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鎖骨骨折とは?!症状と手術、入院期間とリハビリについて 鎖骨骨折は、骨折全体の約 10%を占めると言われており、非常に頻度の高い骨折です。年齢も若年層から高齢者まで幅広く、ほとんどが転倒によって引き起こされます。 今回は、鎖骨骨折全治に向けて、少しでも早く治すための治療方法をお伝えします。特に手術療法については、その期間とリハビリの内容などを交えてご紹介します。 鎖骨骨折とは? 鎖骨骨折は、前述した通り、発生頻度が高い骨折の一つです。肩の痛みや機能障害(肩を動かせない等)を呈する疾患です。自転車走行中の転倒をはじめとして、スポーツで横から倒れた際に受傷するなどのスポーツ外傷が多くみられます。 鎖骨骨折の症状 鎖骨骨折の受傷直後は、とにかく肩の痛みが強く、自力で動かせないことが多くあります。 そのため、反対の手でケガした側の腕をカラダの近くで抑えて来院する方をよく見かけます。 鎖骨骨折の症状は以下です。 鎖骨骨折の症状 ・腕が上がらない ・気分不良 ・吐気、嘔気 ・手の指の感覚障害 ・鎖骨部の腫れ ・鎖骨の連続性の欠如(骨が途中で突出している状態) 鎖骨骨折の手術 鎖骨骨折後の治療は大きく「保存療法」と「手術療法」の 2つに分けられます。ズレが少ない、小さい子どもなどの条件の場合は、保存療法が用いられることが多いです。 一方、ズレや骨折の場所、年齢などによっては手術療法を選択した方が治りが早い場合もあります。ではどのような場合に手術療法が用いられるのでしょうか。 手術療法が選択されるケースは以下です。 手術が必要となる場合 ・骨片同士のズレが大きい ・複雑骨折(開放骨折、骨が皮膚から飛び出るケースなど) ・骨片が多い、3 つ以上 ・神経や血管、靭帯を損傷している可能性がある ・より早く確実に治したい さらに詳しく解説していきましょう。 骨のズレが大きい場合 骨のズレが大きい場合は、手術で固定した方が治りが早く、偽関節になるリスクも抑えられます。また、ズレが大きいと整復が難しい場合もあり、鎖骨の短縮が起こってしまい、肩の運動制限につながる恐れもあります。 このような理由から、ズレが大きい場合にオススメする治療は手術療法です。 骨片が複数ある場合、複雑骨折の場合 骨片(折れた骨のかけら)が複数ある骨折の場合は、きれいな整復が難しいため、手術療法の方が適している場合があります。 また、骨が体外に出てしまうような複雑骨折(解放骨折)の場合は、感染や多量出血により危険な状態に陥る可能性もあるため、できるだけ早めに手術で対応したほうがいいです。 いずれの骨折も、相当な痛みと動きの制限が伴うので、早めに医療機関への受診をしましょう。 烏口鎖骨靭帯が損傷または、断裂している場合 鎖骨は、肩甲骨の烏口突起と呼ばれるところに付く靭帯により、下から引っ張られています。この靭帯が烏口鎖骨靭帯といい、鎖骨の浮き上がりを抑えてくれる重要な役割を果たしています。 鎖骨骨折の時に、この烏口鎖骨靭帯が断裂してしまうと、胸に近い側の鎖骨骨片が浮き上がってしまい、折れた骨同士がくっつきにくくなるのです。 その場合は、骨の固定とともに、靭帯の修復まで行う必要があります。 鎖骨骨折の手術方法 手術による治療は一般的なもので、ワイヤーで固定する方法と、プレートで固定する方法の 2 種類があります。 ワイヤーの場合は、ズレが比較的小さい骨折が適応となり、小さい傷口で済みます。 プレート固定では、傷口は大きくなりますが、ズレが大きい骨折も強固に固定することができ、また靭帯損傷など合併している場合にも用いられることがあります。 プレート固定のデメリットとしては、費用がかかる、固定に使われた金属を取り除くためもう一度手術が必要となる、など何かと負担がかかることがあります。 いずれの治療方法も、保存療法と比較して、より確実に骨癒合が得られるでしょう。 ただ、保存療法よりも費用や身体的、精神的な負担も増えることが多いため、家族や専門医としっかり相談をして、より良い治療法を見つけてください。 1.ワイヤーによる固定 出典:一般社団法人 日本骨折治療学会(https://www.jsfr.jp/ippan/condition/ip03.html ) 2.プレートによる固定 出典:一般社団法人 日本骨折治療学会(https://www.jsfr.jp/ippan/condition/ip03.html) 鎖骨骨折の手術後の流れ~固定方法や入院期間〜 手術をした後の流れや固定方法、入院期間について解説していきます。 鎖骨骨折後の固定方法 鎖骨骨折の手術後は、基本的に三角巾固定をします。 固定期間は骨の繋がり状況によって変わりますが、順調に行けば 3 〜 4 週間で外すことができます。(プレート固定であればもっと早期に外すことが可能です。) 鎖骨骨折の手術後の入院期間? 鎖骨骨折の手術後の入院期間は、早くて 2 泊 3 日、長くても 1 〜 2 週間で退院できます。 痛み自体は比較的早く落ち着くため、早期に退院される方が多い印象です。但し、1 人暮らしの高齢者や術後の経過が思わしくなかった場合などはその限りではありません。 自宅に帰って身の回りのことをやる自信が無い人は、遠慮なく医師や看護師に相談しましょう。 入院期間 ・早い場合:2泊3日 ・長い場合:1~2週間(経過次第) 力仕事は骨癒合がしっかりしてきた後 手術後、力を入れる動作や体重をかける動作ができるのは、おおよそ 2 〜 3 ヶ月後です。 プレート固定であれば、もっと早めに許可が出る場合があります。 車の運転や力仕事は、3 か月を過ぎた辺りの骨がしっかりした時期より再開することを推奨します 鎖骨骨折の手術後のリハビリテーション 以前は、手術後のリハビリテーションは骨のズレを恐れて慎重に進めることが多かったのです。 しかし、動かさないことによる拘縮(関節が固まってしまった状態)などの後遺症が引き起こされてしまうため、早期に動かすことがスタンダードとなりました。 そのため、プレート固定では術翌日から、ワイヤー固定では 1 〜 2 週間後に肩を動かす訓練を行います。 可動域訓練(関節の動きを広げる運動) 可動域訓練の初めは、患者自身は力を抜き、リハビリスタッフ(理学療法士・作業療法士)が腕を挙げていく他動運動から始めます。 2 〜 3 週目あたりから、自分で力を入れて動かす自動運動を開始します。 角度は、腕を下ろした状態から 90°(直角、目の前より低い位置)までの間で動かします。 そして、骨の繋がりがしっかりしてきた時に、より腕を挙げていくリハビリを行います。 これらの訓練は、骨の繋がり具合や、骨の転位、手術の方法により変動しますので、自分で勝手に判断しないよう注意が必要です。 【可動域訓練の順序の一例】 ①術後初期は、肩周囲の筋肉のリラクゼーションを中心に行う ②他動運動から開始し、徐々に 90°を目標に挙げていく ③痛みがなく骨癒合もできてきたら、徐々に動かす範囲を広げていく ④他動運動に加え、自分で動かす自動運動を開始する ⑤目標は、ケガをしていない方の肩と同じ範囲まで動かせるようにすること ※いずれのメニューも、代償動作が入らないように、専門のリハビリスタッフ(理学療法士・作業療法士)の指導のもと行います 筋力訓練(力を戻していく運動) 可動域(動かせる範囲)が戻ってきたら、次に力を戻す運動を始めます。 ケガをしてから手術直後は安静期間で固定しているため、どうしても筋力が落ちていきます。 リハビリで大事なことは、焦らずに段階的に筋力を戻す、ということです。 【筋力訓練の順序の一例】 ①ケガをしていない方と手術側の手を握り、一緒に上に挙げていく ②手術側の腕だけで挙げていく(前、外、後ろの順番で行う) ③力が入ってきたら、ペットボトルなど軽い負荷をかけた状態で腕を挙げていく ④弱いバンドや、1 〜 2 キロのダンベルを持った状態で挙げていく ⑤痛みなくしっかり力が入るようになったら( 2 ヶ月ほど)、膝をついた状態での腕立て伏せを行う(慣れてきたらスタンダードな腕立て伏せを行う) ※④以降は患者の力量に合わせて行います 鎖骨骨折の手術前後に気を付けておくべきポイント! 鎖骨はつながりやすい骨折であり、ほとんどの場合スムーズに良好な経過を辿ります。 しかし、手術後早めに無理をしたことで、癒合が遅れたり、痛みがなかなか引かないと訴えたりするケースも少なくありません。 手術後早期はリハビリ以外しっかり固定をしておく 手術後は、基本的に三角巾やアームホルダーで固定(腕を吊るしておく)します。 これは、肩にかかる負担を減らすとともに、腕を極力使わないようにする予防策でもあります。骨の繋がりをしっかり確認し、担当医師より許可が出てから外すようにしましょう。 仕事の復帰や車の運転は3ヶ月から 特に力仕事や車の運転といった患部に負担のかかる動作は、手術後 3ヶ月後より始めるようにしましょう。 ただ、プレート固定など強固な固定をした手術の場合、その時期が早まることがあります。しかし、自分で判断せず、担当医師に確認することが大事です。 手術療法は保存療法と比べ費用がかかる 当然ですが、手術療法は保存療法と比べ費用が高くなります。 鎖骨骨折の場合、医療機関にもよりますが、おおよそ 15 〜 20 万円の手術代、入院費用、ご飯代、その他諸々の費用がかかります。 高額な医療費に対して、全国健康保険協会の「限度額適用認定証」により費用を抑えることは可能ですが、個室代や入院費用の中には実費負担のものもあります。 いずれにしても、保存療法よりは高額になることが予想されますので、注意が必要です。 手術療法の費用 ・ 手術代:15 〜 20 万円 ・入院費用、ご飯代、その他 ※「限度額適用認定証」は、自分で申請する必要があります。詳しくは、手術を受けられる医療機関でお尋ねください。 まとめ・鎖骨骨折とは?!症状と手術の場合、入院期間とリハビリについて 今回は、鎖骨骨折の手術に至るケースや、手術後の経過や費用についてもお話ししました。 鎖骨骨折の治療には「保存療法」と「手術療法」の2つがあります。 保存療法は、骨片のズレが少ない場合や、小さな子どもの場合に適用されます。一方、手術療法は、骨片のズレが大きい場合や、複雑な骨折の場合に選択されることが多いです。 手術後は患部を適切に固定した上、リハビリが重要となります。手術後のリハビリでは、可動域訓練と筋力訓練が行われ、正しい手順で行われることが大切です。 手術療法は、保存療法よりも手術費用やそれ以外に負担が大きい場合があります。骨の癒合(ひっつく)をより確実に得られる利点があります。 注意点としては鎖骨骨折は、骨がくっつきやすく、痛みもすぐ引くことが多いため、早めから患部に負担をかけたり、動かす方が少なくありません。 「せっかく手術までしたのに・・・」と、ならないよう医師からの提示された指示をしっかり守って過ごしていきましょう。 治療方法の選択や手術後のケア、リハビリについては医師としっかりご相談されお進めください。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.S104 監修:医師 加藤 秀一 ▼以下の記事も参考にされませんか 鎖骨骨折中の過ごし方|この痛みはいつまで続くの?
