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脳梗塞は症状が軽いうちの治療が大切!原因と対策を解説【医師監修】

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公開日: 2025.01.24

症状はないのに 健康診断で「軽い脳梗塞がある」と言われて不安になっていませんか。治療の必要性や、重症化のリスクが気になる方も多いかもしれません。

症状が軽い、または無症状の脳梗塞を「無症候性脳梗塞」といいます。早急に大きな治療の必要はありませんが、放置すると重症化する恐れがあります。重症化を防止するためにも、軽度のうちに治療を行うのが望ましいでしょう。

本記事では、軽い脳梗塞の発見方法や原因、対策について詳しく解説します。無症状でも侮らずに適切な治療を受け、未然に悪化を防ぎましょう。

当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を行っています。

気になる方は、当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。

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症状が軽い脳梗塞は「無症候性脳梗塞」と呼ばれる

脳梗塞の中でも、症状が軽い場合は「無症候性脳梗塞」に分類されます。

無症候性脳梗塞は、症状があらわれないまたは非常に軽微なものにとどまることが特徴です。そのため患者自身が脳梗塞に気づかず、健康診断やCT・MRIなどの検査で偶然発見されることも多いです。

無症候性脳梗塞は早急な手術は必須ではないものの、将来的に重篤な脳梗塞を引き起こすリスクが高まります。早期の発見と治療により、悪化のリスクを大幅に低減できるでしょう。

無症候性脳梗塞の多くは「ラクナ梗塞」

脳梗塞は、主に以下の3種類に分類されます。この中でも、無症候性脳梗塞の主な原因となるのが「ラクナ梗塞」です。

脳梗塞の種類 特徴 原因
ラクナ梗塞 小さな血管が詰まる 高血圧・動脈硬化
心原性脳梗塞 心臓から血栓が飛び血管が詰まる 心房細動・心疾患
アテローム血栓性脳梗塞 コレステロールが沈着し大きな血管が詰まる 高脂血症・動脈硬化

無症候性脳梗塞の大部分を占めるラクナ梗塞は、比較的軽度な症状が特徴です。

ただし、放置すると脳梗塞の再発や悪化のリスクがあります。診断を受けた際は早期に適切な治療を受けましょう。

脳梗塞の原因と種類について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただければ幸いです。

ほとんどは「検査」によって見つかる

無症候性脳梗塞は、自覚症状がほとんどなく、検査によって発見されることが一般的です。

そのため、定期的な健康診断やMR・CTなどの画像検査を受けることが早期発見のポイントとなります。

無症候性脳梗塞は、発見が遅れるほど治療が難しくなる可能性があります。
定期的な検査を行い、早期発見を心がけましょう。

無症候性脳梗塞は「早期発見」で治る

無症候性脳梗塞は、速やかに適切な治療を受けることが大切です。

血流が途絶えていた部分が回復して脳機能が正常に戻り、後遺症を残さずに治癒できる可能性があります。

また、無症候性脳梗塞のような軽症の場合、入院期間は約1カ月前後であることが多いです。

脳梗塞の範囲が狭く、早期に発見された場合は、さらに短期間での改善が見込まれます。

ただし、治療には悪化防止のため定期的な通院が必要です。こまめの受診を怠らないようにしましょう。

軽い脳梗塞の3つの前兆・前触れ

脳梗塞の初期症状は、軽度であっても見逃がさないことが早期発見のポイントとなります。

以下の3つの症状は、脳梗塞の前兆としてあらわれることが多い症状です。

脳梗塞の前兆 症状例 備考
言語障害
  • 上手に会話できない
  • 他の人の話が理解できない
繰り返される場合は注意が必要である
顔面麻痺
  • 片側の顔が垂れさがる
  • 笑うと左右が不自然に非対称になる
突然症状があらわれた場合は脳梗塞の疑いがある
腕の麻痺
  • 片方の腕や手が突然力を失う
  • しびれを感じる
一時的な症状でも脳梗塞の前兆である可能性が高い

これらの症状があらわれたら、自覚症状が軽い場合でも速やかに受診しましょう。

症状軽い脳梗塞が起こる4つの原因

症状が軽い脳梗塞の原因として、以下の4つがあげられます。(文献1

  • 高血圧症
  • コレステロール症
  • 糖尿病
  • 心房細動

上記の疾患の治療を医師の指示どおり受けることで、無症候性脳梗塞の予防につながります。該当する方は、まずは持病の改善に努めましょう。

1.高血圧症 

高血圧症は、脳梗塞の比較的多い原因のひとつです。

血圧が高い状態が続くと、脳の血管が収縮して血流が滞ります。

この状態が続くと血栓が発生しやすくなり、脳梗塞を引き起こす可能性が高まります。

そのため、治療により血圧を正常値までコントロールすることが大切です。

高血圧を予防または治療するためには、減塩や運動習慣の改善、病院での適切な治療が必要です。

2.コレステロール症

コレステロール値が高い状態が続くと、血管が硬くなる「動脈硬化」を進行させて脳梗塞のリスクが高まります。(文献2

とくに悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高い場合、血管内に脂肪の塊が形成されやすくなります。

