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痛み止めランキングを医師が解説【強さや副作用を徹底比較!】

突然の頭痛、生理痛、歯痛…痛みは日常生活を大きく阻害する悩みの種です。
ドラッグストアには様々な痛み止めが並び、どれを選べば良いか迷う方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ロキソニン、ボルタレン、トラムセット、カロナールなど、代表的な痛み止め薬の種類と効果を分かりやすく解説します。
それぞれの薬の特徴、副作用、そしてNSAIDsやステロイド、オピオイドといった分類についても詳しく医師が解説します、
さらに、市販の痛み止め「ロキソニン」と「カロナール」の徹底比較を説明し、それぞれの特徴、効果的な症状、価格、そして副作用のリスクまで、幅広くお伝えします。
例えば、ロキソニンは、筋肉の痛みや生理痛に対してとても有効ですが、胃腸への負担が懸念されます。
一方、カロナールはロキソニンに比べて副作用は弱いが、その分、効き目も弱くなります。
さらに、最新の研究結果に基づいた、2歳未満の乳幼児への服用に関する情報や、妊娠中・授乳中の方への注意点も詳しく解説。薬剤師への相談の重要性も改めて強調します。
この記事を読むことで、痛みから解放されるための知識が得られます。
さあ、痛みと賢く付き合う方法を学びましょう。
痛み止めの種類とその効果、副作用
皆さんは、急な頭痛や発熱時、どの市販薬を選べば良いか迷ったことはありませんか?
この章では、市販薬の選び方のポイントを、医師の視点から分かりやすく解説します。
ロキソニン
ロキソニンは「ロキソプロフェンナトリウム水和物」という成分の鎮痛剤で、炎症を抑える作用が強い非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種です。
頭痛、歯痛、生理痛、腰痛、筋肉痛、関節痛、手術後や外傷後の痛みなど、様々な痛みに効果を発揮します。
炎症とは、体を守るための反応で、発赤、腫れ、熱感、痛みなどの症状を伴います。
ロキソニンは、この炎症を引き起こす物質の生成を抑えることで、痛みを和らげるのです。
即効性があり、効果も比較的長く持続するのが特徴です。
市販薬としても入手できますが、胃への負担があるため、空腹時の服用は避け、食後に服用することが推奨されます。
また、胃腸の弱い方や、過去に胃腸障害を起こしたことがある方は、特に注意が必要です。
ボルタレン
ボルタレンは「ジクロフェナクナトリウム」という成分のNSAIDsで、ロキソニンと同様に炎症を抑える作用が強い痛み止めです。
ロキソニンと同じく、様々な種類の痛みに効果があり、坐薬、テープ剤、ゲル剤など、様々な形態で利用できるのが特徴です。
例えば、炎症を起こしている関節にボルタレンのテープ剤を貼ることで、その部分に直接薬剤が浸透し、効果的に痛みや炎症を抑えることができます。
また、坐薬は、飲み薬を服用できない場合や、吐き気がある場合などに有効です。
トラムセット
トラムセットは「トラマドール塩酸塩」と「アセトアミノフェン」という2種類の成分を配合した痛み止めです。
トラマドールは、オピオイド系鎮痛薬に分類され、脳内の痛みの伝達を抑制する作用があります。
アセトアミノフェンは、解熱鎮痛作用を持つ成分で、2つの成分の相乗効果により、中等度から高度の痛みに効果を発揮します。
カロナール
カロナールは「アセトアミノフェン」を主成分とする痛み止め、解熱剤です。比較的穏やかな効き目があり、子供から高齢者まで幅広く使用できます。
副作用が少ないため、安全性が高いとされています。市販薬としても入手しやすく、風邪による発熱や頭痛、生理痛などの痛みによく使われています。
セレコックス
セレコックスは「セレコキシブ」という成分のNSAIDsの一種です。他のNSAIDsと比べて、胃腸への負担が少ないという特徴があります。
そのため、胃腸の弱い方や、他のNSAIDsで胃腸障害を起こしやすい方に向いています。
リリカ
