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【腸腰筋のストレッチ】効果やほぐし方を現役医師が解説
「腰痛が続いている」
「股関節になんとなく違和感がある」
「腸腰筋のストレッチが良いと聞いたけれど、効果はあるの?」
腸腰筋のストレッチは、股関節の可動域改善や慢性腰痛緩和の手段の1つです。
腸腰筋は、起き上がりや歩行、姿勢保持といった日常生活動作にも関わる大切な筋肉であるため、ストレッチは健康維持に役立ちます。しかし、腸腰筋ストレッチはすべての方に有効ではありません。中には、ストレッチを行わない方が良い方もいらっしゃいます。
本記事では、腸腰筋ストレッチの効果や方法に加えて、やってはいけない状況について解説します。ストレッチを試すかどうか迷う方の参考になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
腸腰筋ストレッチの効果
この章では、以下の3点について解説します。
- 腸腰筋ストレッチで期待できる効果
- 腰痛や股関節の違和感に腸腰筋が関わる理由
- 腸腰筋が硬くなるメカニズム
腸腰筋ストレッチで期待できる効果
腸腰筋ストレッチの効果は、筋肉を柔らかくしたり、股関節前面の動きを整えたりするなどです。立ち上がりや歩行などの動作を楽にする効果も期待できます。
筋肉をゆっくり伸ばした体勢を維持する静的ストレッチは、関節可動域を改善する効果が期待されています。ストレッチの目安は、一動作につき15〜30秒間です。2〜4回程度繰り返すと良いでしょう。(文献1)
慢性腰痛では運動など非薬物療法が推奨される流れがあり、ストレッチはその一部として位置づけられます。(文献2)
腰痛や股関節の違和感に腸腰筋が関わる理由
腸腰筋は腰椎に位置する長いリボン状の筋肉で、腰や股関節を動かすために使われるものです。(文献3)
日常生活における腸腰筋の役割としては、起き上がる、歩く、走る、姿勢を維持するなどがあります。
腸腰筋の一部である大腰筋は腰椎の安定に関係する筋肉です。そのため腸腰筋が硬いと腰痛や股関節および鼠径部(股関節の付け根)の違和感、足のだるさにつながる可能性があります。
腸腰筋が硬くなるメカニズム
デスクワークを中心とした座り仕事や、家事および介護などによる中腰姿勢で股関節を曲げた時間が長いと腸腰筋が短くなり、「縮んで硬い」感覚が出やすくなります。(文献4)(文献5)
腰回りを柔らかくしようとして無理に腰を反らしたり伸ばしたりしても、腸腰筋のケアにはつながりません。かえって腰に負担がかかってしまいます。
寝ながらほぐせる腸腰筋ストレッチ
この章では、寝ながらほぐせる腸腰筋ストレッチを2種類紹介します。ストレッチの際は、痛みが出るまで動かさないようにしましょう。
【方法1】
- あお向けに寝る
- 片方の膝を抱えて、軽く胸に近づける
- 逆側の脚は、かかとを遠くに押し出すように伸ばす
【方法2】
- あお向けに寝て片膝を立てる。
- 逆側の脚を、円を描くように大きく回す
- 反対側の脚も同じ要領で大きく回す
注意点を以下に示しました。
- 腰を反らさない
- 呼吸を止めない
- 反動をつけない
座ったままほぐせる腸腰筋ストレッチ
この章では、座ったままほぐせる腸腰筋ストレッチを2種類紹介します。痛みが出るまで動かさないようにしましょう。
【方法1】
- 椅子に浅く座る
- 片方の膝を抱えて、軽く胸に近づける
- 15秒程度キープする
- 反対側も同様にストレッチする
【方法2】
- 椅子に浅く座る
- 座りながら足踏みをする
- 足踏みのときは、両腕も大きく動かす
腰を反らしたり反動をつけたりしないなど、注意点は寝たままほぐせるストレッチと同じです。ストレッチ時は呼吸を止めないようにしましょう。
立ったままほぐせる腸腰筋ストレッチ
この章では立ったままほぐせる腸腰筋ストレッチを紹介します。仕事の休憩中にもできる、比較的簡単なものです。
- 椅子の背もたれや壁に手をつく
- 片足を半歩後ろへ引く
- 骨盤を前に押し込んで胸を引き上げる
- 後ろ足のかかとを上げる
腰を反らしたり反動をつけたりしないなど、注意点は寝たままほぐせるストレッチと同じです。ストレッチ時は呼吸を止めないようにしましょう。
事故防止のため、滑りやすい場所でのストレッチは避けてください。
腸腰筋ストレッチのポイント
この章では、腸腰筋ストレッチ実施にあたって覚えておくと良いポイントを3点紹介します。
- 強さの目安
- 時間と回数および頻度の目安
- 正しいフォーム
