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【脳出血後の看護ケアと介護ケア】観察項目と家族が知っておくべきこと

【脳出血後の看護と介護】ケアと観察項目について

看護と介護

「脳出血後のケアはどうしたらいい?」

「脳出血後の看護ケアと介護ケアについて知りたい。」

脳出血後は、患者とその家族の両方にとって突然人生が変わりかねず、どうすれば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。

脳出血後の患者はほとんどの場合、複数の薬や治療が必要になるため、リハビリの道のりは非常に長く、困難になる可能性が高くなります。

何よりも、脳出血後の患者の精神的、社会的な負担も計り知れません。元通りの生活に戻るには、看護師、介護士、友人、家族からのサポートが何よりも必要です。

そこで、今回の記事では、脳出血後の看護ケアや介護ケア、家族が注意すべきポイントについて含めて説明します。

脳出血後は後遺症が残る

脳出血とは、高血圧などによる動脈硬化症による血管の破裂により、脳の実質内に血液が流出する状態です。脳出血は死亡率が高く、最も致命的な病気の 1 つになっています。

脳出血 看護と介護

脳出血後は、多くの合併症に苦しむ可能性があり、主に以下のような後遺症を残します。

  • ・運動麻痺
 右上下肢や左上下肢が動かなくなり、歩行困難になることもある
  • ・感覚障害
 触覚や痛覚などの感覚が鈍くなったり、逆に過敏になる
  • ・視覚障害
 視野が狭くなったり、物が二重に見えたりする
  • ・失語症
 言葉の理解が悪くなったり、単語が出づらくなる
  • ・構音障害 
 ろれつが回りにくくなる
  • ・半側空間無視 
 片側の空間認識ができなくなる
  • ・嚥下障害 
 食べ物が飲み込みにくくなる

これらは患者とその家族の両方に著しく影響を与える可能性があります。

脳卒中の治療

脳出血後の看護ケアについて

では、実際の看護ケアについて考えていきましょう。観察項目について説明していきます。

観察項目とは、治療の効果、患者への適応を判断するために行います。

くも膜下出血 看護ケア

看護ケアにおける7つの観察項目

看護ケアではどのような項目について観察するべきなのか解説していきます。

脳出血後の入院中は、特に意識レベル、血圧の管理などを厳密に管理します。

①意識状態

Glasgow Coma Scale (GCS) やJCSを通じて意識状態を評価し、新たな神経学的徴候の出現を確認します。

②呼吸

入院中の呼吸管理としては、患者の頭をわずかに上げた位置に保ち、酸素飽和度(SpO2)を監視します。

呼吸抑制がある場合、カニューレを装着したり、マスクを用いて酸素を投与するなどして、呼吸を補助します。

③血圧と心拍数

血圧と心拍数を頻繁に検出しましょう。特に血圧のコントロールは、血管痙攣による虚血性の合併症を避けるために必要です。収縮期血圧140mmHg未満を目指しましょう。

④電解質バランスの変化(輸液管理)

輸液などで毎日の電解質のバランスを保ち、時間ごとの利尿を監視し、多尿または乏尿があれば、必要に応じて輸液量を調整します。

⑤口腔内衛生や姿勢、褥瘡管理

1日に数回、口腔内を丁寧に掃除してください。

褥瘡管理は頻繁に体位変換を行う必要があり、片麻痺側の持続時間は健康な側の持続時間よりも短くする必要があります。床ずれ対策(エアマット、枕)を行いましょう。

また、姿勢管理では麻痺した手足に特に注意を払い、正しい姿勢をとります。

⑥嘔吐、吐物管理

脳出血後は、予期せぬ嘔吐が出現しやすくなります。

嘔吐の場合は、気道が確保できているか確認し、誤嚥による肺炎の発生を回避する必要があります。

  • ・側臥位にする
  • ・口の中の異物を吐き出させ、分泌物を吸引する

素早い判断で適切な対処を行うことが、とても重要です。

⑦発作や薬の管理

発作時には、医師の指示に従って、抗けいれん薬を投与し、定期的に気道の状態を評価します。

また、血管内治療を受けた患者は、再出血を防ぐ薬を継続する必要があり、看護師は薬を飲めているか確認します。

脳出血後の介護で家族が知っておくべきこと

では、続いて脳出血後に家族が自宅などで気をつける介護ケアについて解説していきます。

入院中は看護師やその他多くの専門職によってリハビリなどが行われますが、退院後は、家族が中心になってケアを行なっていく必要があります。

ほとんどの患者は、初期治療とリハビリ後に自宅で介護を受けることを選択します。

脳梗塞 家族が知っておくべきこと

①要介護認定は早めに受けるべき

脳出血などは特定疾病ですので、40歳以上であれば要介護認定を受けられます。

在宅介護の場合は、訪問介護や訪問入浴介護、自宅のバリアフリー化、福祉用具レンタル・購入などの在宅介護サービスを受けることができます。

②在宅介護サービスを活用する

在宅介護サービスは、脳出血後の症状が残っており、比較的状態が安定している患者に推奨されるケアサービスです。

内容としては毎月の医師の診察、継続的なモニタリング、24 時間対応の電話応対などが含まれています。

在宅介護には、以下のようなメリットがあります。

  • ・長年住み慣れた自宅で生活できる
  • ・経済的負担が少ない
  • ・家族と一緒にいられるので安心感が生まれる

ぜひ、このようなケアサービスも活用しましょう。

③住宅改修で自宅の環境整備を行う

在宅介護を行う際は、補助器具と環境整備も行う必要があります。

患者が障害を抱えながら生活できるように、補助器具の使用や家庭環境の改善に取り組みます。

④施設介護サービスも検討できる

自宅介護の他にも、施設サービスも検討しましょう。

自宅での介護が難しい場合は、日帰りでリハビリや介護などのケアを受けられるデイサービスやデイケアがあります。

在宅介護に比べて以下のようなメリットがあります。

  • ・専門性や高い介護ケアが受けられる
  • ・介護をする家族の時間や精神的苦痛が少ない

家族の介護とはいえ、仕事との兼ね合いや子育て中であれば、精神的にも肉体的にも大変なことがあるかと思います。そんな時は、安心してお任せできる、施設の利用を検討するのもひとつかもしれません。

脳出血後の看護、介護に関するよくあるQ&A

最後によくある質問についてもまとめましたので、参考にしてください。

Q,要介護認定の相談は誰にすればいいですか?

A,退院後の相談としては、医療ソーシャルワーカーなどに相談できます。

Q,要介護認定の方法は?

A,要介護認定の申請方法としては、申請書の他に介護保険被保険者証や身分証明書などを準備して、役所の介護保険の担当課へ行きます。

申請手続きを済ませると、後日担当者が聞き取りによる認定調査に来ます。

まとめ・脳出血後の看護ケアと介護ケア、観察項目と家族が知っておくべきこと

脳出血後の入院中の看護や退院後の介護ケアは、患者さんがもとの日常生活に早く戻るためにもとても大切です。

退院後の介護ケアでは家族のサポートが不可欠なので、自分だけで抱え込まず、家族間でよく話し合う必要があります。時に、在宅介護と施設介護を上手く取り入れ、併用していくことも検討してみましょう。

今回の記事が看護や介護に向き合われる皆さまのご参考になれば幸いです。

 

No.101

監修:医師 坂本貞範

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