リリカは「プレガバリン」という成分の薬で、神経障害性疼痛という、神経の損傷によって起こる痛みやしびれに効果があります。
帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、線維筋痛症などの治療に使用されます。
ステロイド
ステロイドは、副腎皮質ホルモン剤と呼ばれる薬で、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用があります。
様々な炎症性疾患やアレルギー疾患、自己免疫疾患の治療に使用されます。
オピオイド
オピオイドは、モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬の総称です。
非常に強い鎮痛作用があり、がんなどの強い痛みをコントロールするために使用されます。
注意すべき副作用:アスピリン喘息について
アスピリン喘息は、アスピリンやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を服用することで喘息発作が誘発される特殊な病態です。
この疾患は成人の喘息患者の約10%に見られ、通常は成人期に発症します。
特徴的なのは、アスピリンだけでなく、ロキソニンやボルタレンなどの一般的な痛み止めでも発作が引き起こされることです。
これらの薬を服用すると、重度の喘息発作や呼吸困難に加えて、鼻水、くしゃみ、鼻づまりといった症状が現れます。
また、多くの患者さんが慢性的な副鼻腔炎や鼻ポリープを合併しています。
この病気の患者さんが痛み止めを使用する必要がある場合、アセトアミノフェン(カロナール、タイレノールなど)が比較的安全とされています。
ただし、初めて使用する際は少量から開始し、医師に相談しながら使用することが推奨されます。
成分から分類した痛み止めの種類
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
作用:炎症、痛み、発熱を抑制
メカニズム:プロスタグランジン生成を抑制(COX阻害)
– ロキソニン(ロキソプロフェン)
– ボルタレン(ジクロフェナク)
– モートリン(イブプロフェン)
– バファリン(アスピリン)
アセトアミノフェン
– 作用:主に痛みと発熱を抑制(抗炎症作用は弱い)
– メカニズム:中枢神経系に作用
– 胃への負担が少なく、妊婦や小児にも使用可能
– 代表的な製品:
– カロナール
– タイレノール
– ピリナジン
イブプロフェン(NSAIDsの一種)
– 作用:炎症、痛み、発熱を抑制
– メカニズム:他のNSAIDsと同様(COX阻害)
– 代表的な製品:
– EVE(イブ)
– バファリンEX
– ブルーレット
・モートリン(イブプロフェン)
主な使い分け:
– 炎症を伴う痛み → NSAIDs
– 発熱や軽い痛み → アセトアミノフェン
– 胃が弱い人 → アセトアミノフェン
– 生理痛 → イブプロフェンまたは他のNSAIDs
痛み止めランキング
数ある市販薬の中でも、ロキソニンとカロナールは特に知名度が高く、多くの方に利用されています。
ここでは、痛み止めランキング上位にある、ロキソニンとカロナールの違いについて比較します。
ロキソニンとカロナールの違い
ロキソニンは頭痛、歯痛、生理痛、腰痛、筋肉痛などによく服用されます。
患部で炎症を引き起こす物質であるプロスタグランジンの生成を抑える効果があります。
一方、カロナール(一般名:アセトアミノフェン)は、解熱鎮痛薬として広く使用されており、脳神経に直接働きかけて炎症を止めます。
ロキソニンと比較すると作用は穏やかで、小児や高齢者、妊娠中・授乳中の方にも使用できる場合があります。
2歳未満の乳幼児における発熱や疼痛の治療において、アセトアミノフェンとイブプロフェンはどちらも広く処方されていますが、最新の研究では、イブプロフェンの方が24時間以内の体温低下と疼痛軽減効果が高いという結果が出ています。
ただし、安全性は両剤とも同等とされています。
薬剤名 | 主な作用 | 適した症状 | 注意点 |
---|---|---|---|
