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更年期関節痛とリウマチの違いは?見分けるポイントや治療法を医師が解説

更年期関節痛 リウマチ 違い
公開日: 2025.05.30

「最近、手や膝が痛むようになってきた」

「更年期の影響だと思っていたが、もしかするとリウマチなのではないか?」

更年期に入り、関節痛に悩まされている方の中には、このような不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。

ご家族にリウマチの方がいる場合は、とくに不安が強いのではないでしょうか。更年期関節痛とリウマチには、発症年齢や関節痛以外の症状などの違いがあります。

本記事では、更年期関節痛とリウマチの違いや治療法、セルフケアについて解説します。両者の違いを理解して適切な治療を受けるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

更年期関節痛とリウマチの違い

この章では、更年期関節痛とリウマチの違いについて説明します。

更年期関節痛とは

更年期関節痛とは、更年期に伴う身体症状の1つです。

近年になって、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少すると、関節痛や腫れ、しびれが生じることが明らかになりました。エストロゲンには、関節や腱を保護する滑膜の腫れを抑える働きがあります。エストロゲン減少により生じた関節痛や腫れなどが、更年期関節痛と呼ばれます。

主な更年期関節痛は、以下のとおりです。

関節痛の種類 特徴
へバーテン結節 手指の第1関節に症状が現れる
ブシャール結節 手指の第2関節に症状が現れる
母指CM関節症 親指の付け根に症状が現れる
ばね指 曲げた手指が伸ばしにくくなる
ドケルバン病 親指側の手首が痛む
手根管症候群 手のひらが痛んだりしびれたりする

手の関節だけではなく、膝や肩など複数の部分で関節痛が生じる場合もあります。

以下の記事では、ブシャール結節について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

リウマチとは

関節リウマチは自己免疫疾患の1つです。

関節内の滑膜が自分の免疫によって攻撃されたために、手指の関節痛や腫れ、朝のこわばりといった症状が現れます。進行すると関節の変形や破壊が見られるようになります。

免疫システムの異常や、喫煙をはじめとする環境要因、遺伝的要因が発症に関与していると考えられていますが、現時点で原因は特定されていません。

関節リウマチについては以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

更年期関節痛とリウマチの違いを見分けるポイント

更年期関節痛とリウマチの違いを以下に示します。

  更年期関節痛 関節リウマチ
発症年齢と性別による違い
  • 40~50代の女性に多い
  • 閉経前後の10年間に発症しやすい
  • 30~50代の女性に多い
  • 60代以上で発症する場合は、性別による差は少ない。
症状による違い
  • 手指以外にも、膝や肩など複数の部分で関節痛が生じる
  • 関節の腫れは見られない、もしくは軽度
  • 更年期が過ぎると自然に軽減する
  • 関節痛以外の症状としては、体のほてり、発汗、動悸、イライラなどが見られる
  • 手指の関節痛が特徴的(膝や足にも症状が出る場合もある)
  • 関節の腫れやこわばり、熱感などが見られる
  • 徐々に進行し、関節の変形や破壊が生じるケースもある
  • 関節痛以外に、微熱や食欲不振、倦怠感などが見られる

更年期関節痛では時間の経過とともに症状が軽減するケースが多い一方で、関節リウマチは症状が徐々に進行する点が大きな違いといえるでしょう。

更年期関節痛の治療とケア方法

更年期関節痛の治療やケア方法は、主に以下のとおりです。

  • ホルモン補充療法
  • 薬物療法
  • 日常生活におけるセルフケア

ホルモン補充療法

更年期で減少したエストロゲンを補充する治療法です。

子宮を摘出された方の場合はエストロゲンのみを補充しますが、それ以外の方は、エストロゲンと黄体ホルモンを併用します。子宮がある方の場合、エストロゲンのみを補充すると、子宮内膜が異常に増殖する「子宮内膜増殖症」のリスクがあるためです。(文献1)

