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膝がポキポキ鳴るのは運動不足が原因?整形外科医師が解説!

膝がポキポキ鳴る
公開日: 2025.02.15 更新日: 2025.02.19

膝がポキポキ鳴る…誰しも一度は経験のあるこの音、実はただの老化現象や運動不足と安易に考えて放置すると、将来的な膝のトラブルにつながる可能性があることをご存知ですか? 階段の上り下り、立ち上がり、何気ない動作で鳴るこの音。その原因は関節液の気泡、関節構造の問題、靭帯や腱の動きの3つに大きく分けられます。

世界中で推定6億5400万人が罹患している変形性膝関節症も、初期症状としてこのポキポキ音が挙げられるケースがあり、45歳以上の方で活動時に膝の痛みや朝のこわばりがある方は特に注意が必要です。

この記事では、膝がポキポキ鳴る原因を詳しく解説し、適切な対処法や自宅でできるストレッチ、日常生活での注意点まで、健康な膝を維持するための情報を網羅的にご紹介します。

膝がポキポキ鳴る原因3選

膝がポキポキ鳴る、という症状、多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか。椅子から腰を上げる時や、ふとした拍子に膝を屈伸させるときなど、日常生活の様々な場面で経験する、ありふれた症状です。

実は、このポキポキ音、ただの老化現象や運動不足と考えずに、きちんと原因を探ることが大切です。なぜなら、放置すると将来的に大きな問題につながる可能性があるからです。

この記事では、膝がポキポキ鳴る原因を3つのカテゴリーに分けて解説します。原因を正しく理解することで、適切な対処法を見つけ、健康な膝を維持することにつながります。

膝がポキポキ鳴るメカニズム

膝がポキポキ鳴る原因は、大きく分けて以下の3つに分類できます。

  1. 関節液の中の気泡:膝の関節の中には、関節液という滑液があります。これは関節の動きをスムーズにする潤滑油のような役割を果たしています。関節を動かすと、この関節液の圧力が変化し、小さな気泡が発生することがあります。この気泡が弾ける時に、「ポキッ」という音が鳴るのです。炭酸飲料の蓋を開けた時にプシュッと音が鳴るのと似ています。これはキャビテーションと呼ばれ、特に問題のないケースが多いです。

  2. 関節の構造的な問題:膝の関節は、骨、軟骨、靭帯、腱など、様々な組織で構成されています。これらの組織に何らかの異常があると、関節を動かす際にポキポキと音が鳴ることがあります。例えば、軟骨部分が磨耗していたり、半月板に傷みが生じていたりすると、関節の表面がデコボコになり、音が鳴りやすくなります。これは、ギシギシいうドアを無理やり開けるようなイメージです。スポーツによるケガや加齢などが原因で起こり得ます。

  3. 靭帯や腱の動き:靭帯や腱は、骨と骨をつないで関節を安定させる役割を担っています。これらの組織が骨の上を滑る時に、ポキポキと音が鳴ることがあります。これは、運動不足や筋肉のバランスが崩れている人に多く見られます。椅子に座りっぱなしのデスクワークや、同じ姿勢を長時間続ける作業などで、特定の筋肉が硬くなってしまうと、靭帯や腱の動きが制限され、音が鳴りやすくなります。

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運動不足と膝がポキポキ鳴る関係

運動不足と膝のポキポキ音には、密接な関係があります。運動不足になると、膝関節周辺の筋肉が衰え、関節を支える力が弱まります。すると、関節のバランスが崩れ、関節液の中に気泡ができやすくなってポキポキ音が鳴りやすくなるのです。また、筋肉の力が衰えると関節が硬くなり、靭帯や腱の滑らかな動きが阻害されるため、これもポキポキ音の原因となります。

例えば、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が弱くなると、膝のお皿(膝蓋骨)の位置がずれ、関節面との摩擦が増えて音が鳴りやすくなります。さらに、運動不足は変形性膝関節症のリスクも高めます。変形性膝関節症は、軟骨がすり減って骨同士がぶつかり、痛みや炎症を引き起こす病気です。

加齢による軟骨の摩耗

加齢もまた、膝がポキポキ鳴る原因の一つです。年齢を重ねると、どうしても軟骨がすり減ってきます。クッションの役割を担う軟骨が徐々に薄くなることで、骨同士が擦れ合う状態となり、関節を動かすたびにパキパキやコリコリという音が聞こえるようになります。このような症状は、膝の変形性関節症が始まっているサインかもしれません。

運動不足で起こる膝のトラブル5選

膝がポキポキ鳴る、なんとなく違和感がある…それ、もしかしたら運動不足が原因かもしれません。放っておくと、将来大きなトラブルにつながる可能性も。今回は、運動不足が原因で起こる膝のトラブルを5つご紹介し、それぞれの症状や対処法をわかりやすく解説します。

①膝の痛み

運動不足になると、膝周りの筋肉、特に太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)や後ろの筋肉(ハムストリングス)が弱くなってしまいます。椅子に座りっぱなしの生活を想像してみてください。これらの筋肉はあまり使われていませんよね。するとどうなるでしょうか?

