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ガングリオンの手術を医師が解説!手首の手術のリスクや他の治療法も紹介
手首にできるしこり「ガングリオン」は多くが良性腫瘍ですが、痛みや違和感、動かしにくさを伴うことはあります。治療法として手術を検討する際、「本当に必要なのか」「再発やリスクはないのか」と不安に感じる方も多いでしょう。
実際には、ガングリオンの治療は手術だけではありません。経過観察や注射などの保存療法に加え、近年では身体への負担が少ない再生医療という選択肢もあります。
この記事では、ガングリオンの手術内容やリスク、再発予防に加え、手術以外の治療法についてもわかりやすく解説します。ご自身の症状に合った治療法を検討する参考にしてください。
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目次
ガングリオンは手術すべき?【適応と目的】
ガングリオンの手術は、保存療法を続けても改善が見られない場合や、痛み・しびれ・動かしにくさなどの症状が強い場合に検討されます。
多くのケースでは局所麻酔で行われ、日帰り手術が可能です。見た目が気になる、仕事や家事に支障が出ているなど、生活の質を下げている場合も手術適応となることがあります。
手術が必要なケース・必要ないケース
ガングリオンは良性の腫瘤であり、痛みや機能障害がなければ、無理に手術する必要はなく経過観察で問題ありません。
一方で、神経を圧迫して痛みやしびれが出ている場合、関節の動きに支障がある場合、繰り返し再発する場合などは手術が検討されます。症状の有無と日常生活への影響が判断の大きなポイントです。
手術の目的
ガングリオン手術の主な目的は、腫瘤を根元から切除し、再発を防ぐことです。表面の袋だけでなく、関節や腱鞘(けんしょう:腱を包む鞘状の組織)とつながる部分まで処理することで、再発率を下げる効果が期待されます。
ただし、術後に一時的な痛みや固定が必要になる場合もあるため、リスクや生活への影響を理解した上で、保存療法や再生医療との比較検討が重要です。
ガングリオンの手術方法
ガングリオンの手術方法には、腫瘤を直接取り除く切開法と、関節内から原因部位を処理する鏡視下手術の2種類があります。それぞれ特徴や適応が異なります。
切開法(観血的切除術)
切開法(観血的切除術)は、皮膚を切開してガングリオンの腫瘤を直接摘出する、従来より行われている手術方法です。ガングリオン本体に加え、関節や腱鞘とつながる茎の部分まで切除することで、再発を防ぐ効果が期待されます。
一方で、皮膚を切開するため傷跡はやや大きくなりやすく、術後に痛みや腫れが出る場合があります。再発を繰り返している場合や、腫瘤が大きいケースに選択されることが多い手術です。
鏡視下手術(関節鏡下切除術)
鏡視下手術(関節鏡下切除術)は、関節内に小さな内視鏡を挿入し、ガングリオンの原因となる茎の部分を処理する手術方法です。ガングリオン本体は摘出せず、関節液の流入を遮断することで、腫瘤が自然に縮小・消失することを促します。
皮膚の切開が最小限のため傷が小さく、術後の痛みが比較的軽い点が特徴です。主に手首のガングリオンに適応され、早期の社会復帰を重視する方に選ばれています。
手術後は2週間程度の固定が必要
手の甲や手の関節にできたガングリオンを切除した場合、切開法・鏡視下手術いずれも術後1~2週間の固定が必要です。
どちらの手術も傷は小さく関節への影響が比較的少ないですが、炎症が起きる可能性があるため、固定して関節への負担を減らす必要があります。
ガングリオンの手術のリスク・合併症
ガングリオンの手術は、整形外科手術の中では比較的難易度は高くありません。ただし、手首や足首などは血管・神経が集中している部位であるため、術式や部位によっては慎重な対応が求められます。
そのため、どのようなリスクがあるのかを事前に理解した上で、手術を受けるかどうかを判断することが重要です。
ガングリオンの手術で考えられる主なリスクは、以下の3つです。
- 血管や神経などを傷つける可能性がある
- 感染の可能性がある
- 再発のリスク
それぞれのリスクについて、詳しく解説します。
神経・血管損傷のリスク
ガングリオンの手術は、一般的に後遺症などのリスクは比較的低く、複雑ではないものといわれています。しかし、ガングリオンが関節の深い部分にできている場合、除去時に血管や神経を傷つけてしまう可能性はゼロではありません。
万が一、手術で血管や神経が傷つくと、痛みやしびれといった後遺症が出る可能性があります。
ちなみに、当院リペアセルクリニックでは損傷した神経や筋肉の治療として再生治療を取り入れています。もし手術の後遺症でお困りの方は、まずは公式LINEからお気軽にご相談ください。無料でご相談いただけます。
感染のリスク
ガングリオンの手術の傷口から、細菌やウイルスが感染し感染症を引き起こす可能性があります。感染症は、ガングリオンの手術に限らず、メスを入れる以上避けられないリスクです。
感染症を引き起こした場合には入院による治療が必要になる可能性があります。そのため、術後は医師の指示に従い、数日間抗生剤を内服したり、傷口を清潔に保つなどのケアが重要です。
再発のリスク
ガングリオンは良性の腫瘤ですが、手術後も再発する可能性がある疾患です。これまでの報告では、切開法による手術後の再発率はおおよそ20%前後とされています。(文献1)
一方で、症例数の多い研究では、適切な術式と丁寧な処理を行うことで、再発率が数%台まで抑えられたとの結果も示されています。(文献2)
また、注射針で内容物を抜く穿刺吸引は、切開を伴わず外来で行えるため身体への負担が少ない治療法です。しかし、ガングリオンの原因となる茎が残るため、再発率は60〜95%とのデータもあります。(文献2)
再発リスクは治療法だけでなく、手技の精度や経験にも左右されるため、将来的な再発も見据えた治療法の選択が重要です。
ガングリオンの手術を受けるべきか迷ったら?
