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坐骨神経痛に効く8つのツボ|押すコツや注意点を解説

坐骨神経痛によるお尻や足の痛み・しびれに悩む方の中には、病院での治療とあわせて自宅でできるケアを求める方も多いでしょう。ツボ押しは血行を促し、筋肉の緊張を和らげることで症状緩和を助ける可能性があります。
この記事では、坐骨神経痛の症状緩和に役立つ8つのツボを部位別に紹介し、効果を高める押し方や注意すべき点もあわせて説明します。正しい知識をもとに、自宅でできるケアを実践してみましょう。
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目次
坐骨神経痛に効果的な8つのツボ|押し方も紹介
坐骨神経痛に効果的なツボがあるのは、主に以下の3か所です。
部位別に詳しく解説していきます。
臀部(お尻)のツボ
坐骨神経痛に関係する臀部(お尻)のツボは、主に以下の2つです。
環跳(かんちょう)|おしりの痛み・しびれ・腰痛
環跳(かんちょう)は、お尻のやや外側にあるツボになります。横向きに寝て、股関節を曲げると、えくぼができる部分です。
環跳のツボは、おしりの痛みやしびれ、腰痛に効果があり、身体の中心に向かって押すことで、坐骨神経痛による痛みやしびれの緩和が期待できます。
押す際は親指または中指の腹で、気持ち良いと感じる強さを目安に3秒押しを数回行います。中指でやや強めに20回程度押す方法もあり、入浴後や就寝前など体が温まっているときに行うと効果的です。
承扶(しょうふ)|腰痛・おしりや股関節の動き
承扶(しょうふ)は、「気を付け」の姿勢でまっすぐ立ったときにできる、おしりの下の横じわ中央部分です。承扶のツボは、坐骨神経痛が骨盤の内側から外側に出てくる通過するポイントでもあるのが特徴です。
そのため、承扶のツボを刺激することにより、痛みを和らげたり、おしりや股関節の動きを助けたりする効果が期待できます。
押し方の一例としては、うつ伏せになり両膝を軽く曲げ、両手の中指を重ねてツボに当てます。心地良いと感じる強さで5秒間押し、これを5回ほど繰り返す方法が効果的です。また、左右同時にお尻を持ち上げるようなイメージで押すと、より筋肉の奥に刺激が届きやすくなります。
手部のツボ
坐骨神経痛に関係する手のツボは、主に以下の2つです。
腰腿点(ようたいてん)|慢性・急性の腰痛の両方
腰腿点(ようたいてん)は、手の甲にある、人差し指と中指の間、および薬指と小指の間のツボです。それぞれ2本の指の骨がわかれている部分に位置し、反対の手の指先で骨の間を手首に向かってゆっくりなぞると、指がひっかかって止まるポイントが見つかります。
坐骨神経痛による慢性的な腰痛に加えて、ぎっくり腰のような急性の腰痛にも効果があるとされています。
手の甲にあるため、人目を気にせず、いつでも気軽に押せるツボです。押す際は、反対の手の親指と人差し指でツボをはさみ、気持ち良いと感じる程度の強さで約1分間押すのがおすすめです。これにより、腰や足の痛み・しびれの緩和に役立つと考えられています。
合谷(ごうこく)|腰痛・肩こりなど幅広い痛み
合谷(ごうこく)は手の甲に位置するツボで、親指と人差し指の付け根・親指にぶつかる部分です。万能のツボとも呼ばれ、坐骨神経痛の他にもさまざまな痛みに効果があるとされています。緊張した筋肉を和らげるはたらきもあるため、腰痛や肩こりにも効果的といわれています。
押すときは、反対の手の親指でツボを押し、気持ち良さを感じる強さで3~5秒間押すのが効果的です。これを5~10回繰り返すことで、痛みの緩和やリラックス効果が期待できます。
さまざまな症状に有効とされるため、ツボの初心者向きといえるでしょう。
下肢(膝)のツボ
坐骨神経痛に関係する下肢(膝)のツボは、主に以下の2つです。
委中(いちゅう)|ふくらはぎのしびれ・痛み・腰痛
委中(いちゅう)は、膝の裏・中央部にあるツボです。ふくらはぎのしびれや痛み、腰痛などに効果があるとされています。坐骨神経痛の方は、この部分に張りや硬さがあり、押すと強く痛むといわれています。
委中は、血液循環を促進する効果も期待できるため、血行不良が原因の痛みやしびれを和らげるのに適切です。
