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【画像あり】足にできるガングリオンの症状とは?原因・予防法・治療法を医師が解説

ganglionic foot
公開日: 2024.09.16 更新日: 2025.02.12

「足のしこりがガングリオンではないか心配」

「ガングリオンの実際の画像はどんなもの?」

とお悩みではないでしょうか。

突然、関節にしこりがあらわれると「なにこれ!」とびっくりし、心配になるかもしれません。

ガングリオンとは、関節にしこりができる病気であり、良性腫瘍のため治療の緊急性は高くありません。ただし、足にしこりがあり歩きにくさや違和感がある場合や、しこりが大きくなり痛みが生じている場合は早めの治療が大切です。

今回の記事では、ガングリオンでしこりができる原因や足にできたときの症状、治療法を画像付きで詳しく解説します。足にしこりができてお困りの方は、ぜひ最後までお読みください。

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足にできるガングリオンの具体例を画像付きで紹介

足 ガングリオン

足にしこりができた場合、脂肪腫や粉瘤の可能性もあるため、自己判断でガングリオンと見分けるのは難しいことです。

また、目視だけでは判断ができないため、医師の判断で画像検査や吸引検査などを受けることをおすすめします。

この章では、足にできたガングリオンの一例をご紹介します。

また、足に発生するガングリオンは、内くるぶしや外くるぶし、足の甲、裏、ゆびの関節に起こりやすいのが特徴です。具体例として以下のようなエピソードがあります。

ガングリオンは関節にできる良性腫瘍

ガングリオンとは、関節周囲に発生する「コブのようにふくらんだ良性腫瘍」です。良性腫瘍のため症状がなく、しこりが気にならない程度なら積極的に治療をしなくても問題ありません。

しかし、ガングリオンの特性として大きくなってくる可能性があるため早めの診断や治療が必要です。また、しこりができた場所によっては、目立つため見た目が気になるという方もいます。

さらに、ガングリオンは20代~50代の女性に発症しやすいですが、足や関節をよく動かす方が発症と関係しているわけではありません。そのため、職業や趣味、生活スタイルは直接的にガングリオンができる原因と関係はないとされています。

また、治療を繰り返しても再発しやすいというのもガングリオンの特徴です。

ガングリオンの2つの検査方法

ガングリオンは医師による診察での視診・触診などで予測が可能です。

加えて、適切な治療のために「画像検査」と「吸引検査」により脂肪腫や粉瘤などの他の疾患との鑑別を行います。

本章では、「画像検査」と「吸引検査」について詳しく解説します。

画像検査

MRIや超音波検査によって、本当にガングリオンなのか、また体の表面からは触れられない隠れたガングリオンがあるかどうかが確認できます。画像検査では、痛みや違和感といった症状を感じていないガングリオンも見つけられます。

液状の内容物が見られるかや、しこりの大きさと周囲の組織との位置関係などから他の疾患との鑑別を行います。

吸引検査

しこりに注射を刺し、内容物がゼリー状であればガングリオンと診断されます。内容物を確認することで、ガングリオンと診断できます。

ガングリオンの原因は主に関節に負担がかかること

ガングリオンが形成される原因について、残念ながら詳しくは解明されていません。

関節包(かんせつほう)や靭帯(じんたい)、腱鞘(けんしょう)などの損傷をきっかけにできるのではないかと考えられています。転倒やケガなどで足の関節を痛め、関節に強い負担がかかる場合や、姿勢などの問題で関節に継続的な負担がかかっている場合、足にしこりができやすい状態といえます。

繰り返し足に負荷がかかるのは、以下のような状況です。

  • ケガ
  • 一部分に負荷がかかる歩き方や姿勢
  • 激しいスポーツ
  • 合わない靴をはき続ける
  • 立ちっぱなしや歩きすぎ

これらの状況は、繰り返し足に負荷がかかっているといえますが、だからといって必ずしもしこりができるわけではありません。「しこりができるきっかけになるかもしれない」程度の要因ととらえておきましょう。

ガングリオンは進行に伴い痛みが出現

ガングリオンが原因でできたしこりは、基本的に症状はありません。しかし、大きくなることで、違和感や痛み、しびれなどを訴える方が多いです。

しこりが大きくなると関節周囲の神経や血管を圧迫するためです。ガングリオンは進行すると、主に以下のような症状があらわれます。

  • 痛み
  • しびれ
  • 圧迫感
  • 運動障害

また、関節を圧迫するために、違和感や不快感、関節の動かしにくさを感じるでしょう。たとえば、靴が入らなくなる、歩きにくい、しゃがみにくいなど、悪化すると日常生活にも影響を及ぼします。

