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高血圧の薬はグレープフルーツ以外にも注意?一緒に食べてはいけない柑橘類を医師が解説

高血圧の薬とグレープフルーツなどの柑橘類は、相互作用によって薬の効き目が強まってしまうため注意が必要です。
本記事では、高血圧の薬との飲み合わせに注意したい『柑橘類』について紹介します。
ご家族の中に高血圧の方がいる場合、「脳梗塞」や「脳出血」などの発症すると命に関わる病気につながらないように注意しましょう。
「高血圧の治療で効果が見られない」「別の治療法があれば知りたい」という場合、傷付いた血管の改善が期待できる再生医療も選択肢の一つです。
再生医療は傷付いた血管や高血圧によって発症する脳梗塞の症状改善が期待できる治療法です。
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目次
高血圧薬とグレープフルーツをいっしょに食べてはいけない理由は「フラノクマリンが含まれるため」
グレープフルーツと一部の薬を一緒に摂取することは避けるべきとされています。
理由としては、グレープフルーツに含まれる特定の化学成分(主にフラノクマリン類)は、人体内で薬物を分解する酵素(とくにCYP3A4というシトクロムP450酵素)の働きを阻害するからです。
この酵素は、薬物をより無害な形に分解し、体外へ排出するために重要です。しかしこの酵素の阻害は、薬物の体内での濃度を予期せず増加させ、副作用が起こるリスクを高めてしまいます。
血圧を下げる作用を持つ薬剤(降圧薬)の一群に『カルシウムチャネル拮抗薬』がありますが、こちらを一例としてご紹介します。
カルシウムチャネル拮抗薬の薬効は、血管を拡張させることで血圧を下げることです。しかし、フラノクマリン類との相互作用により、これら薬剤の効果が強まり、低血圧やめまい、倦怠感などの副作用を引き起こすリスクが高まってしまいます。
高血圧の薬にはカルシウムチャネル拮抗薬だけでなく、さまざまな作用の仕方、成分がありますが、グレープフルーツを含む柑橘類は同じく避けましょう。
これが降圧薬とグレープフルーツを一緒に摂ってはいけない理由です。
さらに、高血圧の薬以外にもグレープフルーツが影響を及ぼす薬剤として、以下のようなものが挙げられます。
- 高血圧治療薬(例:カルシウムチャネル拮抗薬 フェロジピン)
- コレステロール低下薬(例:スタチン類)
- 抗不安薬
- 免疫抑制剤
- 抗アレルギー薬
これらの薬剤も、CYP3A4酵素によって代謝されるため、グレープフルーツやグレープフルーツジュースとの同時摂取はとくに注意が必要です。
健康を守るためにも、薬を服用している場合は、柑橘類の摂取に関して医師や薬剤師と相談しましょう。
また、高血圧については以下の記事でも紹介していますのであわせてご覧ください。
グレープフルーツ以外のフラノクマリン含有量の高い果物(柑橘類)一覧
グレープフルーツ以外にも、高血圧治療薬と相互作用を起こしやすい柑橘類の一覧は以下の通りです。
出典:酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング
それぞれ「果汁」と「果皮」でフラノクマリン類含有量が異なることもあるため、上記の柑橘類には注意しましょう。
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果汁の場合
果汁ではスウィーティー、メロゴールド、バンペイユがグレープフルーツと同程度の結果でした。
そして、フラノクマリンの量が増えるとCYP3A4の活性が阻害(働きが妨げられること)される強さの度合いはほぼ比例すると報告されています。
そのため、スウィーティー、メロゴールド、バンペイユおよびレッドポメロはグレープフルーツと同様に、フラノクマリン類による相互作用に注意が必要であると考えられます。
ダイダイ、ブンタン(ザボン)についてはやや少ないですが、これらも注意が必要です。
なお、スウィーティーとレッドポメロはすでに生物の体内でもグレープフルーツと同様にCYP3A4の働きを妨げることが報告されていますが、メロゴールドについてはまだ報告されていません。
果皮の場合
また、果皮についてはメロゴールドとスウィーティー、甘夏みかんおよびサワーポメロがグレープフルーツに近い結果でした。さらに、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で、果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかりました。
レモン・オレンジは相互作用の心配が少ない柑橘類
一方で、レモンや日向夏、ネーブルオレンジ、スウィートオレンジ、温州みかん、ポンカン、イヨカン、デコポン、ゆず、カボス、すだち、キンカン、バレンシアオレンジといった柑橘類については、少なくとも果汁にフラノクマリンはほぼ含まれていない(N.D.:未検出)ので、CYP3A4との相互作用の心配は少ないのではないかと考えられます。
