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腱鞘炎の種類と症状|治らない原因と効果的な治療法を現役医師が解説

腱鞘炎
公開日: 2022.03.07 更新日: 2025.02.10

腱鞘炎の痛みで「お箸が持てない」「ドアノブが掴めない」などと、悩んでいる方もいるでしょう。

腱鞘炎には種類があり、それぞれで症状が現れる部位が異なります。腱鞘炎になると手首や手の指に激痛が走り、日常生活にも支障をきたします。なかには、痛みが長引くケースもありますが、腱鞘炎は適切に対応すれば、早期の回復が見込める病気です。

今回は、腱鞘炎の種類と症状、原因について解説します。治療法と予防のポイントについてもまとめているので、腱鞘炎でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

腱鞘炎にはドケルバン病とばね指の2種類がある

腱鞘炎は、手首に症状が現れる「ドケルバン病」と、指に症状が現れる「ばね指」の2種類に分けられます。

腱鞘炎は、指の動かしすぎによって、腱の通り道にあるトンネル状の腱鞘が炎症して厚くなったり、腱鞘の中を通っているロープ状の腱が腫れたりして起きます。以前は、楽器の演奏者やスポーツ選手、料理人など、一部の人に多く現れるため、職業病とされていました。

しかし、最近では、パソコンやスマートフォンの長時間の使用によって、腱鞘炎に悩む人が増えています。 腱鞘炎を発症しやすい方は、主に以下の通りです。

  • ラケット競技のスポーツ選手(テニス・バドミントン・ゴルフなど)
  • パソコンのキーボードを頻繁に使う職業
  • 重い鍋を使う料理人
  • 作家(文筆業)
  • 育児中の人
  • 妊婦や更年期の女性
  • 糖尿病やリウマチの患者

腱鞘炎は痛みを伴うため、仕事や日常生活にも支障をきたします。

腱鞘炎の種類|ドケルバン病

ドケルバン病は、別名で狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)と呼ばれ、指と手首をつないでいる2本の腱とトンネル状になっている腱鞘といわれる部分が炎症を起こして痛みが生じます。

以下で、ドケルバン病の症状とセルフチェック法を解説するので、ぜひ参考にしてください。

ドケルバン病の症状

ドケルバン病になると、手首の親指側に以下のような症状が現れます。

  • 痛みがある
  • 熱を持っている
  • 腫れている
  • 手首に力が入らない

とくに親指や手首を動かすときに痛みが強くなることが特徴です。 また、患部を上から押さえると痛みが増す場合があります。ほかにも、物を掴むときやタオルを絞る動作でも症状が強くなりやすいため注意が必要です。

▼ ドケルバン病の症状や原因について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

ドケルバン病のセルフチェック法

ドケルバン病は、医師による診断が確実ですが、セルフチェックも可能です。以下のセルフチェック法を試して痛みが増すようであればドケルバン病が疑われるため、早めに医療機関を受診しましょう。

フィンケルシュタインテスト

  1. 小指が一番下になるように症状のある手を前へ出す
  2. 親指を内側に倒す
  3. 反対の手で親指を掴む
  4. 掴んだ親指を小指側に引っ張る

フィンケルシュタインテスト変法

  1. 親指を内側に入れて握りこぶしをつくる
  2. そのまま手首を小指側に倒す

岩原・野末テスト

  1. 手首を手のひら側に直角に折り曲げる
  2. 親指と人差し指をできる限り広げる

強い痛みやしびれなどがある場合は、すぐにセルフチェックを中止してください。

腱鞘炎の種類|ばね指

ばね指は、指の手のひら側にある腱をカバーするように覆っているトンネル状の腱鞘と呼ばれる部分に炎症が起こる病気です。

以下で、ばね指の症状とセルフチェック法を解説するので、ぜひ参考にしてください。

ばね指の症状

ばね指が起こると、手のひら側の指の付け根に以下のような症状が現れます。

  • 痛みがある
  • 熱を持っている
  • 腫れている
  • 指を十分に伸ばせない

ばね指は両手のどの手指にも起こるものの、とくに親指・中指・薬指に多くみられます。

なお、ばね指は朝方に症状が強くなる傾向です。夜間は指を動かさないため、屈筋腱の血流が悪くなり、むくみが生じるためだとされています。日中に手指を使っていると徐々に痛みが緩和される場合もあります。

