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坐骨神経痛に効くツボは?押すポイントや注意点を解説

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公開日: 2025.02.28

坐骨神経痛の症状にツボやお灸は効果があるのかを知りたい

ツボやお灸が坐骨神経痛に効果的なら試してみたい

本記事では、以下について解説します。

  • 坐骨神経痛にツボが有効な理由
  • ツボ押しで改善が期待できる坐骨神経痛の主な症状
  • 坐骨神経痛に効果的なツボ
  • 坐骨神経痛におけるツボ押しのポイントと注意点

坐骨神経痛を和らげるためにツボ押しを行いたいと考えている方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

坐骨神経痛にツボが有効な理由

ツボ押しには、以下のような効果があります。

  • 血行を促進させる
  • 筋肉の緊張を和らげる
  • 自然治癒力を向上させる
  • 神経の反応を調整する

坐骨神経痛におけるツボ押しと関連するものが、鍼治療です。

鍼治療は、皮膚や関節、筋肉にある神経を刺激する効果や、血流を改善する効果により回復を助けます。(文献1)

また、鍼による刺激で、痛みを和らげる効果があるエンドルフィンという神経伝達物質が出されます。

2002年に、WHO(世界保健機関)の「Consuitation onof Acupuncture」は225件の臨床試験レビューを発表しました。

その中で、鍼灸は28の疾患に有効、63の疾患に有益であると結論付けており、坐骨神経痛も28の有効疾患に含まれます。(文献2)

ツボ押しで改善が期待できる坐骨神経痛の主な症状

前章で、坐骨神経痛にツボが効果的である理由を紹介しました。

坐骨神経痛の症状のうち、ツボ押しの改善が期待できるものは以下の2つです。

  • 下肢の痛みやしびれ
  • 間欠性跛行(かんけつせいはこう)

それぞれの症状について、詳しく解説していきます。

下肢の痛みやしびれ

坐骨神経痛の主な症状としてあげられるのが、下肢(腰から下の部分)の痛みやしびれです。

腰から足にかけて伸びている坐骨神経が、さまざまな原因で圧迫や刺激を受けるために、痛みやしびれが生じます。(文献3)

原因になる疾患は主に以下のとおりです。

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 腰椎すべり症

チクチクするような痛みやビンと走るような痛みのほか、ビリビリとしたしびれもあります。(文献4)

間欠性跛行

間欠性跛行とは、坐骨神経痛の原因の1つ、腰部脊柱管狭窄症による症状です。

腰部脊柱管狭窄症とは、腰椎(腰部の背骨)が加齢とともに変形して、神経の通り道である脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される状態です。(文献5)

安静時は痛みがなく、歩き始めると腰痛やしびれといった症状が出て、休むと症状が和らぎます。

間欠性跛行は、神経の圧迫状況により「馬尾型」と「神経根型」にわかれます。馬尾型は、両下肢や陰部のしびれ、感覚異常などが出てくるタイプです。これに対し神経根型は、片側の下肢に痛みやしびれが生じます。

坐骨神経痛に効果的なツボ

坐骨神経痛に効果的なツボがあるのは、主に以下の3か所です。

  • 臀部(お尻)
  • 手部
  • 下肢(膝)

部位別に詳しく解説していきます。

臀部(お尻)のツボ

坐骨神経痛に関係する臀部(お尻)のツボは、主に以下の2つです。

  • 環跳(かんちょう)
  • 承扶(しょうふ)

環跳(かんちょう)

環跳(かんちょう)は、お尻のやや外側にあるツボになります。横向きに寝て、股関節を曲げると、えくぼが出来る部分です。

環跳のツボは、おしりの痛みやしびれ、腰痛に効果があり、身体の中心に向かって押すことで、坐骨神経痛による痛みやしびれの緩和が期待できます。

承扶(しょうふ)

承扶(しょうふ)は、「気を付け」の姿勢でまっすぐ立ったときにできる、おしりの下の横じわ中央部分です。承扶のツボは、坐骨神経痛が骨盤の内側から外側に出てくる通過点でもあります。

そのため、承扶のツボを刺激することにより、痛みを和らげたり、おしりや股関節の動きを助けたりする効果が期待できます。

手部のツボ

坐骨神経痛に関係する手のツボは、主に以下の2つです。

  • 腰腿点(ようたいてん)
  • 合谷(ごうこく)

腰腿点(ようたいてん)

腰腿点(ようたいてん)は、手の甲にある、人差し指と中指の間、および薬指と小指の間のツボです。坐骨神経痛による慢性的な腰痛に加えて、ぎっくり腰のような急性の腰痛にも効果があるとされています。

手の甲にあるため、人目を気にせず、いつでも気軽に押せるツボです。

合谷(ごうこく)

