-
- ひざ関節
- 関節リウマチ
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 靭帯損傷
- 膝部、その他疾患
「膝の裏に痛みを感じる」「膝裏がピキッと音が鳴る」 上記のような膝裏の痛みや違和感がある方は、変形性膝関節症や半月板損傷などの原因が考えられます。 膝裏の痛みが疾患によるものだった場合、放置してしまうと「歩けなくなるほどの痛み」に進行する可能性があるため早めに医療機関を受診しましょう。 当院リペアセルクリニックでは、膝裏の痛みだけでなく「ちょっとした違和感」など、どんな些細なことでもご相談を承っています。 症状が悪化して日常生活に影響を及ぼす前に原因を特定し、適切な治療を受けるためにも、ぜひお気軽にお問い合わせください。 \当院リペアセルクリニックでの診療風景/ 「痛みはあるけど病院に行くのは気が引ける」という方は、まずはお電話での無料相談で来院した方が良いかご確認ください! \無料相談・お問い合わせはこちらから/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) 膝の裏がピキッと痛むときに考えられる原因 膝の裏が痛む際に原因として考えられる疾患には、変形性膝関節症や関節リウマチのほか、膝部位に存在する靱帯の損傷などがあります。 以下で、それぞれ詳しく解説していきます。 ▼ 膝の痛みを放置するリスクについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 1.変形性膝関節症 変形性膝関節症は、中高年の女性によくみられます。 関節の軟骨がすり減って膝の内側や裏からふくらはぎにかけて痛くなり、正座がしにくくなります。変形が進行して症状が悪化するとO脚になり、末期になると歩行が困難になって人工関節の手術が必要です。 変形性膝関節症によって膝の関節が硬くなると、膝を伸ばすときに裏が痛くなります。また、膝を曲げ伸ばしする際に「ミシミシ」「ゴリゴリ」といった音が鳴るケースも珍しくありません。 ▼ 変形性膝関節症によるO脚の例 また、膝関節が炎症して水が溜まると、膝の裏から太ももの前側にかけて全体的に痛みを感じるようになります。(文献1) ▼ 変形性膝関節症について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。 2.半月板損傷 https://youtu.be/qH46jDFK9Mc?si=sdxiMZKVrIY_xAUi 膝の裏がピキッと痛む原因として考えられる疾患の一つが、半月板損傷です。 半月板は膝関節におけるクッションの役目があり、スポーツや事故による怪我、あるいは加齢に伴う変性によって損傷することがあります。 半月板が損傷すると、膝の裏側に痛みを感じるケースも珍しくありません。また、膝が動かなくなるロッキングを起こしたり、曲げ伸ばししづらくなったりします。 3.ベーカー嚢腫 ベーカー嚢腫も、膝の裏がピキッと痛むときに考えられる疾患の一つです。 ベーカー嚢腫とは、なんらかの原因で膝関節が炎症を起こし、関節液が増えて膝裏の滑液包に流入してできた袋状のコブを指します。 ゴルフボールぐらいのサイズに大きく腫れることもあり、膝の裏が突っ張った感覚を覚えます。 放置しているうちに腫れが治る場合もありますが、痛みが強いときは、針で水を抜くケースも少なくありません。なお、ベーカー腫瘍は主に変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチ、化膿性関節炎などが原因とされています。(文献2) ▼ ベーカー嚢腫について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。 4.関節リウマチ 関節リウマチの患者数は、現時点でおおむね80万人といわれており、発症原因は自己免疫系統の異常とされています。自分自身の軟骨組織や骨成分を攻撃・破壊して関節部位に炎症を引き起こすと、膝裏に疼痛症状をもたらすと考えられます。(文献3) 関節リウマチを発症しやすい年齢は、30~50代前後の中高年層です。また、性別に関しては男性よりも女性で発症率が高いことが指摘されています。 なお、関節リウマチの初期段階では、手指の関節領域が左右対称に腫れるほか、倦怠感や食欲不振など自覚症状を引き起こす懸念があります。 ▼ 関節リウマチの対処方法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 5.靭帯損傷 靭帯損傷のなかでも、とくに後十字靱帯の損傷の場合、膝裏を伸ばしたときにピキッとした痛みを感じることも少なくありません。(文献4) 膝関節には4つの靱帯があり、重要な役割を担っています。膝の左右両側にあるのが内側側副靱帯と外側側副靱帯で、前後部位には前十字靱帯と後十字靱帯が走行しています。 たとえば、交通事故に遭ったり、スポーツ活動中に怪我を負ったりして、物理的に大きな衝撃が膝関節に負荷となってかかると、膝の靱帯が損傷・断裂して強い痛みを伴うでしょう。 とくに、靭帯を損傷してから3週間前後の発症して間もない頃には、膝裏の痛みのほか、伸展運動がしにくいといったサインも認められます。 