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サルコペニアの予防に効果的な筋力トレーニング一覧|やり方や注意点を医師が解説

サルコペニア 筋力トレーニング
公開日: 2025.06.29

「最近つまずきやすくなった」「階段の上り下りがつらい」といった症状で悩んでいませんか。

それは、加齢による筋力の低下からくる「サルコペニア」の初期サインかもしれません。進行すると筋肉がさらに衰え、歩行や立ち上がりなど日常生活に支障をきたすこともあります。

サルコペニアを防ぐには、筋力トレーニングが効果的です。筋肉を定期的に動かすことで進行を抑えられ、結果として健康寿命を延ばすことにもつながります。

この記事では、サルコペニア予防におすすめの筋力トレーニングや注意点、日常生活でできる工夫について解説します。

今日から筋力トレーニングを始め、サルコペニア予防に取り組んでみてください。

サルコペニアの予防に効果的な筋力トレーニング4選

サルコペニアの予防に効果的な筋力トレーニングを4つご紹介します。

  • 椅子スクワット
  • つま先立ち運動
  • 膝の曲げ伸ばし運動
  • 背筋トレーニング

本章を参考に、無理のない範囲で今日からチャレンジしてみてください。

椅子スクワット

椅子スクワットは、下半身を鍛えたいものの、転倒に不安のある方におすすめのトレーニングです。以下の方法を参考に実践してみましょう。

  1. 足を肩幅に開いて立ち、椅子の背もたれを両手でつかむ
  2. ゆっくりと膝を落とし、しゃがむ
  3. 数秒キープしたら、元の立位の姿勢に戻る
  4. 数回繰り返す

下半身の筋力低下が気になる方は、ぜひ取り入れてみてください。

つま先立ち運動

つま先立ち運動(ヒールレイズ)は、ふくらはぎの筋肉を鍛えるのに効果的なトレーニングです。以下のステップで行ってみてください。

  1. 足を肩幅に開いて立つ
  2. 立った状態でかかとを上げる
  3. かかとをゆっくりと床に降ろす
  4. 1〜3.を10回程度繰り返す

慣れてきたら、片足で行うとさらに効果的です。転倒が心配な方は、壁や椅子の背もたれ、手すりなどに手を添えて行いましょう。

膝の曲げ伸ばし

椅子に座ったまま行える膝の曲げ伸ばし運動です。下半身の筋力を鍛え、膝関節の柔軟性を保つのに効果的です。以下のステップで行ってみましょう。

  1. 背筋を伸ばした状態で、椅子に浅く座る
  2. 片足の膝をゆっくりと伸ばし、足を前方に上げる
  3. 膝が伸びた状態で数秒キープする
  4. ゆっくりと膝を曲げらがら足を床に降ろす
  5. 反対側の足も同様に、左右交互に10回ずつ行う

長時間のデスクワークの合間や、自宅でテレビを見ているときなど、スキマ時間に始められます。こまめに続けることでより効果が期待できるため、ぜひ今日から取り入れてみてください。

背筋トレーニング

サルコペニアを予防するには、背筋を鍛えることも大切です。

タオルを使って自宅で手軽に行える背筋トレーニングをご紹介します。以下の手順で、背筋トレーニングを行ってみましょう。

  1. タオルの両端を持ち、ピンと張る
  2. 腕を肩より少し高く上げ、タオルを外側に引っ張るように力を入れる
  3. 肘を曲げながら、肩甲骨を寄せるように意識して、腕をゆっくり下ろす
  4. 肘を伸ばして再び腕を上げ、2.の姿勢に戻る
  5. 2.~4.を10回程度行う

背中の筋肉が衰えてしまうと、姿勢が崩れ、サルコペニアの悪化にもつながってしまいます。文献1)正しい姿勢を維持するためにも、背筋のトレーニングを日常的に取り入れていきましょう。

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サルコペニアに筋力トレーニングが効果的な理由

サルコペニアとは、加齢や生活習慣の影響で体を動かす筋肉量や力が減少する状態です。進行すると筋力の低下により、歩行困難や寝たきりになるリスクも高まります。

サルコペニアの予防には、骨格筋のトレーニングが効果的です。

筋力トレーニングは特別な器具がなくても自宅で行えるものが多く、誰でも今日から始められます。

継続すると、健康寿命を延ばすことにもつながるため、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。

さらに筋トレは、サルコペニアだけではなく、将来的なフレイルやロコモティブシンドロームの予防にも有効です。これらの違いや特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

サルコペニア予防で筋トレをするときの注意点

筋トレをする際には、以下の3つの点に注意が必要です。

  • こまめに休憩をはさむ
  • 呼吸を止めない
  • 週2~3回ほど定期的に行う

トレーニングを始める前に本章の注意点を意識し、無理のない範囲で運動を続けましょう。

こまめに休憩をはさむ

長時間連続で筋力トレーニングをせず、途中でこまめに休憩をはさむことが大切です。疲労や関節への負担を防ぐためにも、体調に合わせてペースを調整しながら取り組みましょう。

