アキレス腱断裂に“手術しない再生医療”!最新治療と効果について解説
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アキレス腱断裂に“手術しない再生医療”!最新治療と効果について解説
アキレス腱断裂は中高年の方によく起こる代表的なスポーツ外傷です。
仕事やスポーツへの早期復帰を希望する場合には従来は手術治療がよく選択されてきました。一方で、手術治療を選択してもケガをする前の状態まで戻るには長期間のリハビリが必要であったり、傷や感染症など手術自体の合併症などの問題がありました。
その中で、最近では最新医療である「再生医療」が注目されてきており、アキレス腱断裂でも治癒を促進する治療として自己多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma; PRP)療法が行われてきています。
再生医療を行うことで、手術をしない場合でも早期に仕事復帰、スポーツ復帰が可能になると期待できますし、手術の合併症のリスクも回避することができます。
この記事では、最新医療として期待されている、アキレス腱断裂に対するPRP療法での再生医療について解説していきます。

アキレス腱断裂に対するPRP療法について
PRP療法は、患者さんから採血した血液から抽出した「多血小板血漿(PRP)」を患者さんの傷んでいる場所に注射する再生医療です。
PRPは、採血した血液を特殊な血液分離機器を用いて精製することで、通常の血液に比べて血小板や様々なサイトカインや成長促進因子を含んでいることがわかっています。
再生医療と聞くと、「自分の細胞を培養して投与する複雑な治療?」と想像されるかもしれませんが、PRP療法は精製したPRPを局所に注射するだけですので、身体への負担が少なく、短時間で終わるため、外来で受けることが可能です。
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簡単かつ、自分の組織のため安全なので、普及しつつある治療法なのです。
PRP療法のメリット、デメリット
メリット
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デメリット
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アキレス腱断裂に対するPRP療法の有効性
PRP療法は最新の治療のため、現在様々な研究が行われ効果が検証され始めています。
一般的にアキレス腱などの腱は腱自体への血流が乏しいので治りにくく、復帰に時間を要するのですが、PRPを投与することで腱の修復を早くすることができます。複数の研究をまとめたシステマティックレビューというエビデンスレベルの高い論文では、PRP療法を行った場合、足関節の可動域が他の治療と比べて良好であるという報告がなされています。(参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34731144/)
PRP療法を行うことで最短で治りつつ、機能的にも良好な成績が得られると考えられています。
再生医療に対するよくある質問
1.PRP療法は他にどのような疾患に適応がありますか。
回答:PRP療法は様々な疾患で受けることができます。アキレス腱断裂のほかに、半月板や膝の靭帯損傷、ジャンパー膝などの腱の炎症、変形性膝関節症や変形性股関節症などの軟骨が摩耗する疾患、五十肩など痛みを伴う整形外科の疾患の多くに適応があります。
飲み薬や注射でも治らず、手術しかないと言われている方で手術をせずに治したい方、はやく痛みを和らげたい方は、適応があるか是非医療機関にご相談してみてください。
2.PRP療法はどこで受けることができますか。
回答:2023年5月時点ではPRP療法は自由診療ですので、行っている施設は限られています。当院では最新の再生医療としてPRP療法に加えて、独自の細胞培養技術を用いた自己脂肪由来幹細胞治療も行っています。
治療についてのご相談は、経験豊富な医師、アドバイザーが無料で行っており、内容についてご納得していただいた上で治療を受けることができます。
ご予約は電話、メール、WEBで可能ですので、治療について悩んでいる方は是非お気軽にご相談ください。
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まとめ・アキレス腱断裂に“手術しない再生医療”!PRP療法と効果について
アキレス腱断裂に対するPRP療法は近年注目されている最新の再生医療です。
採血したご自身の血液から精製した組織をアキレス腱に注射するだけで、外来で治療が可能であり、早期に腱が修復でき機能的にもより改善できる可能性があります。手術をせずに早くケガを治したいなど、PRP療法についてご興味のある方はぜひお気軽に当院にご相談ください。
No.134
監修:医師 坂本貞範