受傷後1か月ほど経過した段階では、膝関節内部に血腫が貯留して腫れの所見が目立つこともあれば、損傷部位によっては膝関節の不安定さが少しずつ顕著になるケースもあります。 6.膝裏の筋肉の損傷 膝の裏側に位置する膝窩筋(しつかきん)の損傷も、ピキッと痛む原因の一つです。膝窩筋とは、膝裏の奥にある小さな筋肉で、膝を屈曲する際に重要な役割を果たします。 過度な負荷や無理な動きによって筋肉や腱が損傷すると、次のような症状が現れます。(文献5) しゃがむと痛い しゃがんで立つと膝の裏が痛い 膝を伸ばすとふくらはぎや太ももの裏が痛い 膝を曲げると膝裏が痛い 階段を上り下りする際に膝の裏からふくらはぎにかけて痛い 膝窩筋が損傷すると、膝裏にピキッと痛みを感じることが多く、とくにしゃがむ動作や立ち上がる動作で痛みが顕著になります。症状が悪化するとふくらはぎや太ももの裏など、周辺の筋肉にも痛みが波及するため注意が必要です。 7.腰椎ヘルニア・坐骨神経痛 太ももの後ろからふくらはぎにかけて痛みがある場合は、腰椎ヘルニアや坐骨神経痛も考えられます。神経の圧迫によって膝裏に痛みが放散され、痺れやズキズキした痛みを感じることがあります。 腰椎ヘルニアや坐骨神経痛による膝裏の痛みは、とくに立ったり歩いたりしているときに痛みが強くなることが特徴です。また、安静時にも痛みを感じる場合があり、睡眠中に痛みで目が覚めるケースも珍しくありません。 腰椎ヘルニアや坐骨神経痛が痛みの原因の場合は、腰部の治療が不可欠です。膝裏の痛みがひどくなる前に、早めに理学療法や薬物療法を行ってください。 8.リンパによる膝の裏の痛みや腫れ リンパ液の流れが悪化することによる膝裏の痛みや腫れも、ピキッと音が鳴る原因の一つです。 リンパ管は体内の老廃物を運ぶ役割を担っており、通常、筋肉の収縮や体の動きなどによって流れています。しかし、同じ姿勢で長時間過ごしたり、食生活が偏ったりしてリンパの流れが悪くなると、膝裏に痛みや腫れが生じます。 なお、リンパ液が滞った状態を放置すると、膝周辺が硬くなりさらに痛みを伴う可能性が高いため注意してください。 適度な運動やマッサージ、適切な食事をしてリンパの流れを改善・促進することが大切です。 9.反張膝 反張膝(はんちょうひざ)が原因で、膝裏がピキッと痛む場合があります。 反張膝は、膝関節が過度にそり返った状態を意味します。通常、膝はまっすぐに伸びているのが正常です。しかし、反張膝の場合は膝が後ろに飛び出るような形に曲がるため、結果として膝裏に圧力がかかり、痛みが生じます。 なお、反張膝は太ももの前後の筋肉バランスの悪さや、大腿四頭筋や腸腰筋、前脛骨筋などの筋力の低下によって起こります。反張膝を放置すると、膝への負担が蓄積され、関節の変形や痛みの慢性化につながるため注意が必要です。 膝の裏がピキッと痛むときの治療法 ここでは、膝の裏がピキッと痛むときの具体的な対処法や治療法を解説します。 幹細胞やPRPによる再生医療 膝裏がピキッと痛むときの治療法として、最近では幹細胞やPRPによる再生医療が注目されています。 再生医療とは、自然治癒力を最大限に引き出すための医療技術で、幹細胞や血小板の投与によって高い治療効果が期待できることが特徴です。 たとえば、変形性膝関節症が原因で膝の裏が痛む場合、初期段階ではヒアルロン酸注射やリハビリテーション、内服で様子を見ます。しかし、変形が進むと、人工関節置換術などをすすめられる場合がほとんどです。幹細胞やPRPによる再生医療は、手術を避けたい場合の新しい選択肢だといえるでしょう。 再生医療は、変形性膝関節症のほか、半月板損傷や腰椎ヘルニアなどの治療としても期待されています。 リペアセルクリニックでは、再生医療による膝の痛みの治療を行っています。 膝裏の痛みの原因を特定し、原因に応じて適切な治療を受けるためにも、ご自身の症状について電話でご相談ください。 ▼無料の電話相談はこちら >>今すぐ電話してみる ▼ 再生医療で膝の痛みを治療する 膝の痛みは、再生医療なら入院や手術をせずに改善を目指せます 手術治療とリハビリテーション 膝裏に重度の痛みを感じる場合や保存療法が効果を示さない場合には、手術を検討します。 とくに、変形性膝関節症や半月板損傷、靭帯断裂などが原因で膝裏に痛みがある場合は、手術治療が必要になるケースも珍しくありません。 また、術後には理学療法士やトレーナーなど専門職と相談しながら、状況に応じて適切なストレッチやリハビリテーションを実践し、早期回復に努めます。リハビリテーションは、膝の再受傷や二次的な外傷を回避するために以下の内容を中心に行われます。 体幹を鍛える 柔らかいボールなどを膝下で転がすように動かす 座位の状態になって膝を伸展させる 大腿部の筋肉を鍛える など なお、手術治療の方法は、膝の痛みの根本的な原因によって異なります。早期回復を目指す場合には、最小限の切開で済む膝関節鏡による手術をすることが一般的です。 膝の水抜き 膝の裏の痛みと同時に水が溜まっているときは、膝の水抜きをします。膝に水が溜まる原因には、変形性膝関節症や半月板損傷、ベーカー嚢腫などがあります。 膝の水が自然になくなるケースもありますが、膝裏の腫れや突っ張り、違和感があるときには水を抜くことが一般的です。 膝に水が溜まるのは、膝関節内で炎症が起こり、関節液が過剰に分泌されるためです。膝の水を抜くことで、痛みを軽減できます。