合谷(ごうこく)は手の甲に位置するツボで、親指と人差し指の付け根・親指にぶつかる部分です。万能のツボとも呼ばれ、坐骨神経痛の他にもさまざまな痛みに効果があるとされています。緊張した筋肉を和らげるはたらきもあるため、腰痛や肩こりにも効果的といわれています。

さまざまな症状に有効とされるため、ツボの初心者向きといえるでしょう。

下肢(膝)のツボ

坐骨神経痛に関係する下肢(膝)のツボは、主に以下の2つです。

  • 委中(いちゅう)
  • 陽陵泉(ようりょうせん)

委中(いちゅう)

委中(いちゅう)は、膝の裏・中央部にあるツボです。ふくらはぎのしびれや痛み、腰痛などに効果があるとされています。坐骨神経痛の方は、この部分に張りや硬さがあり、押すと強く痛むといわれています。

膝裏のツボであるため、立った姿勢よりも座った姿勢の方が押しやすいでしょう。

陽陵泉(ようりょうせん)

陽陵泉(ようりょうせん)は、膝の外側にある大きな骨の下にあるツボです。坐骨神経の一部である、総腓骨神経が通っている部分でもあります。ここを押すことで、しびれや痛みといった症状の緩和が期待できるでしょう。

足首の痛みや足のだるさ、むくみにも効果があるツボといわれています。

坐骨神経痛におけるツボ押しのポイント

坐骨神経痛におけるツボ押しのポイントは、主に以下の4つです。

  • リラックスした状態で行う
  • 指の腹を使ってツボを押す
  • 日用品を利用する
  • 呼吸を意識する

リラックスした状態で行う

ツボ押しの前には深呼吸や軽いストレッチなどで、心身ともにリラックスさせておきましょう。押す位置の周辺をストレッチで軽くほぐしておくと、指が入りやすく、刺激も伝わりやすくなります。

指の腹を使ってツボを押す

指の腹を使って、「痛いけれど気持ちが良い」程度の強さでツボを押します。

ツボ押しの前には、以下のような準備をしておくと良いでしょう。

  • 爪を切る
  • 手をあたためておく
  • クリームやオイルで皮膚の滑りを良くする

爪が伸びていると、皮膚を傷つける恐れがあるため、事前に切っておきましょう。手をあたためるとリラックスできるため、ツボ押しの効果が高まります。また、皮膚の滑りを良くすると、力を入れずにツボを押せます。

日用品を利用する

指の腹を使ってのツボ押しが疲れてきた場合は、日用品を活用する方法もおすすめです。

主な例は以下のとおりです。

  • テニスボールやゴルフボールをツボの周囲で転がして刺激する
  • ツボ押し棒や束ねたつまようじなどでツボ押しをする
  • ドライヤーやホットタオルでツボやその周辺を温める

市販されているお灸を使ってツボを温める方法もあります。お灸を使うときの注意点は、火を消し忘れないこと、熱さを我慢しないことなどです。

火事や、やけどが心配な方は、火を使わないお灸を試してみましょう。

呼吸を意識する

息を吐くときにツボを押して、息を吸うときにツボから指を離すというように、呼吸を意識しながら行いましょう。

ツボを押すときに息を吐くことで、副交感神経が優位になってリラックスできるため、適度な刺激が入りやすくなります。(文献6)

1回6秒程度で押すと良いでしょう。2秒間かけてツボを押し、2秒間維持する、その後2秒かけて指を離す流れです。

坐骨神経痛におけるツボ押しの注意点

坐骨神経痛におけるツボ押しの注意点は、主に以下の5つです。

  • 食後1時間以内および飲酒後は避ける
  • 痛みを感じるほどの強い刺激は避ける
  • 出血している部位は避ける
  • 妊娠中の方は医師に相談する
  • 基礎疾患のある方は医師に相談する

食後1時間以内および飲酒後は避ける

食後1時間以内は消化吸収のために、血液が胃腸に集中している状態です。この時間帯にツボを刺激すると、胃腸の血流より、刺激された部分の血流が良くなってしまい、消化吸収に支障をきたす可能性があります。

飲酒後は、アルコールが分解されたことによる有害物質「アセトアルデヒド」が体の中をめぐっている状態です。(文献7)

ツボ刺激やマッサージなどにより血流が良くなっている状況で、有害物質が体の中をめぐると、酔いが回りやすくなります。

これらの理由から、食後1時間以内および飲酒後は、ツボ押しを避けた方が良いでしょう。

痛みを感じるほどの強い刺激は避ける

痛みを感じるほど強く刺激すると、筋肉が緊張したり、筋繊維が破壊されたりします。いわゆる、もみ返しの状態です。また、刺激を受けた部分が炎症を起こして、症状が悪化する可能性もあります。

