。 代表的な後遺症として、以下が挙げられます。 ダンピング症候群 貧血 消化・吸収不良(体重減少) 骨粗鬆症 胆石症・胆嚢炎 これらの後遺症は症状の内容や程度によって対応方法が異なります。 たとえば、食事の摂り方を工夫したり、薬物療法や栄養補助食品を取り入れることで改善を目指すことが可能です。 なかには時間の経過とともに軽快するものもありますが、長引く症状は放置せずに医師へ相談することが大切です。 ①ダンピング症候群 胃を切除すると食べ物を一時的にためる容量が減り、胃酸の分泌も少なくなります。 その結果、通常よりも濃い内容物が一気に腸内へ流れ込み、ダンピング症候群が起こります。 食後すぐに動悸・立ちくらみ・めまい・吐き気・発汗などが出るのを「早期ダンピング症候群」、食後2~3時間後に疲労感・失神・手の震えなどが出るのを「後期ダンピング症候群」と呼びます。 対処法 1時間以上かけてゆっくり食べる 1回の食事量を減らして1日5~6回に分けて食事する よく噛んでから飲み込む 食事中の水分摂取を減らす ②貧血 胃酸の分泌が減ることで胃からの鉄の吸収が妨げられ、胃の切除から数カ月で鉄欠乏性貧血を起こしやすくなります。 さらに数年経つと、胃の壁から分泌される内因子というビタミンB12の吸収を助ける糖たんぱく質が減り、ビタミンB12欠乏による貧血が生じることもあります。 対処法 鉄剤の内服 ビタミンB12注射補充 ③消化・吸収不良(体重減少) 胃酸や消化酵素の働きが低下し、さらに手術で迷走神経を切除すると消化管の動きも弱くなります。 その結果、栄養をうまく吸収できず体重が減少してしまいます。 対処法 一度に多く食べず、少しずつ時間をかけて食べる 医師や栄養士に相談しながら食事の調整を行う 少量で効率よく栄養が取れる補助食品を活用する ④骨粗鬆症(こつそしょうしょう) 胃を切除すると胃酸分泌の減少や腸内細菌の変化が起き、カルシウムの吸収が低下します。 その結果、骨がもろくなり骨粗鬆症のリスクが高まります。 対処法 カルシウムやビタミンD製剤の服用 骨密度を上げる薬の使用 ⑤胆石症・胆嚢炎 胃切除後は胆嚢の動きが弱まり、胆石ができやすくなります。 胃切除後の患者様の、2〜3割にみられます。 対処法 無症状の場合は経過観察 発作や胆嚢炎を起こした場合は治療が必要 根治的には胆嚢摘出術(場合によっては胃切除と同時に行うこともある) 胃がん手術後の生活と注意点|食事・仕事復帰・痛みのケア 胃がんの手術後は、後遺症だけでなく日常生活の工夫や体調管理が大切です。 食事の取り方や復職のタイミング、さらに長引く痛みやしびれへの対処について理解しておくことで、術後の生活をより快適に過ごすことができます。 ここでは、生活上のポイントを3つの観点から解説します。 食事の工夫(食べ方・避けたい食品・おすすめ食品) 手術後は胃の容量が減り、消化や吸収がスムーズにいかなくなります。 そのため、少量をゆっくり、回数を分けて食べることが基本です。 1日3食ではなく、5〜6回に分けて摂取する よく噛んでゆっくり食べる 食事中や直後の水分は控えめにする 避けたい食品には、高脂肪・刺激物・アルコールなどがあります。 一方で、消化に良い白身魚や豆腐、柔らかい野菜スープなどはおすすめです。 栄養士のアドバイスを受けながら、自分に合った食生活を整えると安心です。 日常生活と仕事復帰の目安 退院後すぐに無理をすると体力の回復が遅れてしまうため、段階的に日常生活に戻ることが大切です。 軽い散歩などから始めて体力を徐々に回復させる 車の運転や重い荷物の持ち運びは医師に相談してから 仕事復帰はデスクワークであれば数週間〜1カ月程度、肉体労働ではさらに時間がかかるケースが多い 個人差はありますが、医師の診断を受けながら無理のない復帰スケジュールを立てましょう。 痛みやしびれが長引く場合の対処 手術後に感じる痛みやしびれは、通常は時間とともに改善します。 しかし、3カ月以上続く場合は「遷延性術後痛」の可能性があります。 これは手術による神経障害や心理的要因などが関係しており、自己判断で我慢するのは危険です。 医療機関での適切な検査・治療を受ける 鎮痛薬や神経障害に対応した薬の使用 必要に応じてリハビリや心理的サポート 症状を早期に医師へ相談することで、回復を早めることができます。 胃がんとは【基礎知識】 胃がんは、胃の内壁を覆う粘膜の細胞が異常に増殖し、がん化することで発生します。 日本では比較的多くみられるがんの一つで、早期発見が治療の鍵となります。 胃がんの症状 胃がんは初期段階では自覚症状がほとんどないのが特徴です。 そのため、検診で偶然見つかるケースも多くあります。 初期 無症状 進行すると 吐き気や嘔吐 貧血によるふらつき 吐血 腹痛 など 胃がんの原因 胃がんの発生にはいくつかの要因が関わっています。 代表的なものは次の通りです。 ヘリコバクター・ピロリ菌感染 高塩分食 喫煙 ストレス アルコール 刺激物 これらの要因が複合的に作用し、胃の粘膜にダメージを与えることで発症リスクが高まります。 胃がんの診断 診断には次のような検査を組み合わせて行います。 胃内視鏡検査(胃カメラ) 内視鏡で採取した組織の病理診断 血液検査 CT検査 胃X線検査 これらを総合的に判断して確定診断がなされます。 胃がんの治療法 胃がんの治療には以下の方法があります。 内視鏡治療(早期がんに有効) 外科的手術(胃を部分的またはすべて切除) 化学療法(抗がん剤治療) 放射線療法 進行度(ステージ)に応じて適切な治療法が選ばれます。 とくに外科的手術では胃を一部またはすべて切除することが多く、その結果として「胃切除後症候群」と呼ばれる後遺症が発生する場合があります。 長く続く胃がん手術後の痛みと再生医療の可能性 胃がんの手術後、時間が経っても傷跡の痛みや周囲のしびれが続くことがあります。 これが3カ月以上続く場合、「遷延性術後痛」の可能性があり注意が必要です。(文献1) 遷延性術後痛の原因は複雑で、手術による神経障害だけでなく、精神的・心理的因子や遺伝的素因、生活環境などが絡み合って生じることがあります。検査をしても原因が特定できないケースも少なくありません。 手術の後遺症に対しては、再生医療という治療法があります。 当院では、再生医療の「自己脂肪由来幹細胞治療」と「PRP(多血小板血漿)療法」を行っています。 治療法 方法 特徴 所要時間・治療時間 自己脂肪由来幹細胞治療 脂肪から幹細胞を採取・培養し、点滴で投与する 幹細胞が他の細胞に変化する「分化能」という能力を活用した治療法 入院・手術を必要とせず日帰りの施術が可能 脂肪の採取(約30分) 細胞培養(約1カ月) 特定細胞加工物の投与 静脈点滴投与(約80分)/ 局所投与(約5分~) PRP(多血小板血漿)療法 血液を遠心分離して血小板を濃縮し、患部に投与 血小板の成長因子が持つ「炎症を抑える働き」を活用した治療法 入院・手術を必要とせず日帰りの施術が可能 ・採血・加工・投与(約30分~) 長期にわたる痛みやしびれは、身体的なつらさだけでなく、気分の落ち込みやうつ状態を引き起こすこともあります。 症状が改善すると、活動範囲が広がり、精神的・社会的にも患者様の満足度が上がります。 ▼実際に当院では、乳がん術後の化学療法で末梢神経が障害され、長い間足のしびれと原因不明の胃腸症状・倦怠感に悩まされていた患者様が、幹細胞治療によって改善した症例を経験しています。 また、再生医療のひとつであるNK(ナチュラルキラー)細胞免疫療法は、がんの予防に有効とされています。 自己の血液中にある免疫細胞の一種、NK細胞と呼ばれるものを血液から採取し、培養後に点滴でまた体内に戻す治療です。 当院「リペアセルクリニック」の免疫細胞療法については、以下をご覧ください。 まとめ|胃がん手術後の後遺症は生活習慣の工夫で改善できる 胃がんは初期に症状が出にくく、腹痛や嘔吐などの症状が出たときには手術が必要な状態になっていることも少なくありません。 手術後は胃切除後症候群と呼ばれる後遺症が生じることがあり、代表的なものにはダンピング症候群、消化・吸収不良、貧血、骨粗鬆症、胆石症などがあります。 これらの症状は、食事の摂り方を工夫したり、不足する栄養素を補ったりすることで改善を目指すことが可能です。 また、手術後に長く痛みやしびれが続く「遷延性術後痛」に悩まされる場合もあり、身体的・精神的なサポートが必要となります。 再生医療は、末梢神経障害を根本的に治療できる手立てとして注目されており、今後ますます普及していくことが予想されます。 胃がん手術後の後遺症は一人ひとり症状の現れ方が異なるため、気になる症状がある場合は早めに医師に相談し、生活習慣の工夫と適切な治療を組み合わせて改善を目指すことが大切です。 再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 胃がんに関してよくある質問 胃がんは日本人に多いがんの一つであり、手術後の生活や再発の可能性など、患者様やご家族にとって気になる点は少なくありません。 ここでは、よく寄せられる質問をピックアップし、わかりやすく解説します。 胃がんの罹患者数や死亡率は他のがんと比べてどれくらい多いの? 2021年の部位別がん罹患数では、男性の胃がんは前立腺がん、大腸がん、肺がんに次いで4番目に多く、女性の胃がんは乳がん、大腸がん、肺がんに次いで4番目に位置しています。 また、2023年の部位別がん死亡数では、胃がんは肺がん、大腸がんに次いで3番目に多く、男女別でみると男性は3番目、女性は5番目という結果でした。(文献2) 胃がんは依然として日本における主要ながんの一つといえます。 若年者に多くて進行も早い胃がんの種類があるって本当? 胃がんは内視鏡やX線の所見から、以下のように分類されます。 表在型(0型) 腫瘤型(1型) 潰瘍限局型(2型) 潰瘍浸潤型(3型) びまん浸潤型(4型) この中で、びまん浸潤型(4型)にあたるスキルス性胃がんは、若年者や女性に多くみられるタイプです。 胃の壁が硬く厚くなり、進行が速く、腹膜転移が起こりやすい特徴があります。 そのため早期発見・早期治療が非常に重要です。 参考文献 (文献1)遷延性術後痛の対策|日本ペインクリニック学会誌 (文献2)がんの部位別統計|公益財団法人 日本対がん協会
2024.08.22 -
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大腸癌の手術を終えた後、多くの方が「これからの生活はどうなるのだろう」「再発のリスクは?」と不安を抱きます。 実際には、排便リズムの乱れや体力低下、合併症のリスクなど、手術後ならではの課題があります。 しかし、手術後に起こりやすい症状や生活上の工夫を理解しておけば、不安を軽減し安心して回復へと進むことが可能です。 本記事では、大腸癌手術後の後遺症や合併症による体の変化、そして日常生活で取り入れたい工夫についてわかりやすく解説します。 また、大腸癌手術後の合併症や後遺症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 手術後の体調変化や生活面でのお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に関心のある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお気軽にお問い合わせください。 大腸癌手術後の体の変化 大腸癌の手術後は、身体的負担で体力が落ちたり、腸の動きが一時的に乱れて排便リズムが変化するなど、体にさまざまな変化が起こります。 さらに、回復過程での不安や気持ちの揺れから、精神的な負担を感じる方も少なくありません。 ここでは、大腸癌手術後に起こる主な3つの体の変化について解説します。 体力の低下 大腸癌手術後は、体力が落ちて「少し歩くだけで疲れる」「家事が思ったよりもつらい」と感じることが多くあります。 体力の回復には個人差がありますが、退院後すぐに以前のように動ける人は少なく、日常生活に無理なく戻れるようになるまでには数週間から数カ月かかるといわれています。 無理をせず、短い散歩や軽い活動から少しずつ体を慣らしていくことが、焦らず回復を進めるコツです。 担当の医師やリハビリの専門家と相談しながら、ゆっくりと生活のリズムを取り戻していきましょう。 排便リズムや便の状態の変化 大腸癌の手術後、腸の一部を切除した影響から、排便リズムや便の状態が大きく変わる場合があります。 下痢や便秘、頻便、残便感、ガスがたまりやすい状態、お腹の張りなどが起こりやすく、手術後数週間から数カ月間は排便の不安定さを感じる方が多いです。 これは腸が新しい状態に慣れるまでの自然な経過で、徐々に落ち着いてくることがほとんどです。 また、症状を和らげるための工夫として、水分補給や消化に良い食事、腹部マッサージなども役立ちます。 ただし、排便やガスが全く出ない、強い腹痛や嘔気、血便などの症状がみられる場合は、腸閉塞や他の合併症の可能性があるため、速やかに医療機関への相談が必要です。 心理的な不安や落ち込み 大腸癌の手術後、体の回復と同時に「再発の不安」や「これからの生活がどうなるか」といった将来への不安を抱える方が多く、気持ちが沈んだり落ち込んだりする場合があります。 これは「手術後うつ」と呼ばれることもあり、誰にでも起こりうる自然な反応です。 沈んだ気持ちをそのままにしておくと、眠れなかったり、食欲が減るなど、普段の生活や対人関係にも影響を及ぼす可能性があるため、早めの対処が大切です。 一人で抱え込まずに家族や友人、医療スタッフなど、信頼できる相手に気持ちを話すだけでも心の負担が軽くなる場合もあるため、必要に応じて、精神的なサポートを受けることを検討しましょう。 大腸癌手術後に起こりやすい3つの後遺症 大腸癌手術後、長期的に続く後遺症が起こることがあります。 代表的な後遺症として、次の3つが挙げられます。 排尿・性機能への影響 排便障害 人工肛門(ストーマ)造設による生活の変化 それぞれの後遺症について、詳しくみていきましょう。 排尿・性機能への影響 大腸癌手術や治療の影響により、以下のような排尿や性機能に関する症状が現れる場合があります。 排尿がスムーズにできない 尿意を感じにくい・残尿感が続く 勃起機能の低下や射精の変化 性欲の減退 上記症状は、時間の経過とともに回復するケースが多いですが、場合によっては薬やカテーテルの使用が必要になることもあります。 また、症状の程度や回復の速さは個人差が大きいため、手術前から医師と十分に相談し、必要に応じて泌尿器科など専門医のサポートを受けることが大切です。 排便障害 大腸癌の手術によって、大腸の一部を切除したり、手術の影響で腸や臓器同士がくっつく「癒着」が生じたりすると、長期的な排便障害が残る場合があります。 代表的な症状は、次の3つです。 便失禁 頻便 残便感 排便障害は腸の切除範囲や神経への影響によって起こりやすく、時間がたっても改善しにくいケースがあります。 生活の質に大きく関わるため、上記のような症状が続く場合は我慢せず医師に相談し、薬の使用や骨盤底筋トレーニングなどのリハビリを取り入れることが大切です。 人工肛門(ストーマ)造設による生活の変化 人工肛門(ストーマ)とは、手術で腸の一部をお腹の表面に出し、そこから便を排泄できるようにした出口のことです。 腸の切除範囲が大きい場合や、縫合部を安静に保つ必要がある場合に、一時的または永久的に造設されます。 ストーマを造設すると、専用の袋で便を受け止める排便方法になるため、生活習慣が大きく変わります。 最初は管理や外出に不安を感じる方も多いですが、正しいケア方法を身につければ、入浴や旅行、仕事など日常生活をこれまで通り送ることも可能です。 また、皮膚のトラブル予防や、身体イメージの変化に伴う心理的な負担への対応も大切です。 専門の看護師やサポートを活用すると、安心してストーマと向き合う生活を続けることができます。 大腸癌手術後に注意すべき3つの合併症 大腸癌の手術後には、後遺症のほかにも合併症が起こることがあります。 ここでは、大腸癌手術後に起こりうる以下3つの合併症について解説します。 感染症や創部トラブル 縫合不全 腸閉塞・イレウス それぞれ、詳しくみていきましょう。 感染症や創部トラブル 大腸癌手術後は、縫合部分(創部)やお腹の内部で細菌が感染を引き起こし、次のような症状が現れることがあります。 発熱 傷口の赤みや強い痛み 膿(うみ)が出る 腹部の張りや痛みが続く 上記の症状がみられたら、創部感染や腹腔内感染を疑う必要があります。 