筋肉は、膝関節を支える重要な役割を担っています。筋肉の力が衰えると、支える機能が低下し、膝関節への重みがかかりやすくなります。これが痛みの原因となるのです。

最初は、立ち上がったり、階段を上り下りする時に軽い痛みを感じる程度かもしれません。しかし、そのまま運動不足の状態が続くと、歩くだけでも痛むようになり、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。

痛みを感じ始めたら、まずは運動を控え、膝を安静にすることが重要です。痛みが強い場合は、整形外科を受診して適切な治療を受けましょう。

▼おすすめの膝サポーターについて、併せてお読みください。

②関節の違和感、こわばり

運動不足は、膝関節の周りの筋肉や靭帯を硬くしてしまいます。筋肉や靭帯は、関節をスムーズに動かすために必要不可欠な組織です。これらの組織が硬くなると、どうなるでしょうか?

関節の動きが悪くなり、「膝が重だるい」「何となく動きが悪い」といった漠然とした違和感を感じ始めます。さらに、朝起きた時に「膝が硬くて曲げづらい」といった明らかなこわばりを感じることもあります。これは、関節液の循環が悪くなっていることも原因の一つです。関節液は関節の動きを滑らかにする潤滑油のような役割を果たしていますが、運動不足になるとこの循環が悪くなり、こわばりを引き起こすのです。

このような症状は、特に運動不足の人に多く見られます。日頃から意識的に体を動かす習慣をつけることが大切です。

③関節の可動域制限

関節の違和感やこわばりが進むと、関節の可動域、つまり膝を曲げ伸ばしできる範囲が狭くなります。最初は正座がしづらくなるなど、特定の動作で制限を感じる程度かもしれません。しかし、悪化すると歩く、しゃがむといった日常の動作にも支障が出てきます。

これは、関節の軟骨がすり減り、骨の表面がデコボコになることが原因の一つです。なめらかに動いていた関節が、古い扉のように固くぎこちなくなってしまいます。さらに、関節周囲の筋肉や靭帯が硬くなることで、関節の動きが制限されることも原因として挙げられます。

関節の可動域制限も、運動不足が大きな原因の一つです。適切な運動を継続することで、関節の柔軟性を維持し、可動域制限を予防することができます。

④筋力低下、バランス能力の低下

運動不足は、膝関節を支える筋肉、特に大腿四頭筋やハムストリングスの筋力低下を招きます。これらは、膝の安定性を確保する上で、極めて大切な役割を持っています。筋肉が弱くなると、膝関節が不安定になり、バランス能力も低下します。

その結果、つまずきやすくなったり、転倒のリスクが高まったりします。高齢者の場合、転倒は骨折などの大きな怪我につながる可能性があるため、特に注意が必要です。

⑤変形性膝関節症のリスク増加

運動習慣の不足により膝の周りの筋力が低下すると、軟骨にかかる圧力が増し、磨耗が加速します。また、運動不足による体重増加も加わることで、膝関節への負荷がさらに大きくなっていき、変形性膝関節症のリスクを高めます。ある研究では、膝のポキポキ音がいつも鳴る人は、全く音がしない人に比べて変形性膝関節症の発症リスクが3倍高いというデータもあります。

運動不足が続くと、膝の違和感や痛み、こわばり、可動域制限といった様々なトラブルを引き起こす可能性があります。これらのトラブルは、日常生活の質を低下させるだけでなく、将来的に変形性膝関節症などの深刻な病気を引き起こすリスクも高めます。日頃から適度な運動を心がけ、健康な膝を維持しましょう。

膝がポキポキ鳴る時の対処法3選

膝がポキポキ鳴ると、不安になりますよね。もしかしたら病気のサイン?放っておいて大丈夫?と心配になる方もいるでしょう。この記事では、膝がポキポキ鳴る時の対処法を4つご紹介します。安心できる情報をお届けしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