ロキソニン | 炎症を抑える、痛みを抑える | 頭痛、生理痛、歯痛、腰痛、筋肉痛など | 胃腸障害に注意、空腹時の服用は避ける |
カロナール | 熱を下げる、痛みを抑える | 熱、頭痛、歯痛など | 肝臓に負担があるため、過剰摂取に注意する |
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値段比較とコストパフォーマンス
ロキソニンとカロナールの価格を比較すると、一般的にロキソニンの方がややコストがかかります。
販売店や容量によって異なりますが、ロキソニンは1箱12錠入りで約1,000円前後、カロナールは1箱12錠入りで約800円前後が相場です。
薬剤名 | 1箱(12錠)あたりの価格 | コストパフォーマンス |
---|---|---|
ロキソニン | 約1,000円 | やや低い |
カロナール | 約800円 | やや高い |
しかし、価格だけで判断せず、症状や体質、そして副作用のリスクも考慮して選ぶことが重要です。
ロキソニンは胃腸障害のリスクがあるため、胃腸の弱い方はカロナールを選ぶ方が良い場合もあります。
薬局で購入する際のポイント
市販薬を購入する際は、自己判断せず、薬剤師に相談することを強くお勧めします。
薬剤師は、あなたの症状や体質、他の薬との飲み合わせなどを考慮し、適切な薬を提案してくれます。
薬の効果や副作用、服用方法など、疑問があればどんな些細なことでも相談しましょう。
特に、妊娠中・授乳中の方、持病のある方、高齢の方は、注意が必要です。
急性痛の治療には、NSAIDs(ロキソニンなど)、アセトアミノフェン(カロナールなど)、メタミゾール、コルチコステロイドなど、様々な薬剤が使用されます。
これらの薬剤はそれぞれ異なる作用機序と臨床応用を持ち、最新の科学的エビデンスに基づいて使用されるべきです。
例えば、グラピプラントという生薬も抗炎症作用を持つことが報告されており、NSAIDsのような副作用が少ないとされています。
薬剤師や医師と相談し、ご自身の症状に最適な薬剤を選択することが重要です。
症状別のロキソニンとカロナールの効果比較
痛みは、私たちにとって非常に不快な感覚であり、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
上手に痛み止めを選び、痛みをコントロールし、より快適な生活を送ることが可能になります。
ここでは市販薬として購入できるロキソニンとカロナールについて、どちらが効果的なのか、医師の視点から分かりやすく解説します。
頭痛に対する効果の違い
ズキズキ、ガンガン、締めつけられるような…頭痛の症状は実に様々です。
片頭痛のように血管が拡張することで起こる頭痛、緊張型頭痛のように筋肉の緊張が原因となる頭痛など、その種類は多岐に渡ります。
ロキソニンは、炎症を伴う頭痛、例えば風邪に伴う頭痛や副鼻腔炎による頭痛などに高い効果があります。
一方、カロナールは、解熱鎮痛薬であり、緊張型頭痛や片頭痛など、炎症を伴わない頭痛に適しています。
筋肉痛に対する効能
筋肉痛は、身体活動後に筋肉に微細な損傷が生じることで起こります。
損傷した筋肉は炎症を起こし、発痛物質が放出されることで痛みを感じます。
ロキソニンは、こういう筋肉痛にはよく効きます。
一方、カロナールは筋肉痛への効果は限定的です。
腰痛や関節痛への効果
腰痛や関節痛の原因は多様であり、加齢による変形性関節症や、急に発症するぎっくり腰、スポーツによる外傷など、様々な要因が考えられます。
これらの痛みの原因や病態に応じて薬を選定しましょう。
ロキソニンの抗炎症作用は強く、炎症を伴う腰痛や関節痛、例えばぎっくり腰や変形性関節症などに効果があります。
変形性関節症では関節軟骨がすり減り、炎症が生じることで痛みが発生します。この時はロキソニンがよく効きます。
一方、カロナールですが、近年、変形性関節症の疼痛と機能改善において、アセトアミノフェン(カロナール)は、従来考えられていたほど効果的ではない可能性が示唆されています。
痛みが軽い場合や、ロキソニンを服用できない場合に代替薬として処方されることもありますが、ロキソニンと比較すると効果は劣る可能性があります。