こうした症状を放置すると、炎症が広がったり、全身状態が悪化したりする可能性があるため、速やかに医療機関に相談しましょう。 縫合不全 大腸癌の手術では、癌を含む腸の一部を切除したあとに、残った腸同士をつなぎ合わせる「吻合(ふんごう)」 という処置を行います。 この腸管を再びつなぎ合わせた部分(つなぎ目)がうまくくっつかず、接合部が開いてしまう状態を「縫合不全」と言います。 縫合不全になると腹腔内で炎症や感染が起こり、次のような症状が現れ、重症化すると腹膜炎や敗血症など命に関わる合併症を引き起こす可能性もあります。 発熱 吐き気や腹痛 腹水(お腹の中の水) 下痢や下血 縫合不全は早期発見と治療が重要なため、違和感や異変を感じた場合はすぐに医師の診察が必要です。 腸閉塞・イレウス 腸閉塞とは、腸の中で物理的なつまりが起こることで、食べ物やガスが通れなくなる状態を指します。 一方で、イレウスは腸の動きが麻痺したり痙攣(けいれん)し、内容物の通過がうまくいかない「機能的な通り道の障害」です。 どちらの場合も、次のような症状が現れます。 激しい腹痛 吐き気・嘔吐 お腹の張り 便やガスが全く出ない 上記症状は放置すると重篤になる可能性があるため、早めの医療機関への受診が必要です。 大腸癌手術後の生活で気をつけたいこと 大腸癌手術後は、体力や腸の働きが少しずつ回復していくため、生活の中でいくつかの工夫が必要になります。 ここでは、運動、食事、社会復帰の3つの視点から大腸癌手術後の生活について解説します。 運動とリハビリの進め方 大腸癌の手術後すぐは体力が落ちているため、無理に動くと体に負担がかかります。 まずはベッドの上で体を動かすところから始め、退院後は短時間の散歩など軽い運動を取り入れると良いでしょう。 目安としては、手術から1カ月ほど経ち、医師の許可が得られればウォーキングなどの有酸素運動を少しずつ再開できるケースが多いです。 無理のない範囲での継続が、体力回復や気分のリフレッシュにつながります。 食事の工夫と栄養管理 大腸の一部を切除すると、消化や排便のリズムが乱れやすくなります。 そのため、消化に良い食材を中心に選び、油っこい料理や香辛料の強い食品は控えることが大切です。 一度にたくさん食べるのではなく、少量を数回に分けて食べる「少量頻回食」を意識すると、腸への負担を軽減できます。 また、たんぱく質やビタミンなど体の回復に必要な栄養素をバランスよく摂ることも重要です。 仕事や日常生活への復帰目安 大腸癌手術後は、体力や体調が安定するまでに時間がかかるため、社会復帰にはある程度の時間が必要です。 一般的には手術後1〜3カ月ほどで職場や日常生活に少しずつ復帰できる人が多いですが、最初のうちは短時間勤務や在宅勤務を取り入れるなど、無理をしないことが大切です。 また、肉体労働や長時間の勤務は体に負担をかけやすいため、医師の判断を参考にしながら段階的に生活を整えていきましょう。 大腸癌手術後の予後・再発率について 大腸癌の手術後の予後や再発率は、癌の進行度(ステージ)によって大きく異なります。 大腸癌の再発は、手術後の経過の中でもとくに注意が必要で、ステージが早いほど再発のリスクは低く、進行している場合ほど再発や転移の可能性が高まります。 以下表は、5年生存率や手術後再発率をステージごとにまとめたものです。(文献1,2,3) ステージ 5年生存率の目安 手術後再発率の目安 0期 (上皮内がん・粘膜内がん) 非常に高く、ほぼ再発なし ごくわずか (再発は極めて稀) I期 約90〜95% 約3~6%程度 II期 約80~85% 約13~15% III期 約60~70%程度 約30%前後 IV期 (遠隔転移あり) 大幅に低下 (進行具合や治療内容によって大きな差がある) 再発率・転移の可能性が高い (統計値はさらにばらつきがある) ※数値は過去の臨床研究やがん情報サイトによる平均値であり、実際のリスクは年齢・癌の場所(結腸か直腸かなど)、手術後の治療内容、遺伝的要因、術中の状況などによって個人差があります。 統計的には、再発の8〜9割が手術後3年以内に起こり、およそ95%は手術後5年以内に確認されているため、手術後5年間の定期的な経過観察が非常に重要とされています。(文献4) 経過観察は再発や転移を早期に見つけるため、腫瘍マーカーを調べる血液検査やCT・MRIなどの画像検査、大腸内視鏡検査を組み合わせて行います。 再発が見つかった場合でも、その広がり方や部位によっては再手術や化学療法によって治癒や長期的なコントロールを目指せる可能性があります。 再発リスクを少しでも減らすためには、手術後の生活習慣改善や必要に応じた追加治療を取り入れることが大切です。 大腸癌手術後の再発予防と長期的なケア 大腸癌の手術後は、生活習慣の見直しや家族や支援サービスの利用、そして定期的な検査による経過観察が予後を左右します。 ここでは、再発予防と安心して生活を送るための具体的なポイントを紹介します。 生活習慣の改善 大腸癌手術後の再発リスクを下げるためには、日々の生活習慣を整えることが重要です。 野菜や魚を中心としたバランスの良い食事を心がけ、脂っこい食べ物や加工肉の摂取は控えめにしましょう。 また、禁煙も癌の再発予防に直結する大切な習慣であり、アルコールのとりすぎにも注意が必要です。 さらに、無理のない範囲でウォーキングなどの適度な運動を続けることは、体力回復だけでなく免疫力の維持にも役立ちます。 免疫細胞療法 免疫細胞療法は、自分の免疫細胞を活性化させてガン細胞を攻撃する力を高める治療法で、癌の再発予防や補助療法の一つとして注目されています。 手術や抗がん剤治療と併用されることもあり、副作用が比較的少ない点が特徴です。 まだ新しい治療法ではありますが、再発への不安を抱える方にとっては、今後の治療選択肢の一つとなり得ます。 詳細は専門の医療機関で相談し、適応があるかどうかの確認が大切です。 家族や福祉などサポート体制の活用 大腸癌の手術後は、体調や気持ちの面で不安が続くこともあり、家族や身近な人のサポートが非常に大切です。 全国に設置されている「がん相談支援センター」では、医療や生活に関する相談を無料で受けられるため、必要に応じて活用しましょう。 また、福祉サービスや地域のサポート団体を利用することで、経済面や生活面の負担の軽減も可能です。 定期的な検査・通院の重要性 大腸癌手術後は、再発を早期に見つけるために定期的な検査と通院が欠かせません。 検査の頻度は、癌のステージや受けた治療内容によって異なりますが、手術後5年間は特に丁寧な経過観察が行われます。 医師の診察を定期的に受ける習慣が、手術後を安心して過ごすことにつながります。 まとめ|大腸癌手術後も笑顔で毎日を送れる生活を 大腸癌の手術後は、体力の低下や排便の乱れ、合併症や後遺症など、さまざまな変化に直面します。 しかし、手術後に起こりやすい症状や注意点を知っておけば、不安を必要以上に抱えずに過ごすことができます。 食生活や運動など日常の工夫を取り入れることは、体の回復を促し、再発のリスク軽減にもつながります。 また、定期的な検査や通院を続け、少しでも気になる症状がみられた場合は医師へ早めに相談するのも、安心した生活を送るための大切なポイントです。 前向きに工夫を重ねながら、一日一日を大切に過ごしていきましょう。 参考文献 (文献1) 大腸がん(結腸がん・直腸がん)|国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ (文献2) 7.大腸癌手術後について|日本臨床外科学会 (文献3) 1.4 大腸がんの病期分類と予後|国立がん研究センター がん対策研究所 (文献4) 大腸がんの術後の経過観察と再発・転移 / 再発・転移|大腸がんを学ぶ
2024.08.19 -
- 関節リウマチ
- 内科疾患
「両手の関節がこわばっている気がする」 「朝になるとこわばりが強くなる」 「もしかしたら関節リウマチなのではないか」 手足や指などの関節に腫れやこわばりといった症状があると、関節リウマチを疑う方も多いことでしょう。医療機関で、「関節リウマチの疑いがある」と説明された方もいらっしゃるのではないでしょうか。 関節リウマチは、免疫異常により関節に炎症が生じる疾患です。しかし、関節炎症は他の疾患でも起こり、関節リウマチには確定的な診断基準が存在しません。そのため関節リウマチは、症状や各種検査所見などを総合的に判断した上で診断されます。 そこで本記事では、関節リウマチの診断で用いられる分類基準や、各種検査の役割について詳しく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 関節リウマチの診断基準について知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください 関節リウマチの診断基準 関節リウマチには、単一の症状で確定診断できる診断基準が存在しません。(文献1) そこで使われるのが、分類基準と呼ばれるものです。従来は、1987年の米国リウマチ学会による基準が用いられていました。しかし、この基準では早期のリウマチ患者を診断できないケースがあったため、2010年に新たな分類基準が発表されました。詳しい内容は、次の章で説明します。 なお、分類基準はあくまで診療の目安として用いられるものです。実際は、医師が患者の症状や発症経過、検査結果などを総合的に判断した上で診断すると知っておきましょう。 関節リウマチの概要や症状などは、下記の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 関節リウマチの診断スコア|2010年分類基準の内容 2010年に、米国および欧州リウマチ学会が合同で新しい分類基準を発表しました。この分類基準は、関節の腫れや炎症があり、それらの症状が他の疾患で説明がつかない場合に適用されるものです。(文献1)(文献2)関節症状、血液検査、症状の持続期間について点数を合計し、6点以上であれば、関節リウマチの可能性が高いとされます。 関節症状の評価 関節症状については、症状が出ている関節の部位と数を数値化して評価します。詳細を表に示しました。(文献1)(文献2) 症状が出ている関節の部位と数 点数 大関節1か所 0点 大関節2~10か所 1点 小関節(大関節症状の有無を問わない)1~3か所 2点 小関節(大関節症状の有無を問わない)4~10か所 3点 11か所以上の関節(小関節1か所以上を含む) 6点 大関節とは、足や膝、ひじ、肩、股関節などを指します。小関節は、手や足の指、手関節などです。 血液検査で調べる項目 血液検査では、血清学的検査と炎症反応の2種類を調べます。(文献1)(文献2) 血清学的検査の項目は、リウマトイド因子と抗CCP抗体の2種類です。詳細を表に示しました。 検査結果 点数 2種類とも陰性 0点 1種類が陽性かつ、数値が基準値の3倍以下 2点 1種類が陽性かつ、数値が基準値の3倍より大きい 3点 炎症反応の項目は、CRP値と赤血球沈降速度の2種類です。詳細を表に示しました。 検査結果 点数 2種類とも正常値 0点 2種類のうちいずれかが異常値 1点 症状の持続期間 症状の持続期間も点数にカウントされます。詳細を表に示しました。(文献1)(文献2) 症状の持続期間 点数 6週間未満 0点 6週間以上 1点 診断における挑戦と注意点 早期の関節リウマチでは、典型的な症状や血液検査の異常が見られないことがあり、診断が難しい場合もあります。 また、他の関節疾患との区別も重要です。専門医は、豊富な経験をもとに総合的に判断します。 診断後も、定期的に患者の状態をモニタリングし、治療方針を適宜見直すことが必要です。 また症状や検査結果の変化を見逃さず、適切な治療を続けることが重要です。 血液検査および画像検査の役割 関節リウマチの主な検査としてあげられるのが、血液検査と画像検査です。この章では、各検査の役割を紹介します。 血液検査 免疫に関する検査としては、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体などがあります。 リウマトイド因子陽性は、リウマチ患者の約70~80%に見られます。しかし、リウマトイド因子は膠原病や肝臓病などリウマチ以外でも陽性を示すことがあるため、単独での診断は難しい状況です。(文献3) 抗CCP抗体もリウマチ患者の約70~80%で陽性を示します。リウマトイド因子とは異なり、リウマチ以外で陽性になることは少ないとされています。(文献3) 炎症に関する検査としてあげられるものが、CRPや赤血球沈降速度です。CRPは、全身の急性炎症を表す指標であり、赤血球沈降速度は、慢性的な炎症の指標です。この2つはリウマチ以外の炎症性疾患でも高値を示します。そのため、炎症の検査単独で関節リウマチを診断するのは難しいといえるでしょう。 関節リウマチの血液検査については、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 画像検査 画像検査としては、単純X線検査、MRI検査、関節超音波検査などがあげられます。(文献4) X線検査で確認できる所見は、主に以下のとおりです。 関節周辺の軟骨の腫れ 関節付近の骨の萎縮 関節の変形 骨びらん(関節周囲の骨が破壊される所見) 骨びらんは、リウマチの進行とともに見られる所見です。(文献4) MRI検査では、関節の内部を覆う滑膜や骨の炎症などを調べます。MRI画像を有効に活用すると早期診断に役立ちます。 超音波検査は、骨びらんの有無や滑膜の厚み、血流などを調べることにより、関節破壊や炎症の状況を確認できる検査です。診察で確認できなかった関節の炎症を診ることも可能とされます。 検査所見は診断における重要な指標ですが、症状や発症経過も大切な判断材料です。検査結果が正常でも症状が持続する場合は、再度医療機関を受診してください。 なお、治療方法については再生医療という選択肢もあります。 当院「リペアセルクリニック」で行っている、関節リウマチに対する再生医療については以下の記事をご覧ください。 関節リウマチの診断基準を知った上で正しい診断を受けよう 関節リウマチの診断では、主に2010年分類基準が用いられます。しかし、この基準は関節リウマチの特徴を把握するための目安であり、確定診断に用いるものではありません。分類上の数値や検査所見に加えて、医師による総合的な診断が必要です。 検査結果が正常であっても症状が続く場合は、自己判断せず再度医療機関を受診しましょう。 関節リウマチは、早期診断と早期治療が重要であり、進行を防ぐためにも、早めの受診が望ましいといえます。 当院、リペアセルクリニックではメール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。関節リウマチの診断基準や現在の症状について疑問や不安をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。 関節リウマチの診断基準に関するよくある質問 関節リウマチの検査は何科で受けるものですか 基本的には、リウマチ科や膠原病科、もしくはこれらの科を標榜している整形外科です。自宅近くにこれらの診療科がない場合は、かかりつけの内科医を受診しましょう。リウマチの疑いがある場合は、かかりつけ医が紹介状を書いてくれるケースが多いため、それを持って専門の科を受診する流れになります。 公益財団法人日本リウマチ財団や、公益社団法人日本整形外科学会のホームページで専門医を探すことも可能です。 関節リウマチは検査をしたらすぐにわかりますか 関節リウマチは、検査をしたらすぐにわかるものではありません。関節リウマチの症状は、他の疾患による症状と類似していることも多く、診断が容易ではないためです。 レントゲンや超音波検査などは、検査結果がすぐに出ますが、MRI検査や各種血液検査は、結果が出るのに数日かかります。検査結果に加えて、患者の症状や医師の診察所見も加えて診断するため、確定診断には時間がかかると覚えておくと良いでしょう。 参考文献 (文献1) 関節リウマチの診断|公益財団法人日本リウマチ財団 (文献2) 関節リウマチと診断するための基準|リウマチe-ネット (文献3) 診断のための検査|公益財団法人日本リウマチ財団 (文献4) 関節リウマチの画像診断|臨床リウマチ
2024.07.22 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
