- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- スポーツ外傷
- 足部
ジョーンズ骨折になりかけの症状とは?発症の原因・診断方法など解説
「サッカーをすると足の外側が痛くなるけどなぜ?」
「バスケットでつま先の外側が痛むけど放置して大丈夫?」
上記のような症状がある場合、ジョーンズ骨折の可能性があります。
今回はスポーツ選手に多いジョーンズ骨折について、特徴や骨折のなりかけで見られる症状を解説します。
チェックリストも紹介するので、早めに整形外科で受診できるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
ジョーンズ骨折とは
ジョーンズ骨折は小指の骨である第5中足骨の疲労骨折です。
ジョーンズ骨折はサッカーやバスケット、ランニングなどのスポーツで足の外側に繰り返しストレスがかかって生じる疲労骨折です。
第5中足骨は血液の供給が乏しく、骨折する部分の近くは複数の筋肉が付着していて常に牽引力が働くため、一度骨折するとくっつきにくくなります。
骨が離れたままになってしまう偽関節(ぎかんせつ)になりやすいのも特徴です。
ジョーンズ骨折は中足骨の中でもより足首側の端から 1.5〜2cmの部分に骨折が起こります。
主に10代の方がスポーツで発症するケースが大半ですが、運動量によっては成人でも発症するので注意しましょう。
ジョーンズ骨折が発症する原因
ジョーンズ骨折が発症する原因は、スポーツ動作で足の外側に繰り返しかかるストレスです。
人の足裏は体重をうまく分散させるために、たいらではなくアーチ状の形をしています。
第5中足骨はまっすぐな骨ではなく、丸くアーチ状になっており、体重を分散させるためにストレスを受けやすいのです。
とくにサッカーやバスケットボールなど、横への動きが多いスポーツで反復したストレスがかかりやすく、疲労骨折の原因になります。
また、次のような環境や個人の要因も原因としてあげられます。
|
上記のような環境や姿勢でストップやサイドステップなどを繰り返すとストレスがかかりやすくなってしまうのです。
立ち仕事による慢性的な疲労や、しゃがみ込み動作の繰り返しによる疲労骨折など、スポーツをしていない方で発症する場合もあるので注意してください。
ジョーンズ骨折の症状
ジョーンズ骨折は、骨折のなりかけの状態と、完全に骨折した状態で症状が違います。
それぞれの症状について解説します。
ジョーンズ骨折のなりかけの症状の場合
ジョーンズ骨折のなりかけの症状は、痛みや腫れなど一般の骨折に見られるような自覚症状が出にくいのが特徴です。
骨折のなりかけでは、一般的な骨折のように骨が分離するのではなく、ストレスの蓄積により徐々に骨が脆くなっている状態です。この状態では日常生活だけでなくスポーツ中も痛みを感じない場合があります。
また、痛くてもそれほど強くはないため、そのまま競技を続けてしまう場合も少なくありません。その結果、プレー中やプレー後に痛みが増える症状が繰り返します。
なお、歩くと痛いと感じている方は、以下の記事を参考に「ジョーンズ骨折かどうか」、1つの判断基準にしてください。
進行後どこが痛むのか
ジョーンズ骨折の痛みは進行後、足の外側が痛みはじめます。
ジョーンズ骨折になりかけの症状では、足の外側に感じる痛みは軽いケースが大半なため、スポーツ復帰する方もいるでしょう。
ジョーンズ骨折は主に、ストレスの蓄積から発症する骨折なので、放置すると完全に骨折する症状へと発展するのです。
完全に骨折してしまうと、強い痛みだけでなく歩行困難へとつながる可能性があります。
足の外側に痛みを感じたら、たとえ軽度であってもすぐに受診するのをおすすめします。
ジョーンズ骨折の診断方法
ジョーンズ骨折か確かめるには、身体所見をした後、CT検査やMRI検査で確定させます。
レントゲン撮影による検査もありますが、早期発見を目的にするならMRI検査がおすすめです。
MRI検査では、レントゲン撮影では判断できない時期でも有用で、筋肉や結合組織の損傷も確認できます。
なお、CT検査では手術が必要な症状で用いられるため、症状に応じた診断方法を選択しましょう。
当院ではメール相談だけでなく、オンラインカウンセリングも実施しています。
来院前に軽く相談しておきたい方は、ぜひ気軽にご利用ください。
ジョーンズ骨折になりやすい環境かチェックリストで確認
ジョーンズ骨折になりやすい環境かどうかを、チェックするポイントを紹介します。
以下チェックリストで、該当する環境がある方は注意しましょう。
|
上記のようなチェックをして、足の外側にストレスがかかりやすいかどうかをチェックします。
練習場所が人工芝のように固いグランドである、練習量が多すぎる、足に合わないシューズを使用しているなどは注意が必要です。
また、シューズの底を見たときに、外側ばかりすり減っている場合は、足の外側にストレスがかかりやすい動きをしている結果なので、チェックしてみましょう。
もし、すでに痛みが外側にあり継続する場合は、ジョーンズ骨折の可能性があります。
骨折のなりかけの場合は、痛みが自覚しにくかったり、競技中のときだけだったりするため、放置せず早めに整形外科へ受診をしましょう。
ジョーンズ骨折に悩むアスリートの方は、有効な治療法や予防法などを解説している以下の記事もぜひ参考にしてください。
まとめ・その症状ジョーンズ骨折かも?と思ったら専門機関で適切な診断を!
ジョーンズ骨折はストレスが蓄積して徐々に進行する疲労骨折です。
完全に骨折するまでは痛みがない場合もあり、痛みがあってもつい競技を続けてしまう方もいるでしょう。
しかし、放置して競技を続けると、症状が悪化したり、完全に骨折してしまったりするリスクがあります。
なりかけの症状でも放置せず、少しでも気になる症状があれば早めの受診や予防をするのが重要です。
本記事を参考にしてジョーンズ骨折の早期発見、予防をして、好きなスポーツを楽しみましょう。