最終更新日:2024.04.24 -
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鎖骨骨折の過ごし方|痛みはいつまで続くのか?を解説します 鎖骨骨折の発生要因と症状、治療、注意すべきポイントを紹介していきます。 鎖骨骨折は、どうやって起こるのか? 鎖骨骨折は、交通事故や転倒、スポーツ中などのスポーツ外傷として、鎖骨に対して強い衝撃が加わることで起こるケガです。骨折全体の中でもかなり多い骨折と言えるでしょう。 よく耳にするのが、自転車から落車。そして、鎖骨骨折をしてしまったという話やラグビーの試合中にタックルを受けて、肩から地面に倒れて骨折するスポーツ外傷など、いずれもコントロール不能な状態で肩を強打し受傷しています。 鎖骨骨折は、転倒した時に肩から落ちてその衝撃が鎖骨に伝わり受傷するパターン(介達外力)と、鎖骨を直接強く打って受傷するパターン(直達外力)があります。 受傷パターン ・肩から落ちるなど衝撃が鎖骨に伝わり受傷:介達外力 ・鎖骨を直接強く打って受傷:直達外力 このような鎖骨への力の加わり方の違いは、折れる場所などに影響してくるため、どのような状況で骨折したのか確認することが非常に重要です。 出典:一般社団法人 日本骨折治療学会( https://www.jsfr.jp/ippan/condition/ip03.html ) 鎖骨骨折の症状 鎖骨骨折の症状で特徴的なものは、骨折部の痛みと腫れ、腕を上に挙げられないなどの運動制限です。 さらに、鎖骨周囲には血管や神経が通っているため、骨折の程度によりそれらの組織を傷つけ、手指がしびれたり動かせなくなる場合もあります。 また、鎖骨は皮膚の上から触れるほど体表にあるため、骨折している場合は簡単に観察できます。 肌を露出することが可能であれば、骨折があるかどうか目で確認してみましょう。 鎖骨骨折した後の対応 鎖骨骨折をしてしまった、もしくは鎖骨骨折が疑われる場合の対処についてお話しします。 鎖骨骨折はすぐに受診を 鎖骨骨折が疑われる場合は、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。 なぜなら、症状の時にも述べましたように、鎖骨の骨片で大事な神経や血管を傷つけている可能性があるからです。その場合は、早急な対処が必要になります。 三角巾を使った鎖骨骨折の固定 また、そのまま固定もせずに無理に過ごしていると、折れた箇所がズレてしまい(転移)、骨癒合しにくくなることもあります。そうなると、手術をせざるを得ない状況になるのです。 早急に病院受診をおすすめしましたが、時間帯や日にちによっては専門の医療機関が空いていない場合もあります。 そんな時に使える鎖骨骨折後の応急処置として、三角巾での固定方法をお伝えします。 ①怪我した方の手を反対の手で固定してもらいます。(この姿勢が楽だと感じる人が多い) ②三角巾の頂点を骨折側の肘の下に挟み込むようにセットし、一方の端を反対の肩に回します。 ③他方の端を骨折側の脇の下を通すように背中側に回します。そうすると骨折側の腕を包み込むように固定できます。 ④首のところで両端を結び固定します。 ⑤頂点は肘の位置がズレないように結びます。 ⑥もう一つ三角巾を用意し、肘を体幹で固定するように巻くとぶれずに固定できます。 鎖骨骨折後の治療 ここまで、鎖骨骨折の発生要因や症状、鎖骨骨折後の対処についてお話ししてきました。それでは実際にどのような治療方法があり、どのような経過をたどるのでしょうか? 治療の方法は大きく2つに分けられます。一つは、体にメスを入れない保存療法、そしてもう一つは折れた骨同士を癒合させる手術療法です。 今回は、保存療法を中心にご説明します。保存療法が選択されるケースは以下です。 保存療法が必要となるケース ・単純骨折(骨片が2つ) ・骨片同士のズレが小さい ・骨形成率が早い子ども ・神経や血管、靭帯を損傷していない ・手術に対して抵抗がある 骨のずれが少ない場合は、鎖骨バンド(クラビクルバンド)と呼ばれるサポーターで固定をし、骨が繋がるのを待ちます。 出典:一般社団法人 日本骨折治療学会(https://www.jsfr.jp/ippan/condition/ip03.html) 鎖骨骨折の特徴として、胸の中心に近い方の骨片が上に移動し、外側の肩に近い方の骨片が相対的に下に位置することがあります。 そのため、バンドで胸の中心の方の骨片を上から抑えこむことで、そのズレを少なくし、骨を繋がりやすくします。通常であれば、2 〜 3 ヶ月もすれば、ある程度骨癒合(ひっつく)します。 ただ、鎖骨バンドを早期に外してしまったり、つけ方が甘かったり、早くから腕を動かし過ぎたりすると、骨が癒合するのが遅れ、遷延治癒(※)となることもあるので注意が必要です。 (※遷延治癒・・・一定期間が経過しても治らない状態) 鎖骨骨折の完治までの期間は? 鎖骨骨折は、およそ全治 3ヶ月と言われています。また、骨折部自体の痛みは 1ヶ月でかなり軽減し、2ヶ月頃には、ほとんど感じなくなる人も多いです。 腕をしっかり上まで挙げると鎖骨も大きく動くため、痛みが出ることもありますが普段の日常生活では、ほとんど痛まなくなるでしょう。 しかし、ズレが大きい場合、治療内容によっては 3ヶ月より長くかかることがあります。専門医と相談の上、適切な治療方法を選ぶよう心がけましょう。 鎖骨骨折後に気をつけること 最後に鎖骨骨折後に気を付けるポイントを2つご紹介します。やはり不便な場面は出てきますが、以下の注意点をしっかり守ることが早期治癒に繋がります。 ①鎖骨骨折後の日常生活ではとにかく腕を挙げないこと 鎖骨は腕(上肢)を動かすための、非常に重要な骨です。鎖骨が動かせなければ、腕はほんの少ししか上がりません。 腕を大きく挙げようとすれば鎖骨は動く、ということです。つまり、鎖骨が折れている状態で腕を大きく動かせば、鎖骨は自ずと動き、ズレようとする力が働くため、強い痛みが出てしまい、さらには骨の癒合を邪魔してしまいます。 そうなると、治りが遅くなり肩の動きが悪くなる後遺症が残る可能性もあります。 また、偽関節ができてしまい、力が入りづらくなることも考えられます。そのため、鎖骨骨折後の早期は手術の有無に関わらず、腕を挙げる行動を控えることが重要です。 ②鎖骨骨折後は寝方にも注意 鎖骨骨折後の早期は、寝る姿勢にも注意しなければなりません。 基本的に仰向けか患部を上にした横向きで寝ることが推奨されています。その際、骨折した側の腕が動かないようにバンドや三角巾などで固定しておくとよいでしょう。 仰向けで寝る場合は、肘が下に落ち過ぎて肩に負担がかかる場合もありますので、バスタオルを折り畳んだものを骨折側の肘の下に敷いておくと安定感が得られます。 車の運転はいつからいいの? よく聞かれる質問の一つに、「車の運転はいつからしていいのか?」というものがあります。 一人一人骨の繋がり具合や手術の有無によって差があるので一概には言えませんが、腕をしっかり挙げてOKと医師から許可が出た頃から練習をし始めるのがいいでしょう。 運転では、やむを得ず急ハンドルを切る場面が出てくるかもしれませんし、大きいカーブでは腕が上がる動作も加わります。 予測できないハンドル操作が出てくることも考えると、少なくとも1ヶ月半〜2ヶ月程度は我慢した方が良さそうです。 とにかく、鎖骨骨折をしてしまったら、自分で判断せずに専門の医療機関に診てもらい、骨折後や手術後すぐに肩を大きく動かす動作は避けましょう。 骨の繋がり状況は、レントゲンなどによって判断されるので、医師の指示のもと、段階的に動かすよう心がけましょう。 まとめ・鎖骨骨折の過ごし方|痛みはいつまで続くのか? 今回は、鎖骨骨折について発生要因や症状、治療方法、過ごし方などについてご紹介しました。 骨折の中では頻度が高い鎖骨骨折ですが、その予後は良く、医療機関の指示を守って生活すると大部分は前と同じように動かせるようになります。 鎖骨骨折そのものは、交通事故やスポーツ外傷などで発生しやすい怪我の一つです。 骨折するパターンとしては介達外力と直達外力の二種類があり、これによって治療法や経過に影響が出ます。症状は痛みや腫れ、腕の運動制限などで現れ、いずれも早めの受診が重要となります。 治療方法は保存療法と手術療法に分かれ、保存療法では鎖骨バンドの使用が一般的です。また、日常生活では腕の挙げ方や寝方にも注意が必要です。 骨の繋がり具合や手術の有無によって完治までの期間や注意点が異なるため、専門医の指示に従い、段階的な動作復帰を心がけましょう。 尚、鎖骨の骨片で大事な神経や血管を傷つけている可能性もあるため、骨の繋がり状況を確認しながら段階的に治療に取り組むことが完治への一番の近道、早く治すために有効です。 鎖骨骨折が疑われる場合は、手術をせざるを得ない状況も考えられますので「大丈夫だろう」と自分の判断で無理されることなく早めに医療機関を受診してください。 No.103 監修:医師 坂本貞範 ▼以下も参考にされませんか 鎖骨骨折の症状!?見た目の特徴、治療法と後遺症
最終更新日:2024.04.24 -
- スポーツ外傷
- その他、整形外科疾患
鎖骨骨折の症状?見た目の特徴、治療法と後遺症を解説します 以下のような症状がある場合、もしかすると鎖骨を骨折しているかもしれません。 ・事故のあと鎖骨が盛り上がっている気がする ・転んだあと鎖骨が痛む 骨折を放置すると、症状が悪化するばかりか、骨折が本来とは違った形、ずれた状態で”くっついて”しまう可能性もあります。 今回は鎖骨骨折について、骨折時の見た目の特徴や症状、治療法、後遺症について詳しく解説します。 鎖骨骨折の症状は?見た目でわかる?! 鎖骨骨折は全ての骨折のうち約10%を占める比較的頻度の多い骨折です。 交通事故やスポーツなどで腕を後ろにそらしたり、肩を下にしたりして転ぶと、地面についた衝撃が鎖骨に伝わって骨折してしまいます。 また、鎖骨に直接強い衝撃が加わって骨折する場合もあります。体の表面にあり確認しやすい骨なので、外見にもわかりやすい症状がみられる骨折です。 どのような症状があるのか、具体的に紹介します。 見た目の特徴:皮膚が盛り上がる 鎖骨はS字にカーブした長細い骨で、筋肉など厚みのある組織に覆われていないため、骨折時の見た目で分かることも少なくありません。 鎖骨は、中央1/3の部分で骨折することが多く、鎖骨の外側は腕の重さなどの影響で下にずれやすく、内側は首の筋肉の力で上にずれやすいという特徴があります。 そのため、骨折により骨がずれてしまうと、鎖骨の内側の部分が飛び出し、皮膚が上に盛り上がったような見た目になるのが特徴です。 また鎖骨が浮き上がらないように支えている烏口鎖骨靭帯(うこうさこつじんたい)が損傷した場合も鎖骨をおさえる機能が低下して、鎖骨が浮き上がりやすくなります。 骨がずれて重なってしまうことで、折れた方の肩幅が狭くなったように見える場合もあります。 鎖骨や肩の痛み 鎖骨は胸の中央にある骨(胸骨)や肩甲骨と合わせて関節を作っています。 肩甲骨は腕を上げたりおろしたりといった運動に関わり、肩甲骨と鎖骨でできる関節(肩鎖関節:けんさかんせつ)も、腕の運動に重要な役割を持っています。 そのため、鎖骨の骨折をすると肩を動かす場合に鎖骨に負担がかかり、痛みが生じることがあります。 肩の動きが制限される 前述のように鎖骨は肩の動きと関係するため、鎖骨を骨折すると腕を上げにくかったり、広げにくかったりといった制限がみられます。 腫れやアザができる 骨折による炎症症状で患部が腫れたり熱をもったりします。また、骨折による出血のため、アザがみられることがあります。 血流の障害や痺れ さらに、鎖骨は首の近くにある血管や神経を守る役割も担っています。 