座った状態で膝を軽く曲げ、両手の親指を重ねてツボに当て、気持ち良さを感じる程度の強さでゆっくり7回押しましょう。これを3セット繰り返すのがおすすめです。
陽陵泉(ようりょうせん)|腰痛・しびれ・足首のだるさ・むくみ
陽陵泉(ようりょうせん)は、膝の外側にある大きな骨の下にあるツボです。坐骨神経の一部である、総腓骨神経が通っている部分でもあります。ここを押すことで、しびれや痛みといった症状の緩和が期待できるでしょう。
足首の痛みや足のだるさ、むくみにも効果があるツボといわれています。陽陵泉は、椅子に座るか床に座って足を伸ばした状態で、親指の腹を使い気持ち良さを感じる強さで3〜5秒間押し、5〜10回繰り返すと効果的です。
殷門(いんもん)|下肢(膝から下)の痛み・しびれ
殷門(いんもん)は、太もも裏側の中央寄りに位置するツボで、膝の裏のしわからお尻の下端までを5等分した際、膝から数えて2つ目の部分にあたります。この場所は坐骨神経の通る経路上にあり、押すと張りや痛みを感じやすいのが特徴です。
殷門を刺激することで、坐骨神経痛による膝から下の痛みやしびれを和らげ、膝関節の痛みや腫れの軽減、下肢の血行促進も期待できます。
押し方は、仰向けかうつ伏せで膝を軽く曲げた状態で指の腹を使い、痛気持ち良い強さで1~2分間じっくり押します。円を描くように優しく刺激するとより効果的です。
金門(きんもん)|足首~足裏の痛み・しびれ
金門(きんもん)は、外くるぶしの後ろ上方、アキレス腱の外側に位置するツボです。足首の高さから指2本分ほど上がったくぼみで、足首を内側に曲げると見つけやすいでしょう。
金門は足首から足裏にかけての痛みやしびれの緩和に効果的で、坐骨神経痛による不快症状を和らげるほか、足首の柔軟性向上やむくみ、足のだるさの解消にも役立ちます。
押し方は座った状態で反対側の足を太ももに乗せ、親指で金門を見つけたら円を描くように優しく1〜2分間押します。痛気持ち良い程度の力加減で、両足を順番に刺激すると良いでしょう。就寝前に行うとリラックス効果も期待できます。
坐骨神経痛にツボが有効な理由
ツボ押しが坐骨神経痛の改善に役立つのは、以下のような体の働きにアプローチできるためです。
- 血行を促進させる
- 筋肉の緊張を和らげる
- 自然治癒力を向上させる
- 神経の反応を調整する
このようにツボ押しは、血流や神経、筋肉に働きかけることで坐骨神経痛の症状をやわらげると考えられています。
坐骨神経痛の症状のうち、ツボ押しでとくに改善が期待できるのは「下肢の痛みやしびれ」と「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」です。
下肢の痛みやしびれは、腰から足にかけて伸びる坐骨神経が圧迫や刺激を受けることで生じます。間欠性跛行は、腰部脊柱管狭窄症が原因で歩行時に腰痛やしびれが出て休むと和らぐ症状で、神経の圧迫部位により「馬尾型」と「神経根型」に分類されます。
これらの症状に対してツボ押しは有効なアプローチとされています。
さらに、ツボへの刺激をより深く行う方法として知られているのが鍼治療です。
鍼治療は、皮膚や関節、筋肉にある神経を刺激する効果や、血流を改善する効果により回復を助けます。(文献1)
また、鍼による刺激で、痛みを和らげる効果があるエンドルフィンという神経伝達物質が出されます。
2002年に、WHO(世界保健機関)の「Consultation on Acupuncture」は225件の臨床試験レビューを発表しました。
その中で、鍼灸は28の疾患に有効、63の疾患に有益であると結論付けており、坐骨神経痛も28の有効疾患に含まれます。(文献2)
坐骨神経痛におけるツボ押しの効果を高める4つのコツ
坐骨神経痛におけるツボ押しのポイントは、主に以下の4つです。
リラックスした状態で行う
ツボ押しの前には深呼吸や軽いストレッチなどで、心身ともにリラックスさせておきましょう。押す位置の周辺をストレッチで軽くほぐしておくと、指が入りやすく、刺激も伝わりやすくなります。
指の腹を使ってツボを押す
指の腹を使って、「痛いけれど気持ちが良い」程度の強さでツボを押します。
ツボ押しの前には、以下のような準備をしておくと良いでしょう。
- 爪を切る
- 手をあたためておく
