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頭が痛い、重いとき…頭痛の種類と、それらの原因と治し方!医師が解説

頭が痛い、重いとき…頭痛の種類と、それらの原因と治し方!医師が解説

「頭痛」は最も多くの人が悩んでいる症状の一つです。日本の製薬会社の調査では、約4人に1人が週に1回以上の頭痛を感じ、約3人に1人は自分を頭痛持ちだと思っているそうです。

頭痛の症状は人により様々で、「頭がクラクラする」「頭の後ろが痛い」「頭に血が上る感じがする」「頭の右側が痛い」「ぼーっとする」など多彩な言葉で表現されます。

 

この頭痛、大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」とに分けられます。二次性頭痛は他の病気の存在により引き起こされる頭痛であり、それ以外を一次性頭痛に分類されます。

この記事ではそれぞれの頭痛について、その説明と対処法を解説します。

頭痛

一次性頭痛とは

一次性頭痛は、頭痛を有する患者のうち、約80%に及ぶと言われています。多いものから「偏頭痛」「緊張型頭痛」「三叉神経・自律神経頭痛」といわれるものが代表的な頭痛となります。頭痛の原因となる疾患がなくても、時には仕事や学校、家事などの日常生活に支障が出て、QOL(Quality of Life =生活の質、生きる上での満足感)が下がることもあります。

それでは以下に頭痛の種類別に解説と治療法を記してまいります。

1)偏頭痛とは

日本では年間に8.4%の人が片頭痛になると言われています。この頭痛は、頭痛を起こす前に特徴的な前兆(きらきらした歯車のようなものが見える、チクチク感を感じ、それが体や舌などに波及するなど)が出現することがあります。

偏頭痛の症状としては「ズキンズキンと脈を打つように痛み、頭痛により寝込んだり、吐き気がしたりする」ことがあります。また、偏頭痛が起きている間は光や音に過敏な状態となるため、「頭が痛い間は布団を被ってじっとしている」という方もおられます。

偏頭痛の治療法

偏頭痛で痛かったり、辛かったりするときの治療には、解熱鎮痛剤(ロキソプロフェンやアセトアミノフェンなど)、トリプタンという頭痛治療薬が有効です。トリプタンを服用する有効なタイミングは、痛みが始まってすぐや、軽度なときが良いため、服用が難しいかもしれません。

予防には抗てんかん薬や、抗うつ薬がよく使われてきました。最近発売となった「抗CGRP抗体」という注射薬は、より高い予防効果があります。

 必ずしも関連があるとは言えませんが、高血圧症、心疾患、うつ病などと共存することが多く、治療薬の選択に影響があるため注意が必要です。

2)緊張型頭痛とは

緊張型頭痛は、左右の両方が痛むことが多く、症状は「圧迫されるような」「締め付けられるような」と表現されます。日本の研究では、年間に20%の人が症状を感じると言われています。頭や首の筋肉を押すと痛みがみられることが特徴的です。

偏頭痛の治療法

痛みが出ているときは解熱鎮痛剤が有効です。予防には抗うつ薬やリラクゼーション、鍼灸などが有効です。

3)三叉神経・自律神経頭痛とは

三叉神経・自律神経頭痛の中にも細かな分類がありますが、群発頭痛が最も一般的です。

かなり強い痛みが、目の周囲もしくはこめかみに発生し、15~180分持続することが特徴です。10万人あたり56~400人程度の方が罹患し、男性に多いと言われています。

三叉神経・自律神経頭痛の治療法

治療には、酸素投与と、片頭痛でも使用されるトリプタンが効果が高いです。

二次性頭痛

頭痛の約20%が二次性頭痛、つまり他の病気により引き起こされている頭痛と推定されています。症状を抑えるために解熱鎮痛薬などを用いることはありますが、治療の基本は原因の病気の治療となります。

ここでは一部の疾患を説明します。

脳血管障害

脳出血やくも膜下出血では、頭痛が起こることがあります。血管が裂ける、詰まることで起こる病気なので、症状も突然生じます。意識の低下や手足の動かしにくさ、話しにくさ、嘔吐を伴います。

生命の危機や重い後遺症も起こりうる、緊急度の高い頭痛です。

脳卒中の治療

感染症

菌やウイルスが脳や全身で炎症を引き起こすことで、生じる頭痛があります。感冒(風邪)はウイルス性の上気道炎であり、頭痛を感じたことがある人は多いでしょう。

重篤なものでは、髄膜炎や脳炎があります。発熱、吐き気、意識の低下を伴うことが多いです。

目、鼻などの病気

急性副鼻腔炎の症状は「頭が重い」と表現されることが多いですが、それを痛みとして感じる場合もあります。

緑内障発作は目のかすみ、目の充血を特徴とする痛みであり、放置しておくと失明の危険もあります。

う歯(虫歯)の痛みを頭痛として自覚される方もいます。

頭痛についてよくあるQ&A

Q , どのような頭痛の時に受診したらよいですか?

A , 突然に(何時何分何秒がはっきり言えるような)最大の痛みとなった頭痛、話にくさや手足の動かしにくさを伴う頭痛、これまでに経験したことのないような頭痛、意識が低下している頭痛は、二次性頭痛の可能性があります。必ず受診を検討しましょう。

Q , 頭痛が出たら鎮痛剤は飲んでもよいですか?

A , 手持ちの鎮痛薬がある場合は内服して構いません。鎮痛剤内服で診断が遅れることはほとんどありません。

ただし、頻繁に内服をしていると薬物乱用頭痛という新たな頭痛の原因となります。鎮痛剤を飲みたくなる頭痛が続く場合は受診を検討しましょう。

まとめ・頭が痛い、重いとき…頭痛の種類と、それらの原因と治し方!医師が解説

今回の記事では頭痛はどのように分類されており、その中には何があるのかを解説しました。

ありふれた症状ではありますが、時に生命に関わる病気が隠れていることがあります。また、そのような疾患がなくとも、一次性頭痛はQOLに大きく関わるので、困ったことがあれば医療機関に相談しましょう。

この記事がご参考になれば幸いです。

 

No.S117

監修:医師 加藤 秀一

脳卒中の治療

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