事故などで鎖骨に強い衝撃が加わったときに、周辺にある血管や神経も一緒に損傷される場合があります。その場合、血の流れが悪くなる血行障害や神経損傷による手の痺れや痛みといった症状がみられます。 鎖骨骨折の治療法 治療は手術をしない保存療法が基本ですが、骨が大きくずれてしまっている場合は手術を選択することがあります。 それぞれの治療方法について解説します。 手術しない保存療法 第一に選択されるのが、三角巾や鎖骨バンド(クラビクルバンド)と呼ばれる装具をつけて、骨折部が動かないように固定する治療です。 胸を張り、両肩を強く後ろに引いた状態で固定することで、鎖骨の変形を矯正して、骨を正しい位置でくっつけることになります。 入浴時以外はバンドをつけて生活して、入浴の際は骨折している方の手で体を支えない、90°以上の高さに腕を上げないという注意点があります。 固定の期間は4〜6週間が目安ですが、年齢が若いほど骨がくっつくのが早いため、固定期間が短くなりやすいです。 固定により腕を上げる制限がみられた場合は、リハビリで改善を図る場合があります。 骨のずれがひどい場合は手術療法 骨のずれが大きい場合や骨が砕けてしまうような骨折の場合は、手術が選択されます。 また仕事の都合できるだけ早く社会復帰を希望して、手術を選ぶ場合も少なくありません。手術療法だと、手術した後すぐにリハビリで腕を動かすことができるので、動作が改善しやすいというメットがあります。 手術は針金のようなワイヤーを鎖骨に通したり、プレートで支えたりして体の内側から鎖骨を固定します。 入院期間は手術の方法により異なり、必要に応じてリハビリを行います。 鎖骨骨折の後遺症 骨折した部分のずれがひどいと、元の位置に戻そうとしても十分な位置に戻らず、ずれたまま変形して骨がくっつく(変形治癒)という後遺症の可能性があるため、注意が必要です。 また、鎖骨の外側は平らな形をしており、折れた場合にくっつきにくいという特徴があります。くっつかずにそのままにしておくと、そこが別々の骨に分離した状態になり、まるで関節ができたようになります(偽関節:ぎかんせつ)。 いずれにしても、このような後遺症があると、痛みが出たり、肩の動きが制限されたりします。そのため、後遺症ができるだけ残らないように、状態に応じた適切な治療の選択が重要になるのです。 まとめ・鎖骨骨折の症状?見た目の特徴、治療法や後遺症について 鎖骨骨折は、外見の特徴もあり痛みも強くなりやすいため、症状がわかりやすい骨折です。外傷によって起こり、症状や治療法、後遺症について理解して治療を進めましょう。 症状と外見 ・骨折による皮膚の盛り上がりや、骨が浮き上が見られます。 ・肩や鎖骨周辺に対する痛みや腫れ、アザなどが見られます。 ・構造上、肩の動きが制限されることがあります。 ・手の痺れや痛みが生じることもあります。 治療法について ・保存療法としては、三角巾や鎖骨バンドで固定し、骨を正しい位置に保ちます。 ・骨のずれが大きい場合や、骨が砕けている場合は手術が必要です。 ・手術後は早期のリハビリが大切になります。 後遺症 ・骨折を治さないままにすると「変形治癒」や、「偽関節」が生じる可能性があります。 ・後遺症によって痛みや肩の動きの制限が生じます 鎖骨骨折は早期の診断と適切な治療が重要であり、後遺症を最小限に抑えるためには専門医の指導に従って適切な治療を行うことが必要です。 そのため、紹介したような症状がみられた場合は、できるだけ早めに整形外科を受診しましょう。治療をせず放置すると、変形治癒や偽関節になったりといった後遺症が生じる危険性があります。 早めの受診で、適切な診断や正しい治療を受けて、後遺症を防ぐようにしましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 No.099 監修:医師 坂本貞範 ▼鎖骨骨折について以下もご覧になりませんか 鎖骨骨折とは?!症状と手術の場合、入院期間とリハビリについて
最終更新日:2024.04.24 -
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腸脛靭帯炎(ランナー膝)治療のストレッチ、テーピングと靴選びについて 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)って聞きなれない言葉ですよね。そもそも読み方が分からない人もいるのではないでしょうか。 しかし、意外と腸脛靭帯炎で悩んでいる方が多いのが実情です。特に有酸素運動の代表格であるランニングや、ジョギングなどをやり始めた人に多くみられます。 動けないほど酷くはないけど…なってしまうと悩まされる…そんな腸脛靭帯炎についてお話します。 「腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)」とは? この病気がどのようなものか説明するには腸脛靭帯について知る必要があり、簡単にお伝えします。 腸脛靭帯とは、骨盤の外側に出っ張っている腸骨(ちょうこつ)から、膝下にある脛骨(けいこつ)に繋がっていて太ももの外側部分に長く伸びるように位置しています。。 また、腸脛靭帯は大臀筋と大腿筋膜腸筋(だいたいきんまくちょうきん)という、これまた長くて難しい名前の筋肉とつながることで身体をぐらつかせることなく、更に身体を安定して保つという大切な役目を担っています。 膝上の太もも部分の外側を押すと、硬いスジ状のものに触れることができますが、これが腸脛靭帯になります。 特に大きな動きに対して大臀筋と呼ばれる大きな筋肉と大腿筋膜張筋とにつながることで、それらの力を脚に伝える役割があります。 腸脛靭帯の働きのおかげで骨盤や膝が安定し、歩くことは勿論、スムーズなランニングを助けてくれるという訳です。 そんな腸脛靭帯が炎症を起こした状態が『腸脛靭帯炎』というものになります。 「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん:ランナー膝)」とは 腸脛靭帯炎は、別名「ランナー膝」と呼ばれるくらい、「ランニングの愛好家にとって多いケガ」の一つです。ここでは腸脛靭帯炎の症状、原因、診断について簡単に説明します。 ご自身に当てはまる点はないか、チェックしてみましょう。 腸脛靭帯炎の症状 腸脛靭帯炎の初期症状は、運動後に膝の外側に痛みが出ることです。痛みが出る場所は、外側上顆(がいそくじょうか)と言われる膝外側の出っ張り部分です。痛みは安静にすることで治まってまいります。 しかし、炎症がひどい場合や、痛みを我慢して無理を続けた場合、歩いたり、膝を曲げ伸ばしをしただけでも痛みが出ることがあります。久しぶりにランニングやジョギング、ウォーキングを頑張った人によくみられる症状です。 「さぁ、健康のために頑張って走ろう!!」という矢先につまずいてしまうと、やる気も削がれかねません。 腸脛靭帯炎の原因 なぜ腸脛靭帯炎は、ランナーに多いのでしょうか?それは、腸脛靭帯炎になってしまうメカニズムでご説明いたします。 腸脛靭帯炎の発生メカニズム 腸脛靭帯炎は、繰り返される『摩擦』によって生じます。摩擦が起こる場所は、大腿骨の外側上顆という場所です。そこは骨が隆起しており、膝を曲げ伸ばしすることで腸脛靭帯が外側上顆を乗り越えてしまいます。 特に膝を軽く曲げた状態(屈曲30°くらい)でちょうど乗り越えるため、ランニングのように、0〜30°くらいの曲げ伸ばしを繰り返すことで摩擦がかかりやすくなってしまうのです。 骨盤や下肢のアライメント(骨の位置関係)によってより負荷がかかる ただ、もちろんですがランナー全員が腸脛靭帯炎になるわけではありません。なってしまう理由は他にもあります。下記のような股関節の機能や骨の位置関係を乱すアライメント異常が腸脛靭帯炎を誘発してしまうとも言われています。 腸脛靭帯炎のランニング以外の要因 ・股関節の筋力低下 ・膝のO脚 ・足の扁平足 腸脛靭帯炎の診断 腸脛靭帯炎は、問診や触診である程度は鑑別することができます。ただ、炎症の状態や他の疾患と見分けるためにレントゲンやMRI、エコー検査が必要なことがあります。 また、腸脛靭帯炎には、特有のテストがあります。それが「Grasping Test(グラスピングテスト)」というものです。やり方は、難しくありませんので、もしかしたら腸脛靭帯炎かもしれない、と思われた方は、お試してださい。 【Grasping Testの方法】 ①患者さんの膝を90°ほど曲げる。 ②痛みが出ている場所の少し上を親指で強く押さえる。 ③その状態で膝をゆっくり伸ばしていく。 ④その時に痛みが出るのであれば、腸脛靭帯炎が疑われる。 腸脛靭帯炎(ランナー膝)の治療3つのポイント 腸脛靭帯は、足首や他の膝の靭帯と違い、断裂など重症化するケースはほとんどありません。そのため、基本的には普段と同じような生活を送っていただいて結構です。 ①腸脛靭帯炎の初期対応 原因がランニングなどスポーツによるものであれば、その症状が落ち着くまでお休みされるようオススメします。 腸脛靭帯そのものや、その周囲の滑液包(摩擦を減らす袋のようなもの)に炎症が起こるため、炎症をおさえるお薬や、局所に注射をする場合もあります。 場合によっては、患部にアイシングや湿布を貼付することで症状の緩和が得られます。特に急性期では患部の安静と炎症を抑えることを最優先させましょう。 ②腸脛靭帯炎に有効なストレッチ 腸脛靭帯炎による痛みが落ち着いたら、徐々にストレッチを開始します。 腸脛靭帯炎を発症する人の特徴として、身体のケア不足により筋肉の伸び縮みの動きが悪くなっていることがあります。ここでは、腸脛靭帯と連結している大腿筋膜張筋と股関節および大腿部前面の筋肉の3つのストレッチ方法をお伝えします。 1.大腿筋膜張筋のストレッチ 各ストレッチは、無理をせず、痛くなりすぎない範囲で行いましょう。 2.股関節前面の筋肉のストレッチ 3.大腿部前面の筋肉のストレッチ ③腸脛靭帯炎にならないためのトレーニング 前に下肢のアライメント(ゆがみ)の異常により腸脛靭帯炎になりやすいことは前述しました。 股関節の筋力の低下や足元のぐらつきにより、ランニング時に膝が内外にぐらつくと腸脛靭帯への摩擦が増加してしまいます。安静期間により症状が落ち着いても、同じような状態だとまた腸脛靭帯炎を繰り返してしまうでしょう。 そのため、ランニングなどのスポーツに復帰するにあたり、腸脛靭帯への負荷を減らすためのトレーニングを推奨しています。ここでは以下の3つの方法を紹介します。 各トレーニングは、やみくもに動かすのではなく、いずれも体を安定させ、姿勢を意識して行うことがポイントです。 1,股関節の外側の筋肉:大臀筋、中臀筋 上になっているほうの足を持ち上げる→下ろす を繰り返す 2,股関節の内側の筋肉:内転筋 下になっている方の足を持ち上げる→下ろす を繰り返す 3,ふくらはぎの筋肉:下腿三頭筋(ヒラメ筋、腓腹筋) つま先立ち→かかとを降ろす を繰り返す 腸脛靭帯炎(ランナー膝)とスポーツとの関係 腸脛靭帯炎のテーピングで大事なことは、腸脛靭帯の負担を減らしてあげることです。そのため、腸脛靭帯自体をサポートするテーピングと、膝の動きをサポートするテーピングの2種類を用いて行います。 腸脛靭帯炎のテーピング あくまでテーピングは補助的な役割にしか過ぎません。また、その人によってテーピングの効果が十分に発揮できない場合もあります。 可能な限り、専門の医療機関にご相談のうえ、「テーピング」を施行するようにしましょう。このようなテーピング以外も「サポーター等の装具」を用いて腸脛靭帯を支え、安定を図る方法もあります。 腸脛靭帯炎と靴(シューズ)選び 腸脛靱帯炎の対策の中では靴選びも大切です。 足が左右にぐらつくと腸脛靱帯につながる大腿筋膜張筋が頑張ってぐらつきを止めようとします。 