ただし、膝の水抜きは一時的な効果にすぎないケースも多いため、原因に対する根本的な治療もあわせて行う必要があります。 ▼ 膝の水を抜く方法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 病勢進行の抑制 膝の裏が痛む原因によっては、病勢の進行を抑制するための治療をします。とくに、関節リウマチや変形性膝関節症など、進行性の疾患においては、症状を抑えるだけではなく、関節の損傷や変形を防ぐために以下のような治療が必要です。 抗炎症薬の使用 関節内注射(ステロイド注射やヒアルロン酸注射など) 生活習慣の改善 など 早期に適切な治療ができれば、生活する上で困らない程度まで痛みを軽減できるでしょう。 病勢進行を可能な限り抑制し、痛みを少しでも改善させるためには、普段から膝に大きな負荷をかけないように意識しながら対策することが大切です。 膝の裏がピキッと痛む場合のセルフケア方法 膝の裏がピキッと痛む場合は、早めの対応が痛みの軽減や早期の回復につながります。 以下で、膝裏の痛みに対するセルフケア方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。 安静にする 膝の裏にピキッとした痛みを感じたら、まずは無理に動かさず、安静を保つことが大切です。膝に負担をかけすぎると、痛みが悪化する可能性があるため注意しましょう。とくに、急性の痛みがある場合は、できるだけ安静にするようにしてください。 安静にする際は、膝を高く保つと腫れや血流の滞りを防げます。横になるときにはクッションや枕などを使用し、膝を軽くあげると良いでしょう。安静にすることで、膝の炎症や筋肉の過度な緊張を抑えられるため、早期の回復につながります。 ストレッチをする 膝の裏がピキッと痛むときには、ストレッチも効果的です。 膝の裏のストレッチをすることで、筋肉に柔軟性を持たせて血流を促進します。膝裏の痛みに対しては、以下のストレッチがおすすめです。 ふくらはぎのストレッチ 太ももの後ろ(ハムストリング)のストレッチ 膝窩筋のストレッチ ストレッチをする際の注意点として、無理に引っ張ったり、痛みを感じるまで伸ばしたりするのは避けましょう。また、痛みを感じたときにはすぐにストレッチを中止し、かかりつけの医師に相談してください。 ▼ 以下の動画では、ふくらはぎと太ももの後ろの筋肉を中心にストレッチのやり方を紹介しています。 マッサージをする 膝の裏の痛みには、ストレッチと同様にマッサージも効果的です。膝の裏や周辺の筋肉を軽くマッサージすることで、筋肉の緊張をほぐし、血流が促進されます。 膝の裏がピキッと痛む場合は、膝の後ろからふくらはぎにかけて、手のひらで円を描くようにマッサージするのがおすすめです。 ふくらはぎを軽く揉むことで、膝裏にかかる圧力が軽減されると、痛みが和らぐ場合があります。 マッサージをする際は、痛みが悪化しないよう、力を入れすぎないことがポイントです。 テーピングやサポーターを使用する 膝の裏がピキッと痛むときには、テーピングやサポーターの使用も有効です。膝の安定性を高めることで無理な動きを制限したり負担を減らしたりすることで、痛みの軽減に役立ちます。 とくにテーピングは、膝を固定しつつ可動域を制限しないための適切な方法で行うことが大切です。テーピングの方法には専門的な知識が必要になるため、最初は専門医に相談するようにしてください。 テーピングやサポーターは膝への負担を軽減するために役立つものの、長時間使用しすぎると、筋力の低下や血行不良につながるリスクもあります。かかりつけ医に相談しながら適切にテーピングやサポーターを使用しましょう。 まとめ・膝裏のピキッとした痛みが長引くときは迷わず専門医に相談しよう 今回は、膝の裏がピキッと痛むときに考えられる病気と対策について詳しく解説しました。膝裏部が痛む原因としては、主に変形性膝関節症や関節リウマチ、膝靱帯損傷などが考えられます。 たとえば、関節リウマチは薬剤の治療成績が著しく向上し、初期段階できちんと診断して的確な治療を実践すれば治癒が期待できる病気になってきました。また、膝の靱帯を損傷した際は、早期的なアイシング(冷却)や患部固定で症状緩和につながります。 自分なりに対処策を実践しても症状が軽快しない場合や膝裏部の疼痛症状がひどくて悪化するような場合は、早めに整形外科などの専門医を受診しましょう。 当院リペアセルクリニックでは、損傷した膝裏の関節・靭帯の治療として注目されている再生医療をご案内しています。 「膝裏の痛みが長引いている」「痛みを早く治したい」という方は、手遅れになる前にぜひお問い合わせください。 ▼無料の電話相談はこちら >>今すぐ電話してみる 膝裏のピキッとした痛みに関するよくある質問 ここでは、膝裏のピキッとした痛みに関するよくある質問をまとめました。 膝の裏は歩きすぎると痛みやすい? 長時間の歩行は膝に負担がかかるため、膝裏の痛みを引き起こす可能性があります。とくに、硬い地面を歩いたり、無理なペースで歩行したりすると痛みがでやすいでしょう。 長時間歩くときには、適切な靴を履き、歩行姿勢に気をつけることがポイントです。また、歩行する前後でストレッチや軽いマッサージをすると、筋肉の緊張を和らげて膝への負担軽減につながります。 膝の裏が痛むときに専門医に相談すべき目安は? 膝の裏が痛むときは早めに医師へ相談するべきです。 