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【医師監修】バネ指が重症化するサインとリスクを解説

「指が動かしにくい」
「バネ指が進行しているかもしれない」
バネ指は初期には指の動きの違和感や引っかかりといった軽い症状が中心ですが、進行すると曲げ伸ばしが困難になり、関節の変形や指の硬直を招く危険があります。
バネ指は放置すると悪化し、手術が必要になる場合もあるため、早期の対応が重要です。本記事では、バネ指が重症化するサインとリスクを現役医師が詳しく解説します。
- バネ指の重症度の判定基準
- バネ指の重症化を示すサイン
- バネ指の重症化に伴う進行リスク
- 重症化したバネ指の治療法
- バネ指の再発を防止するためのポイント
記事の最後には、重症化したバネ指に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
バネ指に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。
バネ指のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。
目次
バネ指の重症度の判定基準
| ステージ | 症状 | 日常生活への影響 |
|---|---|---|
| ステージ1(初期) | 指の付け根の違和感・圧痛、朝のこわばり | 生活への支障ほぼなし、軽い不快感 |
| ステージ2(中期) | 指の「カクッ」としたひっかかり、腫れ・圧痛 | 細かい手作業の不便、ボタン操作や筆記の困難 |
| ステージ3(進行期) | 指のひっかかりと痛み、自力での解除可能 | 箸やペン操作の困難、日常動作への支障 |
| ステージ4(重症期) | 指の完全ロック、他の手でしか伸ばせない強い痛み | 家事困難、仕事や生活への重大な制限 |
バネ指は、症状の進行度により軽度・中等度・重度に分類されます。軽度(ステージ1)では朝のこわばりや付け根の違和感が中心で、日常生活への影響はほとんどありません。中等度(ステージ2〜3)になると、指の動きに強いひっかかりや痛みが現れ、箸やペンなどの操作が難しくなります。
さらに重度(ステージ4)では関節が硬直し、指が完全にロックして自力で伸ばせない状態に至ります。進行すると関節が変形し、保存治療では改善が難しくなることもあります。多くの患者さんはステージ2〜3で受診しますが、放置して重症化する例も少なくありません。
自分の症状がどの段階にあるかを把握することは、適切な治療法を選ぶ大切な目安です。早期に受診し、治療を開始することが、生活への影響を最小限に抑えるために重要です。
以下の記事では、バネ指について詳しく解説しています。
バネ指の重症化を示すサイン
| 重症化を示すサイン | 詳細 |
|---|---|
| 指の動きが制限される | 曲げ伸ばしの滑らかさの低下、朝のこわばりの持続、動作に時間を要する状態 |
| 関節が固まるリスク | 炎症の慢性化による関節可動域の縮小、腱と腱鞘の癒着、機能回復困難な硬直状態 |
| 強いひっかかりが続く | 動作のたびに起こるひっかかりの頻発、抵抗感の増強、自力解除が難しい状態 |
(文献1)
バネ指の発症初期は軽い違和感で済みますが、進行すると日常生活に支障をきたします。重症化を示すサインは、指の動きのぎこちなさや朝のこわばりの持続です。炎症が長引くと関節が硬くなり、腱が癒着して動かしにくくなる危険があります。
さらに、強いひっかかりが繰り返し起こり、自力で指を伸ばせなくなることもあります。これらのサインに気づいた場合は、重症化を防ぐためにも放置せず早期に医療機関を受診することが重要です。
指の動きが制限される
バネ指が進行すると炎症や腫れで腱の通り道が狭くなり、指が引っかかって自力で伸ばせなくなります。
さらに悪化すると指が完全にロックして動かせなくなり、腫れや痛みが続いて関節が変形することもあります。そのため、指の動きに制限を感じたら早めに医療機関を受診することが重要です。
関節が固まるリスク
バネ指が進行すると炎症が長引き、腱や関節周囲の組織が癒着・硬化して指の動きが制限されます。その結果、関節が固まる関節拘縮へと進行し、指の曲げ伸ばしや物を握る・開く動作が難しくなり、食事や着替えなど日常生活に支障を及ぼすことがあります。
指が変形することもあり、関節拘縮は保存療法で改善しにくいため、こわばりや動きの制限を感じたら早めに医療機関を受診することが重要です。
