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脳幹出血で突然死が起きる際には3つの前兆サインあり!治療法を医師が解説
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脳幹出血は、命に関わる深刻な病気です。脳幹には生命維持に関わる機能が集中しているため、ここで出血が起こると最悪の場合、突然死を招く場合もあります。
本記事では、脳幹出血で突然死する可能性について解説しています。早期発見につながる前兆サインも紹介しているので、健康管理に力を入れたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
脳幹出血は突然死を起こす可能性がある【余命が短いケースも】
脳幹出血とは脳の脳幹部分に出血を引き起こす脳出血の一種です。
脳幹は人間の生命活動をつかさどる中枢で、呼吸・心拍のコントロールや視覚・聴覚の処理、ホルモン分泌などを担当しています。
この部位で出血が起きると、四肢麻痺や意識障害など深刻な後遺症を残す可能性があり、最悪の場合は突然死を招き余命が短くなるケースもあります。
一方で、出血量が少ない場合は、症状が軽く予後が良好なケースもあります。重症化を防ぐためにも、以降で紹介する脳幹出血の前兆サインを覚えて、早期発見に努めましょう。
以下の記事では、脳幹出血の後遺症について解説しています。後遺症の種類や症状を詳しく知りたい方はぜひあわせてご覧ください。
なお、後遺症の治療には人間の自然治癒力を活用した「再生医療」が効果的です。再生医療により身体の機能(後遺症)が回復した症例は数多く報告されています。具体的な症例が知りたい方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。
脳幹出血で突然死のリスク警戒となる3つの前兆サイン
脳幹出血は、突然死のリスクを伴う怖い病気です。早期発見のためには、以下3つの特徴的な前兆サインを知っておくのが大切です。
- めまい
- いびき
- 視覚の異常
順番に見ていきましょう。
めまい
めまいは、脳幹出血の症状の1つです。そのため、普段と異なる激しいめまいを感じた際は、脳幹出血の疑いがあります。
めまいが起こる原因は、脳幹内の体全体のバランスを調整する機能が出血により破綻するためです。(文献1)
脳幹出血によるめまいは、同時に目や手足の麻痺、顔のしびれなどを含む複数の症状が現れるケースが多いです。複数の症状が同時に現れた場合は、脳幹出血である可能性がより疑われるため、医療機関を受診して検査してもらうと良いでしょう。
早期の対応で命を守れる可能性が高まります。
いびき
脳幹出血における前兆のサインとして、いびきが大きくなることがあります。脳幹は呼吸や血圧を調整する機能があり、その機能に問題が生じると、大きないびきが発生するのです。
以下のように、いびきに変化が見られたら体からの警告サインかもしれません。
・いつもより大きないびきをかく ・段いびきをかかないのに急に大きないびきをかく |
「こんないびきはおかしい…」と感じたら、脳幹出血の疑いを視野に入れて医療機関の受診を検討してみましょう。
視覚の異常
脳幹は視覚情報を処理する役割も担っているため、出血が起きると視覚に関わる症状が現れることがあります。
たとえば以下のような症状です。
|
視覚の異常は、目の問題だと思ってしまうケースも多いため、脳の異常に気づくのが遅れる場合もあります。早期に対応できるよう、視覚異常も脳幹出血の症状の1つであると覚えておきましょう。
脳幹出血に有効は2つの治療法
ここでは、脳幹出血に有効な治療法を2つ紹介します。
- 保存療法
- 再生医療
治療内容をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
保存療法
脳幹出血では、保存療法が中心となります。
まず優先されるのは、血圧を下げて安定させることです。さらなる出血を防いで、脳へのダメージをできるだけ少なくするためです。入院中は安静にしながら、点滴を使って血圧を下げる薬を投与します。
ほかの部分の脳出血では、たまった血液(血腫)を取り除く手術をおこなう場合があります。しかし、脳幹出血の場合、手術は基本的に選択されません。
脳幹は、生命維持に関わる機能が集中しており、手術には大きなリスクがあるためです。また、脳幹はとても狭い空間にあるため、手術自体が困難です。
そのため脳幹出血では、血圧の管理や脳のむくみを抑える保存療法が一般的な治療法となります。
再生医療
再生医療とは、修復力のある幹細胞の働きを利用して、弱ったり、傷ついたりした神経細胞を修復する新しい治療法です。
再生医療では、麻痺や意識障害といった脳幹出血の後遺症の回復を早めたり、脳卒中の再発を予防したりする効果が期待されています。
再生医療で脳幹出血の治療を進めたい方は、弊社『リペアセルクリニック』にご相談ください。再生医療の症例数10,000例以上の経験を活かし、患者さま一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。
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まとめ|脳幹出血における突然死のリスクを把握して前兆サインを見逃さないようにしよう
脳幹出血は命にも影響を及ぼす怖い病気ですが、早期発見・早期治療で重症化のリスクを軽減できる可能性があります。
早期発見の鍵は、前兆サインの理解です。本記事で紹介した3つのサインを心に留めておき、普段と違う症状を感じたら、早めに病院への受診をご検討ください。
脳幹出血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。
これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、脳幹出血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。
詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。
脳幹出血に関するよくある質問
最後に脳幹出血に関するよくある質問と回答をまとめます。
脳幹出血を起こしやすい人はいますか?
脳幹出血は、高血圧が主な原因となる病気です。また、血管の病気や脳血管奇形をもつ人にも起こる可能性があります。
また、以下のような生活習慣も脳出血のリスクを高める要因です。。
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生活習慣の見直しと改善をおこなえば、脳幹出血の予防につながります。
脳幹出血のリハビリテーションにはどんなものがありますか?
脳幹出血のリハビリは、どのような症状が出ているかによって患者さんごとにプランが立てられます。大きくは、以下3つにわけられます。
プラン |
内容 |
理学療法 |
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作業療法 |
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言語療法 |
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精神的なサポートや心理療法も大事なリハビリです。個々の患者さんの病態にあわせて、いろいろな角度からリハビリをおこなっていきます。
以下の記事では、脳幹出血のリハビリプログラムを解説しています。リハビリの進め方を
詳しく知りたい方はぜひあわせてご覧ください。
脳幹出血を発症したら余命はどれくらいですか?
脳幹出血の発症後における、公的データは見つかりませんでした。
ただし、脳幹出血の予後を調べたとある研究結果によると、70歳以上の死亡率が79%、70歳未満の死亡率が57%となっています。(文献2)
脳幹は生命の維持を司る部位のため、発症すれば生命に関わる危険性があると覚えておきましょう。
以下の記事では、脳幹出血の余命について詳しく解説しています。脳幹出血の予後への理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。
【参考文献】
文献1:https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/051111092.pdf
文献2:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/30/1/30_1_38/_pdf
監修者
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圓尾 知之 医師 (医療法人美喜有会 脳神経外科 部長)
Tomoyuki Maruo
日本脳神経外科学会 所属
脳神経外科の最先端治療と研究成果を活かし、脳卒中から1日でも早い回復と後遺症の軽減を目指し、患者様の日常生活の質を高められるよう全力を尽くしてまいります。