膝の裏が痛むときに考えられる原因はさまざまで、比較的軽度なものから、自身では気づけないような重度な疾患まで存在します。自己判断して膝の痛みを放置してしまうと、日常生活に支障をきたす恐れがあります。症状が悪化すると歩行が困難となり、治療後に後遺症が残ってしまう可能性もゼロではありません。 膝の裏の痛みは軽視せず、最寄りの医療機関を受診するか、リペアセルクリニックのメール相談やオンラインカウンセリングまで気軽にご連絡ください。 膝裏のピキッとした痛みは予防できますか? 膝裏の痛みに対する予防には、筋力トレーニングやストレッチが効果的です。 大腿四頭筋やハムストリング、ふくらはぎなどの筋肉を鍛えて柔軟性を保つことで、膝の安定性を維持しやすくなります。また、正しい歩行姿勢を保ったり適切な体重を維持したりすることも、膝への負担を軽減し、痛みの予防につながります。
2022.06.07 -
- 関節リウマチ
- お皿付近に違和感
- 内科疾患
関節リウマチは、関節の痛みや腫れを引き起こす慢性疾患で、日常生活に大きな影響を及ぼす場合もあります。 近年では、関節リウマチの治療法も進化し、とくに注射による薬物療法として高い効果が期待できる「生物学的製剤」の使用が広まりつつあります。 一方で、副作用についても気になるところです。 従来薬と比べてどう違うのか、どんな点に注意すべきなのかを知っておくことはとても大切です。 今回は、関節リウマチの注射治療における副作用や生物学的製剤と従来薬との違いについてわかりやすく解説していきます。 関節リウマチの注射治療の役割と主な副作用 関節リウマチは、免疫の異常によって関節が慢性的に炎症を起こす病気です。 放っておくと関節の変形や機能障害を引き起こし、日常生活にも支障をきたす可能性があります。 そのため、早期の治療と炎症のコントロールが非常に重要とされています。 関節リウマチの治療には、内服薬に加えて注射薬が使われるケースが増えてきました。 注射治療が選ばれる主な理由には、以下のような点があります。 即効性や効果の持続時間が期待できる 内服薬に比べて消化器への負担が少ない 自己注射が可能な薬もあり、通院の負担を減らせる とくに重症例や、内服薬だけでは効果が不十分な場合には、生物学的製剤やステロイド注射による治療が効果的な選択肢となります。 生物学的製剤は、免疫システムの特定の部分だけをターゲットにして炎症を抑える先進的な薬剤です。 一方、ステロイド注射は急性の炎症を素早く鎮める目的で使用され、特に痛みの強い関節に直接注入されることが多いのが特徴です。 こうした注射薬は高い治療効果が期待できる反面、副作用にも注意が必要です。 たとえば、注射部位に腫れや赤みが出ることがあり、発熱や頭痛、倦怠感などの全身症状が出る場合もあります。 副作用の出方は個人差があり、すべての人に起こるわけではありませんが、使用前には医師と十分に相談し、定期的な経過観察が欠かせません。 関節リウマチの治療で使われる生物学的薬剤とは? 関節リウマチの治療は、主に抗リウマチ薬などの従来薬が中心でしたが、近年では「生物学的製剤」と呼ばれる新しい治療薬が広く使われるようになってきました。 本章では、以下3つの項目について解説します。 生物学的製剤と従来薬との違い 生物学的製剤の種類 どのように体に作用するのか 生物学的製剤と従来薬との違い 従来薬は、免疫全体の働きを広く抑制して炎症をコントロールする薬で、内服薬を中心とした治療方法のため、効果の発現に時間がかかる傾向があります。 一方、生物学的製剤は、炎症に関与する特定の物質(サイトカイン)や細胞にピンポイントで作用するため、即効性があり、より高い効果が期待されます。 しかし、生物学的製剤は注射や点滴による投与が必要で、治療費も高額になる傾向があります。 そのため、まずは従来薬で治療を開始し、効果が不十分な場合に生物学的製剤へ切り替えるという流れが一般的です。 生物学的製剤の種類 関節リウマチの注射治療に使われる生物学的製剤には、いくつかのタイプがあり、それぞれ炎症の原因となる免疫の働きに対して、異なるアプローチで作用します。 代表的な生物学的製剤は以下の4つです。 抗TNFα抗体(インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブなど) 炎症を引き起こす「TNF-α」という物質をブロックし、関節の腫れや痛みを抑えます。 IL-6阻害薬(トシリズマブなど) 炎症に関与する「IL-6」というサイトカインの働きを抑制します。 T細胞共刺激阻害薬(アバタセプトなど) 免疫細胞同士の過剰な活性化をブロックし、炎症の連鎖を断ちます。 B細胞抑制薬(リツキシマブなど) 抗体を産生するB細胞の働きを抑えて免疫反応を和らげます。 それぞれの製剤には特徴や適応があり、患者様の病状や体質、他の合併症の有無などに応じて使い分けられます。 どのように体に作用するのか 生物学的製剤は、関節リウマチの炎症に関わる免疫反応の一部を「選択的に抑える」ことで効果を発揮します。 たとえば、関節内で過剰に分泌されるサイトカインに結合してその作用をブロックしたり、特定の免疫細胞の働きをコントロールすることで、関節の腫れや痛みを軽減します。 このような選択的な作用により、高い治療効果が得られる一方、免疫の一部を抑えるために感染症への注意が必要です。 