血友病は、生まれつき血液を固める力が弱い「先天性の出血性疾患」です。 放置すると、関節障害や日常生活への支障をきたす恐れもあります。 しかし、近年は治療法が進歩し、早期発見と適切な管理によって健常な人とほとんど変わらない生活を送ることが可能です。 本記事では、血友病の基礎知識から検査・治療法、日常生活での注意点をわかりやすく解説します。 正しい知識を身につけ、安心して向き合うための第一歩として参考にしてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、公式LINEで情報提供と簡易オンライン診断を実施しています。 再生医療について知りたいことや不明な点があれば、ぜひご利用ください。 血友病とは|出血が止まりにくくなる病気 血友病とは、血液の凝固因子が生まれつき不足または欠損しているため、出血した際に血が止まりにくくなる遺伝性の疾患です。 通常の止血機能が働かないため、軽い打撲やけがでも出血が長引く場合があります。 血友病には主に2つのタイプがあり、治療方針も異なる場合があるため、正確な診断が重要です。 血友病の種類と特徴は以下のとおりです。 血友病A:第VIII因子(抗血友病因子A)が欠乏しているタイプ。全体の約80%を占める。(文献1) 血友病B:第IX因子(抗血友病因子B)が不足しているタイプ。 血友病は先天性が大半を占めますが、まれに後天的に発症する「後天性血友病A」というタイプもあります。 自己免疫の異常により体内で凝固因子に対する抗体が作られ、血が固まらなくなるのが特徴です。 いずれにおいても、日常生活で注意が必要な疾患であり、早期の診断と適切な治療が出血のリスクを減らす鍵となります。 血友病の症状 血友病では血液が固まりにくいため、皮膚表面だけでなく体の深部でも出血が起こりやすくなります。 とくに、筋肉や関節内での出血が特徴的で、日常生活に支障をきたす場合もあるため注意が必要です。 以下に、血友病でよく見られる代表的な症状をまとめました。 症状の種類 具体的な内容 筋肉内出血 腕や脚などの筋肉が腫れて痛む 関節内出血 膝や肘などの関節に腫れ・熱感・痛みが出る 皮下出血 ぶつけていないのに青あざができる 鼻出血・口腔内出血 鼻や口の中からの出血が止まりにくい 手術・抜歯後の出血 通常よりも長時間にわたって出血が続く 関節拘縮 出血により関節が固まり、動かしづらくなる また、以下のような症状が日常的に見られる場合も、血友病の可能性があるため、早めの医療機関を受診しましょう。 明らかな外傷がないのにあざができる 関節が腫れて痛み、動かしづらくなる 歯ぐきや鼻からの出血が長引く 以前より関節の可動域が狭くなってきた 症状が進行すると生活の質を大きく損なうため、早期発見と適切な管理が重要です。 血友病の検査・診断 血友病の診断では、まず血液がどれくらいの時間で固まるかを調べる「血液凝固検査」が行われます。 血が固まりにくい状態が確認された場合、さらに詳細な「凝固因子活性検査」に進み、第VIII因子または第IX因子の働きがどれほどあるかを評価し、病型と重症度を判定します。 凝固因子活性の値に応じた分類は以下の通りです。(文献2) 病型 凝固因子活性値 割合(目安) 特徴 重症型 1%以下 約50~60% 自発的出血が頻繁に起こる 中等症型 1~5% 約20% 軽い打撲でも出血することがある 軽症型 5%以上 約20% 手術やけがの際に出血しやすい 凝固因子の働きに基づいて重症度を把握することで、適切な治療方針を決定します。 とくに、重症型では無症候でも体内で出血している場合があるため、早期の診断が重要です。 血友病の治療法 血友病の治療では、不足している凝固因子を補充する「補充療法」が基本です。 重症度や出血頻度に応じて、以下の治療法を組み合わせて使い分けます。 定期補充療法 予備的補充療法 出血時補充療法(オンデマンド療法) それぞれ詳しく見ていきましょう。 定期補充療法 定期補充療法は、出血が起きる前から定期的に凝固因子製剤を静脈投与する治療法です。 重症型の血友病患者様に対しての標準治療ですが、軽中等症でも予防を目的に投与するケースがあります。 製剤によって週2〜3回、または2週間に1回の注射を継続的に行うことで、関節内出血や筋肉内出血などの出血リスクを未然に防げます。 定期補充療法の最大の利点は、日常生活の質(QOL)の向上です。 出血に対する不安を軽減し、学校や職場での活動を安心して行えるようになり、とくに小児期からの早期導入が関節障害の予防につながるとされています。 予備的補充療法 予備的補充療法とはスポーツや旅行、歯科治療など、出血リスクが予測される特定の場面に限定して、事前に凝固因子製剤を投与する方法です。 重症型以外の患者様や、日常的に出血の頻度が少ない方に適しています。 必要なときだけ補充を行うため、治療の負担を軽減できるのがメリットです。 ただし、タイミングを逃すと出血を防げない可能性があるため、患者様自身や家族が状況を正確に判断しながら適切な対処が求められます。 出血時補充療法(オンデマンド療法) 出血時補充療法は、実際に出血が起きたときに凝固因子製剤を投与する方法です。 軽症型や中等症型の患者様を対象とし、出血頻度が少ない場合に選択される場合があります。 出血が確認された段階で速やかに製剤を使用することが重要で、出血の進行を最小限に抑え、症状の悪化を防ぐのが目的です。 ただし、関節や筋肉の深部出血は初期症状がわかりにくいため、早期対応が難しいという課題もあります。 血友病の方が日常生活を送る上での注意点 血友病のある方が安全に日常生活を送るためには、出血を防ぐ工夫と周囲の理解が大切です。 とくに、外傷や薬の使用、医療機関との連携など、あらかじめ注意しておくべき点を理解しておくと、万が一の際にも迅速に対応できるでしょう。 ここでは、日常生活のうえで押さえておきたい具体的なポイントを紹介します。 外傷・ケガの予防意識を持つ 血友病の方は出血が止まりにくいだけでなく、関節や筋肉内での深部出血が起きやすいため、日常生活でも以下のような予防を意識しましょう。 段差の多い場所や滑りやすい床では慎重に歩行する ひじやひざなどの関節を保護するプロテクターを活用する スポーツは出血リスクを考慮し、事前に医師と相談する とくに、転倒しやすい場所では注意が必要です 予防する意識を持つように心がけて不要な出血のリスクを避け、安心して生活を送るための環境を整えましょう。 緊急時患者カードを携帯する 血友病の方は、外出時や災害・事故時に備えて「緊急時患者カード」の携帯が推奨されています。 緊急時患者カードは、血液凝固異常症の方がかかりつけ以外の医療機関を緊急で受診したり、救急車で搬送されたりした際に、医療関係者へ必要な情報を迅速かつ正確に伝えるためのカードです。 血友病の種類や使用している治療薬、投与量、かかりつけ医療機関などの情報が記載されています。 万が一の事故や意識障害などで本人が説明できない状況でも、周囲の医療関係者に正確な対応を促すことが可能です。 日常的に財布やスマートフォンケースに入れておくなど、常時携帯する習慣をつけましょう。 成人の場合は、各自治体から医療費助成の関連書類とともに、小児は患者会や製薬会社を通じて配布されています。 血友病の方でカードがまだ手元にない方は、「一般社団法人日本血液凝固異常症調査研究機構(JBDRO)」にお問い合わせください。 解熱剤・鎮痛剤の使用は避ける 血友病の方は、一般的な解熱剤や鎮痛剤の使用に注意が必要です。 とくに、アスピリンやインドメタシンなどの成分には血液を固まりにくくする作用があり、出血を助長する恐れがあります。 市販薬の中にも、これらの成分が含まれている可能性があるため、以下の点に注意しましょう。 解熱・鎮痛薬の購入時は、薬剤師に成分を確認する 医師の処方がない薬は使用しない 歯科や他科の受診時にも、血友病であることを必ず申告する 安全な薬物治療を行うためには自己判断を避け、医療従事者の指導のもとで薬を選びましょう。 口腔ケアを怠らない 口腔内は出血しやすい部位のひとつであり、血友病の方にとっては日々の口腔ケアがとても大切です。 虫歯や歯周病を予防すれば、歯ぐきからの出血を減らせます。 日常の歯磨きでは、以下の点に注意しましょう。 柔らかめの歯ブラシを使用し、歯ぐきを傷つけない 歯と歯ぐきの境目の汚れを丁寧に除去する 継続してケアを行う 定期的な歯科受診も欠かさずに、出血のリスクを最小限に抑えるよう心がけましょう。 なお、歯ぐきは適切にケアされていれば出血を抑えられますが、少量の出血が見られても問題ありません。 保育園や学校に出血が起きた際の対処法を共有する 小さい子どもの血友病患者様が安心して学校生活を送るには、保育園や学校側との情報共有が不可欠です。 以下のように、外傷や出血時の対応方法などを事前に伝えておくと、迅速かつ適切な対応が可能になります。 緊急時の連絡先と対応方法を文書で共有する 保管している凝固因子製剤の使い方を説明する 生活の中で注意すべき動作や活動を明確に伝える 子どもが血友病であっても、適切な治療と計画で多くの活動に参加できます。 以下のサイトのページでは、血友病の子どもを担当する先生向けに対応を説明しているので、情報共有時に参考にしてください。 学校・保育園などの先生方へ|ヘモフィリアTODAY 血友病の子どもさんを担当する学校の先生方へ|ヘモフィリアステーション まとめ|血友病は正しい知識と治療で管理できる病気 血友病は先天的に血液が固まりにくくなる疾患で、出血しやすい体質が特徴です。 完治は困難ですが、定期的な補充療法や生活上の注意によって、健常な人と変わらない生活を送れます。 早期診断と適切な治療の継続により、合併症の予防や生活の質の維持につなげていきましょう。 また、出血リスクへの理解に加え、周囲の協力や医療機関との連携も欠かせません。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、公式LINEにて再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施していますので、ぜひご登録ください。 血友病に関してよくある質問 血友病は治りますか? 現時点で、血友病を根本的に治す治療法は確立されていません。 しかし、定期的な補充療法によって不足している凝固因子を補うことで、出血を予防し、健常な人とほとんど変わらない生活を送れます。 とくに、早期の治療開始が関節障害の予防や生活の質の維持に大きく貢献する点に留意しておきましょう。 血友病Aと血友病Bの違いはなんですか? 血友病は主に2つのタイプに分類されており、それぞれの違いは次の通りです。 血友病A:第VIII因子(抗血友病因子A)が欠乏しているタイプ 血友病B:第IX因子(抗血友病因子B)が不足しているタイプ 両者の出血症状や経過は似ていますが、治療に用いる凝固因子製剤が異なるため、正確な診断が重要です。 血友病は予防できますか? 現在のところ、血友病そのものを予防する方法は存在しません。 しかし、出血による合併症を防ぐことはできるため、以下のような早期対応が重要です。 出血が起きた際は、速やかに凝固因子製剤を補充する あざや関節痛などの初期症状を見逃さない とくに乳児期後半にみられる皮下出血に注意する 症状を発見した場合には、医療機関での早めの相談が重症化を防ぐための第一歩となります。 参考文献 (文献1) Hemophilia ‒ Hematology and Oncology | Coagulation Disorders ‒ Merck Manual Professional Version|Merck Manual Professional Version (文献2) 血友病 (けつゆうびょう)とは | 恩賜財団 済生会
2024.07.10 -
- 肝疾患
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「アルコール性肝炎になったら、もう肝臓は元に戻らないの?」 「アルコール性肝炎は治る病気?」 そんな疑問や不安を抱える方は少なくありません。 長年の飲酒習慣で傷ついた肝臓ですが、完全に回復不可能なわけではないのです。 本記事では、アルコール性肝炎からの回復可能性や有効な治療法、肝臓が健康を取り戻すまでの期間について詳しく解説します。 肝臓の健康を取り戻すための知識を身につけ、今からできる対策を始めましょう。 【結論】アルコール性肝炎は治る病気 アルコール性肝炎は、適切な治療と生活習慣の見直しにより回復が期待できる病気です。 とくに早期発見と適切な対策により、肝臓へのダメージを最小限に抑えられます。 しかし、進行すると回復が難しくなるため、早めの対応が重要です。 早期発見と適切な治療で回復は見込める 重症度によっては回復が難しい場合も 本章では、アルコール性肝炎の回復の可能性や治療法について詳しく解説します。 早期発見と適切な治療で回復は見込める アルコール性肝炎は、早期発見と適切な治療により回復が期待できる病気です。 肝臓には再生能力があり、飲酒を避けて健康的な生活を続けることで改善が見込めます。(文献1) まず禁酒が最優先です。アルコールを摂取し続けると炎症が進み、回復が遅れるだけでなく、肝硬変へ進行するリスクが高まります。 さらに、栄養療法や薬物療法により、肝機能の回復を促します。 早期発見のためには、定期的な健康診断で肝臓の数値をチェックしておくのもポイントです。 今まで自覚症状がなくても異変を感じたら、すぐに医療機関を受診し適切な対応をとりましょう。 アルコール性肝炎の初期症状については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。 重症度によっては回復が難しい場合も アルコール性肝炎は早期発見と適切な治療により回復が期待できますが、重症度によっては改善が難しい場合もあります。 とくに長年の飲酒で肝臓に深刻なダメージが蓄積すると、完全な回復は困難です。(文献2) たとえば、アルコール性肝硬変に進行すると、肝臓の線維化が進み、元の健康な状態への回復はほぼ不可能になります。 そのため、症状が軽いうちに適切な治療を受けるのが重要です。 「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓は、ダメージを受けても自覚症状が出にくいため、日頃から健康管理を意識しましょう。 アルコール性肝炎における4つの治療法 アルコール性肝炎の治療には、主に以下の4つの方法があります。 断酒する 栄養療法で肝臓の回復を促す 薬物療法で症状を緩和する 再生医療を受ける それぞれの方法を組み合わせることで、より高い回復効果が期待できます。 断酒する アルコール性肝炎の最も効果的な治療法は、断酒です。(文献1) アルコールを摂取し続けると肝臓の炎症が進行し、回復が難しくなります。 そのため、完全に飲酒をやめることが肝臓を守る第一歩となります。 断酒による精神的ストレスや誘惑を乗り越えるためには、家族や友人の理解とサポートが重要です。 また、アルコール依存により断酒が難しい場合は、精神科や心療内科の専門医による治療も有効な選択肢となります。 適切なサポートを活用しながら、無理のない範囲で断酒を継続しましょう。 肝臓の数値に異常がある場合の原因や対策については、こちらの記事でも解説していますので、参考にしてください。 栄養療法で肝臓の回復を促す 肝臓の回復を助けるには、適切な栄養摂取が不可欠です。(文献1) とくにタンパク質やビタミンを十分に摂取すると、肝細胞の再生が促進されます。 具体的には、高タンパク質の食品(肉、魚、大豆製品など)や、ビタミン類を多く含む食材を積極的に取り入れると良いでしょう。 一方で、脂肪分の多い食事や糖分の過剰摂取は肝臓に負担をかけるため、なるべく控えることをおすすめします。 薬物療法で症状を緩和する アルコール性肝炎の症状が進行している場合、アルコール依存症と同様に薬物療法を行う場合があります。(文献3) アルコール依存症は、本人の意思ではどうすることもできないため、抗酒薬や抗不安薬などの薬物療法が用いられますが、同様に断酒を目的として治療が挙げられます。 ただし、薬物療法はあくまで精神的な症状の緩和や断酒を補助するためのものであり、根本的な治療にはなりません。 そのため、断酒を継続しつつ生活習慣の改善と並行して行っていくのが重要です。 再生医療を受ける 肝臓疾患に対する治療法には再生医療という選択肢もあります。 