LINEポップアップ
  • HOME
  • トピックス
  • 人工股関節手術後の生活における注意点は?リハビリや仕事復帰についても解説
  • 股関節
  • 変形性股関節症

人工股関節手術後の生活における注意点は?リハビリや仕事復帰についても解説

病室
公開日: 2022.03.31 更新日: 2025.02.10

「病院で人工股関節への置換術をすすめられた」「変形性股関節症の手術が決まっている」といった方の多くは、手術後の生活が気になるのではないでしょうか。

股関節の変形などの治療として手術で人工股関節を入れても、すべてが元通りになるわけではありません。手術後は、股関節に負担がかからないよう動作や姿勢に気をつけて生活する必要があります。

今回は、人工股関節手術後の生活で気をつけるべきことを解説します。早期回復のためのポイントや仕事復帰までの目安もまとめているので、人工股関節手術を控えている・検討している方は、ぜひ参考にしてください。

人工股関節手術後の生活で注意したいこと

人工股関節手術後は、過度な運動や負担がかかる姿勢を避けて生活する必要があります。具体的には、以下の3つに注意して過ごしましょう。

  • 過度の運動を避ける
  • 転倒しないように気をつける
  • 股関節に負担がかかる姿勢を避ける

それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

過度の運動を避ける

人工股関節手術後は、過度の運動を避ける必要があります。手術をしたからといって、ハードな運動ができるわけではありません。過度な運動は股関節の脱臼やゆるみを起こしてしまう可能性があるため、注意が必要です。

ただし、適度な運動は、股関節周りの筋肉を鍛えることにつながるため、無理のない範囲で体を動かすことをおすすめします。実際に、人工股関節手術後の生活で、ハイキングやウォーキングなど、さまざまな運動を楽しんでいる人もいます。

手術後の生活で無理なくできる運動は、水泳やウォーキングなどです。ただし、水泳の場合、股関節に負担がかかる平泳ぎよりもバタ足などがおすすめです。また、ウォーキングは15分程度の軽い運動にとどめるなどの配慮が必要です。

転倒しないように気をつける

人工股関節手術後は、人工股関節の破損を避けるためにも転倒に気をつけましょう。

手術後の生活では、人工股関節とうまく付き合っていく意識が必要です。転倒は、人工股関節の破損だけではなく骨折の原因にもなります。骨折によって歩行が難しくなると、手術をした意味がなくなってしまいます。

手術後は、外出の際に階段を避けてエスカレーターやエレベーターを利用したり、足場の悪いところは極力歩かないようにしたりするといった心がけが必要です。

股関節に負担がかかる姿勢を避ける

人工股関節手術後の生活では、股関節を曲げて膝を内側にねじるような姿勢は負担が大きいので避けましょう。

とくに股関節の屈曲などの複合動作が続くと、股関節に大きな負担がかかって脱臼や骨折の原因になります。以下のポイントを参考に、できるだけ股関節の動きや状態を意識して生活してください。

歩行時の注意点

人工股関節手術後の歩行に関して、とくに制限はありませんが、以下の点に注意しましょう。

  • 筋力の低下を防ぐため歩く時間を作る
  • 歩行時は革靴ではなく滑り止めがついた運動靴を履く

翌日まで疲労が残る場合は、運動量が多すぎる可能性が高いため、ペースを調節してください。

座るときの注意点

人工股関節手術後の脱臼を防ぐためにも、座る際は以下の点に注意が必要です。

  • あぐらや横座りなどを避ける
  • ズボンや靴下などを履くときは床ではなく椅子に腰掛ける

ただし、座るときにどの程度の注意が必要かは、手術方法によって異なります。近年は筋肉や腱を切らずに済む方法が増え、人工股関節手術後の脱臼のリスクそのものが低下しています。手術後に避けるべき動作や姿勢については、医療機関や主治医に確認すると安心です。

入浴時の注意点

人工股関節手術後の入浴時は、とくに身体を洗う姿勢に注意してください。ほかにも、以下の点に気をつけると股関節への負担を減らせます。

  • シャワーチェアを使用して椅子に腰掛けた姿勢で身体を洗う
  • かがみこまなくて済むようにタオルではなく柄が長いブラシを使用する
  • 浴槽で両足を伸ばせない場合は浴槽用の小さな椅子を使用する