たとえば、「20分運動して5分休む」といったリズムがひとつの例です。

運動の強度やその日の体調に応じて、無理のない範囲で柔軟に休憩を取り入れてみてください。

呼吸を止めない

筋トレ中は力む際に息を止めがちですが、常に自然なリズムで呼吸するように意識しましょう。

呼吸を止めて力んでしまうと酸素が不足し、血圧の急上昇や頭痛・吐き気など体調不良を引き起こすおそれがあります。文献2

筋トレ中の正しい呼吸法は以下のとおりです。

タイミング

呼吸

力を入れるとき

息を吐く

力を抜くとき

息を吸う

このリズムを意識すると、筋トレ中の体への負担を軽減できます。筋トレを行う際は、意識してみてください。

なお、「筋トレ頭痛」の対策方法については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、あわせてご覧ください。

週2~3回ほど定期的に行う

サルコペニアを予防するには、週に2〜3回のペースで筋トレを継続することが効果的です。

筋肉は一度きりの運動では鍛えられません。こまめに運動を重ねることで筋肉に刺激を与えられます。

また、厚労省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」では、成人・高齢者のどちらにも週2〜3回の筋トレを推奨しています。(文献3

定期的な筋トレは、サルコペニアに加え、座りっぱなしによる代謝低下や筋力低下、糖尿病や高血圧などの合併予防にも効果的です。

忙しい方も1日15〜20分のスキマ時間から始めて、生活の一部に筋トレを取り入れてみてください。

【日常的にできる】筋トレ以外のサルコペニア予防法

忙しくて筋トレの時間が取れない人の場合、日常生活の中に「ながら運動」を取り入れましょう。

サルコペニアを予防するには、時間がなくても、普段から少しずつ体を動かすことが大切です。

活動量が増えることで筋肉に刺激を与えられるため、筋力の低下を防ぐ効果が期待できます。

以下を参考に、毎日の生活に取り入れやすい工夫を実践してみましょう。

  • エスカレーターやエレベーターではなく、階段を使う
  • 通勤や買い物の際に、敢えて遠回りして歩く
  • いつもより少し早歩きをする

これらを意識するだけでも、筋肉を鍛えられ、サルコペニアの予防につながります。

サルコペニア予防には筋力トレーニングを取り入れよう

サルコペニアとは、加齢や生活習慣により筋力が低下する状態です。

放置すると、将来的に歩行困難や寝たきりのリスクがあります。

こまめに筋力トレーニングを行うことで筋肉が鍛えられ、サルコペニアの予防につながります。

本記事を参考に、今日からできる運動を実践してみてください。

なお、筋力の衰えが不安な方や、より専門的なケアを希望する方は、専門家に相談するのも一つの選択肢です。

当院「リペアセルクリニック」では、人体に備わる幹細胞を活用した再生医療を提供しています。今なら「メール」または「オンラインカウンセリング」にて無料相談を受け付け中です。

「加齢による体の変化が気になる」「将来に向けて病気予防を始めたい」と感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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通話料無料/受付時間 09:00~18:00

サルコペニアに関する質問

サルコペニアを防ぐ食事は?

サルコペニア予防には日頃から栄養バランスの良い食事を意識することが大切です。中でも、筋肉の材料となる「たんぱく質」は意識的に摂取するようにしましょう。

たんぱく質を多く含む食品には、次のようなものがあります。(文献4

  • 豚肉
  • 牛乳
  • 豆類
  • さけ・ます類

体重1kgあたり1g/日以上のたんぱく質の摂取が、サルコペニアの予防に効果的であるとされています。たとえば体重60kgの人の場合、1日あたり約60gのたんぱく質の摂取が必要です。(文献5

まずは、こうした食材を毎食の中に1品でも取り入れることから始めてみましょう。

サルコペニアの判断方法は?

サルコペニアは「指輪っかテスト」でセルフチェックが可能です。両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの一番太い部分を囲んでみてください。(文献6

その際、指の輪とふくらはぎの間に隙間ができる場合は、サルコペニアのおそれがあります。

ただし「指輪っかテスト」はあくまで目安です。セルフチェックで不安がある場合は、医療機関にて詳しい検査を受けましょう。

 

参考文献一覧

文献1

厚生労働省 「サルコぺニア」 e‑ヘルスネット, 最終更新日:2024年1月30日

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/exercise/ys-087.html

(最終アクセス:2025年6月15日)

文献2

久米 大祐ほか.「間欠的な息止めが運動時の生理応答に及ぼす影響」『体力科学』60(6), pp.641-647, 2011年

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/60/6/60_6_641/_pdf

(最終アクセス:2025年06月17日)

文献3

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」令和6年1月

https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf

(最終アクセス:2025年06月15日)

文献4文部科学省「日本食品標準成分表(八訂) 増補2023年」2023年

https://www.mext.go.jp/content/20230428-mxt_kagsei-mext_00001_011.pdf

(最終アクセス:2025年06月15日)

文献5

日本サルコペニア・フレイル学会「サルコペニア診療ガイドライン2017年版」2020年

https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.php?file=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00426.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b

(最終アクセス:2025年6月17日)

文献6

厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業) 分担研究報告書「新規考案した3種類の簡易スクリーニング法(指輪っかテスト・ピンチカ・第1-2 指間厚) における筋肉減弱症(サルコペニア)を視野に入れた臨床的有用性の検討 ~継続性の高いコミュニティー健康活動を目指して~」

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2012/123011/201217016A/201217016A0006.pdf

(最終アクセス:2025年6月15日)

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