強いひっかかりが続く
バネ指は、指を動かす腱(屈筋腱)とその通り道である腱鞘の間に炎症が生じる疾患です。初期は「カクッ」と軽いひっかかりが出る程度ですが、炎症が繰り返されると腱が肥厚したり結節が形成され、腱鞘を通過しにくくなり、ひっかかりが強くなります。
進行すると指が曲がったまま戻らないロッキング現象が起こり、他方の手で無理に伸ばさなければならない場合もあります。強いひっかかりを放置すると関節拘縮や腱の損傷を招き、物を握る・パソコン操作・細かな作業が困難になって生活の質が低下するため、注意が必要です。
症状が続く場合は軽視せず、早めに整形外科を受診し、安静や装具、ステロイド注射、手術などから適切な治療を受けることが重要です。
バネ指の重症化に伴う進行リスク
| 進行リスク | 詳細 |
|---|---|
| 指の酷使で症状が悪化しやすくなる | 長時間の手作業やタイピングによる腱への反復負担、炎症反応の増強、進行速度の加速しやすくなる |
| 糖尿病や関節リウマチは重症化のリスクになる | 代謝異常や慢性炎症による治癒遅延、腱組織の脆弱化、再燃リスクの上昇状態 |
| 複数の指に発症すると進行が早まる | 手全体への機械的負担増大、使用頻度の偏り、症状範囲の拡大状態 |
| 進行すると手術が必要になる場合がある | 保存療法無効例の増加、腱鞘狭窄の固定化、外科的解放術の適応状態 |
(文献1)
バネ指は初期には保存療法で改善が見込めますが、放置や指の酷使によって炎症が悪化し重症化が進行しやすい疾患です。
糖尿病や関節リウマチを有する方は治癒が遅れやすく再発の可能性も高く、複数の指に発症すると症状が広がり、保存療法では改善せず手術が必要になることがあります。そのため、バネ指は初期の段階で医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
指の酷使で症状が悪化しやすくなる
バネ指の重症化には指の使いすぎが深く関与しています。タイピングや家事、工具の使用、スマートフォン操作といった反復動作により、腱と腱鞘に摩擦が繰り返されることで炎症が生じ、腫れや肥厚が進行します。炎症が強まると腱の通り道が狭くなり、ひっかかりやばね現象が増悪します。
さらに負担が持続すると腱や腱鞘は硬く変性し、保存療法のみでは改善が困難な段階へ進みます。症状を軽視して放置すると炎症の悪循環を招き、結果的に治療期間が長期化し、手術を要する場合も少なくありません。
以下の記事では、パソコン・スマホによる指の使いすぎによる症状を詳しく解説しています。
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糖尿病や関節リウマチは重症化のリスクになる
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 糖尿病では血流や代謝が低下しやすいから | 末梢血流の低下、組織代謝の遅延、高血糖による修復阻害、炎症の遷延化状態 |
| 関節リウマチでは炎症が慢性化しやすいから | 自己免疫反応による慢性的炎症、関節や腱周囲への持続的侵襲、腱断裂合併のリスク状態 |
| 基礎疾患があると治療の選択肢が制限されることがあるから | ステロイド注射の効果が弱まりやすい、副作用リスクの上昇、保存療法の限界、早期手術適応状態 |
(文献1)
糖尿病や関節リウマチなどの基礎疾患を持つ方は、血流や組織修復の障害により炎症が長引きやすく、バネ指が悪化する傾向にあります。保存療法では改善が難しい場合も少なくありません。
そのため、基礎疾患を抱える方は早期に医師へ相談することが推奨されます。
以下の記事では、糖尿病や関節リウマチについて詳しく解説しています。
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ばね指の発症原因に糖尿病が関係する?治療のポイントも含めて現役医師が解説
複数の指に発症すると進行が早まる
バネ指は複数の指に同時に発症することがあり、その場合は手全体に負担がかかるため進行や炎症の悪化が早まりやすいです。
装具や安静だけでは十分に抑えられず保存療法が効きにくいことがあり、重症化や手術の判断が早まる可能性があります。複数の指に症状が出た場合は生活への影響が大きいため、早期に医師へ相談して適切な治療を受けることが重要です。
進行すると手術が必要になる場合がある
