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人工関節置換術後の痛み対策!専門家が教える最善のアプローチ

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適切なリハビリテーションと痛みのコントロールで快適な生活を

「人工関節置換術を受けたのに痛みが続いてしんどい」
「痛みの原因がわからずただ不安」

このように、人工関節置換術を受けた方で、痛みが続いて本当に回復するのか不安に感じている方も多いでしょう。痛みが続くと日常生活に支障をきたしたり、回復しない焦りで不安になったりしますよね。

そうした術後の痛みに対しては、適切なリハビリテーションと痛みのコントロールが重要です。

そこで今回は、人工関節置換術後の痛みの原因から自宅でできるリハビリテーションの方法、人工関節を長期的に保つためのケア方法まで紹介していきます。

人工関節置換術後

人工関節置換術後の痛みの原因と一般的な症状

人工関節置換術後は、ほとんどの方が手術にともなう痛みを感じ、以下の症状が生じる場合があります。

  • 手術による傷口の痛み
  • 筋肉や関節の痛み
  • 神経障害性の痛み

それぞれについて、詳しく解説していきます。

なぜ痛みが生じるのか?

人工関節置換術後に生じる痛みの原因は、大きく分けて3つあります。

痛みの原因は症状や部位によって異なり、程度や期間にも個人差があります。

痛み 原因
手術による傷口の痛み 手術により組織が損傷を受けると、炎症反応が起こり、痛みや腫れが生じる
筋肉や関節の痛み 手術のために筋肉を切開するため、術後は筋力が低下する。また、関節を動かす機会が減るため、関節が硬くなる。これらによって、動作時の痛みが生じる
神経障害性の痛み 手術の際に神経を損傷したことにより、関節周囲の神経が敏感になり痛みを感じる

一般的には手術後、数週間から3ヶ月の間で徐々に症状が改善していく方がほとんどです。

痛みが示す可能性のある合併症(感染)

人工関節置換術後の痛みは、合併症を引き起こした場合でも現れる可能性があります。痛みを感じる合併症の代表的なものとして感染があり、痛みが長期的に続く、強くなる場合には注意が必要です。

感染が起こると、痛みのほかに関節の腫れ、発赤、熱感などの症状が現れます。また、全身状態として発熱や倦怠感をともなう場合もあります。そのため、人工関節置換術後に痛みが増強する場合や、感染を疑わせる症状をともなう場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

術後の痛みを管理する方法

人工関節置換術後の痛みは、適切な管理によってコントロールが可能です。医療機関のサポートを受けながら、セルフケアとして痛みの管理に取り組むことで、術後の痛みをコントロールし、スムーズな回復につながるでしょう。

医師による痛み管理プラン

手術した直後は、安静と炎症のコントロールが治療の中心です。医師の指示のもと、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなどの痛み止めを使用します。手術の翌日には、痛みをコントロールしながら適度な歩行や運動を開始し、徐々に活動量を増やしていきます。術後早期のリハビリテーションは、筋肉の強化や関節の動きを回復させ、早く日常生活へ復帰することが可能です。

自宅でできる痛みの軽減方法

入院中のリハビリテーションでは、自宅でもできるリハビリテーションの説明があるでしょう。退院後にも、引き続き可動域訓練やストレッチ、筋力トレーニングなどを行いましょう。運動療法は、関節の動きを維持するための運動やストレッチ、筋力の回復を助ける運動などを行います。

また、リハビリテーション以外にも関節痛や筋肉痛のある場合には、ホットタオルで温めるのも痛みを和らげる効果が期待できます。しかし、炎症がある場合には氷枕なので冷やす場合もあります。

日常生活への復帰を支援するリハビリテーション技術

人工関節置換術後の回復には、リハビリテーションが欠かせません。

入院中には理学療法士や作業療法士が、患者さま一人ひとりの状態や生活環境に合わせて医師の指示のもとリハビリテーションプログラムを作成します。セルフエクササイズとして自宅で行える方法もあるため、理学療法士や作業療法士の指導のもと、積極的に取り組んでいきましょう。

効果的なリハビリテーション方法

効果的なリハビリテーション方法には、関節の動きを改善する運動や筋力をつける運動、日常動作の練習など複数あります。痛みの状態や活動状況に応じて、段階的にリハビリテーションを行いましょう。

種類 内容例
関節可動域訓練 足首の曲げ伸ばし
膝の曲げ伸ばし
ストレッチポールなどを使った下肢のストレッチ
筋力増強運動 踏み台昇降運動
椅子からの立ち上がり運動
歩行練習 平行棒内歩行
杖歩行
ひとり
バランス運動 足踏み運動
日常生活動作の訓練 階段の昇り降り
着替え
入浴
トイレ動作

複数の運動を組み合わせ、患者さまの状態に合わせて難易度を上げていくと、関節の機能回復と日常生活への復帰がしやすいでしょう。

家庭で行える簡単なエクササイズ

人工関節置換術後は、自宅でのエクササイズも回復の効果が期待されます。

自宅で簡単に行えるエクササイズの例をご紹介します。

エクササイズ 内容 目的
足関節ポンプ運動 仰向けに寝て足を台の上に乗せ、足首を上下に動かし、血流を促進する 浮腫の軽減
ストレートレッグレイズ 手術した脚を真っすぐに保ったまま持ち上げ、保持する 太もも前面の筋力強化
膝の屈曲・伸展運動 椅子に座り、手術した膝を曲げたり伸ばしたりする 関節可動域の維持

