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足のガングリオンとは?症状や治療法、悪性腫瘍との見分け方を医師が解説【画像あり】
足のくるぶしや甲、指の付け根などに「しこり」ができていることに気づき、「もしかしてガングリオン?」と不安に感じていませんか?
痛みはなくても、見た目が気になったり、将来的に悪化しないか心配になったりしますよね。
ガングリオンは多くの場合、良性の腫瘍であり、およそ30%〜50%は放置しても自然治癒するのが特徴です。
初期には自覚症状もないため、すぐに治療が必要となるケースは少ないですが、放置して大きくなると痛みやしびれの原因になることもあります。
この記事では足にできるガングリオンの症状や原因、治療法を画像付きで詳しく解説し、そして自分でできる予防策について詳しく解説します。
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目次
ガングリオンとは?

ガングリオンは手首の親指側や指の付け根などの関節にできやすい病気ですが、人によっては足の甲や指の関節、膝の裏などに発症する例もあります。
良性腫瘍のため過度に心配する必要はありませんが、注射療法でガングリオンを吸引した方のおよそ50%、手術療法でガングリオンを取り除いた方のおよそ10%に再発が見られます。(文献1)
ガングリオンの発症初期には自覚症状がありませんが、放置するとしこりが次第に大きくなり、関節を動かしづらくなったり、患部の周辺にピリピリした痛みやしびれが生じたりします。
手首や指などの見えやすい場所にゼリーの物質がつまったしこりができると、見た目を気にする方が少なくありません。
足のガングリオンの症状【画像あり】
ガングリオンの足における好発部位は足背部(足の甲)や足関節(足首)、指の付け根などの関節部分です。
手関節(手首)や手の指に発症した場合と同様に初期段階では無症状のケースがほとんどですが、しこりが大きくなると次第に足の指や足首を動かしづらくなります。
大きくなったしこりによって神経が圧迫されると、足先や指にピリピリとした痛みが生じるケースもあります。
しこりができた場所や大きさによっては、歩行が困難になる可能性もあるため注意が必要です。
しこりのなかにはゼリー状の物質がつまっており、手で押すと軟骨や硬いゴムのような弾力があります。
ガングリオンと悪性腫瘍の見分け方
ガングリオンは関節部分にできる良性腫瘍の一種です。
良性腫瘍と悪性腫瘍の主な違いや見分け方は以下のとおりです。
| 良性腫瘍 | 悪性腫瘍 | |
|---|---|---|
| 浸潤(周囲の組織へのひろがり) | ない | ある |
| 転移 | ない | ある |
| 境界 | 鮮明 | 不明瞭 |
| 再発 | まれ | しやすい |
| 身体への影響 | 不便が生じる | 命にかかわる |
ガングリオンをはじめとする良性腫瘍は多部位への浸潤や転移がなく、健常部分との境界が明瞭です。
悪性腫瘍は健常部分との境界が不明瞭で、良性腫瘍が円形に近いのに対し、形がいびつな点が特徴です。
良性腫瘍は手術療法で根本から取り除けば再発するケースはまれで、手や足に発症した場合は、命にかかわることはありません。
足にガングリオンができる原因
関節部分にできた袋状の構造物に、本来であれば関節や腱を保護するための関節液が溜まるのが、ガングリオンを発症するメカニズムです。
ただし、足に限った話ではありませんが、ガングリオンができる原因については現代医学をもってしても明らかにされていません。
現在のところ、ガングリオンは以下に挙げるいくつかの要因が複雑に絡み合った結果、発症リスクが高くなるのではないかと考えられています。
- 関節や腱の使い過ぎ
- 過去のケガ
- 変形性関節症
- 遺伝など
ガングリオンの主なリスク因子として、関節や腱の使いすぎが挙げられています。(文献2)
同じ動作を繰り返すと関節や腱に亀裂が生じ、関節液が漏れだしてガングリオンができやすくなると示唆されています。
ガングリオンの検査方法
ガングリオンの発症が疑われる場合、まずは医師による視診・触診が行われます。
さらに、以下の検査法を実施し、脂肪腫や粉瘤など他の疾患との鑑別を行うのが一般的です。
- 画像検査
- 吸引検査
それぞれの検査法について解説します。
画像検査
ガングリオンと他の疾患とを鑑別するために行われる検査の一つが、MRI(磁気共鳴画像法)やエコー(超音波検査)などの画像検査です。
皮下の深い場所にガングリオンを発症している場合は視診や触診が困難なため、MRIやエコーなどの画像検査が役立ちます。
なかでもエコーは被ばくするリスクがなく、予約なしで検査できるのが特徴です。
MRIや超音波検査によって、本当にガングリオンなのか、また体の表面からは触れられない隠れたガングリオンがあるかどうかが確認できます。
画像検査では、痛みや違和感といった症状を感じていないガングリオンも見つけられるのがメリットです。
液状の内容物が見られるかや、しこりの大きさと周囲の組織との位置関係などから他の疾患との鑑別を行います。