ガングリオンは良性のしこりで、必ずしも手術が必要なわけではありません。ただし、痛みが続く・しこりが大きくなる・手首を動かしにくいといった症状がある場合は、手術を含めた治療を検討する目安になります。
一方で、急激な増大や強い痛み、硬さの変化がある場合は、まれに悪性腫瘍との鑑別が必要です。詳しくは以下の記事も参考にしてください。
手術に不安がある場合は、保存療法や再生医療など、身体への負担を抑えた選択肢もあります。迷ったときこそ自己判断せず、症状に合った治療法を相談するためにも、早めに医師の診察を受けましょう。
まとめ|ガングリオンの手術は日帰り・局所麻酔で行う!痛みが続く場合は早めに受診しよう
ガングリオンは、手首などの関節に負担がかかることで生じやすい良性腫瘍です。症状が軽度であれば保存療法で経過観察を行い、改善が見られない場合には手術が検討されます。
ガングリオンの手術は局所麻酔で行われ、切開法・鏡視下手術のいずれも日帰りで対応できるケースが一般的です。一方で、手術には神経や血管損傷、感染などのリスクが伴うため、「本当に手術が必要か」と悩む方も少なくありません。
ガングリオンの治療法は、痛みの有無や再発リスク、生活への影響によって適切な選択肢が異なります。手術以外の治療法や、症状別の対処法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ガングリオンの手術に関するよくある質問
Q.ガングリオンの手術はどんなことをしますか?
ガングリオンを外科的に取り除く切開法とガングリオンの茎を壊す関節鏡があります。
直接取り除く切開法と関節鏡を比較すると、関節鏡の方が早く痛みが引くといわれています。しかしどちらも日帰り手術が可能なので、リスクも低い手術です。
Q.ガングリオンの手術費用の相場はいくらですか?
ガングリオンの手術費用は保険適用の日帰り手術の場合、3割負担で1万〜3万円程度が目安とされています。
これに加えて、術前の検査費用や麻酔料が別途かかる場合があるため、詳しい費用は受診前に医療機関に確認するのが確実です。
Q.ガングリオンの手術に保険は適用されますか?
ガングリオンの手術は、医師が治療目的と判断した場合に健康保険が適用されます。痛みやしびれ、日常生活への支障があるケースでは保険診療となるのが一般的です。
Q.ガングリオンは手術後再発しますか?
再発の可能性が高いといわれています。
ガングリオンは手術方法に関わらず、再発の可能性が高い疾患です。再発の予防には関節周囲の筋力強化や柔軟性向上が重要なので、日頃から筋トレ・ストレッチをおこないましょう。
Q.ガングリオンの手術後の入院日数と安静期間はどれくらいですか?
ガングリオンの手術は多くの場合、日帰りで行われ、入院が必要になるケースはほとんどありません。なお、症状の程度や部位、手術方法によっては、経過観察のため1〜2日程度の入院を推奨される場合もあります。
術後は患部保護のため、1〜2週間ほど固定や安静が必要です。回復には個人差があるため、医師の指示のもと、適切な経過観察を行うことが大切です。
(文献1)
手関節ガングリオン手術後の再発率に関する研究|Journal of Hand Surgery European Volume(2018年)
手関節ガングリオン手術後の再発率に関する研究|Journal of Hand Surgery American Volume(2015年)
(文献2)
手関節ガングリオン手術後の再発率に関する大規模症例研究(628症例)|Hand(New York)(2022年)




