▼関節症の痛み止め「ステロイド」の使用について、併せてお読みください。
ロキソニンとカロナールの副作用と注意点
適切な薬を選ぶことは、症状の改善を早めるだけでなく、副作用のリスクを減らすことにも繋がります。
この章では、ロキソニンとカロナールの副作用と注意点について、医師の視点から詳しく解説します。
一般的な副作用とその対処法
ロキソニン(ロキソプロフェン)は、抗炎症作用は強いのですが、副作用として腎障害に注意する必要があります。
吐き気、胃痛、胸やけといった症状が現れる可能性があり、特に空腹時に服用すると副作用が出やすいため、食後や胃を保護する薬と一緒に服用することが推奨されます。
稀に、ですが、肝機能障害や腎機能障害といった副作用を認めることがあります。
早期に分かれば、内服するのを中止すると大抵は正常に戻ります。
カロナール(アセトアミノフェン)は、解熱鎮痛薬として広く使用されており、比較的副作用が少ない薬です。
主な副作用としては、発疹やかゆみなどのアレルギー症状が挙げられます。
稀ではありますが、重症の皮膚障害である中毒性表皮壊死症やスティーブンス・ジョンソン症候群など重篤な副作用が発生する可能性も否定できません。
服用後に皮膚に異常を感じた場合は、直ちに中止してかかりつけ医に受診しましょう。
薬の種類 | 主な副作用 | 対処法 |
---|---|---|
ロキソニン | 吐き気、胃痛、胸やけ、肝機能障害、腎機能障害 | 食後に服用、胃薬と併用、症状が続く場合は医師に相談 |
カロナール | 発疹、かゆみ、重症の皮膚障害 | 服用を中止し医師に相談 |
また、2歳未満の乳幼児における発熱や疼痛に対する使用については、イブプロフェン(ロキソニンの成分)の方がアセトアミノフェン(カロナールの成分)よりも効果が高いという研究結果も出ています。
24時間以内の体温低下と疼痛軽減効果において、イブプロフェンの優位性が示されています。
ただし、重篤な副作用はどちらの薬も稀であり、安全性は同等と考えられています。
妊娠中・授乳中の服用に関する注意事項
妊娠中や授乳中の薬の服用は、胎児や乳児への影響を考慮する必要があります。
ロキソニンは、妊娠後期に服用すると、胎児の動脈管収縮や陣痛抑制といった影響を及ぼす可能性があるため、服用は避けるべきです。
特に妊娠32週以降は、早産や胎児への影響のリスクが高まるため、ロキソニンを含むNSAIDsの使用は禁忌とされています。
カロナールは、妊娠中や授乳中に服用しても比較的安全とされています。
ただし、あくまで「比較的」安全であるというだけで、全く影響がないわけではありません。
他の薬との飲み合わせについて
ロキソニンやカロナールは、他の薬と一緒に飲むことで、抗炎症作用の効果が落ちたり、副作用が強くなることがあります。
特に、ワーファリンなどの血液をサラサラにする薬や、喘息治療薬、一部の抗うつ薬などとの飲み合わせには注意が必要です。
▼薬とフルーツの飲み合わせについて、併せてお読みください。
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参考文献
- Tan E, Braithwaite I, McKinlay CJD, Dalziel SR. “Comparison of Acetaminophen (Paracetamol) With Ibuprofen for Treatment of Fever or Pain in Children Younger Than 2 Years: A Systematic Review and Meta-analysis.” JAMA network open 3, no. 10 (2020): e2022398.
- Richard MJ, Driban JB, McAlindon TE. “Pharmaceutical treatment of osteoarthritis.” Osteoarthritis and cartilage 31, no. 4 (2023): 458-466.
- Antiinflammatory Drugs.