バネ指は進行すると手術が必要になる場合があります。初期〜中等度なら安静や装具、薬物、注射などの保存療法で改善が見込めますが、炎症や腱の変性が進行すると効果が限定的となり、外科的治療が選択肢となります。
重症化すると、指が曲がったまま動かないロック現象が起こり、腱鞘切開による手術が必要になる場合があります。また、炎症の持続によって腱や関節が硬くなり、可動域制限や変形を来すこともあるため、早期の対応が重要です。
保存療法で改善せず、指がロックして動かない場合は手術が必要です。したがって早めの受診が欠かせません。
重症化したバネ指の治療法
| 治療法 | 詳細 |
|---|---|
| 保存療法 | 装具やテーピングによる指の固定、安静による負担軽減、生活動作の制限状態 |
| 薬物療法 | 消炎鎮痛薬の内服、局所ステロイド注射による炎症抑制、副作用リスク管理状態 |
| 理学療法 | 温熱療法による血流改善、ストレッチやマッサージによる腱の柔軟性維持、再発予防状態 |
| 手術療法 | 腱鞘切開術による狭窄解除、局所麻酔下での短時間手術、術後リハビリ必要状態 |
| 再生医療 | 自己組織や細胞を用いた修復促進、組織再生による機能回復 |
重症化したバネ指の治療は、症状の進行度に応じて方法が選択されます。軽度の場合は装具やテーピングで指を固定し、安静を保つ保存療法が基本です。
炎症が強い場合には消炎鎮痛薬の内服やステロイド注射が行われ、理学療法として温熱療法やストレッチを用いて血流や柔軟性を改善し、再発予防を図ります。
保存療法で改善が得られない進行例では、腱鞘を切開する手術療法が適応となり、術後にはリハビリが必要です。近年は再生医療による組織修復の選択肢も広がっており、症状の段階や生活背景に応じた治療法の選択が重要となります。
以下の記事ではバネ指の治療法について詳しく解説しています。
保存療法
| 方法 | 詳細 |
|---|---|
| 安静 | 指の使用制限、負担動作の回避、腱と腱鞘の摩擦軽減、炎症悪化の防止状態 |
| 装具療法(テーピングやサポーター) | 指の固定、無意識の使用抑制、安静保持、就寝時の曲がり防止、朝のひっかかり軽減状態 |
| ストレッチやマッサージ | 痛みのない範囲での伸展動作、血行改善、腱の柔軟性維持、硬直予防状態 |
保存療法は、バネ指治療の基本となる方法です。バネ指は指の使いすぎによって腱や腱鞘に炎症が起こる疾患であり、保存療法の目的は炎症を抑えて自然な回復を促すことにあります。
安静や装具による固定は炎症の悪化や指の使いすぎを防ぎ、とくに就寝中の曲がりを抑えて朝のひっかかりを和らげます。
ストレッチやマッサージは血流を改善して腱や腱鞘を柔軟に保ち、軽度から中等度、または重症化初期に有効です。改善がみられない場合や指が完全に動かなくなった場合には、ステロイド注射や手術などの治療を検討する必要があります。
保存療法は患者さん自身の取り組みが効果に直結するため、医師の指導のもとで正しく実践することが重要です。
以下の記事では、バネ指に対する保存療法について詳しく解説しています。
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薬物療法
| 薬物 | 詳細 |
|---|---|
| 内服薬(非ステロイド性消炎鎮痛薬など) | 炎症抑制作用、腫れや痛みの軽減、炎症悪循環の遮断状態 |
| 湿布や塗り薬(外用薬) | 患部への直接作用、局所炎症の抑制、全身副作用の少ない状態 |
| ステロイド注射 | 強力な抗炎症作用、腱鞘内炎症の迅速鎮静、症状の劇的改善効果、投与回数制限状態 |
バネ指の薬物療法は、内服薬・外用薬・注射の3種類に分類されます。内服薬の代表である非ステロイド性消炎鎮痛薬は、身体の内側から炎症を抑え、腫れや痛みを軽減するとともに炎症の悪循環を断つ効果があります。
湿布や塗り薬といった外用薬は患部に直接作用し、局所の炎症を抑えることが特徴で、全身への影響が少ないため副作用のリスクが低い点が利点です。
重症例ではステロイド注射が有効とされ、炎症部位である腱鞘に直接投与することで強い炎症を短期間で鎮め、症状を大きく改善できる可能性があります。ただし、繰り返し投与すると腱が弱くなる恐れがあるため、使用回数や間隔は医師が慎重に判断します。
薬物療法はいずれも症状の緩和には有効ですが、腱と腱鞘の構造的なひっかかりを根本的に解消するものではありません。効果が不十分な場合には、根治を目指す手術が検討されます。