- クリームやオイルで皮膚の滑りを良くする
爪が伸びていると、皮膚を傷つける恐れがあるため、事前に切っておきましょう。手をあたためるとリラックスできるため、ツボ押しの効果が高まります。また、皮膚の滑りを良くすると、力を入れずにツボを押せます。
日用品を利用する
指の腹を使ってのツボ押しが疲れてきた場合は、日用品を活用する方法もおすすめです。
主な例は以下のとおりです。
- テニスボールやゴルフボールをツボの周囲で転がして刺激する
- ツボ押し棒や束ねたつまようじなどでツボ押しをする
- ドライヤーやホットタオルでツボやその周辺を温める
市販されているお灸を使ってツボを温める方法もあります。お灸を使うときの注意点は、火を消し忘れないこと、熱さを我慢しないことなどです。
火事や、やけどが心配な方は、火を使わないお灸を試してみましょう。
呼吸を意識する
息を吐くときにツボを押して、息を吸うときにツボから指を離すというように、呼吸を意識しながら行いましょう。
ツボを押すときに息を吐くことで、副交感神経が優位になってリラックスできるため、適度な刺激が入りやすくなります。(文献3)
1回6秒程度で押すと良いでしょう。2秒間かけてツボを押し、2秒間維持する、その後2秒かけて指を離す流れです。
坐骨神経痛におけるツボ押しの注意点
坐骨神経痛におけるツボ押しの注意点は、主に以下の5つです。
食後1時間以内および飲酒後は避ける
食後1時間以内は消化吸収のために、血液が胃腸に集中している状態です。この時間帯にツボを刺激すると、胃腸の血流より、刺激された部分の血流が良くなってしまい、消化吸収に支障をきたす可能性があります。
飲酒後は、アルコールが分解されたことによる有害物質「アセトアルデヒド」が体の中をめぐっている状態です。(文献4)
ツボ刺激やマッサージなどにより血流が良くなっている状況で、有害物質が体の中をめぐると、酔いが回りやすくなります。
これらの理由から、食後1時間以内および飲酒後は、ツボ押しを避けた方が良いでしょう。
痛みを感じるほどの強い刺激は避ける
痛みを感じるほど強く刺激すると、筋肉が緊張したり、筋繊維が破壊されたりします。いわゆる、もみ返しの状態です。また、刺激を受けた部分が炎症を起こして、症状が悪化する可能性もあります。
高齢者の場合は骨折する恐れも恐れもあるため、強い刺激は避けましょう。
出血している部位は避ける
鍼の基礎教育と安全性に関するガイドラインには、「鍼治療は出血性もしくは凝血性の疾患、または抗凝血治療中か抗凝血剤使用中の患者には用いるべきではない」と記載されています。(文献5)
出血している部分に、鍼治療を含めたツボ療法を実施すると、血流促進により止血が妨げられてしまいます。出血部位に触れることで細菌に触れる可能性が高く、感染リスクを高めるため、直接触れないようにしましょう。
妊娠中の方は医師に相談する
鍼の基礎教育と安全性に関するガイドラインでは、妊娠中の鍼治療について以下のように述べています。
「鍼刺激は陣痛を誘発する可能性があるので、妊婦には用いるべきではない。他の目的で治療がどうしても必要なときには十分な注意が必要である」(文献5)
とくに妊娠初期は鍼治療を含めたツボ療法により、流産の可能性もあります。妊娠初期に刺激してはいけないツボもあります。
ツボ押しや鍼治療を希望される妊婦の方は、担当の産婦人科医師へ事前に相談しましょう。
基礎疾患のある方は医師に相談する
坐骨神経痛の原因として主にあげられるのは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などです。しかし、帯状疱疹ウイルス感染や癌などの内科的な基礎疾患が原因の坐骨神経痛もあります。
鍼の基礎教育と安全性に関するガイドラインにおいて「鍼治療は悪性腫瘍に用いられるべきではない」とされています。(文献5)
坐骨神経痛に加えて内科的な基礎疾患がある方は、ツボ押しや鍼治療の前に主治医に相談しましょう。
坐骨神経痛を和らげるセルフケア
坐骨神経痛による症状を軽減するために、自宅でできるセルフケアは主に以下の3つがあります。
- 適度に運動する
- 正しい姿勢をとる
- 身体を温める
