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半月板断裂と損傷の違いとは?痛みの特徴や原因・治療法を解説【医師監修】
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「半月板断裂と半月板損傷は何が違うの?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
結論からいえば、2つに明確な違いはないものの、痛み方の特徴や程度によって「損傷」「断裂」と呼び分けている場合があります。
この記事では、半月板断裂と損傷の違いについて、具体的な症状や治療法、リハビリ方法などを医師監修のもと解説します。
適切な対処で膝の健康状態を維持したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
また、当院「リペアセルクリニック」では半月板損傷に対する再生医療・幹細胞治療を行っております。
膝の痛みでお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
目次
半月板断裂と損傷の違い
膝の半月板に起きる様々な障害を総称して半月板損傷と呼ぶこともありますが、症状の特徴や痛みの程度によって「半月板損傷」「半月板断裂」と呼び分けるケースもあります。
いずれも主な原因は、加齢による半月板の変性や柔軟性の低下、スポーツなどによる過度な負荷です。
本章を参考に、半月板断裂・損傷に違いがあるのかを知っておきましょう。
半月板損傷(断裂)の症状
半月板損傷(断裂)の症状は、いずれも膝への強い痛みや違和感が特徴です。
原因に大きな差はないものの、損傷の程度によって現れる症状が異なる場合があります。
具体的には以下のような症状があげられます。
診断名 |
症状の特徴・痛み |
---|---|
半月板断裂 |
激しい痛み、関節のロック感 |
半月板損傷 |
鈍い痛み、違和感 |
半月板断裂は、強い痛みとともに関節が動かなくなる「ロッキング」が特徴的です。とくに、膝をひねる動作をした際に「バキッ」とした音が鳴ることがあり、その後急激な痛みと腫れを伴います。
一方、断裂まで及ばない半月板損傷では「鈍い痛み」や「違和感」が続く場合が多いです。
初期は動作時に軽い違和感がある程度でも、放置すると損傷が進行するため注意が必要です。軽度のうちは保存療法で回復が見込まれるものの、長期間改善しない場合は手術を検討します。
半月板損傷の痛みや原因については、こちらの記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。
半月板損傷(断裂)の原因は「膝への大きな負荷・衝撃」や「加齢」
半月板損傷・断裂はいずれも以下のような原因で起こります。
- スポーツや急な動作による膝への負荷
- 交通事故・転倒などによる膝への急な衝撃
- 加齢による膝の組織の劣化
半月板損傷や断裂は、サッカーやバスケットボールなど、膝をひねる動作が多い競技でとくに多いけがです。ジャンプの着地や急停止、方向転換を繰り返すと、膝に強いストレスがかかり、半月板がダメージを受けるリスクが高まります。
さらに、交通事故や転倒時など、膝に突然大きな衝撃を受けると、半月板断裂・損傷を起こすこともあるでしょう。
また、年齢とともに半月板の弾力は失われていきます。膝の曲げ伸ばしを繰り返すなど、日常の動作による負荷だけで損傷が起こるケースも少なくありません。
スポーツ前は念入りな準備運動やストレッチを行う、普段から適度な運動で膝周りの筋肉を鍛えるなどを心がけましょう。
半月板損傷の5つの症状(タイプ)とは
半月板損傷は、損傷の形状や部位によって複数のタイプに分類されます。代表的な損傷タイプは以下の5つです。
損傷タイプ |
特徴 |
症状 |
---|---|---|
縦断裂 |
縦方向に裂け目が入る |
引っかかり感や痛み。膝をひねると悪化する |
横断裂 |
横方向に裂ける |
鈍い痛みや腫れ。膝の不安定感が出る |
円盤状断裂 |
円盤状の半月板に裂け目ができる |
コツコツ音や引っかかり感が特徴 |
フラップ状断裂 |
裂けた部分が剥がれ、フラップ状になる |
膝のロック感や激しい痛み |
水平断裂 |
上下に分断されるように裂ける |
鈍い痛みが膝全体に広がり炎症が悪化する |
症状を放置すると、進行して治療が困難になる場合がありますので、早期に医師の診断を受けましょう。
半月板断裂と損傷の治療方法の違い
半月板断裂の治療法は、損傷の程度や部位、患者の年齢・活動量などに応じて変わります。
大きく分けて、手術療法と保存療法があります。
半月板断裂の治療方法
半月板断裂の治療方法は、断裂の範囲や症状の重さによって異なります。
軽度の場合は保存療法で回復が見込めますが、重度の場合は手術が必要となるケースもあります。
完全断裂は手術が推奨される場合が多い
半月板が完全に裂けてしまうと、自然治癒は期待できません。関節内に断裂した部分が挟まり、膝が動かしにくくなることもあります。