高齢者の場合は骨折する恐れも恐れもあるため、強い刺激は避けましょう。

出血している部位は避ける

鍼の基礎教育と安全性に関するガイドラインには、「鍼治療は出血性もしくは凝血性の疾患、または抗凝血治療中か抗凝血剤使用中の患者には用いるべきではない」と記載されています。(文献8)

出血している部分に、鍼治療を含めたツボ療法を実施すると、血流促進により止血が妨げられてしまいます。出血部位に触れることで細菌に触れる可能性が高く、感染リスクを高めるため、直接触れないようにしましょう。

妊娠中の方は医師に相談する

鍼の基礎教育と安全性に関するガイドラインでは、妊娠中の鍼治療について以下のように述べています。

「鍼刺激は陣痛を誘発する可能性があるので、妊婦には用いるべきではない。他の目的で治療がどうしても必要なときには十分な注意が必要である」(文献8)

引用:鍼の基礎教育と安全性に関するガイドライン

とくに妊娠初期は鍼治療を含めたツボ療法により、流産の可能性もあります。妊娠初期に刺激してはいけないツボもあります。

ツボ押しや鍼治療を希望される妊婦の方は、担当の産婦人科医師へ事前に相談しましょう。

基礎疾患のある方は医師に相談する

坐骨神経痛の原因として主にあげられるのは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などです。しかし、帯状疱疹ウイルス感染や癌などの内科的な基礎疾患が原因の座骨神経痛もあります。

鍼の基礎教育と安全性に関するガイドラインにおいて「鍼治療は悪性腫瘍に用いられるべきではない」とされています。(文献8)

坐骨神経痛に加えて内科的な基礎疾患がある方は、ツボ押しや鍼治療の前に主治医に相談しましょう。

まとめ|坐骨神経痛のときはツボと病院での治療を並行しよう

坐骨神経痛の痛みやしびれ症状には、鍼治療やツボ押しが有効な場合もあります。WHO(世界保健機関)においても、鍼灸は坐骨神経痛に有効であると示されました。

本記事でも坐骨神経痛に効果的とされるツボを紹介しましたが、ツボ押しの際はさまざまな注意点もあります。食後1時間以内は避ける、強い刺激は避けるといった、ポイントを押さえながら実施しましょう。

妊娠中の方や基礎疾患がある方は、担当医へ事前に相談してください。

坐骨神経痛の根本的な改善のためには、医療機関での治療も必要です。

当院「リペアセルクリニック」においても、坐骨神経痛治療を行っています。

メール相談オンラインカウンセリングにてお気軽にお問い合わせください。

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坐骨神経痛とツボに関するよくある質問

ここでは、坐骨神経痛とツボに関するよくある質問を2つ紹介します。

ツボ押しはいつ行うのが効果的ですか?

入浴後や就寝前など、リラックスしている時間帯が効果的です。とくに入浴後は体も温まっているため血行も良く、筋肉も柔らかくなっているため、おすすめの時間帯といえます。

坐骨神経痛はツボで治りますか?

坐骨神経痛の痛みやしびれは、ツボで緩和されることもあります。

しかし、強く痛むときや排尿・排便の障害があるときなどは、整形外科を中心とした医療機関での検査や治療が必要です。ツボだけで治らないときには、必ず医療機関を受診しましょう。

また、当院「リペアセルクリニック」では、外科系の疾患に対して再生医療を提供しております。

メールオンラインカウンセリングによる相談も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

参考文献

(文献1)
HARLEY STREET SPECIALIST HOSPITAL「Acupuncture For Sciatica: Does It Really Work?」 HARLEY STREET SPECIALIST HOSPITAL, 2024年2月13日
(最終アクセス:2025年2月17日)

(文献2)
国立がん研究センター「鍼灸治療セミナー資料」 国立がん研究センター, 2024年7月21日
(最終アクセス:2025年2月17日)  

(文献3)
痛みの情報サイト 疼痛.jp「坐骨神経痛」痛みの疾患ナビ
(最終アクセス:2025年2月17日)

(文献4)
坐骨神経痛- 08.骨、関節、筋肉の病気 MSDマニュアル 家庭版
(最終アクセス:2025年2月17日)

(文献5)
聖路加国際病院 整形外科|腰部脊柱管狭窄症の診断と治療
(最終アクセス:2025年2月17日)

(文献6)
学校法人大麻学園四国医療専門学校「正しいツボの押し方」 癒しのツボ, 2011年8月
(最終アクセス:2025年2月17日)

(文献7)
公益社団法人 アルコール健康医学協会「健康飲酒の基礎知識」 お酒と健康
(最終アクセス:2025年2月17日)

(文献8)
世界保健機関 (訳:川喜田健司ほか)鍼治療の基礎教育と安全性に関するガイドライン 『全日本鍼灸学会雑誌』50(3), pp.103(505)-123(525), 2020年
(最終アクセス:2025年2月17日)

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

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