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首の骨がずれる頚椎すべり症とは?やってはいけないことや症状・原因を医師が解説

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公開日: 2021.11.30 更新日: 2025.02.12

頚椎すべり症とはどんな疾患なのか、どのような症状が現れるのか知りたい方はいませんか。

頚椎すべり症は首の痛みだけでなく、手足のしびれや感覚障害などの神経症状が生じる恐れもあります。症状が進行すると日常生活にも支障をきたすため、早期からの治療が重要です。

この記事では、頚椎すべり症の症状や生活で避けるべきこと、治療法についてご紹介します。どのような疾患なのかを知ることで、発症時の早期からの適切な対処につながるでしょう。

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頚椎すべり症とは

頚椎すべり症とは、頚椎(首部分の背骨)が前後にずれてしまう状態のことです。

背骨は「椎体(ついたい)」と呼ばれる骨がつながってできており、それがなんらかの原因でずれることで発症します。頚椎すべり症を発症すると、首の痛みやしびれなどのさまざま原因が現れるのが特徴です。

ここでは、頚椎すべり症の症状や原因について詳しく解説します。

頚椎すべり症の症状

頚椎すべり症は神経が圧迫される可能性があるため、首の痛みや肩こりだけでなく、しびれや感覚障害などの症状が現れることがあります。発症時の初期症状としては、まず腰痛や下肢の痛みなどが出現するケースが多いです。

下肢に現れる症状としては、歩くときのふらつきや間欠性跛行(かんけつせいはこう)があげられます。

間欠性跛行とは、歩き続けると下肢の痛みやしびれが強くなる症状で、休憩すると軽快するのが特徴です。これらに加えて腕や指のしびれを伴うこともあり、生活では以下のような影響が現れます。

  • 指の動きがぎこちなくなる
  • ボタンがうまく止められなくなる
  • 字が書きづらくなる

このような症状はゆっくり出現し、徐々に悪化することが一般的です。また、頚椎は脳へとつながる血管の通り道にもなっています。

そのため、すべり症で首の骨がずれると、血管を強く圧迫して頭痛が現れることもあります。慢性的な頭痛や症状の悪化がみられた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

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頚椎すべり症の原因

頚椎すべり症の原因としては、加齢や長期間の首へのストレスなどがあげられます。これらの原因によって、椎体の間にあるクッションの役割を持った「椎間板(ついかんばん)」が変性を起こし、骨がずれやすくなります。

また、頚椎周囲の靭帯や筋肉のゆるみによって、骨を固定できずに発症することもあるでしょう。とくに普段から姿勢が悪く、首に慢性的な負担がかかっている方や高齢者は、頚椎すべり症には十分に注意する必要があります。

頚椎すべり症の種類

腰椎すべり症は大きく分けて2種類あり、「分離すべり症」と「変性すべり症」があります

それぞれの背骨をつなげている場所が分離した状態を、分離すべり症と呼びます。椎体の間にある椎間板が老化し、変性したことが原因で発症したものが変性すべり症です。

変性すべり症は分離すべり症と比較して、中年以降の女性にみられやすいことから、女性ホルモンが関係していると考えられています。どちらの種類も神経が圧迫されやすくなるため、出現する症状には大きな差はないとされています。

頚椎すべり症の診断方法

頚椎すべり症の診断では、まずは問診を行い、その後レントゲン撮影にて以下のような状態を確認します。

  • 骨の変形の程度
  • 姿勢の状態
  • 靱帯骨化の有無

さらにMRI検査を行い、神経の状態も確認します。頚椎を前後に曲げた状態で撮影を行うことで、不安定性の程度も診断可能です。似たような症状が現れる疾患として、「椎間板ヘルニア」や「脊髄腫瘍」なども考えられるため、これらとの鑑別も重要となります。

椎間板ヘルニアは、腰椎に起こりやすい疾患の1つです。腰椎椎間板ヘルニアについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