ガングリオンと似ている症状は内容物や部位で判断する

しこりがあらわれる病気は他にもありますが、ガングリオンとほかの病気には症状の違いがあります。

なかでも、紛瘤や脂肪腫はしこりのように皮膚が膨らみ異物感があり、見た目はガングリオンと似ていますが、しこりの内容物やできる部位に違いがあります。

紛瘤

  • しこりの内容物は垢や皮脂などの老廃物
  • 良性の腫瘍だが放置すると悪化する
  • 炎症を起こし痛みや悪臭がする

脂肪腫

  • 背中や肩、首への発生が多い
  • 痛みはなくゆっくりと大きくなる
  • 内容物は脂肪
  • まれに悪性のものがある

腱鞘巨細胞腫

  • 手足の腱鞘への発生が多い
  • 良性腫瘍
  • 痛みはない
  • 染色体異常により起こるともいわれている

上記いずれにおいても、治療が必要な場合、一般的には手術で取り除きます。

しこりの存在に気づいていても症状がない場合、「痛くないし平気だろう」と、様子をみて受診を後回しにしてしまうことがあります。しかし、別の病気との鑑別も必要なため、しこりの存在に気づいたら、一度医療機関を受診しておくと安心でしょう。

足のガングリオンの2つの治療法

ガングリオンの治療は、主に以下の2つの方法でおこなわれます。

  • 非侵襲的治療(保存的療法)
  • 侵襲的治療(手術療法)

ここでは、各治療法や、自然治癒の可能性、治療効果や費用について紹介していきます。

非侵襲的治療(保存的療法)

まず、保存的療法における自然治癒の可能性や、治療方法、その効果について解説します。

自然治癒の可能性

ガングリオンは、30%~40%は自然に消失するといわれており、治療をしなくても自然治癒の可能性があります。しこりは、大きくなったり小さくなったりを繰り返しますが、その経過の中で自然に治癒するケースがあります。

ガングリオンならば、良性腫瘍のため目立った症状がなければ経過観察でも良いでしょう。

注射治療の方法と効果

ガングリオンの治療は、まず、注射器で内容物の吸引治療がおこなわれます。

<注射器でおこなう吸引治療の特徴>

  • 注射器で穿刺してガングリオンの内容物を吸引し排出する
  • 内容物の排出後は圧迫固定が必要
  • 外来でできる処置のため侵襲が少ない
  • ガングリオンの袋は残るため再発の可能性がある

注射の針程度の傷しかつかないため、比較的痛みも少ない処置といえます。傷跡も残らず痛みも少ないため、外来で処置が可能です。

内容物の吸引をしたあとにステロイドの注入をおこなう場合があります。これは、患部の炎症を抑え、痛みを和らげる効果を期待しておこなう処置です。ステロイドの注入は必ずおこなうわけではなく、医師の診察と判断により実施が検討されます。

一般的に、まずは注射器での内容物の吸引治療をおこない、再発を繰り返す場合には手術療法が検討されます。

侵襲的治療(手術療法)

ここでは、手術の詳細や費用について解説します。

手術の詳細と費用

手術療法では、以下の2つの手術方法があります。

  • 腫瘤だけでなく、関節包や腱鞘の一部も一緒に切除する方法
  • 皮膚を小さく切り開き、関節専用の内視鏡で腫瘤につながっている関節包を切除する方法

手術自体は、日帰りでできる場合も多く、手術時間は20分~30分程度で終わります。

ガングリオンができた位置や数が多い場合、神経の奥に入り込んでいるものなど、まれに治療が難しいケースがあります。そのような場合には、日帰り手術ではなく入院治療が必要です。術後2週間後に抜糸をおこない、術後3週間程度は激しい動きは控え安静にしましょう。

手術には以下のようなリスクがあります。

  • 感染を起こす
  • 神経を傷つける
  • 傷跡がのこる

手術といわれると、治療に対して不安が大きくなりますよね。医師からの説明をよく聞き、わからないことは手術の前に確認しておくと安心です。不安な気持ちがあることも伝えておきましょう。

