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大腿骨内顆骨壊死は難病?大腿骨頭壊死との違いについても解説

大腿骨内顆骨壊死 難病
公開日: 2023.08.17 更新日: 2025.08.31

大腿骨内顆骨壊死とは、大腿骨の膝に近い「内顆(ないか)」で血流障害が起こり、骨が壊死してしまう病気です。

大腿骨内顆骨壊死について調べると、関連キーワードとして「難病」と出てきます。

勘違いされることが多いですが、大腿骨内顆骨壊死は指定難病ではありません。

本記事では、大腿骨内顆骨壊死がなぜ指定難病だと勘違いされているのか、実際にはどのような病気なのか解説します。

大腿骨内顆骨壊死になったらやってはいけないことや、よくある質問もまとめていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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大腿骨内顆骨壊死は指定難病ではない

大腿骨内顆骨壊死は指定難病ではありません。

病名が類似している「大腿骨頭壊死症」は指定難病なので、混同してしまう方がいます。

大腿骨の骨が壊死してしまうという点では共通していますが、異なる病気であることを理解しておきましょう。

指定難病とは、難病法で定義されている「発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない、希少な疾病で、長期の療養を必要とする」難病の中でも、医療費助成の対象となる疾患を指します。

大腿骨内顆骨壊死と大腿骨頭壊死とのちがい

大腿骨内顆骨壊死と大腿骨頭壊死では、疾患部位や原因などで違いがあります。

それぞれの特徴と違いを表にしてまとめました。

  大腿骨内顆骨壊死 大腿骨頭壊死
損傷部位の違い 膝(大腿骨内顆骨) 股関節(大腿骨頭)
難病指定かどうか × 〇(指定難病71)
原因
  • 加齢
  • 骨粗しょう症
  • ステロイドの長期使用
  • 原因は明らかになっていない

(ステロイドの使用、アルコールの過剰摂取などが要因として指摘されている)

年齢層
  • 中高年
  • とくに60歳以上の女性に多い
  • ステロイド投与をしている20代~30代
  • 30代~50代の中高年

大腿骨内顆骨壊死の症状

大腿骨内顆骨壊死の主な症状は以下の通りです。

  • 立ち上がる際や階段の上り下りをした際に膝が痛む
  • 安静時にも痛みが起こる
  • 関節の可動域が狭まり、腫れや歩行困難が生じる
  • 関節が変形し、場合によっては変形性膝関節症へ進行する

早期発見や軽症の場合は痛みが出る程度ですが、そのまま治療をせず放置してしまうと関節の可動域低下や、歩行困難を引き起こします。

さらに症状が進行し末期になると関節の変形が起こることもあるため、異変に気づいたら早めに医療機関を受診しましょう。

大腿骨内顆骨壊死の治療法

大腿骨内顆骨壊死の主な治療は、「保存療法」「手術療法」「リハビリテーション」に分かれます。

軽症の場合や早期発見の場合、保存療法やリハビリテーションによって様子を見ることが多いです。

保存療法では効果が得られない場合、手術療法が検討されます。

近年では研究が進み、再生医療も治療の選択肢として検討されるようになりました。

それぞれの治療法について解説します。

保存療法

保存療法とは、手術などは行わず、安静にすることで症状の改善を目指す治療です。

膝への負担を軽減するため、以下の治療を行います。

鎮痛剤で痛みを和らげる。

  • 膝サポーターやインソールなどの装具を使用する。
  • 長時間の歩行や過度な運動は避け、安静にする。
  • ジャンプ動作や正座など、日常生活の中で膝に負担のかかる動作を避ける。
  • 必要に応じて体重管理をする。

過度な運動は病状を悪化させる恐れがありますが、運動をして筋力を高めることも治療としては重要です。

運動量は医師と相談し、症状に合わせて変えましょう。

また、体重の増加は膝への負担を増やしてしまいます。体重管理を行い適正体重を維持してください。

手術療法

保存療法で効果が見られず症状が悪化している場合は、手術療法が検討されます。

大腿骨内顆骨壊死の主な手術方法は3通りです。

手術名 手術の内容
鏡視下滑膜切除術 関節鏡を用いて痛みの原因となる炎症組織を取り除く手術
高位脛骨骨切り術 すねの骨である「脛骨」を切り、膝関節内側の変形を最小限にすることで膝の負担を軽減する手術
人工膝関節置換術