治療を受ける際は、定期的な血液検査や医師の管理のもと、安全性にも十分配慮した継続的なフォローが行われます。 \まずは当院にお問い合わせください/ 関節リウマチ注射の副作用と生物学的製剤の注意点について 関節リウマチの注射治療として使用される生物学的製剤は、効果が高い反面、副作用や注意すべき点もあります。 ここでは、注射治療にともなう副作用やリスクについて詳しく解説します。 関節リウマチ注射のよくある副作用 関節リウマチの注射治療で比較的よくみられる副作用には、以下のようなものがあります。 注射部位の反応(発赤、腫れ、かゆみ、痛みなど) 倦怠感や軽度の発熱 頭痛、吐き気、筋肉痛 これらの副作用は、多くの場合は一時的で、自然に治ることがほとんどです。 とくに皮下注射(薬液を皮膚と筋肉の間にある皮下組織に注入する方法)の生物学的製剤では、注射部位に炎症反応が出ることがありますが、冷やすなどの対処で落ち着くこともあります。 関節リウマチ注射のまれに起こる重篤な副作用 一方で、まれではありますが、注意が必要な重篤な副作用も存在します。 代表的なものは以下の4つです。 感染症のリスク増加(肺炎、尿路感染症、帯状疱疹など) アレルギー反応(アナフィラキシー):急な呼吸困難や発疹、血圧低下などを伴うことがある 肝機能障害や血液異常(肝酵素の上昇、白血球や血小板の減少) 心不全の悪化や間質性肺炎の誘発(既往がある場合) 上記の副作用は頻度こそ低いものの、早期に対応することが重要です。 症状が出た場合は、自己判断で放置せず、必ず主治医に相談しましょう。 関節リウマチ注射の副作用が出やすいタイミングやリスク要因 副作用が出やすいタイミングとしては、投与開始直後や投与変更後の数回目までがとくに注意が必要です。 初回投与では、体が薬に慣れていないため、副作用が出やすくなる傾向があります。 また、以下のようなリスク要因がある場合、副作用の出現や重症化の可能性が高まります。 高齢者 免疫力が低下している人(糖尿病や慢性疾患がある場合など) 他の免疫抑制薬を併用している場合 感染症の既往がある、または現在感染している場合 肝機能や腎機能に問題がある場合 生物学的製剤は、免疫機能に直接働きかける薬のため、「副作用が出るかも」と事前に想定しておくことが大切です。 治療開始前には十分な検査や医師との相談を行い、使用中も定期的なモニタリングを続けることで、安全に治療を継続することができます。 \まずは当院にお問い合わせください/ 関節リウマチ注射の副作用に対する予防策と対処法 関節リウマチの注射治療には高い効果が期待できますが、副作用が心配という声も少なくありません。 副作用を防ぐため、治療前には血液検査や感染症の有無を確認する検査が行われます。 肝機能や腎機能のチェック、結核やB型肝炎などの検査を通して、安全に治療を始められるよう準備が整えられます。 注射後に、注射部位の赤みやかゆみ、軽い発熱などが出ることがありますが、多くは一時的なもので心配はいりません。 ただし、息苦しさや高熱、強い倦怠感などが出た場合は、副作用の可能性もあるため、早めに医師へ相談しましょう。 また、副作用が出やすいのは治療開始初期や、薬を変えた直後のため、体調の変化を記録し、気になる症状があれば遠慮せず医師に伝えることが大切です。 事前の検査と早めの対応によって、多くの副作用は予防・軽減できます。 正しい知識と備えで、安心して注射治療に取り組みましょう。 まとめ|関節リウマチ注射の効果と副作用を正しく理解して治療に臨もう 関節リウマチの注射治療は、症状の進行を抑え、関節の機能を保つために非常に有効な手段です。 生物学的製剤の登場により、これまでコントロールが難しかった症状にも対応できるようになってきました。 一方で、副作用のリスクがあることも事実です。 しかし、治療前の適切な検査や準備、治療中の体調管理によって、多くの副作用は予防・軽減できます。 また、万が一症状が現れた場合でも、早期に対応することで重症化を防ぐことが可能です。 大切なのは、注射治療の効果と副作用の両方を正しく理解し、自分の体と向き合いながら医師と協力して治療を進めることです。不安なことがあれば、一人で抱え込まず、医師に相談しましょう。 しっかりと情報を得て備えることで、安心して治療に臨み、日常生活の質を高める一歩につながります。
2022.02.25 -
- 肘関節
- 関節リウマチ
- ひざ関節
- 股関節
- 肩関節
- 手部
- 足部
人工関節の手術を受ける場合に知っておくべき安全性と危険性を解説 股関節、膝関節、肘関節、指関節、足関節における関節疾患の多くは比較的ゆっくりと症状が進行するため、本人は症状に苦しんでいるにもかかわらず、ただ単に年齢によるものというだけで見過ごされてしまうことが往々にしてあります。 ところが、知らず知らずのうちに病気の進行が悪化してしまうと、関節患部に強い痛みや熱感を自覚して、日常生活において歩く、座る、投げる、持つ、立つなどの基本的な動作能力が低下して必要な動きが制限されてくる恐れがあることをご存知でしょうか。 このような関節の症状が出たのちに、保存療法等、種々の治療を繰り返しても元には戻りにくく、徐々に症状は進行します。そして、最終的に提案されるのが手術療法になります。 人工関節置換術 この手術が「人工関節置換術」として知られているものです。