血管が詰まり脳梗塞の原因となるため、コレステロールを減らす治療が必要です。

脂肪分の高い食生活の改善や定期的な運動、必要に応じて薬物治療を受けることで、脳梗塞の予防につながります。

3.糖尿病

血糖値が高い状態が長期間続くと血管にダメージを与え、血液がドロドロになりやすくなります。

高血糖状態が血栓形成のリスクを高め、脳梗塞を引き起こす原因となります。

そのため、糖尿病の治療を確実に行うことが脳梗塞の予防につながるのです。

糖尿病をコントロールするには、食事療法や運動、血糖値を安定させるための薬物治療に専念しましょう。

4.心房細動

心房細動は、心臓のリズムが乱れることで心房が不規則に収縮する病気です。

心房細動により血液が滞ることで、血栓が形成されやすくなります。

形成された血栓が脳に到達すると、脳梗塞になる可能性も考えられるでしょう。

心房細動をはじめとする心臓の病気からくる脳梗塞は「心原性脳梗塞」と呼ばれています。

専門医の指導のもと心房細動を治療することが、心原性脳梗塞の予防につながります。

症状軽い脳梗塞こそ早めの治療が大切!3つの予防・対策法

軽度の脳梗塞のうちにできる予防策は、以下の3つです。

  • 食事や運動の改善
  • 禁煙
  • 抗凝固薬の使用

専門医の指示のもとで、適切な治療を受けて悪化を防ぎましょう。

1.食事・運動の改善 

不健康な食生活や運動習慣がないことは、高血圧や高コレステロール血症の原因となり、脳梗塞の発症リスクを上げる可能性があります。

そのため、食事や運動の改善は脳梗塞の予防に効果的と言えるでしょう。

以下のような工夫をして、生活習慣の改善を心がけてみてください。

  • 野菜を中心とした食事を意識する
  • ウォーキングやストレッチを日常生活に取り入れる

脳梗塞の予防に大切な食事のポイントについて詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただければ幸いです。

2.禁煙

タバコは脳の病気に限らず、全身に悪影響を及ぼします。

喫煙は脳梗塞のリスクを著しく高める要因のひとつです。タバコの煙が血管を収縮させ、脳梗塞のリスクを高めます。

そのため、禁煙は脳梗塞の予防に効果的です。

自力での禁煙が難しい方は、禁煙外来のような専門機関を活用する方法もあります。

脳梗塞を防ぐためにも、タバコを止めるようにしましょう。

3.抗凝固薬の使用

医師の判断によっては、脳梗塞の再発防止の目的で抗凝固薬が使用される場合があります。

抗凝固薬は血液をサラサラにし、血栓による血管の狭窄を予防できます。

そのため抗凝固薬が処方された方は、医師の指示に従い正しく服用することが大切です。

なお、副作用や個人の体調に応じて使用方法が異なります。

抗凝固薬で副作用があらわれた場合は必ず医師に相談しましょう。

すぐに受診すべき脳梗塞の症状は「FAST」

脳梗塞の初期症状は「FAST」で覚えましょう。

「FAST」は、以下の4つの要素です。

F(Face: 顔) 顔面麻痺
A(Arm: 腕) 腕の麻痺
S(Speech: 言葉) 言語障害
T(Time: 時間) 発症時刻

脳梗塞の治療は「時間」が重要です。迅速な処置でその後の経過を大きく左右します。

FASTの症状があらわれたら、すぐに受診しましょう。

脳梗塞の前兆について詳しく知りたい方は、下記のコラムを参考にしていただけますと幸いです。

まとめ|脳梗塞は症状軽いうちに適切な検査・治療をしましょう

無症候性脳梗塞のような軽い脳梗塞は、無症状であったとしても後々悪化するリスクがあります。

早めの段階で適切な検査や治療を受けることで、脳梗塞のリスクが低減できるでしょう。

症状が軽いからと侮らずに、定期的な検査や受診を行うようにしてください。

当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を行っています。

気になる方は、当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。

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症状軽い脳梗塞についてよくある質問

症状軽い脳梗塞は入院になりますか?

医師の判断により、発症の程度や合併症の有無を加味して入院を促される場合もあります。

とくに心房細動のような脳梗塞の引き金となる病気を持つ方の場合、予防もかねて入院が推奨されるケースがあるでしょう。

一方、症状が非常に軽い場合や基礎疾患がない場合は、通院による治療が選ばれる場合があります。

いずれにしても、医師の判断に従いましょう。

脳梗塞の治療法について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただけますと幸いです。

症状軽い脳梗塞を放置するとどうなりますか?

緊急の手術や治療は必須ではないものの、軽い脳梗塞の放置で、将来的に脳血管障害の進行や脳梗塞の再発、さらには認知症になるリスクが高まります。

そのため、脳梗塞が軽度の段階で早期発見と生活習慣の改善が大切です。

日常の習慣を見直し、医師の指導のもとで定期的な治療・検査を受けましょう。

参考文献一覧

(文献1)
四條克倫.脳卒中ガイドライン 2021(改訂 2023). 日大医誌 82 (6): 325–332 (2023) ,p325-33

(文献2)
有屋田 健一. 動脈硬化(どうみゃくこうか). e-ヘルスネット(厚生労働省)2024.7.18. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-082.html,2024.12.26.

 

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