吸引検査
ガングリオンの検査法としては、吸引検査も挙げられます。
医療用語では穿刺吸引(せんしきゅういん)と呼ばれる手法で、注射器を用いてしこりに蓄積している内容物を吸引し、淡黄色透明の滑液が確認できればガングリオンとの確定診断が下される流れです。
しこりの内部にある滑液を吸引する検査ではありますが、内容物を吸いだすと腫瘤が小さくなるメリットもあります。
足のガングリオンの治療法
足のガングリオンの主な治療法は以下の2つです。
- 非侵襲的治療(保存的療法)
- 侵襲的治療(手術療法)
それぞれについて解説します。
非侵襲的治療(保存的療法)
非侵襲的治療は保存的療法とも呼ばれ、身体的・精神的負担を最小限度に抑えるのが特徴です。
ガングリオンの場合は、注射器で内容物を吸引するのが一般的です。
手術療法とは異なり傷跡が小さく、施術後の痛みが少ないのが特徴で、通常は入院も必要ありません。
ガングリオンの大きさや症状によっては、吸引した後に炎症を鎮める目的でステロイドを注入するケースがあります。
ガングリオンのおよそ30%〜50%は自然に消失するといわれており、治療をしなくても自然治癒の可能性があります。
しこりは、大きくなったり小さくなったりを繰り返しますが、その経過の中で自然に治癒するケースがあります。
ガングリオンならば、良性腫瘍のため目立った症状がなければ経過観察でも良いでしょう。
侵襲的治療(手術療法)
侵襲的治療は手術療法を意味しており、メスやカテーテルなどを用いて皮膚を切開したり、臓器を傷つけたりするのが特徴です。
ガングリオンの大きさや症状により、以下2つの術式を選択します。
- 観血的切除術
- 関節鏡下切開術
観血的切除術では、皮膚を切開してガングリオンを摘出します。
関節鏡下切開術は、ガングリオンの原因である関節液の流入を遮断する手術法です。
手術自体は、日帰りでできる場合も多く、手術時間は20分〜30分程度で終わります。
ガングリオンができた位置や数が多い場合、神経の奥に入り込んでいるものなど、まれに治療が難しいケースがあります。
そのような場合には、日帰り手術ではなく入院治療が必要です。術後2週間後に抜糸をおこない、術後3週間程度は激しい動きは控え安静にしましょう。
手術には以下のようなリスクがあります。
- 感染を起こす
- 神経を傷つける
- 傷跡がのこる
手術といわれると、治療に対して不安が大きくなりますよね。医師からの説明をよく聞き、わからないことは手術の前に確認しておくと安心です。不安な気持ちがあることも伝えておきましょう。
一般的な手術の費用は以下の通りです。
| 負担割合 | 負担金額 |
|---|---|
| 1割負担 | 約3,000円前後 |
| 3割負担 | 約9,000円前後 |
そのほか、診察代や検査代、処方箋代などがかかります。手術部位によっても費用が異なるため、詳しくは手術を受ける病院に確認してください。
足のガングリオンの予防法
ガングリオンの原因ははっきりと解明されていないため、確実な予防策はありません。しかし、対策をすれば、発症のリスクを下げることができます。
ここでは、ガングリオンの発症予防や悪化予防のためにできる日常生活での注意点や、スポーツをするときの注意点について解説します。
日常生活で気を付けたいこと
ガングリオンは関節や腱が傷つき、関節液が袋状の構造物に流入して生じると考えられています。
そのため、以下の方法で関節や腱への負担を軽減する必要があります。
- 自分の足に合ったサイズの靴を選ぶ
- がに股や内股で歩かない
- 姿勢に注意する
- 強い力でマッサージしない
ガングリオンに痛みが出てきた場合は、無理に動かさず安静を心がけてください。
スポーツ時に気を付けたいこと
スポーツ時も関節や腱にかかる負担を軽減すると、ガングリオンを予防する効果が期待できます。
スポーツ前にはしっかりと準備運動を実施し、運動後は筋緊張を早期に改善するためストレッチに取り組みましょう。
また、ケガしにくい身体づくりのために、普段から関節の柔軟性を高めるストレッチや筋トレを取り入れるのも効果的です。
ガングリオンと似た病気にも要注意
ガングリオン以外にも身体の表面にしこりがあらわれる病気があるため、自分の判断で放置しないよう心がけましょう。
身体の表面にしこりができるガングリオン以外の病気として、以下の例が挙げられます。
- 粉瘤
- 脂肪腫
- 腱鞘巨細胞種
それぞれについて解説します。
粉瘤
粉瘤(ふんりゅう)はアテロームとも呼ばれており、皮下に袋状の構造物が発生し、内部に古くなった角質や皮脂がたまる病気です。
粉瘤には以下の特徴があります。
- しこりの内容物は垢や皮脂などの老廃物
- 良性の腫瘍だが放置すると悪化する
- 炎症を起こし痛みや悪臭がする
粉瘤もガングリオンと同じく良性腫瘍の一種ですが、自然に消失する可能性はなく、時間の経過とともに次第に大きくなるのが特徴です。
内部で炎症を起こすと赤みや痛みを生じたり、膿がたまったりするリスクが増加します。
袋状の構造物が破れて内容物が皮膚の外へ漏れ出すと、強烈な臭気を放ちます。