この手術は、読んで字のごとく、疾患によって悪くなって異常がある関節部分を取り除いたのちに、人工の関節に置き換える手術です。 例えば変形性膝関節症や、関節リウマチなど膝関節疾患を治療する際には、その代表的な手術療法のひとつとして人工膝関節置換術が挙げられるという具合です。 人工関節の置換術が可能な部位は膝関節や股関節、肩関節、手関節、手指関節、足関節、肘関節となっていて、置換える人工関節そのものも年々進歩しています。 材料的には主としてチタン合金、コバルトクロム合金、セラミック、ポリエチレンなどで構成されています。 人工関節置換術は、関節の疾患がもとになって起こっている疼痛の原因となっている部分を取り除くことを主眼としているため、他の治療法と違って、患者さんの慢性的症状である痛みを和らげる効果を期待するものです。 そこで今回は、そのような人工関節の手術に関して知っておきたい安全性と危険性について解説したいと思います。 人工関節置換術 治療可能部位 材料 膝関節や股関節、肩関節、手関節、手指関節、足関節、肘関節 チタン合金、コバルトクロム合金、セラミック、ポリエチレン 人工関節の手術|安全性について 人工関節置換術という手術療法は、各種の関節症、例えば変形性関節症や関節リウマチを患われている患者様に対して関節の痛みを緩和して日常生活をより快適に送れる事を目的とする治療手段として普及しています。 今や各種の関節症に対する人口関節置換手術でのアプローチは年間に約20万例前後という件数が報告されるまでになりました。このように比較的メジャーになってきた人工関節の手術は、術式としては確立されていて、置換える人工物の素材も進歩を遂げています。 ただし、手術を安全に確実に実践するためには、当たり前のことながら整形外科の専門医を始めとして、医療従事者の専門性が問われ、人工関節の特性や、軟骨などの組織が破綻するメカニズムに対する知識が不可欠です。 これら関節の再建方法などについて熟知している専門性が大切であり、これまでの経験、知見、熟練の度合いが手術に影響するとされています。 また、人工関節置換術においては、言うまでもありませんが手術そのものの安全性を高く施行するだけでなく、術前や術後における全身管理や、術後の安定した段階で早期に、個人に沿ったリハビリテーションを計画し、適切に行えることが非常に重要です。 これらの人工関節手術を安心して受けるためには、術後の体制、いわゆる人工関節の緩み、異物感染、関節脱臼やインプラント周囲組織の骨折を含めた様々な合併症が起こった際に迅速かつ、確実に対応できる医療体制の存在、あり方が必要不可欠です。 また術後のリハビリテーションに関しては、術前に担当の看護師や理学療法士などのリハビリの専門部門が積極的に患者さんに接触し、術後の早期に状態を見極めながら関節機能を中心とした全身状態の改善を目指さなければなりません。 万が一にもリハビリテーションが予定とは異なり順調に進まない時には、自宅への退院とは別途、リハビリ専門施設へ転院するような連携調整、あるいは自宅退院後の各種生活支援についてメディカルソーシャルワーカーに相談する必要があるでしょう。 このように「人工関節の安全性」は、専門性、術前、術後、リハビリなどをすべて含めて判断すべきだと考えます。 安全性は、総合的に判断 専門医(経験、知見、習熟度) 術前の全身管理 術後の対応、フォロー リハビリ計画 人工関節の手術|危険性について 人工関節置換術は、疼痛症状を緩和して関節の機能の回復を望める手術である一方、関節以外の他手術と同様に一般的なリスクとして、全身麻酔に伴う合併症や、深部静脈血栓症および肺塞栓症の発症、あるいは輸血に関する問題点などがあります。 また、人工物や手術部分の感染、患部周辺の血管や骨組織、神経などの二次的な損傷、あるいは手術中における予測不能なことがが引き起こされる懸念も考えられます。 そして、人工関節手術の術直後においては傷口の疼痛が非常に強いことが懸念されており、関節部の機能回復を阻害するのみならず、手術を受けた患者さんの満足度とも直接的に関連すると言われています。 他にも心配なのは、人工関節の耐久性です。人工物ですので永久に使えるものではないからです。いつまで使えるかということに関しては、患者さん自身の生活背景などの使い方にもよりますが概ね15年前後であると考えられています。 人生100歳時代の現代、耐久性という面から、将来に人工関節を入れかえるため、再手術の可能性があることを知っておくべきです。その際は、年齢的にも術式的にも、あらゆる面で最初より、難しさがが増す可能性があります。 従来、人工関節置換術は、およそ60歳以上の高齢者を中心に適応がある手術とされてきましたが、近年では個々の価値観やクオリティ・オブ・ライフ/QOL(*)が尊重される時代となり、2回目の手術を勘案して50歳前後でもより快適な人生を過ごすために本手術を選択される方もいらっしゃいます。 (*)QOL/生活の質や人生の質などのこと 治療を受ける患者さんの肉体的なことはもちろん、精神的なことや社会的、そして経済的など、すべてを含んだ生活の質を指す言葉です。 今回の場合では手術そのものや、その後の副作用などでリハビリを行っても手術前と同じようには生活できなくなる危険性あります。 