以下の記事では、慢性腰痛に適したストレッチをタイプ別に紹介しています。あわせてご覧ください。
強さの目安
強さの目安は、「痛むまで伸ばさない」です。軽く引っ張られるような感覚を感じながらストレッチしましょう。痛みが出たら強度を下げるか中止してください。(文献6)
ストレッチの目的は、強く伸ばすことではなく腸腰筋へ適切な刺激を入れることです。反動をつけたり、呼吸を止めたりしないでください。
時間と回数および頻度の目安
腸腰筋ストレッチのような静的ストレッチの場合、15〜30秒保持×2〜4回がよく用いられる目安です。(文献1)
週2〜3日以上を基本ペースで継続してみましょう。ストレッチで痛みが出たら強度を下げるか中止してください。(文献6)
正しいフォーム
正しいフォームのポイントを以下に示しました。
- 腰を反らさないように下腹部を軽く締める
- お尻を軽く締める
- 肋骨を反らしすぎない
腰の中央に違和感がある場合は、フォームが間違っている可能性があります。
腸腰筋ストレッチをやってはいけない状況
腸腰筋ストレッチをやってはいけない状況としてあげられるのは、以下の3点です。
- 強い痛みやしびれがある
- 股関節疾患の可能性がある
- 坐骨神経痛の可能性がある
強い痛みやしびれがある
以下のような状況の場合、自己流の腸腰筋ストレッチを続けず中止しましょう。
- 痛みが強くなる
- 安静にしていても腰痛が続いて辛い
- 下半身のしびれが強くなっている
- しびれの範囲が広がっている
排尿や排便の異常、会陰部(えいんぶ)の感覚異常、両脚の筋力低下などがあるときは、腰部脊柱管狭窄症や馬尾症候群などの可能性があります。医療機関を受診して、原因を把握しましょう。
股関節疾患の可能性がある
鼠径部に鋭い痛みがある、歩行すると痛みが悪化するなど関節可動域制限が強い場合、原因は腸腰筋だけとは限りません。変形性股関節症や股関節脱臼など、股関節疾患が疑われます。
ストレッチで痛みが増える場合は中止し、原因疾患を確定するため医療機関を受診しましょう。
坐骨神経痛の可能性がある
脚に電気が走るような痛みやしびれ、放散痛など、坐骨神経痛のような症状があるときは、ストレッチで症状が悪化する可能性があります。この場合も、無理に継続しないでください。
排尿や排便の変化、会陰部のしびれ、進行する筋力低下などの症状がある場合は、医療機関での原因把握が優先です。
ストレッチで改善しない腸腰筋の症状は医療機関の受診を推奨
数週間ストレッチを続けても症状が続き、フォームや強度・頻度を見直しても改善されないようであれば、医療機関受診を検討しましょう。ストレッチ後に痛みやしびれなどの症状が悪化している場合も、受診をおすすめします。
排尿や排便の異常や会陰部の感覚異常などは、早急な医療機関受診を必要とするサインです。(文献7)
腸腰筋ストレッチの効果とポイントをおさえて正しいやり方で実施しよう
腸腰筋ストレッチは、強さや時間、回数の目安および正しいフォームなどのルールを意識しながら行うことが大切です。
本記事では、寝ながらほぐせるもの、座った姿勢でほぐせるもの、立ったままの姿勢でほぐせるものを紹介しました。基本的なポイントを守りながらのストレッチにより、さまざまな効果が期待できます。
ただし、強い痛みやしびれ、排尿・排便の異常などがあるときは、無理せず中止してください。ストレッチを進めても症状が改善しなかったり悪化したりする場合は、医療機関を受診しましょう。
腸腰筋ストレッチは、自分の身体と相談しながら行っていきましょう。
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腸腰筋ストレッチに関するよくある質問
腸腰筋ストレッチは寝ながらできますか?
腸腰筋ストレッチは寝ながらでも行えます。本記事でも「寝ながらできる腸腰筋ストレッチ」を2種類紹介しているので、参考になさってください。
ただし、痛みやしびれが強い場合は、ストレッチを中止した上で医療機関を受診しましょう。
腸腰筋ストレッチは高齢者にも役立ちますか?
腸腰筋ストレッチは、姿勢の改善や歩行の安定、腰痛緩和などの効果があるとされており、高齢者にも役立ちます。本記事で紹介した、寝たままや座ったままでのストレッチであれば取り入れやすいでしょう。
ただし、痛みやしびれが強いときには無理に行わないようにしてください。
参考文献
American College of Physicians issues guideline for treating nonradicular low back pain|ACP














