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骨粗鬆症はどんな痛み?主な原因・治療法・セルフチェック方法を解説
骨粗鬆症は自覚症状が少ないまま進行し、ある日突然、骨折や慢性的な痛みにつながることもある病気です。
とくに閉経後の女性に多く見られ、背中の曲がりや身長の低下、転倒による骨折など、日常生活にも大きな影響を及ぼすため注意しなければなりません。
本記事では、骨粗鬆症の初期サインや原因、進行によるリスク、予防や治療に役立つ運動・栄養・生活習慣の工夫を詳しく解説します。
当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな治療にも用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状があれば、ぜひご活用ください。
目次
骨粗鬆症はどんな痛み?主な症状
骨粗鬆症の初期は自覚症状が乏しいものの、進行するとさまざまな痛みや変化となって現れます。
とくに背中や腰の鈍い痛み、身長の減少、軽い衝撃での骨折などは、骨がもろくなっているサインかもしれません。
ここでは、骨粗鬆症による代表的な症状と、見逃してはいけない身体の変化について解説します。
背中や腰の鈍い痛みが続く
骨粗鬆症では、骨の強度が低下し、背骨を構成する椎体が体の重みや日常動作による負担でつぶれるように折れる「脊椎圧迫骨折」が起こる場合があります。
圧迫骨折が起こると、寝起きや体動時に慢性的に痛みが続くようになるのが特徴です。
痛みが続くと、体を動かして外出する意欲が低下してしまい、寝たきりや引きこもりの原因にもなります。
骨が弱くなっているため小さな力でも骨折しやすく、気づかないうちに生じているケースも少なくありません。
実際、骨粗鬆症に関連した圧迫骨折の多くは、明らかな外傷がなくても発生するケースがあるのです。(文献1)
身長が縮む・姿勢が悪くなる
骨粗鬆症が進行すると背骨の骨がもろくなり、つぶれるように骨折や変形を起こすことがあります。
次第に背中が丸くなって姿勢も前かがみになりやすく、結果的に身長が数cm縮むケースもあるのです。
とくに、若いころと比べて男性で6cm以上、女性で4cm以上の身長の減少が見られる場合は、脊椎の骨折がすでに進行している可能性が高いとされています。(文献2)
転倒や軽い動作でも骨折するようになる
骨粗鬆症が進行すると、骨がもろくなり、わずかな衝撃でも骨折してしまう場合があります。
とくに、背中・太ももの付け根・手首・腕の付け根・肋骨などが骨折しやすい部位です。
骨折が重なると痛みで動くのがつらくなり、日常生活に支障をきたします。
症状が進行しないうちの早期予防と、ケアがとても大切です。
骨粗鬆症の初期症状に注意しよう
骨粗鬆症は気づかないうちに進行し、ある日突然骨折して初めて気づくケースも珍しくありません。
しかし実際には、日常の中に初期症状と呼べるサインが隠れている場合があるのです。
ここでは、見過ごしやすい骨粗鬆症の初期症状について見ていきます。
身長が縮む
身長が以前より明らかに低くなっている場合、骨粗鬆症の進行が関係している可能性を否定できません。
骨密度が低下すると背骨に負担がかかりやすくなり、骨折や変形によって徐々に身長が縮んでいく場合があります。
とくに、最近の健康診断や人間ドックで身長の変化を指摘された方は要注意です。
加齢によるものと決めつけず、骨粗鬆症の検査を受けましょう。
猫背が悪化する
背中が丸くなってきたり、姿勢の悪さを感じるようになったりしているなら、骨粗鬆症が進行しているサインかもしれません。
骨が弱くなると背骨に変形が生じやすくなり、前かがみの姿勢になりがちです。
鏡や写真に写った自分の姿が以前より猫背に見えたり、周囲から「腰が曲がってきた」と指摘されたりする場合は、骨の健康状態をチェックするきっかけにしてください。
何気ないことで骨折する
軽く転んだり、段差でつまずいて尻もちをついたりした程度で骨折したなら、骨粗鬆症によって骨がもろくなっている可能性があります。
