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モートン病に対するツボの効果とは?自宅でできる症状を和らげる方法を紹介

「足の指の付け根に、ピリピリとした痛みやしびれを感じる」
「病院に行くほどではないけれど、自分でできる対処法があれば知りたい」
モートン病による痛みで、思うように日常生活を送れず、上記のように悩む人もいるでしょう。
モートン病は、足指に痛みやしびれを感じる神経の病気で、放置すると日常生活に支障をきたすケースがあるのも事実です。しかし、ツボ押しやストレッチなどの対処法を知っていれば、症状を緩和する効果が期待できます。
この記事では、モートン病に対してツボの効果はあるのか解説します。ツボ押しと一緒に行うと効果的な治療法や、再発予防のための生活習慣についても紹介するので、ぜひチェックしてください。
目次
モートン病はツボで治る?
モートン病は、足の指にしびれ・痛み・焼けるような感覚などの神経症状が現れる病気です。中指と薬指の間に多くみられますが、人差し指と中指、薬指と小指の間に症状が出る場合もあります。
ツボ押しはモートン病の症状を緩和する効果が期待できますが、モートン病自体が完全に治るわけではありません。
ツボ押しは、血行を促進し筋肉の緊張を和らげたり、痛みを軽減したりする効果があります。モートン病の症状が軽いケースでは、ツボ押しで症状が改善する可能性があります。しかし、症状が進行していると、ツボ押しだけでは十分な効果が得られないケースがあるのも事実です。
ツボ押しはあくまで補助的な手段として考え、整形外科での治療と並行して行うと、より効果的です。症状が改善しない人や悪化する人は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けましょう。
モートン病に関しては、こちらの記事もご参照ください。
モートン病に効果があるツボと押し方
モートン病の症状を緩和させる効果が期待できるツボは、主に4つあります。ツボとは経穴(けいけつ)ともいわれ、身体を流れるエネルギーである「気」が経路に沿って並んでいる体表面のポイントです。押し方は、以下を参考にしてください。
<押し方>
- 両手の親指を重ねて、ツボを5〜10秒かけてゆっくり押す
- 痛気持ち良いぐらいの強さで押す
- 息は止めず、深く呼吸をしながらツボを押す
- 1セット3〜5回を目安に行う
以下に、各ツボの特徴を解説します。
「承山」の特徴
承山(しょうざん)は、ふくらはぎの中央で、アキレス腱から少し上にあるツボです。つま先立ちをした際、ふくらはぎにできるへこみを探すと見つけやすいでしょう。
承山は足のしびれや痛み・腰痛や頭痛・目のトラブルに効くといわれており、多くの症状に対応できる万能なツボです。押す際は、親指を重ねてツボに当て、ゆっくりと押してください。
「下承山」の特徴
下承山(しもしょうざん)は、承山から指幅3本分下にあるツボです。承山と同様に、ふくらはぎの筋肉とアキレス腱の境目あたりに位置します。
下承山は、足底における痛みやモートン病の症状、足首の痛みに対して用いられます。親指をツボに当て、ゆっくりと押し上げるようにしましょう。
「築賓」の特徴
築賓(ちくひん)は、内くるぶしの1番高い部分から、指幅7本分上にあるツボです。
腰痛や股関節痛、首コリなどの症状に用いられるだけでなく、下半身全体の血流が良くなるといわれ、手足の冷えに対する効果もあります。指で押す以外にも、かかとでアキレス腱から築賓までこするように押すのもおすすめです。
「漏谷」の特徴
漏谷(ろうこく)は、内くるぶしから指幅8本分ほど上に位置するツボです。
腰痛や肩の痛み、足底の痛みに用いられるケースが多くみられます。他にも、下肢の疲れやむくみの緩和にも効果が期待できます。指の腹で円を描くように、優しくマッサージしましょう。
ツボ押しの注意点
正しくツボ押しをするには、力加減やタイミングを守る必要があります。ツボ押しで注意すべきポイントを解説するので、ぜひチェックしてください。
強く押しすぎない
