- ヘバーデン結節
- 手部
【医師監修】へバーデン結節とは|症状・原因・治療法を解説

「最近、指の第一関節が腫れて痛む」
「関節がこぶのように盛り上がってきた」
このような違和感を覚えている方は、へバーデン結節と呼ばれる病気かもしれません。
へバーデン結節は、指の第一関節に起こる変形性関節症の一種で、加齢にともない有病率が高くなると言われています。
放置すると関節が変形し、痛みが出たり握力が低下したりと、日常動作への支障が出ることも少なくありません。
本記事では、へバーデン結節の原因や症状、受診すべき診療科、治療方法などを医師の知見を交えながら解説します。
「まだ病院に行くほどではないけれど、指の違和感が気になる」「手術は避けたい」などの方は、ぜひ最後までお読みください。
当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。
へバーデン結節について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。
目次
へバーデン結節とは
へバーデン結節は、指の第一関節に生じる変形性関節症です。(文献1)
関節の変形や痛みを引き起こし、日常生活に支障をきたすことがあります。
親指にみられるケースもありますが、一般的には人差し指から小指にかけて発症する病気です。(文献1)
40歳代以降の女性に多く発生するとされており、70歳以降では50%以上に所見があるとした報告もあります。(文献1)(文献2)
一度発症すると、完全に元の状態に戻すことは難しい疾患ですが、適切な治療やセルフケアによる痛みの軽減や進行の抑制は可能です。指の違和感に気づいたら、早めに整形外科を受診して専門医に相談するのが重症化予防につながります。
へバーデン結節の主な症状
へバーデン結節では、以下のような症状があらわれます。(文献1)
- 第一関節の腫れ、赤み、痛み
- 関節の動きの制限
- 握力の低下
- 関節の背側の粘液嚢腫(ねんえきのうしゅ:ミューカシスト)
痛みや変形が強くなると、洗濯バサミをつまむ、ボタンを留める、ペンを持つ、スマートフォンを操作するなど、日常の些細な動作に支障をきたすようになります。
ただし、関節の変形は個人差が大きく、強い変形が起こらないケースもあります。
なお、40代~50代の女性に起こる「更年期関節痛」の症状については、以下の記事も合わせてご覧ください。
へバーデン結節の原因
へバーデン結節の具体的な原因は、明らかになっていません。(文献1)
可能性がある因子として、以下が考えられています。(文献1)(文献3)(文献4)
- 加齢による関節軟骨の変性
- ホルモンバランスの変化
- 手の使いすぎ
- 遺伝的要因(とくに母や祖母)
指の関節に違和感を覚えていて、実母や祖母にへバーデン結節の既往がある場合は、体質が似ている可能性があります。指の酷使は避けたほうが良いでしょう。
ホルモンバランスによる指の痛みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
へバーデン結節は何科を受診する?|迷ったら整形外科へ
へバーデン結節が疑われる場合の診療科は、基本的に整形外科です。
整形外科では、レントゲン検査で指の第一関節に以下の要素があるかを確認し、へバーデン結節かどうかを診断します。(文献1)
- 関節の隙間が狭くなっている
- 関節が壊れている
- 骨棘(こつきょく:骨の一部がトゲのように変形する状態)がある
関節リウマチといった他の疾患と見分けるために、血液検査や画像診断を併用した鑑別診断をおこなうケースもあります。症状が似ていても治療方針が異なることがあるため、自己判断せずに医師の診断を受けましょう。
また、痛みや炎症が慢性化している方は、ペインクリニックやリウマチ科と連携して治療を進める場合もあります。
手の外科医(手外科専門医)が在籍する整形外科では、より専門的で精度の高い診療が受けられるかもしれません。
へバーデン結節の治療法
へバーデン結節の治療は、一般的に保存療法が第一選択です。
具体的には、以下のような方法が中心です。(文献1)
- 安静・関節の保護:テーピングやサポーターで指関節の使いすぎを防ぐ
- 消炎鎮痛剤(痛み止め)・ステロイド注射:薬の力で痛みを抑える
場合によって、温熱療法や理学療法などの「物理療法」を、医師の指示の下におこなうことがあります。
