ガングリオンが痛いときの対処法|NG対応やリスクも解説
公開日: 2024.07.22更新日: 2024.11.06
ガングリオンに痛みをともなったら、病院の受診を推奨します。自分では症状が軽度なのか、重度なのかを判断するのが難しいほか、コブの発症や痛みがほかの病気の可能性もあるためです。
本記事では、ガングリオンが痛いときの対処法を解説します。痛みがあるときにやってはいけないことも紹介しているので、記事を参考に適切な行動をとりましょう。
目次
ガングリオンとは?
ガングリオンは、関節内にある液体がガングリオンの袋に流れてコブになった良性腫瘍です。
2つの骨がつながる関節は、袋のような関節包で守られており、関節包の中は滑液(関節を保護する潤滑油)で満たされています。この滑液が、なんらかの理由でできたガングリオンの袋に流れるとコブ状の腫瘤(しゅりゅう)が形成されます。
なぜガングリオンの袋ができるのか原因は分かっていません。手首や足、足首などの関節周囲のほか、骨と筋肉をつなぐ部分の腱や、腱を支えるさやの役割である腱鞘(けんしょう)にもガングリオンができます。
以下の記事では、手首にできるガングリオンについて詳しく解説しています。手首にガングリオンらしいコブがある方はとくに参考にしてみてください。
人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術である「再生医療」をご存じでしょうか。再生医療は筋肉や腱、靭帯損傷の治療に効果的です。
本来なら手術しなければいけない状態でも、再生医療で治療できる可能性があります。ガングリオン以外で身体に痛みや違和感がある方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にご相談ください。
ガングリオンはなぜ痛むのか
ガングリオンは無症状の場合もありますが、以下のような症状を伴う方もいます。
・コブのあるところが痛む |
ガングリオンが神経にちかい場所にできると、神経を圧迫して痛みや手足の痺れ、感覚鈍麻といった症状がでます。
はじめは無症状でも、ガングリオンが大きくなると神経を圧迫しやすいため、大きくなるガングリオンは注意しましょう。
ガングリオンが痛いときの対処法2選
ガングリオンと疑われるコブが痛いと感じたときの対処法を解説します。
- 安静にして様子を見る
- 病院を受診する
症状に合わせて適切な対処法を選びましょう。
安静にして様子を見る
ガングリオンは自然に治るものもあります。以下のように症状が軽度であれば、安静にして様子を見る選択もできます。
・赤く腫れない |
ただし「この程度の症状であれば放置しても大丈夫だろう」と自己判断するのは危険です。症状が悪化して、痛みが強く出たり、関節の動きに支障が出たりする可能性があるためです。
ガングリオンの疑いがある場合は、なるべく医師に診てもらい、様子見で良いかを判断してもらいましょう。
病院を受診する
ガングリオンの肥大化により関節が動かしにくくなったり、痛みやしびれが気になったりと生活に支障が出ている場合は、病院を受診して治療しましょう。
ガングリオンは小さくても、神経を圧迫していると痛みやしびれをともないます。大きさにかかわらず、気になる症状があれば専門医に診てもらうのがおすすめです。
ガングリオンの治療では、注射で内容物を吸引する方法が一般的です。ただし、この治療だとガングリオンの袋自体は体内に残ったままなので、再発する可能性があります。
再発を繰り返す場合は、手術でガングリオンの袋自体をとる手術も視野に入ってきます。
ガングリオンが痛いときにやってはいけない3つの対処法
ガングリオンが痛いときにやってはいけない対処法を3つ紹介します。
- 強い痛みや長期の痛みを放置する
- 自分でガングリオンを潰す
- ガングリオンがある場所に負荷をかける
1つずつ見ていきましょう。
強い痛みや長期の痛みを放置する
ガングリオンが強い痛みや長期の痛みを伴う場合、放置しておくのは危険です。以下のように、ガングリオンと似ているほかの病気の可能性があるためです。
病名 |
主な症状 |
粉瘤(ふんりゅう) |
炎症が起き腫れる・悪臭が発生する |
脂肪腫 |
悪性の場合がある |
滑液包炎 |
炎症が強くなる・痛みが増す |
ガングリオンによく似ている粉瘤の中身は垢や老廃物で、放っておくと赤く腫れたり、悪臭が発生します。
ほかにガングリオンによく似ている腫瘍の1つに脂肪腫があります。脂肪腫は脂肪がつまったコブですが、まれに悪性腫瘍である脂肪肉腫の場合があります。悪性腫瘍はコブの成長が早い・コブの形がいびつなどの特徴があるため、当てはまる条件があれば病院を受診しましょう。
滑液包炎もガングリオンによく似ており、ケガや関節の使いすぎで炎症を起こしコブができます。中身は血混じりの滑液で、放置すると炎症が強くなって痛みが増したり、関節が動かしにくかったりする症状がでます。