そのことを理解した上で手術の利点と危険性に関して医師とよく相談し、リハビリも含めた治療内容全般にわたって理解するようにしましょう。そして、家族や周りの理解や、協力を得られるよう相談し、慎重に決定されることをお勧めします。 最後に手術を選択した場合の入院期間について、概ね1か月は最低必要で、年齢的なものや、術後の状態により2か月~必要な場合もあるため、日程的な融通が必要な手術です。 今回は、人工関節への置換手術について不安を感じておられる方への術前のアドバイスとして記してまいりましたが、治療法としては、「再生医療」という先端医療分野があることも知っておきましょう。 その特徴は、手術も入院も不要という治療方法で自分の自己治癒力を引き出す最先端医療です。興味がある方は、お問い合わせください。いずれにしましても先生と話し合って、聞きたいことを聞き、納得して進んでください。 まとめ・人工関節の手術で知っておくべき安全性と危険性 股関節や膝関節は、下半身の体重を支えながら日常生活で立つ、歩くなどの基本的動作を実践するうえで極めて重要な関節です。肩関節や肘関節が障害を受けると荷物が持てないなど非常に支障をきたして日常生活が大変不便になります。 その意味でも日々の健康を保ち快適な暮らしを送り続けるためにも、関節に負担の少ない優しい生活を過ごすように意識しましょう。 仮に関節症の疾患で、人工関節置換術を勧められた場合は、選択肢としてこちらの記事で記したような将来の再手術の可能性、手術そのものの危険性や、入院期間が長くなるといった手術であること知ったうえで臨んでください。 リスクは、どのような手術であっても伴うものです。ただ、上手くいけば関節の痛みが緩和されて、関節の機能が元通りに再生されるのみならず、普段の歩き方や、身体のバランスを整備することが可能な治療法です。 これからの時代、健康寿命を延伸して自分らしい快適な生活を営むためにも、関節疾患は、放置することなく、治療方法について整形外科の専門医もしくは専門院を受診して相談されるこをお勧めします。 安全性 術式としては確立 多様な部位に対応 素材の進歩 危険性/リスクを理解 クオリティ オブ ライフ 専門医の相談、納得感 家族の理解、支え 人工関節の耐久性 → 年齢から再手術の可能性を念頭に 長期入院 → 1か月~2か月 リハビリ → 長期計画 手術としての危険性(合併症、その他) 手術部位の疼痛 以上、人工関節手術に関する安全性と危険性について記しました。今回の記事、情報が少しでも参考になれば幸いです。
2021.12.20 -
- 関節リウマチ
- お皿付近に違和感
- 内科疾患
「関節リウマチの初期症状を知りたい」 「指や関節の違和感があるけど、関節リウマチの初期症状?」 関節リウマチは進行すると関節の破壊を伴いながら、骨格系の機能障害を引き起こし、日常生活における動作などを低下させていく病気です。 現在、日本では人口の約1%の方に発症の可能性があるとされており、全身性の自己免疫疾患で、男女比はおよそ1:3と女性のほうが男性より多い病気と言われています。 今回は、放置すると危ない関節リウマチの初期症状を中心に、チェックリストを踏まえて解説します。違和感があるときは、早めにお近くの医療機関を受診するのが大切です。 また、関節リウマチ全体の概要は、以下の記事で詳細を解説しているのであわせて参考にしてみてください。 関節リウマチの初期症状 関節リウマチの主な初期症状は、以下のとおりです。 ・関節のこわばり ・関節部の疼痛 ・関節の腫れ ・関節の機能障害 なお、関節のこわばりとは、関節が自分で思ったように動かない機能障害が起こっている状況です。 痛みを発症する関節部位は、全身の中であらゆる場所で生じる可能性があります。ただ、とくに手首や手指の関節部で引き起こされる傾向にあり、患部は一か所だけでなく複数で認められる場合が多いです。 もし仮に関節部の炎症が長期間にわたって継続されると、関節の軟骨や骨組織自体が少しずつ破壊されていきます。 病状が進行すると関節の変形や関節の脱臼をはじめ、関節が硬くこわばってしまい、曲げ伸ばしが困難になるほどの変化を引き起こす場合があります。 さらに、炎症が強くなると発熱や全身の倦怠感、また体重の減少や食欲不振といった全身症状を伴う場合もあるため、日常生活に著しく支障をきたしかねません。 「初期症状かもしれない」と感じたときは、早い段階で医療機関を受診するのが大切です。 【チェックリスト】関節リウマチの初期症状に当てはまる方は要注意! 関節リウマチの初期症状に当てはまるのか、以下の表に項目ごとにチェックリストをまとめています。 当てはまるものがあれば、関節リウマチの可能性があるので、早めに医療機関を受診してみてください。 全身の症状 ・体のだるさや疲れやすさ ・微熱が続く ・食欲の低下 ・体重の減少 ・貧血気味 など 関節の症状 ・朝の両手のこわばり感 ・手指における関節の腫れ ・関節の痛み など 日常生活での症状 ・朝食を作る際の動作に違和感がある ・歯ブラシが使いづらい ・お箸をうまく使えない ・ドアノブが回しづらい ・家のカギが開けづらい ・靴ひもが結びづらい ・パソコン入力がしづらい など その他の症状 ・眼や口の渇き ・口内炎 など 関節リウマチが発症する原因 関節リウマチの詳しい発症原因は、現代においても明確になっていません。 