安静や痛み止めの使用でも改善が見られないときは、関節の固定や結節を切除する手術療法が検討されます。
また、近年注目を集めているのは、「再生医療」です。
たとえば、再生医療のうち幹細胞治療は、自身の脂肪や骨髄などから抽出された幹細胞を注入する治療法です。
指の違和感や動かしにくさが気になる方は、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEをご活用ください。
再生医療に関する最新情報や、へバーデン結節の簡易オンライン診断をご利用いただけます。
ヘバーデン結節の治療法については、以下の記事もぜひ参考にしてください。
\無料オンライン診断実施中!/
へバーデン結節が疑われるときの注意点【やってはいけないことは?】
へバーデン結節が疑われる場合、症状の悪化を防ぐために避けるべき行動があります。
無意識にくり返していると、症状の進行を早める要因となり得るため、次のような動作に心当たりがある方は、早く見直してみましょう。
- 指先への過度な負荷
- 患部を温める行為
- 強いマッサージ
- 重いものの運搬
- スマートフォン使用による指の動かしすぎ
また、状態によっては医療機関で関節を温める治療を実施するケースはあるものの、痛みがあるときに自己判断でおこなうのは避けましょう。
違和感を覚えた段階で日常動作を見直し、指関節をいたわる習慣を身につけることが、重症化の予防につながります。
ヘバーデン結節でやってはいけないことについては、以下の記事もぜひお読みください。
へバーデン結節かもと感じたら早めに受診しよう
へバーデン結節は、指の第一関節に痛みや変形が生じる進行性の疾患です。初期には軽い腫れや違和感から始まり、症状が進行すると日常の細かい動作や握力にまで影響を及ぼします。
一度発症すると、関節の変形を完全に元に戻すことは難しいため、早期の発見と適切な対処が重要です。
指の先の腫れや関節の小さなこぶなどの症状に心当たりがある方は、自己判断せずに整形外科を受診し、正確な診断を受けることをおすすめします。
また、症状の進行具合や生活への影響に応じては、保存療法だけでなく、幹細胞治療をはじめとする再生医療の選択肢もあります。
リペアセルクリニックでは公式LINEで再生医療の情報提供と、簡易オンライン診断を実施しております。
「再生医療に興味がある」「再生医療について詳しく知りたい」などの方は、公式LINEをご活用ください。
\無料オンライン診断実施中!/
へバーデン結節に関するよくある質問
へバーデン結節とコーヒーは関係しますか?
コーヒーの摂取が直接的にへバーデン結節の原因になるとした医学的根拠は確認されていません。
ただし、カフェインの過剰摂取は血流やホルモンバランスに影響を与えて症状を強くする可能性があるため、飲み過ぎには注意が必要です。
詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
へバーデン結節とブシャール結節の違いは何ですか?
両者とも指の関節に起こる変形性関節症ですが、発症する部位が異なります。
- へバーデン結節:第一関節に発症
- ブシャール結節:第二関節に発症
症状や原因には共通点があるものの、関節の動きに与える影響や治療アプローチが異なるため、正確な診断と適切な対処が必要です。
詳細は以下の記事で解説しています。ぜひご覧ください。
ヘバーデン結節をほっとくとどうなるのでしょうか?
へバーデン結節を放置してしまうと、関節の変形が進行し、痛みや可動域制限が強くなる可能性があります。
進行した場合は、手術を含む治療が必要になるケースもあるため、違和感を覚えた段階で整形外科の受診をおすすめします。
へバーデン結節に効果的なマッサージ方法はありますか?
へバーデン結節に対して効果が科学的に証明されたマッサージ法は存在していません。
炎症がある時期に無理に指を動かしたり、強く揉んだりするのは症状の悪化につながる可能性があります。
手術後や炎症が落ち着いた時期には、医療機関で状況に応じてマッサージや可動域訓練を実施する場合がありますが、自己判断でおこなうのは危険です。
痛みが強いときは、関節を安静に保ち、保存療法を優先しましょう。
参考文献
肩・肘・手の主な病気:へバーデン結節|東邦大学医療センター大橋病院 整形外科
Erosive osteoarthritis: a current review of a clinical challenge|PubMed