見た目だけでガングリオン・粉瘤・脂肪腫・滑液包炎を見分けるのは難しいため、症状がなく放置したい場合でも病院へいき、医師に診てもらうと安心です。
腱や筋肉の損傷に効果的な治療法の1つに「再生医療」があります。人間の自然治癒力を活用した治療なので、身体への負担を最小限にできます。
ガングリオン以外で手や腕に痛みやしびれなどの症状がある方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にご相談ください。
自分でガングリオンを潰す
ガングリオンの痛みが気になって自分で押し潰そうとする方もいますが、自分で処置するのは危険です。神経を圧迫して、新たなしびれや痛みを引き起こす可能性があるためです。
痛みが気になる場合は自分で対処しようとせず、病院を受診して適切な治療を受けましょう。
ガングリオンがある場所に負荷をかける
痛みの有無にかかわらずですが、ガングリオンがある場所に負担をかけてはいけません。関節に負荷がかかると、関節包にある滑液がガングリオンの袋に流れやすくなり、コブが肥大化してしまう可能性があるためです。
たとえば、手首にガングリオンができた場合、手をついて立ち上がったり、手首を大きくひねったりする動作を極力控えるようにしましょう。
まとめ|ガングリオンが痛いときの対処法を知って適切にケアしよう
強く痛みを伴うガングリオンの場合は、病院を受診て専門医に診てもらいましょう。適切な治療を受けられれば、気になる症状を早期に改善できるはずです。
また、コブの出現や痛みの原因が、ガングリオンと似ているほかの病気の可能性もあります。それが悪性腫瘍のケースもあります。
自己判断で痛みを放置するのはリスクを伴うので、早めに専門医の診断を受けましょう。
手や足の筋肉や腱、靭帯を損傷したときは「再生医療」が効果的です。再生医療は身体にメスを入れない治療法なので、患者の負担が少ないです。「実はガングリオン以外の症状も気になる…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にご相談ください。
ガングリオンでよくある質問ガングリオンに関するよくある質問
最後にガングリオンに関するよくある質問と回答をまとめます。
ガングリオンと悪性腫瘍の見分け方は?
ガングリオンは良性の腫瘍です。しかし、ガングリオンだと思っていたコブが悪性の脂肪肉腫だったケースや、炎症を繰り返していた粉瘤が悪性化するケースが極めてまれに起こります。
悪性の場合は、コブに以下のような特徴があります。
・色むらがある |
悪性の腫瘍は、まわりの組織ににじむように大きくなるため、コブとまわりの組織の境界がはっきりしません。また、違和感のある色や形のコブが出現したり、急速にコブが大きくなったりするなどの特徴があります。
自己判断するのは難しいため、該当する特徴があれば病院を受診して検査してもらいましょう。
以下の記事では、ガングリオンと悪性腫瘍の見分け方を解説しています。見分け方の知識を深めたい方は、参考にしてみてください。
ガングリオンは何科で受診すればいい?
ガングリオンは関節が関係しているため、基本的には整形外科で治療します。ガングリオンに似ている脂肪腫や粉瘤などは皮膚科や形成外科で診察するのが一般的です。
ガングリオンが自然に消えた原因を知りたい
自然に消えるのはガングリオンの袋がやぶけるためです。
ガングリオンの袋は大きくなると、局所的に薄い部分ができます。薄い部分は、関節を動かしたり、ぶつけたりする衝撃でやぶれやすくなります。
ガングリオンの袋がやぶけると中身の液体が流れ出し、ガングリオンが小さくなったり、消失したりします。
ガングリオンができやすい人の特徴は?
臨床報告の資料には、ガングリオンは中年の女性に多いと記載されています。20〜30代の男女比の割合は1:3であると同資料に示されています。(文献1)
ガングリオンが発症するメカニズムは、まだ明確にわかっていません。つまり、ガングリオンができる部位を動かしすぎているからといって発症するとは言い切れないのです。
ガングリオンが足にできたときの対処法は?
ガングリオンが足にできた場合でも、本記事で紹介した対処法が適用できます。
ガングリオンは自然に消えるケースがあるので、コブが小さかったり、痛みがなかったりする場合は、安静にして様子を見る選択もできます。
コブが大きくなってきたり、痛みが出たりする場合は、病院を受診して今後の治療方針を専門医と考えていくのが良いでしょう。
以下の記事では、ガングリオンが足にできたときの原因や症状を解説しています。治療法についても解説しているので、足にガングリオンができて悩んでいる方は参考にしてみてください。
参考文献 文献1:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/67/4/67_371/_pdf/-char/ja |