そうすると、筋肉が過剰に働き、ピンと張った状態になります。その状態で走り続けると、腸脛靭帯への摩擦が助長されて腸脛靭帯炎を引き起こしかねません。 シューズ選びの際は以下の3つのポイントを意識してみましょう。 靴は使用に伴い消耗します。定期的、或いは、いま一度ご自身の靴をチェックして自分に合った最適な靴を選びましょう。 1.シューズの後ろ、カップの部分がしっかりしているか 2.指の付け根で曲がるのか 3.シューズが過度に捻じれやすくなっていないか まとめ・腸脛靭帯炎(ランナー膝)治療のストレッチ、テーピングと靴選びについて 今回は、腸脛靭帯炎について、病態や、ストレッチ、テーピング、靴選びという角度から、その対策をお話しました。 腸脛靭帯炎(ランナー膝)は、ランニングやスポーツをする人に多い症状ですが、正しい対処法を知っていれば予防や治療が可能です。まずは症状や原因を理解し、痛みが出た場合には早めの対処が重要です。 初期の対応としては、炎症を抑えるための安静やストレッチ、適切なテーピングが有効です。また、腸脛靭帯炎を予防するためには、股関節やふくらはぎの筋力を鍛えるトレーニングや、適切な靴選びも重要になります。 日常生活での意識や対策を行い、ランニングやスポーツを安全に楽しむために、ストレッチをはじめ、適切なケアを心がけましょう。 腸脛靭帯炎は誰にでも起こりうるケガです。これから運動を始める人も、ランニング愛好家の皆さんも運動前の準備運動、そして運動後のカラダのケアをしっかり行いながら、自分に合ったペースで頑張りましょう。 No.094 監修:医師 坂本貞範 ▼ 腸脛靭帯炎はじめ、スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています ▼以下も参考にしていただけます 腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)を早く治すポイント
最終更新日:2024.05.02 -
- 腱板損傷・断裂
- インピンジメント症候群
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
ゴルフ肩(スイングショルダー)とは?その原因と治療法 競技や趣味にかかわらずゴルフを行っていればゴルフ肩(スイングショルダー)という言葉を聞かれたことがあるかもしれません。また実際にゴルフ肩で悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。 この記事ではゴルフ肩(スイングショルダー)について、その症状や原因と治療法について、医師が解説させて頂きます。なお本記事では一般的な注意点などについて解説しておりますので、個別の症状などについては各自で判断することなく医療機関にてご相談されることをお勧めします。。 ゴルフ肩(スイングショルダー)とは ゴルフ肩(スイングショルダー)について、この名称、実は特定の病名ではなく、日常的にゴルフを行うことにより引き起こされる「肩関節周囲組織の損傷」による症状全般をいいます。症状は傷害される部位によって異なりますが、肩関節から肩甲骨周囲の痛みや腕にかけての痺れなどが一般的です。 多くの場合スイングの際に前方に位置する肩に傷害が起きやすく、特に右利きのゴルファーの左肩が怪我をしやすいと言われています。 ゴルフ肩(スイングショルダー)に含まれる具体的な疾患名(または症候名)としては「腱板損傷」、「腱板断裂」、「上腕二頭筋腱損傷」、「肩峰下インピンジメント」、「変形性関節症」、「肩関節の不安定性」などがあります。 ゴルフ肩(スイングショルダー)に含まれる病名 ・腱板損傷 ・腱板断裂 ・上腕二頭筋腱損傷 ・肩峰下インピンジメント ・変形性関節症 ・肩関節の不安定性 ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因 ゴルフは、クラブをスイングする際の非常に特殊な肩の動きを必要とするスポーツです。左右の肩が全く逆の動作をしなければならず、前方の肩はバックスイングの頂点で極端な内転姿勢になり、後方の肩は外転姿勢になるように伸ばされます。 この特殊な動作に加え、非常に重量のあるクラブを振り回し、地面の抵抗なども加わり、肩の障害を引き起こしかねません。 さらにゴルフでは、スイングを行う際にしばしば90°以上の水平および垂直の肩関節の運動を必要とします。 特にラウンドだけでなく練習中なども含めて、複雑な動きの組みあわされたスイング動作を繰り返し行うことによって、このような複数の動きの組み合わさることで肩の傷害の原因となることが指摘されています。頻繁にゴルフを行うことや長時間ゴルフをプレーすることも肩関節の障害のリスクと考えられています。 前後いずれの肩においても、「肩峰下インピンジメント」と呼ばれる病態が多くのゴルフ肩の原因となります。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の検査 ゴルフ肩(スイングショルダー)は病名ではなく、一連の状況が起こす症状の総称であるため、その診断は主に症状が発生するに至った経緯と症状の部位によりなされることが一般的です。 しかし、肩関節には骨や筋肉だけでなく、神経や靭帯などさまざまな組織が存在するため、これらの傷害を詳細に検討するために関節のMRIを施行することがあります。 より高齢のゴルファーの場合には、インピンジメントなどの徴候や関節内組織の傷害だけでなく、肩甲骨と鎖骨のつなぎ目である肩鎖関節の位置関係や形態の変化を調べるためにレントゲンによる画像検査を施行することもあります。 また、関節超音波(エコー)検査はさまざまな体勢で施行することができるだけでなく、関節注射などの処置のガイドにもなるため施行されることがあります。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療法 ゴルフ肩(スイングショルダー)は病名ではなく、一連の状況が起こす症状の総称であるため、傷害部位に応じた治療が必要になります。一般的には専門家によるリハビリテーションが主な治療となることが多く、提供されるリハビリプログラムは専門家によって違います。 リハビリは、肩関節に負担をかけない肩甲骨の運動矯正、肩関節の内外転・内外旋のバランス調整、およびスイングの矯正などゴルフに特化したリハビリテーションが含まれます。 特にゴルフでは、体幹を安定させることとスイング動作における全身運動の改善が不可欠です。一方で、関節唇損傷など、手術による治療などの特殊な治療を要する場合もありますので、まずは専門家に相談しましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)のリハビリと競技への復帰 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療から競技への復帰は一般的に以下のようなプロセスを必要とします。 症状の改善 ・運動負荷を減らす、状況に応じて消炎・鎮痛を行うなどして症状の改善に努めます。 ・症状が強いと協調運動に制限が出たり、リハビリテーションがうまく進まなかったりする可能性があります。 → そのため、まずは運動負荷を減らして症状の改善に努めることが多いです。 筋力と柔軟性の強化 ・とくに肩関節周囲の筋力と柔軟性を強化する。 ・症状の改善だけでなく再発の予防や競技能力の向上を目指します。 → 競技前にウォームアップの習慣をつけることも効果的と考えられています。 軽負荷による競技再開 ・ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療と並行してゴルフの動作に特化(ゴルフ復帰)したリハビリを行います。 ・手術などの体の負担の大きな治療を要した場合でも、3~4週間以内には患部の腕を使った片手のパッティングを始めることができ、ゴルフに特化したリハビリを進めることができます。 ・症状やリハビリの進行状況に応じてスイングを模した簡単な体のひねり運動を行います。 ・体幹と全身の強調運動の強化を徐々に再開します。 ・専門家の指導のもと段階的に競技負荷を強くし、2~3ヶ月目には徐々に競技への復帰を目指します。 まとめ・ゴルフ肩(スイングショルダー)とは?その原因と治療法 今回の記事では、ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因や治療について解説しました。ゴルフのスイングによる肩関節周囲組織の傷害はこのスポーツ競技特有のものです。 リハビリテーションを含む治療には医師や理学療法士などのさまざまな職種の連携が不可欠となりますので、治療にあたっては、なるべく早期に整形外科等、専門診療科に相談するようにしましょう。 手術を避ける再生医療という先端治療もあり、選択の幅も広がってまいりました。以上、参考になれば幸いです。 https://www.youtube.com/watch?v=kyCLmM6YdvI ▶こちらの動画でも詳しく解説しています。是非ご覧ください。 No.083 監修:医師 坂本貞範 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています ▼ 再生医療で腱板損傷を治療する 腱板損傷は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます
最終更新日:2024.04.03 -
- 上肢(腕の障害)
- テニス肘
- スポーツ外傷
- 肘関節
テニス肘とは、テニス経験がなくても発症します!肘の痛みでお悩みの方へ テニス肘をご存知でしょうか?テニスをされている方は、テニスエルボーと言った方が早いかもしれません。 テニスという名前がついていることからテニスをしない人には関係がないと思われがちなテニス肘。実は、テニスをしていても、していなくても、その経験に関係なく、頻回に繰り返し腕を使う仕事やスポーツをしている人にも発症する病気です。 ただ、最初は軽い痛みながら、放置したまま原因を絶たずにいると、悪化しかねません。 今回は、テニス肘について、治療法と症状、原因についてご説明いたします。この記事を読んでいただくことで、テニス肘に対する理解が深まり、適切に対処できるようになれば幸いです。 テニス肘とは? テニス肘とは正式には「外側上顆炎」といい、一般的には、ラケットを強く振るテニスプレーヤーが発症しやすいと言われています。しかし、肘の痛みを伴うこの症状は、スポーツ選手だけでなく、誰にでも発症する可能性があります。 特に前腕に負荷がかかる動きを繰り返すと、上腕の骨に筋肉が付着する腱が炎症を起こし、同じ動きを続けるうちに腱が変性し、最終的には切れてしまいます。 テニス肘は、腕を曲げたり、まっすぐにしたり、ものを握ったり、持ち上げたり、振ったりするときに、「肘の外側」に痛みを起こす可能性があります。早く治療したり、その症状を起こした原因を排除すれば症状を軽減させることができます。 どんな人がテニス肘になるのか? テニス肘は、30才から50才の人に多く、男女性別に関係なく幅広く発症する可能性があります。プロのスポーツ選手だけでなく、前腕、手首、手を激しく、かつ反復的に使う活動を定期的に行っている人は、誰でもテニス肘になる可能性があります。 テニス選手のほかにも、野球やソフトボールの選手、テニスやラケットボールの選手なども危険因子です。 例えば組立ラインの工場労働者や自動車整備士、肉屋、料理人、大工、清掃員、塗装工、配管工、歯科医、造園家、音楽家など、特定の職業に就いている人も、テニス肘になりやすいと言われています。 テニス肘の原因 手首や指を曲げたり伸ばしたりして、腕を繰り返し動かすと、前腕の筋肉が疲労してきます。