まず、症状が軽い場合は腰に負担をかけないストレッチやウォーキングなどの適度な運動を取り入れることが効果的です。ただし、痛みが強いときは無理をせず休むことが大切です。
次に、長時間同じ姿勢を避け、座るときは背筋を伸ばして左右のお尻に均等に体重をかけるように心がけます。床に座る場合はあぐらや正座が望ましく、寝るときは膝の下にクッションを入れて坐骨神経の負担を軽減しましょう。
最後に、使い捨てカイロや入浴で身体を温めることも血行を促進し痛みの緩和に役立ちます。長風呂は避け、適度な温度と時間で行うのがポイントです。
坐骨神経痛の悪化を防ぐためにツボ押し以外に普段の姿勢も大切
坐骨神経痛の悪化を防ぐためには、以下の普段の姿勢にも気を配りましょう。
パターン | ポイント |
---|---|
座るとき | 背筋を伸ばし、足を床にしっかりつける |
立つとき | 両足に均等に体重をかけ、腹筋に軽く力を入れる |
寝るとき | 横向きで両膝を軽く曲げるか、仰向けで膝下にクッションを置く |
坐骨神経痛の悪化を防ぐには、日常の姿勢に注意を払うことが欠かせません。座っている際は背筋を伸ばして、足裏をしっかり床につける姿勢が望ましいです。
立っているときは、片足に偏らず両足に均等に体重を乗せ、腹筋に軽く力を入れることで腰への負担を和らげられます。
寝る場合は、横向きに寝て両膝を軽く曲げるか、仰向けで膝の下にクッションを置くと腰が楽になります。うつ伏せ寝は腰に負担がかかるため避けたほうが良いでしょう。
坐骨神経痛のツボ押しでも症状が続く場合は再生医療もご検討ください
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まとめ|坐骨神経痛のときはツボ押しと病院での治療を並行しよう
坐骨神経痛の痛みやしびれ症状には、鍼治療やツボ押しが有効な場合もあります。WHO(世界保健機関)においても、鍼灸は坐骨神経痛に有効であると示されました。
本記事でも坐骨神経痛に効果的とされるツボを紹介しましたが、ツボ押しの際はさまざまな注意点もあります。食後1時間以内は避ける、強い刺激は避けるといった、ポイントを押さえながら実施しましょう。
妊娠中の方や基礎疾患がある方は、担当医へ事前に相談してください。
坐骨神経痛の根本的な改善のためには、医療機関での治療も必要です。
リペアセルクリニックは、再生医療というアプローチで坐骨神経痛の症状に向き合っています。
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坐骨神経痛とツボに関するよくある質問
ツボ押しはいつ行うのが効果的ですか?
入浴後や就寝前など、リラックスしている時間帯が効果的です。とくに入浴後は体も温まっているため血行も良く、筋肉も柔らかくなっているため、おすすめの時間帯といえます。
坐骨神経痛はツボで治りますか?
坐骨神経痛の痛みやしびれは、ツボで緩和されることもあります。
しかし、強く痛むときや排尿・排便の障害があるときなどは、整形外科を中心とした医療機関での検査や治療が必要です。ツボだけで治らないときには、必ず医療機関を受診しましょう。
また、当院「リペアセルクリニック」では、外科系の疾患に対して再生医療を提供しております。
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ツボ押しは坐骨神経痛に即効性がありますか?
ツボ押しは坐骨神経痛に対して即効性を得られることもありますが、効果には個人差があります。ツボへの刺激により血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎ、一時的な痛みの軽減が期待できます。
しかし、根本的な治療にはならないため、痛みが強い場合は医療機関への相談が必要です。
参考文献
(文献1)
坐骨神経痛に対する鍼治療:本当に効果があるのでしょうか?|HARLEY STREET SPECIALIST HOSPITAL
(文献2)
鍼灸治療セミナー資料|国立がん研究センター
(文献3)
正しいツボの押し方|学校法人大麻学園四国医療専門学校
(文献4)
お酒と健康「健康飲酒の基礎知識」|公益社団法人 アルコール健康医学協会
(文献5)
鍼治療の基礎教育と安全性に関するガイドライン|世界保健機関 『全日本鍼灸学会雑誌』