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脳幹出血の後遺症とは?リハビリや効果的な治療法を現役医師が解説

脳幹出血に幹細胞治療
公開日: 2023.07.06 更新日: 2025.02.12

脳幹出血は、四肢麻痺や意識障害など重篤な後遺症が出る可能性のある病気です。

早めにケアをおこなえば回復が見込めるケースもあるので、後遺症が出たら早期リハビリを検討しましょう。

本記事では脳幹出血の後遺症の種類や治療方法を解説します。脳卒中の後遺症に対する有効な治療法「再生医療」も紹介しているので、治療方法に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

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脳幹出血の後遺症にはどのようなものがあるのか?

そもそも脳幹出血は、脳幹という脳の中でも呼吸活動を司ったり、血圧を保ったりといった、生命活動にとって根幹となる機能をもつ部位に生じる出血のことです。

脳幹出血が起こると、命が助かったときでも後遺症が出る場合があります。

たとえば、両手足が動かなくなる四肢麻痺や、認識力や判断力が低下する意識障害、食事や水の呑み込みが難しくなる嚥下障害などがあげられます。(参考1

また、脳幹の一部である橋(きょう)の場所で出血が起こると、意識障害や全身の麻痺が起こり、出血が広がると呼吸困難となり、重篤な状態になる可能性もあります。ときに、出血量が多い場合には命が助からないケースもあり得るのです。

以下の記事では脳幹出血の後遺症の1つである「運動失調」について詳しく解説しています。具体的な症状や治療法も紹介しているので、運動失調の理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。

脳幹出血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。

これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、脳幹出血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。

詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。

脳幹出血の後遺症に効果的なリハビリや治療法

ここでは脳幹出血における後遺症の治療に有効なリハビリと再生医療について解説します。それぞれの目的や効果について紹介していくので、後遺症の治療方針を決める際の参考にしてみてください。

リハビリ

脳幹出血による後遺症のリハビリは、発症から以下3つの時期にわけてプログラムを組んでいきます。

  • 急性期:発症から約2週間
  • 回復期:急性期後、体の状態が安定した時期
  • 維持時:回復期後、自宅に戻って生活をはじめる時期

急性期は、早期リハビリが推奨されています。安静状態でベッドに長期間とどまっていると「廃用症候群」(寝たきりによって筋肉の衰えや関節の硬化が起こる症状)を引き起こす可能性があるためです。そのため、急性期は廃用症候群の予防として、ベットの上で手足のストレッチや体位の交換といった軽い運動をおこなうケースが多い傾向にあります。

回復期は、後遺症により失われた機能を回復させるために本格的なリハビリを開始します。症状や重症度は個々によって異なるため、一人ひとりに合わせたプログラムの作成が必要です。リハビリ専門のスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の指導のもと、退院後の自宅での生活や会社復帰に向けた訓練をおこないます。

維持期は退院後、回復した機能の維持や向上を目指すリハビリを継続します。外来リハビリへの通院や自宅でのトレーニングを通して、機能の維持・改善を図っていく流れが一般的です。

以下の記事では脳幹出血のリハビリプログラム について詳しく解説しています。症状別のリハビリ 例も紹介しているので、気になる方は是非参考にしてみてください。

再生医療

脳幹出血の後遺症への治療法として「再生医療」が注目されています。

再生医療とは、修復力のある幹細胞の働きを利用して、弱ったり、傷ついたりした神経細胞を修復する新しい治療法です。

脳幹出血の後遺症に対する再生医療では、主に以下3つの効果が確認されてます。

  • 脳神経細胞の再生による身体機能の回復
  • 脳神経細胞の再生によるリハビリ効果の向上
  • 脳血管の修復による再発予防

順番に解説していくので、詳しく見ていきましょう。

効果1. 脳神経細胞の再生により身体機能が回復する

傷ついた脳細胞を再生医療で修復すれば、麻痺や呂律困難などの後遺症の回復が期待できます。

再生医療に使われる幹細胞は、神経、血管、骨、軟骨などに変化する能力があり、炎症をおさえ症状の痛みや後遺症の痺れを緩和させる効果もあります。

自己の細胞を使用するため、身体への負担が少なく安全な治療が可能です。

効果2.脳神経細胞の再生によるリハビリ効果の向上

再生医療とリハビリと組み合わせれば、より高い回復効果が期待できます。発症から数年が経過した患者さんでも、幹細胞治療とリハビリの併用で症状改善の可能性が広がります。