以下の記事では、関節症に使うステロイド注射について詳しく解説しています。
理学療法
| 方法 | 詳細 |
|---|---|
| 超音波治療・電気治療 | 微弱な超音波や電流による血行促進、炎症の軽減、老廃物排出の促進、治癒過程が加速する状態 |
| リハビリ・マッサージ | 理学療法士指導下でのストレッチとマッサージ、腱や腱鞘の柔軟性回復、関節可動域改善、動作のスムーズ化 |
理学療法は、バネ指の症状緩和や再発予防に有効とされる治療法です。超音波や微弱電流を用いた治療は血行を促進し、炎症を抑えることで自然な治癒をサポートします。ストレッチやマッサージは、硬化した腱や腱鞘、関節を柔軟にし、指の可動性を改善します。
正しい方法を習得することで日常生活でのセルフケアにもつながりますが、自己流では症状を悪化させる可能性があるため、医師の指導が不可欠です。
理学療法は軽度から中等度の症状に効果的ですが、重度の症例では十分な改善が得られにくく、ステロイド注射や手術との併用が必要になる場合があります。治療法を選択するためには、医師の診断を受けた上で適切に進めることが重要です。
手術療法
| 手術法 | 詳細 |
|---|---|
| 腱鞘切開術(直視下手術) | 小切開による患部の直視下操作、腱鞘の切開と拡大、腱の動き改善、ひっかかり解消、再発率の低い長期改善状態 |
| 経皮的腱鞘切開術 | 針状器具による皮膚越しの腱鞘切開、最小限の切開創、傷跡の目立ちにくさ、体への低侵襲状態 |
| 手術後の注意点 | 術後リハビリによる機能回復促進、安静保持による負荷軽減、医師指導下での回復管理状態 |
バネ指が重度に進行し、保存療法で改善が得られない場合には、腱鞘を切開して腱の通りを改善する手術が行われます。代表的な方法には、直視下で行う腱鞘切開術と、皮膚の上から針状の器具を用いる経皮的腱鞘切開術があります。
直視下手術は再発が少なく長期的な改善が期待できる一方、経皮的手術は切開が小さく傷跡が目立ちにくいため、身体への負担が少ないのが特徴です。
いずれの手術も局所麻酔で短時間に行うことができ、術後はリハビリによる指の動きの回復が重要であり、必要性や術式の選択は症状の程度や生活スタイルによって異なるため、医師への相談が不可欠です。
再生医療
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 組織修復機序への関与 | 成長因子による細胞増殖に関わる働き、損傷部位での組織再構築過程への関与 |
| 炎症反応への作用 | 血小板由来成分に含まれる成長因子の抗炎症性の働き、炎症性物質への作用 |
| 自己由来である点 | 自己血液由来であることによる免疫学的適合性、アレルギーリスク低減の期待 |
| 治療の考え方 | 組織環境の整備と組織再構築過程へのアプローチという位置づけ |
重症化したバネ指の治療法のひとつとして再生医療が挙げられます。再生医療では、血小板に含まれる成長因子が細胞の増殖や組織再構築に関わり、損傷した腱や腱鞘の修復過程を助ける働きがあります。また、同じ成分には炎症性物質の働きを抑える作用があり、炎症反応を抑える作用も期待できます。
自己血液を利用するため、免疫学的に適合しやすく、アレルギーのリスクが低い点も特徴です。従来の炎症を抑える治療とは異なり、組織環境を整え再構築を目指すアプローチとして位置づけられています。適応については医師に相談する必要があります。
以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。
バネ指の再発を防止するためのポイント
| ポイント | 詳細 |
|---|---|
| 治療後は安静とリハビリを行い経過を観察する | 治癒過程での無理な使用回避、医師指示下での段階的リハビリ、経過確認状態 |
| 指の使いすぎを避けて日常生活での負担を減らす | 長時間のタイピングや家事作業の制限、適度な休養、動作工夫による腱負担軽減状態 |
| 装具・ストレッチ・運動で腱の柔軟性を保つ | サポーターやテーピングの活用、軽いストレッチや運動による血流促進、腱の柔軟保持状態 |
| 基礎疾患を管理して再発リスクを下げる | 糖尿病や関節リウマチのコントロール、定期的な通院管理、再発予防状態 |
バネ指は治療後に再発するケースがあるため、日常生活での工夫や適切なセルフケアが重要です。再発防止には、治療直後は無理な使用を避け、医師の指示に従って段階的にリハビリを行い、定期的に経過を診てもらうことが重要です。