テニス肘と関係のある腱は、「肘の外側」にある骨の隆起(上腕骨外側上顆)にこの前腕の筋肉を付着させています。 筋肉が疲労すると、腱により多くの負荷がかかるようになります。この過負荷が、腱鞘炎と呼ばれる炎症と痛みを引き起こしています。さらに時間が経つと、この過負荷は腱の変性を起こし、最終的には腱断裂につながります。 多くの場合は長期にわたる負荷が原因ですが、突然の腕や肘の怪我が原因で発症することもあります。まれに、原因不明で発症する人もいます。 テニス肘の症状 テニス肘の症状はゆっくりと現れる傾向があります。痛みは数週間から数ヶ月の間に悪化します。テニス肘の症状の多くは痛みにあり、には次のようなものがあります。 ・肘の外側の痛み、手首の痛み ・腕をひねったり曲げたりするときの痛み(ドアノブを回すときや瓶を開けるときなど) ・腕を伸ばしたときのこわばりや痛み ・肘関節の腫れ、触ると痛い ・ラケットやペン、または人の手などを持とうとしたときに痛みが出たり、握力が弱くなる テニス肘の診断 痛みを引き起こす可能性のある動作について質問します。また、肘関節の痛みや腫れなどをチェックするために身体診察を行います。診断のために、以下のような検査が行われることがあります。 ・骨折などを除外するための単純X線検査 ・超音波検査、磁気共鳴画像法(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンなどの画像検査を用いて、腱や筋肉の損傷の状態を評価 ・筋電図検査は、筋肉や神経の電気的活動を測定し、神経が圧迫されていないかどうかを調べる テニス肘の治療方法 テニス肘は、特別に治療をしなくても、自然に良くなることがあります。しかし、その反面、1年ほどかかることもあるので注意が必要です。 低侵襲な治療法 そこで、回復を早めることができる手術以外の方法をまずご紹介します。 ・安静:腱の治癒を待つために、数週間は痛みのある側の腕を使う活動を停止するか、作業量を減らすことを検討します ・痛み止め:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsは、痛みや炎症を和らげることが期待できます ・痛み止め:ステロイドの注射により、関節の痛みや炎症が一時的に緩和されます ・テニス肘用のサポーター:取り外し可能なテニス肘用のサポーターを痛みのある前腕部に装着します。この装具は、腱や筋肉の緊張を和らげるものです ・理学療法:理学療法による運動は、前腕のストレッチを含め、筋肉と握力を強化します 外科的治療法 低侵襲な療法を6~12カ月続けても症状が改善しない場合、関節鏡下または切開による手術を行います。手術では、通常、変性した腱を除去します。回復には4~6ヶ月かかることが一般的です。テ ニス肘になった後は、症状が再発しないように、サポーターなど装具の着用が必要となることもあります。 まとめ・テニス肘とは、テニス経験がなくても発症します!肘の痛みでお悩みの方へ 以上、今回はテニス肘についてご説明しました。 テニスをしていない人にとっては関係がないと思われがちかもしれませんが、ご説明した通り、必ずしもテニスと関係がない方でも起こりうる病態です。もしも「肘の痛み」で悩んでいる方がおられたら、早めにかかりつけの整形外科医にご相談ください。参考にしていただければ幸いです。 No.076 監修:医師 坂本貞範 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
最終更新日:2023.12.28 -
- ゴルフ肘
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ゴルフ肘は、なぜゴルフ経験がなくても発症するのか?ゴルフ肘の治し方 肘に違和感があるな・・・と思い、病院を受診した際に、「ゴルフ肘」との診断されることがあります。これは、ゴルフの経験がない場合にもおこります。なぜゴルフの経験がないの「ゴルフ肘」との診断を受けるのでしょうか?ひょっとして『診断が間違っているのでは?』などと考えてしまうかもしれません。 しかし実際、ゴルフ肘という症状はゴルフをする人に限った病気ではなく、誰でも起こりうる病気なのです。この記事を読んで『この症状はゴルフ肘かも?』と思ったら、早く治すためにも治療が手遅れになる前に、医療機関を受診し、医師に相談しましょう。 ゴルフ肘とは 通称、ゴルフ肘と呼ばれる病気は、正式名称は『上腕骨内側上顆炎』と言います。 『上腕骨』とは、肩から肘の間の骨のことで、『内側上顆』とは、肘の内側のことを言います。手のひらヘソの方向にむけた際に、同様にヘソの方向をむく肘の場所のことを言います。 その上腕骨の内側上顆にある筋肉や腱に炎症が起こった場合に発症するのが、「上腕骨内側上顆炎」つまり、「ゴルフ肘」です。ゴルフでクラブをスイングをした際、肘に痛みが出現することから、ゴルフ肘と呼ばれるようになったといいます。 ゴルフ肘で炎症が起こる内側上顆という場所に付いている筋肉は、手のひらを内側に向けて動かす動きや、物を握るような動きなど、腕のあらゆる動作に関わっています。そのような腕の動作を何度も繰り返し行ったり、使いすぎると、筋肉が引っ張られ、炎症を起こし、ゴルフ肘を発症すると言われています。 この病気ですが、ゴルフの他にもテニスに選手にも発症すると言われています。しかし、実際には、スポーツが原因の人は少ないと言われています。肘の関節を曲げたり、伸ばしたりする動作を繰り返したり、肘関節をたくさん使うような職業の方は誰でも起こりうる病気です。 さらに、仕事をしていない方でも、日常的に肘を酷使している場合、主婦などの一般人にも生じる病気なのです。 ・上腕骨:肩から肘の間の骨を指す ・内側上顆:肘の内側のこと ゴルフ肘の症状と診断 ゴルフ肘の症状は、肘の痛みですが、痛みは、日常生活の過ごし方によって、様々な形で出現します。ゴルフ以外のスポーツ、テニスであれば、ラケットのグリップを強く握った時や、強くラケットを振った場合に痛みを感じると言われています。 日常的に仕事で肘を使う人でしたら、例えば、重い物の積み下ろしを繰り返し行ったり、釘を打ったりする動作を繰り返す時に痛みを感じます。そのため、引っ越し業や大工さんにもよく発症すると言われています。 主婦の方は、料理で包丁を使う動作などの反復作業の中で症状が出現することもあります。ゴルフ肘は、いわゆる肘の使い過ぎによって起こる病気です。そのため、医師の診察でも、肘の曲げ伸ばしを日常的に繰り返ししているか聞かれ、診断の材料になります。 実際の診察現場では、手のひらを上に向けた状態で、テーブルの上に置き、医師が手首を押さえ、手首を上に向けてあげようよう指示をした際に、肘の内側が痛くなるような時に、ゴルフ肘が疑われます。 さらに、レントゲン検査で骨が変形していることや、超音波検査やM R I検査などの画像検査を行い、炎症を確認して総合的に診断が行われます。 ゴルフ肘の治し方 ゴルフ肘の治し方、治療法は、その重症の度合によって変わります。 ほとんどの場合で、肘の使い過ぎをやめ、安静を保てば痛みがひくことが多くあります。肘をなるべく使わないようにすることが必要になるため、場合によってはサポーター等の装具や、テーピングなどを行い、肘を安定させ、肘の安静を保つようにします。 肘を使わないことで自然と炎症が治り、症状が改善してまいりますが、安静を保つことに加えてストレッチや、筋力トレーニングなどのリハビリを併用して行うこともあります。 ただ、痛みが酷い場合などは、薬物による治療も行われます。ステロイドと呼ばれる薬剤を傷んでいる場所に注射したり、痛み止めの薬を服用します。また炎症を抑える薬を飲んだり、湿布を行ったりする治療を行います。 ゴルフ肘の治し方(治療) ・サポーター(装具)肘を安定させ、安静に保つ ・リハビリによる保存療法(ストレッチ、無理のない筋力トレーニング) ・痛み止め、湿布などの薬物の使用 ・悪化すると手術の可能性もあり しかし、治療が遅れたり、症状がよくならない、重症である場合は、手術という選択も行われることがあります。手術などしたくないものですが酷くなると、腱が傷ついていたり、千切れたようになることもあり、そうした場合は、手術が必要になります。 手術を行えば、ほとんどの場合、痛みは改善することが多いのですが、注しなければならないこととして、手術は皮膚を切って傷ついた腱を修復します。そのため、手術することで合併症など傷が感染するリスクもあります。また、少ないながら麻酔によるアレルギーや、副作用の出現もあり得ない話ではありません。 また手術を行った場合は、入院での加療となることで仕事への影響や、ご家族様の負担が増えてしまうのは遺憾ともしがたいものです。 いずれにしましても、このような心配をしなくても良いように、肘に違和感を感じたら早く治すために積極的に医療機関に足を運び治療を開始するようにしましょう。 それでも悪化して手術という場合に、手術を避ける方法があります。それは、再生医療という最新の治療法です。再生医療なら手術をせずに、入院も不要という新しい方法です。興味があれば以下のリンクから詳細を知ることができます。 ▼筋・腱・靭帯損傷に対する再生医療 再生医療は、手術を避けて入院も不要な最新治療方法です まとめ・ゴルフ肘は、なぜゴルフ経験がなくても発症するのか?ゴルフ肘の治し方 ゴルフ肘は、ゴルフを行わない人でも誰でも、起こりうる病気です。 早く治すためには、早く治療に入ることが大切です。手遅れになって重症化しないうちに治療を開始しましょう。治療が遅れると悪化し、結果として手術を選択しなければならないこともあるので、「この程度なら」との自己判断は禁物です。 手術自体、症状の改善以外の部分、感染症のリスクなどもあり、手術後には痛みもあります。さらには昨今の新型コロナウイルスの関係で入院中は面会もできない病院が多く、入院は、辛い体験だったと感じる患者さんも少なくないといいます。 『自分はゴルフをしないから大丈夫だ』と考えず、肘に違和感を感じたら、スポーツ以外、仕事であっても我慢したりせず、手遅れになる前に病院等にて医師の診察を受けられることをお勧めします。 以上、ゴルフ肘は、なぜゴルフ経験がなくても発症するのかについて記させていただきました。参考にして頂ければ幸いです。 No.066 監修:医師 坂本貞範
最終更新日:2023.12.28 -