頚椎すべり症の治療法

頚椎すべり症の治療では、おもに「保存療法」と「手術療法」の2種類があげられます。ここでは、それぞれの治療法について詳しく解説します。

保存療法

保存療法では、頚椎すべり症の症状に応じてさまざまな治療が行われます。たとえば、首の痛みや肩こりなどの症状に対して行われる治療は、以下のとおりです。

  • 温熱療法
  • マッサージ
  • 電気治療
  • 鍼灸治療
  • 牽引療法

これらに加えて、消炎鎮痛剤やブロック注射などの薬物療法によって痛み、しびれの症状軽減を図ります。リハビリでストレッチや首まわりの筋力訓練などを行うことも有効とされています。このように、強い痛みが出ていない段階であれば、保存治療を継続します。

手術療法

保存療法を行っても症状が軽減されず、日常生活に支障をきたしている場合は、手術による治療が検討されます。とくに痛みが強く、手足の神経症状が出現している場合は早めの手術が望まれます。

代表的な手術は、骨同士をボルトで固定する「固定術」です。この手術法では、顕微鏡や内視鏡を使ってできるだけ身体の負担を少なくしながら行い、手術後の早期離床を図ります。手術後は

安静やコルセットなどによる保護が必要となりますが、多くの場合は翌日から歩行ができます。

すべり症による症状が強くない場合は、内視鏡を用いて神経の圧迫をとる低侵襲の手術が選択されるケースもあります。

頚椎すべり症でやってはいけないこと

頚椎すべり症でやってはいけないこととして、仕事で常に首を曲げ続ける、同じ体勢で長時間首に負荷をかけ続けるなどがあげられます。

そのような生活を送っている方は、出来るだけ避けて首に負担をかけないように心がけてください。日常的に姿勢を正すように意識することで、首の負担軽減につながります。

例として、首を10度下に傾けると頚椎の負荷が2倍になるとされています。そのため、デスクワークやパソコンを長時間する場合は、仕事でもこまめに休憩をとりましょう。またスマホはうつむきながら見ることが多く、首に負担をかける原因となるため、長時間の使用には注意が必要です。

手術しなくても治療できる時代です。

首の痛みは手術しなくても治療できる時代です。

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まとめ|頚椎すべり症による痛みを感じたら早めに受診しよう

頚椎すべり症は首の骨がずれることで生じる疾患で、発症すると痛みをはじめとした症状が現れます。歩きにくさや手足のしびれ、感覚障害などの症状が強く出ている場合は、早めに専門医に診てもらうことをおすすめします。

また、普段の生活で避けるべきポイントをおさえて、症状の悪化防止に努めることも大切です。ぜひ今回の記事を参考にして、頚椎すべり症に対する早めの対応を心がけましょう。

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頚椎すべり症に関するよくある質問

ここでは、頚椎すべり症に関するよくある質問についてお答えします。頚椎すべり症に関して疑問に感じているものがあれば、ぜひこちらも参考にしてみてください。

Q.首の骨のずれにおすすめのストレッチは?

A.頚椎すべり症におすすめのストレッチとしては、以下のとおりです。

【背中を伸ばすストレッチ】
  • あお向けの状態に寝る
  • 両膝を曲げつつ、両手で抱える
  • できる限り股関節を曲げて、胸に近づける
  • 20秒以上キープする

背中全体の筋肉を伸ばすストレッチです。

【太もも前面のストレッチ】
  • うつ伏せの状態で寝る
  • 片足の足首を手で持ち、お尻に引きつける
  • できるだけ膝を曲げた状態を20秒以上キープする
  • 反対の足で行う

太もも前面についている「大腿四頭筋」を伸ばすストレッチです。大腿四頭筋は骨盤にもついているため、硬くなると背骨全体の歪みにつながる恐れがあります。

Q.首の骨のずれは自分で治せる?

A.首の骨のずれは、自分で治すことはおすすめできません。無理に治そうとすると、かえって首に負担をかけてしまい、症状の悪化につながります。神経を傷つけてしまうと、取り返しのつかない事態になることもあります。

決して自己判断で対処するのではなく、必ず医療機関に受診し、医師に相談しましょう。

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