具体的な治療方法(運動療法、薬物療法、手術)

膝のポキポキ鳴る原因や症状によって、適切な治療方法は異なります。主な治療法は以下の3つです。

  1. 運動療法:膝周りの筋肉を鍛えることで、関節を安定させ、痛みを軽減します。ストレッチで関節の柔軟性を高めることも効果的です。例えば、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることで、膝のお皿(膝蓋骨)の動きを安定させ、ポキポキ音を軽減することができます。

ストレッチ 

  1. 薬物療法:痛みや炎症を抑える薬を服用します。痛み止めやヒアルロン酸注射などがあります。ヒアルロン酸は、関節液の主成分であり、関節の動きを滑らかにする役割を果たしています。

保存療法

  1. 手術人工関節置換術など、重症の場合にのみ行われます。変形性膝関節症が進行し、日常生活に支障が出るほど痛みが強い場合に検討されます。人工関節置換術は、損傷した関節を人工関節に入れ替える手術です。手術により痛みを軽減し、関節の機能を回復させることができます。

保存的治療(運動療法や薬物療法)で効果がない場合や、半月板の異常などの明確な疾患が背景にある状況では、手術が必要となることもあります。半月板は、膝関節にあるC型の軟骨で、クッションの役割を果たしています。半月板が損傷すると、膝の痛みや引っかかり、ポキポキ音などの症状が現れます。

▼半月板損傷の原因や治療について、併せてお読みください。

家庭でできるストレッチ、運動

家庭でできるストレッチや運動をご紹介します。

  • 膝下ストレッチ:椅子に座り、両足を床につけた状態で行います。膝から下の骨を内側にねじるように動かします。左右10回ずつ繰り返します。ふくらはぎの筋肉を伸ばし、膝関節の柔軟性を高める効果があります。
  • 膝曲げ伸ばし運動:椅子に座り、片方の足をまっすぐ伸ばします。伸ばした足をゆっくりと曲げ、また伸ばします。左右10回ずつ繰り返します。大腿四頭筋を強化し、膝の安定性を向上させる効果が、膝関節の安定性を高める効果があります。
  • フロッグ:仰向けに寝て、両膝を曲げ、足の裏を合わせます。かかとをお尻に近づけ、両膝を床に近づけるようにします。10秒間キープし、5回繰り返します。内ももの筋肉を伸ばし、股関節の柔軟性を高める効果があります。
  • ランジ:足を前後に開き、両膝を90度に曲げます。前の膝がつま先より前に出ないように注意します。10秒間キープし、左右5回ずつ繰り返します。太ももの筋肉を鍛え、バランス能力を高める効果があります。

これらの運動は、膝周りの筋肉を強化し、関節の柔軟性を高める効果があります。毎日続けることで、膝のポキポキ音を軽減し、膝の健康を維持することができます。

日常生活での注意点

日常生活で気を付けるべきことをご紹介します。

  • 体重管理:適正体重を維持することで膝への負担を軽減します。肥満は膝関節への負担を増大させ、変形性膝関節症のリスクを高めるため、注意が必要です。
  • 適切な運動:ウォーキングや水泳など、膝への負担が少ない運動を選びましょう。激しい運動は、膝関節に大きな負担をかけるため、避けるべきです。
  • ストレッチ:毎日、入浴後などにストレッチを行いましょう。ストレッチは、筋肉の柔軟性を高め、関節の動きをスムーズにする効果があります。
  • 靴の選び方:低いヒールで、クッション性のある靴を選びましょう。高いヒールやクッション性のない靴は、膝関節への負担を増大させるため、避けるべきです。
  • 長時間同じ姿勢を避ける:デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽い運動をしましょう。同じ姿勢を長時間続けると、筋肉が硬くなり、関節の動きが悪くなるため、注意が必要です。

膝のポキポキ音は、必ずしも病気のサインではありませんが、放置すると将来的に大きな問題につながる可能性もあります。日頃から膝のケアを心がけ、健康な膝を維持しましょう。

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参考文献

  1. Lavie CJ, Ozemek C, Carbone S, Katzmarzyk PT, Blair SN. “Sedentary Behavior, Exercise, and Cardiovascular Health.” Circulation research 124, no. 5 (2019): 799-815.
  2. Duong V, Oo WM, Ding C, Culvenor AG, Hunter DJ. “Evaluation and Treatment of Knee Pain: A Review.” JAMA 330, no. 16 (2023): 1568-1580.

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

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