通常なら骨折しないようなわずかな衝撃で骨が折れる状態は、骨粗鬆症の典型的な特徴のひとつです。
骨折をきっかけに寝たきりになる心配もあるため、思い当たる骨折歴がある方は、早めに整形外科を受診して骨密度をチェックしましょう。
骨粗鬆症はどんな人に多い?主な原因
骨粗鬆症は、閉経後の女性に多く見られます。
閉経をきっかけに、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が急激に減るのが原因のひとつです。
エストロゲンは、骨を丈夫に保つために重要なホルモンで、骨の新陳代謝のバランスを整える働きがあります。
ホルモンが減少すると、古い骨を壊すスピードが新しい骨をつくるスピードを上回り、骨密度が低下しやすくなるのです。
とくに、閉経前後の時期は骨密度が急激に落ちやすく、気づかないうちに骨粗鬆症が進行してしまうケースも少なくありません。
骨粗鬆症の原因についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
骨粗鬆症の症状セルフチェックリスト
骨粗鬆症の予防や進行を防ぐには、早く兆候に気づくことが重要です。まずは自分の体の変化をチェックしてみましょう。
以下のチェックリストは、公益財団法人 骨粗鬆症財団が公開している「骨の健康度チェック表」です。(文献3)
次の項目のうち、当てはまるものの点数を合計すると、骨の健康度がわかるようになっています。
|
1 |
牛乳、乳製品をあまりとらない |
2点 |
|---|---|---|
|
2 |
小魚、豆腐をあまりとらない |
2点 |
|
3 |
たばこをよく吸う |
2点 |
|
4 |
お酒はよく飲む方だ |
1点 |
|
5 |
天気のいい日でも、あまり外に出ない |
2点 |
|
6 |
体を動かすことが少ない |
4点 |
|
7 |
最近、背が縮んだような気がする |
6点 |
|
8 |
最近、背中が丸くなり、腰が曲がってきた気がする |
6点 |
|
9 |
ちょっとしたことで骨折した |
10点 |
|
10 |
体格はどちらかと言えば細身だ |
2点 |
|
11 |
家族に「骨粗鬆症」と診断された人がいる |
2点 |
|
12 |
糖尿病や、消化管の手術を受けたことがある |
2点 |
|
13 |
(女性)閉経を迎えた |
4点 |
引用:公益財団法人 骨粗鬆症財団|骨の健康度チェック表(文献3)
<結果の見方>
| 2点以下 |
今は心配ないと考えられます。これからも骨の健康を維持しましょう。 改善できる生活習慣があれば、改善しましょう。 |
|---|---|
| 3点~5点 | 骨が弱くなる可能性があります。気を付けましょう。 |
| 6点~9点 | 骨が弱くなっている危険性があります。注意しましょう。 |
| 10点以上 |
骨が弱くなっていると考えられます。 一度医師の診察を受けてみてはいかがですか。 |
引用:公益財団法人 骨粗鬆症財団|骨の健康度チェック表(文献3)
ご自身の骨の状態を知る目安として、参考にしてみてください。
骨粗鬆症の症状を放置するリスク3選
骨粗鬆症の症状を放置すると、以下のようなリスクが懸念されます。
- 骨折の連鎖で、さらに骨がもろくなる
- 痛みや動きにくさで、日常生活が制限される
- 寝たきりや介護が必要な状態になる
それぞれ詳しく解説するので、骨粗鬆症の早期発見・早期対策にお役立てください。
骨折の連鎖で、さらに骨がもろくなる
背骨が一カ所でも骨折すると、その部分にかかる負担が大きくなり、周囲の骨まで次々と骨折しやすくなるため注意が必要です。
たとえば、太ももの付け根(大腿骨近位部)を骨折した人のうち、およそ10人に1人が反対側の太ももの骨もその後に骨折しているという報告があります。(文献4)
骨折の連鎖が起こる背景には、もともと骨が弱っていることに加えて、以下が関係しているとされています。
- 骨折によって転びやすくなる
- 片側をかばう動作で、反対側に余計な負担がかかる
痛みや動きにくさで、日常生活が制限される