ばね指のセルフチェック法

ばね指は、手指の状態を見てセルフチェックも可能です。以下の項目に該当する場合は、ばね指が疑われます。

  • 曲がった指を戻そうとすると、ばねのように跳ねる
  • 指が曲がったまま戻せなくなる
  • 指を曲げ伸ばしするときに引っかかる感じがある
  • 指がこわばって動かしにくい

いずれか一つでも該当する場合は、ばね指の可能性が考えられます。指の付け根に痛みや違和感を感じたら、放置せずに、症状が軽いうちに医療機関を受診してください。

▼ ばね指のときにやってはいけないことについては、以下の記事で詳しく解説しています。

腱鞘炎がなかなか治らないのは主に使いすぎが原因

腱鞘炎は、手首や指などの使いすぎによって発症する病気です。とくに同じ動作を繰り返すことで、腱が摩耗して炎症を起こし、痛みや腫れの原因になります。

腱鞘炎は初期段階では軽度の痛みで済むケースがほとんどです。軽度の腱鞘炎の場合、安静にして手首や手を使わないようにしているだけで、痛みが和らぐ可能性もあります。

一方で、腱鞘炎による痛みを無視して手首や指を使い続けると、症状が悪化して手首や指の動きが制限されるほか、治りにくくなるため注意が必要です。

重症化すると箸が持てなくなるケースもある

腱鞘炎が進行して重症化すると、箸が持てなくなる場合があります。重度の腱鞘炎では、指が引っかかる感覚が強くなり、痛みで思うように指を動かせなくなるケースも珍しくありません。ほかにも、腱鞘炎が重症化すると、日常生活に支障をきたします。

  • ペットボトルの蓋が開けられない
  • フライパンが持てない
  • 硬貨を持てない
  • タオルが絞れない
  • 洗濯ばさみが使えない など

腱鞘炎は、ほとんどの原因が仕事や日常生活の動作に関係しているため、慢性化しやすい病気です。なかには腱鞘炎が原因で、やむを得ず転職を余儀なくされた方もいます。

手首や指に痛みや腫れが現れたら、放置せずに医療機関を受診しましょう。リペアセルクリニックでは、メール相談オンラインカウンセリングを実施しています。慢性化した腱鞘炎でお困りの方は、ぜひ気軽にご相談ください。

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腱鞘炎の治療

腱鞘炎は軽症の場合、手首や手を休めることで症状が改善することがあります。しかし、痛みや腫れが続く場合は、症状に合わせて適切な治療をする必要があります。

腱鞘炎の主な治療法は、以下の通りです。

  • 保存療法
  • ステロイド注射(トリアムシロノン)
  • 手術療法

ほかにも、手首や指に違和感がある場合は、湿布やテーピングの利用も効果的です。以下で、腱鞘炎の治療法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.保存療法

腱鞘炎が軽度の場合は、保存療法でも十分な治療効果を得られる場合があります。保存療法では、まず親指や手首を休ませることが大切です。たとえば、仕事の合間に休憩を取ったり、作業時間を減らしたりすると効果的です。

保存療法の主な目的は、痛みや炎症を抑えることで、具体的には以下のような方法があります。

  • 添え木やサポーターを使用して手首や指を固定する
  • 湿布とアイシングで患部を冷やす
  • テーピングを使用して手首や指の動きをサポートする
  • 痛み止めを内服して痛みを和らげる

手首や手の使用を控えることで、炎症の悪化を防ぎ、症状の改善を早めることが期待できます。

2.ステロイド注射(トリアムシロノン)

保存療法を試みても改善が見られない場合は、ステロイド注射が有効です。トリアムシロノンなどのステロイドを注射は、炎症を抑える働きが期待できるほか、腱鞘内に直接投与できるため、局所的に効果を発揮する可能性があります。