このような場合、推奨されるのは「縫合術」や「部分切除術」などの手術療法です。
縫合術は、半月板を修復する手術で、若年層やスポーツを続けたい方に適しています。一方、部分切除術は損傷部分を切除し、膝の動きをスムーズにする方法です。
いずれも、術後には筋力を回復させるためのリハビリが必要です。
部分断裂はリハビリや装具での保存療法も選択肢
部分的な断裂において、症状が軽度でロッキングが無く、手術を望まれない場合は保存療法が選択肢となります。
膝に負担をかけないように安静にし、サポーターや装具を使用して膝の安定性を保つのが目的です。
また、炎症を抑えるために、アイシングや消炎鎮痛剤が処方される場合もあります。
リハビリでは、大腿四頭筋など膝を支える筋肉を鍛えるトレーニングを行い、膝の負担を軽減します。
以下の記事では、半月板損傷を早く治す方法や効果的なリハビリについて現役医師が解説していますので、ぜひ参考にしてください。
半月板損傷の治療方法
半月板損傷の場合、基本的には保存療法で改善が期待できます。
しかし、損傷の程度や部位、患者の年齢や活動量などによって異なり、症状によっては手術が必要なケースもあります。
軽度損傷はリハビリと安静が基本
半月板損傷が軽度の場合、リハビリテーションと安静が基本的な治療法です。
リハビリテーションでは、膝周りの筋肉を強化したり、関節の可動域を広げたりします。
また、炎症や痛みを抑えるために、薬物療法や注射療法が行われる場合もあります。
重症化すると断裂と同様の手術が必要になる場合も
半月板損傷が進行し、膝の機能に支障をきたす場合は手術を検討します。
痛みが長期間続き、日常生活に影響を及ぼす場合は、縫合術や部分切除術が選択されるケースもあります。
とくに、高齢者の半月板損傷は変形性膝関節症へ進行する可能性があるため、症状の悪化を防ぐための早期治療が重要です。
半月板損傷の治療法や術後のリスクについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
まとめ|半月板断裂と損傷の違いを理解して適切に治療を行おう
半月板断裂と損傷に明確な違いはないものの、症状の特徴や痛みの程度が異なる場合があります。どちらもスポーツや外傷、加齢による柔軟性の低下などが原因です。
膝に痛みや違和感がある場合は、自己判断せず専門医を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
また、当院「リペアセルクリニック」では半月板損傷の治療も行っております。
気になる症状がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
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半月板断裂と損傷の違いに関するよくある質問
靭帯断裂と半月板損傷の違いは何ですか?
靭帯断裂は、膝を安定させる靭帯が完全または部分的に切れる状態を指します。
一方、半月板損傷は、膝のクッションとしての役割を果たす軟骨の損傷を意味します。
靭帯断裂は、膝のグラつきや激しい痛みを伴うことが多く、スポーツによる外傷が主な原因です。
一方、半月板損傷は、違和感や鈍い痛みが特徴で、加齢や慢性的な膝への負担によるものが多くあります。
どちらも早期の診断と治療が重要になります。
半月板損傷は手術しないほうがいいですか?
半月板損傷の治療法は、損傷の程度や症状によって異なります。
軽度であれば、保存療法にて改善が見込めることが多いです。
しかし、症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたす場合は、手術が必要となる場合もあります。
手術が必要かどうかは、専門医が患者の状態を総合的に判断して決定します。
半月板損傷の手術に関するメリット・デメリットは以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
また、当院「リペアセルクリニック」では手術をしない治療法として再生医療を提案しております。
膝の痛みや手術で不安な方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
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監修者
![坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)](https://fuelcells.org/img/topics/sv01.jpg)
坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)
Sadanori Sakamoto
再生医療抗加齢学会 理事
再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。
「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。