再生医療は、患者様自身から採取・培養した幹細胞を用いて治療を行う、副作用のリスクが少ない治療法です。 当院「リペアセルクリニック」では肝臓疾患に対して、再生医療による治療を行っています。再生医療について詳しくは、以下のページをご覧ください。 アルコール性肝障害の分類における位置付け アルコール性肝障害は以下の五つに分類され、そのうちの一つがアルコール性肝炎です。 アルコール性脂肪肝 アルコール性肝線維症 アルコール性肝硬変 アルコール性肝炎 アルコール性肝がん 慢性的に過剰飲酒を続けると、脂肪肝→肝線維症→肝硬変と順番に進行していく可能性があるため、注意が必要です。 なお、アルコール性肝炎ではこの慢性経過とは別に、酒量の増加などをきっかけにして肝臓に強い炎症が起こります。 背景の肝臓の組織が軽度の脂肪肝であっても進行した肝硬変であっても、肝細胞が変性や壊死を起こしていればアルコール性肝炎と考えられます。 つまり、もともとアルコールによる肝臓の障害がある方が、さらに過剰飲酒することで肝臓に強い炎症とダメージが起こってしまっているのがアルコール性肝炎なのです。 本章では、アルコール性肝障害の五つの分類についてそれぞれ解説します。 アルコール性脂肪肝 アルコールの摂取により、肝臓に脂肪が蓄積する初期段階の状態です。 この段階で飲酒をやめれば、比較的早い回復が見込めます。 アルコール性肝線維症 アルコール性脂肪肝が進行すると、肝細胞がダメージを受け、線維化が始まります。 この段階ではまだ回復の可能性がありますが、飲酒を続けると悪化する恐れがあります。 アルコール性肝硬変 長期間の飲酒により、肝臓が硬化し、機能が低下します。 この段階になると回復は困難で、合併症のリスクも高まります。 アルコール性肝炎 アルコールの影響で肝臓に炎症が生じる状態です。 重症になると命に関わる場合もあり、早急な治療が必要です。 アルコール性肝がん アルコールによるダメージを肝臓が受けている状況下に肝がんができており、他の原因が除外できている状態です。 肝臓の重要な働きと注意すべき病気については以下の記事でも解説しています。 気になる症状がある方は、ぜひご覧ください。 アルコール性肝炎の検査と診断 アルコール性肝炎を診断するには、複数の検査が行われます。 正確な診断を受けることで、適切な治療を選択し、回復へつながる可能性も高まります。 肝生検 肝生検は、肝臓の一部を採取し、組織を詳しく調べる検査です。 この方法により、炎症の進行度や線維化の程度を把握できます。 検査は局所麻酔を行い、細い針を肝臓に刺して組織を採取します。 検査後は数時間(検査自体は数分~20分程度、安静時間も含めて約4~6時間)の安静が必要ですが、肝臓の状態を詳しく知るために有効な方法です。 肝硬変などの進行具合を診断する際にも用いられます。 血液検査・画像検査 血液検査は、肝臓の状態を把握する基本的な検査です。 とくにAST(GOT)やALT(GPT)などの肝酵素の数値を調べることで、炎症の有無を確認できます。 また、超音波検査やCTスキャン、MRIなどの画像検査も活用されます。 これらの検査では、肝臓の形状や脂肪の蓄積、線維化の進行具合を視覚的に確認できます。 血液検査との組み合わせによって、より正確な診断が可能になります。 まとめ|アルコール性肝炎は節酒や断酒で回復を目指そう 本記事では、アルコール性肝炎の回復の可能性や治療法について解説しました。 アルコール性肝炎になっても、断酒や栄養管理、薬物療法によって、肝臓の機能は改善し、健康を取り戻せる可能性があります。 ただし、早期発見と対策が重要なため、生活習慣を見直し、必要に応じて医師の診察を受けましょう。 適切な対応を続けることで、肝臓への負担を軽減し、病状の悪化を防げます。 また、当院「リペアセルクリニック」では肝臓(脂肪肝・肝硬変・肝炎)の再生医療・幹細胞治療を提供しています。 肝機能の治療に不安がある方は、まずはお気軽にご相談ください。 アルコール性肝炎の治療についてよくある質問 アルコール性肝炎の治療についてよくある質問肝臓は禁酒すると回復しますか? 肝臓は回復力の高い臓器であり、禁酒することでダメージが改善する可能性があります。 とくに初期段階であれば、断酒によって肝細胞が再生し、健康な状態に戻ることが期待できます。 しかし、肝硬変など病状が進行すると、完全な回復は難しくなります。 そのため、肝臓のダメージが深刻化する前に、禁酒を徹底する意識が大切です。 アルコール性肝炎が回復するまでの期間は? 回復期間には個人差がありますが、軽度のアルコール性肝炎であれば、数週間から数カ月で改善が期待できます。 一方、重度の肝障害がある場合は、回復に数年かかるケースもあります。 断酒を継続し、適切な治療を受けることが回復の鍵となるため、医師と相談しながら自分に合った治療計画を立てましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では肝硬変・肝炎に対し手術を伴わない「再生医療」を提案しています。 治療に不安がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 竹井謙之,アルコール健康医学協会「アルコール性肝障害の最新トピックス」 https://www.arukenkyo.or.jp/information/pdf/kirokusyu/09/04.pdf(最終アクセス:2025年3月26日) (文献2) 全国健康保険協会「アルコール性肝障害 (Alcoholic Liver Disease:ALD)」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/kochi/20140325001/2016120600012kannshougai.pdf(最終アクセス:2025年3月26日) (文献3) 山田隆子,秋元典子.「アルコール性肝障害入院患者が断酒を決意し断酒を継続するプロセス」『日本看護研究学会雑誌』 Vol. 35 No. 5.pp.25-34,2012https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/35/5/35_20121030003/_pdf(最終アクセス:2025年3月26日)
2024.07.09 -
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脊髄梗塞は稀な疾患で原因が不明なものも多く、現在でも明確な治療方針が定められてはいません。 そのため「脊髄梗塞が治るのか」不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、脊髄梗塞の回復見込みや治療法について詳しく解説します。 従来の治療では有効な治療法が確立されていないため、リハビリテーションによって症状の改善を目指すことがほとんどです。 しかし、近年の治療では先端医療である再生医療が新たな選択肢として注目されています。 \脊髄梗塞の改善が期待できる再生医療とは/ 再生医療は、損傷した神経に対してアプローチできる治療法で、今まで根治が困難だった脊髄梗塞の改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 脊髄梗塞の根治を目指せる治療法を探している 脊髄梗塞による痛みやしびれを早く治したい 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 当院リペアセルクリニックの「脊髄腔内ダイレクト注射療法」は、従来の点滴では届きにくかった損傷部位へ幹細胞を直接届ける治療法で、神経損傷による痛みやしびれに対しても高い治療効果が期待されます。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは脊髄梗塞の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 以下の動画では、実際に再生医療を受け、脊髄梗塞に悩まれていた患者様の事例を紹介しています。 https://youtu.be/hNXMlNYRAkI?si=xeOHGpwaSNk1X6Nx 【予備知識】脊髄梗塞の発生率・好発年齢・性差情報 ある研究においては、年齢や性差を調整した脊髄梗塞の発生率は年間10万人中3.1人と報告されています。 脳卒中などの脳血管疾患と比較し、脊髄梗塞の患者数はとても少ないです。 また、脊髄梗塞の患者さんのデータを集めた研究では、平均年齢は64歳で6割以上は男性だったと報告されています。 参考:A case of spinal cord infarction which was difficult to diagnose しかし、若年者の発症例もあり、若年者の非外傷性脊髄梗塞の発生には遺伝子変異が関係していると示唆されています。 脊髄梗塞は治るのか? 結論、脊髄梗塞を完全に治すことは困難です。 しかし、近年の治療では脊髄梗塞の根治を目指せる再生医療が注目されています。 現在のガイドラインにおいて完治までの有効な治療法は確立されておらず、リハビリテーションによって症状の緩和と日常生活への復帰を目指すことが中心です。 再生医療は損傷した神経に対してアプローチできる治療法で、今まで根治が困難だった脊髄梗塞の改善が期待できます。 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは脊髄梗塞の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 脊髄梗塞の後遺症について 脊髄梗塞の発症直後には急激な背部痛を生じることが多く、その後の後遺症として四肢の運動障害(麻痺や筋力低下など)や感覚障害(主に温痛覚低下)、膀胱直腸障害(尿失禁・残尿・便秘・便失禁など)がみられます。 四肢の運動障害(麻痺や筋力低下など) 感覚障害(主に温痛覚低下) 膀胱直腸障害(尿失禁や残尿、便秘、便失禁など) これらの症状に関しては入院治療やリハビリテーションの施行で改善することもありますが、麻痺などは後遺症として残ることもあります。 歩行障害の予後に関して、115人の脊髄梗塞患者の長期予後を調査した研究報告では、全患者のうち80.9%は退院時に車椅子を必要としていましたが、半年以内の中間調査で51%、半年以降の長期調査では35.2%と車椅子利用者の減少がみられました。 出典:Recovery after spinal cord infarcts Long-term outcome in 115 patients|PubMed 同じ研究における排尿カテーテル留置(膀胱にチューブを挿入して排尿をさせる方法)の予後報告ですが、退院時には79.8%だったのが中間調査では58.6%、長期調査では45.1%へと減少がみられました。 症状が重度である場合の予後はあまり良くありません。 しかし、発症してから早い時期(1〜2日以内)に関しては症状が改善する傾向にあり、予後が比較的良好とされています。 【原因別】脊髄梗塞の治療方法 原因 治療方法 大動脈解離 手術 / 脳脊髄液ドレナージ(1) / ステロイド投与 / ナロキソン投与(2) 結節性多発大動脈炎 ステロイド投与 外傷 手術 動脈硬化・血栓 抗凝固薬 / 抗血小板薬(3) 医原性(手術の合併症) 脳脊髄液ドレナージ / ステロイド投与 / ナロキソン投与 (1)背中から脊髄腔へチューブを挿入し脊髄液を排出する方法 (2)脊髄の血流改善を認める麻酔拮抗薬 (3)血を固まりにくくする薬剤 比較的稀な病気である脊髄梗塞は、いまだに明確な治療法は確立されていません。 脊髄梗塞の発生した原因が明らかな場合にはその治療を行うことから始めます。 たとえ例えば、大動脈解離や結節性多発動脈炎など、脊髄へと血液を運ぶ大血管から中血管の病態に起因して脊髄の梗塞が生じた場合にはその、原因に対する治療がメインとなります。 一方で、原因となる病態がない場合には、リハビリテーションで症状の改善を目指します。 脊髄梗塞に対するリハビリテーション 脊髄梗塞で神経が大きなダメージを受けてしまうと、その神経を完全に元に戻す根本的治療を行うのは難しいため一般的には支持療法が中心となります。 支持療法は根本的な治療ではなく、症状や病状の緩和と日常生活の改善を目的としたものでリハビリテーションも含まれます。 リハビリテーションとは、一人ひとりの状態に合わせて運動療法や物理療法、補助装具などを用いながら身体機能を回復させ、日常生活における自立や介助の軽減、さらには自分らしい生活を目指すことです。 リハビリテーションは病院やリハビリテーション専門の施設で行うほか、専門家に訪問してもらい自宅で行えるものもあります。 リハビリテーションの流れ ①何ができて何ができないのかを評価 ②作業療法士による日常生活動作練習や、理学療法士による筋力トレーニング・歩行練習などを状態に合わせて行う 日常生活において必要な動作が行えるよう訓練メニューを考案・提供します。 脊髄梗塞発症後にベッド上あるいは車椅子移動だった患者さん7人に対して検討を行った結果、5人がリハビリテーションで自立歩行が可能(歩行器や杖使用も含まれます)となった報告もあります。 時間はかかりますし、病気以前の状態まで完全に戻すのは難しいかもしれません。しかし、リハビリテーションは機能改善に有効であり、脊髄梗塞の予後を決定する因子としても重要です。 再生医療が脊髄梗塞に有用! https://www.youtube.com/watch?v=D-THAJzcRPE 確立された治療法がない脊髄梗塞に対して、損傷した神経にアプローチし根治を目指す再生医療が注目されています。 再生医療では、患者様自身の細胞や血液を用いて損傷した神経の再生・修復を促し、従来の治療では難しかった脊髄梗塞の改善が期待できます。 当院リペアセルクリニックで行なっている再生医療「自己脂肪由来幹細胞治療」では、患者様から採取した幹細胞を培養して増殖し、その後身体に戻す治療法となっています。 \リペアセルクリニックの再生医療をご検討ください/ 【こんな方は再生医療をご検討ください】 脊髄梗塞の根治を目指せる治療法を探している 脊髄梗塞による痛みやしびれを早く治したい 現在受けている治療で期待した効果が得られていない また、当院リペアセルクリニックの「脊髄腔内ダイレクト注射療法」は、従来の点滴では届きにくかった損傷部位へ幹細胞を直接届ける治療法で、神経損傷による痛みやしびれに対しても高い治療効果が期待されます。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは脊髄梗塞の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 脊髄梗塞に関するQ &A この項目では、脊髄梗塞に関するQ &Aを紹介します。 多くの方が抱えているお悩み(質問)に対して、医者の目線から簡潔に回答しているのでご確認ください。 脊髄梗塞の主な原因は? 脊髄梗塞の主な原因は以下のとおりです。 脊髄動脈の疾患 栄養を送る血管の損傷 詳細な原因については以下の関連記事で紹介しているのでぜひご確認いただき、症状改善の一助として活用ください。 脊髄梗塞の診断は時間を要する? そもそも脊髄梗塞は明確な診断基準がありません。 発症率が低い脊髄梗塞は最初から強く疑われず、急速な神経脱落症状(四肢のしびれや運動障害、感覚障害など)に加えてMRIでの病巣確認、さらに他の疾患を除外してからの診断が多いです。 また、MRIを施行しても初回の検査ではまだ変化がみられず、複数回の検査でようやく診断に至った症例が少なくありません。 ある病院の報告では、発症から診断に要した日数の中央値は10日となっており、最短で1日、最長で85日となっていました。 まとめ|脊髄梗塞は治るのか?症状改善には再生医療による治療を検討しよう 脊髄梗塞に対する従来の治療では有効な治療法が確立されていないため、リハビリテーションによって症状の改善を目指すことがほとんどです。 しかし、確立された治療法がない脊髄梗塞に対して、損傷した神経にアプローチし、根治を目指す再生医療が注目されています。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、脊髄梗塞や後遺症の改善が期待できる可能性がある治療法です。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 脊髄梗塞の根治を目指せる治療法を探している 脊髄梗塞による痛みやしびれを早く治したい 現在受けている治療で期待した効果が得られていない また、当院リペアセルクリニックでは、従来の点滴で届きにくかった損傷部位へ幹細胞を直接届ける「脊髄腔内ダイレクト注射療法」によって、神経損傷による痛みやしびれに対しても高い治療効果が期待されます。 「具体的な治療法を知りたい」「脊髄梗塞が治るか不安」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 ▼脊髄梗塞に対する再生医療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる ▼こちらも併せてお読みください。