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テニス肘は、テニスの経験がなくてもテニス肘と診断されることがあります テニス肘(テニスエルボー)は、手首や腕の反復運動によって肘の腱に負荷がかかり、痛みを伴う疾患です。通常はテニスをされる人に多く見られる状態です。しかし、テニスを一度もしたことがないのに、テニス肘と診断されることがあるのです。 この記事では、テニス肘について説明し、テニスが未経験であっても、どのような状況になるとテニス肘を発症するのか?ご説明してまいります。 テニス肘とは? テニス肘について簡単に説明します。テニス肘はテニスエルボーとも言われます。その痛みは、主に前腕の筋肉の腱が肘の外側にある骨の隆起に付着する部分に発生します。また、前腕や手首に痛みが広がることもあります。 通常安静にしているときには痛みは感じませんが、例えばドアノブを回す、タオルを絞る、またキーボードを操作するなどのように、手首を捻ったり反らせたり、また指を伸ばす動作をすると、肘の外側に痛みが誘発されます。場合によっては、コーヒーカップを持ち上げるだけでも痛みを感じることがあります。 症状が進行すると、安静時でも肘に痛みを感じるようになり、なかなか痛みが消えなくなります。 テニス肘の原因 テニス肘には、腕の使いすぎと筋肉疲労が背景にあります。原因は、手首を動かしたり、指を曲げたり伸ばしたりするための前腕筋を、繰り返し収縮させることです。 手首を反らせたり、手で握ったりすると、前腕の筋肉(伸筋)が収縮します。繰り返される動作と組織へのストレスにより、前腕の伸筋が上腕骨の肘の外側にある骨の突起に付着する部位に傷がついてしまい、炎症が起きることがあります。 この骨の突起は、「上腕骨外側顆」、前腕の筋肉は「短橈側手根伸筋」という名前がついています。尚、テニス肘の正式名称は「上腕骨外側顆炎」と呼ばれるものです。 テニス肘は、その名が示すようにテニスプレーにおいて、特にバックハンドストロークを技術が未熟なうちから、繰り返し行うことで肘の外側部分に負担を掛けてしまうことが原因で起こります。しかし、テニス以外、他の多くの一般的な腕の動きでも、テニス肘を引き起こす可能性があります。 なお、テニス肘は発症してからの時間が経つにつれて、炎症を抑えることができなくなります。そのような状況になると筋肉や腱の繊維組織はその強度を失ってしまいます。繊維組織はもろくなり、折れたり、傷つきやすくなったります。 そして繊維組織は傷つくたびに、瘢痕を形成します。やがて、腱は瘢痕組織によって肥厚していきます。 このような状況になると、腱はもはや正しく機能せず、痛みが続くようになり、運動していないときでさえ痛みが生じるようになります。 テニス肘は発症後時間が経つと進行すると ・炎症を抑えることができなくなり、筋肉や腱の繊維組織は強度を失っていきます。 ・繊維組織がもろくなり、折れたり、傷つきやすくなり、瘢痕を形成します。 ・腱は瘢痕組織によって肥厚します。 ・腱は正しく機能せず、痛みが続くようになる。 ・運動していない場合でも痛みが生じるようになる。 テニス肘の治療 安静と鎮痛薬で、テニス肘の痛みが和らぐことが一般的です。痛みが激しい場合は、炎症が起こっている肘の周囲にステロイド薬を注射することもあります。 症状が慢性化すると、定期的なストレッチを含む理学療法が有用だと言われています。このような保存的治療が効かない場合や、症状が重篤な場合は、手術が必要となることもあります。 テニス未経験なのにテニス肘と診断されることがある 手首や腕の使いすぎが原因となっているテニス肘は、テニスをする人によくみられる状態であることは間違いありません。しかし、テニスのほかにも同じような動作を繰り返すような動作を行えばテニス肘を発症することになりかねません。 次に、どのような場合にテニス以外にテニス肘がみられるのか、ご紹介します。 腕をよく使うスポーツ 一部のスポーツを除き、頻繁に腕を使うスポーツは多くあります。そのなかでも特にテニスと同じようにラケットを使うスポーツであるバドミントンや卓球、スカッシュでも、テニス肘はよく起こります。 そのほかにもゴルフや、ウェイトリフティングでも、同様の症状がみられることがあります。 腕をよく使う職業 その名前にもかかわらず、テニス肘を発症するのは、アスリートだけではありません。テニス肘になるような職業もあります。特に力を入れて手首や腕を動かす必要のある、配管工、塗装工、大工などが、テニス肘を発症しやすい職業として知られています。 そのほかにも、特に肉を切るように力を入れて包丁を扱ったり、重い鍋を持って動かしたりする料理人、また特に体を動かすわけでもないタイピングやマウス操作を繰り返し行う人も、テニス肘を発症することがあります。 テニス肘の危険因子 そのほか、テニス肘の発症リスクを高める要因としては、以下のようなものがあります。 ・年齢:テニス肘はすべての年齢層で発症しますが、特に30~50歳の成人に最も多くみられます ・職業:手首や腕の動きを繰り返すような仕事をしている人は、テニス肘になりやすい ・例えば、配管工、塗装工、大工、料理人などが挙げられます ・特定のスポーツ:ラケットを使用するスポーツに参加すると、テニス肘のリスクが高まります。 まとめ・テニス肘は、テニス未経験でもそう診断されることがあります テニス肘の概要、またテニスをしたことがなくても、どのような状況であればテニス肘を発症することがあるか、ご説明しました。 抵抗に逆らって手首を反らせると痛い、肘の外側の骨のあたりを押すと圧痛がある場合は、このテニス肘の可能性が高いと考えられます。しかし、テニス肘は、最終的には医療機関で正確な診断を受ける必要があります。 もし肘の痛みを感じる方がおられるようであれば、慢性化して治療が困難となる前に、整形外科医の診療を受けることをお勧めします。以上、テニス肘は、テニス経験がないのにテニス肘と診断されることがあるについて記させて頂きました。参考になれば幸いです。 No.063 監修:医師 坂本貞範 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 再生医療は、生活の質を守る治療です(詳しくは(詳しくはこちらから)
最終更新日:2023.12.28 -
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クリーニング手術で野球選手の肘の悩みを解決する 「野球肘」という言葉を聞いたことはありませんか。 野球肘と一言で言っても、いろいろな種類がありますが、例えば、子供時分、まだしっかり身体が出来上がっていない成長期に野球の投球動作を繰り返し行うことで肘への負担が大きくなり、肘の曲げ伸ばしに支障が出るといった症状が発生することもあります。 この場合は、離断性骨軟骨炎と言われる野球肘が疑われます。症状が進行すると肘の痛みが強くなっていき、急に肘関節が動かせなくなることもあります。 この症状の治療は、関節内に遊離した軟骨成分や関節周囲に新たに形成された骨棘を取り除く手術が必要となり、これを「クリーニング手術」と呼称しており、主に肘関節などを損傷したスポーツ選手が受ける機会が多いと考えられています。 今回は、野球選手が抱える肘の悩み、そしてその苦悩を解決するクリーニング手術に関して詳しく解説していきます。 野球選手が抱える肘の悩みについて 野球肘とは、いわゆる投球する際に必要な動作を、繰り返し行うことで発症する肘の障害を指しており、「離断性骨軟骨炎」や、「軟骨損傷」、「靭帯損傷」、さらには将来的に合併される可能性が懸念される「変形性肘関節症」などを含めた複数の病態を示しています。 野球選手がボールを投球する際には肘に大きな外力が加重されますが、そのような中でも速球を投げる、あるいは悪いフォームで無理に投球すると通常に比べて肘部分にかかる負担がかなり増加し、肘関節に無理が掛かります。 また、球数が多くなると自然と肘関節に対する負担が増大して、これら、ひとつ、ひとつの負荷があまりにも大きくなっていくと自ずと肘関節部分における骨成分や靭帯組織が損傷して故障に繋がることになります。 一般的に、肘関節は「上腕骨」、「橈骨」、「尺骨」の3つの骨で構成されており、これらをそれぞれ繋いでいる靭帯組織が内側と外側に存在します。上腕骨の内側の部分には野球ボールを握る、または投球中にスナップや、ねじりや、回転を効かせる際に動作している筋肉が付いています。 通常、ボールを投球する際には肘関節の内側部位では、その動作に伴う牽引力によって周囲の骨や靭帯が強く引っ張られる結果として剥離骨折や靭帯損傷などが引き起こされることがあります。 さらに、肘関節の外側部位では労作時における急激な圧迫力が働いて、軟骨や骨領域に障壁が起こりやすいと考えられており、関節後面では骨同士の摩擦によって疲労骨折や剥離骨折が引き起こされることが知られています。 野球選手の肘の悩みを解決するクリーニング手術とは 野球選手が競技を長年に渡って継続すると、少しずつ肘部分に変形や、関節ネズミと言われる、骨の破片(剥離片)が形成されて、障害を受けることが多いとされています。 肘関節部に大きな骨棘が認められると自然と肘関節の屈曲伸展運動がしづらくなり、離断性骨軟骨炎、肘頭骨棘骨折、軟骨損傷などによって形成された軟骨や骨の剥離片が骨間に挟まれることで強い痛み症状が出現します。 これらの症状が進行し、悪くなると、安静にしてもなかなか痛みが治らない、関節の曲げ伸ばしに支障が出たり、再燃して繰り返すなどの場合には、関節鏡を用いてクリーニング手術を勧められることがあります。 基本的には、全身麻酔下に肘関節の側方や後方に小切開を設けて、同部に細い関節鏡を挿入し、関節内に手術器具をインサートしながら、テレビモニター画面に映し出される関節内の画像を術者や助手が供覧して手術処置を実行します。 実際の手術現場では、関節内の病変について、くまなく確認することから始まり、肘部の痛みや引っ掛かりの主たる要因となっている病変部位を切除摘出することになります。 具体的な手技手順としては、まずは高周波電気メスにより異常滑膜を切除して、損傷軟骨部位をきれいにトリミングします。 次に、肘関節を伸展および屈曲する際に疼痛症状の原因となっている骨棘形成部位に対して関節鏡を視野に入れながらシェーバーという細い吸引付ドリルで骨切除するように処置します。 関節ネズミと呼ばれる関節遊離体が認められる場合には、関節鏡手術によって同時に遊離体を摘出除去することも可能です。これをクリーニング手術と言います。 順調にいけば通常では手術時間自体は約1~2時間で完遂できますし、術後約1週間前後で徐々に投球練習を再開してリハビリを実践し、手術してから概ね1か月後には競技に復活でいる可能性が高くなります。 > スポーツ選手が、手術を避けて取り組める再生医療はこちら まとめ・クリーニング手術で野球選手の肘の悩みを解決する 今回は野球選手が抱える肘の悩みとその解決策になり得るクリーニング手術について詳しく解説してきました。 野球の投球動作などによって知らぬ間に肘関節部分に過剰な負担がかかり、肘の痛みや関節可動域制限などの様々な症状を呈する病気を野球肘と呼んでいます。 従来では、野球肘を始めとする肘関節障害に対しては大きく皮膚切開することで周囲の正常な腱組織や筋肉をかき分けて関節部に至る必要があったために手術治療は復帰期間も含めて野球選手にとっても非常に侵襲的(体への負担が大きい、今回の場合は手術による傷が大きくなる)で負担が大きかったと考えられます。 しかし、近年では、特に画像検査技術により、早期的に野球肘を発見できた場合には、関節鏡手術の技術進歩や手術成績の向上によって低侵襲での手術が可能となり、そのために術後経過も良好になるといった傾向があり、短期間で競技に復帰できる割合も増加していると言います。 以上、クリーニング手術で野球選手の肘の悩みを解決すると題して説明させて頂きました。本記事が参考になれば嬉しく思います。 No.052 監修:医師 坂本貞範 ▼関連記事はこちら 野球肘の予防法|ストレッチで選手生命を伸ばす 野球肘・離断性骨軟骨炎はスポーツする子供に多い!その症状と治療法
最終更新日:2023.12.28 -