ただ、どうやら先天性の遺伝的要因と、周辺の環境的要素が複雑に組み合わさり、発症するのではないかと考えられています。 昨今の研究によりますと、関節リウマチの発症は遺伝的要因が約10%関与しており、症状を発症しやすい遺伝子は約100種類あると考えられています。 一方、発症リスクの観点(環境的な原因)として、重要視されるのが喫煙歴です。ほかには歯周病や慢性呼吸器感染症の免疫機構など、複数の要因が挙げられています。 画像検査はレントゲンを中心に行われ、患部の手足部を実際に撮影して骨の表面が欠けているか否か、あるいは骨隙間の距離が縮んでいないかを診断します。 関節リウマチの治療方法【薬物療法・手術療法など】 関節リウマチの治療法は「薬物療法」や「手術療法」が挙げられます。それぞれの治療方法には、メリットとデメリットがあります。 どれを選択するかは重症度や合併症の有無、あるいは日常生活でどのくらい支障が出ているのかなど、多角的に評価して判断する流れです。 関節リウマチにおける関節の破壊的な変化は、一般的に発症して概ね2年以内の期間で急速に進行すると判明しています。破壊されてしまった軟骨や骨関節は、元の正常な状態に戻せないので早期の診断と治療が重要です。 まずは関節リウマチの病気がいかなるものかを理解して、適度な運動と安静のバランスを考えながら、食生活などを含めた規則正しい生活習慣を送るのが重要です。 前述した通り、喫煙歴や歯周病の有無が関節リウマチにおける病気の活動性に影響していると考えられています。そのため、患者さんが喫煙しているときは禁煙指導を行う可能性もあります。 また、薬物療法の点から見ていきましょう。薬物療法は、関節リウマチにおける治療の中心的な治療方法です。関節リウマチ患者における関節部位の炎症を抑えて、症状改善を目指すために行います。 【関節リウマチの治療薬】 ・抗リウマチ薬 ・生物学的製剤(※) (※)生物学的製剤とは: →生物が産生するたんぱく質などの成分を改良して作製された新薬のこと 現在、関節リウマチの治療薬に使える生物学的製剤は、8種類ほどあると言われています。 生物学的製剤は、とくに関節破壊を抑制する効果が際立って優れていると言われています。関節リウマチの症状をより軽度な状態に改善して、維持をするのが可能になりました。 また、患者様の中にはさまざまな薬物療法などの治療を実施しても、関節変形による機能障害が後遺症として残る場合もあるでしょう。その際は、人工関節置換術や滑膜切除術など、手術治療が選ばれる可能性もあります。 ここまで読み進めてみて「生物学的製剤に副作用はあるの?」と気になられた方は、以下で詳細を説明しているのであわせて参考にしてみてください。 まとめ|関節リウマチの初期症状があるときは早めに医療機関を受診しよう 近年では、関節リウマチの治療法も大きな変貌を遂げています。治療の大きな役割を担っているのは、2003年に初めて登場した生物学的製剤です。 生物学的製剤は、免疫機構において重要な役割を果たす炎症性サイトカインの物質に直接的に作用して、関節リウマチの活動を抑えられます。従来のほかの薬剤と比べて、有効性が高いと評価されています。 いずれにしても関節リウマチの違和感や痛みを放置しないために、初期症状の内容を再度押さえておきましょう。 【関節リウマチの初期症状】 ・関節のこわばり ・関節部の疼痛 ・関節の腫れ ・関節の機能障害 早期の発見と治療が大原則なので、関節に違和感を感じたら、専門の医療機関を早めに受診してみてください。 当院「リペアセルクリニック」では、治療の選択肢のひとつとして、再生医療による関節リウマチの治療も行っています。 症例の一例として、関節リウマチの症状をもたれている患者様に、PRPの注射を行い、膝関節や手首の痛みを軽減させた事例もあります。 症例の詳細については、専用記事で解説しているので、良ければあわせて参考にしていただけますと幸いです。 また、関節リウマチ以外の症状でも、なにかしらの不調が出てしまう場合もあります。体のお悩みを抱えておられるときは、ぜひ当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。 関節リウマチの初期症状に関わるQ&A 関節リウマチの初期症状に関わる質問と答えを解説します。 Q.関節リウマチでしてはいけないことは? A.以下の10個があげられます。 1.症状を悪化させる食事(砂糖や加工食品は要注意) 2.激しい運動(適度であればOK) 3.体や関節を冷やす 4.首に負担をかける行動 5.肥満の状態 6.同じ姿勢を長時間とる 7.重いものを持つ 8.正座をする 9.喫煙をする 10.ストレスを溜める 関節リウマチでしてはいけない10項目の詳細は、以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみてください。 Q.関節リウマチは血液検査で判断できますか? A.はい。血液検査では、リウマトイド因子や、抗環状シトルリン化ペプチド抗体の有無で判断します。 Q.関節リウマチの初期症状があるときは何科を受診すれば良いですか? A.整形外科、内科、リウマチ科、膠原病科などを受診しましょう。 また、リウマチ専門のスタッフがいる医療機関を知りたいときは、日本リウマチ学会や日本リウマチ財団のWebサイトから、お近くの医療機関などを検索できます。
2021.12.10