2024.07.02 -
- 肝疾患
- 内科疾患
アルコール性肝炎は初期症状が軽いため、気づかずに放置してしまう人が多い病気です。 しかし、進行すると肝硬変や肝がんに移行し、命に関わる場合もあります。 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状が現れたときにはすでに手遅れの可能性もあるため注意が必要です。 本記事では、初期症状や検査方法、重症化を防ぐためのポイントを解説します。 自分の体の異変にいち早く気づき、適切な対応を取りましょう。 アルコール性肝炎の初期症状 アルコール性肝炎は、初期段階では症状が出にくく、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。 早期発見には、どのような兆候があるのかを知ることが大切です。 アルコール性肝炎でみられる初期症状と原因は以下のとおりです。(文献1) 症状 主な原因 倦怠感 肝臓の機能低下によるエネルギー不足 食欲不振 肝臓の炎症による消化機能の低下 腹痛 肝臓の腫れや炎症による右上腹部の痛み 発熱(微熱) 炎症反応による体温上昇 尿が濃い ビリルビン排出異常により尿の色が濃くなる 肝臓は、体内の解毒や栄養の代謝を行う重要な臓器です。 アルコールを大量に摂取すると、肝臓の細胞がダメージを受け、正常に働かなくなります。 その結果、エネルギー不足から倦怠感が生じ、消化機能の低下で食欲不振が起こります。 さらに、炎症が進行すると微熱が出たり、肝臓が腫れて腹痛がしたりするのも初期症状の特徴です。 アルコール性肝炎の初期症状は、風邪や疲労と勘違いしやすいため、長引く場合は注意が必要です。 【血液検査】アルコール性肝炎が疑われる検査値 アルコール性肝炎の診断は、黄疸の有無や血液検査における肝機能を示す酵素の異常値がポイントとなります。 ただし、これらの数値は他の肝疾患でも上昇するため、飲酒歴や追加の検査と併せて判断する必要があります。 血液検査で確認する主要な数値は次のとおりです。(文献2)(文献3) 検査項目 異常値の特徴 意味 γ-GTP 上昇(男性70IU/L超・女性40IU/L超) 肝臓がダメージを受けている AST(GOT)/ALT(GPT)比 AST>ALTが特徴的 アルコール性肝炎や脂肪肝で見られる傾向 白血球数 増加 肝臓の炎症による免疫反応 ビリルビン 上昇 黄疸が出る可能性が高い アルブミン 低下 肝臓の合成機能が低下している アルコール性肝炎では、γ-GTP、AST(GOT)、ALT(GPT)が上昇しやすく、とくにASTがALTより高くなる(AST>ALT)のが特徴です。 白血球数の増加が見られる場合は、炎症が進行している可能性が考えられます。 また、ビリルビン値の上昇によって皮膚や白目が黄色くなる黄疸が現れるケースもあります。 ただし、これらの数値は他の肝疾患でも異常を示す可能性があるため、医師の総合的な判断が必要です。 肝臓の数値に異常がある場合の原因や対策については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にご覧ください。 アルコール性肝炎の進行サイン・症状 アルコール性肝炎が進行すると、黄疸や消化器症状が現れる場合があります。 黄疸は血液中のビリルビンが過剰に増え、皮膚や白目が黄色くなる症状で、肝機能の深刻な低下を示します。 この状態になった場合は、早急に受診しましょう。 また、嘔吐や下痢が続く場合も注意が必要です。 肝臓の働きが低下すると消化機能が乱れ、食べ物の消化や吸収がスムーズに行われなくなります。 とくに、アルコール摂取後に強い気持ち悪さや腹痛が続く場合は、肝炎が進行している可能性があります。 アルコール性肝炎が進行すると栄養吸収が悪化して体力の低下につながるため、早めの検査と適切な対応が重要と言えるでしょう。 アルコール性肝炎を放置するリスク アルコール性肝炎を放置すると、症状が進行し、命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。 とくに以下のリスクが高まるため注意が必要です。 肺炎・腎不全・消化管出血のリスク 肝硬変や肝がんのリスク 初期症状が軽くても軽視せず、早めに医療機関を受診しましょう。 肺炎・腎不全・消化管出血のリスク アルコール性肝炎が進行すると、免疫低下や血流異常によって以下のような症状が発生するケースがあります。(文献3) 起こりうるリスク 症状 肺炎 細菌感染を起こし、高熱や呼吸困難をともなう 腎不全 老廃物が排出されにくくなる 尿量の減少やむくみが起こる 重症化すると意識障害が起こる可能性がある 消化管出血 血流が滞り食道や胃の血管が破裂すると、吐血・黒色便などがあらわれる可能性がある いずれも進行すると命に関わるため、早急な治療が必要です。 肝硬変や肝がんの発症リスク アルコール性肝炎を放置すると、肝硬変や肝がんへ進行する可能性が高まるため注意が必要です。(文献4) 肝硬変は肝臓の細胞が線維化し、腹水や黄疸、手のひらの赤み(手掌紅斑)などの症状が現れ、最終的には肝不全につながります。 さらに、肝硬変が続くと肝細胞ががん化しやすくなり、肝がんを発症するリスクが高まります。 初期の肝がんは症状が乏しく、発見が遅れることが多いため、定期的な検査が欠かせません。 そのため、普段から酒量が多いと感じている方は、少しでも異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 こちらの記事では、アルコール性肝炎の治療法について詳しく解説しています。 アルコール性肝炎の検査方法 アルコール性肝炎の診断には、血液検査や画像検査、肝生検、飲酒習慣のチェックが用いられます。 検査方法 検査内容 特徴 血液検査 肝機能の数値を測定 AST・ALT・γ-GTPの上昇、ビリルビン値の確認 画像検査(エコー・CT・MRI) 肝臓の状態を確認 肝臓の腫れ・脂肪の蓄積・血流異常の検出 肝生検 肝臓の組織を採取 病変の進行度を詳細に分析 飲酒習慣のスクリーニング 飲酒量や依存度を評価 AUDITなどのテストを活用 自覚症状が乏しい場合も多いため、これらの検査を組み合わせることで病状を正確に把握できます。 本章では、それぞれの検査方法について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。 血液検査で肝機能の異常を確認 血液検査では、肝臓の炎症や機能低下を示す数値の異常が確認できます。 主にγ-GTP、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇が見られ、ASTがALTより高くなるのが特徴です。 また、ビリルビン値が上昇すると黄疸の可能性が高まります。 ただし、これらの異常値は他の肝疾患でも見られるため、血液検査だけで確定診断はできません。 画像検査(エコー・CT)で肝臓の状態をチェック 肝臓の状態を詳しく調べるために、腹部エコー(超音波検査)やCT検査が行われます。 エコーは、肝臓の腫れや脂肪の蓄積、血流の異常などの確認に有効です。 また、CT検査では、より詳細な画像が得られ、肝硬変や肝がんの有無も判断しやすくなります。 血液検査と組み合わせることで、肝臓のダメージを総合的に評価できます。 肝生検で病変の進行度を詳しく調べる 肝生検は、肝臓の組織を直接採取して病状を詳しく分析する検査です。 肝炎の進行度や肝細胞の損傷の程度を確認するために実施されます。 とくに、肝硬変や肝がんの疑いがある場合に有効です。 ただし、ほかの検査より体に負担がかかりやすいため、他の検査で診断が難しい場合に行われるのが一般的です。 飲酒習慣のスクリーニングテストでリスクを見極める アルコール性肝炎は、長期間の過剰な飲酒が主な原因です。 一度肝炎が回復しても、飲酒による再発・悪化の可能性があるため、飲酒習慣を把握するスクリーニングテストを行うケースがあります。 具体的には、飲酒量や依存度を評価する「AUDIT(アルコール使用障害スクリーニング)」と呼ばれる質問形式のテストを活用します。 また、スクリーニングテストのほかに、血液・画像・生検・飲酒歴の確認を組み合わせると、より正確な診断が可能です。 そのため、飲酒量が多い人は、肝機能が大きく低下する前に治療を開始することが大切です。定期的な検査をうけるようにしましょう。 まとめ|アルコール性肝炎の初期症状を見逃さず早めに受診しよう この記事では、アルコール性肝炎の初期症状や進行リスク、検査方法について解説しました。 アルコール性肝炎は自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行する病気です。 倦怠感・黄疸・食欲不振・尿の色の変化がある場合は、早めの受診が必要です。 また、血液検査や画像検査を活用すれば、肝機能の低下を早期に発見できる可能性があります。 とくに、長期間の飲酒習慣がある場合は、定期検査を受けるのがおすすめです。 放置すれば肝硬変や肝がんのリスクが高まるため、異変を感じたら早めに医療機関で検査を受けましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では肝硬変・肝炎に対し手術を伴わない「再生医療」を提案しています。 再生医療について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。 アルコール性肝炎の初期症状に関するよくある質問 アルコール性肝炎の自覚症状はありますか? 初期のアルコール性肝炎は自覚症状がほとんどありません。 しかし、倦怠感・食欲不振・黄疸・腹痛・微熱などが見られるケースがあります。 また、尿の色の変化や黄疸が出た場合は、肝機能の低下が進んでいる可能性があるため要注意です。 アルコール性肝炎は初期症状の段階で禁酒すれば治りますか? 初期の段階で禁酒すれば、肝機能が回復する可能性はあります。 肝臓は再生能力が高いため、飲酒をやめることで炎症が落ち着き、回復するケースも多いです。 ただし、肝硬変まで進行すると回復は難しくなります。 一度回復しても、飲酒を再開すると再発するリスクがあります。医師の指導のもと、禁酒と生活習慣の改善を継続し、異変を感じたら早めに受診しましょう。 参考文献 (文献1) 土島睦,金沢医科大学「お酒と肝臓」 https://www.kanazawa-med.ac.jp/~hospital/docs/%2854-2%29%E3%81%8A%E9%85%92%E3%81%A8%E8%82%9D%E8%87%93%EF%BC%88%E5%9C%9F%E5%B3%B6%E6%95%99%E6%8E%88%29.pdf (最終アクセス:2025年3月16日) (文献2) 福岡労働衛生研究所「肝臓病」 https://www.rek.or.jp/js/kcfinder/upload/files/%E2%91%A4%E8%82%9D%E8%87%93%E7%97%85%E3%80%902020.6.10%E6%94%B9%E8%A8%82%E3%80%91%281%29.pdf (最終アクセス:2025年3月16日) (文献3) 全国健康保険協会「アルコール性肝障害 (Alcoholic Liver Disease:ALD)」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/kochi/20140325001/2016120600012kannshougai.pdf (最終アクセス:2025年3月16日) (文献4) 岡山県肝炎相談センター「肝臓のおはなし」2016年 http://kanen.ccsv.okayama-u.ac.jp/upload/topics/58/file.pdf (最終アクセス:2025年3月16日)
2024.06.25 -
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帯状疱疹後神経痛(PHN)は、帯状疱疹の合併症の中で最も頻度が高いといわれています。「触れただけで痛みを感じる」「ピリピリと電気が走るような痛みが続く」などの症状が現れるため、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。 この記事では、帯状疱疹後神経痛や治療法などについて解説します。 病院で行う治療はもちろん、自分でできるケア方法についても説明していますので、自分に合った痛みの緩和方法を見つけ、生活の質を下げないようにしていきましょう。 帯状疱疹後神経痛とは帯状疱疹の後遺症の一種 帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹を発症した後、皮膚の症状が治まったにもかかわらず痛みが残ってしまう病気です。(文献1) ここでは、以下の帯状疱疹後神経痛になりやすい人の特徴や、主な原因・症状について解説します。 帯状疱疹とは水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気 帯状疱疹後神経痛になりやすい人の特徴 帯状疱疹後神経痛の原因と主な症状 帯状疱疹とは水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気 帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気です。はじめて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した場合、「水ぼうそう」として発症します。 この水痘・帯状疱疹ウイルスは厄介であり、水ぼうそうが治ったあともウイルスが体の中から消えることはありません。神経節と呼ばれる神経細胞が集まっている部分に身を潜め、再び活発になる機会をうかがっています。このとき、症状が現れることはありません。 そして、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が下がると、潜んでいたウイルスが表に出てしまい、帯状疱疹を発症します。そのため、水ぼうそうに一度でもかかった人は、帯状疱疹になる可能性があります。 帯状疱疹の症状は、ピリピリとした痛みや小さな水ぶくれ(水疱)、皮膚の赤みなどです。皮膚の症状が出てからすぐに治療を開始するのが望ましく、早めに病院を受診する必要があります。治療は抗ウイルス薬の投与が主です。また、痛みがあれば鎮痛剤を服用する場合もあります。 帯状疱疹後神経痛になりやすい人の特徴 帯状疱疹後神経痛は、加齢や初期症状の重さなどにより発症リスクが高まるとされています。以下のような特徴を持つ方はとくに注意が必要です。 50歳以上の高齢者 女性 発疹の前から痛みや異常感覚がある方 発疹や痛みの程度が重度な方 これらに該当する場合は、帯状疱疹の初期段階から適切な治療を講じましょう。 帯状疱疹後神経痛の原因と主な症状 帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の合併症の中で最も多いといわれています。合 併しやすい人は、高齢者や女性、帯状疱疹を発症しているときに痛みが強かった人などです。 帯状疱疹後神経痛の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスが活性化したときに神経が傷つけられることで発症すると考えられています。そのため、痛みを感じやすくなったり、神経の過剰な興奮によって痛みが現れたりする場合があります。 帯状疱疹後神経痛の症状は、下記の通りです。 