ただし、ステロイド注射の治療は短期間で症状の改善が期待できるものの、繰り返し使用すると副作用のリスクが高まるため、医師の指導のもとで適切に使用する必要があります。

3.手術療法

腱鞘炎が慢性化している場合や再発を繰り返している場合には、手術療法も選択肢の一つです。保存療法やステロイド注射でも改善がみられない場合にも、手術が必要になる場合があります。

腱鞘炎の手術は、局所麻酔による日帰り手術が可能です。手術では炎症を起こしている腱鞘を切開し、腱がスムーズに動くようにします。手術後はリハビリテーションが必要になるものの、腱鞘炎を治すために有効な方法です。

腱鞘炎の予防法

腱鞘炎の予防は、日頃からのケアが大事です。腱鞘炎は、手の使いすぎだけではなく、血行不足によっても生じる場合があります。腱鞘炎の予防には、以下のような方法があります。

  • 手首と手のストレッチをして血流を良くする
  • 入浴時に温冷法(熱めのお湯と冷水を交互に30秒ずつを5セット)を取り入れる
  • 両手でスマートフォンを操作する

腱鞘炎を予防するためには、普段から長時間同じ作業を続けないように意識し、手首や手を休ませることが大切です。また、作業の前後にストレッチを取り入れるのも有効です。

パソコンを使用する場合は、強くキーボードを叩かないなどの工夫をしてみることも効果があります。

腱鞘炎は症状が軽いうちにケアをして、痛みを長引かせないことが大切です。手首や手の痛みが続くようなら、早めに医療機関を受診してください。

腱鞘炎の治療における再生医療の可能性

腱鞘炎の治療は、痛みの程度や症状に合わせて保存療法やステロイド注射などを選択します。また、保存療法でも改善が見られない場合は、手術とリハビリテーションを経て症状の改善を目指す場合があります。

ほかにも、手術以外の選択肢として近年注目を集めているのが再生医療による治療方法です。再生医療は、幹細胞や血小板の投与によって症状の改善を目指す治療方法で、副作用が少なく身体への負担を減らせるメリットがあります。

幹細胞は骨や腱、筋肉、皮膚などを再生する細胞で、性質をうまく利用して身体の損傷している部分を再生できる可能性があります。

リペアセルクリニックは、再生医療による幅広い治療を行っている専門のクリニックです。メール相談やオンラインカウンセリングも実施しているため、再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ気軽にご相談ください。

\まずは当院にお問い合わせください/

まとめ・腱鞘炎が治らない場合は種類や症状にあわせて治療法を検討しよう

腱鞘炎は、手や指を使いすぎると発症する病気です。一度発症すると治るまでに時間がかかってしまう場合がありますが、治らないわけではありません。腱鞘炎の症状を改善するためには、手を酷使しないよう定期的に休憩をして手を休ませる必要があります。

慢性化した腱鞘炎の治療には、薬物療法やステロイド注射、手術のほか再生医療という選択肢もあります。手や指などの痛みや違和感が長く続く場合は、医療機関で相談して、治療方法を検討しましょう。

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腱鞘炎がなかなか治らないときによくある質問

腱鞘炎を早く治すためにはサポーターやテーピングを使ったほうが良い?

腱鞘炎を早く治すためには、サポーターやテーピングの使用が有効です。サポーターやテーピングを使って手首や指の動きを安定させると、腱にかかる負担を減らせる場合があります。

ただし、サポーターやテーピングは補助的な役割にしかすぎません。腱鞘炎を早く治すためには、できるだけ安静にするほか、痛みの程度に合わせて内服薬の服用やステロイド注射なども検討する必要があります。

腱鞘炎の治療期間はどのくらい?

腱鞘炎の治療期間は、痛みの程度や治療法によって異なります。軽度の腱鞘炎であれば、4〜6週間ほどで症状が改善するケースが一般的です。 しかし、重度の場合には、数カ月以上にわたって治療が必要になる場合があります。

腱鞘炎の治療期間については、医療機関を受診した際に医師に確認し、希望に沿った治療方法を検討しましょう。

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