アキレス腱断裂の全治期間!スポーツ、仕事への復帰と歩けるまで
公開日: 2023.05.18更新日: 2024.10.07
目次
アキレス腱断裂の全治期間!スポーツ、仕事への復帰と歩けるまで
アキレス腱断裂は、足首を伸ばす力の伝達を担うアキレス腱が完全に切れてしまう怪我で、手術をしない保存療法とアキレス腱を縫合する手術療法の選択肢があります。
それぞれの治療では歩けるまで、もしくはスポーツ復帰までにはどのくらいかかるのでしょうか。治療方針を選ぶためには、治療の具体的な内容について知っておく必要があります。
この記事では保存療法と手術療法における歩行や仕事復帰までの経過、全治期間などについて詳しく解説していきます。
保存療法と手術療法の比較
どちらの治療を選んでも長期的には良好な経過が得られることが多いのですが、手術の方が歩行やスポーツの復帰までの期間が短く、再断裂の可能性も低いことがわかっています。
しかし、手術は傷の痛みや感染症、神経損傷のリスクもあるので、保存療法で治したい方も多いと思います。そこで以下に具体的な期間を詳しく解説していきます。
ギプス固定期間
アキレス腱断裂では足関節を反らすと断裂した腱同士が離れてしまい、くっつかないため足関節を伸ばした状態でギプス固定を行います。
手術では腱同士を縫合しているのでギプス固定は腱に負担がかからないようにすることが目的で期間は1〜2週間程度です。保存療法ではそれより長く2〜4週間程度ギプス固定されることが一般的です。
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松葉杖の期間
足首を伸ばした状態でギプス固定を行うので、ギプス固定のうちは上手く歩くことが難しく、松葉杖を使用することが必要です。
そのため、どちらの治療でもギプス固定の期間は松葉杖を使用することになります。
装具の期間
ギプスを除去してからはアキレス腱断裂用の装具(アキレスブーツ)を使用します。
ギプスでは足関節を動かすことや、角度の調整が不可能で歩行することができませんが、装具を使用することにより、踵を付けて歩行することが可能になります。
装具の特徴としては、踵の高さが調節できることで、初期は踵が高い状態で腱への負担を減らしますが、徐々に踵の高さを低くして通常の歩行ができるように調整していきます。
装具を使用する機関医ついて手術療法では1〜2週間後から開始して、6〜8週間程度で装具の装着を終了します。保存療法になると2〜4週目から装具の使用を開始することになり、その後約1ヶ月程度使用することになります。
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歩行までの期間
一般的にギプスを外して装具を着用できた段階で歩行することが可能になります。ただし、装具を着用してすぐの段階では、踵が高く歩行が不安定なので松葉杖の併用をおすすめします。
車の運転について
アキレス腱が断裂している際の車の運転については明確な取り決めはありません。しかし、一般的にギプス固定や装具を着用している状態では運転することはおすすめできません。
もし交通事故を起こしてしまった場合には怪我による過失を指摘される可能性もあるので、ギプスや装具を終了して日常生活について問題なく過ごすことができるようになってから運転を開始することがよいでしょう。
最終的には自己責任になってしまうので、運転時期については医師とも十分相談するようにしましょう。
スポーツ復帰までの期間
スポーツ復帰については、手術を受けた場合は3ヶ月、保存療法を受けた場合は6ヶ月以上の期間を要するとされています。そのため最短でスポーツ復帰をしたい方は手術療法がお勧めされます。
また早く確実に治すためには、どちらの治療法でも医師や理学療法士の指導を守り、徐々に負荷を増やしていくトレーニングを行い、無理をしないように注意することが大切です。
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仕事復帰までの期間
仕事復帰までの期間は業務内容によって異なります。
事務作業であれば座った状態で行えるので松葉杖、装具で歩行できている段階で可能ですが、走ったり、重いものを運んだりする重労働では、スポーツ復帰できるまで筋力が回復した時期からの復帰をお勧めします。
アキレス腱断裂についてよくあるQ&A
アキレス腱断裂について良くご質問頂く内容を以下に記載しました。
Q, 痛み、腫れはいつまで続きますか?
A, 術後の痛みや腫れが完全になくなるまでは個人差があります。
手術を受けてから抜糸をするまでは1〜2週間程度ですが、その後も傷、腱を治す過程で炎症が起こっているので1ヶ月から2ヶ月程度かかることもあります。
Q, 装具の歩き方、調整方法について
A, アキレス腱断裂用装具は踵に着脱できるヒールが付いており、段階を追って徐々にアキレス腱を伸ばすことができるようになっています。
治療開始直後はアキレス腱への負担を減らすために踵が高い状態で歩く必要があるので、つま先立ちの形で歩行することとなります。この状態で上手に歩けない方は松葉杖を使用するとよいでしょう。
治療が進むと徐々にアキレス腱に負担をかけてもよくなるため、踵を少しずつ低くしていき、最終的に装具を終了します。装具の調整は医師と相談しながら行うようにし、ご自分で調整しないようにすることが必要です。
Q, お酒の解禁はいつからですか?
A, アルコールを摂取すると血流が増加するので、出血や腫れが悪化してしまう要因となります。そのため怪我をしてから腫れが落ち着くまでの数週間、手術を受けた方では抜糸をして傷がしっかり治るまでは摂取しないようにしましょう。
まとめ・アキレス腱断裂の全治期間とは?仕事復帰や歩けるまでどのくらい?
アキレス腱断裂の治療には、保存療法と手術療法があります。それぞれの方法によって歩行やスポーツへ、復帰までの期間が異なります。またギプス固定の期間も異なるため、歩行や仕事への早期復帰を考えると手術療法にメリットがあります。
保存療法ではギプス固定や、装具の使用が必要であり、手術療法では手術後のリハビリが重要です。スポーツ復帰までの期間は手術療法が早く、保存療法よりも短いものの、症状によっては医師の指示に従い、無理をせず徐々に回復を目指しましょう。
また、仕事復帰までの期間も業務内容によって異なるため、医師との相談が必要です。治療期間的には手術療法が勝りますがリスクもあるので、ご自身の目的をしっかり考えて治療を選ぶようにしましょう。
この記事がご参考になれば幸いです。
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