一般的な手術の費用は以下の通りです。

負担割合 負担金額
1割負担 約3,000円前後
3割負担 約9,000円前後

そのほか、診察代や検査代、処方箋代などがかかります。手術部位によっても費用が異なるため、詳しくは手術を受ける病院に確認してください。

ガングリオンは治療後再発の可能性もある

ガングリオンは治療法により再発率が変化します。

注射治療では約半数、手術療法では約10%の方が再発するといわれています。

再発を繰り返すと、治療や手術に伴う体への侵襲や医療費がかかる部分も懸念されるため、治療のあとは予防に力を入れていきましょう。

ガングリオンの2つの予防法

ガングリオンの原因ははっきりと解明されていないため、確実な予防策はありません。しかし、対策をすれば、発症のリスクを下げることができます。

ここでは、ガングリオンの発症予防や悪化予防のためにできる日常生活での注意点や、スポーツをするときの注意点について解説します。

日常生活での注意点

足のガングリオンは、合わない靴をはき続けたり、歩き方や姿勢が悪かったりすると、一部の関節に負担がかかります。そのような状態はガングリオンを発症するきっかけになったり、すでにあるガングリオンを悪化させたりする可能性があります。靴はサイズの合った履きやすい靴を選び、歩き方や姿勢にも気をつけましょう

ガングリオンを強い力でマッサージするのも良くありません。軽くさする程度なら問題ありませんが、力を加えマッサージをおこなうと、痛みが悪化したりしこりが大きくなったりする可能性があります。

また、痛みが出てきた場合には、無理に動かさず安静にしましょう患部に熱感がある場合には炎症が起きている可能性が考えられます。保冷剤や濡らしたタオルで冷やし、早めに医療機関を受診しましょう。

スポーツ時の注意点

スポーツをするときには、関節に負担をかけないようにし、ケガに気をつけましょう。

ガングリオンは、関節包(かんせつほう)や靭帯(じんたい)、腱鞘(けんしょう)などを損傷した場合にできると考えられています。ケガがきっかけでガングリオンができる可能性があるため、スポーツをする前にはしっかり準備運動やストレッチをしてから始めましょう。

また、ケガをしにくい体作りも大切です。関節の柔軟性を高めるストレッチや筋トレを取り入れ、ケガをしにくい強い関節をつくりましょう。

ガングリオンは早期発見と治療が大切

ガングリオンは良性の腫瘍ですが、早期発見するに越したことはありません。しこりが大きくなる前に治療ができれば、痛みやしびれなどの症状を起こさずに済みます。

また、まれにガングリオンではなく悪性腫瘍だったケースもあります。しこりがあると感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けましょう。

ガングリオンは、適切な治療と管理をおこなえば再発のリスクを下げられます。ただし、ガングリオンができた位置や数が多い場合、神経の奥に入り込んでいるものなど、治療が難しいケースがあります。

いくつものガングリオンが、ブドウの房のようにできた症例もあり、必ずしもできたガングリオンがひとつとは限りません。

受診する医療機関は、整形外科が一般的です。そのほか、形成外科、皮膚科、外科でも治療が受けられます。適切な治療を受けるためには、医療機関を受診し、担当の医師と治療方針について十分話をしておく必要があるでしょう。

まとめ|足のガングリオンは良性腫瘍だが適切な治療と管理を要する

ガングリオンは関節に負担がかかることで、関節液が漏れ出しゼリー状に固まりしこりができます。

合わない靴や歩き方、姿勢の悪さは、足の関節に負担がかかり、ガングリオンができるきっかけになります。足の関節に負担がかからないよう気を付けるとともに、関節の柔軟性を高め、負担がかかっても耐えられる関節をつくることが大切です。

良性腫瘍のため治療はしなくても問題はありません。しかし、痛みやしびれなどの症状が出てきた場合には、早めに整形外科を受診し適切な検査と処置を受けましょう。

もしガングリオンのようなしこりがあって不安な場合には、当院のメール相談や オンラインカウンセリングをお気軽にご利用ください。

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参考文献一覧

日本整形外科学会「症状・病気をしらべる ガングリオン」
日本手外科学会「手外科シリーズ ガングリオン」
日本医放会誌 第59巻第7号「関節周囲の嚢胞性病変―ガングリオンと滑液包炎―」
メディカルノート「ガングリオン」
徳島県医師会「足のガングリオン」

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

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