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【医師監修】ガングリオンは放置しても大丈夫?治療が必要なケースも含めて解説

ガングリオン 放置
公開日: 2025.08.31

「手首にしこりがあって病院を受診したところ、ガングリオンと診断された」

「しこり以外に症状はないが、放置していても大丈夫だろうか?」

「ガングリオンが再発したけれど、このままにしていて良いのだろうか?」

ガングリオンと診断された方や再発した方の場合、このような不安を抱える場合も少なくありません。

ガングリオンは良性のしこりであり、無症状であれば放置していても問題ないものです。

しかし、しこりがガングリオンであるかどうかを確認するためには、医療機関での検査が必要です。そのため、完全に放置するのではなく、一度は医療機関を受診する方が望ましいでしょう。

本記事では、ガングリオンの放置可能なケースと治療を要するケースの違い、治療方法、治療後の再発について解説します。

ガングリオンと悪性腫瘍の違いにも触れていますので、しこりが不安な方はぜひ最後までご覧ください。

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ガングリオンにおける放置の可否はケースによって異なる

ガングリオンは、関節を包む膜から漏れ出た関節液がゼリー状になってたまった良性のしこりです。多くの場合、手首や指の付け根に発生します。

ガングリオンができた場合、そのまま放置しても良いケースと、早期の治療が必要なケースがあります。この章では両者の違いについて解説します。

以下の記事で、ガングリオンの概要について紹介していますので、あわせてご覧ください。

放置可能なケース

しこりのみで痛みやしびれなどの症状がない場合、治療せずに経過を見るだけでも問題はありません。

しかし、手首や指の付け根、足首などにしこりができる疾患は、ほかにも存在します。しこりができた場合は、ガングリオンであるかどうかを確認するために整形外科を受診してください。

整形外科では、MRIや超音波といった画像検査や、しこりに針を刺して内容物を調べる穿刺(せんし)などによりガングリオンの有無を診断します。

治療が必要なケース

ガングリオンにおいて治療が必要なケースは、しこり以外になんらかの症状がある場合です。

一例を以下に示しました。

  • しこりが大きくなっている
  • 痛みやしびれが強い
  • 運動麻痺がある
  • 感覚麻痺がある

これらの症状がある場合は、放置せずに医療機関で治療を受けましょう。

ガングリオンの治療方法

ガングリオンの主な治療方法は、保存療法と手術療法です。治療方法の選択は、症状によって異なります。

保存療法

痛みやしびれがない場合は、保存療法が選択肢となります。ガングリオンにおける保存療法の基本は、経過を観察しながら消えるのを待つことです。

しこりに力を加えて押しつぶす圧搾(あっさく)や、しこりに針を刺して内容物を吸引する穿刺吸収(せんしきゅうしゅう)も保存療法に含まれます。

穿刺吸収を複数回行っても内容物がたまるようであれば、手術も選択肢に入ります。

手術療法

手術療法が行われるのは、保存療法を続けても内容物がたまり、しこりが何度もできる場合です。主な手術方法としては、切開法と鏡視下手術があります。

切開法は、ガングリオンそのものを切開して除去する方法です。鏡視下手術は、関節鏡を用いて関節液の漏れにつながっている茎を除去する方法です。

しかし、手術で完全に治るとは限りません。手術により神経や血管の損傷を招いたり、術後に再発したりするケースもあります。

手術を受けるときは、医師や家族と十分に話し合い、納得した上で受けるようにしましょう。

ガングリオンの手術については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

ガングリオン再発時は放置せず早めの対応を

アメリカ合衆国の論文では、ガングリオンの手術後再発率は1~50%と非常に幅があると報告されています。(文献1)

別の論文では、ガングリオンが再発して2度目の手術を受けた方のうち、15%が再再発したとのデータが示されました。(文献2)

ガングリオンは関節だけではなく、骨や筋肉、神経にもできることがあります。ガングリオンができる場所によって症状も異なります。

ガングリオンが再発した部位によっては、初回より痛みやしびれが強くなることがあり、神経や関節に悪影響を及ぼす可能性もあります。そのため、手術や穿刺吸収療法後にガングリオンが再発した場合は、放置せず医療機関を受診しましょう。

ガングリオンを放置する前にまずは医療機関を受診しよう

ガングリオンは良性のしこりであり、無症状であれば放置して経過を見ていても問題はありません。

痛みやしびれ、関節の動かしにくさなどの症状が出た場合は、悪性の腫瘍である可能性も否定できないため医療機関を受診しましょう。

しこりが急激に大きくなった、強い痛みがあるといったときは、放置せず早急に受診してください。受診先は、整形外科、もしくは手の専門外科外来です。

無症状のガングリオンでも不安な場合は、医療機関の受診が望ましいでしょう。

ガングリオンをはじめとする手の疾患でお悩みの方は、リペアセルクリニックまでお気軽にお問い合わせください。

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ガングリオンの放置に関連するよくある質問

ガングリオンと悪性腫瘍の見分け方は何ですか?

ガングリオンは、放置していると自然に消えることが多く、大きくなる場合も速度はゆっくりです。

これに対し、悪性腫瘍は急速に大きくなり、しこりが周りと分離して動く場合があります。感触も両者で異なり、ガングリオンは柔らかいものですが、悪性腫瘍は硬くてゴツゴツしている点が特徴です。

以下の記事では、ガングリオンと悪性腫瘍の違いを詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

ガングリオンができやすい人の特徴は何ですか?

ガングリオンは女性に多くみられ、発症率は男性の3倍程度といわれています。

年齢的には、20代から50代に多い疾患ですが、まれに子どもの発症例もあります。

手を多く使う方が発症しやすいと思われがちですが、必ずしもそうとは言えず、手の使用頻度とガングリオン発症の因果関係は不明です。

ガングリオン発症のメカニズムも、現段階では明らかになっていません。

参考文献

(文献1)

Factors Impacting Recurrence Rate After Open Ganglion Cyst Excision|HAND

(文献2)

Recurrence of Ganglion Cysts Following Re-excision|Archives of Bone and Joint Surgery