タイピングや家事などで指を酷使する動作を減らし、適度に休養を取ることで腱への負担を軽減できます。サポーターやテーピングを活用し、軽いストレッチや運動を取り入れて血流を促すことも腱の柔軟性維持に有効です。
糖尿病や関節リウマチなどの基礎疾患を適切に管理することは再発リスクの低減につながり、治療効果を維持して快適な日常生活を送るために重要です。
治療後は安静とリハビリを行い経過を観察する
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 安静にすることで炎症の再発を防ぐ | 指の負担軽減、腱鞘の炎症悪化予防、治癒過程の安定化状態 |
| リハビリで指の可動域と柔軟性を保つ | ストレッチや軽運動による固まり防止、腱と関節の滑らかな動作維持状態 |
| 経過観察で早期異常発見が可能 | 定期観察による再発兆候の確認、新たな問題の早期把握、迅速対応状態 |
| 負担のかけすぎに注意しながら日常生活に戻る | 段階的復帰による過負荷防止、適切な使用による再発リスク低減状態 |
| 継続的なケアが再発防止につながる | 日常的ストレッチ習慣、腱鞘滑走性の維持、生活習慣見直しによる予防状態 |
バネ指は治療後に再発することがあるため、治療直後の過ごし方が重要です。まずは安静を保って炎症の再発を防ぎ、その後は医師の指導のもとでストレッチや軽い運動を行い、指の可動域と柔軟性を回復させます。
経過を観察することで再発の兆候や新たな異常を早期に発見し、症状の悪化を防ぐことができます。日常生活への復帰は段階的に行い、指の酷使を避ける工夫が必要です。
また、ストレッチや負担軽減などのセルフケアを継続することで腱鞘の状態を良好に保ち、再発防止につながります。治療後のセルフケアは治療と同様に重要であり、快適な日常生活を取り戻すための鍵となります。
指の使いすぎを避けて日常生活での負担を減らす
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 腱と腱鞘への摩擦や炎症を抑えられる | 家事やキーボード操作、スマホ使用による摩擦増大、炎症や腫れ悪化防止状態 |
| 負担を減らすと組織の修復が進みやすくなる | デリケートな患部組織の回復促進、休息による修復サポート状態 |
| 指の使い方を工夫すると日常生活に支障が出にくいため | 両手での荷物運搬、作業の分割実施、操作中のこまめな休憩習慣状態 |
| 長期的な再発予防習慣につながる | 負担軽減意識の定着、生活習慣の改善、安定した生活維持状態 |
バネ指は、腱が腱鞘を通る際の摩擦によって炎症が生じる疾患であり、指を使いすぎると炎症や腫れが再発する原因となります。治療後もしばらくは腱や腱鞘がデリケートな状態にあるため、無理に使用すると修復が遅れることがあります。
適度な休養と生活動作の工夫によって腱の回復を促し、バネ指の再発防止に有効です。指を使いすぎない意識を持ち続けることは、治療後だけでなく長期的な再発予防にもつながり、快適な日常生活を送る上で重要です。
装具・ストレッチ・運動で腱の柔軟性を保つ
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 装具で腱の動きを適度に制限し炎症を抑えられる | スプリントによる指の動き制限、腱鞘内の摩擦軽減、炎症の鎮静および再発防止状態 |
| ストレッチで硬くなった腱や関節をほぐせる | 軽いストレッチによる腱・関節の柔軟性維持、ひっかかり解消および動きやすさ保持状態 |
| 運動で血流を促進し修復力を高められる | 適度な指の運動による血流改善、炎症緩和促進および腱や筋肉バランス調整状態 |
| 継続することで長期的な予防につながる | 習慣的な装具使用とストレッチ・運動の継続、柔軟性維持と再発リスク軽減状態 |
バネ指は、治療後に腱や腱鞘の柔軟性を保つことが再発防止の重要なポイントです。装具(スプリント)を用いて指の動きを適度に制限することで摩擦を減らし、炎症を抑えることができます。
ストレッチは硬くなった腱や関節をほぐし、柔軟性を維持するのに有効です。さらに無理のない運動は血流を促し、腱や筋肉のバランスを整えて回復を助けます。
これらの方法は一時的では効果が限られるため、継続することで初めて十分な予防につながります。日常生活に取り入れやすい取り組みであり、習慣化することで指の動きをスムーズに保ち、長期的な再発防止に役立ちます。