ツボを刺激するときは、強く押しすぎないように注意してください。ツボ押しは、強く押せば効果が高まるわけではありません。強く押しすぎると、筋肉や組織を傷つけ、揉み返しを起こす可能性があります。
「痛気持ち良い」と感じるくらいの適度な力で押すと、症状改善につながります。また、長く押すほど効果が出るわけではないため、5〜10秒ほどの時間で刺激しましょう。
ツボ押しは、症状が出ている側と同じ側を刺激するのが基本です。右足に症状がある場合は、右側のツボにゆっくりと圧をかけると、無理なく効果を引き出せます。
避けるべきタイミングに注意する
ツボ押しには、以下の避けるべきタイミングがあります。
- 怪我をしているとき
- 感染症にかかっているとき
- 妊娠中
- 食後
- 飲酒後
- ツボを押す前から痛むとき
上記の状態では、怪我や体調が悪化する可能性があるため、注意してください。入浴後や就寝前などのリラックスしているときにツボ押しを実践しするのがおすすめです。
ツボを押す前から痛みを感じている場合は、炎症を起こしている可能性があります。無理にツボ押しするのではなく、整形外科を受診し相談しましょう。
モートン病の症状
モートン病の主な症状は、以下のとおりです。
- 足指の痛み
- しびれ
- 焼けるような感覚
とくに、中指と薬指の間に多くみられます。他にも、人差し指と中指の間や薬指と小指の間に発症するケースも少なくありません。
歩行時やつま先立ちをした際に、足指の付け根付近に鋭い痛みを感じます。痛み以外には、足の指がしびれたり、熱く感じたりするケースもあります。
人によっては「足の裏に小石があるような感覚」や「靴下の中でシワが寄っているような感覚」といった違和感を訴える場合があるのも事実です。症状の感じ方には個人差があるため、気になる症状がある人は、整形外科を受診しましょう。
些細な違和感でも、気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。
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モートン病の原因
モートン病の主な原因は、足指の付け根にある神経が圧迫されることです。
具体的な生活習慣は、以下のとおりです。
- ハイヒールやつま先が狭い靴を履く機会が多い
- 長時間の立ち仕事をしている
- つま先立ちを繰り返す
- ランニングをやりすぎる
モートン病は、ハイヒールを履く機会が多い中年以降の女性に多く発症するといわれています。また、足のアーチ構造が崩れやすい外反母趾(がいはんぼし)や扁平足(へんぺいそく)も足指への負担が大きくなりやすくモートン病のリスクが高まると考えられています。
モートン病でツボ押しにプラスすると効果的な治療
モートン病における症状緩和には、ツボ押しだけではなく、ストレッチと運動・適切な靴の選択・インソール・足底挿板の挿入を補助的に行うのが効果的です。
具体的に解説するので、参考にしてください。
①ストレッチと運動
モートン病の症状を緩和させるには、ストレッチや運動が効果的です。
足指5本の付け根を結ぶ横アーチは、足裏の血管や神経を守る役割を持つものです。偏平足などでアーチが低下すると、モートン病を発症するリスクが高まります。
偏平足もモートン病も足裏の疲労や痛みが出るため、足裏やふくらはぎのストレッチが症状改善に良いと考えられています。モートン病で重要な横アーチを引き上げるには「タオルギャザーエクササイズ」が効果的です。
<タオルギャザーエクササイズの方法>
- バスタオルを床に敷き、両足を置く
- 足指の力でたぐり寄せる
- すべてたぐり寄せたら戻す
タオルギャザーエクササイズは1〜3回を目安に行いましょう。椅子に座った状態でも、立った状態でも可能です。簡単に3回できる人は、タオルの端に1〜2kgの重りや1〜2Lの水が入ったペットボトルを置くと、より運動効果が高まります。
他にも、詳しいマッサージ方法については、こちらも記事をご参照ください。
②適切な靴の選択
モートン病による痛みを緩和するには、足への負担が少ない靴を履くのが大切です。具体的には、以下のような靴がおすすめです。