脂肪腫
脂肪腫(しぼうしゅ)は、皮下の脂肪細胞が異常に増殖してしこりを形成する病気です。
脂肪腫には以下の特徴があります。
- 背中や肩、首への発生が多い
- 痛みはなくゆっくりと大きくなる
- 内容物は脂肪
- まれに悪性のものがある
脂肪腫が発生する原因に関しては、現在のところ明らかにされていません。
物理的な刺激や肥満、外傷、生活習慣病、遺伝的要因などが複雑に絡み合い発症するのではないかと考えられています。
脂肪腫の多くは良性ですが、まれに悪性のケースがあるため注意が必要です。
しこりが急速に大きくなる場合や、痛みをともない場合は悪性の可能性があるため、自分の判断で放置せず、速やかに医療機関を受診してください。
腱鞘巨細胞腫
腱鞘巨細胞腫(けんしょうきょさいぼうしゅ)は、手足の腱を保護する腱鞘に生じる病気です。
腱鞘巨細胞腫には以下の特徴があります。
- 手足の腱鞘への発生が多い
- 良性腫瘍
- 痛みはない
- 染色体異常により起こるともいわれている
手の指の付け根に腱鞘巨細胞腫を発症した場合、ガングリオンとの見分けが難しい傾向にあります。
腱鞘巨細胞腫の発生原因も明らかにされていませんが、外傷や脂質異常症、慢性炎症などが重なり発症リスクが増加するのではないかと考えられています。
好発年齢は30〜50代で、女性に多く見られるのが特徴です。
上記いずれにおいても、治療が必要な場合、一般的には手術で取り除きます。
しこりの存在に気づいていても症状がない場合、「痛くないし平気だろう」と、様子をみて受診を後回しにしてしまうことがあります。しかし、別の病気との鑑別も必要なため、しこりの存在に気づいたら、一度医療機関を受診しておくと安心でしょう。
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足のガングリオンは早期発見と治療が大切
ガングリオンは良性腫瘍ですが、痛みやしびれ、見た目の問題など、気になる症状があれば早めに専門医に相談するのが大切です。
また、ご自身の判断だけでなく、他の病気の可能性も考慮して一度は医療機関で診察を受けることをおすすめします。
良性腫瘍のため治療はしなくても問題はありません。しかし、痛みやしびれなどの症状が出てきた場合には、早めに整形外科を受診し適切な検査と処置を受けましょう。
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足のガングリオンに関するよくある質問
ガングリオンは再発する可能性がありますか?
ガングリオンは再発する可能性が高い病気の一つです。
再発率に関しては医療機関ごとに独自の数値を掲げていますが、一般的に侵襲的治療(手術療法)に比べて、非侵襲的治療(保存的治療)の方が再発率が高い傾向にあります。
非侵襲的治療の場合、およそ47〜70%が再発するとの報告があります。
一方、侵襲的治療後のガングリオンの再発率はおよそ10%程度です。
非侵襲的治療後のガングリオンの再発を繰り返す方は、医師に相談して侵襲的治療を検討すると良いでしょう。
ガングリオンが癌化する可能性はありますか?
ガングリオンは良性腫瘍の一種のため、癌化する可能性はありません。
ただし、ガングリオンだと思っていたら悪性腫瘍だったケースもゼロではないため、自分の判断で放置するのは避けてください。
手の付け根にできるしこりは、一見したところガングリオンに見える場合が少なくありません。
極めてまれな事例ではありますが、粉瘤(アテローム)が有棘細胞癌へと移行するケースが報告されています。
手や足になんらかのしこりができているのに気付いたら、自分の判断で放置せずに専門医の診察を受けることが大切です。
足のガングリオンは自然に治りますか?
足のガングリオンは自然に治るケースが少なくありません。
どれくらいの割合で足のガングリオンが自然治癒するのかについては諸説ありますが、およそ30%〜50%が自然治癒すると説明している医療機関が多い傾向にあります。
足にガングリオンができた場合、痛みや動作時の違和感などがなければ、経過を観察しても良いでしょう。
ただし、しこりがガングリオンかどうかを確認するため、整形外科を受診して検査してもらうのを忘れないでください。
ガングリオンは自分で潰しても良いですか?
ガングリオンは自分で潰さずに、専門の医療機関を受診して処置してもらうのが大切です。
医療機関ではガングリオンを圧迫して押しつぶし、中のゼリー状の物質を排出する治療法を行っているケースがあります。(文献3)
自分でガングリオンを押しつぶすことは不可能ではありませんが、手には無数の細菌が付着しているため、自分の判断で圧迫すると細菌感染を起こすリスクがあります。
二次的な障害を引き起こさないためにも、ガングリオンは医療機関で取り除いてもらうのがおすすめです。
参考文献
(文献1)
健康ア・ラ・カルト|公益社団法人鳥取県医師会
(文献2)
ガングリオン|徳島県医師会
(文献3)
痛みやしびれがみられることも「ガングリオン」|千葉県医師会


















