ふくらはぎの筋断裂における症状・予防法・リハビリを現役医師が解説
公開日: 2022.03.03更新日: 2024.11.06
「ふくらはぎの筋断裂はどんな症状がある?」
「ふくらはぎの筋断裂を再発防止するには?」
「筋断裂」とは、スポーツなどで急に強い力や無理な力がかかった際に、筋肉が耐えられなくなり、筋線維が損傷して断裂する状態を指します。
とくに、筋断裂が起こりやすい部位は「ふくらはぎ」です。筋線維のうち範囲が限定的、部分的な断裂の場合は「部分断裂(肉離れ)」ともいわれます。
筋断裂が起こると、たとえ部分断裂であっても強い痛みが起こり、動けなくなるので歩くのが困難になります。
また、ふくらはぎは血液を心臓へ戻す役割を果たすため、第2の心臓ともいわれる筋肉です。そのため、筋断裂を起こすと生活に大きな支障が出てしまいかねません。
今回は、ふくらはぎの筋断裂における症状や原因を始め、再発防止や予防法を解説します。
リハビリに関する詳細も解説するので、症状がある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
ふくらはぎの筋断裂における症状
ふくらはぎの筋断裂(きんだんれつ)における主な症状は、ふくらはぎの痛みや内出血です。
ふくらはぎの一部に凹みができる場合もあり、痛みは筋断裂の度合いによって異なります。
安静時や軽く歩く程度なら問題はなくても、走るときだけ痛い場合もあれば、歩くだけで痛いケースもあります。
重度の場合は、安静にしていても痛みを感じます。
ふくらはぎの筋断裂における主な原因
ふくらはぎの筋断裂による主な原因は、筋力や柔軟性の低下、疲労の蓄積などがあげられます。
スポーツなどの激しい動きにかかわらず、事前のウォーミングアップを始め、終了時もクールダウンのストレッチを十分に行うのが大切です。
このような準備が不足すると筋断裂の原因につながります。
また、筋力のバランスや体の動かし方が悪いと、筋断裂が起こりやすくなります。とくにスポーツをしている方は、フォームやトレーニング内容の見直しを行いましょう。
スポーツをしていない方も同様に、普段の姿勢などを見直してみてはいかがでしょうか。
ふくらはぎの筋断裂における再発防止・予防法
ふくらはぎが筋断裂を起こすと、痛みや動きの制限などに悩まされるため、再発防止や事前の予防が必要になります。
とくにスポーツに取り組んでいる方などは、完全に回復しないまま早期復帰をしてしまい、再発する場合があります。
再発予防のためにも、無理をして体を動かさないように注意しましょう。「回復しているはずだから大丈夫」と自己判断するのは禁物です。
ふくらはぎの筋断裂における再発防止や予防には、体の柔軟性を高めるストレッチが効果的です。
筋肉はさまざまな方向に向かって付いているため、ストレッチをするときは一方向だけに偏らないように注意しましょう。
いろいろな方向へ伸ばしながら、ひねりや回転などを加える意識をもってみてください。
また、スポーツ外傷の方で治療期間を早めたいときは、再生医療の治療方法もあります。
ふくらはぎの筋断裂を含め、何かしらの症状を抱えておられる方は、当院「リペアセルクリニック」のメールや電話からご相談ください。
ふくらはぎの筋断裂におけるリハビリは回復に欠かせない
ふくらはぎの筋断裂を回復させるには、リハビリによる治療が大切です。
以下では「なぜリハビリが必要なの?」と疑問を感じる方に向けて、リハビリをする理由や始めるタイミング、リハビリ内容の詳細を解説します。
・ふくらはぎの筋断裂でリハビリをする理由 ・ふくらはぎの筋断裂でリハビリを始めるタイミング ・ふくらはぎの筋断裂におけるリハビリ内容 |
ふくらはぎの筋断裂でリハビリをする理由
ふくらはぎの筋断裂における治療では、柔軟性と筋力を回復させるためにリハビリを行います。
筋断裂が起きて筋組織が回復していく過程で、患部と周囲は少しずつ硬くなります。
幹部や周囲が硬くなったまま、今までと同じように部位を使うと、思うように動かせなかったり大きな負荷がかかったりして、筋断裂が再発する危険性もあるからです。
また、動かせる範囲が制限されてしまうだけでなく、動かせたとしても、安静にする必要があるのでどうしても筋力が低下します。
そのため、患部や周囲の硬くなった部分において、低下した筋力や柔軟性に働きかけながら、改善しなければなりません。
発症前と同じような動きを目指しながら、再発防止のためにもリハビリは重要なのです。
ふくらはぎの筋断裂でリハビリを始めるタイミング
ふくらはぎの筋断裂によるリハビリは、症状を起こしてからいきなり始めるわけではありません。
なぜなら筋断裂が起きると断裂した部分は炎症を起こします。
炎症を起こしている間は、安静にして患部を冷やしたり、圧迫して血腫が大きくなるのを防いだりするなど、痛みや腫れが軽減するのを待つ期間が必要です。
腫れや痛みが治まってから、ゆっくりと患部を動かします。痛みなくリハビリを行える状態であれば、ようやくリハビリを開始する流れです。
ふくらはぎの筋断裂におけるリハビリ内容
リハビリの内容は医療機関や指導者によって異なりますが、ストレッチと筋力トレーニングが基本となります。
ストレッチは、患部が軽く伸びるくらいの強さで、時間をかけて(20~30秒くらい)ゆっくりと伸ばしていきます。上記を3セットから5セットくらい行う流れです。
一方、筋力トレーニングは、筋力低下を改善する目的以外にも、患部に刺激を与えると回復が早まる効果が期待できるでしょう。
たとえば、筋断裂が起きやすい太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)の筋力トレーニングを例に見ていきましょう。
ハムストリングスの筋力トレーニングでは、うつぶせになって足を伸ばした状態で、上にあげるヒップエクステンションのトレーニングがよく行われます。
リハビリの目的で筋肉トレーニングを行う方法は有効ですが、トレーニングは過度に行うのではなく、専門家による指導のもと行うのが再発防止につながります。
まとめ|ふくらはぎの筋断裂は治療を受けて再発予防にストレッチを行おう
ふくらはぎの筋断裂を起こすと、痛みや動きの制限で悩まされます。
筋断裂の再発や慢性化を防止するために、運動するときはウォーミングアップやクールダウンのストレッチなどをしっかり行いましょう。
万が一、筋断裂が起こったときは、適切な治療を受ける必要があります。また、筋断裂が回復するまでは、改善を図るためにもしっかりとリハビリを行うのが大切です。
ただ、回復して、筋断裂を起こす前と同じような生活を送れるようになった場合も、ストレッチなどを行って再発防止につなげましょう。
最近では、スポーツ医療の分野において、再生医療の治療方法に注目が集まっています。筋断裂の治療における選択肢のひとつとして、検討してみてはいかがでしょうか。
当院「リペアセルクリニック」では、スポーツ外傷における再生医療の治療を行っています。
筋・腱・靭帯損傷などの症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
【リペアセルクリニックへの相談方法】 |
ふくらはぎの筋断裂に関するQ&A
ふくらはぎの筋断裂に関して、質問と答えをまとめています。
ふくらはぎの筋断裂はどのくらいの治療期間が必要なの?
A.症状の程度にもよりますが、軽度だと2週間ほど、中等度だと2カ月ほどの期間が目安となります。
詳細は、以下の記事も参考にしてみてください。