壊死部、もしくは膝関節全体を切除し、人工関節にする手術

鏡視下滑膜切除術は早期発見の場合に行われることが多い手術です。

高位脛骨骨切り術は、関節の外側部分がすり減ってしまっている場合、手術が受けられないことがあります。

また、症状が進行し末期の場合、手術の効果が十分に得られないことがあります。

人工膝関節は耐用年数が15~20年程度のため、患者様のご年齢や生活状況を考慮して受けるかどうか検討することが大切です。

この手術では、壊死した患部の状況によって人工関節を導入する範囲が変わります。

リハビリテーション

保存療法や手術療法で症状が改善した後も、早期の社会復帰にはリハビリテーションが欠かせません。

大腿骨内顆骨壊死のリハビリでは、膝の機能回復と負担軽減を目指し、主に以下のトレーニングをします。

  • 歩行訓練
  • 膝関節の可動域訓練
  • 膝関節周辺の筋力トレーニング

運動量や強度は症状や年齢によって変動するため、必ず医師の判断の元、無理のない範囲で行ってください。

歩けず歩行訓練が難しいという方は、家でテーブルなどにつかまり、その場で足踏み運動をするのがおすすめです。

再生医療

手術が怖い、合併症のリスクが気になるという方には、再生医療という選択肢もあります。

再生医療では、患者様から採取した幹細胞を培養し、患部に投与します。他の細胞に変化する「分化能」という幹細胞の能力を活用する治療法です。

患者様自身の脂肪から採取した幹細胞を使うため、アレルギーや拒絶反応を起こすリスクが低い点が特徴的です。

当院では、再生医療によって大腿骨頭壊死症の治療を行った症例も紹介しています。

詳しい治療の経過や効果について知りたい方は、ぜひあわせて読んでみてください。

大腿骨内顆骨壊死の悪化を防ぐには

大腿骨内顆骨壊死を悪化させないためには、膝への負担軽減が重要です。

  • 体重管理をする。
  • 筋肉をつけ、関節への負担を減らす。
  • 深くしゃがみ込んだり、正座など膝に負担のかかる姿勢をとらない。
  • 骨を丈夫にするビタミンやカルシウムを食事で摂る。

日常生活の中で上記のことを心がけましょう。

また、早期に医療機関を受診することも重要です。

放置すると症状が悪化する恐れがあります。少しでも違和感を感じたら自己判断はせず、専門の医師に相談しましょう。

まとめ|大腿骨内顆骨壊死は難病ではない!大腿骨頭壊死と混同せず適した治療を進めよう

指定難病である「大腿骨頭壊死症」と混同されがちですが、「大腿骨内顆骨壊死」は指定難病ではありません。

大腿骨内顆骨壊死は、症状が進行すると歩行困難や関節の変形を引き起こし生活に支障をきたす可能性がある病気です。

膝の痛み、特に歩行時や階段昇降時の痛みが特徴的な症状です。少しでも違和感があれば、早めに専門医に相談することが大切です。

治療は症状の程度により、保存療法から手術療法、そして再生医療の選択肢があります。

大腿骨内顆骨壊死を治療するうえで「手術を避けたい」とお考えの方は、再生医療をご検討ください。

再生医療について詳しくは、以下のページをご覧ください。

手術しなくても治療できる時代です。

膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

大腿骨内顆骨壊死についてよくある質問

Q:大腿骨内顆骨壊死の手術費用はどのくらいかかりますか?

大腿骨内顆骨壊死の手術費用は、入院期間や手術の種類によって異なります。

人工関節置換術の場合、医療保険適用でおおよそ60万円から80万円とされています。

高額療養制度を利用して自己負担を軽減することもできるため、医療機関で相談してみましょう。

Q:大腿骨内顆骨壊死になったらやってはいけないことはありますか?

大腿骨内顆骨壊死になったら、膝に負担がかかる行為は避けましょう。

下記のような行為は症状を悪化させる恐れがあります。

  • 急に深くしゃがみ込む、ジャンプする
  • 長時間の歩行や過度な運動

大腿骨内顆骨壊死と診断されたら、安静を心がけてください。

必要に応じて膝サポーターやインソールなどの装具を使用しましょう。