持続的な痛みがある ヒリヒリと焼けるような痛みがある ピリピリと電気が走るような痛みがある 触れるだけで痛みを感じることがある(アロディニア) 痛みがある部分の皮膚の感覚が鈍くなる 痛みの程度は個人差があります。そのため、痛みによって眠りが浅くなったり、動くと衣服が擦れて痛かったりと、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。 痛みは1~2カ月程度で治まってくることが多いですが、長い場合は1年以上続くこともあります。また、高齢であればあるほど痛みが続きやすいといわれています。 帯状疱疹後神経痛の治療(解消法) 帯状疱疹後神経痛の治療では薬物療法が基本とされますが、痛みの強さや日常生活への影響によっては、より専門的な治療が検討されます。 以下で主な治療法を紹介します。 薬物療法 神経ブロック注射 脊髄刺激療法(SCS) イオントフォレーシス 低出力レーザー照射療法 運動療法 薬物療法 薬物療法は、痛みや神経の興奮を薬でコントロールする治療法です。 帯状疱疹後神経痛は神経の痛みであり、適切な薬を医師に処方してもらう必要があります。 薬物療法で主に使われる薬は、以下の通りです。(文献2) 抗うつ薬 抗てんかん薬 神経障害疼痛に用いる鎮痛薬 オピオイド鎮痛薬 帯状疱疹後神経痛の痛みに対し、使われる薬は効果や副作用などのバランスによって第一選択薬、第二選択薬、第三選択薬と分かれています。 まずは、抗うつ薬や抗てんかん薬、神経障害に用いる鎮痛薬の服用で様子をみます。痛みの緩和が見られない場合は徐々に選択範囲を広げ、より強い鎮痛効果を示す薬を使用します。 たとえば、第一選択薬と挙げられるのは、抗てんかん薬の「プレガバリン(リリカ®)」や「ミロガバリン(タリージェ®)」、抗うつ薬の「三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど)」や「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(サインバルタ®)」などです。 効果が不十分な場合には、第二選択薬として「ノイロトロピン®」、第三選択薬としてオピオイド鎮痛薬の「トラマール®」や「トラムセット®」を使用するケースもあります。(文献3) とくに、オピオイド鎮痛薬は効果が強い薬です。オピオイド鎮痛薬以外の薬では痛みの緩和ができない場合に使用され、適応条件もあります。注意点として、腎機能が悪い人には使用できません。 神経ブロック注射 神経ブロック注射とは、痛みを感じる神経やその周囲に局所麻酔薬を注射する治療です。(文献4) 痛い部位がはっきりとわかっている場合は、注射後すぐに効果を実感できます。また、内服薬とは違い直接的に痛みに効くため、より痛みの緩和につながります。 神経ブロック注射にはいくつかの種類があります。たとえば、顔や首、腕など上半身の帯状疱疹後神経痛には「星状神経節ブロック」が使われます。交感神経の働きを抑えて血流を改善すれば、痛みの軽減が期待できます。 また、首から足先まで、体のあらゆる部位に対応できる「硬膜外ブロック」もあります。これは脊髄の周囲にある硬膜外腔に局所麻酔薬を注入する方法で、神経を一時的にブロックし、強い痛みを緩和するのに有効です。 なお、神経ブロック注射の持続効果は、人によって異なります。1日しか効かない人もいれば、数日効果が持続する人もいます。しかし、早めに神経ブロックを行うと、治療の効果が高まるといわれています。 神経ブロック注射の治療は入院の必要がなく、外来で受けられます。注意点として、血をサラサラにする薬(ワーファリン、バイアスピリンなど)を使用している場合は、針を刺したときに出血が止まらないことがあるため、行えないことがあります。 脊髄刺激療法(SCS) 脊髄刺激療法(SCS)は、脊髄に微弱な電流を与え、脳に伝わる痛みを妨げる治療法です。(文献5) 通常、体に痛みを感じると神経を通じて痛みの信号が脊髄から脳に伝わります。この神経路に微弱な電流を流すと脳に痛みが伝わりにくく、痛みの緩和につながります。 体の中に脊髄刺激リードと刺激発生装置を埋め込む手術が必要になるため、入院が必要です。手術は局所麻酔で行われ、一度の入院期間もそこまで長くありません。 イオントフォレーシス イオントフォレーシスは薬をより深い部分に浸透させて痛みを和らげる治療です。 局所麻酔薬を浸透させたパットを痛みのある部分に貼り付け、微弱の電流を流します。電流によって薬がイオン化すると皮膚の深い部分へと浸透し、痛みを和らげます。 皮膚表面だけではなく、神経を伝達する深い部分にまで薬が浸透するため、脳に痛みを伝えにくくする効果もあります。治療時間は15分程度であり、外来で行えます。また、痛みを伴わない治療であり、注射に抵抗のある人にも行えます。 一度の治療で痛みを和らげることは難しく、根気よく治療を続けることが必要です。 低出力レーザー照射療法 低出力レーザー照射療法は痛みがある部分にレーザーを当て、痛みを和らげる治療法です。 レーザーによって血行がよくなると痛みを感じにくくなります。また、痛みによって興奮している気持ちを落ち着ける効果もあります。 痛みをほとんど伴わない治療であるため、注射に抵抗がある人にもおすすめです。痛みがより強い人向けに、通常の治療に追加して実施されやすいです。 運動療法(マッサージ・エクササイズ等) マッサージ・エクササイズ等の運動療法は、痛みによって過度に活動が制限された場合に行われます。 マッサージやストレッチ、エクササイズなどを理学療法士と一緒に行うことで、筋肉や関節のこわばりを和らげ、血流の改善や緊張の緩和が期待できます。 また痛みの軽減だけでなく、痛みに対する恐怖心を和らげ、日常生活の活動範囲を少しずつ広げていく効果も見込めます。 帯状疱疹後神経痛を治療する上での注意点 帯状疱疹後神経痛を治療する際は、以下のいくつか注意すべき点があります。 帯状疱疹後神経痛の治療で副作用が出る場合がある 保険適用外の治療法もあり費用の負担がかさみやすい 帯状疱疹後神経痛のほかにも後遺症が出る可能性がある 帯状疱疹後神経痛の治療で副作用が出る場合がある 帯状疱疹後神経痛の治療法別の副作用と対処法について、以下にまとめました。 治療方法 副作用 副作用への対処 鎮痛剤 オピオイド鎮痛薬の場合、吐き気や便秘、眠気など ・薬の処方時に副作用を確認 ・症状が出たらすぐ医師に相談 神経ブロック注射 副作用は、飲み薬と比べて少ない。まれに下記が現れる場合がある ・注射部位の痛みや出血、感染 ・投与する薬に対するアレルギー ・症状が出たらすぐ医師に相談 イオントフォレーシス 副作用はほとんどなし ー 脊髄刺激療法(SCS) 脊髄刺激装置は、IH調理器や金属探知機などの強い電磁波に反応し、刺激が変化する場合がある。体内に埋め込む装置のため、使用状況によっては破損ややけどのリスクもある ・IH調理器や金属探知機の使用時は、できるだけ距離を取り一時的に電源を切る ・刺激装置に強い衝撃を与えない。 ・埋め込み手術直後は装置が動きやすいため注意する 低出力レーザー照射療法 副作用はほぼないが、照射部位の乾燥や軽度のかゆみが現れることがある ・症状が出たらすぐ医師に相談 治療法にはそれぞれ副作用が伴う可能性があります。治療を選択する際は、効果だけでなくリスクも理解した上で、医師と相談しながら進めることが大切です。 保険適用外の治療法もあり費用の負担がかさみやすい 帯状疱疹後神経痛にはさまざまな治療法がありますが、保険で行えるものと保険適応外のものがあります。 薬物療法や神経ブロック、脊髄刺激療法は保険が適応されます。一方、レーザー治療、イオントフォレーシスは比較的新しい治療法であり、保険は適応外です。 保険適応外の治療法は、金銭的な負担が大きくなりやすいのが現状です。医師とも相談しながら金銭的な面も含めて、適切な治療法を選択してください。 帯状疱疹後神経痛のほかにも後遺症が出る可能性がある 帯状疱疹の後遺症は神経痛だけではありません。発症部位によっては、顔面神経麻痺や耳鳴り、めまい、難聴などを引き起こすラムゼイ・ハント症候群や、角膜炎・結膜炎などの目の疾患が残ることもあります。 これらは視力や聴力に影響を与えることもあるため、日常生活への支障が大きいのが特徴です。また、強いストレスによって頭痛が悪化するケースも見られます。 こうした症状が長引くと、心身ともに大きな負担となり、一般的な治療では改善しにくい場合もあります。 帯状疱疹後神経痛をはじめ後遺症の解消には再生医療をご検討ください 帯状疱疹の後に残る神経の痛みやしびれ、顔面麻痺、めまいなどは、症状の程度や回復の経過に個人差があります。そのため、一般的な治療だけでは十分な対応が難しいと感じるケースもあります。 しかし、近年では患者様自身の幹細胞や血液を用いた再生医療が選択肢の一つとして挙げられるようになってきました。 再生医療を検討する際は、医師による診察と適応の確認が必要となるため、まずは専門の医療機関で相談してみることをおすすめします。 帯状疱疹後神経痛の解消にはセルフケアも大切 帯状疱疹後神経痛は、治療とあわせて日々のセルフケアも重要です。症状の緩和をめざして、以下の生活習慣を見直してみましょう。 日常生活での工夫 自分でできる日常生活での工夫は以下の通りです。 体を温める、冷やさない 痛みのある部位を刺激しない 痛み以外のことを考える 生活リズムを整える 体を温める・冷やさない 体を温めると血行がよくなり、痛みが軽くなることがあります。温かい湯船にゆっくりつかり、全身を温めましょう。入浴はリラックス効果も期待できるため、おすすめです。 また、患部にホットタオルを当てるのも有効です。ただし、感覚が鈍くなっている場合もあるので、熱くなりすぎないよう注意しましょう。 患部を刺激しない 患部への刺激は、痛みの悪化につながります。チクチクとした素材や金属などが付いている服は着用を避けてください。服は肌に優しい素材を選び、装飾がないシンプルなものを選ぶと刺激が少ないです。 それでも服が擦れて痛い場合は、さらしや包帯を巻く方法もあります。注意点として、さらしなどがずれてしまうと刺激の原因となります。きつめに巻き、緩んだら締め直しましょう。 痛み以外のことを考える 痛みは精神面との関連が深く、帯状疱疹後神経痛の患者さんは不安や抑うつ傾向の方が多いといわれています。 そのため、痛みを考え続けるのではなく、自分の好きな仕事や趣味などを積極的に取り入れ、痛み以外に意識を向ける時間を作りましょう。 また、痛みを回避しようと行動を制限してしまい、活動の幅が狭くなることも多いです。痛みに対する恐怖や不安を抱えている方もいるでしょうが、じっとしていることで筋肉が固まり、痛みを感じる原因となります。 少しでも痛み以外のことを考えられるよう、外の空気を感じながら散歩するのもおすすめです。 生活リズムを整える 帯状疱疹後神経痛の痛みは、疲労やストレス、睡眠不足などで悪化しやすいといわれています。 日頃から規則正しい生活を送り、免疫力が低下しないよう体の調子を整えましょう。しんどいと感じたら、すぐに休息を取れるようにしておくことも大切です。 心理的サポートの重要性 帯状疱疹後神経痛の患者の中には不安などを抱えている方が多くいます。(文献6) 痛みを感じ続けると何をするにも億劫になり、気持ちが塞ぎ込みやすくなります。また、痛みばかり考えていると精神的につらくなり、精神疾患を発症しやすいです。 ペインクリニックでは、メンタルケアを含めた治療を行っています。もし精神的なつらさを感じているのであれば、一般的なクリニックではなくペインクリニックの受診をおすすめします。 帯状疱疹後神経痛は適切な治療を選択して痛みを解消しましょう 帯状疱疹後神経痛は、早期からの適切な治療が非常に重要です。 薬物療法や神経ブロック注射などの治療法から、症状に合わせて適切に選択するのが痛みの解消への近道です。諦めずに専門医と相談し、多角的なアプローチで痛みの緩和を目指しましょう。 当院リペアセルクリニックでは、帯状疱疹後神経痛による慢性的な痛みに対し、再生医療の選択肢を提供しております。 患者様一人ひとりの状態に合わせた丁寧なカウンセリングを実施し、症状の原因にアプローチする治療をご提案します。 長引く神経の痛みが気になる方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。 (文献1) 帯状疱疹予防.JP「帯状疱疹の合併症(後遺症)」 https://taijouhoushin-yobou.jp/sequela.html (最終アクセス:2025年6月12日) (文献2)日本ペインクリニック学会「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版」 https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/kaiin_guideline06.html(最終アクセス:2025年6月12日) (文献3) 日本ペインクリニック学会「オピオイド」 https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_keyopioid.html(最終アクセス:2025年6月12日) (文献4) 日本ペインクリニック学会「発症 3 カ月以内の帯状疱疹関連痛に神経ブロックは有効である」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc/26/4/26_18-0046/_pdf(最終アクセス:2025年6月12日) (文献5) 一般社団法人 日本定位・機能神経外科学会「脊髄刺激療法(SCS)」 https://jssfn.org/patient/treatment/scs.html(最終アクセス:2025年6月12日) (文献6) 日本ペインクリニック学会「帯状疱疹後神経痛患者の精神・心理的評価」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc1994/14/4/14_4_401/_article/-char/ja/(最終アクセス:2025年6月12日)
2024.06.24 -