しかし前述したように、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかっています。果汁については心配の少ない柑橘類でも、果皮については、注意が必要です。
高血圧の薬と一緒に柑橘類を食べるときの4つの注意点
高血圧の薬と柑橘類を一緒に食べるときは、以下4つのポイントに注意する必要があります。
- フラノクマリンの含有量が低い柑橘類を食べる
- 果物漬けやマーマレードなど加工食品にも注意を払う
- どうしても食べたいときは医師や薬剤師へ相談する
- フラノクマリンが多い果物を食べた場合は安静にし体調の変化がないか確認する
フラノクマリンの含有量が低い柑橘類を食べる
柑橘類のなかには、フラノクマリンの含有量が少ないものもあります。
ミカンやオレンジなどの柑橘類で、食べたいと感じる気持ちを落ち着かせましょう。
また、先述したように皮は含有量が高い場合もあります。含有量をあらかじめ調べておくと良いでしょう。
果物漬けやマーマレードなど加工品にも注意を払う
先ほど述べたように、柑橘類の果汁よりも「果皮」にフラノクマリンが多く含まれていることがわ分かっています。そのため、果皮の果物漬けや、マーマレードなどの加工食品を食べる際にも、十分な注意が必要です。
ただし、グレープフルーツ由来のフラノクマリンなどの成分は小腸のCYP3A4に数日間影響を与えます。
そのため、降圧薬を飲む場合には、グレープフルーツジュースで薬を飲むことを避けるだけでは不十分と考えられます。
日常生活の中で、グレープフルーツジュースだけでなく、果汁やサワー、マーマレードなどの加工食品を摂取するのは避けた方が良いでしょう。
ミックスフルーツジュースを飲む際も、グレープフルーツが含まれているかどうかを確認する必要があります。
どうしても食べたいときは医師や薬剤師の意見を参考にしよう
薬剤師や医師は、高血圧薬との飲み合わせに関する専門的な知識を持っています。
薬を服用中の患者は、新しい食品やサプリメントを摂取する前に必ず医療の専門家に相談しましょう。
たとえば、主治医である血圧の診療に長けている医師や、治療薬に精通した薬剤師などは、自分の状況に合ったアドバイスをくれるでしょう。
高血圧の治療中に、自己判断で、新しいサプリメントなどを飲み始めることはあまり勧められません。
摂取すべきでない食品や飲み物、サプリメントを避けることで、高血圧の治療効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小化できるでしょう。
代替となる安全な飲み物や食品
グレープフルーツや特定の柑橘類が持つ特定の薬剤との相互作用は、高血圧治療薬を含むさまざまな薬の効果に影響を及ぼす可能性があります。
しかし、柑橘類にはビタミンCをはじめとする、健康的な食生活にとって大切な食品であるという側面もあります。
そこで、柑橘類のように高血圧の薬との相互作用を避けるため、他のビタミンCが豊富な食品への代替が推奨されます。
ビタミンCは抗酸化作用を持ち、免疫機能のサポートやコラーゲンの生成に必要な栄養素です。
おすすめの代替食品
キウイ:キウイはビタミンCが豊富であり、1個のキウイで1日のビタミンC推奨量のほぼ100%を提供します。また、抗酸化物質、食物繊維、ビタミンKも豊富に含まれています。
赤ピーマン: 野菜の中でもとくにビタミンCが豊富で、グレープフルーツや柑橘類を避ける必要がある人にとって優れた選択肢です。サラダや料理の彩りも良くしてくれ、栄養も豊富なためおすすめです。
フラノクマリンの多い果物を食べてしまった場合には安静にし体調の変化を確認する
もしも知らずにフラノクマリンの多い果物を食べてしまった場合には、急激な体調の変化が起こる可能性があります。
軽度のめまいや頭痛から、血圧が下がるとショック症状や心臓にかかわる症状が出るおそれもあります。
そのため、運動や外出などは避け、座ったり休んだりしながら様子を見ましょう。
明らかな体調の変化が起こった場合には、受診し医師の指示を仰ぐ必要があります。
まとめ|フラノクマリンの多い果物(柑橘類)には要注意
薬との飲み合わせが気になるけど、それでも柑橘が食べたいという時があると思います。
グレープフルーツ以外にも相互作用を起こしやすい柑橘類もありますが、その心配の少ない柑橘類もあります。
しかし、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかっています。
果汁については心配の少ない柑橘類でも、果皮については注意が必要しましょう。
柑橘類を選ぶ際には、この記事の内容をご参考にしていただければ幸いです。
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また、高血圧の薬の種類や副作用については以下の記事でも解説しておりますのでチェックしてください。
監修者

渡久地 政尚 医師 (医療法人美喜有会)
Masanao Toguchi
日本再生医療学会 所属
日本内科学会 所属
再生医療の可能性を追求しながら、体への負担が少なく効果的な治療を提供し、患者様が早期に活動的な生活に戻れるよう、丁寧な診療を心がけてまいります。
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