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【アキレス腱断裂】アキレス腱が切れる予兆の症状とその原因

【アキレス腱断裂】アキレス腱が切れる予兆の症状とその原因

はじめに

アキレス腱はわたしたちの体の中で、最も強靭といわれている靭帯です。断裂してしまうと、手術やギプス固定による長期間の治療が必須であり、日常生活に大きく影響を与えます。実はアキレス腱断裂には、予兆があることがあります。予兆を知っていれば、断裂を防ぐために予防もできるでしょう。

今回はアキレス腱が切れる予兆と、その原因について詳しく解説します。疑わしい場合のアキレス腱断裂テストについてもお答えしています。ぜひ参考にしてください。

アキレス腱断裂 予兆

アキレス腱断裂とは

アキレス腱断裂は30代から40代に最もよく起こる外傷です。若い人ではスポーツによって受傷することが多いですが、40代以上では、日常生活のちょっとした動作で断裂してしまうこともあります。

アキレス腱断裂は、当初は歩くことができる場合もあり、整形外科を受診しないと、見逃されてしまうこともあります。ですが、放置すると後遺症を残す可能性が非常に高いため、しっかりと治療することが大切です。

健常なアキレス腱は、約1トンもの張力に耐えられるといわれています。しかしアキレス腱も、歳を重ねると徐々に老化してきます。アキレス腱はコラーゲン繊維でできているため、だんだんと硬くなり、柔軟性がなくなるのです。高齢になってから起こるアキレス腱断裂は、このように老化したアキレス腱が原因になっている場合も多くあります。

若年者でも、スポーツによる繰り返しのストレスが、アキレス腱を痛めてしまうことがあり、傷んだアキレス腱は断裂しやすくなります。

アキレス腱断裂の前兆

アキレス腱断裂の前兆として、アキレス腱周囲に痛みや腫れなどの症状や異変がある場合があります。

アキレス腱断裂を引き起こす状況や症状について解説していきます。

立ち仕事がアキレス腱に与える影響

老化や過度なスポーツ以外にも、アキレス腱断裂の危険性を高める要因があります。それは、日常生活でのアキレス腱への負荷です。

特に長時間の立ち仕事は、アキレス腱にストレスをかけ続けます。その結果、アキレス腱自体に小さな傷がついたり、アキレス腱の周囲に炎症を起こしたりします。これをアキレス腱炎、アキレス腱周囲炎と呼びます。

アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎は、当初は立っているときやスポーツした時などに痛みが起こりますが、進行すると安静時にもアキレス腱周囲に痛みが出現します。

  • アキレス腱断裂の危険因子
  • ・過度なスポーツや老化
  • ・日常生活でのアキレス腱への負荷
  • ・長時間の立ち仕事
  • ・アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎の進行

このようなアキレス腱のまわりの炎症は、腱自体の強度を落とすため、アキレス腱断裂の危険因子です。

ふくらはぎの痛みや足のむくみはアキレス腱断裂への危険信号?

アキレス腱周囲に炎症が起こると、ふくらはぎや踵に痛みがでます。特に、動き出しや、朝(起床時)の1歩目が痛いとおっしゃる方が多いです。

また、アキレス腱が全体的に腫れていたり、コブ状に盛り上がったりする場合もあります。これもアキレス腱断裂の危険信号です。

さらに過度な足の浮腫み(むくみ)も、アキレス腱断裂の可能性を示す予兆となり得ます。浮腫みは血液やリンパ液の流れが悪くなることで起こります。その結果アキレス腱への血液供給が不足し、ストレスを受けたアキレス腱が十分に修復されなくなってしまいます。

  • アキレス腱断裂の危険信号
  • ・ふくらはぎや踵に痛みがある
  • ・動き出しや起床時の1歩目に痛みを感じる
  • ・アキレス腱の全体の腫れ、コブ状の盛り上がりがある
  • ・過度の足の浮腫みがある

スポーツ医療の治療

アキレス腱断裂の前兆に気付いたら

アキレス腱周囲の痛みや腫れなど、アキレス腱周囲に症状がある場合は、まず負荷のかかるスポーツや日常生活動作を中止しましょう。痛みがあるけど、無理して運動をするのはとても危険です。アキレス腱周囲炎の治療の基本は安静です。また踵を高くした靴を用いて、アキレス腱への負担を軽減する方法もあります。

また、アキレス腱断裂をしてしまった人は、ストレッチを行っていなかったという研究もあり、アキレス腱への負荷を軽減するために日常的なストレッチを取り入れることをお勧めします。

そして、早期に整形外科を受診することをお勧めします。ときどきステロイドの注射を打ってほしいという患者さんがいますが、ステロイド自体がアキレス腱の断裂の危険性を高めてしまうため、アキレス腱周囲炎に対しては行いません。

まずは整形外科を受診し、専門医の正しい指示を仰ぎましょう。

アキレス腱断裂についてよくあるQ&A

Q:「服用しているとアキレス腱断裂を起こしやすい薬」があると聞いたのですが、本当?

A:フルオロキノロン系の抗菌薬を長期間服用していると、アキレス腱の変性を誘発し断裂が起こりやすくなるという報告があります。

しかし、抗菌薬は必要時に短期間処方されることが多いので、日常的に心配しすぎる必要はありません。ただし、長期間に及ぶ場合は注意が必要です。

Q:アキレス腱断裂テストは簡単にできますか?

A:アキレス腱断裂テストは一般的に、「トンプソンテスト」と呼ばれています。整形外科の診察でも行います。

  • トンプソンテスト
  • ①まずうつ伏せになり、膝を曲げます。
  • ②そのまま力を抜いた状態で、ふくらはぎを握って圧迫した際に、足首が動くかどうか確認します。
  • ③アキレス腱が切れていない場合は、足首が下向きに動きますが、切れていると動きません。

自分でやるとなかなかうまくいかないので、2人でやるのがいいと思います。

まとめ・アキレス腱が切れる予兆の症状とその原因

アキレス腱断裂は、日常生活の中で誰にでも起こりうる怪我です。一度起こしてしまうと、元の生活に戻れるまでには長期間の治療を必要とします。

アキレス腱断裂の予兆を覚えておくと、休息を取るタイミングを見極められるようになります。痛みやむくみなど症状が出ている場合は、無理をせずしっかりと対策をしましょう。

この記事がご参考になれば幸いです。

 

No.S131

監修:医師 加藤 秀一

スポーツ外傷は⼿術しなくても治療できる時代です。

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