上記のエクササイズを毎日行うことで、筋力と関節の動きが改善され、日常の動作がスムーズに行える場合もあります。

しかし、人工関節の種類によっては関節の動きに制限があるため、必ず医師や理学療法士の指示に従い、痛みに注意しながら行ってください。

人工関節の寿命と長期的なケア

現在の人工関節は、15年〜20年以上の長期にわたり機能の維持が可能です。

しかし、人工関節の寿命を最大限に引き出すためには、適切な使用と日常の注意点が不可欠です。

具体的なメンテナンス方法や生活習慣について解説していきます。

人工関節の耐久性と日常の注意点

人工関節をできるだけ長持ちさせるには、定期的な診察が重要です。術後3ヶ月、6ヶ月、1年後、その後は年1回のペースでレントゲン検査や医師の診察を受けましょう。また、日常生活においても、人工関節に過度な負担をかけないよう注意が必要です。

人工関節への負担を抑えるために、杖などの生活支援用具を使用して生活もできます。さらに、運動をする場合には、ウォーキングや水中エクササイズ、ルームバイクなどがおすすめです。

一方で、ジョギングや器械体操、シングルテニスなどの走ったりジャンプしたりと急な動きは避けましょう。また、体重過多は人工関節に負担をかけるため、バランスの取れた食事と運動で適正体重を保つのも重要です。

万が一、違和感や痛みを感じた場合は、我慢せずに医師にご相談ください。早期発見や対処が、人工関節の長期的な機能維持につながるでしょう。

長期的な健康のための生活習慣

健康を維持するためには、バランスの取れた食事や適度な運動、禁煙など、健康的な生活習慣を送りましょう。

一般的には、手術後3~6ヶ月で手術の痛みが和らぎ、6ヶ月~1年で仕事や旅行、スポーツなどに参加できる場合がほとんどです。とはいえ、無理をすると痛みが生じる恐れがあるため、できる範囲から徐々に活動を広げていきましょう。また、人工関節を長く維持するためには、日常生活の中で関節への負担を減らす工夫が大切です。

例えば、以下のようなポイントに注意しましょう。

  • ・就寝時は布団などの床の上でなくベッドを使用する
  • ・脱臼のリスクを減らすために、膝よりも座面の高い椅子を選び、立ち座りの際は手すりや机を使って体重を支える
  • ・トイレは和式ではなく洋式を使用する
  • ・軽めの運動を継続的に行う

これらの工夫を日々の生活に取り入れることで、人工関節を長く保ち、快適で活動的な毎日を送ることができるでしょう。

よくある質問と答え(再生医療の選択肢もあるということを言及)

人工関節置換術に関するよくある質問をご紹介します。

Q1:人工関節手術後、雨の日や寒い日に痛みを感じることがあります。これは正常なことでしょうか?
A1:気圧の変化や寒さにより、手術部位に痛みを感じることがあります。これは正常な反応で、多くの患者さまが経験されています。痛みが強い場合は、医師に相談し、適切な対処法を確認しましょう。

Q2:人工関節手術後の感染を予防するために、自分でできることはありますか?
A2:手術部位を清潔に保つことが重要です。また、定期的な検診を受け、医師の指示に従って抗菌薬を服用することも感染予防に役立ちます。発熱、手術部位の腫れや痛みなどの症状が現れた場合は、速やかに医師へご相談ください。

Q3:再生医療は人工関節置換術の代替になりますか?
A3:再生医療は、患者さま自身の幹細胞を用いて関節の修復を促す新しい治療法として注目されています。軟骨の修復により、痛みの軽減と関節機能の改善が期待できます。将来的には人工関節置換術の代替となる可能性があります。

人工関節置換術後の痛み管理と回復促進のポイント

円滑な手術と回復のためのポイントをご紹介します。

  • ・術後は理学療法士の指導に従い、早期にリハビリを進める
  • ・適度な運動と筋力トレーニングに取り組む
  • ・関節の負担が少ない動作を心がける
  • ・定期的な診察と経過観察を欠かさない

適度な運動習慣や定期的な診察が、痛みのコントロールに効果を発揮するでしょう。

追加のリソースとサポート情報

活動的な生活を取り戻すためには、適切な痛みの管理とリハビリが欠かせません。今後の人生を思う存分楽しむためにも、手術の不便を最小限に抑える工夫が大切です。人工関節置換術後に受けられるサポートには以下のようなものがあります。

【痛み管理】

  • ・病院の整形外科や痛み外来での相談
  • ・かかりつけ医や薬剤師との処方薬の相談

【自宅でのリハビリ】

  • ・病院や診療所の理学療法士によるリハビリ指導
  • ・主治医や理学療法士が推奨するリハビリ動画の活用

【生活支援用具】

  • ・病院や診療所での福祉用具の相談
  • ・福祉用具専門店での試用や購入

【地域サポート】

  • ・病院や診療所が主催する患者教室への参加
  • ・地域の自治体が提供するリハビリ教室の活用

手術後は、医療機関と連携しながら、適切なサポートを受けることが大切です。

痛みや違和感がある場合は、まずは主治医に相談し、適切な対処方法を確認しましょう。

参考文献一覧
人工関節置換術後の痛み|慢性痛治療の専門医による痛みと身体のQ&A
人工関節とは|人工関節ドットコム
人工関節とは|日本人工関節学会
人工関節の寿命はどのくらい?|医療法人社団康心会 康心会汐見台病院
人工関節とスポーツ|人工関節ドットコム
よろず相談箱|関節ライフ
再生医療は、人工関節置換手術の代替えになるか?|お茶の水セルクリニック

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