薬物療法

ホルモン剤以外の薬物療法では、アスピリンやロキソニンといった消炎鎮痛剤や漢方薬などが多く用いられます。

関節痛以外の症状がある場合は、向精神薬や自律神経調整薬も処方されます。

日常生活におけるセルフケア

痛みのない範囲でのストレッチやマッサージは、セルフケアとしておすすめです。血行が促進されて、関節が動きやすくなります。ただし、強く痛むときは安静にしましょう。

バランスの良い食事や適度な運動、睡眠などで生活リズムを整えることもセルフケアの1つです。規則正しい生活は、ホルモンバランスを整えることにつながります。(文献2)

食事においては、女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンや、ホルモンバランスを整える働きがあるビタミンEなどを積極的に摂りましょう。ビタミンEが多く含まれる食品は、かぼちゃやほうれん草、アーモンドなどです。(文献3)(文献4)

更年期関節痛のセルフケアについては、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。

リウマチの治療とケア方法

関節リウマチの治療の中心は薬物療法です。

抗リウマチ薬や生物学的製剤、JAK阻害薬などが主に用いられるほか、ステロイド剤や非ステロイド性の消炎鎮痛剤が処方される場合もあります。

関節の変形や破壊が進んだ場合は、手術も選択肢に含まれます。

セルフケアとして第一に挙げられるのは禁煙です。それ以外のセルフケアとしては、栄養バランスの良い食事や適度な運動、休息などが挙げられます。

関節リウマチの治療や予防策については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

更年期関節痛とリウマチの違いに関わらず早めの受診を心がけよう

更年期関節痛とリウマチは原因や発症時期、症状に違いはあるものの、どちらも関節痛が続く疾患です。

更年期関節痛の場合は更年期が終わると徐々に回復しますが、リウマチは進行性であるため、放置しておくと関節の変形や破壊などの症状も現れます。

どちらの場合でも早期発見および、早期治療が大切です。関節痛が続いている方は、整形外科やリウマチ科、婦人科などの医療機関を受診しましょう。

当院「リペアセルクリニック」では、メール相談オンラインカウンセリングを実施しています。関節痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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更年期関節痛とリウマチの違いに関するよくある質問

更年期関節痛とリウマチを同時に発症する可能性はありますか?

更年期関節痛とリウマチを同時に発症する可能性はあります。

更年期は、女性ホルモンの1つであるエストロゲン減少によりさまざまな心身の症状が発生する時期です。エストロゲンは、免疫系にも影響を与えるホルモンで、炎症を抑える働きがあります。

エストロゲン減少で免疫のバランスが崩れると、リウマチを発症するリスクが高まります。関節痛がある場合は、原因に関わらず、早急に医療機関を受診しましょう。

更年期障害による関節痛はいつまで続きますか?

更年期障害による関節痛は、更年期が終わると徐々に回復に向かいます。しかし、関節痛の原因が更年期ではなくリウマチの可能性もあります。

更年期関節痛とリウマチを同時に発症している場合もあるため、関節痛が続くときは放置せず、早急に医療機関を受診しましょう。

(参考文献)

(文献1) 東京医科大学病院 薬剤部「お薬のしおり 更年期障害について」2022年

https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/yakuzai/data/240.pdf

(最終アクセス:2025年5月22日)

(文献2) 全国健康保険協会 栃木支部「ホルモンバランスを整えてグッドコンディションを手に入れよう!」

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/file/060911104606.pdf

(最終アクセス:2025年5月22日)

(文献3) 公益財団法人中国労働衛生協会「更年期の健康課題」2024年

https://churou-wp.sub.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2024/02/2201f33f600bac8744116a4596d7c057.pdf

(最終アクセス:2025年5月22日)

(文献4) 国立研究開発法人 医療基盤・健康・栄養研究所「ビタミンE」「健康食品」の安全性・有効性情報, 2020年11月5日

https://hfnet.nibn.go.jp/vitamin/detail176/#002

(最終アクセス:2025年5月22日)

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