- 中足骨(ちゅうそくこつ)パッドがある靴
- クッション性が高い靴
- 靴底がロッカーソールになっている靴
中足骨パッドとは、靴の中敷きに取り付ける小さなクッションのことです。足裏の横アーチを支える機能を備えており、地面からの衝撃を緩和し神経を圧迫しにくくする効果が期待できます。
歩く際に地面からの衝撃を吸収できるクッション性が高い靴は、神経の圧迫を和らげます。
ロッカーソールとは、つま先部分が上向きに反っている形状をしている靴底を指します。一般的なインソールより歩く際に親指が屈曲しない構造のため、足への負担をかけずに歩けるでしょう。
③インソール・足底挿板の挿入
モートン病の症状緩和には、靴の中に入れるインソールや足底挿板(そくていそうばん)を活用すると効果的です。インソールには、足裏のアーチを支え、足底にかかる圧力を分散させる効果が期待できます。
整形外科や取り扱いがある専門店でクッション性のあるインソールを購入するか、オーダーメイドで注文すると自分に合ったインソールが作れます。
足底挿板は靴の中敷と似た装具で、義肢装具士に依頼して自分の足に合わせて作成可能です。モートン病は前足部の横アーチ低下に伴って、神経の圧迫がおこるため、アーチをサポートする足底挿板が必要です。整形外科で足底挿板の必要性が認められると、保険で作成できます。
また、代わりとして市販のインソールを購入するのもおすすめです。市販で売られているインソールは手軽に購入できますが、オーダーメイドではない商品が多いため、整形外科医や理学療法士などにどの商品が良いか相談してみましょう。
モートン病の再発を予防するための生活習慣
モートン病は1度改善しても、再発する可能性があります。再発を予防するためにも、日常的な足のケアや定期的な受診などの生活習慣に気を付けましょう。
足のケア
モートン病の再発を防ぐには、日常的な足のケアが欠かせません。入浴後など血行が良くなったタイミングで、ふくらはぎや足裏のマッサージを行いましょう。マッサージ方法は以下のとおりです。
<足のマッサージ方法>
- 足の裏全体を親指で優しく押す
- 土踏まずや足の付け根を重点的にマッサージする
- 足の指を広げ、指の付け根を円を描くようにマッサージする
- 足首を回したりアキレス腱を伸ばしたりするストレッチをする
マッサージすると、筋肉の緊張が緩み、神経への圧迫が緩和されます。痛みを感じるようなら、無理せず優しく触れる程度の力で行ってください。
長時間立ち仕事や長時間歩行すると、モートン病の症状は悪化しやすくなります。足が痛かったり疲れていたりするときには、ストレッチやマッサージなどのケアを行いましょう。疲労によりアーチが低下しやすいため、足の疲労を回復させるのが大切です。
定期的な健診を受ける
モートン病が良くなってからも、定期的に受診すると再発防止につながります。
保存療法や手術療法で症状が改善しても、モートン病が再発する人は一定数いるため、定期的な受診は大切です。痛みを放置していると悪化してしまうため、定期的に検査を受けましょう。
まとめ|モートン病の症状がツボ押しだけでは緩和しない場合は早めに医療機関へ
モートン病は、足の指に痛みやしびれが生じる神経の病気です。
ツボ押しは、モートン病の症状緩和に有効な手段ですが、ツボ押しだけで完治するわけではありません。
とくに、症状が進行している人や、ツボ押しで改善がみられない人は、早めに医療機関を受診しましょう。
モートン病は、保存療法や手術療法など適切な治療により改善する場合が多いですが、再発する人がいるのも事実です。
再発予防のためには、治療後も足のケアを行い、定期的に健診を受けましょう。
なお、当院「リペアセルクリニック」では、モートン病の治療法として再生医療を提供しています。
再生医療には主に「幹細胞治療」と「PRP療法」があります。
手術と比べて体に傷跡が残らず、リハビリの必要もありません。また、体への負担も少なく治療後の早期社会復帰にも期待ができる治療法です。
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