再生医療をはじめたからといって劇的に後遺症がなくなるわけではありません。しかし「車椅子の方が杖で歩けるようになった」「呂律困難があったがスムーズな会話が可能となった」といった段階的な改善効果の希望がもてる治療法といえます。

効果3.脳血管の修復による再発予防

脳卒中の怖いところは再発率が高いことです。はじめは軽い症状でも、再発を繰り返せば後遺症が重症化していくリスクが高まります。

再生医療は傷ついた脳細胞を再生させるだけでなく、今後、脳出血や脳梗塞になるかもしれない傷ついた血管を予防的に修復させて、再発をおさえてくれます。

再生医療で脳幹出血の治療を進めたい方は、弊社『リペアセルクリニック』にご相談ください。再生医療の症例数10,000例以上の経験を活かし、患者さま一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。

脳卒中の治療

まとめ|脳幹出血の後遺症に対する理解を深めて適切な訓練や治療を受けよう

脳幹出血による後遺症の代表的な治療は、リハビリです。回復過程と個人の状態に合わせた適切なプログラムを実施すれば、段階的な症状の改善が期待できます。

近年では、脳幹出血における後遺症の治療法として「再生医療」が注目されています。

再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。幹細胞の修復力を利用して、脳細胞の機能回復を促進します。

「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。

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脳幹出血の後遺症に関するよくある質問

最後に脳幹出血の後遺症に関するよくある質問と回答をまとめます。

脳幹出血で後遺症なしの確率はどれくらい?

厚生労働省の調査では、18歳から65歳の脳卒中患者1,584名のうち、後遺症がまったくないと回答した人は344名でした。

つまり、約2割の脳卒中患者は後遺症が出ず、約8割の患者には脳卒中によるなんらかの影響が出ている結果となっています。

以下の記事では、脳出血で後遺症が残らない確率について詳しく解説しています。脳卒中に関する調査結果を複数紹介しているので、理解を深めたい方はぜひあわせてご覧ください。

脳幹出血を発症したら回復の見込みはあるの?

回復の見込みは、患者さん一人ひとりの状態によって変わってきます。回復見込みを把握したい方は、担当医に聞いてみると良いでしょう。

以下の記事では脳幹出血の回復見込みに関する情報をまとめています。軽度または重度における障害の程度も解説しているので、理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。

再生医療のメリット・デメリットが知りたい

再生医療のメリットは、患者さん自身の体から採取した組織を使用するため、拒絶反応のリスクが極めて低く、安全性の高い治療であることです。

また、従来の治療法(薬物療法や手術)が症状の安定化を主な目的としているのに対し、再生医療では損傷した血管の修復や新しい血管の形成を促すのが目的です。そのため、後遺症の根本的な症状改善が期待できます。

一方で再生医療のデメリットは、再生医療は2024年11月現在、保険適用外の自費診療となっているため、治療費が高額になる可能性があります。また、治療効果には個人差があるため、医師との十分な相談のもと慎重な判断が必要です。

【参考文献】
文献1:https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology1968/49/5/49_5_755/_pdf

監修者

圓尾 知之(医療法人美喜有会 脳神経外科 部長)

圓尾 知之 医師 (医療法人美喜有会 脳神経外科 部長)

Tomoyuki Maruo

日本脳神経外科学会 所属

脳神経外科の最先端治療と研究成果を活かし、脳卒中から1日でも早い回復と後遺症の軽減を目指し、患者様の日常生活の質を高められるよう全力を尽くしてまいります。

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