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肝硬変と診断を受けてから、どのような食事をとったら良いのかお悩みではないでしょうか。 医師から食事指導を受けたものの、具体的にどの食品をどの程度制限すれば良いのか、また、美味しい食事を楽しめるのか不安に感じている方もいるでしょう。 肝硬変の方は、健康な人に比べて食事の制限が多くなります。しかし、栄養バランスを意識してメニューを工夫すると、治療中でも美味しく食事を楽しみながら、必要な栄養を摂取できるでしょう。 本記事では、肝硬変の食事で気をつけるべきポイントとおすすめの献立を紹介します。 ぜひこの記事を参考に、無理なく続けられる食事の工夫を行い、健康を守るための食生活を取り入れていきましょう。 \肝硬変に対する再生医療/ 肝硬変を放置すると肝機能が徐々に低下して腹水や黄疸、肝性脳症、消化管出血、肝がんなどの重い合併症を引き起こし、最終的には肝不全や肝移植が必要となる可能性があります。 そのため食事療法を含めた日常管理は重要ですが、食事や薬物療法だけでは肝機能の低下を十分に食い止められないケースもあるのが現実です。 このような場合、従来の治療に加えて、肝臓そのものの修復力にアプローチする治療法として、再生医療が注目されています。 再生医療とは患者さまご自身の脂肪由来幹細胞を用いて、損傷や炎症を受けた肝組織の修復・再生を促し、肝機能の改善や病状進行の抑制を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 食事療法や生活習慣の改善を続けているが、肝機能の数値が改善しない 将来的な悪化や合併症が不安 肝硬変による入院や日常生活への影響をできるだけ避けたい >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 「このまま食事療法だけで大丈夫なのか不安」「進行してしまった肝硬変でも、今からできることを知りたい」といったお悩みをお持ちの方は、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングをご利用ください。 また、おすすめの食材や再生医療・治療の考え方については、動画でも詳しく解説しています。 https://youtu.be/wtXdhYOg1VU?si=8yRt0BaruzhY1noh 肝硬変の人が気をつけるべき食事|食べてはいけないもの3選 肝硬変の人が控えるべき食品は以下の3つです。 塩分が多い食事 刺激物や硬い食品 高タンパクな食事 これらの摂取を控えて、日々の食生活に気を配りましょう。肝硬変の方は、普段から肝臓への負担を減らす意識を持つことが大切です。 肝硬変の原因や治療法については、以下の記事が参考になります。 塩分が多い食事 腹水やむくみがある肝硬変の人は塩分摂取量の目安として、1日5〜7gに抑えることが推奨されます。(文献1) 腹水とは、お腹の中にタンパク質を含んだ液が大量に貯留した状態です。(文献2) 肝臓の機能が低下すると、血液中のアルブミンが減少し、水分が血管外へ漏れ出して腹水やむくみが生じます。塩分を摂りすぎると体内の水分がさらに増え、症状を悪化させる要因となります。そのため、肝硬変の人は塩分を控えることが重要です。 とくに以下のような食品は塩分が多いため、注意が必要です。(文献3) インスタント食品(カップめんやインスタントラーメンなど) 梅干し 漬物 塩分を適切にコントロールし、腹水やむくみの悪化予防に努めましょう。 肝硬変の腹水の予後や治療方法を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 刺激物・硬い食品 肝硬変の患者は、食道静脈瘤のリスクがあるため、刺激物や硬い食品の摂取を控えることが重要です。(文献4) 食道静脈瘤とは、門脈圧亢進症(肝臓に流れ込む門脈の血圧が高くなる状態)によって生じる食道の血管のこぶであり、破裂すると大量出血を引き起こす可能性があります。(文献5) 食道は食べ物の通り道になっているため、その表面上にある膨らんだ血管に尖ったものや硬いものが当たると、破裂する可能性があるため注意が必要です。 たとえば、せんべいや小魚のおやつ、ナッツ、骨のある魚、フランスパンなどは硬いので適しません。また、香辛料の多いカレーやコーヒーも刺激が強いため控えた方が良いでしょう。 逆に好ましい食品は、茶碗蒸しや麺類(うどんやそうめんなど)、お米、プリン、ヨーグルトなどの消化しやすい柔らかい食べ物です。調理する際には柔らかく仕上げるように工夫してみてください。 高タンパクな食事 肝硬変の方は、タンパク質の過剰摂取に注意が必要です。 基本的に、肝硬変の方は健康な方よりもタンパク質を多めに摂取することが推奨されています。推奨されるタンパク質の1日摂取量は以下のとおりです。(文献8)(文献9) 対象 推奨されるタンパク質の1日摂取量目安 健康な方 男性:約0.95~1.0g/kg 女性:約0.93~0.99g/kg 肝硬変の方(蛋白不耐症がない場合) 1.0〜1.5g/kg タンパク質が不足すると栄養状態の悪化につながるため、過不足がない摂取量を心がける必要があります。 ただし、肝硬変の方は摂取のしすぎにも注意が必要です。 タンパク質は体に必要な栄養素ですが、消化・分解される過程で毒素のひとつ「アンモニア」を発生させます。健康な肝臓であれば無毒化されますが、肝機能が低下すると処理が追いつかず、体内にアンモニアが蓄積してしまいます。 血液中のアンモニア濃度が上昇し、脳にまで達すると神経症状を引き起こす「肝性脳症」の原因になります。 そのため、タンパク質の過剰摂取には注意が必要です。(文献6)とくに動物性タンパク質の摂りすぎには注意しましょう。 以下のような食品はタンパク質を多く含むため、摂取量を調整することをおすすめします。(文献7) 卵類 豚肉類 乳製品 肝硬変と同様、肝臓に中性脂肪が溜まる「脂肪肝」も食事の見直しが大切です。脂肪肝の食事の注意点を知りたい方は、以下のコラムも参考にしてください。 肝硬変の食事でおすすめの献立例 肝硬変では栄養バランスを整えつつ、肝臓に負担をかけない食事を摂ることが重要です。塩分やタンパク質を控えながらも、必要な栄養素を効率よく摂取できる献立を紹介します。 【朝食】 パン 野菜スープ 果物・サラダ カフェオレ 野菜や果物を取り入れることでビタミンや食物繊維が摂取でき、腸内環境を整えられます。腸内環境を整えるとアンモニアの産生を抑制できるため肝硬変の方におすすめです。肝性脳症を合併している方は、カフェオレに入れる牛乳の量を少なめにしましょう。 【昼食】 うどん 果物 ヨーグルト 消化が良いうどんを主食にすることで消化管への刺激を抑え、食道静脈瘤のリスクを低減できます。そのため、うどんのような柔らかい食材がおすすめです。塩分を控えるため、うどんのつゆは薄味にして出汁を活用すると良いでしょう。 【夕食】 ごはん 豆腐ハンバーグ 根菜汁 生野菜 主菜に植物性タンパク質を含む豆腐ハンバーグを取り入れると、食物繊維を多く摂取でき、アンモニアの蓄積を抑えられます。(文献10)主菜はなるべく、動物性タンパク質の代わりに植物性タンパク質を用いると良いでしょう。 合併症がある場合は、医師と相談しながら食事内容を調整しましょう。 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 肝硬変の食事療法の注意点 肝硬変の患者は、食事の摂り方にも注意が必要です。栄養素や食品に加え、以下の食事の取り方をするよう意識しましょう。 1日3回規則正しく食べる 高タンパク食や高カロリー食は避ける 満腹まで食べない(腹八分目を意識する) よく噛んで食べる 食べてからすぐにお風呂に入らない 深夜には高脂肪食品の摂取を避ける これらの食事のポイントも意識すると、肝硬変の悪化防止につながります。今まで注意していなかった方は、今日から気をつけましょう。 肝硬変では食事の見直しに合わせて、専門医の治療をしっかり受けることが大切です。肝硬変の治療について詳しく知りたい方は、以下のコラムも参考にしてください。 まとめ|肝硬変は食事を工夫して悪化を防ごう 肝硬変では肝機能が低下している分、食事内容や摂取方法に注意しなければなりません。普段の食事内容の工夫が合併症を予防することにつながります。 合併症を改善・予防する上で食事療法は非常に重要です。医師や栄養士とも相談しながら、ご自身のライフスタイルに合った食事の工夫を行ってみてください。 一方で、「食事や生活習慣を改善しても数値が思うように良くならない」「肝硬変の進行や将来のことが不安」という方は、再生医療も選択肢の一つになります。 当院(リペアセルクリニック)では、肝臓疾患に対する治療の選択肢として、自己脂肪由来幹細胞を用いた再生医療を行っています。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 食事療法や生活習慣の改善を続けているが、肝機能の数値が改善しない 将来的な悪化や合併症が不安 肝硬変による入院や日常生活への影響をできるだけ避けたい >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=vSGzZfT6tXT9Uc82 将来に向けて、選択肢を知っておきたいという方はぜひ、一度ご相談ください。 肝硬変の食事についてよくある質問 肝硬変の食事で生ものは食べられますか? 肝硬変の方は、生ものの摂取は控えましょう。 肝硬変は肝機能が低下している状態です。そのため、解毒能力が弱まり、食中毒のリスクが高まります。健康な人なら食品に含まれる細菌やウイルスは肝臓で解毒されますが、肝硬変の方はこの機能が低下し、感染症にかかりやすくなるのです。 とくに、生の魚介類には「ビブリオ・バルニフィカス」と呼ばれる細菌が含まれることがあり、重篤な感染症を引き起こす可能性があります。(文献11) お寿司や刺身などの生魚は避けて、加熱調理した食品を摂取するようにしましょう。 肝硬変で食事がとれないときの対処法はありますか? 肝硬変の患者が食事をとれない場合は、栄養不足を防ぐために以下のような対策を取りましょう。 消化の良い食品を摂取する(お粥、スープ、豆腐、ヨーグルトなど) 少量ずつ複数回に分けて食べる(1日5~6回程度に分ける) 食欲が低下した場合は栄養補助食品を活用する 医師の処方に基づきBCAA(分岐鎖アミノ酸)製剤を取り入れる 食事から十分な栄養を摂れない場合、医師の指導のもとで栄養補助食品を活用するのもひとつの手です。エネルギーが補給できるドリンクタイプの栄養補助食品を取り入れると、食欲がなくても無理なく栄養を摂取できるでしょう。 参考文献 (文献1) 日本消化器病学会・日本肝臓学会「肝硬変診療ガイドライン 2020(改訂第 3 版)」2020年発行 https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/kankouhen2020_re.pdf (最終アクセス:2025年3月26日) (文献2) MSDマニュアル「腹水」, MSDマニュアル家庭版,2023年1月 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/04-%E8%82%9D%E8%87%93%E3%81%A8%E8%83%86%E5%9A%A2%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%82%9D%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%AE%E7%97%87%E7%8A%B6%E3%81%A8%E5%BE%B4%E5%80%99/%E8%85%B9%E6%B0%B4 (最終アクセス:2025年3月26日) (文献3) 消費者庁「栄養成分表示を使って、あなたも食塩摂取量を減らせる」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/pdf/food_labeling_cms206_20191126_09.pdf (最終アクセス:2025年3月26日) (文献4) MSDマニュアル「肝硬変」, MSDマニュアルプロフェッショナル版,2022年1月 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/02-%E8%82%9D%E8%83%86%E9%81%93%E7%96%BE%E6%82%A3/%E7%B7%9A%E7%B6%AD%E5%8C%96%E3%81%A8%E8%82%9D%E7%A1%AC%E5%A4%89/%E8%82%9D%E7%A1%AC%E5%A4%89L (最終アクセス:2025年3月26日) (文献5) MSDマニュアル「静脈瘤」, MSDマニュアルプロフェッショナル版,2023年5月 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/01-%E6%B6%88%E5%8C%96%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%B6%88%E5%8C%96%E7%AE%A1%E5%87%BA%E8%A1%80/%E9%9D%99%E8%84%88%E7%98%A4 (最終アクセス:2025年3月26日) (文献6) MSDマニュアル「肝性脳症」, MSDマニュアル家庭版,2023年1月 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/04-%E8%82%9D%E8%87%93%E3%81%A8%E8%83%86%E5%9A%A2%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%82%9D%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%AE%E7%97%87%E7%8A%B6%E3%81%A8%E5%BE%B4%E5%80%99/%E8%82%9D%E6%80%A7%E8%84%B3%E7%97%87 (最終アクセス:2025年3月26日) (文献7) 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」から出典,2023年発行 https://fooddb.mext.go.jp/index.pl (最終アクセス:2025年3月26日) (文献8) 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」2019年12月発行, https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (最終アクセス:2025年3月26日) (文献9) 日本消化器病学会・日本肝臓学会「追補内容のお知らせ 『肝硬変診療ガイドライン』(2020 年 11 月)」2022 年 3 月 18 日更新,https://www.jsh.or.jp/lib/files/medical/guidelines/jsh_guidlines/kankouhen2020_AR_v2.pdf?utm_source=chatgpt.com (最終アクセス:2025年3月26日) (文献10) 渡辺 明治.「9.肝硬変合併症とその対策3)肝性脳症」『日本内科学会雑誌』80巻(10号), p1625-p1630 1991年発行 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/80/10/80_10_1625/_pdf (最終アクセス:2025年3月26日) (文献11) 厚生労働省「ビブリオ・バルニフィカスに関するQ&A」食品の安全に関するQ&A, 2016年11月9日 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/060531-1.html#top (最終アクセス:2025年3月26日)
2024.06.18 -
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「肝硬変の疑いがあり、今後の治療について気になる」 「肝硬変を改善させる方法は肝移植しかない?」 肝臓の慢性的な炎症により、肝臓が線維化して硬くなる疾患である肝硬変は、代謝や血液の循環動態に大きな影響を及ぼします。症状の進行だけでなく、合併症のリスクも見逃せません。本記事では、現役医師が肝硬変の治療法について詳しく解説します。また、検査方法や期間の目安も合わせて紹介します。 記事の最後には肝硬変の治療に関するよくある質問もまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肝硬変について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝硬変とは 分類 治療の目的 治療の考え方 代償性肝硬変 進行を防ぐ 原因治療・生活管理・定期的な経過観察 非代償性肝硬変 合併症を抑える・生命維持 合併症への対症治療+全身管理 重症例 根本治療 肝移植を検討 肝硬変は、慢性的な肝臓の炎症や障害が長期間続くことで、正常な肝組織が壊れ、線維化(硬い組織への置換)が進む疾患です。 その結果、肝臓が硬くなり、栄養代謝・解毒・胆汁産生などの機能が低下します。 肝硬変は進行度によって「代償性」と「非代償性」に分けられます。代償性では肝機能がある程度保たれており、ほとんど症状はありません。 しかし、非代償性では肝機能低下の影響で黄疸・腹水・肝性脳症などの症状が現れ、生活に支障をきたすようになります。肝硬変は肝臓がんや肝不全のリスクを高める疾患です。 以下の記事では、肝硬変について詳しく解説しています。 【関連記事】 肝硬変とは?原因・症状の特徴や主な治療法などを徹底解説! 食道静脈瘤は肝硬変が原因のひとつ|症状・診断・治療方法を徹底解説 肝硬変の治療法 治療法 詳細 薬物療法 炎症抑制や線維化進行の抑制、腹水・肝性脳症などの合併症管理を目的とした薬剤投与 食事療法を含めた生活習慣の改善 塩分・たんぱく質管理、禁酒の徹底、適正体重維持による肝臓への負担軽減 肝移植 内科的治療が困難な非代償性肝硬変や肝不全に対する根治的外科治療 再生医療 幹細胞を用いた肝組織の修復・再生を目指す先進的治療 肝硬変の治療は、病状の進行度や原因、合併症の有無に応じて段階的に行われます。 薬物療法では原因疾患や腹水・肝性脳症など、合併症のコントロールが欠かせません。 食事療法や生活習慣の改善では肝臓への負担軽減と栄養状態の維持を図ります。 