基礎疾患を管理して再発リスクを下げる
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 糖尿病は炎症や治癒遅延の原因になる | 血流や代謝の低下、腱や腱鞘の炎症の長期化、血糖コントロールによる炎症緩和状態 |
| 関節リウマチは慢性的な炎症を引き起こす | 関節や腱周囲の慢性炎症、病態の悪化防止、適切な治療継続による負担軽減状態 |
| 基礎疾患があると治療の効果が出にくいことがあるため | 薬物療法や注射の効果低下リスク、基礎疾患管理による治療効果の向上状態 |
| 全身の健康管理が長期的な予防につながる | 定期的な通院と検査、全身的健康維持、再発防止と生活の質保持状態 |
バネ指は糖尿病や関節リウマチと密接に関係しており、これらの基礎疾患を適切に管理することが再発予防において重要です。糖尿病では血流や代謝の低下により炎症が長引きやすくなるため、良好な血糖コントロールが求められます。
関節リウマチは慢性的な炎症を引き起こしやすく、腱や腱鞘への負担を増加させるため、治療を継続して炎症を抑えることが必要です。基礎疾患を放置すると薬物療法や注射の効果が十分に得られない場合があり、適切な管理が治療効果の向上につながります。
定期的な通院や検査で全身の健康を維持することは、バネ指の再発防止だけでなく生活の質を保つ上でも大切です。基礎疾患のコントロールは快適な日常生活を長く続けるための重要な要素です。
以下の記事では、基礎疾患の管理について詳しく解説しています。
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重症化が疑われるバネ指は放置せず早めに受診しよう
バネ指は放置しても自然に改善することはほとんどなく、重症化すると日常生活に大きな支障を及ぼします。関節の変形や指の硬直を防ぐためには、症状が進行する前に適切な治療を受けることが重要です。
重症のバネ指でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院は、バネ指の治癒に有効である再生医療を選択肢のひとつとしてご提案しています。再生医療は、手術に伴う感染症や薬物による副作用のリスクが低いメリットがあります。
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重症化したバネ指に関するよくある質問
バネ指と間違いやすい手指の疾患はありますか?
バネ指と似た症状を示す疾患は複数あります。関節リウマチは朝のこわばりや関節の腫れが特徴で、へバーデン結節やブシャール結節は更年期以降の女性に多く骨のこぶを生じます。
ドケルバン病は親指側の手首に痛みを伴う腱鞘炎で、変形性関節症は関節のすり減りによる変形やこわばりが見られます。指の症状があっても必ずしもバネ指とは限らないため、自己判断せず整形外科で診断を受けることが重要です。
指の関節症に対しては、再生医療という治療法があります。CM関節症に対する以下の症例記事が参考になるので、ぜひご覧ください。
以下の記事では、更年期の指の痛みについて詳しく解説しています。
バネ指でやってはいけないことはありますか?
バネ指は指の使いすぎによる炎症が主な原因であり、誤った対処は症状の悪化につながる可能性があります。固まった指を無理に動かしたり、自己流で強いマッサージを行ったりすると、腱や腱鞘をさらに損傷させる恐れがあります。
スマートフォンやパソコンの長時間使用も同じ動作を繰り返すことで腱への摩擦を増やし、炎症を助長しやすくなります。また、軽い症状だからと放置すると進行して指が動かなくなることもあります。症状が続く場合は自己判断を避け、早急に整形外科への受診が不可欠です。
以下の記事では、バネ指でやってはいけないことを詳しく解説しています。
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バネ指の手術痕は目立ちますか?
手術痕の大きさは方法によって異なります。通常の腱鞘切開術では指の付け根に約1.5cmの傷が残りますが、時間とともに目立ちにくくなります。
経皮的腱鞘切開術は1mm程度の小さな傷で済み、回復も早いのが特徴です。術後は赤みや腫れが出ることがありますが、数日から数週間で落ち着き、傷跡も徐々に改善します。痕が気になる場合は事前に医師へ相談し、術後は清潔を保ち指示通りのケアを行うことが大切です。
参考文献

