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大谷翔平やダルビシュなどのピッチャーが頼るトミー・ジョン手術とは トミー・ジョン手術という言葉、何か聞き覚えがあったり、テレビや雑誌、新聞等で耳にされた経験のある方も多いのではないでしょうか。 例えばアメリカのMLB(メジャーリーグ)の有名日本人プロ野球選手である「大谷翔平選手」「ダルビッシュ有選手」など、この手術を受けて復活し大きな注目を浴びています。 もちろんこの二人以外にも実に多くの選手がこの手術を受けています。MLB(メジャーリーグ)に関わらず日本球界にも手術経験者が数多く存在します。 メジャーリーグで活躍する日本人で近年、トミージョン手術を受けた主なメジャーリーガー 前田健太 ミネソタ・ツインズ 大谷翔平 ロサンゼルス・エンゼルス ダルビッシュ有 テキサス・レンジャース 藤川球児 シカゴ・カブス 松坂大輔 レッドソックス 野球の中でも、とりわけピッチング(投げる)という動作では、速球や変化球を何度も繰り返すことになり、腕に大きな負担を掛けるリスクがあります。 これらの症状に用いられるトミー・ジョン手術とは、肘関節部の腱や靱帯の損傷あるいは断裂といった症状に対して腱や靱帯を再建するための術式です。 ちたみにトミー・ジョン手術という名称は、医学用語でも、術式の名前でもありません。 実は、1974年にフランク・ジョーブ医師がこの術式を考案し、歴史的に初めてこの手術を受けた投手がこそ「トミー・ジョン氏」という野球選手で彼の名称にちなんでこのように呼称されるようになりました。 今回は、肘の問題を抱えた野球選手が復活を目指すために行うトミー・ジョン手術の概要と本手術における利点や、欠点などに関して詳しく解説します。 トミー・ジョン手術に至る原因となるピッチング動作 一般的に、野球競技で投球を繰り返すことで体幹や胸郭などのバランスが悪くなると肩や肘の力でサポートしたり、カバーしようと身体が反応し、意図せず働いてしまいます。 その際、上腕骨と尺骨を連結している肘関節部分に位置する内側側副靱帯に過剰な負担がかかり損傷が生じることがあります。 肘の靱帯が正常な状態の投手が、実際の投球中に靱帯をいきなり切ることはまずありません。しかし、小学生のころからプレーを続け、何度も繰り返される動作は負荷となって最初は小さなほころびでも積み重なることで切れてしまったり、大きな損傷となってしまうのです。 つまり、幼少期、小学生時代から繰り返し、肘部に負荷が積み重なって成人してから靱帯が断裂するという説です。 これに対して一部の整形外科医や球界関係者らは、これらの靭帯損傷を引き起こす最大の原因は、積み重ねは大きな要因ながらも、一番の原因は、投球フォームにあるとも主張しています。肘に負担が掛かる投球フォームが問題とする説です いずれの説も間違っていないと思いますが実際のところは両者の意見が組み合わさったところにあるのではないかと考えます。幼少期よりの負担の積み重ねが問題という説も正しく、フォームの問題も正しいのだと思います。 いずれにしろ野球選手にとって避けては通れないスポーツ外傷というほかありません。 トミー・ジョン手術に至る原因として考えられるもの ・幼少期からの積年にわたる肘(靭帯)の使いすぎ ・肘に負担が掛かる投球フォーム上の問題 ・これらの複合 野球の投手が復活をかけるトミー・ジョン手術とは トミー・ジョン手術とは、損傷した腱や靱帯をいったん切除します。 そののちに、患側と反対側あるいは同側の前腕部にある長掌筋腱や下腿、臀部、膝蓋腱から正常な腱の一部を摘出してこれを上腕骨と尺骨に作成した孔を介して両端にテンションをかけた状態で固定して靭帯の代わりになるように移植する処置を実施します。 この移植した腱組織がちょうど靱帯の代わりとして患部周囲に定着させることになります。ただ定着するまでにある程度の時間がかかると言われており、トミー・ジョン手術を行ってすぐに戻るものではなく、長期的なリハビリによる加療を実践することが求められます。 リハビリは、大体2か月程度かけて肘関節の可動域を元の状態に復帰させていきます。その上で日常生活レベルで支障なく肘を動かせるようになれば、今度は軽い負荷からのウェイトトレーニングを開始することになります。 これらのリハビリは手術と同じ位大切です。患部の状況、選手の意識を加味しながら正常へと導いていく技術や経験、そして選手からの信頼が求められます。 肘のみならず腕全体を強化する為に様々な訓練を受けて、通常レベルの運動労作ができるまで回復した時点で、実戦的に投球練習を再開していくスケジュールになることが多いようです。 ・トミージョン手術は、手術後の長期のリハビリが必要 ・トミージョン手術は、手術後のリハビリ、トレーニングといったプログラムとその管理が非常に重要 トミー・ジョン手術における利点と欠点 この章では、損傷した靭帯を切除して同部に患者さん自身の他部位からの靭帯代用組織を移植することにより負傷箇所の修復を狙うトミー・ジョン手術における利点及び欠点について解説していきます。 トミー・ジョン氏がこの手術を受けた1970年代は、手術自体の成功率が何と1%未満とされていましたが、1986年から2012年までに本手術を実施された野球投手を調査した結果、約80%~90%もの人々が実戦復帰を果たせるまでに手術の成功率が格段に向上しています。 この手術における成功率が向上した要因としては、手術そのものの技術的な進歩のみならず術後のリハビリテーションの知識と経験の蓄積が顕著な治療成績の改善を生み出したと考えられています。 ただし、通常ではトミー・ジョン手術による治療からリハビリ加療を含めて実戦復帰するためには約12か月から18か月前後要すると考えられており、仮に実戦復帰できたとしても所属球団の方針によっては厳しく球数を制限されることがデメリットとして想定されます。 あるいは、術中操作に伴う尺骨神経の障害は、トミー・ジョン手術後の合併症において頻繁に起こる可能性があります。 ・メリット:トミージョン手術の成功率:80~90%が実践復帰 ・デメリット:手術後のリハビリ期間が1年~程度必要 ・デメリット:手術とリハビリからくる期間的リスク ・デメリット:合併症の危険性 まとめ・大谷翔平やダルビシュといった野球選手が頼るトミー・ジョン手術とは 今回は、「野球の投手が復活をかけるトミー・ジョン手術」について、その概要や本手術における利点や欠点などに関して詳しく解説してきました。 特に野球投手では、無理な投球フォームを繰り返して行うことで肘関節の内側部が痛みだして、さらに肘の屈曲あるいは伸展運動もしづらい状況となり、医療機関での精査の結果、肘の内側側副靭帯損傷と診断されることもあるかと考えられます。 その際に、投球練習や実戦登板をいったん中止することで疼痛症状などが改善する場合もありますが、損傷程度が重症になれば手術をしないと復帰が困難であることも考えられ、そんな時に実施される一つの手術術式がいわゆる「トミー・ジョン手術」です。 手術の成功率が80~90%と飛躍的に伸びていることからも、最近多くの野球選手が受けている肘内側側副靱帯を再建するトミー・ジョン手術は選手にとって希望ある選択肢として捉えられている傾向があります。 本手術においては野球選手にとってメリット・デメリットが挙げられますので、十分に専門家や医療機関及び主治医とよく相談して方針決定されることをお勧めします。 今回の記事の情報が肘の故障で悩まれている方々へ少しでも参考になれば幸いです。 No.S075 監修:医師 加藤 秀一 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています ▼関連記事はこちら 野球肘の予防法|ストレッチで選手生命を伸ばす 野球肘・離断性骨軟骨炎はスポーツする子供に多い!その症状と治療法
最終更新日:2023.12.14 -
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ふくらはぎの筋断裂、症状と予防、リハビリについて 筋断裂は、いろいろな部位で起こる可能性がある症状です。 中でも起こりやすい部位は「ふくらはぎ」です。「筋断裂」とは、スポーツなどで急に強い力や、無理な力がかかった際に、筋肉が耐えられなくなって筋線維が損傷、避けたり、破れたりして断裂することを指しています。 筋線維のうち、一部など範囲が限定的、部分的な断裂の場合は「部分断裂」といい「肉離れ」とも言われます。筋断裂が起こると、たとえ部分断裂であっても強い痛みが起こり、それ以上の運動は難しい状態、動けなくなるため、歩くことも困難になります。 ふくらはぎのは、歩行や走る場合、立っている時の姿勢の安定などに関わっています。また、血液を心臓へ戻す役割を果たすことから第2の心臓とも言われる筋肉です。そのため、筋断裂を起こすと生活に大きな支障が出てしまいかねません。 今回は、ふくらはぎの筋断裂の症状や原因、再発防止や予防法について紹介してまいります。 ふくらはぎの筋断裂の症状 ふくらはぎの筋断裂の主な症状は、ふくらはぎの痛みや内出血です。ふくらはぎの一部分に凹みができる場合もあります。ふくらはぎの痛みは、その度合いによって異なります。 安静時や、軽く歩く程度なら問題ないものの、走るときだけ痛いという場合もあれば、歩くだけでも痛い場合もあります。また、重度の場合は、たとえ安静にしていても痛みを感じる場合があります。 ふくらはぎの筋断裂の症状 ・軽く歩く程度は問題なくとも走ると痛い ・歩くだけでも痛い ・重度なら安静にしていても痛みを感じる ふくらはぎの筋断裂の主な原因 ふくらはぎの筋断裂の主な原因は、筋力の低下や柔軟性の低下、疲労の蓄積などが挙げられます。 スポーツなど激しい動きの有無にかかわらず、事前にウォーミングアップ目的のストレッチを行ったり、終了時にはクールダウンのスチレッチを十分に行うことが大切です。このような準備が不足すると筋断裂の原因につながります。 また、筋力のバランスや身体の動かし方が悪いことも筋断裂が起こりやすくなる原因になります。そのため、スポーツをしている人はフォームやトレーニング方法を見直すことも必要です。 これはスポーツをしていない人にも当てはまり、普段の姿勢などを見直してみるてはいかがでしょうか。 ふくらはぎの筋断裂の原因 ・筋力の低下 ・筋肉の柔軟性の低下 ・筋肉への疲労の蓄積 ・スポーツ前の準備不足 ・スポーツ時のフォーム、トレーニングの内容 ふくらはぎ筋断裂の予防 ・スポーツなどでは事前にウォーミングアップ、ストレッチを行う ・終了時にはクールダウンのスチレッチを行う ・スポーツでは筋力のバランス、身体の動かし方の見直し ・スポーツではフォームやトレーニング方法を見直す ・スポーツ以外、普段の姿勢を見直す ふくらはぎの筋断裂の再発防止や予防法 ふくらはぎが筋断裂を起こすと痛みや動きの制限などで悩まされることになるので、再発防止や予防が必要になります。特にスポーツに取り組んでいる人などは、完全に回復しないまま早期復帰したために、再発することがあるので無理や、自己判断による大丈夫との過信は禁物です。 ふくらはぎの筋断裂の再発防止や予防に効果的なのはストレッチですが、筋肉は色々な方向に向かって付いているため、ストレッチする際は一つの方向にだけ伸ばすのではなく、いろいろな方向へ伸ばしたり、捻りや回転などを加える意識を持ってください。ストレッチは、複数の動きを取り入れましょう。 筋断裂の再発防止 ・激しい動きやスポーツは事前のウォーミングアップと事後のクールダウンを行う ・身体のバランスを整える、正しい姿勢を知る ・身体の柔軟性を高めるストレッチは有効 ・ストレッチは一方向だけでなく、筋肉に合わせた色々な方向へのストレッチを行う 筋断裂の回復に欠かせないリハビリ 何故リハビリが必要なのか?どのようなリハビリが必要か? という疑問や質問がある人のために、筋断裂の治療でリハビリをおこなう理由や、リハビリを始めるタイミング、どのようなリハビリをおこなうのかについてご紹介しましょう。 筋断裂の治療でリハビリをおこなう理由 筋断裂の治療でリハビリをおこなう主な目的は、柔軟性と筋力の回復です。筋断裂が起きて筋組織が回復していくなかで、患部とその周囲は徐々に硬くなっていきます。 幹部や周囲が硬くなったまま、これまで通り部位を使用していると、思うように動かすことができなかったり、大きな負荷がかかって筋断裂が再発する危険性もあります。 また、筋断裂が起こると動かせる範囲も制限され、動かせたとしても安静にしておく必要があるため、どうしても筋力が低下してしまいます。 