骨粗鬆症によって背中や腰が骨折すると、痛みや動きづらさが日常生活にじわじわと影響を及ぼすようになります。
たとえば、掃除・洗濯・買い物といった家事がつらくなったり、重い荷物を持つことに不安を感じたりなど、以前は当たり前にできていた動作が難しくなってしまうことも少なくありません。
また、痛みのせいで外出を控えるようになったり、孫を抱っこしたくてもできなかったりと、行動範囲が狭くなることで生活の質(QOL)が低下します。
骨粗鬆症による骨折は、日々の楽しみや穏やかな暮らしに大きな影響を及ぼしかねないのです。
寝たきりや介護が必要な状態になる
骨粗鬆症による背中や腰の痛み、繰り返される骨折は、日常生活の自由を奪うだけでなく、寝たきりになるリスクを高める要因にもなります。
とくに注意したいのが、太ももの付け根にあたる「大腿骨」の骨折です。
大腿骨の骨折は手術や長期のリハビリが必要になるケースも多く、高齢者にとって身体的な負担が大きくなります。
結果的に、体力や筋力が急激に低下し、自分の足で歩けなくなるケースも珍しくありません。
最終的には、介護が必要な生活へと移行せざるを得ないため注意しましょう。
骨粗鬆症で痛みが出る前に見直したい生活習慣
骨粗鬆症は、骨折して初めて気づくケースが少なくありません。
ここでは、早い段階から取り組みたい生活習慣の見直しについて解説します。
骨に負荷をかける運動
骨粗鬆症の予防には、骨に適度な刺激を与える運動を日常に取り入れましょう。
骨は重力や体重といった外からの刺激を受けることで強くなり、骨密度の維持や向上に役立ちます。
とくに、以下のような運動が効果的です。
- ウォーキングや階段の昇り降りといった、自分の体重を支える有酸素運動
- 片足立ちや椅子からの立ち座り運動など、バランス感覚と筋力を鍛える動き
- スクワットのように、太ももやお尻まわりの大きな筋肉を使う運動
これらの運動は、体に無理なく骨に刺激を与えられるため、高齢者に適しています。
無理のない範囲で継続して取り組み、筋力と骨密度をしっかり守っていきましょう。
骨に有効な食生活
骨粗鬆症の予防には、栄養バランスの良い食生活も欠かせません。
骨は日々の食事から得た栄養によって作られるため、必要な栄養素が不足すると、運動だけでは十分な骨量を維持するのが難しくなります。
とくに意識して摂りたい栄養素と、代表的な食品は以下の通りです。
- カルシウム:牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、大豆製品、緑黄色野菜など
- ビタミンD:鮭やサバなどの魚、きのこ類、卵など
- ビタミンK:納豆、ほうれん草などの緑の野菜
- たんぱく質:肉、魚、卵、大豆製品、穀類など
なかでも、カルシウムの吸収を高めるために、ビタミンDやビタミンKを一緒に摂るのがおすすめです。
一方で、加工食品やアルコールの摂りすぎには注意し、日々の食事のバランスをしっかり整えていきましょう。
日光浴でビタミンDを合成
骨粗鬆症の予防には、食事や運動だけでなく、日光浴によるビタミンDの生成も欠かせません。
ビタミンDには腸からのカルシウム吸収を促し、食事で摂ったカルシウムを効率よく骨に届ける働きがあります。
季節や体調に合わせて、無理のない時間帯に外へ出て、散歩やウォーキングを楽しみながら日光を浴びましょう。
外出が難しく室内で過ごす時間が多い人も、ベランダや窓辺で日差しを浴びるなど、できる範囲から始めても効果が期待できます。
骨粗鬆症で痛みが出たときの治療法
骨粗鬆症の治療には、以下のような方法があります。
- 外科治療
- 薬物療法
- 生活習慣の見直し
進行しないうちにかかりつけ医と相談しながら、適切に治療を進めていきましょう。
では、それぞれ解説します。
外科治療
骨折が見つかった場合は、状態に応じて外科的な治療が行われます。
もっとも一般的なのは、コルセットやギプスなどで骨を固定し、安静に過ごす保存的治療です。
背骨の圧迫骨折では、簡易的なコルセットを数週間着用するだけで症状が改善するケースもあります。