椅子を使うスペースがない場合は、浴槽の縁にも腰掛けることも可能です。しかし、足先を洗う際などは無理にかがみこむと脱臼する可能性が高いため注意しましょう。

なお、浴槽への出入りしやすくするためには、浴室の壁に手すりを取り付けると便利です。

人工股関節手術後の生活における早期回復のためのポイント

ここでは、人工股関節手術後の生活において、早期回復のために工夫すべきポイントを紹介します。

1.生活スタイルを変える

人工股関節手術後の生活では、股関節に負担のかかる姿勢を避ける必要があります。たとえば、正座や足を前に投げ出して座る姿勢は手術後でも問題ありませんが、体育座りや横座りなどは脱臼のリスクが高まります。和式トイレなどでしゃがみ込む、座布団に座る、重いものを持ち上げるなどの動作は、意識して避けましょう。

人工股関節手術後は、できる範囲で椅子や洋式トイレを利用するようにして、生活スタイルを切り替えていくことをおすすめします。また、布団を敷いて寝ている方は、ベッドにしたほうが股関節に負担をかけずに済みます。

2.体重管理をする

人工股関節手術後の回復を早めるためには、体重管理もポイントです。

体重が重いだけでも、股関節には大きな負担がかかるため、適度な運動をして体重管理しましょう。標準体重よりも重い場合や、普段から身体が重いと感じている場合は、思い切ってダイエットを始めることもおすすめです。

ただし、単に体重を減らすだけではなく、筋力の維持にも努める必要があります。手術後は徐々に股関節を慣らすようにして、1日15分程度のウォーキングなど軽い運動をしましょう。

3.重いものを持たない

人工股関節手術後の生活では、日常的に重たいものを持たないように気をつけてください。重いものを持ち上げたり、持って移動したりすると、股関節に大きな負担がかかります。もちろん、しゃがんだ姿勢から荷物を持ち上げることも避けましょう。

軽い荷物であれば大丈夫ですが、足腰を使わなければ持ち上がらないほどの重い荷物であれば、家族や友人に手伝ってもらって運んでください。

とくに家族には、人工股関節手術ことを伝え、手術後の生活についてよく理解してもらっておくと安心です。

4.適切なリハビリテーションを続ける

人工股関節手術後の回復を早めるためには、適切なリハビリテーションを続ける必要があります。

人工股関節手術後は、筋力が低下している状態です。とくに手術前から痛みで動きが制限されていた場合は、筋力の低下が顕著になる傾向があります。

人工股関節手術後に目指す生活レベルにもよるものの、筋力を回復させるためには、手術後も長期間にわたってリハビリテーションを続けることが大切です。

医療機関や主治医に相談しながら、納得のいく治療計画を立てましょう。

【職種別】人工股関節手術後の仕事復帰までの目安

人工股関節手術後の仕事復帰までの期間は、職種によって異なります。たとえば、業務上でしゃがんだりかがんだりする動作を伴う場合は、復帰までに時間がかかります。一方で、事務職であれば、数週間から1カ月程度で復帰が可能です。

人工股関節手術後の仕事復帰までの目安は、以下の通りです。

事務職

2~4週

立ち仕事(半日)

4~6週

立ち仕事(1日)

6~8週

ドライバー・配送業

2~3カ月

激しい肉体労働が中心の仕事

3カ月以降

ただし、手術後の回復には個人差があるため、まずは主治医に相談してから仕事に復帰する計画を立てましょう。

変形性股関節症に対する再生医療の可能性

人工股関節手術は、入院およびリハビリテーションが必要になるため、長期間にわたって仕事を休む必要があります。働いていない場合でも、手術後どのくらいで日常生活に戻れるのか、不安を覚える方も少なくありません。

変形性股関節症の場合、手術療法のほかに再生医療による治療も可能です。再生医療とは、患者の脂肪から採取した幹細胞を股関節に投与し、傷ついた軟骨の再生を促す治療法です。再生医療であれば、治療のための手術や入院が必要ありません。

また、自身の細胞を使用して自然治癒力を高める方法のため、身体への負担が少ないメリットもあります。

リペアセルクリニックでは、膝の痛みや変形性膝関節症の再生医療・幹細胞治を行っています。メール相談オンラインカウンセリングも受け付けているので、再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ気軽にご相談ください。

\まずは当院にお問い合わせください/

まとめ・人工股関節手術後は負担をかけないよう配慮して生活しよう

今回は、人工股関節手術後の生活で気をつけるべきことや工夫すると良いことなどを解説しました。基本的に人工股関節手術後の生活では、人工股関節に配慮さえすれば大きな支障はきたさないでしょう。

しかし、人工股関節とうまく付き合っていく必要があるため、どうしても注意や工夫をしなければならない場面も出てきます。

なお、手術後の生活における注意事項や運動、リハビリテーションなどに関しては、必ず主治医の指導を受けるようにしてください。

▼ 立ち上がり動作における股関節への負担を減らすポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

イメージ画像トップ