そのため、患部をはじめとした州にも硬くなった部分の柔軟性を改善していくと共に、低下した筋力も改善していかねばなりません。このように、柔軟性と筋力を回復させ、発症前と同じような動きができるよう、そして、再発防止のためにリハビリはとても重要なのです。 筋断裂、リハビリの目的 ・柔軟性と筋力の回復 ・硬くなった部分の柔軟性を改善し、再発予防 筋断裂のリハビリを始めるタイミング 筋断裂のリハビリは、筋断裂を起こしてからいきなり始めるわけではありません。 なぜなら筋断裂が起きると断裂した部分は炎症を起こします。そのため、炎症を起こしている間は安静にして、患部を冷やしたり、圧迫し、血腫が大きくなるのを防ぐなどして、痛みや腫れが軽減していくのを待つことが必要です。 その後、腫れが治まり、痛みが治まるのを待って、ゆっくりと患部を動かしてみます。痛みなくリハビリをおこなえる状態であれば、そこからリハビリを開始することになります。 筋断裂のリハビリ リハビリの内容は医療機関や指導者によって異なりますが、ストレッチと筋力トレーニングが基本となります。ストレッチは、患部が軽く伸びるくらいの強さで、時間をかけて(20秒から30秒くらい)ゆっくりと伸ばしていきます。 それを3セットから5セットくらい行います。 筋力トレーニングは、筋力低下を改善するという目的の他にも、患部に刺激を与えることで回復が早まることも期待できます。例えば、筋断裂が起きやすい太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)の筋力トレーニングでは、うつぶせになって足を伸ばした状態で上へ挙げるヒップエクステンションというトレーニングがよくおこなわれます。 このようにリハビリ目的での筋肉トレーニングは有効ですが、こうしたトレーニングは過度に行うべきではなく、その際は専門家の指導の下、行うことが再発の防止につながります。 まとめ・ふくらはぎの筋断裂、症状と予防、リハビリについて ふくらはぎの筋断裂の症状や主な原因、再発防止や予防法について紹介しました。ふくらはぎの筋断裂を起こすと痛みや動きの制限で悩まされることになります。 再発したり、慢性化したりしないようにストレッチなどでウォーミングアップやクールダウンをしっかりおこなうようしましょう。また、もし筋断裂を起こしてしまったときは、適切な治療を受けることが必要です。 筋断裂の治療でおこなわれるリハビリは、筋断裂が回復するまでしっかりとリハビリをおこなうことは大切ですが、回復して、筋断裂を起こす前と同じような生活を送れるようになった場合も、再発防止のため、ストレッチなどを行うなど発症予防をしましょう。 以上、筋断裂に注意したい「ふくらはぎ」と、そのリハビリについて記してまいりました。 最近は、スポーツ医療の分野で、「再生医療」に注目が集まっています。この再生医療についても詳細を知っておき、万一の筋断裂を治療する選択肢の1つとして検討してみられてはいかがでしょうか。 No.S045 監修:医師 加藤 秀一 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
最終更新日:2024.05.08 -
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野球肘を予防する!ストレッチで選手生命を伸ばす スポーツをする上で気を付けたいのが何といってもケガや故障です。 今回ご説明する「野球肘」は少年野球の選手のうち5人に1人が発症するとされるスポーツ障害の一種です。野球肘は、ボールを投げる動作を繰り返すことで起こります。 特に子供さんが野球チームに入り、ピッチャーの才能があることが分かっても手放しで喜んではいけません。ピッチング、投球のしずぎで肘の故障を起こして結果的に野球を断念…といこともあり得るからです。 せっかくの才能をつぶさないで伸ばしてあげるためにも野球肘には十分注意してあげなければなりません。子供さんからの肘が痛いというサインを見逃さないでください。 日本は、とかく根性論に走りがちです。根性は大切ですが万一、症状が悪化してしまっては本末転倒、選手生命を奪いかねません。そこで野球肘の原因や予防方法を知って是非、選手生命を伸ばす方向で取り組んで頂ければと思うのです。 野球肘とは 野球肘とは、ピッチングなど、ボールを投球する動作が原因で起こる「肘関節の損傷をまとめた呼び方」です。 野球肘|起こる原因 野球肘は、肘に反復して過度な負担がかかることが原因で発症します。野球のボールを投げる動作は、腕を大きく振りかぶった状態から肘の機能を使って力いっぱい投げおろすため、肘への負担が大きな動作となります。この動作を繰り返すことで肘の靱帯や軟骨に大きな負担がかかってしまうのです。 野球肘|種類 野球肘は肘関節のさまざまな部位で起こりますが、痛めた部分によって大きく3種類に分けられます。 野球肘が起こる部位 ・肘の内側の骨である橈骨側の靱帯や軟骨を損傷してしまうもの ・肘の外側の骨である尺骨側の軟骨を損傷してしまうもの ・尺骨自体を損傷してしまうもの 肘の内側には骨や靱帯が引き離される方向に力がかかりますが、この引っ張られる力は、関節を痛めやすいため、橈骨側の靭帯は野球肘の起こりやすい部位です。 一方、肘の外側と後ろ側には骨がぶつかり合う方向で力がかかります。そのため、骨自体に損傷を与えてしまうことで発症すると重症化しやすく、注意が必要になります。 野球肘|症状 野球肘は、ボールを投げるときの痛み、違和感が代表的な症状です。痛みについては、投げるときのみの場合と、投げた後しばらく痛む場合がありますが、軽症の場合なら、安静にすることで痛みは引きます。 これは良いことのようですが実は、この痛みが引いてしまうこと困りものと言えるのです。 なぜなら、少々痛くても休んたら大丈夫と勘違いしてしまうからです。その結果、治療せず放置し、痛みが継続的に出るようになり、こうなると重症化して治りにくくなります。 無理は禁物ということですが、この部分は本人だけでなく、周りの意識も非常に重要です。肘が痛いという言葉に敏感にならなければなりません。 野球肘|治療法 野球肘の発症後、その治療は、何よりも安静が第一です。短くても数週間、長いと数年、野球肘と付き合いが続く可能性があります。そのためにも、症状や違和感を感じたら、少しぐらいと我慢してはいけません。 軽症のうちから医療機関を受診し、指導を受けて重症化を防ぐことが必要です。 すでに野球肘の症状がある場合 野球肘の心配がある場合は、初期の段階から医療機関で診察を受けることをお勧めします。野球肘の症状がある場合は、何年も肘の安静を強いられることがないように、重症化を防ぐ必要があります。 まずは投球する回数を減らし、肘を休ませましょう。そして、長くプレーを続けるためには、肘に負担が掛かる投げ方をしていないか指導者を交えての指導が必要です。肘に負担が掛かるような投げ方を改善する必要があります。 治療については、スポーツ外来などがある医療機関を受診し、治療はもちろん、リハビリを含め、以後の取り組みについて指導を受けるようにしましょう。エコー検査やレントゲンなど検査を受け状態を確認し、早期に治療を開始することが大切です。 野球肘|予防にはストレッチが有効 肘の関節や靭帯を守るため、動かす前に準備が大切!野球肘を予防するには、プレー前に関節をしっかり伸ばすストレッチを行いましょうす。スポーツの前後にストレッチをしっかり行うことは、大切ですが肘周りのストレッチだけで安心していてはいけません。 野球肘の予防には、肘の関節だけでなく、全身の柔軟性を上げることが重要だからです。そこで以下に野球肘の予防に効果的なストレッチをご紹介します。 野球肘を予防するストレッチの種類 運動前に準備運動を行ったり、ストレッチを行うことは一般的に知られています。野球肘の予防にもストレッチは大切です。肘周り、肩回り、下半身と全身の柔軟性を上げてから練習に挑むことでケガや故障を防ぐことが可能になるからです。 野球肘は肘の酷使が原因ですから、まずは、肘の負担を減らすために肘周りの関節をほぐしていきましょう。痛みがあるときは無理して行わず、専門家に相談することをお勧めします。 手首・肘の内側を伸ばすストレッチ 片手をまっすぐ前に伸ばします。この時、手の甲は天井を向き、手首と腕が90度になるようにします。そして、伸ばしている手と反対の手で、指先を体の方に引き寄せましょう。 次の動作は、そのまま手のひらを反時計回りに180度回転させ、手の甲が地面を向くようにします。そのまま手のひらを机などの平らなところに着き、ゆっくりと体重をかけていきます。 肩・肩甲骨をほぐすストレッチ 投球動作では、肩にも大きな負担がかかります。肩甲骨周りの可動域を広げることは、きれいな投球フォームを作ることにもつながります。 肩回りを伸ばすストレッチ 身体の前で肘を体に対して直角に上げ、手の平から肘までをピッタリつけて肩甲骨を開きます。(肘の角度は90度でキープ!)次にゆっくりと胸を張るように、腕を後ろに引きましょう。この時、肩甲同士を骨を内側に寄せるイメージで行ってください。 体幹と下半身のストレッチ 投球は足を大きく踏み込み、体の回転をボールに伝えることでより肘への負担を軽減できます。そのためには体幹のストレッチも忘れず行いましょう! 体幹と股関節のストレッチ 足を開いて座り、片方の足は体側に引き寄せます。腕を頭上にまっすぐ伸ばし、曲げた足側の手を反対の手で引っ張りながら伸ばしている足の方へ体を倒しましょう。反対側も同様に行います。 ストレッチにはコツがあります。そのコツを抑えるだけで野球肘の予防効果をアップさせることができます。せっかくストレッチを行うのですから次に紹介するポイントを守って、より効果的なストレッチを行いましょう。 ストレッチをする時に気を付けるポイント 第一に、ストレッチの動作はゆっくり行いましょう。急に関節を伸ばすと、痛めてしまうこともあります。具体的には、1つの部位を伸ばすのに20秒程度かけるのが理想的です。 加えて、ストレッチをしてすぐに激しい動きをするのはNGです。緊張がゆるんだ関節を急に動かすと思わぬケガにつながりますから、軽い運動を行ってから練習を始めてくださいね。 野球肘治療後のストレッチは専門家に相談する ストレッチは関節の可動域を広げるために重要です。ただし、野球肘の治療後にストレッチを始める場合は、医師の指示に従って行うようにしましょう。 また、リハビリにストレッチのメニューが加えられた場合、専門家の指導のもとで行うことも大切です。安易な自己判断で野球肘を悪化させることがないように気を付けてください。 まとめ・野球肘をスチレッチで予防して選手生命を伸ばす 野球の投球は全身で行うことが理想で、手だけの力で投げ続けると、野球肘発症の引き金となってしまいます。練習前に時間をかけてストレッチを行うことで、野球肘の予防だけでなく、練習後の疲労も軽減できるでしょう。 野球肘の原因は肘の使い過ぎです。最初から強く投げたり、いきなり投球するのではなく準備が必要です。プレーや練習前、練習後には入念なストレッチを行うことが必要です。 練習計画に前後のストレッチを取り入れて野球肘を予防しましょう。 それでも肘の違和感がある、痛みがあるというような場合は重症化を防ぐためにも肘を安静にし、早めに医療機関を受診しましょう。せっかくの才能ですから伸ばすためには身体の手入れが一番の練習だとご理解ください。 以上、野球肘を予防する!ストレッチで選手生命を伸ばすと題して説明させていただきました。参考になれば幸いです。 No.S044 監修:医師 加藤 秀一 ▼ スポーツ外傷、野球肘をはじめとした再生医療という手段について 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
最終更新日:2023.12.28