ただし、以下のような場合は手術が検討される場合もあります。
- 痛みが強い
- 骨のつぶれが大きい
- 骨の安定性が保てない
手術には骨を金属で固定する方法や、骨に医療用セメントを注入する方法があります。
どちらも骨の安定性を確保し、早期の回復を促すのが目的です。
薬物療法
骨粗鬆症では、薬による治療も行われます。
使用される薬は主に2種類あり、ひとつは骨の吸収を抑える薬、もうひとつは骨を新しく作る働きを助ける薬です。
どちらも、骨密度の改善や骨折リスクの低下を目指して使われますが、即効性は期待できません。
継続的な使用で徐々に効果が現れるため、根気よく治療を続けることが大切です。
また、自己判断で薬を中断してしまうと、改善していた骨密度が再び低下し、骨折のリスクが高くなる可能性があります。
治療効果をしっかり得るためにも、医師の指示に従いながら、定期的な検査とあわせて継続的に薬を活用していきましょう。
以下の記事では、骨粗鬆症の薬を飲まない治療法を紹介していますので、気になる方は参考にしてみてください。
まとめ|骨粗鬆症で痛みが出たら早めに受診しよう
骨粗鬆症は、年齢とともに誰にでも起こり得る身近な疾患ですが、正しい知識と日々のケアで予防や進行の抑制が可能です。
運動や食事、日光浴などの生活習慣の見直しと必要に応じた治療により、健康的な毎日を取り戻せます。
「年齢のせい」と放置せず、小さな異変に気づいた時点で早めの対応を心がけましょう。
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骨粗鬆症の症状に関するよくある質問
骨粗鬆症で骨折するとどんな痛みがある?
骨粗鬆症による背骨の圧迫骨折では、「体動時腰痛」と呼ばれる特有の痛みが現れる場合があります。
寝た姿勢から起き上がろうとする際など、体を動かしたときに鋭い痛みが走るのが特徴です。
一方で、一度立ち上がって姿勢が安定すると、痛みが和らぐことも知られています。
骨粗鬆症で腰痛を発症した場合に緩和する方法はある?
骨粗鬆症では、腰椎の圧迫骨折が原因で腰痛を発症する場合がありますが、痛みを和らげるために鎮痛薬や筋弛緩薬が使われます。
鎮痛薬や筋弛緩薬での治療は、日常生活を少しでも楽に送れるようにするのが目的です。
骨粗鬆症で足の付け根の痛みを感じる場合はある?
骨粗鬆症によって大腿骨頸部(太ももの付け根)を骨折すると、股関節まわりに強い痛みが生じ、立ったり歩いたりがほぼ不可能になります。
無理に動こうとすると痛みがさらに悪化するため、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
骨粗鬆症で痛み止め薬を使うのはどんなとき?
骨粗鬆症に伴う痛みが慢性化している場合は、鎮痛薬を使って痛みをコントロールする場合があります。
痛みを和らげることで日常生活の負担を軽減し、他の治療やリハビリテーションにも取り組みやすくするのが目的です。
骨粗鬆症は男性でもなりますか?
骨粗鬆症は女性に多いイメージですが、実際には男性でも発症するケースがあります。
患者の約4人に1人は男性とされており、病気や薬の影響、栄養不足などが重なることで骨密度が低下しやすくなるのです。(文献5)
男性だから大丈夫と思い込まず、少しでも違和感があれば早めに検査を受けましょう。
参考文献
(文献1)
Vertebral compression fractures: Still an unpredictable aspect of osteoporosis|PMC
(文献2)
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版|骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会
(文献3)
骨の健康度チェック表|公益財団法人骨粗鬆症財団
(文献4)
骨粗鬆症の診断とガイドラインの変遷|日本内科学会雑誌第111巻第4号
(文献5)
男性の骨粗鬆症|日本医師会日医ニュース