重症例では肝移植が根本的治療となり、再生医療は将来的な選択肢として研究が進められています。 ただし、現在の時点で実施可能な医療機関は限られており、すべての肝硬変に適用できる治療ではありません。そのため、適応や有効性については必ず医師と相談する必要があります。 薬物療法 肝硬変の薬物療法は疾患そのものを治す治療ではなく、症状や合併症を管理することを目的として行われます。 症状 治療法(使用する薬の種類) 皮膚のかゆみ ナルフラフィン塩酸塩 こむら返り 芍薬甘草湯、カルニチン 血小板減少 ルストロンボパグ 代表的な症状として、皮膚のかゆみに対してはナルフラフィン塩酸塩、こむら返りには芍薬甘草湯やカルニチン、血小板減少にはルストロンボパグなどが用いられます。 これらの治療は、肝硬変の進行を完全に止めるものではありませんが、症状を緩和し、日常生活の質を保つ上で重要な役割を果たします。 食事療法を含めた生活習慣の改善 肝硬変では、薬物療法に加えて日頃の食事や生活習慣の見直しも重要な治療のひとつです。症状に応じた食生活の工夫が、合併症の予防や悪化防止につながります。 症状 食生活の改善ポイント 腹水・むくみ 塩分を控え、適度な水分制限が必要。水分不足や脱水に注意 食道静脈瘤 刺激物、硬い食物を避け、よく咀嚼する 糖尿病 一度に大量に食べない。砂糖や果物を控える。炭水化物の多い食事に注意 肝性脳症 たんぱく質を控え、食物繊維を摂る 腹水やむくみがある場合は塩分を控えつつ、水分制限が必要となることがありますが、脱水には注意が必要です。また、食道静脈瘤がある場合は、刺激物や硬い食品を避け、よく噛んで食べることが大切です。 糖尿病を合併している場合は、過食を避け、糖分や炭水化物の摂取量に注意します。肝性脳症では、たんぱく質量を調整し食物繊維を意識した食事管理を行い、あわせて無理のない運動習慣を取り入れることで全身状態の改善が期待されます。 以下の記事では、肝硬変の食事方法について詳しく解説しています。 【関連記事】 肝硬変の食事で気をつけることは?食べてはいけないものやおすすめ献立を医師が解説 アルコール性肝硬変とは?飲酒の影響や原因・症状・治療法を解説! 肝移植 肝硬変が進行し、多くの合併症が起こり他の治療法が効果を示さない場合、肝移植を検討し始めます。 ダメージを受けた肝臓を取り除き、健康な肝臓に置き換え、機能を回復させるための治療法です。ただし、肝移植を受けられるかどうかは、患者様の健康状態や肝硬変の原因などの要因に依存します。 移植の種類 肝硬変の治療で肝移植には「生体肝移植」と「脳死肝移植」の2種類あります。 それぞれ移植の特徴や注意点などは以下の通りです。 移植の種類 概要 メリット デメリット 生体肝移植 健康なドナー(主に配偶者や家族など)の肝臓の一部を患者様に移植する方法 移植までの待機時間が少ない ドナーの体にもメスをいれる必要がある 脳死肝移植 脳死状態となり臓器提供の意思を示した方から肝臓を提供してもらう方法 肝臓全体を移植できる 待機時間が長くなる可能性があり、病状が進行するリスクがある 肝移植には、生体肝移植と脳死肝移植の2種類があります。生体肝移植は、家族などの健康なドナーから肝臓の一部を提供してもらう方法で、待機期間が短い一方、ドナーにも手術による身体的負担が生じます。 一方、脳死肝移植は肝臓全体を移植できる利点があるものの、提供数が限られるため待機期間が長くなり、病状が進行する可能性があります。 いずれの肝移植においても外科手術が必要であり、一定のリスクを伴う治療であることを十分に理解しておきましょう。 肝移植のリスク 肝移植では、全身麻酔による合併症の可能性や肝臓を取り除く際に周囲の臓器を損傷するリスクがあります。 また、移植後は拒絶反応を防ぐために、免疫抑制剤を服用し続ける必要があります。 さらに肝移植は、すべての肝硬変の患者様が受けられるわけではありません。 肝硬変の原因や患者様の全体的な健康状態などに基づいて、適応が判断されます。適応基準を満たさない場合は、症状を緩和する治療を続けます。 肝移植は最終的な治療手段として、肝硬変の患者様の命を救う可能性があるため、適応の有無は慎重な判断が必要です。 再生医療 肝硬変になると、従来の治療法では線維化した肝臓が元に戻ることは難しいとされてきました。 肝硬変に対する再生医療では「幹細胞」を活用する方法が注目されています。 幹細胞は、多様な細胞に分化する能力を持つ細胞であり、これを培養して点滴で投与することにより、肝細胞の修復および再生の促進が期待できます。 再生医療は、従来は肝移植しか選択肢がなかった肝臓の線維化を改善する可能性が示唆されている治療法です。 ▼こちらの動画で当院の幹細胞治療について詳しく解説しています。ぜひご参考にしてください。 肝硬変の検査方法 検査方法 詳細 血液検査 肝機能の状態を評価するためのAST・ALT・ビリルビン・アルブミン値の測定。血小板数や凝固能の確認により肝硬変の進行度を判定 画像診断(エコー検査、CT・MRIなど) 超音波検査で肝臓の形状や表面の凹凸、腹水の有無を確認。CT・MRIでは肝臓の詳細な構造や血流状態、腫瘍の有無を評価 腹腔鏡検査 腹部に小さな穴を開けて内視鏡を挿入し、肝臓の表面を直接観察。組織採取(生検)により確定診断が可能な精密検査 肝硬変の診断や進行度の評価には、複数の検査を組み合わせて行うことが大切です。 血液検査で肝機能や栄養状態、出血傾向を評価し、画像診断で肝臓の形態変化や腹水、腫瘍の有無を確認するとともに、経過観察にも活用されます。 腹腔鏡検査は肝臓を直接観察できる精密検査で、必要に応じて実施され、より正確な診断に役立ちます。 以下の記事では、肝硬変の数値について詳しく解説しています。 血液検査 検査の流れ 内容 問診・身体診察 既往歴、飲酒歴、症状などを確認し、必要な検査項目を選択 採血 静脈から採血し、複数の生化学・血液学的指標を測定 結果の説明・評価 肝機能や感染有無、合併症リスクを総合的に判断し、治療方針を検討 肝硬変が疑われる場合や経過観察を行う際には、まず血液検査が行われます。 問診や身体診察で既往歴や飲酒歴、症状を確認した上で採血を実施し、肝機能や炎症、感染の有無など複数の指標を同時に評価します。 血液検査は肝臓の細胞障害や合成能、胆汁の流れを総合的に把握でき、治療方針を決定する上で欠かせません。 多くの場合、採血から結果説明までは同日から数日で完了し、単一の数値ではなく複数の検査結果を組み合わせて判断することが大切です。 画像診断(エコー検査、CT・MRIなど) 検査方法 目的・特徴 エコー検査(超音波検査) 肝臓の大きさや表面の凹凸、腹水の有無、血流状態の確認。身体への負担が少なく外来で実施される基本検査 CT検査 肝臓の形態、血管構造、腫瘍や腹水の評価。造影剤使用による病変の性質や広がりの把握。被ばくを考慮した選択 MRI検査 肝臓組織や腫瘍性病変の詳細評価。肝細胞癌の鑑別や性状判断に有用。造影剤使用時の腎機能・アレルギー確認 (文献1) 画像診断は、血液検査では評価できない肝臓の構造的変化や腫瘍の有無を確認するために行われます。エコー検査は負担が小さく外来で実施される基本検査のひとつです。 CTやMRIは詳細な評価が必要な場合に用いられ、造影剤により病変の性質や広がりを判断します。 各検査にはそれぞれ利点と制約があるため、症状や目的に応じて適切な検査が選択されます。 腹腔鏡検査 検査の流れ 内容 検査前準備 全身状態の評価と麻酔リスクの確認。腹部に数カ所の小切開を加える。原則として入院下で実施 腹腔鏡挿入と観察 腹腔鏡カメラを挿入し、肝表面の色調・質感・形態変化を直接観察。肝の硬さや線維化の程度を視覚的に評価 必要に応じて生検採取 肝組織の一部を切除し病理検査へ。肝線維化や肝細胞の形態異常を詳細に診断 検査後のケア 出血や感染症リスクの管理が必要。数日間の入院による術後経過観察 (文献2) 腹腔鏡検査は、肝臓の表面を直接観察できる精密検査です。 血液検査や画像診断では評価が難しい肝硬変の確認や重症度評価に有用であり、組織採取(生検)により肝線維化や細胞の形態異常を詳細に診断できます。他疾患との鑑別や肝がん合併の疑いがある場合にも実施されることがあります。 肝硬変の治療期間目安 項目 内容 肝硬変の特徴 肝臓の線維化・構造変化を伴う慢性疾患。一度硬くなった肝臓は元に戻らない 治療の目的 完治ではなく、合併症の予防、進行抑制、肝機能の維持・安定化、背景肝疾患のコントロール 治療期間 「何年で治る」という明確な期間は存在せず、長期的な管理が必要 背景疾患への対応 ウイルス性肝炎などの治療により炎症抑制や病状安定化は期待できるが、線維化自体は元に戻らない (文献3) 肝硬変は、治療によって完全に元の肝臓に戻すことを目指す疾患ではなく、長期的に管理しながら進行を抑えることが基本です。 治療の目的は肝機能をできるだけ安定させ、腹水や出血などの合併症を防ぐことにあります。そのため「何年で治る」という明確な期間はなく、背景となる肝疾患の治療や生活習慣の改善を継続しながら、状態に応じた管理を続けることが重要です。 肝硬変の進行を予防するための対策 進行予防策 詳細 ウイルス性肝炎の予防と早期発見 B型・C型肝炎ウイルス感染予防の徹底。定期的な血液検査による感染有無の確認。感染が判明した場合の早期治療開始 定期的な健診・検査で異常や悪化を早期発見する 血液検査や画像診断(エコー・CT・MRI)を定期的に実施し、肝機能の変化や肝がんの早期発見を目指す継続的モニタリング 生活習慣の改善で肝臓への負担を減らす 禁酒の徹底、適正体重の維持、バランスの良い食事、十分な休養により肝臓への負担を軽減し、肝機能の安定化を図る取り組み 肝硬変の進行予防には、ウイルス性肝炎の予防と早期発見が欠かせません。B型・C型肝炎ウイルスの感染予防を徹底し、定期的な血液検査で感染の有無を確認する必要があります。 感染が判明した場合は早期治療を開始し、定期的な血液検査や画像診断により肝機能の変化や肝がんを早期に発見することが大切です。 さらに禁酒の徹底、適正体重の維持、バランスの良い食事、十分な休養により肝臓への負担を軽減し、肝機能の安定化を図ります。これらの取り組みを継続することで、病状の進行を抑え、合併症の予防につながります。 ウイルス性肝炎の予防と早期発見 ウイルス性肝炎の予防には、血液や体液を介した感染経路の遮断が不可欠です。注射針の使い回し禁止や医療器具の適切な消毒、性行為時のコンドーム使用を徹底します。 B型肝炎ワクチンは感染予防に有効であり、医療従事者や肝疾患リスクの高い方への接種が推奨されます。定期的な肝機能検査とウイルスマーカー測定により早期発見が可能です。 感染が判明した場合、C型肝炎ではDAA(直接作用型抗ウイルス薬)による高い治癒率が期待でき、B型肝炎では核酸アナログ薬(抗ウイルス薬)による長期管理で肝硬変の進行を抑制できます。 定期的な健診・検査で異常や悪化を早期発見する 定期的な健診・検査により、肝硬変の早期発見と進行抑制が可能です。血液検査では肝機能(AST、ALT、アルブミンなど)や線維化マーカーを測定し、肝細胞障害や合成機能の低下をモニタリングします。 画像診断(エコー検査、CT、MRI)では肝形態の変化や門脈圧亢進(肝臓へ流れ込む血液の圧力が高くなった状態)、肝がんの早期発見を目的とし、症状がなくても年1回以上の健診を基本に、病状に応じて検査頻度を調整します。 異常が見つかった場合、治療方針が見直されるため、継続的な健診・検査を受けることが合併症リスクの低減に欠かせません。 生活習慣の改善で肝臓への負担を減らす 項目 詳細 肝臓の過剰負担軽減 アルコール過剰摂取や高脂肪・高カロリー食、不要な薬剤使用による肝負担の増大防止。飲酒制限と栄養バランス改善による肝細胞保護 脂肪肝・メタボリック症候群の改善 肥満や糖尿病に伴う脂肪肝・非アルコール性脂肪肝炎の予防と改善。食事管理と適度な運動による肝脂肪蓄積の抑制 免疫機能維持と慢性炎症抑制 規則正しい生活とバランスの取れた食事による免疫機能の正常化。慢性炎症進行の抑制 生活習慣病の合併予防 高血圧・脂質異常症の管理による動脈硬化や肝血流障害の予防。肝機能低下リスクの軽減 生活習慣の改善は、肝硬変の発症予防や進行抑制において重要な役割を担います。 アルコール制限や食事内容の見直しにより肝臓への過剰な負担を減らし、肥満や糖尿病を改善することで脂肪肝や非アルコール性脂肪肝炎の進行を防ぐことができます。 また、規則正しい生活は免疫機能を保ち、慢性的な炎症の悪化を抑制します。これらの取り組みは肝臓本来の再生能力を活かし、患者自身が日常生活で実践できる有効な対策です。 治療で改善しない肝硬変のお悩みは当院へご相談ください 肝硬変は、慢性的な肝臓の炎症や障害により肝組織が線維化し、肝機能が徐々に低下する疾患です。重症化すると肝不全や肝がんのリスクが高まるため、段階に応じた進行抑制や合併症管理が欠かせません。 改善が得られない場合には重症化する前に医療機関での適切な対応が必要となります。 改善しない肝硬変でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。肝硬変は、従来の治療で線維化した肝臓を元に戻すことは難しいとされています。幹細胞を用いた再生医療が、肝細胞の修復や再生を促す可能性のある治療法として期待できます。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 肝硬変の治療に関するよくある質問 肝硬変は治る時代になったと聞きましたが本当ですか? 肝硬変は完全に正常な肝臓に戻る病気ではありませんが、近年の抗ウイルス薬や生活習慣改善、栄養療法の進歩により、進行を抑え病状を安定させるケースが増えています。 とくにB型・C型肝炎が原因の場合、ウイルス治療によって肝障害の進行抑制が期待できます。一方、進行した非代償性肝硬変では肝移植が中心的な治療となるため「治る」というより「管理し改善を目指す」と理解することが現実的です。 肝硬変は合併症になることはありますか? 肝硬変は全身に影響を及ぼす合併症を起こす可能性が高い疾患です。合併症を引き起こす可能性のある疾患は以下の通りです。 合併症名 内容 肝性脳症 肝臓の解毒機能低下により有害物質が脳に影響し、意識がぼんやりする、混乱する、性格が変わるなどの症状が出る状態 食道胃静脈瘤 肝臓の血流障害により食道や胃の血管がこぶ状に膨らみ、破裂すると吐血や下血など大量出血を起こすおそれ 肝腎症候群 肝不全に伴って腎臓の働きが急激に低下し、尿量減少や腎不全に至る可能性がある状態 肝肺症候群 肝障害により肺の血管が広がり、血液中の酸素が不足して息切れや呼吸困難が生じる状態 肺高血圧症(門脈肺高血圧症) 肝疾患に関連して肺の血管の圧が高くなり、息切れや動悸、呼吸困難が現れる状態 肝がん 慢性的な炎症と線維化を背景に発生しやすく、肝硬変の方ではとくに注意が必要な合併症 肝硬変は脳・消化管・腎臓・肺などにさまざまな合併症を引き起こす可能性があるため、定期的な検査と早期対応が必要です。 肝硬変は治療しないとどうなりますか? 肝硬変を治療せずに放置すると、肝機能が徐々に低下し、腹水やむくみによる生活への影響、肝性脳症による意識障害、食道胃静脈瘤からの出血、腎機能障害、重症感染症などの合併症を引き起こす可能性があります。 さらに肝硬変は肝がんの強い危険因子であり、経過観察を行わないと発見が遅れるおそれがあります。症状が軽い段階でも早期に治療を開始し、定期的なフォローと生活習慣の改善を継続することが重要です。 以下の記事では、肝硬変を治療しないことで起こりうるリスクを解説しています。 肝硬変で腹水が溜まっているときの余命はどれくらい?予後や治療方法を解説 肝硬変は難病指定されていますか? 肝硬変という疾患そのものは、指定難病には含まれていません。 ただし、肝硬変の原因となる疾患の中には、自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎など、指定難病に該当するものがあります。(文献4)(文献5) そのため、肝硬変の原因疾患によっては、公的な医療費助成の対象となる場合があります。 参考文献 (文献1) 肝硬変の画像診断|日本内科学会雑誌 111巻1号 (文献2) 腹腔鏡検査|MSDマニュアル プロフェッショナル版 (文献3) 『肝硬変診療ガイドライン』(2020年11月) (文献4) 自己免疫性肝炎(指定難病95)|難病情報センター (文献5) 原発性胆汁性胆管炎(指定難病93)|難病情報センター
2024.06.11







